特許第6808716号(P6808716)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6808716
(24)【登録日】2020年12月11日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】バリアカフを備える婦人用パッド
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/475 20060101AFI20201221BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   A61F13/475 110
   A61F13/15 100
【請求項の数】7
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2018-509799(P2018-509799)
(86)(22)【出願日】2016年8月19日
(65)【公表番号】特表2018-527990(P2018-527990A)
(43)【公表日】2018年9月27日
(86)【国際出願番号】US2016047740
(87)【国際公開番号】WO2017034964
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2018年2月20日
(31)【優先権主張番号】62/208,248
(32)【優先日】2015年8月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/250,560
(32)【優先日】2015年11月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、リベフ、ハーディー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード、ポール、カーリン
(72)【発明者】
【氏名】ロンダ、リン、グラスマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、デール、トレンポール
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、フェレール
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−500328(JP,A)
【文献】 特表2001−509716(JP,A)
【文献】 特表2013−533029(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/004639(WO,A1)
【文献】 特開2007−144104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15−13/84
A61L15/16−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て吸収性物品(10)であって、長手方向軸線(80)と、前記長手方向軸線に対して垂直の横方向軸線(90)と、を有し、前記使い捨て吸収性物品は、
シャーシ(20)であって、前記長手方向軸線に対して概ね平行に延在する第1及び第2の長手方向側縁部(22、24)と、前記シャーシの両端部で前記第1及び第2の長手方向側縁部に接合する一対の端縁部(26、28)と、を有し、前記シャーシは、トップシート(203)と、バックシート(207)と、前記トップシートと前記バックシートとの間に配設された吸収性コア(205)と、を更に備える、シャーシ(20)と、
前記シャーシの衣類に面する表面(20B)上に配設された固定用接着剤(211)と、
前記第1の長手方向側縁部に沿って延在する第1のカフ(230A)と、
前記第2の長手方向縁部に沿って延在する第2のカフ(230B)と、を更に備え、前記物品は、0.2ニュートン以上1.5ニュートン以下の平均CDピーク荷重と、30以上380以下のたわみ率と、0.5mm以上2.5mm以下の平均パッド巻きと、を有することを特徴とする、使い捨て吸収性物品(10)。
【請求項2】
前記たわみ率が、350未満であることを特徴とする、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
前記第1のカフ及び前記第2のカフは、前記トップシート及び前記バックシートの一部分を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記第1のカフは第1のカバーを含み、前記第2のカフは第2のカバーを含み、前記第1のカバー及び第2のカバーは、前記吸収性物品の前記シャーシから分離していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
前記第1のカバー及び前記第2のカバーは、前記トップシートに取り付けられていることを特徴とする、請求項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
前記平均CDピーク荷重は0.3N以上1.13N以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
前記たわみ率は、40以上220以下であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリアカフを含む婦人用使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
バリアカフを有する使い捨て吸収性物品が現在市販されている。例えば、使い捨ておむつの多くのブランドが、漏出の可能性を低減するのに役立つバリアカフを採用している。一般にバリアカフは、おむつの使用中にバリアカフを立ち上がらせる、単一又は複数の予めひずみが加えられた弾性ストランドを含む。立ち上がり機構がない場合、バリアカフの漏出の可能性を防ぐ又は低減させる効果は比較的弱くなる。
【0003】
典型的には、おむつは包装時に折り畳まれる。大半の場合、包装されたおむつは、一般にはおむつの長さを二分する横方向中心線に沿って折り畳まれている。バリアカフの弾性体は予めひずみが加えられているため、バリアカフはおむつを折り畳まれた状態になるように促す。着用者がおむつを着用する際、予めひずみが加えられた弾性体は、おむつを身体上に押し付けるのを助け、また、おむつが身体に適合するのを助けることができる。
【0004】
バリアカフは、婦人用物品、特に生理用ナプキン又は婦人用パッドにおいては、おむつに対するほどには普及していない。しかし、おむつと同様に、婦人用パッドのためのバリアカフもまた、予めひずみが加えられた弾性体を含む。また、おむつと同様に、婦人用パッドもまた、典型的には包装時に折り畳まれている。例えば、婦人用パッドは、おむつと同様に横方向中心線に沿って折り畳まれている場合があり、又は、いくつかの場合では、婦人用パッドは、例えば3重に折り畳まれた、複数の折り目を含む場合がある。おむつのバリアカフと同様に、婦人用パッドのバリアカフもまた、婦人用パッドが折り畳まれた状態となるのを促す。しかしながら、おむつとは異なり、婦人用パッドを着用するとき、婦人用パッドは通常、身体に直接適用されるのとは対照的に、着用者の下着に適用して接着される。バリアカフは婦人用パッドが折り畳まれた状態となるのを促す傾向があるため、婦人用パッドの下着への適用は困難である場合がある。婦人用パッドが固定用接着剤を含む場合であっても、バリアカフの弾性体が接着力に打ち勝つ場合がある。また、一部の従来の物品では、バリアカフの力を弱める試みがなされている、こうした試みは、折り畳まれた状態になるのを促すバリアカフの影響を軽減する一方で、一般的には婦人用パッドの端部を内側に巻いてしまう。また、婦人用パッドの固定用接着剤は、一般には中央に位置しているため、着用時に端部を巻かれた状態から真っ直ぐにするのが困難である場合がある。残念なことに、婦人用パッドの適用の困難さのために、消費者は、バリアカフの更なる保護が提供されるにも関わらず、バリアカフを備えた婦人用パッドを購入するのを断念する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、適用を容易化し得るバリアカフを備えた婦人用パッドへの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による使い捨て吸収性物品は、物品の着用者への適用を容易化し得る。例えば、本明細書で説明されるようにパッド巻きが低減されるために、物品を着用者のパンティ内に適用することが容易となり得る。
【0007】
一部の形態では、本発明の使い捨て吸収性物品は、長手方向軸線と、長手方向軸線に対して垂直の横方向軸線と、を含む。使い捨て吸収性物品は、長手方向軸線に対して概ね平行に延在する第1及び第2の長手方向側縁部と、シャーシの両端部で第1及び第2の長手方向側縁部に接合する一対の端縁部と、を有するシャーシを更に含み、シャーシは、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアを更に含む。固定用接着剤がシャーシの衣類に面する表面上に配設される。更に、第1のカフは第1の長手方向側縁部に沿って延在し、第2のカフは第2の長手方向縁部に沿って延在する。また、物品は、1.6ニュートン(160グラム重量)未満の平均CDピーク荷重(平均横方向ピーク荷重と、380未満のたわみ率と、3.0mm未満の平均パッド巻きと、を有する。
【0008】
一部の形態では、使い捨て吸収性物品は、長手方向軸線と、長手方向軸線に対して垂直の横方向軸線と、を含む。使い捨て吸収性物品は、長手方向軸線に対して概ね平行に延在する第1及び第2の長手方向側縁部と、シャーシの両端部で第1及び第2の長手方向側縁部に接合する一対の端縁部と、を有するシャーシを更に含み、シャーシは、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアを更に含む。固定用接着剤がシャーシの衣類に面する表面上に配設される。更に、第1のカフは第1の長手方向側縁部に沿って延在し、第2のカフは第2の長手方向縁部に沿って延在する。また、物品は、170未満の平均機械向ピーク荷重と、3.0mm未満の平均パッド巻きと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書は、本発明を構成すると見なされる主題を具体的に指摘しかつ明確に主張する特許請求の範囲を結論とするが、本発明は、添付の図面と関連してなされた以下の説明によって更に理解されると考えられ、添付の図面において参照符号が、実質的に同一の要素を示すために用いられている。
図1】婦人用物品、即ち婦人用パッドの例示的な実施形態を示す平面図である。
図2A図1の婦人用パッドの、線2−2に沿って取った断面図である。
図2B】本発明に従って構築された婦人用パッドの別の形態の断面図である。
図3A】バリアカフの更なる特徴を示す、図1の婦人用パッドを示す平面図である。
図3B図3Aの婦人用パッドのバリアカフのうちの1つの弾性部材の拡大図である。
図3C】本明細書で説明される婦人用パッドのバリアカフの弾性部材の別の構成の拡大図である。
図3D】本明細書で説明される婦人用パッドのバリアカフの弾性部材の別の構成の拡大図である。
図4】婦人用パッド及び例示的な折り目を示す概略的側面図である。
図5】横断面B:Bが殿溝の位置で決定された、様々なBMIの代表的な女性の体形を示す。
図6】大腿空隙部、矢状面と平行の大腿部直径(大腿部長さ)、及び前頭面に対して平行の大腿部直径(大腿部幅)を含む、図5の平面B:Bで取られた代表的な女性の形態学的測定を示す。
図7A】内股1100A及び1100Bが、高BMI値(例えば35)の場合の胴体1120及び殿溝と交差する場所で画定された、股部の前頭面上の開放領域の近似を示す。
図7B】内股が低BMI値(例えば15)の場合の胴体及び殿溝と交差する場所で画定された、股部の前頭面上の開放領域の近似を示す。
図8】サンプルの機械方向及び機械横方向に関する特性を測定するのに用いられる試験装置の一部分を示す。
図9】複数の測定サンプルの平均パッド巻き対平均CDピーク荷重を示すグラフである。
図10】複数の測定サンプルの平均パッド巻き対たわみ率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の婦人用パッドは快適なフィットを可能にする可撓性を提供し得、また、ユーザの下着への適用を容易化し得る。本開示の目的のために、婦人用パッド、使い捨て吸収性物品、又は吸収性物品についての言及を用いる。しかしながら、本発明は、生理用ナプキン、パンティライナ、成人失禁用パッド、生理用パッドなどが挙げられるがこれらに限定されない、複数の婦人用物品に適用することができる。
【0011】
特に適用の容易化を重視する場合、バリアレッグカフを備える婦人用パッドを作り出すときに検討すべきいくつかの要素が存在する。第1に、パッドの剛性は重要な要素である。一般的に、より薄いパッドは、より嵩高な相対物よりも低い剛性をもたらす。より嵩高なパッドはバリアカフが及ぼす力に抵抗し得るが、より嵩高なパッドは婦人用パッドの使用中の目立たなさを失い得るために望ましくない。また、吸収性コアのある程度の可撓性は、使用中に婦人用パッドをユーザの身体の輪郭により容易に適合させることを可能にし得る。第2に、適用中の婦人用パッドの安定性は重要な変数である。婦人用パッドは、ユーザの下着に適用するために、理想的には容易に開いて平らになるべきである。バリアカフによって物品上に加えられる力は、婦人用パッドの端部が巻くことなく、又は少なくとも巻きの量が低減されて、婦人用パッドが容易に平らになり得るように、弱められるべきである。第3に、婦人用パッドに付随するバリアカフは、機能的なガスケッティングを提供する必要がある。即ち、バリアカフは使用中に立ち上がって適切な位置で着用者の身体に接触して、バリアカフを越えて漏出する可能性を低減させる必要がある。
【0012】
過去の設計は、上記の要素のうちの1つ以上を犠牲にすることが必要であった。対照的に、本開示に従って構成される婦人用パッドは、3つの要素を全て考慮して、新規な婦人用パッドを作り出す。即ち、本開示の婦人用パッドは、良好なコアの可撓性と、婦人用パッドの適用を容易にする少ないパッド巻きと、使用中に立ち上がり、適切な位置で着用者に接触して、婦人用パッドからの漏出の可能性を低減させることを確実にするバリアカフと、を提供し得る。
【0013】
上述したように、婦人用パッドのある程度の可撓性は望ましい。例えば、図1を参照すると、一般に、本発明の婦人用パッドは、機械横方向(「CD方向」)及び機械方向(「MD方向」)の両方での可撓性を有するべきである。CDの可撓性は、婦人用パッドが使用者の身体の輪郭により容易に適合することを可能にし得る。しかしながら、CDのより高い可撓性は、適用中のパッド巻きの可能性をもたらし得る。パッド巻きとは、パッドが平面上に置かれて、その上で完全に広げられたときに、端縁部26及び28に隣接するパッドが巻く程度のことである。パッド巻きは、特に婦人用パッド10の「角部」に影響を及ぼす。例えば、端縁部26と関連する角部26A及び26B、並びに端縁部28と関連する角部28A及び28Bは、巻きの影響を受けやすい。同様に、MD方向のある程度の可撓性も望ましいが、MD方向の高い可撓性は、バリアカフが婦人用パッド10の端部区域40及び48を折り畳ませる可能性を生じさせ得る。
【0014】
更に図1を参照すると、婦人用パッド10が示されるが、これは長手方向軸線80及び横方向軸線90を含み得る。長手方向軸線80は、婦人用パッド10の最長寸法に対して概ね平行に延在する。横方向軸線90は、長手方向軸線80に対して概して垂直に延在し、平面上に平らに広げた状態の婦人用パッド10と同じ平面に置かれる。横方向軸線90は、婦人用パッド10の長さが長手方向軸線80と平行である場合にその長さがを二分し、長手方向軸線80は、婦人用パッド10の幅が横方向軸線90と平行である場合にその幅を二分する。更に、示されるように、MD方向は婦人用パッド10の長手方向軸線80に対して概ね平行であり得、CD方向は横方向軸線90に対して概ね平行であり得る。
【0015】
婦人用パッド10は、長手方向軸線80に対して概ね平行に延在する複数の側縁部22及び24を含むシャーシ20を更に含み得る。一対の端縁部26及び28は、側縁部22及び24のそれぞれと接合する。一方の端縁部26は、婦人用パッド10の第1の端部区域40で側縁部22及び24に接合し、もう一方の端縁部28は、婦人用パッド10の第2の端部区域48で側縁部22及び24に接合し、第2の端部区域48は第1の端部区域40と対向する。中間区域44は、第1の端部区域40と第2の端部区域48との間に配設される。
【0016】
示されるように、婦人用パッド10は概ね細長い楕円形からなる。しかしながら、任意の好適な形状が用いられてもよい。いくつかの例としては、砂時計形、オフセットされた砂時計形(一方の端部が反対側の端部よりも広く、狭くなった中間区画が端部の間にある)などが挙げられる。婦人用パッド10は長手方向軸線80を中心に対称であってもよく、又は長手方向軸線80を中心に非対称であってもよい。同様に、婦人用パッド10は横方向軸線90を中心に対称であってもよく、又は横方向軸線90を中心に非対称であってもよい。
【0017】
図2Aに関して、シャーシ20は、トップシート203、バックシート207、及びトップシート203とバックシート207との間に位置決めされた吸収性構造体205を更に含み得る。トップシート203とバックシート207との間には追加的な層が企図される。いくつかの例としては二次トップシート、捕捉層、分配層などが挙げられる。シャーシ20は、着用者に面する表面20A及び衣類に面する表面20Bを更に含む。着用者に面する表面20Aはトップシート203を含み得、衣類に面する表面20Bはバックシートを含み得る。
【0018】
婦人用パッド10は、第1のバリアカフ230Aと、第2のバリアカフ230Bと、シャーシ20の衣類に面する表面20B上に配設された固定用接着剤211とを更に含み得る。示されるように、固定用接着剤211は、吸収性コア205と同じ程度に横方向に延在し得ない。こうして、固定用接着剤211の配置は、婦人用パッド10の角部26A、26B、28A、28Bを押さえるという点では大きな助けを提供することができない場合がある(図1を参照)。したがって、パッド巻きが低減された構造が有用となる。
【0019】
第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、任意の好適な位置でシャーシ20に取り付けられ得る。例えば、示されるように、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、シャーシ20の着用者に面する表面20Aに取り付けられてもよい。示されるように、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、トップシート203に取り付けられる。いくつかの形態では、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、シャーシ20の衣類に面する表面20Bに取り付けられ得る。例えば、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、バックシート207に取り付けられてもよい。その他の好適なバリアカフのいくつかの例が、米国特許第4,695,278号、同第4,704,115号、同第4,795,454号、同第4,909,803号、米国特許出願公開第2009/0312730号で説明されている。
【0020】
示されるように、いくつかの形態では、第1のバリアカフ230Aは、第1のカバー231及び第1の弾性部材233を含む。第2のバリアカフ230Bは、第2のカバー235及び第2の弾性部材237を含む。示されるように、第1のカバー231は第1の弾性部材233を完全に包囲し得る。同様に、第2のカバー235は第2の弾性部材237を完全に包囲し得る。
【0021】
第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bはシャーシ20に取り付けられた別個の要素として示されているが、任意の好適な構成を利用してもよい。例えば、第1のカバー231及び/又は第2のカバー235は、トップシート203の一部分及び/又はバックシート207の一部分を含んでもよい。こうした形態では、第1のバリアカフ230A及び/又は第2のバリアカフ230Bは、シャーシ20と一体に形成されてもよい。第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bがシャーシ20と一体に形成されている形態を図2Bに示し、本明細書で後述する。
【0022】
図2A及び2Bを参照すると、第1の弾性部材233及び第2の弾性部材237は、任意の好適な手法によって第1のカバー231及び第2のカバー235にそれぞれ取り付けられてよい。一例では、第1の弾性部材は、第1のカバー231に接着によって取り付けられてもよい。同様に、第2の弾性部材237も第2のカバー235に接着によって取り付けられてもよい。例えば、示されるように、第1の接着材部分251及び253は、弾性部材233及び237をそれらそれぞれのカバー231及び235に取り付けてもよい。同様に、第2の接着剤部分255及び257は、それらそれぞれのカバー231及び235をトップシート203に取り付けてもよい。後述する通り、第1の弾性部材233及び第2の弾性部材237は、それぞれ、一部分でのみ第1のカバー231及び第2のカバー235に取り付けることができる。第1の弾性部材233及び/又は第2の弾性部材237が、それらそれぞれのカバー231及び235と共に、又はこれらとは独立して、シャーシ20に取り付けられる更なる形態が企図される。
【0023】
図1及び2Aを再び参照すると、弾性部材233及び237は、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの横方向内側に配設され得る。その他の形態では、弾性部材233及び237は、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの横方向外側に配設され得る。更にその他の形態では、弾性部材233及び237は、第1の端部区域40及び第2の端部区域48では、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの横方向内側に配設されてもよいが、中間区域44では、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの横方向の外側に配設されてもよい。弾性部材233及び237が、第1の端部区域40では、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの横方向内側に配設されるが、中間区域44及び/又は第2の端部区域48では、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの外側に配設される、更なる形態が企図される。
【0024】
図2Bを再び参照すると、上述したように、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、トップシート203及びバックシート207の一部分を含み得る。第1の弾性部材233及び第2の弾性部材235は、トップシート203及びバックシート205の一部分にのみ取り付けられ得る。後述する通り、その他の形態では、第1の弾性部材233及び第2の弾性部材235は、それらそれぞれの端部でトップシート203及びバックシート205に取り付けられ得る。示されるように、弾性部材233及び237は、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの横方向外側に配設され得る。
【0025】
バリアカフに含まれる弾性部材は、様々な糊剤長さで、様々な糊剤、並びに糊剤量及び配置を用いて接着され得る。糊剤の配置は、特にコアの可撓性を念頭に置いて設計する場合に考慮すべきである、更なる別の変数である。弾性部材及びカバーの糊剤接着は、パッド上に固定点を作り出す。固定点の位置は重要である。例えば、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの外側の固定点は、吸収性コア205に加えられた力を軽減させ得るが、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bから過度に外側に配設された固定点は、端縁部26及び28上の巻き量を増大させ得る。吸収性コア205の側縁部205A及び205Bから過度に内側に配設された固定点は、バリアカフ230A及び230Bの性能に悪影響を及ぼし得る。これは、より狭い股部区域と結合されたより広い端部は、弾性力が作用してパッドの形状を変形させ得る人工的な屈曲点を作り出すため、輪郭形状を有するコア上では特に重要となり得る。
【0026】
一部の形態では、接着剤は非連続的にカバーに塗布され得る。例えば、中間区域44においてカバーに塗布された接着剤は、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bの外側に配設され得る。しかしながら、端部区域40及び48では、接着剤は、吸収性コア205の側縁部205A及び205Bのより近位においてカバーに塗布され得る。こうした接着剤の塗布は、バリアカフが内向きになるように付勢されて、より効果的なガスケットを作り出すのに役立ち得る。バリアカフの接着剤パターンについては、米国特許出願公開第2011/0319855号で詳細に説明されている。
【0027】
第1のバリアカフ230Aと第2のバリアカフ230Bとの間の最小間隔は、主に女性の解剖学的形状によって生じ得る。しかしながら、上述したように、バリアカフ(及びそれらそれぞれの弾性部材)が、吸収性コア205から過度に外側に配設され、また吸収性コア205から過度に内側に配設された場合は、トレードオフが発生する場合がある。そのため、それぞれのバリアカフの最遠位弾性部材間の間隔は慎重に選択するべきである。最狭幅から開始して、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bの最遠位弾性部材間の間隔は、パッドに加えられるであろう力も考慮に入れつつ、使用中に吸収性コア205への十分なアクセスを可能とするのに十分なだけ大きくあるべきである。狭過ぎる場合、吸収性コア205の一部分へのアクセスは妨げられる場合があり、これにより、バリアカフ230A及び230Bが存在するにもかかわらず漏出が生じる可能性がある。本発明のいくつかの形態では、互いに対して最遠位にある第1のバリアカフ230Aの弾性部材と第2のバリアカフ230Bの弾性部材との間の最小間隔は、少なくとも20mmであり得る。任意の好適な間隔を用いてもよい。例えば、本発明のいくつかの形態では、間隔は、約20mm以上、約30mm超、約33mm超、約35mm超、約40mm超、約45mm超、約50mm超、約54mm超、約60mm超、約65mm超、70mm以下、又は約65mm未満、又は約60mm未満、約55mm未満、約50mm未満、約45mm未満、約40mm未満、約35mm未満、約30mm未満、約25mm未満であり得、具体的にはこれらの範囲又はこれらによって作られる全ての範囲内の全ての値が含まれる。
【0028】
上記の間隔は、バリアカフ230A及び230Bが適切な位置でユーザの身体に接触するのを確実にする上で不可欠であり得る。適切な位置を理解するためには、ユーザの解剖学的構造のいくつかの基準点に言及することが適切である。本明細書で使用するとき、「前頭面」とは、起立した女性の身体を貫いて延在し、上記身体を前方部分と後方部分とに分割する垂直面を表し、上記前頭面は肩部及び膣口を貫いて延在して、膣口を前方部分と後方部分とに二分する。本明細書で使用するとき、「矢状面」とは、起立する着用者の身体を貫いて延在する平面を表し、これは、起立する着用者の身体を左半身と右半身とに二分する。「大腿部間隔」とは、大腿部(大腿部1100A及び1100Bの内側部分(図6を参照))間の最狭横方向距離を意味し、大腿部を測定されている人は、その脚をおよそ肩幅に開いた状態の中立姿勢にある。横方向距離は前頭面に対して平行であり、かつ水平面上にある。水平面は前頭面に対して垂直であり、殿溝を貫いて延在する(殿溝は、臀部の折り目、又は水平の臀部ひだの臀部折り目として言及される場合が多い)。これは、図5に、及び図6において図5の平面B:Bで図示される。
【0029】
図7Aは、身体の前側部分から後側部分へと前頭面を観察したときの、前頭面上の近似領域1130Aを示す。示される近似領域1130Aは、例えば35の高BMI着用者のものである。領域1130Aは、胴体1120と内大腿部1100Aとの間の交線1110A、胴体1120と内大腿部1100Bとの間の交線1100B、及び殿溝を貫いて延在する水平面1150Aによって画定される。示されるように、領域1130Aは反転台形と近似し得る。BMIが減少すると、交線1110A及び1110Bの角度は増加する。図7Bでは、低BMI、例えば15の着用者の近似領域1130Bを示す。示されるように、殿溝を貫いて延在する水平面1150Bは、図7Aのものよりも胴体1120にはるかに近接している。水平面1150A及び1150Bは、パンティから胴体までの相対間隔を示す。示されるように、水平面1150Bは、水平面1150Aと比較して胴体1120にはるかに近接している。
【0030】
本発明のバリアカフは、内大腿部1100Aと胴体1120との間、及び内大腿部1100Bと胴体1120との間の交線1110A、及び1110Bでユーザに係合し得る。交線1110A及び110Bから横方向内側に離間配置されたバリアカフは、漏出の可能性を増大させ得る。例えば、1つ以上のバリアカフが交線1110A及び/又は1110Bの横方向内側で胴体1120に係合すると、1つ以上のバリアカフは流体の経路を膣口からそらす場合があり、その結果、これらの流体はパッドのトップシートではなくバリアカフの外表面に沿って移動する。これに対して、交線1110A及び1110Bではなく内大腿部1100A及び1100Bに係合するバリアカフは、低下した有効性を有し得る。例えば、パッドの着用時にバリアカフは内大腿部1100A及び1100Bに沿ってゆっくりと移動する傾向を有する場合があるため、最終的な方向でバリアカフは下向きに傾斜する。このバリアカフの下向きの傾斜は、バリアカフの有効性を低下させる。上記のバリアカフ間隔の範囲は、胴体1120での股部幅の臨床的測定、及びそれから得られた結果の推定に基づき、経験的に決定された。
【0031】
更に別の要素は、パッドの折り目である。パッドを消費者がより手軽に使えるように、かつ輸送及び保管を容易にするために、パッドは、一般に1つ以上の折り目を含む。更に、パッドを折り畳むことは、保管中の弾性クリープの可能性を低減させ得る。しかしながら、これらの折り目は、弾性力が作用してパッド形状を変形させ得る屈曲点として作用する場合がある。また、上述した固定点と同様に、折り目を過度に越えて配設された固定点は問題となり得る。折り目を過度に越えて配設された固定点は、MD方向でパッドに作用するトルクレバーアームを増加させ、パッド巻き、及び/又は折り畳まれた状態へのパッドの折り返しを生じさせ得る。
【0032】
図1を再び参照すると、婦人用パッド10は、第1の折り目50及び第2の折り目55を更に含み得る。第1の折り目50は、第1の端部区域40と中間区域44との間の境界を画定し得る。第2の折り目55は、第2の端部区域48と中間区域44との間の境界を画定し得る。第1の端部区域40は、端縁部26、第1の折り目50、並びに端縁部26と第1の折り目50との間に配設された側縁部22及び24の一部分によって画定され得る。中間領域44は、第1の折り目50、第2の折り目55、並びに第1の折り目50と第2の折り目55との間に配設された側縁部22及び24の一部分によってであり得る。第2の端部区域48は、第2の折り目55、端縁部28、並びに端縁部28と第2の折り目55との間に配設された側縁部22及び24の一部分によって画定される。折り目50及び55は、婦人用パッド10の包装プロセスによって作られた折り目と平行かつ同一線状(平均で)であり得る。
【0033】
いくつかの形態では、第1の折り目50及び第2の折り目55は、折り目50及び55がパッドを三分割するように構成され得る。他の形態では、第1の折り目50は端縁部28に向かってオフセットされてもよく、第2の折り目55は端縁部28に向かってオフセットされてもよい。こうした形態では、これは、パッドが折り畳まれた構成にあるときに、第2の端部区域48が中間区域44と第1の端部区域40との間に折り込まれることを可能にし得る。更に他の形態では、第1の折り目50は端縁部26に向かってオフセットされてもよく、第2の折り目55は端縁部26に向かってオフセットされてもよい。こうした形態では、これは、パッドが折り畳まれた構成にあるときに、第1の端部区域40が中間区域44と第2の端部区域48との間で折り込まれることを可能にし得る。本発明のいくつかの形態では、端縁部26又は端縁部28のいずれかに向かうオフセットは、約5mm超、約10mm超、約15mm超、約20mm超、約25mm超であってもよく、具体的にはこれらの範囲及びこれらによって作られる全ての範囲内の全ての値が含まれる。
【0034】
図3Aを参照すると、第1のバリアカフ230Aは、一方の端縁部26からもう一方の端縁部28まで延在し得、第2のバリアカフ230Bは、一方の端縁部26からもう一方の端縁部28まで延在し得る。同様に、第1のカバー231及び第2のカバー235も、一方の端縁部26からもう一方の端縁部28まで延在し得る。示されるように、第1の弾性部材233及び第2の弾性部材237は、端縁部26及び28の内側でそれらそれぞれのカバーに取り付けられ得る。例えば、第1の弾性部材233は、第1の取り付けゾーン332及び第2の取り付けゾーン334で第1のカバー231に取り付けられ得る。いくつかの形態では、第1の取り付けゾーン332は、第1の折り目50から第1の端部区域40内へと30mm以下だけ延在する。同様に、いくつかの実施形態では、第2の取り付けゾーン334は、第2の折り目55から第2の端部区域48内へと30mm以下だけ延在する。第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bがトップシート203及びバックシート207の一部分を含む形態では、第1のバリアカフ230A及び第2のバリアカフ230Bは、上記で開示した通りに構成され得る。
【0035】
第1の取り付けゾーン332及び第2の取り付けゾーン334は、それらそれぞれの折り目、例えば第1の取り付けゾーン332に対する第1の折り目50、及び第2の取り付けゾーン334に対する第2の折り目55によって境界を定められ得る。また、弾性部材233及び237をそれらのカバーに接合するために粘着剤が用いられる場合、第1の取り付けゾーン332及び第2の取り付けゾーン334は、弾性部材をそのそれぞれのカバーに接合する接着剤部分245の先端部245A(図3Bに示す)によって境界を定められ得る。図3Bを参照すると、第2の弾性部材237の端部239は、第1の取り付けゾーン332の境界と境界線を共有し得る。具体的には、接着剤245は内側端部245A及び外側端部245Bを有し、外側端部245Bは第2の弾性部材237の端部239と境界線を共有している。しかしながら、第2の弾性部材237の端部239は接着剤部分245の外側端部245Bと境界線を共有しなくともよい。例えば、図3Cに示すように、接着剤245は第2の弾性部材237の端部239に塗布してもよく、かかる接着剤245は、第2の弾性部材237の端部239を越えて長手方向に延在し得る。別の例として、図3Dを参照すると、第2の弾性部材237の端部239は、第2の弾性部材237をそのそれぞれのカバーに固定する接着剤245を越えて延在し得る。
【0036】
上述したように、本発明のいくつかの形態では、第1のカバー231への取り付けに加えて、又はそれとは独立して、第1の弾性部材233はシャーシ20に直接取り付けられてもよい。こうした実施形態では、取り付けゾーンに関する上記を同様に適用してよい。即ち、第1の取り付けゾーン332は、第1の折り目50から第1の端部区域40内へと20mm以下だけ延在し得る。同様に、第2の取り付けゾーン334は、第2の折り目55から第2の端部区域48内へと20mm以下だけ延在し得る。第1の折り目50及び第2の折り目55それぞれを越える第1の取り付け領域332及び第2の取り付け領域334の延伸限度は、潜在的なモーメントアームを減少させ、これによって第1の端部区域40及び/又は第2の端部区域48が折り畳まれた位置になるように促されるものと考えられる。第2の弾性部材237も、第1の取り付けゾーン332及び第2の取り付けゾーン334に関して第1の弾性部材233と同様に構成され得る。また、第1のバリアカフ及び第2のバリアカフがトップシート及びバックシートの一部分を含む形態では、第1の弾性部材及び第2の弾性部材は上記で開示した形態と同様に構成され得る。
【0037】
図3Aを参照すると、本発明のいくつかの形態では、第1の弾性部材233及び第2の弾性部材237は、中間区域44でそれぞれのカバー231及び235に連続的に取り付けられる。本発明の他の形態では、第1の弾性部材233及び第2の弾性部材237は、中間区域44でこれらそれぞれのカバー231及び235に取り付けられなくてもよい。本発明のいくつかの形態では、第1の弾性部材233及び/又は第2の弾性部材237は、これらそれぞれのカバー231/235及び/又はシャーシ20に断続的に取り付けられ得る。例えば、第1の弾性部材233は、中間区域44において、第1の折り目50と第2の折り目55との間の距離の約90%未満で、第1のカバー231に取り付けられ得る。本発明のいくつかの形態では、第1の弾性部材233は、中間区域44において、第1の折り目50と第2の折り目55との間の距離の約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満(具体的にはこれらの値内の全ての数、並びにこれらの値に含まれる、又はこれらの値内の任意の及び全ての範囲が含まれる)で、第1のカバー231に取り付けられ得る。第2の弾性部材237も同様に構成され得る。また、第1のバリアカフ及び第2のバリアカフがトップシート及びバックシートの一部分を含む形態では、第1の弾性部材及び第2の弾性部材は、上記で説明した形態と同様に構成され得る。
【0038】
従来説明されてきたバリアカフの弾性部材に関連する問題は、単一の折り目を含むか又は折り目を含まない婦人用パッドにも同様に当てはまる。例えば、折り目を1つだけ含む婦人用パッドの場合、折り目はパッドを二分するものと考えられ得る。しかしながら、シャーシ又はそれらそれぞれのカバーに対する弾性部材の適切な取り付けゾーンを決定する目的のためには、パッドの長さを三分割する折り目が推定され得る。同様に、平らな位置で包装される婦人用パッドの場合、想像上の折り目が婦人用パッドを三分割する。折り目がパッドの横方向軸線に対して概ね平行である、2つを超える折り目を含む婦人用パッドの場合、折り目は、包装によって作られた折り目と同一線状である(平均で)。こうした形態では、パッドの端部区域に最も近接する折り目が考えられる。折り目を含む本発明のパッドの場合、それに関連する境界線は、上述したようにオフセットされ得る。
【0039】
上述したように、より剛性の高い物品は、剛性の低い物品と比較して、より高い程度バリアカフの力に抵抗し得る。しかしながら、より剛性の高い物品は、着用者に荒い感触をもたらし得、かつ一般にユーザの身体に良好に適合しないため、通常は着用者に優しいとはみなされない。従来の物品、及び本発明に従って作製された物品の例を後述する。
【0040】
同様に、より低いばね値を有する弾性部材が用いられ得る。しかしながら、弾性部材のばね値の低下は、バリアカフの機能性に悪影響を及ぼし得る。例えば、過度に低いばね値を有する弾性部材は、使用時にバリアカフ高さを減少させ得る。高さが減少すると、バリアカフを越えた漏出の可能性が増加する場合がある。
【0041】
図2A及び2Bを再び参照すると、本発明の婦人用パッド10は、任意の好適なトップシート203、任意の好適なバックシート207、及び任意の好適な吸収性コア205を用いることができる。示されるように、トップシート203及びバックシート207は、吸収性コア205のものより一般的に大きな長さ及び幅寸法を有し得る。本発明のいくつかの形態では、トップシート203及びバックシート207は吸収性コア205の縁部を越えて延在し、それによって婦人用パッド10の周辺部を形成する。トップシート203、バックシート207、及び吸収性コア205は、当業者に既知の様々な周知の構成で組み立てられ得る。
【0042】
本発明の吸収性コア205は、任意の好適な形状を有し得る。例えば、本発明のいくつかの形態では、吸収性コア205は、輪郭ある形状、例えば中間区域が端部区域よりも狭い形状を含み得る。別の例としては、吸収性コア205は矩形の形状を含んでもよい。更に別の例としては、吸収性コアは、パッドの一方の端部区域により広い部分を有し、パッドのもう一方の端部のより狭い端部区域に向かって先細りになる、先細形状を含み得る。吸収性コア205は、MD及びCDに様々な剛度を含み得る。
【0043】
吸収性コア205は、概して、圧縮性で、形状適合性があり、着用者の皮膚を刺激せず、尿、及び経血を含む他の特定の身体排出物などの液体を吸収して保持することが可能な任意の吸収性部材を含み得る。吸収性コア205は、一般にエアフェルトと称される粉砕木材パルプなどの使い捨て婦人用物品及び他の吸収性物品に一般的に使用される多種多様な液体吸収性材料から、多種多様な寸法及び形状(例えば、矩形、砂時計形、非対称形など)で製造され得る。吸収性コア205は、超吸収性ポリマー(SAP)、及び15%未満、10%未満、5%未満、3%未満、又は1%未満のエアフェルトを含んでもよく、あるいはエアフェルトを全く含まなくてもよい。他の好適な吸収性材料の例としては、捲縮セルロース詰め物、コフォームを含むメルトブローポリマー、化学的に剛化、修飾若しくは架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップ及びティッシュラミネートを含むティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、例えば吸収性ゲル化材料(「AGM」)などの超吸収性ポリマー(「SAP」)、又は任意の同等の材料若しくは材料の組み合わせが挙げられる。
【0044】
吸収性コア205の構成及び構造は変化してもよい(例えば、吸収性構造体205は、変化するキャリパーゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、若しくはより低い平均密度及びより低い平均坪量の捕捉ゾーンを有してもよく、又は1つ以上の層若しくは構造を含んでもよい)。更に、吸収性コア205の寸法及び吸収能力も、様々な着用者に適応するように変更されてもよい。しかしながら、吸収性コア205の合計吸収能力は、婦人用パッド10の設計負荷及び意図された用途に適合するべきである。
【0045】
本発明の特定の形態では、吸収性コア205は、例えば厚さが約10mm未満、又は約5mm未満、又は約3mm未満、又は約1mm未満など、比較的薄くてもよい。厚さは、コアが1.7kPa(0.25psi)の均一な圧力下にある間に、当該技術分野で既知の任意の方法で測定することができる。本発明のいくつかの例示的形態では、吸収性コア205は、当該技術分野において既知である通り、AGM繊維などの吸収性ゲル化材料(AGM)を含んでもよい。
【0046】
本発明のいくつかの形態では、吸収性コア205は複数の多機能性層を含み得る。例えば、吸収性コア205はコアラップ(即ち、吸収性構造体205の吸収性材料を包囲する層)を含み得る。コアラップは、2つの不織布材料、基材、積層体、フィルム、又はその他の材料によって形成され得る。一態様では、コアラップは、単一の材料、基材、積層体、又は、少なくとも部分的にその周りを包む他の材料のみを含み得る。企図される追加的な層は、当該技術分野で周知である捕捉/分配層である。
【0047】
本開示の吸収性コア205は、例えば、SAP又は他の吸収性材料がコアラップ内で固定化するのを助けるために、かつ/又は、特にコアラップが2つ以上の基材から製造される場合にコアラップの一体性を確保するために、1つ以上の接着剤を含み得る。コアラップは、吸収性材料を内部に収容するのに必要とされるより大きい領域まで延在し得る。
【0048】
様々なコア設計による比較的高い量のSAPを含む吸収性構造体が、Goldmanらの米国特許第5,599,335号、Busamらの欧州特許第1,447,066号、Tanzerらの国際公開第95/11652号、Hundorfらの米国特許出願公開第2008/0312622A1号、及びVan Malderenの国際公開第2012/052172号に開示されている。
【0049】
吸収性材料は、中に配置された吸収性材料を全く又はほとんど(例えば、0.1%〜10%)有しないチャネルを有するコアラップ内に存在する1つ以上の連続層を含み得る。他の態様では、吸収性材料は、コアラップ内で個々のポケット又はストライプとして形成され得る。第1の事例では、吸収性材料は、吸収性材料を含まないか又は実質的に含まないチャネルを除いては、例えば、吸収性材料の連続層の塗布によって得ることができる。吸収性材料の、特にSAPの連続層は、不連続的な吸収性材料の適用パターンを有する2つの吸収性層を組み合わせることによっても得ることができ、結果として得られる層は、例えば米国特許出願公開第2008/0312622A1号(Hundorfら)で開示されるように、吸収性粒子状ポリマー材料領域の全体にわたって実質的に連続的に分布している。
【0050】
吸収性構造体205は、第1の吸収層と、少なくとも第2の吸収層と、を含み得る。第1の吸収層は、第1の材料及び吸収性材料の第1の層を含み得、第1の層は、具体的には指定される範囲内、及び指定される範囲において又は指定される範囲によって形成された全ての範囲内の全ての0.5%増分を含む、85%〜100%のSAP、90%〜100%のSAP、又は更には95%〜100%のSAPなど100%以下のSAPであり得る。第2の吸収層は、第2の材料と、これもまた(上記で指定した範囲を含む)100%以下のSAPであり得る吸収性材料の第2の層と、を含み得る。あるいは、第2の吸収層は、SAPと共に、セルロース、コミューテッド(commuted)木材パルプなどの組み合わせを含み得る。吸収性コア205はまた、吸収性材料の各層をそれぞれの材料と少なくとも部分的に結合させる繊維性の熱可塑性接着材料を含み得る。
【0051】
吸収性コア205は、1つ以上のポケットを含み得る。1つ以上のポケットを、1つ以上のチャネルに加えて、又は1つ以上のチャネルの代わりに設けてもよい。ポケットは、SAPなどの吸収性材料を含まないか又は実質的に含まない(上記の範囲を含む)吸収性構造体内の領域であり得る。吸収性コア内にSAPなどの吸収性材料を含まないか、又は実質的に含まないチャネル及びポケットに関するその他の形態及び更なる詳細は、いずれも2014年6月12日公開の、米国特許出願公開第2014/0163500号、同第2014/0163506号、及び同第2014/0163511号でより詳細に説明されている。
【0052】
広く支持されている、本開示の吸収性コア205として用いるための例示的な吸収性構造体は、1986年9月9日にWeismanらに付与された「High−Density Absorbent Structures」という名称の米国特許第4,610,678号、1987年6月16日にWeismanらに付与された「Absorbent Articles With Dual−Layered Cores」という名称の米国特許第4,673,402号、1989年12月19日にAngstadtに付与された「Absorbent Core Having A Dusting Layer」という名称の米国特許第4,888,231号、及び1989年5月30日にAlemanyらに付与された「High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquisition Zones」という名称の米国特許第4,834,735号に記載されている。吸収性コアは、1993年8月10日にAlemanyらに付与された「Absorbent Article With Elastic Waist Feature and Enhanced Absorbency」という名称の米国特許第5,234,423号、及び1992年9月15日にYoungらに付与された「High Efficiency Absorbent Articles For Incontinence Management」という名称の米国特許第5,147,345号に詳説されるように、吸収剤貯蔵コア上に配置された、化学的に剛性化された繊維の獲得/分配コアを含有する二重コア系を更に備えてもよい。
【0053】
吸収性構造体は、包囲可能要素、及びフォーム部の1つ以上の部分を含む不均質塊であってもよい。フォーム部の離散した部分は連続気泡フォームである。包囲可能要素は、例えば、不織布、繊維状構造体、エアレイドウェブ、湿式ウェブ、高ロフト不織布、ニードルパンチウェブ、水流交絡ウェブ、繊維トウ、織物ウェブ、ニットウェブ、フロック加工されたウェブ、スパンボンドウェブ、層状のスパンボンド/メルトブローンウェブ、カード繊維ウェブ、セルロース繊維及びメルトブローン繊維のコフォームウェブ、短繊維及びメルトブローン繊維のコフォームウェブ、並びにこれらの層状の組み合わせである層状ウェブなどのウェブであり得る。フォームは、高内相エマルション(HIPE)フォームであってもよい。例示的な包囲可能要素及びフォームについては、以下でより詳細に説明する。
【0054】
連続気泡フォーム部は、不均質塊の1体積%〜不均質塊の99体積%、例えば、5体積%、10体積%、15体積%、20体積%、25体積%、30体積%、35体積%、40体積%、45体積%、50体積%、55体積%、60体積%、65体積%、70体積%、75体積%、80体積%、85体積%、90体積%、又は95体積%などを構成し得る。
【0055】
不均質塊は、包囲可能要素同士の間、包囲可能要素と包囲された要素との間、及び包囲された要素同士の間に見られる空隙を有し得る。空隙は、空気などのガスを含み得る。空隙は、例えば、一定量の体積の不均質塊の総体積の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%など、一定量の体積の不均質塊の総体積の1%〜95%に相当し得る。
【0056】
不均質塊中の連続気泡フォーム部と空隙との組み合わせは、例えば、不均質塊1g当たり20g/g〜190g/g、例えば、不均質塊1g当たり30g/g、40g/g、60g/g、80g/g、100g/g、120g/g、140g/g160g/g180g/g、又は190g/gなどの、10g/g〜200g/gの吸収度を示し得る。吸収性は、EDANA Nonwoven Absorption method 10.4−02に従って定量化され得る。
【0057】
連続気泡フォーム部は、例えば塊内の繊維などの包囲可能要素の1つ以上を連続気泡フォームが包囲するように、不均質塊内かつ不均質塊全体にわたって絡み合う、離散したフォーム部である。連続気泡フォームは、包囲可能要素の周囲で重合されてよい。
【0058】
離散した連続気泡フォーム部は、2つ以上の包囲可能要素を包囲してもよい。包囲可能要素は、束として一緒に包囲されてもよい。あるいは、2つ以上の包囲可能要素は、別の包囲可能要素と接触することなく、離散した連続気泡フォーム部に包囲されてもよい。
【0059】
離散した連続気泡フォーム部は、吸収性構造体の使用中に、離散した連続気泡フォーム部が不均質塊内で位置を変えないように、固定化されてもよい。
【0060】
複数の離散した連続気泡フォームは、吸収性構造体の使用中に、離散した連続気泡フォーム部が不均質塊内で位置を変えないように、固定化されてもよい。
【0061】
1つ以上の離散したフォーム部は、1つ以上の離散したフォーム部が1分当たり300回転で30秒間紡糸された後に位置を変えないように、不均質塊内で固定化されてもよい。
【0062】
連続気泡フォーム部は離散していてもよい。連続気泡フォーム部は、不均質塊全体にわたって連続していないという点で、離散していると見なされる。不均質塊全体にわたって連続していないとは、不均質塊内の任意の所与の点で、連続気泡吸収性フォームが、不均質塊の長手方向面、鉛直面、及び横方向面の断面の少なくとも1つにおいて連続的でないことを表す。吸収性フォームは、不均質塊の所与の点に関して、断面の横方向面及び鉛直面で連続的であっても連続的でなくてもよい。吸収性フォームは、不均質塊の所与の点に関して、断面の長手方向面及び鉛直面で連続的であっても連続的でなくてもよい。吸収性フォームは、不均質塊の所与の点に関して、断面の長手方向面及び横方向面で連続的であっても連続的でなくてもよい。
【0063】
連続気泡フォームが不均質塊の長手方向面、鉛直面、及び横方向面の断面の少なくとも1つにおいて連続的でない場合、包囲可能要素又は連続気泡フォーム部の一方又は両方は、不均質塊にわたって共連続的であってもよい。
【0064】
連続気泡フォーム部は、不均質塊内の任意の点に位置してもよい。フォーム部は、包囲可能要素を構成する要素によって包囲されてもよい。フォーム部の一部のみが不均質塊の要素と絡まるように、フォーム部は不均質塊の外周上に位置してもよい。
【0065】
連続気泡フォーム部は、流体と接触すると膨張して、離散した連続気泡フォーム部のチャネルを形成してもよい。連続気泡フォーム部は、流体によって膨張する前に接触していてもよく、接触していなくてもよい。
【0066】
連続気泡フォームは、重合される前に包囲可能要素上に組み込まれてもよい。連続気泡フォーム部は、連続気泡フォーム部と包囲可能要素とが絡み合うように、連続気泡フォーム部が包囲可能要素中又はその上に含浸される前に、部分的に重合されてもよい。包囲可能要素中又はその上に含浸された後、液状又は固形状のいずれかである連続気泡フォームが重合されて、1つ以上の連続気泡フォーム部を形成する。連続気泡フォームは、例えば、熱重合、紫外線重合、及び赤外線重合などの任意の既知の方法を用いて重合されてよい。油中水型連続気泡フォームエマルションの重合後に、得られた連続気泡フォームは、実質的に乾燥した連続気泡フォームを得るために除去することが必要な水相で飽和している。飽和水相の除去又は脱水は、ニップローラを使用して真空で行われ得る。ニップローラを使用することにより、不均質塊の厚さも減少させることができ、その結果、不均質塊内で絡み合っている連続気泡フォーム部が流体に晒されるまで、不均質塊は薄いままである。
【0067】
連続気泡フォーム部は、組み合わせられて包囲可能要素の不均質混合物を作り出す2つ以上の異なる包囲可能要素中又はその上に重合される前に含浸されてもよい。2つ以上の異なる包囲可能要素が、例えば、繊維の混合物中で2種類以上の繊維を用いることによって、又は1つ以上の繊維に界面活性剤をコーティングすることによって、ある包囲可能要素が複数の第2の包囲可能要素に包囲され得るように、絡み合ってよい。2つ以上の異なる包囲可能要素が、例えば疎水性、繊維径、繊維、又は組成といった包囲可能要素の固有の特性又は物理的特性のために包囲可能要素が不均質塊内で輪郭形成されるように、鉛直面、長手方向面、及び/又は横方向面のいずれかに沿って不均質塊内で積層されてもよい。列挙される包囲可能要素の任意の固有特性又は物理特性が本明細書で企図されることが理解される。
【0068】
連続気泡フォームは、所望のフォーム密度、ポリマー組成、比表面積、又は孔径(気泡サイズとも称される)に応じて、異なる化学組成、物理的性質、又はこれらの両方を備えて製造され得る。例えば、化学組成に応じて、連続気泡フォームは、0.0010g/cc〜約0.25g/cc、又は0.002g/cc〜約0.2g/cc、又は約0.005g/cc〜約0.15g/cc、又は約0.01g/cc〜約0.1g/cc、又は約0.02g/cc〜約0.08g/cc、又は約0.04g/ccの密度を有し得る。
【0069】
連続気泡フォームの孔径の平均直径は、1〜800μm、例えば、50〜700μm、100〜600μm、200〜500μm、300〜400μmの範囲であり得る。
【0070】
フォーム部は、比較的均一な気泡サイズを有し得る。例えば、1つの主表面上の平均気泡サイズは、対向する主表面と比べて、ほぼ同じであってもよく、又は10%以下で変化してもよい。フォームの1つの主表面の平均気泡サイズは、対向する表面とは異なり得る。例えば、熱硬化性材料を発泡させる際に、気泡構造の底部の気泡の一部が圧潰して、1つの表面の平均気泡サイズが小さくなることも珍しくない。気泡サイズは、以下で見出された方法に基づいて決定され得る。
【0071】
フォームは、比較的連続気泡であることが好ましい。これは、フォームの個々の気泡又は孔が、隣接している気泡と実質的に遮られずに連通していることを指す。このように実質的に連続気泡であるフォーム構造の気泡は、フォーム構造内である気泡から別の気泡へと流体を容易に移送させるのに十分な大きさの気泡内開口部又は窓部を有する。本発明の目的のために、フォームは、平均直径サイズが少なくとも1μmであるフォームの少なくとも約80%の気泡が、少なくとも1つの隣接している気泡と流体連通している場合に、「連続気泡」であると見なされる。
【0072】
連続気泡であることに加えて、フォームは、フォームが水性流体を吸収できるのに十分な程度の親水性を有し得、例えば、フォームの内面は、重合後にフォーム中に残る残留親水化界面活性剤若しくは塩によって、選択された重合後フォーム処理手順(以下で説明する)によって、又はこれら両方の組み合わせによって、親水性にすることができる。
【0073】
例えば、特定の吸収性物品で用いられるとき、連続気泡フォームは、可撓性であってよく、また適切なガラス転移温度(Tg)を示し得る。Tgは、ポリマーのガラス質状態とゴム質状態との間の遷移の中間点を表す。
【0074】
約雰囲気温度条件で用いられたフォームの場合、ある区域のTgは約200℃未満、又は約90℃未満であり得る。Tgは50℃未満であってもよい。
【0075】
連続気泡フォーム部は、任意の好適な方法で不均質塊にわたって分布され得る。連続気泡フォーム部は、より小さい部がより大きい部の上方に位置するように、鉛直軸線に沿って輪郭形成されてもよい。あるいは、それらの部は、より小さな部がより大きな部の下方となるように輪郭形成されてもよい。連続気泡部は、軸線に沿ってこれらの寸法が交互となるように、鉛直軸線に沿って輪郭形成されてもよい。
【0076】
連続気泡フォーム部は、より小さい部がより大きい部の前方に位置するように、長手方向軸線に沿って輪郭形成されてもよい。あるいは、それらの部は、より小さな部がより大きな部の後にくるように輪郭形成されてもよい。連続気泡部は、軸線に沿ってこれらの寸法が交互となるように、長手方向軸線に沿って輪郭形成されてもよい。
【0077】
連続気泡フォーム部は、それらの部のサイズが横方向軸線に沿ってだんだん大きくなるように、又はだんだん小さくなるように、横方向軸線に沿って輪郭形成されてもよい。あるいは、連続気泡部は、軸線に沿ってこれらの寸法が交互となるように、横方向軸線に沿って輪郭形成されてもよい。
【0078】
連続気泡フォーム部は、連続気泡フォーム部の1つ以上の特性に応じて、長手方向軸線、横方向軸線、又は鉛直軸線のうちのいずれか1つに沿って輪郭形成されてもよい。連続気泡フォーム部がそれに応じて不均質塊内で輪郭形成され得る特性としては、例えば、吸収性、密度、気泡サイズ、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0079】
連続気泡フォーム部は、連続気泡フォームの組成に応じて、長手方向軸線、横方向軸線、又は鉛直軸線のうちのいずれか1つに沿って輪郭形成されてもよい。連続気泡フォーム部は、所望の特性を示すある組成を不均質塊の前部に有し、異なる特性を示すように設計された異なる組成を不均質塊の後部に有し得る。連続気泡フォーム部の輪郭形成は、上述した軸線又は配向のいずれかを中心に対称又は非対称のいずれかであってよい。
【0080】
連続気泡フォーム部は、不均質塊の長手方向軸線及び横方向軸線に沿って、任意の好適な形態で分布されてよい。連続気泡フォーム部は、上平面図で見たときにデザイン又は形状を形成する方法で分布されてよい。連続気泡フォーム部は、ストライプ、楕円形、正方形、又は任意のその他の既知の形状若しくはパターンを形成する方法で分布されてもよい。
【0081】
一実施形態では、連続気泡フォーム部はストライプ形態である。ストライプは不均質塊の形成中に形成されてもよく、又は形成とは重合後を意味する。ストライプは、不均質塊層の長手方向長さ、不均質塊層の横方向長さに沿って、又は長手方向長さと横方向長さとの両方の組み合わせに沿って延びてよい。ストライプは、連続的であっても非連続的であってもよい。ストライプは、不均質塊層の長手方向長さ又は横方向長さのいずれかに対して斜め方向に沿って延びてもよい。ストライプは、カナルによって分離されてもよい。
【0082】
一実施形態では、連続気泡フォームは、非連続的カナルを含むグリッドを形成する。カナルは、不均質塊層の長手方向長さ、不均質塊層の横方向長さに沿って、又は長手方向長さと横方向長さとの両方の組み合わせに沿って延びてよい。
【0083】
本発明では、概ね平面的な繊維ウェブを三次元構造へ変形させることで知られる形成手段が利用して、出来上がったままの状態の吸収性材料を、対応する毛管圧の有意な低減を伴わずに比較的より高い透過性を有する吸収性材料へと改質する。形成手段は、一対の相互噛合ロール、典型的には相互に係合する隆起部又は歯及び溝を有するスチールロールを含み得る。しかしながら、米国特許出願第2005/0140057号(2005年6月30日公開)に開示される変形ローラ及びコード構成など、形成を達成するための他の手段を利用し得ることが企図される。したがって、本明細書における一対のロールの全ての開示は、ロール及びコードと同等であると考えられ、また、2つの相互噛合ロールについて詳述する特許請求される構成は、相互噛合ロール及びコードと同等であると考えられ、この場合、コードは、噛み合う相互係合ロールの隆起部として機能する。一実施形態では、本発明の対の相互噛合ロールは、ロール及び噛合要素と同等であると考えることができ、この場合、噛合要素は、別のロール、コード、複数のコード、ベルト、柔軟なウェブ、又はストラップであり得る。同様に、他の既知の形成技術、例えば、クレーピング、ネッキング/圧密化、波形付け、エンボス加工、ボタン柔布(button break)、高温ピンパンチングなどは、対応する毛管圧の有意な低減を伴わずに、ある程度の比較的より高い透過性を有する吸収性材料を生み出すことができるものと考えられる。ロールを用いた形成手段としては、「リングロール」、「SELF」又は「SELF’ing」プロセスが挙げられ、ここでSELFとは、2011年5月3日にZhaoら付与された米国特許第7,935,207号に記載されるように、「マイクロSELF」、及び「回転ナイフ開口」(RKA)としての、構造的弾性様フィルム(Structural Elastic Like Film)を意味する。
【0084】
分布は、不均質塊の意図する使用に応じて最適化することができる。例えば、おむつで使用する場合の尿又はペータータオルで使用する場合の水などの水性流体を吸収する場合と、経血などのタンパク液を吸収する場合とでは、異なる分布が選択されてよい。更に、分布は、活性物質を投与するなどの用途用に、又はフォームを補強要素として使用するために、最適化することができる。
【0085】
異なる種類のフォームが、1つの不均質塊内で使用されてもよい。例えば、フォーム部のいくつかは重合したHIPEであってよく、その他の部はポリウレタンから製造されてよい。それらの部は、不均質塊の性能を最適化するために、それらの特性に基づいて、塊内の特定の位置に位置決めされ得る。
【0086】
フォーム部は、組成は同様でありながらも異なる特性を示してよい。例えば、HIPEフォームを使用する場合、いくつかのフォーム部は濡れるまで薄くてもよく、一方で他のフォーム部は不均質塊内で膨張していてもよい。
【0087】
フォーム部及び包囲可能要素は、相互補完的するように選択され得る。例えば、高透過性を示すが毛細管力の低いフォームが、不均質塊を介して流体を吸い上げるために、高い毛細管力を示す要素を包囲してもよい。フォーム部が相互補完的である、又はフォーム部及び包囲可能要素の両方が同様の特性を示す、他の組み合わせが可能であり得ることが理解される。
【0088】
各不均質塊が1種類以上のフォーム部を有する2つ以上の不均質塊を使用して、輪郭形成を実施してもよい。複数の不均質塊を含有する生成物全体の連続気泡フォーム部の1つ以上の特性に基づいて、フォームが、長手方向軸線、横方向軸線、又は鉛直軸線のうちのいずれか1つに沿って輪郭形成されるように、複数の不均質塊を層状にしてもよい。更に、各不均質塊は、フォームの付着対象となる異なる包囲可能要素を有してもよい。例えば、第1の不均質塊は、不織布を包囲するフォーム粒子を有してよく、第1の不均質塊に隣接する第2の不均質塊は、フィルム又はフィルムの1つの表面を包囲するフォーム粒子を有してよい。
【0089】
連続気泡フォームは、ポリHIPEとも称される高内相エマルション(HIPE)の重合から製造される熱硬化性ポリマーフォームであり得る。HIPEを形成するために、水相及び油相は約8:1〜140:1の比で組み合わされる。水相の油相に対する比は、約10:1〜約75:1であってもよく、水相の油相に対する比は約13:1〜約65:1であってもよい。これは「水対油」又はW:O比と称され、得られるポリHIPEフォームの密度を決定するために用いられ得る。上論のように、油相は、1つ以上のモノマー、コモノマー、光開始剤、架橋剤、及び乳化剤に加えて、任意成分を含有してよい。水相は、水、及び電解質、反応開始剤、又は任意成分などの1つ以上の成分を含有し得る。
【0090】
連続気泡フォームは、水相と油相との組み合わせから、これらの組み合わせられた相を混合チャンバ又は混合領域内で剪断撹拌することにより、形成することができる。組み合わせられた水相及び油相は、剪断撹拌に供されて、所望の大きさの水滴を有する安定したHIPEを生成する。反応開始剤は水相中に存在してもよく、又は反応開始剤は、フォーム製造プロセス中に、又はHIPEが形成された後で導入されてもよい。得られるHIPEフォームが所望の構造的特徴を有する程度に水相液滴が分散している場合、エマルション製造プロセスによりHIPEを生成する。混合領域における水相と油相との組み合わせの乳化は、羽根車などの混合又は撹拌装置の使用、必要な剪断を付与するのに必要な速度で一連の静的ミキサに組み合わせられた水相及び油相を通すこと、又は両方の組み合わせを伴い得る。形成されたら、続いてHIPEを混合領域から引き出すか又はポンプ吸引してよい。連続プロセスを用いてHIPEを形成するための1つの方法は、1992年9月22日に発行された米国特許第5,149,720号(DesMaraisら);1998年10月27日発行の米国特許第5,827,909号(DesMarais)、及び2002年4月9日発行の米国特許第6,369,121号(Catalfamoら)に記載されている。
【0091】
エマルションは混合領域から引き出し又はポンプ吸引して、完全に重合する前に塊内又はその上に含浸させてよい。完全に重合したら、離散したフォーム部が、塊を構成する要素によって分割されるように、また、離散したフォーム部の一部が、不均質塊を構成する要素の1つ以上の一部を包囲するように、フォーム部と要素とを絡み合わせる。
【0092】
重合後、得られるフォーム部は、実質的に乾燥しているフォーム部を得るために除去することが必要な水相で飽和している。フォーム部は、例えば、フォーム部を含む不均質塊を一対以上のニップローラを通して移動させることによって、圧縮を用いて水相の大部分を圧搾除去することができる。ニップローラは、フォーム部から水相を圧搾するように配置することができる。ニップローラは、多孔質であり、フォーム部から水相を引き出すのに役立つように、内部から真空が適用されてもよい。第1のニップローラが、孔を有するか又はメッシュ様材料からなるベルトなどの液体透過性ベルト上に位置し、第1のニップローラに面する第2の対向するニップローラが液体透過性ベルトの下に位置するように、ニップローラを対にして配置することができる。両方のローラがフォーム外に水相を吹きとばして引き出すように、対の一方、例えば第1のニップローラを加圧してもよく、対のもう一方、例えば第2のニップローラを真空にしてもよい。ニップローラを加熱して、水相の除去を補助することもできる。ニップローラは、非剛性フォーム、即ち、フォーム部の圧縮により壁が破壊されないフォームに適用され得る。
【0093】
ニップローラの代わりに、又はニップローラと組み合わせて、加熱された乾燥領域にフォーム部を通すことにより、真空に曝露することにより、又は熱及び真空への曝露の組み合わせにより、水相を除去してもよい。熱は、例えば、強制空気オーブン、IRオーブン、マイクロ波オーブン、又は電波オーブンにフォームを通すことによって適用され得る。フォームを乾燥させる程度は、用途に依存する。水相の50%超が除去され得る。乾燥プロセス中に、90%超、また更に他の実施形態では95%超の水相が除去され得る。
【0094】
連続気泡フォームは、高内相エマルション(HIPE)の連続油相を有するモノマーの重合から生成され得る。HIPEは2つの相を有してもよい。1つの相は、重合してHIPEフォームを形成するモノマーと、HIPEの安定化に役立つ乳化剤と、を有する連続油相である。油相はまた、1つ以上の光開始剤を含んでもよい。モノマー成分は、油相の約80重量%〜約99重量%、特定の実施形態では約85重量%〜約95重量%の量で存在し得る。油相に可溶性であり、かつ安定な油中水型エマルションの形成に好適な乳化剤成分は、油相の約1重量%〜約20重量%の量で油相中に存在し得る。エマルションは、約10℃〜約130℃、また特定の実施形態では約50℃〜約100℃の乳化温度で形成され得る。
【0095】
一般的に、モノマーは、油相の約20重量%〜約97重量%の、少なくとも1つの実質的に水不溶性である一官能性アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートを含む。例えば、この種のモノマーは、エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、テトラデシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ノニルフェニルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、テトラデシルメタクリレート、及びオクタデシルメタクリレートなどの、C〜C18アルキルアクリレート及びC〜C18メタクリレートを含み得る。
【0096】
また、油相は、油相の約2重量%〜約40重量%、特定の実施形態では約10重量%〜約30重量%の、実質的に水不溶性である多官能性架橋アルキルアクリレート又はメタクリレートを有し得る。この架橋コモノマー又は架橋剤を添加して、得られるHIPEフォームに強度及び弾性を付与する。この種の架橋モノマーの例は、2つ以上の活性化アクリレート基、メタクリレート基、又はこれらの組み合わせを含有するモノマーを有し得る。この基の非限定的な例としては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,12−ドデシルジメタクリレート、1,14−テトラデカンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート(2,2−ジメチルプロパンジオールジアクリレート)、ヘキサンジオールアクリレートメタクリレート、グルコースペンタアクリレート、ソルビタンペンタアクリレートなどが挙げられる。架橋剤のその他の例は、エチレングリコールアクリレート−メタクリレート及びネオペンチルグリコールアクリレート−メタクリレートなどの、アクリレート部分とメタクリレート部分との混合物を含有する。混合架橋剤中のメタクリレート:アクリレート基の比は、必要に応じて、50:50からその他の任意の比まで様々であってよい。
【0097】
任意の第3の実質的に水不溶性であるコモノマーを、油相の約0重量%〜約15重量%、特定の実施形態では約2重量%〜約8重量%、油相に添加して、HIPEフォームの特性を改変することができる。結果として得られるHIPEフォームに強靱性を付与する、「強靱化」するモノマーが望ましい場合がある。これらとしては、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、及びクロロプレンなどのモノマーが挙げられる。理論に縛られるものではないが、かかるモノマーは、重合中(「硬化」としても知られている)HIPEを安定化させて、より優れた強靱性、引張強度、耐摩耗性などが得られる、より均質かつより良好に形成されたHIPEフォームをもたらすのに役立つと考えられる。また、モノマーを添加して、2000年12月12日発行の米国特許第6,160,028号(Dyer)に開示されているように難燃性を付与することもできる。モノマーを添加して、色(例えば、ビニルフェロセン)、蛍光特性、耐放射線性、放射線不透過性(例えば、リードテトラアクリレート)を付与して、電荷の分散、入射赤外光の反射、電波の吸収、HIPEフォーム支柱上における湿潤可能表面の形成、又はHIPEフォームにおける任意のその他の望ましい特性をもたらすことができる。場合によっては、これら追加のモノマーは、HIPEのHIPEフォームへの変換プロセス全体を遅延させる場合があるが、望ましい特性を付与すべきである場合は、このトレードオフは必須である。したがって、かかるモノマーを用いて、HIPEの重合速度を減速させることができる。この種のモノマーの例は、スチレン及び塩化ビニルを有し得る。
【0098】
油相は、HIPEを安定化させるために用いられる乳化剤を更に含有してもよい。HIPEで用いられる乳化剤としては、(a)分枝鎖C16〜C24脂肪酸;直鎖不飽和C16〜C22脂肪酸;及び直鎖飽和C12〜C14脂肪酸のソルビタンモノエステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノミリステート、及びソルビタンモノエステル、ソルビタンモノラウレートジグリセロールモノオレエート(DGMO)、ポリグリセロールモノイソステアレート(PGMIS)、及びポリグリセロールモノミリステート(PGMM);(b)分枝鎖C16〜C24脂肪酸、直鎖不飽和C16〜C22脂肪酸、又は直鎖飽和C12〜C14脂肪酸のポリグリセロールモノエステル、例えば、ジグリセロールモノオレエート(例えば、C18:1脂肪酸のジグリセロールモノエステル)、ジグリセロールモノミリステート、ジグリセロールモノイソステアレート、及びジグリセロールモノエステル;(c)分枝鎖C16〜C24アルコール、直鎖不飽和C16〜C22アルコール、及び直鎖飽和C12〜C14アルコールのジグリセロール一脂肪族エーテル、並びにこれら乳化剤の混合物を挙げることができる。1995年2月7日発行の米国特許第5,287,207号(Dyerら)、及び1996年3月19日発行の米国特許第5,500,451号(Goldmanら)を参照されたい。用いることができる別の乳化剤は、コハク酸アルキル、グリセロール、及びトリグリセロールから形成されるコハク酸ポリグリセロール(PGS)である。
【0099】
そのような乳化剤及びそれらの組み合わせは、それらが、約1重量%〜約20重量%、特定の実施形態では約2重量%〜約15重量%、及び特定の他の実施形態では約3重量%〜約12重量%の油相を有することができるように、油相に添加されてよい。特に、例えば約65℃超の高温で、気泡サイズ、気泡サイズ分布、及びエマルション安定性の更なる制御を提供するために、共乳化剤も使用され得る。共乳化剤の例としては、ホスファチジルコリン及びホスファチジルコリン含有組成物、脂肪族ベタイン、長鎖C12〜C22二価脂肪族四級アンモニウム塩、短鎖C〜C二価脂肪族四級アンモニウム塩、長鎖C12〜C22ジアルコイル(アルケノイル)−2−ヒドロキシエチル、短鎖C〜C二価脂肪族四級アンモニウム塩、長鎖C12〜C22二価脂肪族イミダゾリニウム四級アンモニウム塩、短鎖C〜C二価脂肪族イミダゾリニウム四級アンモニウム塩、長鎖C12〜C22一価脂肪族ベンジル四級アンモニウム塩、長鎖C12〜C22ジアルコイル(アルケノイル)−2−アミノエチル、短鎖C〜C一価脂肪族ベンジル四級アンモニウム塩、短鎖C〜Cモノヒドロキシ脂肪族四級アンモニウム塩が挙げられる。ジタロージメチルアンモニウムメチルサルフェート(DTDMAMS)を共乳化剤として用いてもよい。
【0100】
油相は、光開始剤を、油相の約0.05重量%〜約10重量%、特定の実施形態では約0.2重量%〜約10重量%で含むことができる。少量の光開始剤は、HIPEフォームにより良好に光を透過させて、それによりHIPEフォームのより深部での重合をもたらすことができる。しかし、酸素含有環境で重合が行われる場合は、重合を開始させ、かつ酸素阻害に打ち勝つのに十分な光開始剤が存在すべきである。光開始剤は、ラジカル、カチオン、及び重合反応を開始させることができるその他の種の生成によって、光源に対して速やかかつ効果的に応答することができる。本発明で用いられる光開始剤は、約200ナノメートル(nm)〜約800nm、特定の実施形態では約200nm〜約350nmの波長の紫外線を吸収することができる。光開始剤が油相中に存在する場合、好適な種類の油溶性光開始剤としては、ベンジルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、及びアシルホスフィンオキシドが挙げられる。光開始剤の例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンと組み合わせられた2,4,6−[トリメチルベンゾイルジホスフィン]オキシド(これら2つの50:50ブレンドは、Ciba Speciality Chemicals(Ludwigshafen,Germany)によりDAROCUR(登録商標)4265として販売されている);ベンジルジメチルケタール(Ciba GeigyによりIRGACURE 651として販売されている);α−,α−ジメトキシ−α−ヒドロキシアセトフェノン(Ciba Speciality ChemicalsによりDAROCUR(登録商標)1173として販売されている);2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(Ciba Speciality ChemicalsによりIRGACURE(登録商標)907として販売されている);1−ヒドロキシシクロへキシル−フェニルケトン(Ciba Speciality ChemicalsによりIRGACURE(登録商標)184として販売されている);ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(Ciba Speciality ChemicalsによりIRGACURE 819として販売されている);ジエトキシアセトフェノン、及び4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ケトン(Ciba Speciality ChemicalsによりIRGACURE(登録商標)2959として販売されている);並びにオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン](Lamberti spa(Gallarate,Italy)によりESACURE(登録商標)KIP EMとして販売されている)が挙げられる。
【0101】
HIPEの分散水相は、水を有することができ、また、反応開始剤、光開始剤、又は電解質などの1つ以上の成分を有してもよく、特定の実施形態では、この1つ以上の成分は、少なくとも部分的に水溶性である。
【0102】
水相の1つの成分は、水溶性電解質であってよい。水相は、水相の約0.2重量%〜約40重量%、特定の実施形態では約2重量%〜約20重量%の水溶性電解質を含有し得る。電解質は、主に油溶性であるモノマー、コモノマー、及び架橋剤が水相にも溶解する傾向を最低限に抑える。電解質の例としては、カルシウム又はマグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩化物又は硫化物、及びナトリウムなどのアルカリ土類金属の塩化物又は硫化物が挙げられる。かかる電解質は、リン酸塩、ホウ酸塩、及び炭酸塩、並びにこれらの混合物などの無機対イオンを含む、重合中にpHを制御するための緩衝剤を含み得る。水溶性モノマーを水相中で用いてもよく、その例は、アクリル酸及び酢酸ビニルである。
【0103】
水相中に存在し得る別の成分は、水溶性フリーラジカル反応開始剤である。反応開始剤は、油相中に存在する重合性モノマーの全モル数に基づいて最高約20モルパーセントで存在し得る。開始剤は、重合性モノマーの全モル数に基づいて約0.001〜約10モルパーセントの量で油相中に存在し得る。好適な反応開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロリド、及びその他の好適なアゾ反応開始剤が挙げられる。乳化系を妨げる恐れのある早期重合の可能性を低減するために、モノマー相への反応開始剤の添加は、乳化直後又は乳化終了付近であってよい。
【0104】
水相中に存在する光開始剤は、少なくとも部分的に水溶性であってよく、約0.05重量%〜約10重量%、特定の実施形態では約0.2重量%〜約10重量%の水相を有することができる。少量の光開始剤は、HIPEフォームにより良好に光を透過させて、それによりHIPEフォームのより深部での重合をもたらすことができる。しかし、酸素含有環境で重合が行われる場合は、重合を開始させ、かつ酸素阻害に打ち勝つのに十分な光開始剤が存在すべきである。光開始剤は、ラジカル、カチオン、及び重合反応を開始させることができるその他の種の生成によって、光源に対して速やかかつ効果的に応答することができる。本発明で用いられる光開始剤は、約200ナノメートル(nm)〜約800nm、特定の実施形態では約200nm〜約350nm、特定の実施形態では約350nm〜約450nmの波長の紫外線を吸収することができる。光開始剤が水相中に存在する場合、好適な種類の水溶性光開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、及びチオキサントンが挙げられる。光開始剤の例としては、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェート脱水物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−ジカルボキシメトキシジベンザルアセトン、4,4’−ジカルボキシメトキシジベンザルアセトン、4,4’−ジカルボキシメトキシジベンザルシクロヘキサノン、4−ジメチルアミノ−4’−カルボキシメトキシジベンザルアセトン、及び4,4’−ジスルホキシメトキシジベンザルアセトンが挙げられる。本発明で用いることができる他の好適な光開始剤は、1989年4月25日発行の米国特許第4,824,765号(Sperryら)に列挙されている。
【0105】
前述の成分に加えて、他の成分がHIPEの水相又は油相のいずれかに含まれてもよい。例としては、酸化防止剤、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン光安定剤;可塑剤、例えば、フタル酸ジオクチル、セバシン酸ジノニル;難燃剤、例えば、ハロゲン化炭化水素、リン酸塩、ホウ酸塩、無機塩、例えば、三酸化アンチモン又はリン酸アンモニウム又は水酸化マグネシウム;染料及び顔料;蛍光剤;充填剤片、例えば、デンプン、二酸化チタン、カーボンブラック、又は炭酸カルシウム;繊維;連鎖移動剤;臭気吸収剤、例えば、活性炭微粒子;溶解ポリマー;溶解オリゴマー;及び同様物が挙げられる。
【0106】
不均質塊は、包囲可能要素と、フォームの離散した部と、を含む。包囲可能要素は、例えば、不織布、繊維状構造体、エアレイドウェブ、湿式ウェブ、高ロフト不織布、ニードルパンチウェブ、水流交絡ウェブ、繊維トウ、織物ウェブ、ニットウェブ、フロック加工されたウェブ、スパンボンドウェブ、層状のスパンボンド/メルトブローンウェブ、カード繊維ウェブ、セルロース繊維及びメルトブローン繊維のコフォームウェブ、短繊維及びメルトブローン繊維のコフォームウェブ、並びにこれらの層状の組み合わせである層状ウェブなどのウェブであり得る。
【0107】
包囲可能要素は、例えば、捲縮セルロース塊、毛羽立ちセルロース繊維、エアフェルトとしても知られる木材パルプ繊維、及び織物繊維などの、従来の吸収性材料であり得る。包囲可能要素は、例えば、合成繊維、熱可塑性微粒子又は繊維、3成分繊維、及び、例えば、以下のポリマーの組み合わせ:ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチルビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステルなどを有するシース/コア繊維などの2成分繊維などの繊維であり得る。包囲可能要素は、上掲の材料及び/又は上掲の複数の材料(単独で又は組み合わせて)の任意の組み合わせであり得る。
【0108】
包囲可能要素は、疎水性であっても親水性であってもよい。包囲可能要素は、疎水性となるように処理されてもよい。包囲可能要素は、親水性となるように処理されてもよい。
【0109】
不均質塊の構成成分繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びこれらのブレンドなどのポリマーからなってもよい。繊維は、スパンボンド繊維であってもよい。繊維は、メルトブロー繊維であってもよい。繊維は、セルロース、レーヨン、綿、若しくは他の天然材料、又はポリマーと天然材料とのブレンドを含んでもよい。繊維はまた、ポリアクリレートなどの超吸収性材料、又は好適な材料のいかなる組み合わせをも含み得る。繊維は、単成分、2成分、及び/若しくは2構成成分、非円形(例えば、毛管チャネル繊維)であってもよく、0.1〜500マイクロメートルの範囲の主断面寸法(例えば、円形繊維の直径)を有してもよい。不織布前駆体ウェブの構成成分繊維は、化学(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、(単及び2)成分、デニール(マイクロデニール及び>20デニール)、形状(すなわち、毛管及び円形)などの特性の点で異なる、異なる繊維型の混合物でもあり得る。構成成分繊維は、約0.1デニール〜約100デニールの範囲であってもよい。
【0110】
一態様では、出来上がったままの状態の既知の吸収性ウェブ材料は、全体的に均質であると考えることができる。均質であるため、吸収性ウェブ材の流体処理特性は、位置依存性ではなく、ウェブのいかなる領域においても実質的に均一である。均質性は、例えば、ウェブのいずれの特定部分の密度又は坪量もウェブの平均密度又は坪量と実質的に同一であるように、密度、坪量によって特徴付けることができる。本発明の装置及び方法により、均質な繊維性吸収性ウェブ材は、もはや均質ではなく不均質であるように変性され、その結果、ウェブ材の流体処理特性は位置依存性となる。したがって、本発明の不均質な吸収性材料の場合、別個の位置において、ウェブの密度又は坪量は、ウェブの平均密度又は坪量とは実質的に異なり得る。本発明の吸収性ウェブの不均質な性質は、離散した部分に高い浸透性を与え、他の離散した部分に高い毛管作用をもたらすことにより、透過性又は毛管作用の一方の負の側面を最小限に抑えることを可能にする。同様に、透過性と毛管作用との間のトレードオフは、毛管作用の低減を伴うことなく比較的高い透過性の実現が達成できるように管理される。
【0111】
不均質塊はまた、流体を吸収してヒドロゲルを形成する超吸収性材料を含んでもよい。これらの材料は典型的に、大量の体液を吸収することができ、かつそれらを中程度の圧力下で保持することができる。不均質塊は、毛羽立てられた形態のセルロース繊維又は剛化繊維などの好適なキャリア内に分散された材料を含み得る。
【0112】
不均質塊は熱可塑性粒子又は繊維を含み得る。材料、具体的には熱可塑性繊維は、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン(例えば、PULPEX.RTM.)及びポリプロピレン、ポリエステル、コポリエステル、並びに前述のいずれかのコポリマーを含む、様々な熱可塑性ポリマーから製造することができる。
【0113】
所望の特性によって、好適な熱可塑性材料としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリスチレンなどから誘導された、界面活性剤で処理した熱可塑性繊維又はシリカで処理した熱可塑性繊維など、親水性にされた疎水性繊維が挙げられる。疎水性の熱可塑性繊維の表面は、例えば、繊維に界面活性剤をスプレーすることにより、繊維を界面活性剤に浸すことにより、又は熱可塑性繊維を製造する際にポリマーメルトの一部分として界面活性剤を含むことにより、非イオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤などの界面活性剤で処理することによって親水性にすることができる。融解し再凝固すると、界面活性剤は熱可塑性繊維の表面に留まる傾向がある。好適な界面活性剤としては、ICI Americas,Inc.(Wilmington,Del)により製造されたBrij 76などの非イオン性界面活性剤、及びGlyco Chemical,Inc.(Greenwich,Conn)により、Pegosperse.RTM.の商標で販売される様々な界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤以外に、アニオン性界面活性剤を使用してもよい。これらの界面活性剤は、例えば、熱可塑性繊維1平方センチメートル当たり約0.2〜約1gの濃度で熱可塑性繊維に塗布されてもよい。
【0114】
好適な熱可塑性繊維は、単一のポリマーから製造してもよく(単成分繊維)、又は2種類以上のポリマーから製造してもよい(例えば、2成分繊維)。シースを含むポリマーは、コアを構成するポリマーとは異なる、典型的にはより低い温度で溶融することが多い。結果として、これらの2成分繊維は、シースポリマーの溶融に起因して熱的接合をもたらし、一方でコアポリマーの望ましい強度特性を保持する。
【0115】
本発明で使用するのに適した2成分繊維としては、次のポリマーの組み合わせ:ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチルビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステルを有するシース/コア繊維を挙げることができる。本明細書で使用するのに特に適した2成分熱可塑性繊維は、ポリプロピレン又はポリエステルのコアと、より低い温度で溶融するコポリエステル、ポリエチルビニルアセテート又はポリエチレンのシースと、を有するもの(例えば、DANAKLON.RTM、CELBOND.RTM、又はCHISSO.RTM.2成分繊維)である。これらの2成分繊維は、同心であっても偏心であってもよい。本明細書で使用するとき、「同心」及び「偏心」という用語は、シースが、2成分繊維の断面積を通じて、均一又は不均一な厚さを有するか否かを指す。偏心の2成分繊維は、より薄い繊維厚さでより高い圧縮強さを提供する上で望ましい場合がある。本明細書で使用するのに適した2成分繊維は、非捲縮(即ち、非屈曲)又は捲縮(即ち、屈曲)のいずれかであってよい。2成分繊維は、主に二次元的、即ち「平面的」な捲縮を達成するために、典型的な紡織手段、例えば押込み加工ボックス(stuffer-box)法又はギアクリンプ法によって捲縮させてもよい。
【0116】
2成分繊維の長さは、繊維及びウェブ形成プロセスに所望される特定の特性に応じて様々であってよい。典型的には、エアレイドウェブにおいて、これらの熱可塑性繊維は、約2mm〜約12mm長、例えば約2.5mm〜約7.5mm長、及び約3.0mm〜約6.0mm長などの長さを有する。不織布繊維は、5mm長〜75mm長、例えば、10mm長、15mm長、20mm長、25mm長、30mm長、35mm長、40mm長、45mm長、50mm長、55mm長、60mm長、65mm長、又は70mm長などであり得る。これらの熱可塑性繊維の特性はまた、繊維の直径(キャリパー)を変化させることによっても調整することができる。これらの熱可塑性繊維の直径は、典型的に、デニール(9000メートル当たりのグラム)又はデシテックス(10,000メートル値のグラム)を単位で定義される。エアレイド製造機械で使用されるとき、好適な2成分型熱可塑性繊維は、例えば約1.4〜約10デシテックス、及び約1.7〜約7デシテックスなどの、約1.0〜約20デシテックスの範囲のデシテックスを有し得る。
【0117】
これら熱可塑性材料の、特に熱可塑性繊維の圧縮弾性率もまた重要であり得る。熱可塑性繊維の圧縮弾性率は、それらの長さ及び直径だけではなく、それらが作製されるポリマー又はポリマー類の組成及び特性、繊維の形状及び構成(例えば、同心であるか偏心であるか、捲縮しているか捲縮していないか)などの要因によっても影響される。これらの熱可塑性繊維の圧縮弾性率における違いを、特性、特に対応する熱結合された繊維性マトリックスの密度特性を変えるために使用することができる。
【0118】
不均質塊は、典型的に結合剤繊維としては機能しないが、繊維ウェブの機械的特性を変化させる合成繊維を更に含んでもよい。合成繊維は、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル(オーロンなど)、ポリ酢酸ビニル、不溶性ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロンなど)、ポリエステル、2成分繊維、3成分繊維などを含む。これらとしては、例えば、ポリエステル繊維、例えばポリエチレンテレフタレート(例えば、DACRON.RTM.及びKODEL.RTM.)、高融点捲縮ポリエステル繊維(例えば、Eastman Chemical Co.により作製されるKODEL.RTM.431)親水性ナイロン(HYDROFIL.RTM.)などを挙げることができる。好適な繊維は、親水化させた疎水性繊維、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタンなどから誘導された、界面活性剤処理又はシリカ処理された熱可塑性繊維などであってもよい。非結合性の熱可塑性繊維の場合、それらの長さは、これらの繊維に望ましい特定の特性に応じて変化し得る。典型的に、それらは、約0.3〜7.5cm、例えば約0.9〜約1.5cmなどの長さを有する。好適な非接合性の熱可塑性繊維は、約1.5〜約35デシテックス、例えば約14〜約20デシテックスなどの範囲のデシテックスを有し得る。
【0119】
バックシート207は、吸収性構造体205の衣類に面する表面に隣接して配置されてもよく、当該技術分野において周知の取り付け方法(図示せず)によって、それに接合されてもよい。例えば、バックシート207は、接着剤の均一な連続層、接着剤の模様付き層、又は接着剤の別個の線、螺旋、若しくは点の配列により、吸収性構造体205に固定され得る。あるいは、取り付け方法は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、若しくは当該技術分野で既知の他のいかなる好適な取り付け方法、又はこれら取り付け方法の組み合わせを含んでもよい。本開示の形態は、吸収性コア205がバックシート207、トップシート203、又はその両方に結合されないものもまた企図される。
【0120】
バックシート207は、液体(例えば、尿)に対して不透過性、又は実質的に不透過性であってもよく、また、薄いプラスチックフィルムから製造されてもよいが、他の可撓性の液体不透過性材料を使用することもできる。本明細書で使用するとき、用語「可撓性」は、順応性があり、人体の一般的な形状及び輪郭に容易に適合する材料を指す。バックシート207は、吸収性コア205中に吸収され収容された浸出物が、下着などの婦人用パッド10に接触する衣類を濡らすことを防ぐか、又は少なくとも抑制し得る。しかしながら、バックシート207は、蒸気が吸収性構造体205から放出するのを可能にし得る(即ち通気性)。したがって、バックシート205は、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどの高分子フィルムを含む場合がある。バックシート207に好適な材料は、例えば約0.012mm(0.5mil)〜約0.051mm(2.0mil)の厚さを有する熱可塑性フィルムである。当該技術分野において既知の任意の好適なバックシートが本発明と共に用いられてもよい。
【0121】
トップシート203は、吸収性構造体205の身体に面する表面に隣接して配置され、当該技術分野において周知の取り付け方法(図示せず)によって、吸収性構造体の身体に面する表面及びバックシート207に接合されてもよい。好適な取り付け方法を、バックシート207を吸収性構造体205に接合することに関連して説明する。トップシート203及びバックシート207を、婦人用パッドの周辺部で互いに直接接合してもよく、また、取り付け方法によってこれらを吸収性構造体205に直接接合することにより、間接的に一体に接合してもよい。
【0122】
トップシート203は、柔軟で、ソフトな感触を有し、かつ着用者の皮膚に非刺激性であり得る。更に、トップシート203は液体透過性であり、その厚みを通って容易に液体(例えば、尿)を透過させることができる浸透できるように、ってよい。トップシート材料のいくつかの好適な例としては、フィルム、不織布、フィルム/不織布層、フィルム/フィルム層、及び不織布/不織布層を含む積層構造体が挙げられる。その他の例示的なトップシート材料及び設計は、特許仮出願第62/177,405号(2015年3月13日出願)、同第62/168,199号(2015年5月29日出願)、及び同第62/190,000号(2015年7月8日出願)に開示されている。
【0123】
本発明のバリアカフのカバーは、異なるMD及びCDの可撓性を有する様々な種類の不織布から製造することができる。カバーは、例えば接着剤のスロットコーティングされたストライプ、糊剤ビーズ、超音波シール、又はその他の好適な結合剤によって吸収性物品のトップシートに結合することができる。本発明の特定の形態では、例えば、圧着、又は例えば接着剤などのその他の好適な結合剤を用いるなどして、パッドの側縁部22及び24でカバーをバックシートに結合させてもよい(図1を参照)。
【0124】
更に、本発明の特定の形態では、次に弾性部材を有するバリアカフの部分261(図2Aを参照)をそれ自体の上に折り重ねてもよく、続いて折り重ねられた部分261をパッドの長さに沿って連続的に接着してもよい。続いて折り重ねられた部分をパッドの端部でトップシートに断続的に結合させて、バリアカフがパッドの端部で持ち上がることを防ぎながら、パッドの中央部分で持ち上がることを可能にすることができる。
【0125】
弾性部材は任意の好適な弾性材料からなってもよい。いくつかの好適な例としては、Spandex(商標)若しくはその他の同様なポリウレタン、天然若しくは合成ゴム、スチレンブロックコポリマー、メタロセンポリオレフィン、Lycra(商標)、又は当該技術分野で既知の任意の他の好適なエラストマー材料が挙げられる。弾性部材は、処理を容易にするために、物品の使用中に耐久性を有し、かつ400%もの高いひずみ下でも優れた弾性(ひずみ後の回復)を示すことが好ましい。
【0126】
更に、本開示の弾性部材は任意の好適なデシテックスを含み得る。いくつかの例示的なデシテックスを本明細書の特定の実施例で示す。その他の形態では、弾性部材は680以下のデシテックスを含み得る。その他の形態では、弾性部材は680〜470、具体的にはその範囲、及びその範囲によって作られる任意の範囲内の全ての数値を含むデシテックスを有し得る。
【0127】
図1を再び参照すると、バリアカフ230A及び230Bを作製するため、弾性部材を伸張させることで弾性部材に張力を与えてもよい。本発明の特定の形態では、弾性部材はそれぞれ、例えば約40%〜約300%の工学ひずみなどの、約30%〜約400%の工学ひずみまで伸張されてもよい。いくつかの形態では、弾性部材上の工学ひずみは、約45%〜約200%、約50%〜約150%、約55%〜約120%、約60%〜約90%であってもよく、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られる任意の範囲内の全ての数値を含む。一例では、弾性体は長さxを有し得、弾性体の最終伸張長さが2xとなるように、更に1x伸張させてもよい。別の例では、弾性体は長さxを有し得、弾性体の最終伸張長さが3xとなるように、更に2x伸張させてもよい。更に別の例では、弾性体は長さxを有し得、弾性体の最終伸張長さが2.5xとなるように、更に1.5x伸張させてもよい。続いて、弾性部材は、例えば、弾性包帯接着剤又はその他の好適な接着剤を用いた接着によって、カバーに取り付けられる。本発明の特定の形態では、弾性部材の接着長さは、任意の好適な長さ、例えば、約100〜約500mm、約100〜約400mm、約100〜約300mm、約100〜約200mm、約150〜約200mm、又は任意の他の好適な長さなどであってよい。弾性部材がパッド端部で切断されると、こられはその弛緩寸法まで収縮しようとする。典型的なおむつ用途では、これらの対応するバリアカフの弾性部材は、200%を超える工学ひずみを受ける。
【0128】
本発明のいくつかの形態では、弾性部材は緩慢回復型弾性材料を含み得る。例えば、本発明のいくつかの形態では、弾性部材は、2サイクルヒステリシス試験によって測定される、37℃で約0.16N/(g/m)を超える正規化された荷重除去力を示し得る。37℃で約0.12N/(g/m)未満の正規化された荷重除去力では、吸収性物品内のエラストマーとして使用するのに不充分であると考えられる。本発明のいくつかの特定の形態では、弾性部材は、37℃で約0.24N/(g/m)を超える正規化された荷重除去力を示す。
【0129】
対照的に、本発明の弾性部材は、伸張後回復試験によって測定される、22℃で15秒後に、当初ひずみに対するパーセントが約10%以上の回復を示す。本発明のその他の形態では、弾性部材は、22℃で15秒後に、当初ひずみに対するパーセントが約20%以上の回復を示す。本発明のその他の好適な形態では、弾性部材は、22℃で15秒後に、当初ひずみに対するパーセントが約30%以上の回復を示す。他の好適な形態では、弾性部材は、22℃で15秒後に、当初ひずみに対するパーセントが約40%以上の回復を示す。
【0130】
更に、本発明の弾性部材は、22℃で30秒後、60秒後、又は3分後に、当初ひずみに対して指定されたパーセントの回復を示し得る。特定の形態では、弾性部材は、22℃で30秒後に、当初ひずみに対するパーセントが約10%以上の回復を示し得る。あるいは、弾性部材は、22℃において30秒後に、当初ひずみに対するパーセントが約15%以上の回復を示し得る。本発明のその他の形態では、弾性部材は、22℃において60秒後に、当初ひずみに対するパーセントが約10%以上の回復を示し得る。
【0131】
弾性部材は、温度応答性を示してもよい。本発明の特定の形態では、弾性部材は、32℃で指定された回復時間後に、22℃で同一回復時間後に示される当初ひずみに対するパーセントよりも小さい当初ひずみに対するパーセントを示す。本発明の1つの特定の形態では、温度応答性の弾性部材は、22℃で15秒後に示される当初ひずみに対するパーセントと比較して、32℃で15秒後の当初ひずみに対するパーセントの低下を示し得る(即ち、[22℃で15秒後の回復の当初ひずみに対するパーセント]−[32℃で15秒後の回復の当初ひずみに対するパーセント])。本発明のいくつかの形態では、差異は5%以上である。本発明のその他の形態では、弾性部材は、32℃で15秒後と比較した、22℃で15秒後の当初ひずみに対するパーセントの差異を、10%、20%、30%、又はあるいは40%以上示し得る。温度応答性を示す弾性部材は、パッドの適用を更に容易にし得ると考えられる。婦人用パッドがほぼ室温(即ち約22℃)で適用されると、弾性部材は、所定の時間、当初ひずみに対する比較的高いパーセントを示し得、これによって着用者がパッドを適用することが可能になる。パッドを適用した後、弾性部材の温度は、着用者の皮膚と密接しているために上昇する。弾性部材の温度が上昇して皮膚の温度(即ち約32℃)に近づくと、当初ひずみに対するパーセントは低下する。温度応答性により、「はじき戻る」ことなくパッドを適用することを可能にし、同時に適用後の回復の増加をもたらす。緩慢回復型弾性部材については、米国特許第7,717,893号、同第8,419,701号、及び同第7,905,872号で更に説明されている。
【0132】
本発明のいくつかの形態では、婦人用パッドはウィングを備え得る。ウィングは、婦人用パッドに更なる漏出防護を提供し得、また、パッドをユーザの下着に固定するのを助け得る。当該技術分野で既知の任意の好適なウィング構成を用いてもよい。
【0133】
全ての構成要素が、当該技術分野において既知のホットメルト接着剤などの接着剤を用いて一体に接着され得る。接着剤は、フィンドレイ(Findlay)H2128 UN又はサバレ(Savare)PM 17であり得、ダイナファイバー(Dynafiber)HTWシステムを用いて適用され得る。
【0134】
図1及び2Aを参照すると、パッドは、使用時、こうした目的に好適な任意の支持具又は取付具によって定位置に保持され得る。本発明の特定の形態では、パッドはユーザの下着又はパンティ内に配置され、固定用接着剤211によってこれらに固定される。固定用接着剤211は、ユーザのパンティ股部内にパッドを固定する。シャーシ20の衣類に面する表面20Bの一部又は全部が、固定用接着剤211でコーティングされる。こうした目的に好適な任意の接着剤又は糊剤が、例えば、感圧接着剤を用いた本明細書の固定用接着剤211に用いられ得る。好適な接着剤としては、例えばCentury Adhesives Corporation(Columbus,Ohio)製のCentury A−305−IV、及びNational Starch and Chemical Company(Bridgewater,N.J.)製のInstant Lock 34〜2823が挙げられる。好適な接着剤締結具は、米国特許第4,917,697号でも説明されている。使用時に吸収性物品を配置する前、この感圧性接着剤は、使用前に接着剤が乾燥するのを防ぐため、又はパンティの股部分以外の表面に付着するのを防ぐため、除去可能な剥離ライナーで被覆されている。好適な剥離ライナーは、米国特許第4,917,697号及び同第4,556,146号でも説明されている。こうした目的に一般的に用いられる商業的に入手可能な任意の剥離ライナーを本明細書で使用してよい。好適な剥離ライナーの非限定的な例は、いずれもAkrosil Corporation(Menasha,Wis)製のBL30MG−A Silox E1/0、及びBL30MG−A Silox 4P/Oである。パッドは、剥離ライナーを除去し、続いて吸収性物品をパンティ内に配置して、その結果接着剤がパンティと接触することにより使用することができる。接着剤は、使用中の吸収性物品をパンティ内の所定の位置に保持する。剥離ライナーは、個別にパッドを包装することができる包装紙であってもよい。
【実施例】
【0135】
サンプル1〜2Cを本開示に従って作製した。サンプル3〜7は、現在市場で入手可能な製品である。
【0136】
サンプル1:長さ約270mmで2つの折り目を含む婦人用パッド。第1の折り目は第1の端縁部から約92mmの位置にあり、第2の折り目は第2の端縁部から約73mmの位置にある。婦人用パッドは以下を更に含む。
(1)50/50ポリプロピレン/ポリエチレンコア/シース構成の2成分繊維からなる坪量18gsmの不織布トップシート。
(2)坪量75gsmで、10デシテックスの中空らせん状ポリエチレンテレフタレート繊維を25%、6.7デシテックスのポリプロピレン繊維を40%、及び3.3デシテックスのビスコースレーヨントリローバル型繊維を35%有する不織布二次トップシート。不織布二次トップシートは、長さ218mm、幅95mmであり、品目(4)の周囲に巻きつけられ、その結果、不織布二次トップシートの両端部は品目(4)の底部に配置され、不織布二次トップシートは品目(4)の中央に置かれた。
(3)吸収性材料−品目(4)の長さ及び幅に沿って分布した1.8gのAGM。
(4)パルプ(処理済み及び未処理)、AGM(質量の約35%)、及びPET/PEコアシース2成分繊維(熱結合された)、並びにラテックス結合剤を有する、坪量345gsmのエアレイド材料。材料全体は、更なる材料安定性のためにエンボス加工され、幅59mm、長さ218mmであった。
(5)14gsmのポリプロピレンフィルムであるバックシート。
(6)バリアカフ−それぞれ14gsmの坪量を有し(MD方向に40mmの間隔でトップシートに対して連続的に糊剤接着された)、約34mmの内側対内側間隙(inner to inner spacing)(CDの端部へと続く)を有する不織布の第1のカバー/第2のカバー。
(7)Lycra(登録商標)のバリアカフ−弾性部材−カフごとにそれぞれ470dtexの2つのストランドがそれぞれ約60%伸張され、120mm糊剤接着された(取り付けは先頭縁部から約85mm、末縁部から65mm)。弾性体の内側対内側の間隙は約41mmで、各カフの各ストランド間の間隙は約4mm。
【0137】
サンプル2A:長さ約400mmで2つの折り目を含む婦人用パッド。第1の折り目は第1の端縁部から約135mmの位置にあり、第2の折り目は第2の端縁部から約116mmの位置にある。婦人用パッドは以下を更に含む。
(1)50/50ポリプロピレン/ポリエチレンコア/シース構成の2成分繊維からなる坪量18gsmの不織布トップシート。
(2)坪量75gsmで、10デシテックスの中空らせん状ポリエチレンテレフタレート繊維を25%、6.7デシテックスのポリプロピレン繊維を40%、及び3.3デシテックスのビスコースレーヨントリローバル型繊維を35%有する不織布二次トップシート。不織布二次トップシートは、長さ339mm、幅114mmであり、品目(4)の周囲に巻きつけられ、その結果、不織布二次トップシートの両端部は品目(4)の底部に配置され、不織布二次トップシートは品目(4)の中央に置かれた。
(3)吸収性材料−品目(4)の長さ及び幅に沿って分布した5.7gのAGM。
(4)パルプ(処理済み及び未処理)、AGM(質量の約35%)、並びにPET/PEコアシース2成分繊維(熱結合された)、及びラテックス結合剤を有する、坪量345gsmのエアレイド材料。材料全体は、更なる材料安定性のためにエンボス加工され、幅79mm、長さ339mmであった。
(5)14gsmのポリプロピレンフィルムであるバックシート。
(6)バリアカフ−それぞれが15gsmの坪量を有し(MD方向に72mmの間隔でトップシートに対して連続的に糊剤接着され、製品の端部で60mmの間隙を空けて約63mmを断続的に糊剤接着された)、約54mmの内側対内側間隙(CDの端部へと続く)を有する不織布の第1のカバー/第2のカバー。
(7)Lycra(登録商標)のバリアカフ−弾性部材−カフごとにそれぞれ470dtexの2つのストランドがそれぞれ約80%伸張され、246mm糊剤接着された(取り付けは各端部から約77mm)。弾性体の内側対内側の間隙は約61mmで、各カフの各ストランド間の間隙は約4mm。
【0138】
サンプル2B:長さ約348mmで2つの折り目を含む婦人用パッド。第1の折り目は第1の端縁部から約118mmの位置にあり、第2の折り目は第2の端縁部から約99mmの位置にある。婦人用パッドは以下を更に含む。
(1)50/50ポリプロピレン/ポリエチレンコア/シース構成の2成分繊維からなる坪量18gsmの不織布トップシート。
(2)坪量75gsmで、10デシテックスの中空らせん状ポリエチレンテレフタレート繊維を25%、6.7デシテックスのポリプロピレン繊維を40%、及び3.3デシテックスのビスコースレーヨントリローバル型繊維を35%有する不織布二次トップシート。不織布二次トップシートは、長さ288mm、幅104mmであり、品目(4)の周囲に巻きつけられ、その結果、不織布二次トップシートの両端部は品目(4)の底部に配置され、不織布二次トップシートは品目(4)の中央に置かれた。
(3)吸収性材料−品目(4)の長さ及び幅に沿って分布した4.8gのAGM。
(4)パルプ(処理済み及び未処理)、AGM(質量の約35%)、並びにPET/PEコアシース2成分繊維(熱結合された)、及びラテックス結合剤を有する、坪量345gsmのエアレイド材料。材料全体は、更なる材料安定性のためにエンボス加工され、幅69mm、長さ288mmであった。
(5)14gsmのポリプロピレンフィルムであるバックシート。
(6)バリアカフ−それぞれが15gsmの坪量を有し(MD方向に62mmの間隔でトップシートに対して連続的に糊剤接着され、製品の端部で50mmの間隙を空けて約63mmを断続的に糊剤接着された)、約44mmの内側対内側間隙(inner to inner spacing)(CDの端部へと続く)を有する不織布の第1のカバー/第2のカバー。
(7)Lycra(登録商標)のバリアカフ−弾性部材−カフごとにそれぞれ470dtexの2つのストランドがそれぞれ約80%伸張され、120mm糊剤接着された(取り付けは第1の端縁部から約85mm、第2の端縁部から65mm)。弾性体の内側対内側間隙は約51mmで、各カフの各ストランド間の間隙は約4mm。
【0139】
サンプル2C:長さ約348mmで2つの折り目を含む婦人用パッド。第1の折り目は第1の端縁部から約118mmの位置にあり、第2の折り目は第2の端縁部から約99mmの位置にある。婦人用パッドは以下を更に含む。
(1)50/50ポリプロピレン/ポリエチレンコア/シース構成の2成分繊維からなる坪量18gsmの不織布トップシート。
(2)坪量75gsmで、10デシテックスの中空らせん状ポリエチレンテレフタレート繊維を25%、6.7デシテックスのポリプロピレン繊維を40%、及び3.3デシテックスのビスコースレーヨントリローバル型繊維を35%有する不織布二次トップシート。不織布二次トップシートは、長さ288mm、幅69mmであり、品目(4)周囲に巻きつけられ、その結果、不織布二次トップシートの両端部は品目(4)の底部に配置され、不織布二次トップシートは品目(4)の中央に置かれた。
(3)吸収性材料−品目(4)の長さ及び幅に沿って分布した7.2gのAGM。
(4)坪量10gsm、長さ288mm、及び幅69mmのポリプロピレンの不織布(SMS構成)材料。
(5)未処理パルプ、並びにPET/PEコアシース2成分繊維(熱結合された)、及びラテックス結合剤を有する、坪量135gsmのエアレイド材料。材料全体は、幅69mm、長さ288mmであった。
(6)14gsmのポリプロピレンフィルムであるバックシート。
(7)バリアカフ−それぞれが15gsmの坪量を有し(MD方向に62mmの間隔でトップシートに対して連続的に糊剤接着され、製品の端部で50mmの間隙を空けて約63mmを断続的に糊剤接着された)、約44mmの内側対内側間隙(inner to inner spacing)(CDの端部へと続く)を有する不織布の第1のカバー/第2のカバー。
(8)Lycra(登録商標)のバリアカフ−弾性部材−カフごとにそれぞれ470dtexの2つのストランドがそれぞれ約80%伸張され、120mm糊剤接着された(取り付けは第1の端縁部から約85mm、第2の端縁部から65mm)。弾性体の内側対内側の間隙は約51mmで、各カフの各ストランド間の間隙は約4mm。
【0140】
各サンプルのための上記の材料のそれぞれは、それぞれ従来の接着剤塗布技術により、従来の接着剤を用いて、従来の接着剤坪量で、隣接する層に接着接合した。吸収性物品中で従来の坪量及び塗布を用いると、接着剤は、物品のその他の構成要素とは対照的に、物品の剛性に寄与する程度は非常に小さいと考えられる。しかしながら、トップシートとバックシートとは熱接着されて物品の周辺部を形成した。
【0141】
サンプル3:Always Discreet、中度の吸収性、長さロング。
【0142】
サンプル4:Always Discreet、最大の吸収性、ロング。
【0143】
サンプル5:Poise Pads、中度の吸収性、長さ津城。
【0144】
サンプル6:Poise Overnight Pads、最大の吸収性、長さロング。
【0145】
サンプル7:Poise Thin Shape Pads、中度の吸収性。
【0146】
上記のサンプルの物品の可撓性に関して得られたデータを表1に示す。サンプル1〜4は、個別であり、かつそれぞれのトップシートに取り付けられたカバーを有するバリアカフを含む。サンプル1〜2Cのカバー及び弾性部材の固定点は、それぞれの吸収性コアの側縁部の内側にある。サンプル5及び6は、トップシート及びバックシートの一部を含むバリアカフを含む。弾性部材の固定点は、それぞれの吸収性アの外側にある。サンプル7は、バックシートに取り付けられた個別のカバーを有するバリアカフを含む。その弾性部材は、吸収性コアの外側に配設される。
【0147】
【表1】
【0148】
表2は、MDの可撓性力及びCDの可撓性力に関するデータを含む。更に、表2は物品のたわみ率に関するデータを含む。たわみ率はMD及びCDの可撓性を考慮に入れる。たわみ率は、以下の等式に従って求められる。
【0149】
【数1】
【0150】
上述したように、適用中に製品の巻きに影響を及ぼすいくつかの要因が存在する。例えば、上述したバリアカフによって物品に加えられる弾性力は1つの要因である。弾性部材の工学ひずみ及び弾性デニールもまた要因である。第1の取り付けゾーン及び第2の取り付けゾーンのそれぞれにおける接着剤の外側縁部から接着剤の外側縁部まで延在する弾性部材の長さにおける糊剤。上述した物品の剛性もまた要因である。コアの剛性、例えばトップシートとバックシートとの間の全ての材料は、MD及びCDの両方における物品の剛性を主に推進するものであると考えられる。糊剤などのその他の材料は役割を果たし得るが、これらの材料が物品剛性に寄与する程度は、吸収性コアよりもはるかに小さいと考えられる。
【0151】
【表2】
【0152】
表3は、その他の測定された特徴に加えて、測定されたパッドの巻きに関するデータを含む。表3のデータは、バリアカフの間隔、前部/後部及び左部/右部に関するパッド巻きを含む。
【0153】
【表3】
【0154】
いくつかの形態では、前部パッド巻き(FPC)及び後部パッド巻き(RPC)の平均である平均パッド巻き(APC)(単位:mm)対平均CDピーク荷重(単位:グラム重量)を、図9に示すグラフに示す。いくつかの形態では、APCはCDピーク荷重に関して以下の等式を満たし得る。
APC≦(−0.038平均CDピーク荷重+7.1354)
【0155】
線900は、視覚化を容易にするために提供する。
【0156】
こうした形態では、APCは、約7.0mm未満、約6.0m未満、約5.0mm未満、約4.0mm未満、又は約3.0mm未満であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。特定の一例では、APCは約0.5mm〜約3.0mm、又は約1.0mm〜約2.5mmであり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。こうした形態では、横方向ピーク荷重は、約1.84ニュートン(約188グラム重量)未満、約1.7ニュートン(約170グラム重量)未満、約1.6ニュートン(約160グラム重量)未満、約1.3ニュートン(約130グラム重量)未満、又は約1.2ニュートン(約120グラム重量)未満であり得、具体的にはその範囲、及びその範囲によって作られる任意の範囲内の全ての数値を含む。特定の一例では、横方向ピーク荷重は、約0.3ニュートン〜約1.84ニュートン(約30グラム重量〜約188グラム重量、又は約0.34ニュートン〜約1.7ニュートン(約35グラム重量〜約170グラム重量)であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。
【0157】
いくつかの形態では、単位mmでのAPC対たわみ率を、図10のグラフに示す。いくつかの形態では、APCは、たわみ率に関して以下の等式を満たし得る。
APC≦(−0.0338FF+8.7879)
【0158】
線1000は、視覚化を容易にするために提供する。
【0159】
こうした形態では、APCは、約9.0mm未満、約8.0mm未満、約7.0mm未満、約6.0mm未満、約5.0mm未満、約4.0mm未満、又は約3.0mm未満であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。特定の一例では、APCは、約0.5mm〜約3.0mm、又は約1.0mm〜約2.5mmであり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。こうした形態では、たわみ率は、約260、250、240、230、220、210、200、又は190未満であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。特定の一例では、たわみ率は、約30〜約260、40〜240、又は50〜220であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。
【0160】
上記のデータに基づくと、いくつかの形態では、APCは、約3.0mm未満、又は約2.0mm未満であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。いくつかの特定の例では、APCは、約0.5mm〜約2.5mm、又は約1.0mm〜約2.0mmであり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。こうした形態では、たわみ率は、約240、230、220、又は212未満であり得、具体的にはこれらの範囲内及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。特定の一例では、使い捨て吸収性物品は、約50〜約220の、具体的にはその範囲、及びその範囲によって作られる任意の範囲内の全ての数値を含むたわみ率を有し得る。たわみ率に加えて、又はそれとは関係なく、こうした形態では、平均CDピーク荷重は、約1.6ニュートン(約160グラム重量)未満、約1.5ニュートン(約150グラム重量)未満、又は約1.2ニュートン(約120グラム重量)未満であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。特定の一例では、平均CDピーク荷重は、約0.2ニュートン〜約1.6ニュートン(約20グラム重量〜約160グラム重量)、約0.3ニュートン〜約1.5ニュートン(約30グラム重量〜約150グラム重量)、又は約35ニュートン〜約135ニュートン(約35グラム重量〜約135グラム重量)であり得、具体的にはその範囲、及びその範囲によって作られる任意の範囲内の全ての数値を含む。同様に、たわみ率及び/又は横方向ピーク荷重に加えて、あるいはそれらとは無関係に、こうした形態では、平均機械方向ピーク荷重は、約1.7ニュートン(約170グラム重量)未満、約1.6ニュートン(約160グラム重量)未満、約1.5ニュートン(約150グラム重量)未満、又は約1.4ニュートン(約140グラム重量)未満であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。一例では、平均機械方向ピーク荷重は、約0.4〜約1.7ニュートン(約40〜約170グラム重量)であり得、具体的にはその範囲、及びその範囲によって作られる任意の範囲内の全ての数値を含む。
【0161】
更に他の形態では、APCは、約7.5mm未満、7.0mm未満、4.0mm未満、又は3.0mm未満であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。特定の一例では、APCは、約0.5mm〜約4.0mm、又は約1.0mm〜約3.0mmであり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。こうした形態では、たわみ率は、約190、180、170、160、又は150未満であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。
特定の一例では、たわみ率は約50〜約190であり得、具体的にはこの範囲、及びこの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。たわみ率に加えて、又はそれとは関係なく、こうした形態では、平均CDピーク荷重は、約1.20ニュートン(未約120グラム重量)満、約1.13ニュートン(約115グラム重量)未満、又は約1.1ニュートン(約110グラム重量)未満であり得、具体的にはこれらの範囲、又はこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。特定の一例では、平均CDピーク荷重は、約0.3ニュートン〜約1.2ニュートン(約30グラム重量〜約120グラム重量)、又は約0.34ニュートン〜約1.13ニュートン(約35グラム重量〜約115グラム重量)であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。
【0162】
更に他の形態では、APCは、約3.0mm未満、又は約2.0mm未満であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。いくつかの特定の例では、APCは、約0.5mm〜約2.5mm、又は約1.0mm〜約2.0mmであり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。こうした形態では、横方向ピーク荷重は、約1.6ニュートン(約160グラム重量)未満、約1.5ニュートン(約150グラム重量)未満、約1.4ニュートン(約140グラム重量)未満、約1.3ニュートン(約130グラム重量未満)未満、又は約1.2ニュートン(約120グラム重量未満)未満であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。特定の一例では、平均CDピーク荷重は、約0.2ニュートン〜約1.6ニュートン(約20グラム重量〜約160グラム重量)、約0.3ニュートン〜約1.5ニュートン(約30グラム重量〜約150グラム重量)、又は約0.34ニュートン〜約1.32ニュートン(約35グラム重量〜約135グラム重量)であり得、具体的にはその範囲、及びその範囲によって作られる任意の範囲内の全ての数値を含む。こうした形態では、たわみ率は、約380未満、約370未満、約350未満、約300未満、約280未満、約250未満、又は約220未満であり得、具体的にはこれらの範囲、及びこれらの範囲によって作られるあらゆる範囲内の全ての数値を含む。特定の一例では、使い捨て吸収性物品は、約30〜約380、50〜約340、55〜約330、又は約40〜220のたわみ率を含み得、具体的にはその範囲、及びその範囲によって作られる任意の範囲内の全ての数値を含む。
【0163】
試験方法:
坪量方法
本明細書で説明される材料の坪量は、いくつかの利用可能な技術によって判定され得るが、単純な代表的技術は、吸収性物品又は他の消費者製品を取ること、存在する恐れがある一切の弾性を除去すること、及び吸収性物品又は他の消費者製品をその全長まで伸張させることを伴う。次に、45.6cmの面積を有する打抜き型を使用して、存在し得る任意の他の層に材料を固定するために用いられ得るいかなる接着剤も最大限に回避する位置で、吸収性物品又はその他の消費者製品のほぼ中心から、分析対象の材料(例えば、トップシート又はバックシート)片を切り取り、その他の層から材料を除去する(必要に応じてCyto−Freeze(Control Company(Houston,Texas))などの低温スプレーを用いて)。続いて、サンプルを秤量して打抜き型の面積で割ると、材料の坪量が得られる。結果を、5つのサンプルの平均値として、0.1cm単位で報告する。
【0164】
パッド巻き及びその他の測定
試験前に、サンプルを23℃±2℃、及び50%±2%相対湿度で2時間調整する。試験は同じ環境条件下で行う。全ての直線的測定は、NIST又はその他の標準化機構にトレーサブルな目盛り付きスチールメタル製定規を用いて行う。キャリパーの測定は、Schiefer標準ばね式縮み計(Frazier Precision Instrument Co.(Hagerstown MD)から入手可能)又はその等価物を用いて行う。縮み計は、脚部として直径4.75mmのボールと共に使用した。本明細書では、前部、後部、左、及び右は、着用者の身体上における製品の配向を意味する。
【0165】
物品を、包み、及び存在する場合は取り出された物品の剥離紙から取り出して、パンティ固定用接着剤(PFA)を露出させる。タルク粉末をバックシート上のPFAに塗布して粘着性を軽減させる。物品をその前方先端部より垂直に吊るす。500g±1gのおもりを後方先端部に取り付けて、物品が自由に吊り下がるようにする。30秒後、物品の長手方向中心線に沿って物品の長さを0.1mm単位で測定し、物品長さ(AL)として記録する。
【0166】
物品を、厚さ約3mmで、長さ及び幅の寸法が物品よりも大きい平らな金属プレート上に取り付ける。幅2.54cmのマスキングテープを用いて、物品を金属プレートの中央に固定する。テープは、前縁部の長手方向中心線に沿って、テープの1cmを物品の縁部に重ね合わせて取り付ける。同様に、物品が事前に測定した物品のALまで延在するように、後縁部をプレートに固定する。物品を取り付けた後、不当な遅れなしにキャリパーの測定を行う。
【0167】
前部パッド巻き(FPC)のキャリパー測定は、物品の前部30%上で行う。物品の前部は、通常の使用中に身体の前側部分に関連付けられる物品の部分に対応する。金属プレートを脚部の下に配置する。脚部がプレートに視覚的に接触するまで脚部をゆっくりと下ろす。縮み計の下キャリパーゲージをゼロ点に調整する。次に、物品の前左角部を脚部の下に配置する。金属プレートから最も高い位置である吸収性本体の左遠位側の1cm以内に部位を視覚的に選択する。脚部が物品のトップシートに視覚的に接触するまで脚部をゆっくりと下ろして、0.1mm単位でキャリパー(FL)を記録する。取り付けられた物品を、前右角部が脚部の下に来るように移動させる。金属プレートから最も高い位置である吸収性本体の右遠位側の1cm以内に部位を視覚的に選択する。脚部がトップシートに視覚的に接触するまで脚部をゆっくりと下ろして、キャリパー(FR)を0.1mm単位で記録する。物品の幅よりも長いマスキングテープ片を取り、物品の長手方向中心線に対して垂直に、かつ吸収性本体のすぐ内側と揃えて物品全体にわたって配置し、全てのパッド巻きをタック止めする。再度、物品の前左角部を脚部の下に配置する。マスキングテープから5mm内側でかつ吸収性本体の縁部から5mm内側の部位を選択する。脚部がトップシートに視覚的に接触するまで脚部をゆっくりと下ろして、0.1mm単位でキャリパー(FL2)を記録する。取り付けられた物品を、前右角部が脚部の下に来るように移動させる。マスキングテープから5mm内側でかつ吸収性本体の縁部から5mm内側の部位を選択する。脚部がトップシートに視覚的に接触するまで脚部をゆっくりと下ろして、キャリパー(FR2)を0.1mm単位で記録する。前部パッド巻き(FPC)を[((FL+FR)/2)−(FL2+FR2)/2]として計算し、0.1mm単位で記録する。後部パッド巻き(RPC)を測定して、同様に計算し(物品の後部30%上で)、これも0.1mm単位で記録する。後部パッド巻き(RPC)を[((RL+RR)/2)−(RL2+RR2)/2]として計算し、0.1mm単位で記録する。平均パッド巻きを(FPC+RPC)/2として計算し、0.1mm単位で記録する。
【0168】
物品を金属プレートから取り外して、物品の寸法よりも大きいライトボックスに至る正しいAL延伸で物品を再取り付けする。物品の長手方向中心線と横方向中心線の交点にマークを付ける。目盛り付きの定規測定器を用いて、横方向中心線に沿った、長手方向中心線左側の最外弾性部材と長手方向中心線右側の最外弾性部材との間の距離を、0.1mm単位で測定する。弾性部材間隔(EMS)として記録する。更に、吸収性本体の幅を横方向中心線に沿って測定し、0.1mm単位で記録する。コア幅(CW)として記録する。ALをEMSで割って長さ対弾性比(LER)を計算し、0.1mm単位で記録する。CWをEMSで割って幅対弾性比(WER)を計算し、0.1mm単位で記録する。
【0169】
合計6つの複製パッドで測定を繰り返す。前部パッド巻き(FPC)、後部パッド巻き(RPC)、長さ対弾性比(LER)、及び幅対弾性比(WER)の全ての相加平均を計算する。全ての値を0.1mm単位で報告する。
【0170】
MD/CD可撓性
機材の準備
サンプルの曲げ特性を、測定した力がセルの限界の10%〜90%以内となるロードセルを使用した定速の延伸引張試験機(好適な計器は、MTS Systems Corp.(Eden Prairie,MN)から入手可能な、Testworks 4.0 Softwareを使用したMTS Allianceである)で測定する。全ての試験は、23℃±3℃及び50%±2%の相対湿度に制御された室内で行う。
【0171】
図8を参照すると、研磨ステンレス鋼製で直径3.175mm、長さ60mmの2つのバーを備える底部の固定具800を、それら自体のフォーク820上にそれぞれ設置する。これら2つのバーは、水平に取り付けられて、前後側を揃えて互いに対して平行にされ、バーの頂部半径を垂直方向に位置合わせされる。更に固定具800は、2つのバーが軌道830上を互いから離れるように水平に移動するのを可能にし、その結果、バーの配向を維持しつつバー間に間隙が定められ得る。頂部可動固定具850は、フォーク860上に取り付けられた研磨ステンレス鋼製で直径3.175mm、長さ60mmの第3のバーを含む。頂部固定具860のバーは、底部固定具800のバーに対して平行で、かつ前部が揃えられるべきである。固定具800及び860はいずれも、引張試験機上のそれぞれの位置に嵌合し、所定の位置に固定するのに適切な一体型のアダプタを含み、その結果、バーを引張試験機のクロスビームの動きと直交する。
【0172】
下部固定具800のバー間の間隙を30mm±0.5mm(バーの中心部からバーの中心部まで)に設定し、上部バーを下部バーの間の中点に中心を合わせる。ゲージ(上部バーの底部から下部バーの頂部まで)を1.0cmに設定する。
【0173】
サンプルの調製:
試験前に、23℃±3℃及び50%±2%の相対湿度で2時間、サンプルを調整する。物品を、包み、及び存在する場合は取り出された物品の剥離紙から取り出して、パンティ固定用接着剤(PFA)を露出させる。タルク粉末をバックシート上のPFAに塗布して粘着性を軽減させる。物品の中心から物品の長手方向(MD)に50mm、横方向(CD)に50mmの正方形の検体を切り取る。サンプルは、物品内に存在するどの折り目からもオフセットするべきである。サンプルの配向は、それぞれが物品からサンプルまで帰属する(imputed)MD方向及びCD方向が保たれて、切断された後もその配向を維持するように維持されるべきである。直径25mmの脚部に装着され、689Pa(0.1PSI)の封圧を加えるデジタルキャリパー(例えば、Ono Sokki GS−503又は等価物)を用いて、各検体のキャリパーを測定する。脚部をサンプル上に置いて5秒後にキャリパー(mm)を読み取り、0.01mm単位で記録する。
【0174】
圧縮試験用に、引張試験機をプログラムして、上部バーが検体の上面に接触するまで速度0.5mm/秒でクロスヘッドを下ろし、続いて更に14mm継続させて、25Hzで力(N)及び変位(m)データを収集してからクロスヘッドを元のゲージに戻す。検体が2つの下部バーにまたがり、かつ両側面がバーに対して平行な状態で上部バーの下に中心が置かれるように、検体を装着する。クロスヘッド及びロードセルをゼロ点調整する。実験を開始してデータを収集する。底部固定具800上のサンプルの配向を記録して、特定の配向で得られたデータに関連付ける必要がある。サンプルは、MD方向が底部固定具800のバーの長軸線に対して垂直であるように配向された場合、得られたデータは物品のMD方向に関連する。同様に、サンプルは、CD方向が底部固定具800のバーの長軸線に対して垂直であるように配向された場合、得られたデータは物品のCD方向に関連する。
【0175】
力(N)対変位(mm)のグラフを作成する。グラフから最大ピーク力(N)を読み取って、0.1N単位で記録する。検体の曲げ強度を、最大ピーク力(N)/サンプル面積(m)として計算し、0.1kPa単位で報告する。取り扱い性を、[0.5×最大ピーク力(N)×ピーク時変位(mm)]/検体キャリパー(mm)として計算し、0.01N単位で記録する。
【0176】
10のMD及び10のCDサンプルに対して測定を同様に繰り返し、10の値のそれぞれの平均を、ピーク力は0.1N単位、曲げ強度は0.1kPa単位、及び取り扱い性は0.01N単位で、個別に報告する。
【0177】
伸張後の回復
この方法は、バリアカフの伸張後ひずみを、温度及び時間の関数として決定するために使用される。測定は、22℃(72°F)又は32℃(90°F)で行われる。22℃(72°F)における測定は、室温におけるバリアカフの回復を模擬するためのものであり、一方、32℃(90°F)における測定は、皮膚温度近くの弾性部材の回復を測定するためのものである。伸張及び回復の2段階分析が、サンプルに対して実施される。本方法は、動的機械的分析器(Dynamic Mechanical Analyzer)を使用する。本明細書では、フィルムクランプを装着したTA Instruments,Inc.(New Castle,Delaware)から入手可能なTA Instruments DMA 2980(以下、「DMA 2980」)、データ取得のためのThermal Advantage/Thermal Solutionsソフトウェア、及びデータ分析のためのUniversal Analysis 2000ソフトウェアを用いた。多数の他のタイプのDMA装置が存在しており、動的機械的分析の使用は、ポリマー及びコポリマーの特性決定技術の当業者には周知である。
【0178】
DMA 2980を使用するための運転方法、較正、及び指針は、TAインスツルメンツDMA 2980操作マニュアル(2002年3月発行)、サーマル・アドバンテージ・ユーザーズ・レファランスガイド(2000年7月発行)、及びユニバーサル・アナリシス2000ガイド(2003年2月発行)に見出される。DMA 2980を使用する技術を有する当業者には、以下の運転上の実行条件が、サンプルの伸張及び回復を複製するのに十分であろう。
【0179】
DMA 2980は、フィルムクランプで「制御された力モード」にて運転するように構成された。フィルムクランプは、DMA 2980上に取り付けられ、ユーザー・リファレンス・ガイドに従って較正される。試験対象のバリアカフは、実質的に均一な寸法のサンプルに切り取られる。DMA 2980の場合、好適なサンプル寸法は、約20mm×6.4mm×1.0mm(長さ×幅×厚さ)である。サンプル厚さは、バリアカフの材料及び構造と、厚さ測定に使用される封圧とに依存する。TA Instrumentsは、フィルムクランプ内にしっかりと取り付けられたとき、約2.0mm以下のサンプル厚さを推奨する。DMA 2980の下側フィルムクランプは、クランプ面間が約10mmになる位置に調整され、この位置で係止される。サンプルがフィルムクランプ内に取り付けられ、下側クランプが浮遊のままとされて、フィルムクランプ間のゲージ長さが決定される。サンプルID及び寸法を記録する。フィルムクランプが適切な位置に固定されて、ファーネスが密閉される。
【0180】
伸張方法−上記で指定したサンプル寸法の場合、DMA 2980を以下の通り設定する。クランプ内のサンプルに加えられる前負荷力(0.01N)、試験開始時に自動ゼロ変位(オン)、ファーネス(閉)、クランプ位置(ロック)、及び延伸法終了時の温度保持T(22℃又は32℃)。データ受入れ率は、0.5Hzに設定される(2秒毎に1点)。伸張方法をDMA 2980に読み込まれる。本方法のセグメントは、(1)当初温度T(22℃又は32℃)、(2)Tで平衡、(3)データ保存オン、及び(4)勾配力5.0N/分〜18.0Nである。
【0181】
試験開始時、温度は指定のT(22℃又は32℃)まで上昇し[方法セグメント1]、温度はこのTに維持される[方法セグメント2]。Tで最低15分経過後、操作者はサンプルの伸張、及び同時にデータの収集を開始する(方法セグメント3及び4)。サンプルは、当初のサンプル幅1ミリメートル当たり0.8N/分の勾配力の適用により(例えば、上記に特定したサンプル寸法では、適用される勾配力は5N/分である)長さ約30mmに伸張される。力を徐々に増加することにより、物品の適用がより精密に模擬され、かつサンプルの破断が防がれる。サンプルは、約30mmの伸張長さで所定の位置に固定され、Tに保たれる。バリアカフを約30mmの長さに伸張するのに必要とされた力、及びこの長さにおける積層体のパーセントひずみを、計器上のデジタル計測値から手動で記録する。パーセントひずみは、伸張長さからゲージ長さを差し引き、次にその結果をゲージ長さで割り、100を掛けることによって計算される。当初パーセントひずみは、以下の式により記述される:
当初パーセントひずみ=%ひずみ=100((Ls−L)/L
式中、Lは弛緩状態にあるギャザー付き(gathered)伸張性積層体の長さであり、Lsは分析の伸張工程の最後におけるフィルムクランプ間の伸張された積層体の長さである(約30mm)。%ひずみは、回復法開始時(すなわち、本法の伸張部分の完了後)の伸張性積層体のパーセントひずみである。ゲージ長さ10mmから長さ30mmに伸張されたサンプルでは、200%のパーセントひずみという結果になる。
【0182】
この試験の目的のため、ひずみがバリアカフの不可逆的変形、層間剥離、又は破断を生じさせないように、最大パーセントひずみ(例えば200%、150%、又は100%)を選択するべきである。バリアカフが200%工学ひずみ(±5%)未満の伸張性を有する場合、サンプルの新しい検体は、ゲージ長さ12mmから、伸張した長さ30mmに伸張され、これは150%工学ひずみのパーセントひずみを生じさせる。バリアカフが150%工学ひずみ(±5%)未満の伸張性を有する場合、サンプルの新しい検体は、ゲージ長さ15mmから、伸張した長さ30mmに伸張され、これは100%工学ひずみのパーセントひずみを生じさせる。最大伸張性が100%未満のバリアカフの試験も、本方法の範囲内である。100%以下の当初パーセントひずみで試験されたバリアカフの場合、当初%ひずみではなく回復の様々な時間(15秒、30秒、60秒、及び3分)における伸張後ひずみを、パーセントひずみとして報告する。
【0183】
異なる寸法のサンプルの場合、サンプルを伸張するために付加される力は、当初サンプル幅のミリメートル当たり0.8N/分にて付加される勾配力を達成するように調節される。例えば、2.5N/分の勾配力は、3.2mmの初期幅を有するサンプルに加えられる。長さの異なるサンプルの場合、伸張中の全変位が、200%の当初パーセントひずみを(又は、サンプルが限定された伸張性を有する場合は、より少なく、すなわち150%又は100%ひずみを)達成するように調節される。
【0184】
回復方法−回復方法を計器に読み込み、伸張方法で所望の当初パーセントひずみ(すなわち、200%、150%、又は100%)に到達してから約15秒後に開始する。回復方法の4つのセグメントは、(1)データ保存オン、(2)力0.01N、(3)Tまでの勾配、及び(4)3.0分間の等温線である。次のDMA 2980パラメータ設定値が伸張方法から変更される。自動ゼロ変位が(OFF)に変更される。回復方法は、指定の温度(T=22℃又は32℃のどちらか)で、3分間にわたりサンプルの長さを測定する。サンプル長さ、パーセントひずみ、及び試験温度が、回復時間の関数として記録される。伸張後ひずみが、種々の時間(15秒間、30秒間、60秒間及び3分間)後の回復の当初パーセントひずみに対するパーセントとして報告される。
【0185】
異なる寸法のサンプルの場合、回復中にサンプルに付加される力(上記セグメント2)を調整して、当初のサンプル幅の1ミリメートル当たり0.0016Nの付加力を得る(幅6.4mmのサンプルでは0.01N)。例えば、3.2mm幅のサンプルに対して、0.005Nの力が付加される。
【0186】
2サイクルヒステリシス試験
この方法は、緩慢回復型バリアカフを含む製品の適用中に消費者が経験する力と相関し得る特性、及び適用されると製品がどのようにフィットして作用するかを判定するのに使用される。
【0187】
2サイクルヒステリシス試験方法は、室温(21℃/70°F)で、及び体温(37℃/99°F)でも実施される。試験対象のバリアカフは、実質的に直線寸法のサンプルへと切り抜かれる。サンプル寸法は、計器に適切な力で必要なひずみが達成されるように選定される。この試験に適した計器としては、MTS Systems Corp.(Eden Prairie,Minn.)から市販される引張試験機(例えばAlliance RT/1若しくはSintech 1/S)、又はInstron Engineering Corp.,(Canton,Mass.)から市販される引張試験機が挙げられる。サンプル厚さは、バリアカフの材料及び構造、並びに厚さ測定に使用される封圧に依存する。サンプルの厚さは通常、1379Pa(0.2psi)の封圧で測定して、0.5mm〜5mm厚である。しかしながら、異なる厚さ(例えば、<0.5mm、又は>5mm)を有するバリアカフの試験も、本方法の範囲内である。
【0188】
次の手順は、上記のサンプル寸法及びAlliance RT/1又はSintech1/Sのいずれかを使用するときの測定を示す。計器は、コンピューターとインタフェースされる。テストワークス4(TestWorks 4)(商標)ソフトウェアが、試験パラメータを制御し、データ獲得及び計算を実施して、グラフ及びデータの報告を提供する。
【0189】
試験に使用されるグリップの幅は、サンプルの幅以上である。通常は、2.54cm(1インチ)幅のグリップが使用される。グリップは、全把持力を試験応力の方向と垂直な単一の線に沿って集中させるように設計された、1つの平面と対向面を有する空気圧式のグリップであり、対向面からは、サンプルの滑りを最小限に抑えるための半円形(半径=6mm)が突出している。37℃における測定の場合、上側グリップは、のこぎり歯面を有する軽量グリップである。
【0190】
ロードセルは、測定される力がロードセルの容量の10%〜90%、又は使用される荷重範囲となるように選定される。通常は、25Nのロードセルが使用される。装備品及びグリップが取り付けられる。機器は、メーカーの指示書に従って較正する。把持力の線の間の距離(ゲージ長さ)は63.5mm(2.50インチ)であり、これはグリップの脇に保持された鋼定規で測定される。固定具及びグリップの質量を補正するために、計器上の荷重読み取り値をゼロ点に調節する。試験前に、21℃で最低1時間検体を平衡化する。検体は、たるみが無く、測定される荷重が0.00N〜0.02Nであるように、グリップ内に取り付けられる。21℃で測定を実施するめに、計器を恒温室内に配置する。37℃で測定を実行するため、好適な環境チャンバを使用して試験温度を維持する。サンプルをグリップ内に取り付け、試験を開始する前に5分間37℃で平衡化する。
【0191】
2サイクルヒステリシス試験方法は、次の工程を伴う。
(1)保持せずに、50.8cm/分(20インチ/分)の一定クロスヘッド速度で、サンプルを指定の当初パーセントひずみ(すなわち、ひずみ=150%)までひずませる。
(2)保持せずに、7.62cm/分(3インチ/分)の一定クロスヘッド速度で、ひずみを0%ひずみまで低減させる(すなわち、グリップを63.5mm(2.50インチ)の元のゲージ長さに戻す)。
(3)保持せずに、50.8cm/分(20インチ/分)の一定クロスヘッド速度で、サンプルをひずみまでひずませる。
(4)一定クロスヘッド速度7.62cm/分(3インチ/分)で、60%ひずみまでひずみを低減させる。
(5)サンプルを60%ひずみで5分間保持する。
(6)一定クロスヘッド速度7.62cm/分(3インチ/分)で、0%ひずみにする。
【0192】
報告される荷重除去力は、工程5において5分間保持した後の60%ひずみでのバリアカフ(BC)で測定された荷重除去力を、下記の式に示されるように、BCの1m幅あたりのニュートン×BC内のエラストマー+接着剤(E+A)の坪量、すなわちN/(m・gsm)=N/(g/m)に正規化したものである。BC内の弾性体及び接着剤の坪量は、BC内のエラストマー+接着剤のグラムを、完全に伸張されたBCの面積で割ることにより計算される。完全に伸張されたバリアカフの面積(AFEBC)は、弾性体及び接着剤が存在しないバリアカフの基材の面積として定義される。正規化した荷重除去力N/(m・gsm)=N/(g/m)=
【0193】
【数2】
【0194】
サンプルの寸法が異なる場合、クロスヘッド速度が、試験の各部分に対して適切なひずみ速度を維持するように調節される。例えば、25.4cm/分(10インチ/分)のクロスヘッド速度が、工程1及び工程3において、サンプルゲージ長さ31.7mm(1.25インチ)に対して使用される。
【0195】
伸張後回復試験及び2サイクルヒステレシス試験のそれぞれで、婦人用パッドのバリアカフを、それぞれの物品から除去すべきである。除去することで、バリアカフ、即ち弾性体及びカバーは、構造的に、可能な限り損傷を受けないはずである。したがって、除去方法は好ましくは、弾性部材及び/又はカバーの挙動を構造的に変更しないはずである。そのため、個別のカフの糊剤を溶解するために用いられる溶媒は慎重に選択されるべきである。シャーシと一体化しているバリアカフの場合、弾性体をトップシート及び/又はバックシートに取り付けている接着剤の最も外側の部分が、シャーシから切り取られる部分を含むことを確実にして、これらのバリアカフをシャーシから切り取るべきである。続いてサンプルを、これらの方法に関して上述された通りに調製する。
【0196】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0197】
相互参照される又は関連するあらゆる特許、公開特許、又は出願書類を含め、引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体が参考として本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、その文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを認めるものではなく、又はその文献が単独で、あるいは任意のその他の参照文献との任意の組み合わせにおいて、かかる発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示することを認めるものでもない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0198】
本開示の特定の実施形態について例示し記載してきたが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正をなし得ることを認識するであろう。したがって、本開示の範囲内にある、そのような変更及び修正の全てを添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10