(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
石油化学精製システムの第1の複数のサブユニットから第1の複数の熱源に熱的に結合された第1の加熱流体回路であって、前記第1の複数のサブユニットはナフサ水素処理、大気圧蒸留、及び芳香族精製システムを含む、前記第1の加熱流体回路と;
前記石油化学精製システムの第2の複数のサブユニットから第2の複数の熱源に熱的に結合された第2の加熱流体回路であって、前記第2の複数のサブユニットは、パラキシレン分離システムを含む、前記第2の加熱流体回路と;
有機ランキンサイクル(ORC)を含む発電サブシステムであって、該有機ランキンサイクル(ORC)は、(i)作動流体を加熱するために前記第1の加熱流体回路に熱的に結合された前記作動流体と、(ii)加熱された前記作動流体から電力を発生するように構成された膨張機とを含み、前記作動流体は、前記ORCの予熱熱交換器内にて前記第1の加熱流体回路に熱的に結合されており、前記作動流体は、前記ORCの蒸発器内の前記第2の加熱流体回路に熱的に結合されており、前記ORCの前記予熱熱交換器の出口が前記ORCの前記蒸発器に流体的に結合されており、前記第1の加熱流体回路は、前記第1の加熱流体回路に流体的に結合された第1の加熱流体タンクを含み、該第1の加熱流体タンクは、前記ORCの前記予熱熱交換器に流体的に結合されている、前記発電サブシステムと;
前記第1の加熱流体回路を前記第1の複数の熱源の少なくとも一部に選択的に熱的に結合するために第1のセットの制御弁を作動させるように構成された制御システムであって、前記第2の加熱流体回路を前記第2の複数の熱源の少なくとも一部に選択的に熱的に結合するために第2のセットの制御弁を作動させるように構成された、前記制御システムと;を備える、
発電システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
産業廃熱は、多くの産業施設、例えば、原油製油所、石油化学及び化学複合施設、及び他の産業設備において、潜在的な炭素フリー発電のための供給源である。例えば、4,000MMBtu/hまでの芳香族施設を備えた中サイズの統合型原油精製は、原油及び芳香族サイトに沿って延びる空気冷却器のネットワークに対して無駄になる可能性がある。廃熱の一部は、有機ランキンサイクル(ORC)に動力を供給するために使用することができる。該サイクルは、水の代わりに有機流体、例えば、冷媒又は炭化水素又は両方を使用して電力を生成する。ORC機械は、低温熱源(例えば、約232°又はそれ以下)と組み合わせて、発電システムとして実現されている。ORC機械の最適化、例えば、発電サイクル(すなわち、ランキンサイクル)の最適化又はORC機械によって実施される有機流体の最適化、又は、その両者によって、回収された廃熱からの発電を改善することができる。
【0009】
石油製油所のような産業施設は、いくつかの廃熱源を含む。1個または複数のORC機械は、そのような廃熱源の1個または複数または全てから廃熱を受け取ることができる。いくつかの実施態様では、各熱源からの熱を共通の中間熱伝達媒体(例えば、水または他の流体)に伝達することにより、2以上の低品位の熱源を統合化することができる。更に、中間伝熱媒体を使用して、ORC機械の作動流体を蒸発させて電力を生成することができる、例えば、タービン又は他の発電機を作動させる。このような低品位の熱源の統合化によって、ORC機械をより大きな効率とスケール(規模)の経済性を実現することができるサイズにすることを可能にすることができる。さらに、各熱源は発電機に近接している必要はないから、このような統合運転によって、石油精製設計およびプロットスペース計画における柔軟性を改善することができる。提案した熱源の統合化は特に、芳香族コンプレックスを含み、エコ産業パークの寸法であるサイトワイド(広い)原油精製所のようなメガサイト(巨大現場)において、廃熱を回収して発電する工程を改善するという課題の過度の単純化を表すことができる。
【0010】
本願の開示は、廃熱から、例えば、160℃又はそれ以下の温度である低品位の熱から、大型産業施設(例えば、数個の、時には50個を超えるホットソース(温熱源)流を備えた石油精製所または他の大型の産業用製油所)において、部分的に、例えば、資本コスト、運転の容易さ、発電のスケール経済性、運転するORC機械の数、各ORC機械の運転条件、それらの組合せ、または他の考慮事項に基づいて選択された全ての利用可能なホットソース流のサブセット(下位の副セット、下位の一群の設備又は流れ)を利用することにより、発電を最適化することを記載している。大石油精製所の利用可能なホットソースの中から、ホットソースのいくつかのサブセットを特定することができることを認識することにより、本願の開示は、発電のための1個または複数のORC機械に廃熱を提供するように最適化されたホットソースのサブセットを選択することを記述する。さらに、石油精製及び芳香族コンプレックスのようなメガサイトの全ての利用可能なホットソースからの廃熱の利用が必ずしも又は常に最良のオプション(選択肢)ではないことを認識することにより、本願による開示は、1つ以上のORC機械に動力を供給するために廃熱を統合することができる石油精製所におけるホットソースユニット(温熱源装置)を特定する。
【0011】
本願による開示はまた、現在の設計と比較してエネルギー効率を向上させるために、中品位原油精製半転化設備と統合型中品位原油精製半転化及び芳香族施設プラント設計を修正することを記載する。これを行うために、新たな設備を設計し、または既存の設備を再設計(例えば、機器をレトロフィット)することにより、熱源から廃熱、例えば、低品位廃熱を回収し、ORC機械へ動力を供給する。特に、プラントの既存の設計は、ここで説明される発電技術に対応するように大幅に変更される必要はない。生成された電力は、部分的に、設備に供給されて使用されるか、または電力グリッドに輸送されて他の場所に配電されるか、又は、その両方である。
【0012】
産業施設における1個又は複数のプロセスまたは設備またはその両方によって生成される廃熱の全部または一部を回収し、回収した廃熱を電力に変換することにより、炭素フリーパワー(例えば、電力の形態)が生成され、コミュニティにより使用される。廃熱回収プロセスで使用される最小の接近温度は、3℃と低くすることができ、生成される電力は、80MWのように高くすることができる。いくつかの実施態様では、初期段階で、より少ない廃熱/エネルギー回収費用により、より高い最小の接近温度を使用することができると同時に、後続段階で、特定のホットソースの使用に対して最小の接近温度を使用することにより、比較的良好な発電(例えば、スケール設計の経済性及び効率に関して)が実現される。このような状況では、次の段階で、初期段階の設計トポロジ、又は、初期段階で使用した低品位廃熱ホットソースのサブセット、又は、その両者を変更する必要なしに、より多くの発電を実現することができる。
【0013】
発電に伴う汚染のみならず、コストを低減することができる。更に、カスタム化されたホットソースのグループから廃熱を回収して1個又はそれ以上のORC機械に動力を供給することにより、全ての利用可能なホットソースから廃熱を回収するよりも最適である。ORC機械を最適化する代わりに、またはそれに加えて、カスタム化されたグループ内のホットソースを選択することにより、回収した廃熱から発電する処理を改善することができ、又は、最適化することができ、又は、その両方である。少数のホットソースが発電に使用される場合、ホットソースは、流体、例えば、温油(高温油)又は高圧温水システム、又はこれらの混合物を使用する、幾つかの、例えば、1または2個のバッファー流(緩衝流、介在する媒体の流れ)に統合されることができる。
【0014】
要約すると、本願による開示は、特定の条件下で動作する基本ORC機械を用いた効率的な発電のための、いくつかの石油精製、広範囲の分離/蒸留ネットワーク、構成および処理スキーム(処理案)を提供する。発電は、廃熱、例えば、複数の散在した低品位のエネルギー品質プロセス流によって搬送される低品位の廃熱の全部又は一部を得ることにより、促進される。いくつかの実施態様では、ORC機械は、別の有機原料を使用して、熱交換器および蒸発器を予熱し、他の有機流体、例えば、イソブタンを、特定の運転状態で使用する。
【0016】
産業廃熱は、多くの産業施設、例えば、原油製油所、石油化学及び化学複合体、及び他の産業設備において、潜在的な炭素フリー発電のための供給源である。例えば、4,000MMBtu/hまでの芳香族施設を備えた中サイズの統合型原油精製は、原油及び芳香族サイトに沿って延びる空気冷却器のネットワークに浪費される可能性がある。廃熱の一部は、有機ランキンサイクル(ORC)に動力を供給するために使用することができる。該サイクルは、水の代わりに有機流体、例えば、冷媒又は炭化水素又は両方を使用して電力を生成する。ORC機械は、低温熱源(例えば、約232°又はそれ以下)と組み合わせて、発電システムとして実現されている。ORC機械の最適化、例えば、発電サイクル(すなわち、ランキンサイクル)の最適化又はORC機械によって実施される有機流体の最適化、又は、その両者によって、回収された廃熱からの発電を改善することができる。
【0017】
石油製油所のような産業施設は、いくつかの廃熱源を含む。1個または複数のORC機械は、そのような廃熱源の1個または複数または全てから廃熱を受け取ることができる。いくつかの実施態様では、各熱源からの熱を共通の中間熱伝達媒体(例えば、水または他の流体)に伝達することにより、2以上の低品位の熱源を統合化することができる。更に、中間伝熱媒体を使用して、ORC機械の作動流体を蒸発させて電力を生成することができる、例えば、タービン又は他の発電機を作動させる。このような低品位の熱源の統合化によって、ORC機械をより大きな効率とスケールの経済性を実現することができるサイズにすることを可能にすることができる。さらに、各熱源は発電機に近接している必要はないから、このような統合運転によって、石油精製設計およびプロットスペース計画における柔軟性を改善することができる。提案した熱源の統合化は特に、芳香族コンプレックスを含み、エコ産業パークの寸法であるサイトワイド原油精製所のようなメガサイトにおいて、廃熱を回収して発電する工程を改善するという課題の過度の単純化を表すことができる。
【0018】
本願の開示は、廃熱から、例えば、160℃又はそれ以下の温度である低品位の熱から、大型産業施設(例えば、数個の、時には50個を超えるホットソース流を備えた石油精製所または他の大型の産業用製油所)において、部分的に、例えば、資本コスト、運転の容易さ、発電のスケール経済性、運転するORC機械の数、各ORC機械の運転条件、それらの組合せ、または他の考慮事項に基づいて選択された全ての利用可能なホットソース流のサブセットを利用することにより、発電を最適化することを記載している。大石油精製所の利用可能なホットソースの中から、ホットソースのいくつかのサブセットを特定することができることを認識することにより、本願の開示は、発電のための1個または複数のORC機械に廃熱を提供するように最適化されたホットソースのサブセットを選択することを記述する。さらに、石油精製及び芳香族コンプレックスのようなメガサイトの全ての利用可能なホットソースからの廃熱の利用が必ずしも又は常に最良のオプションではないことを認識することにより、本願による開示は、1つ以上のORC機械に動力を供給するために廃熱を統合することができる石油精製所におけるホットソースユニットを特定する。
【0019】
本願による開示はまた、現在の設計と比較してエネルギー効率を向上させるために、中品位原油精製半転化設備と統合型中品位原油精製半転化及び芳香族施設プラント設計を修正することを記載する。これを行うために、新たな設備を設計し、または既存の設備を再設計(例えば、機器をレトロフィット)することにより、熱源から廃熱、例えば、低品位廃熱を回収し、ORC機械へ動力を供給する。特に、プラントの既存の設計は、ここで説明される発電技術に対応するように大幅に変更される必要はない。生成された電力は、部分的に、設備に供給されて使用されるか、または電力グリッドに輸送されて他の場所に配電されるか、又は、その両方である。
【0020】
産業施設における1個又は複数のプロセスまたは設備またはその両方によって生成される廃熱の全部または一部を回収し、回収した廃熱を電力に変換することにより、炭素フリーパワー(例えば、電力の形態)が生成され、コミュニティにより使用される。廃熱回収プロセスで使用される最小の接近温度は、3℃と低くすることができ、生成される電力は、80MWのように高くすることができる。いくつかの実施態様では、初期段階で、より少ない廃熱/エネルギー回収費用により、より高い最小の接近温度を使用することができると同時に、後続段階で、特定のホットソースの使用に対して最小の接近温度を使用することにより、比較的良好な発電(例えば、スケール設計の経済性及び効率に関して)が実現される。このような状況では、次の段階で、初期段階の設計トポロジ(設計理論)、又は、初期段階で使用した低品位廃熱ホットソースのサブセット、又は、その両者を変更する必要なしに、より多くの発電を実現することができる。
【0021】
発電に伴う汚染のみならず、コストを低減することができる。更に、カスタム化されたホットソースのグループから廃熱を回収して1個又はそれ以上のORC機械に動力を供給することにより、全ての利用可能なホットソースから廃熱を回収するよりも最適である。ORC機械を最適化する代わりに、またはそれに加えて、カスタム化されたグループ内のホットソースを選択することにより、回収した廃熱から発電する処理を改善することができ、又は、最適化することができ、又は、その両方である。少数のホットソースが発電に使用される場合、ホットソースは、流体、例えば、温油又は高圧温水システム、又はこれらの混合物を使用する、幾つかの、例えば、1または2個のバッファー流に統合されることができる。
【0022】
要約すると、本願による開示は、特定の条件下で動作する基本ORC機械を用いた効率的な発電のための、いくつかの石油精製、広範囲の分離/蒸留ネットワーク、構成および処理スキームを提供する。発電は、廃熱、例えば、複数の散在した低品位のエネルギー品質プロセス流によって搬送される低品位の廃熱の全部又は一部を得ることにより、促進される。いくつかの実施態様では、ORC機械は、別の有機原料を使用して、熱交換器および蒸発器を予熱し、他の有機流体、例えば、イソ−ブタンを、特定の運転条件で使用する。
【0025】
水素化分解は、接触分解と水素化とを組み合わせた2段階プロセスである。このプロセスでは、重質原料は水素の存在下で分解され、より望ましい生成物が生成される。この方法は、高圧、高温、触媒、および水素を使用する。水素化分解は、接触分解または改質のいずれかによって処理することが困難な原料に使用される、これらの原料は、通常、高多環式芳香族含量または高濃度の2種の主触媒毒、硫黄及び窒素化合物又は両方によって特徴付けられる。
【0026】
水素化分解プロセスは、原料の性質および2つの競合反応、即ち、水素化および分解の相対速度に依存する。重質芳香族原料は、水素および特別の触媒の存在下で、広範囲の高圧および高温下でより軽質の生成物に変換される。原料が高いパラフィン含有量を有する場合、水素は多環式芳香族化合物の形成を防止する。水素は、また、タール形成を低減し、触媒上のコークスの蓄積を防止する。水素化は、更に、原料中に存在する硫黄および窒素化合物を硫化水素およびアンモニアに変換する。水素化分解は、アルキル化原料に対してはイソブタンを製造し、また、流動点制御及び煙点制御のための異性化も行う、両方とも高品質のジェット燃料で重要である
【0028】
水素処理は、セタン価、密度及び煙点を向上させながら、硫黄、窒素及び芳香族を還元するための精製プロセスである。水素処理は、厳しいクリーンな燃料仕様のための地球的な傾向を満たすべく精製産業の努力、輸送用燃料の増大する需要及びディーゼルへの移行を助ける。このプロセスでは、新鮮な供給物が加熱され、水素と混合される。反応器流出物は、組み合わされた供給物と熱交換し、リサイクルガスおよびストリッパーチャージを加熱する。次いで、硫化物(例えば、硫化アンモニウムおよび硫化水素)を供給物から除去する。
【0030】
典型的な芳香族コンプレックスは、連続触媒再生(CCR)技術を用いるナフサの接触改質を用いるベンゼン、トルエンおよびキシレン(BTX)の塩基性石油化学中間体の製造のためのプロセスユニットの組合せを含む。
【0031】
4. ナフサ水素処理プラントおよび連続触媒改質プラント
【0032】
ナフサ水素処理装置(NHT)は、ガソリンプール中の配合原料として、最大0.28kgf/cm
2(4.0psi)のレイド蒸気圧(RVP)を有する101リサーチオクタン価(RON)の改質油を生成する。通常、原油ユニット、ガス凝縮器スプリッタ(分離器)、水素分解装置、軽質直動ナフサ(LSRN)及びビスブレーカープラントからのナフサのブレンドを処理する柔軟性を有する。ナフサ水素処理装置(NHT)はナフサを処理して、連続触媒再生(CCR)プラットフォーマー及びガソリンブレンドのために脱硫された供給物を生成する。
【0034】
通常、2段蒸留プラントは、異なる生成物に分画された種々の原油を処理し、これは下流設備でさらに処理されて液化石油ガス(LPG)、ナフサ、モータガソリン、灯油、ジェット燃料、ディーゼル、燃料油及びアスファルトを生成する。原油蒸留プラントは、典型的には大量の原油、例えば、1日当たり、数百万のバレルの原油を処理することができる。夏季の間、最適な処理能力は減少することがある。プラントは、原油の混合物を処理することができる。また、プラントは、アスファルト製造設備を有することもできる。原油蒸留プラントからの生成物はLPG、安定化された全ナフサ、灯油、ディーゼル、重質ディーゼル及び真空残油である。大気塔は、原油チャージを受け取り、それを塔頂生成物、灯油、ディーゼル、及び還元された原油に分離する。ナフサスタビライザは、大気塔頂流を受け、それをLPGと安定化ナフサとに分離する。還元された原油は真空塔に充填され、そこでさらに重質ディーゼル、真空ガス油および真空残油に分離される。
【0035】
6. サワー水ストリッピングユーティリティプラント(SWSUP)
【0036】
SWSUPは、酸性ガス除去、硫黄回収及びフレヤ装置からサワー水流を受け取りサワーガスを除去し、煤水フラッシュ容器から放出される。SWSUPは、サワー水流から、主に二酸化炭素(CO
2)、硫化水素(H
2S)及びアンモニア(NH
3)を含むサワー成分をストリップ(除去)する(取り除く)。
【0037】
先に記載した製油プラントの一つ以上は、例えば、低品位の廃熱の形態で熱を、合理的なスケール経済性にて、例えば数十メガワットの動力で、ORC機械に供給することができる。研究によると、特定の精製プラント、例えば、水素化分解プラントが、電力を生成するための良好な廃熱源として機能することを示している。しかし、ナフサ水素処理(NHT)プラントからのホットソース(温熱源)のみを使用する研究では、例えば、約111℃で約27.6MWの利用可能な廃熱から、約6.2%の低効率で1.7MWの電力が生成された。この低効率は、高資本及びスケール経済性に起因する廃熱の発生のため、NHTプラント単独からのホットソースは推奨されないことを示唆している。原油蒸留プラントから約97℃の1つの低品位ホットソースを使用する他の研究では、約64.4MWの利用可能な廃熱から3.5MWの電力を、5.3%の低効率で製造した。サワー水ストリッピング(除去)プラントから約120℃の低品位のホットソースを使用する別の研究では、2.2MWの電力が約32.7MWの利用可能な廃熱から6.7%の低い効率で製造された。これらの研究から、電力を生成するために特定の製油所プラントからの廃熱回収が有益であると判定されたとしても、どの精製プラントからの廃熱回収も有益であるとは限らないことが分かる。
【0038】
別の研究では、芳香族コンプレックス内の全てのホットソース(合計11個のホットソース流)から利用可能な全ての廃熱を収集して、約241MWの利用可能な廃熱から約13MWの電力を発生させた。この研究は、全ての利用可能なホットソースを使用することは、理論的には効率的であっても、実際には、必ずしも、利用可能な廃熱から効率的な発電に変換することではない、ことを示す。更に、全ての利用可能なホットソースを使用することができる発電プラントを組み合わせることは、(他の構成要素および相互接続網の中でも)関連する熱交換器、ポンプ、および有機ベースのタービンの量を考慮して非常に困難である可能性がある。このような発電プラントを収容するために既存の製油所を改造することは困難であるばかりでなく、このような発電プラントを草の根段階から構築することも困難であろう。以下のセクションでは、本願による開示は、異なる精製プラントから選択されたホットソースの組み合わせによって、利用可能な廃熱から電力を生成する際に高い効率をもたらすことができることを説明する。
【0039】
メガサイズのサイト(現場)の発電に使用する特定のホットソースを特定した後であっても、特定の条件下で動作する特定のORC機械を使用して最適な発電のために統合することができるホットソースのいくつかの組合せがあり得る。以下のセクションの各々は、ホットソースの特定の組み合わせと、該特定の組み合わせによって、必要最小限の資本の利用にて、廃熱から最適に電力を生成するために、実施することができるバッファシステムの構成とを記述する。また、以下のセクションは、廃熱回収のための1バッファ方式が適用不可能の場合に、低品位の廃熱回収用の2個のバッファシステムを説明する。各セクションは、ホットソースの特定の組合せを構成する異なるプラント間の相互接続および関連する処理スキームを記述し、その構成は、廃熱回収及び発電を最適化するために、特定のプラントに、特定の場所に、プロセスの特定のストリーム(流れ)に付加された熱交換器のような構成要素を含む。後述するように、現在のレイアウト又は異なるプラントによって実現されるプロセスを変更することなく、異なる構成を実施することができる。以下のセクションに記載された新しい構成によると、廃熱から約34MWから約80MWの電力を生成することが可能であり、それによって、石油精製所におけるGHG排出量の比例的な減少を可能にする。以下のセクションに記載された構成は、バッファシステムを使用して所望のエネルギー回収を達成するための1つ以上の方法を実証する。これらの構成は、関連する処理スキームに影響を与えず、将来の潜在的なインプラント(プラント内)エネルギー節約の取り組み、例えば、低圧蒸気発生と統合化することができる。構成および処理スキームは、低品位廃熱からORC機械への発電について10%より多くの第1の法則効率を提供することができる。
【0041】
本願による開示に記載の構成において、熱交換器は、1個の媒体(原油精製設備内のプラントを通って流れる流れ、バッファ流体または他の媒体)から別の媒体(例えば、原油設備内のプラントを流れるバッファ流体又は異なる流れ)に熱を移送する。熱交換器は、典型的には、比較的高温の流体流から比較的低温の流体流に熱を伝達(交換)する装置である。熱交換器は、例えば冷蔵庫、空調機又は他の冷却装置のように、加熱及び冷却用途に使用することができる。熱交換器は、液体が流れる方向に基づいて互いに区別することができる。例えば、熱交換器には、並列流、クロス流又は対向流式が可能である。並列流式熱交換器では、両方の流体が同一方向に移動する、即ち、熱交換器に横並びに入り且つ出る。クロス流式熱交換器では、流体通路は互いに垂直に走る。対向流式熱交換器では、流体経路は反対方向に流れる、即ち、一方の流体が流出するなら他方の流体は流入する。対向流式熱交換器は、他のタイプの熱交換器よりも効果的であることがある。
【0042】
流体方向に基づいて熱交換器を分類することに加えて、熱交換器をそれらの構造に基づいて分類することもできる。ある熱交換器は複数の管から構成される。ある熱交換器は、複数のプレートを含み、それらの間に流体が流れるための空間がある。ある熱交換器は、液体から液体への熱交換を可能にし、一方、幾つかの熱交換器は、他の媒体を使用して熱交換を可能にする。
【0043】
原油精製及び石油化学施設における熱交換器は、液体が流れる複数の管を含むシェル(缶胴)及び管(シェルアンドチューブ)型熱交換器であることが多い。管は2個のセットに分割され、第1のセットは、加熱または冷却される液体を含み、第2のセットは、熱交換をトリガする(引き起こす)役割を果たす液体を含む、換言すれば、熱を吸収して搬送することによって第1のセットの管から熱を除去するか、又は、またはそれ自身の熱を内部の液体に伝達することによって第1のセットを暖める流体を含む。この種の交換器を設計する際に、最適な熱交換を可能にするために、管の直径だけでなく、正しい管壁厚さを決定する際に注意を払わなければならない。流れに関して、シェルアンドチューブ型熱交換器は、3つの流路パターンのいずれかを想定することができる。
【0044】
原油精製及び石油化学施設における熱交換器は、プレート及びフレーム型熱交換器であってもよい。プレート型熱交換器は、結合された複数の薄板を含み、薄板間に少量の空間が形成され、多くの場合、薄板はゴムガスケットによって維持される。表面積が大きく、各矩形板の角部は、流体がプレート間で流れることができる開口を形成し、流体が流れるとプレートから熱を抽出する。流体チャネル自体は、熱い液体と冷たい液体を交互に変更する、これは、熱交換器が流体を効果的に冷却すると同時に加熱できることを意味する。プレート式熱交換器は大きな表面積を有するので、シェルアンドチューブ型熱交換器よりも効率的であることがある。
【0045】
他の種類の熱交換器は、再生熱交換器及び断熱ホイール(回転盤)熱交換器を含むことができる。再生式熱交換器では、同じ流体が熱交換器の両側に沿って通過する。この熱交換器は、プレート式熱交換器またはシェルアンドチューブ型熱交換器のいずれであってもよい。流体は非常に高温になり得るので、流出する流体は、流入する流体を暖めるために使用され、そのためほぼ一定の温度を維持する。再生式熱交換器では、プロセスが周期的であり、殆ど全ての相対熱が流出流体から流入流体に移送されるため、エネルギーが保存される。一定の温度を維持するために、全体の流体温度を上昇及び下降させるために少量の余分なエネルギーが必要とされる。断熱ホイール式熱交換器では、熱を蓄える中間液体が用いられ、これは熱交換器の反対側に移送される。断熱ホイール式熱交換器は、トレッド(溝)を有する大型のホイールから構成され、これは液体−熱い流体と冷たい流体−を通って回転し、熱を抽出または移送する。本願による開示に記載された熱交換器は、前述した熱交換器のいずれかを含むことができるが、他の熱交換器、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0046】
各構成における各熱交換器は、それぞれの熱デューティ(又はヒートデューティ)に関連付けることができる。熱交換器の熱デューティは、熱交換器によって高温の流れから低温の流れに伝達されることができる熱量として定義することができる。熱量は、高温および低温の両方の流れの条件および熱特性から計算することができる。熱流の観点から、熱交換器の熱デューティは、高温流の流量と、高温流比熱と、熱交換器への高温流入口温度と熱交換器からの高温流出口温度との間の温度差の積である。冷流の観点から、熱交換器の熱デューティは、低温流の流量と、冷温流比熱と、熱交換器への冷温流入口温度と熱交換器からの冷温流出口温度との間の温度差の積である。いくつかの用途では、装置が良好に断熱され、装置から周囲への熱損失がないと仮定して、2個の量を均しいと考えることができる。熱交換器の熱デューティはワット(W)、メガワット(MW)、1時間当たり百万英国熱単位(Btu/hr)、又は1時間当たり百万のキロカロリー(Kcal/h)で測ることができる。ここで説明される構成では、熱交換器の熱デューティは、「約XMW」として提供される。ただし、「X」は数値熱デューティ値を表す。数値熱デューティ値は絶対的ではない。すなわち、熱交換器の実際の熱デューティは、Xにほぼ等しいか、Xよりも大きいか、又は、Xよりも小さいことがあり得る。
【0048】
後に説明する構成の各々において、プロセス流(「ストリーム」とも呼ばれる)は、原油精製設備内の各プラント内で、及び、原油精製設備内のプラント間で流動させられる。プロセス流は、原油精製設備全体にわたって実施される1つ以上の流量制御システムを使用して流すことができる。流量制御システムは、プロセス流をポンプ移送するための1個又は複数の流量ポンプ、プロセス流が流れる1個又は複数の管、及び、管を通る流れの流量を調節するための1個又は複数の弁とを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、流量制御システムを手動で操作することができる。例えば、オペレータは、各ポンプの流量を設定し、弁を開位置又は閉位置に設定することにより、流量制御システムの管を通るプロセス流の流れを調節することができる。一旦、オペレータが、原油精製設備に渡って分散された全ての流量制御システムの流量及び弁開度又は閉位置を設定すると、流量制御システムは、一定の流れ条件下で、例えば、一定の体積流量または他の流れ条件下で、プラント内又はプラント間にストリームを流すことができる。流量条件を変更するために、オペレータは手動で流量制御システムを操作することができる、例えば、ポンプ流量又は弁開閉位置を変更する。
【0050】
いくつかの実施形態では、流量制御システムを自動的に作動させることができる。例えば、流量制御システムは、流量制御システムを作動させるためにコンピュータシステムに接続され得る。コンピュータシステムは、(流量制御操作のような)操作を実行するために1個又は複数のプロセッサによって実行可能な(流量制御命令および他の命令のような)命令を格納するコンピュータ可読媒体を含むことができる。オペレータは、コンピュータシステムを使用して、原油精製設備に分散された全ての流量制御システムの流量及び弁開閉位置を設定することができる。そのような実施形態では、オペレータは、コンピュータシステムを介して入力を提供することによって、流量条件を手動で変更することができる。また、このような実施形態では、コンピュータシステムは自動的に(すなわち手動の介入なしに)、例えば、コンピュータシステムに接続され1個又は複数のプラントで実施されるフィードバックシステムを使用することにより、1個又は複数の流量制御システムを制御する。例えば、センサ(圧力センサ、温度センサ、または他のセンサなど)を、プロセス流が流れる管に接続することができる。センサは、プロセス流の流量条件(圧力、温度、または他の流れ状態など)を監視し、コンピュータシステムに供給することができる。流量条件が閾値(例えば、閾値圧力値、閾値温度値、または他の閾値)を超えるとそれに応答して、コンピュータシステムは、自動的に動作を行うことができる。例えば、管内の圧力又は温度が、それぞれ、閾値圧力値又は閾値温度値を超える場合には、コンピュータシステムは、流量を減少させるためにポンプに信号を提供し、圧力を軽減するために弁を開くための信号、プロセス流の流れを停止するための信号、または他の信号を提供する。
【0051】
図1Aから
図1Kは、原油精製・石油化学コンプレックス(複合施設)ナフサブロックプラント(ナフサ水素処理プラント(NHT)、原油大気圧蒸留プラント、及び芳香族プラント)に関連する廃熱源を用いた炭素フリー発電に大いに貢献する電力変換ネットワークのための例示的なシステム100の概略図を示す。ある実施形態では、例示的なシステム100は、全原油精製・石油化学サイト・ワイドロウ(広く低い)・低品位の利用可能な廃熱源の新規な特定部分から、効率的に(例えば、12.3%)約37.5MWを生成する。
【0052】
このシステム100に関する本願の開示は、産業施設における低品位廃エネルギーからの発電に関し、少なくとも記載されたエネルギー効率最適化のためのマルチ(複数)発電ベースのガス化プラントスマート構成と、更に、本願にも記載された原油精製設備及び芳香族コンプレックスの先進的エネルギー効率の構成に関する。特に、本願の開示は、原油蒸留ナフサ水素処理及び芳香族プラントにおける、精製石油化学の広い分離ネットワークの廃熱の回収ネットワークの新規な部分であり、基本的な有機ランキンサイクルを特定の運転条件で用い、低品位エネルギー品質プロセス流の使用された複数の散在したサブセットから、(全ての精製石油化学ワイドプラントのプロセスが図示/説明されていないが、典型的には有機ランキンサイクル発電に関与するプラントの一部が記載されていることに留意されたい。)効率的に発電するための関連する詳細な処理スキーム(処理案)である。
【0053】
ある実施態様において、システム100に関連して記載された処理スキームは、単一又は複数の段階又は相(phase)における実施形態について考慮することが可能であり、その場合、各相は、将来の相を妨げることなく、別個に実施することができる。ある実施態様では、記載された廃熱回収スキームにおいて使用される最小の接近温度は、3℃程度と低くすることができる。しかし、初期段階にて、より少ない廃熱回収費用にて、より高い最小の接近温度を使用することができ、一方で、合理的なスケール設計の発電経済性(依然として数十MWのレベルでは魅力的である)が使用され、システム設計において使用される特定の流れに対して推奨される最小の接近温度を使用する場合には、将来的に最良の効率が実現される。このような将来の状況では、最初の設計トポロジ、または第1段階の研究された原油精製・石油化学コンプレックス(またはそれらの組み合わせ)から選択/利用される低品位廃熱流のサブセットを変更することなく、より多くの発電が実現されることができる。記載された小電力プラントの構成および関連する処理スキームは、直接的に、または安全性および操作性のために、2つのバッファー流の1つのシステムを介して、例えば、ホットオイルまたは高圧温水システム(またはその両方)、又は、直接手段と間接手段の混合、更に、バッファーシステム間の新規な結合、を介して実行されることができる。ある実施形態では、低−低品位廃熱の電力への変換(例えば、DOEによって232℃と定義された低品位廃熱温度よりも低い)は、特定の操作条件でイソブタンを有機流体として使用する基本有機ランキンサイクルシステム(ORC)を用いて実行される。
【0054】
システム100に関連して記載された構成およびその関連処理スキームは、個々の原油精製・石油化学コンプレックス・ナフサブロックプラント(例えば、連続触媒改質(CCR)および芳香族プラント)内部において将来的にエネルギー効率の改善の努力がなされたとしても、又は、プラント廃熱回収法が実行されたとしても(例えば、熱統合化又は他のプラント廃熱回収の改善の実行)(又は両者)によっても、変化しない可能性がある。
【0055】
図1Aは、原油蒸留プラントおよびナフサブロックにおける新規な廃熱電力変換を用いたグラスルーツ中品位原油半転化精製及び芳香族における、炭素フリーのミニ発電プラント合成のための例示的なシステム100の概略図である。この実施例では、システム100は、作動流体(例えば、典型的には温水であるが、温油又は他の流体又はそれらの組み合わせを含むことができる)から廃熱を受ける10個の廃熱回収熱交換器を利用し、ナフサ水素処理プラント(NHT)反応区画、大気圧蒸留プラント、パラキシレン分離、およびパラキシレン分離・キシレン異性化反応および分離区画位置の熱交換器から熱を除去する。図示の例では、システム100は、2個の別個の高圧水系統/熱回収回路102及び103と1個の有機ランキンサイクル(ORC)104を有する。例えば、熱回収回路102(第1の回路)は熱交換器102a〜102gを含み、熱回収回路103(第2の回路)は熱交換器103a〜103cを含む。ORC104は、予熱器106、蒸発器108、ガス膨張機110、凝縮器112、及び、ポンプ114を備える。
【0056】
一般的な運転において、作動流体(加熱流体)、(例えば、水、油、または他の流体またはそれらの組合せ)は、熱回収回路(第1の回路102および第2の回路103)の熱交換器を通って循環される。各熱交換器の入口に循環される作動流体の入口温度は、加熱流体がそれぞれの入口を通って流れるときに温度変化があっても同一又は実質的に同一であり、また、該作動流体は、加熱流体タンク116又は118から直接循環されることができる。各熱交換器は、作動流体を入口温度よりも高いそれぞれの温度に加熱する。熱交換器からの加熱された作動流体は、それぞれの熱回収回路内にて結合され(例えば、各熱回収回路に関連するメインヘッダにて混合され)、更に、ORC104の予熱器106又は蒸発器108のいずれかを通って循環する。加熱された作動流体からの熱は、ORC104の作動流体を加熱し、それによって作動流体の圧力及び温度を高める。作動流体との熱交換により、作動流体の温度が低下する。作動流体は、その後、加熱流体タンク116又は加熱流体タンク118に集められ、それぞれの熱交換器を介してポンプ輸送により戻されて、廃熱回収サイクルを再開することができる。
【0057】
システム100の熱交換器を通して作動流体を流す作動流体回路は、手動又は自動で操作可能な複数の弁を含むことができる。例えば、調節制御弁(一例として)は、作動流体側及び熱源側にて、各熱交換器の入口又は出口と流体連通するように配置されることができる。ある実施態様では、調節制御弁は遮断弁であってよく、又は、追加の遮断弁がまた、熱交換器と流体連通するように配置されることができる。オペレータは、回路内の各弁を手動で開いて、作動流体が回路を通って流れるようにすることができる。オペレータは、例えば、修理やメンテナンスを行うか、その他の理由で廃熱回収を停止するとき、回路内の各弁を手動で閉じることができる。あるいは、制御システム、例えば、コンピュータ制御された制御システムを、回路内の各弁に接続することができる。制御システムは、例えば、回路内の異なる位置に設置されたセンサ(例えば、温度センサ、圧力センサ、または他のセンサ)からのフィードバックに基づいて、弁を自動的に制御することができる。制御システムはまた、オペレータによって操作されることができる。
【0058】
上述のように、作動流体を熱交換器を介してループ(閉回路化)させることにより、様々な上述のプラント(例えば、ナフサ水素処理プラント、大気圧蒸留プラント、及び他のプラント)において、そうでなければ廃棄されるはずの熱を回収し、回収された廃熱を利用して発電システムを運転させることができる。これにより、発電システムから同一又は実質的に同様な電力出力を得ながら、発電システムの運転に必要なエネルギー量を低減することができる。例えば、廃熱回収ネットワークを実施する発電システムからの電力出力を、廃熱回収ネットワークを実施しない発電システムからの電力出力よりも高くすることも低くすることもできる。該電力出力がより低い場合、差は統計的に有意でないかもしれない。結果として、石油化学精製システムの発電効率を高めることができる。
【0059】
より具体的には、図示した例では、各熱交換器は、特定の工業用ユニット内の熱源から作動流体への熱回収を容易にする。例えば、熱交換器102a〜102cは、パラキシレン分離ユニット内の熱源から熱を回収する。熱交換器102d〜102eは、パラキシレン異性化反応および分離ユニット内の熱源から熱を回収する。熱交換器102fは、ナフサ水素処理プラント反応区画内の熱源から熱を回収する。熱交換器102gは、大気圧蒸留プラント内の熱源から熱を回収する。第1の回路102内の熱交換器は、共に、「ナフサブロック」内の特定の流れからの低品位廃熱を回収し、作動流体を使用してORC104に熱を送出する。この例では、第1の回路102からの熱は、ORC104のヘッダ/予熱器106に供給される。
【0060】
一般に、第1の回路102は、(例えば、加熱流体タンク116を熱交換器102a〜102gに流体的に結合された入口ヘッダから)高圧作動流体(例えば、温水、高温オイル、または他の流体、又は、それらの混合物)を、例えば、約40℃〜60℃の間の温度にて受け入れ、約100〜115℃に加熱された作動流体を(例えば、熱交換器102a〜102gに流体的に結合された出口ヘッダに)供給する。作動流体は、熱交換器102a〜102gにおいて加熱される。熱交換器102a〜102gは、精製・石油化学コンプレックスに沿って分配され、精製・石油化学コンプレックスプラント内の低品位廃熱源に流体的に結合されることができる。パラキシレン生成物分離ユニット/プラント流は、他のプラント(例えば、ナフサ水素処理プラント、大気圧蒸留プラントおよび他のプラント)と共に、第1の温水回路102で使用することができる。
【0061】
熱交換器103a〜103cは、パラキシレン分離ユニットを含む精製石油化学コンプレックス部分の熱源から熱を回収する。第2の回路103内の熱交換器は、共に、低品位の廃熱を回収して、作動流体を使用して熱をORC104に供給する。この例では、第2の回路103からの熱はORC104の蒸発器108に供給される。
【0062】
第2の回路103は、また、パラキシレン生成物分離ユニット/プラント流を使用することができる。ある実施形態では、第2の回路103は、また、他のプラント(例えば、ナフサ水素処理プラント、大気圧蒸留プラント、および他のプラント)を使用することができる。第2の回路103は、典型的には(例えば、加熱流体タンク118を熱交換器103a〜103cに流体的に結合された入口ヘッダから)高圧作動流体(例えば、温水、温油、または他の流体)を約100℃〜110℃の間の温度にて受け入れ、約120〜160℃に加熱された作動流体を(例えば、熱交換器103a〜103cに流体的に結合された出口ヘッダーに)供給する。作動流体は熱交換器103a〜103cにおいて加熱される。熱交換器103a〜103cは、精製石油化学コンプレックスに沿って分配され、パラキシレン生成物分離ユニット/プラント流のみを使用する精製石油化学コンプレックスプラント内の低品位廃熱源に流体的に結合されることができる。
【0063】
このシステム100の実施例では、ORC104は、熱回収回路102および103に熱的に結合された作動流体を含み、それによって該作動流体を加熱する。ある実施態様では、作動流体はイソブタン(イソブタン貯蔵タンクは示されていない)とすることができる。ORC104はまた、加熱された作動流体から電力を生成するように構成されたガス膨張機110(例えば、タービン発電機)を含むことができる。
図1Aに示すように、ORC104は、予熱器106、蒸発器108、ポンプ114、及び凝縮器112をさらに含むことができる。この実施例では、第1の回路102は加熱された又は加熱する作動流体を予熱器106に供給し、第2の回路103は加熱された又は加熱する作動流体を蒸発器108に供給する。
【0064】
典型的な実施態様では、ORC104は、2つのグループの熱交換器を使用する、即ち、第1のグループはORC流体を予熱し、第2のグループは、流体的に結合されたガスタービンの入口(例えば、ガス膨張機110)前にて作動流体(例えば、高圧イソブタン液)を気化する。7つの熱交換器102a〜102gからなる第1の回路102(より低温の回路)は作動流体を予熱するのに使用され、3つの熱交換器103a〜103cからなる第2の回路103(より高温の回路)は作動流体を気化するために使用される。
【0065】
図示の例では、第1の回路102において、図示された7つの熱交換器102a〜102gは、精製・石油化学事業において「ナフサブロック」として知られている部分に配置され、該ナフサブロックは、ナフサ水素処理(NHT)プラント、CCRプラントおよび芳香族プラントからなる。熱交換器102a〜102cは、パラキシレン分離ユニット内に配置される。これらの熱交換器は、典型的には、それぞれ、約13.97MW、5.16MW、及び7.32MWの熱デューティを有する。熱交換器102dおよび102eは、パラキシレン異性化反応及び分離ユニット内に配置される。これらの2つの熱交換器は、それぞれ約15.63MWおよび21.02MWの熱デューティを有する。熱交換器102fはナフサ水素処理プラント内に配置され、約27.12MWの熱デューティを有する。熱交換器102gは、原油蒸留プラント内に配置され、約56.8MWの熱デューティを有する。これらの7つの熱交換器は、精製・石油化学事業において「ナフサブロック」として知られている部分に配置され、該ナフサブロックは、ナフサ水素処理(NHT)プラントと芳香族プラントからなる。ある実施形態では、ナフサブロックの一部は、芳香族コンプレックス及びナフサ水素処理プラントにおいてのみ考慮されるが、熱交換器102gは、通常ナフサ水素処理プラントに近い原油蒸留プラント内に配置される。
【0066】
典型的な実施形態では、熱交換器102a〜102gは、「ナフサブロック」内の特定の流れから約147MWの低品位廃熱を回収し、それをORC104システムの作動流体(例えば、イソブタン液)に戻し、該作動流体を予熱する。ある実施形態では、作動流体を約31℃から20bar(バール)で約100℃の気化温度まで予熱する。
【0067】
図示の例では、第2の回路103において、3つの図示された熱交換器103a〜103cは、低品位の廃熱を有する特定のパラキシレン分離ユニット流を含む「ナフサブロック」部分として知られている部分に配置される。典型的な実施態様では、熱交換器103a〜103cはそれぞれ、約33MW、91.1MWおよび32.46MWの熱デューティを有する。
【0068】
ある実施形態では、ガスタービン(例えば、ガス膨張機110)で生成される電力は、約85%の効率を仮定すると、約37.5MWであり、ポンプ114で消費される電力は、約75%の効率を仮定すると、約2.9MWである。タービンの入口におけるORC104の高圧は約20バールであり、出口では約4.3バールである。冷却水の供給温度は20℃、戻り温度は30℃と仮定する。蒸発器108の熱デューティは約157MWであり、約745Kg/sのイソブタンを気化させる。ORC104のイソブタン予熱器106の熱デューティは約147MWであり、イソブタンを約31℃から99℃に加熱する。凝縮器112の冷却デューティは269MWであり、イソブタンの同じ流れを約52℃から30℃に冷却して凝縮させる。
【0069】
図1Bは、ナフサ水素処理(NHT)プラント廃熱回収ネットワークの熱交換器102fを示す概略図である。熱交換器102fは、高圧の第1の回路102の50℃の作動流体の流れを用いて分離器前の水素処理器/反応器生成物出口を111℃から59℃に冷却し、それによって該高圧の第1の回路102の作動流体の流れの温度は106℃に上昇する。熱交換器102fの熱デューティは約27.1MWである。温度106℃の作動流体の流れは、第1の回路ヘッダー106に送られる。
【0070】
図1Cは、大気圧蒸留プラント廃熱回収ネットワークの熱交換器102gを示す概略図である。熱交換器102gは、高圧の第1の回路102の50℃の作動流体の流れを用いて大気圧原油タワー塔頂流を97℃から60℃に冷却し、それによって該高圧の第1の回路102の作動流体の流れの温度は92℃に上昇する。熱交換器102gの熱デューティは約56.8MWである。温度92℃の作動流体の流れは、第1の回路のヘッダー106に送られる。
【0071】
図1Dは、パラキシレン分離プラント内の熱交換器102dの配置例を示す概略図である。この実施例では、熱交換器102dは、第1の回路102の50℃の作動流体の流れを用いて分離器ドラム前のキシレン異性化反応器出口流を114℃から60℃に冷却し、それによって該第1の回路102の作動流体の流れの温度は109℃に上昇する。熱交換器102dの熱デューティは約15.6MWである。温度109℃の作動流体は、第1の回路102のヘッダーに送られる。
【0072】
図1Eは、パラキシレン分離プラントのキシレン異性化脱ヘプタン化器内の熱交換器102eの配置例を示す概略図である。この実施例では、熱交換器102eは、第1の回路102の50℃の作動流体の流れを用いて脱ヘプタン化器カラム塔頂流(蒸留塔の塔頂流)を112℃から60℃に冷却し、それによって該第1の回路102の作動流体の流れの温度は107℃に上昇する。熱交換器102eの熱デューティは約21MWである。温度107℃の作動流体は、第1の回路102のヘッダーに送られる。
【0073】
図1Fは、パラキシレン分離プラント内の熱交換器103aの配置例を示す概略図である。この実施例では、熱交換器103aは、第2の回路103の105℃の作動流体の流れを用いて抽出カラム塔頂流を156℃から133℃に冷却し、それによって該第2の回路103の作動流体の流れの温度は151℃に上昇する。熱交換器103aの熱デューティは約33MWである。温度151℃の作動流体は、第2の回路103のヘッダーに送られる。
【0074】
図1Gは、パラキシレン分離プラント内の熱交換器102bの配置例を示す概略図である。この実施例では、熱交換器102bは、第1の回路102の50℃の作動流体の流れを用いてPX精製カラム底部生成物流を155℃から60℃に冷却し、それによって該第1の回路102の作動流体の流れの温度は150℃に上昇する。熱交換器102bの熱デューティは約5.16MWである。温度150℃の作動流体は、第1の回路102のヘッダーに送られる。
【0075】
図1Hは、パラキシレン分離プラント内の熱交換器102aの配置例を示す概略図である。この実施例では、熱交換器102aは、第1の回路102の50℃の作動流体の流れを用いてPX精製カラム塔頂流を127℃から84℃に冷却し、それによって該第1の回路102の作動流体の流れの温度は122℃に上昇する。熱交換器102aの熱デューティは約13.97MWである。温度122℃の作動流体は、第1の回路102のヘッダーに送られる。
【0076】
図1Iは、パラキシレン分離プラント内の熱交換器103bの配置例を示す概略図である。この実施例では、熱交換器103bは、第2の回路103の105℃の作動流体の流れを用いてラフィネート・カラム塔頂流を162℃から130℃に冷却し、それによって該第2の回路103の作動流体の流れの温度は157℃に上昇する。熱交換器103bの熱デューティは約91.1MWである。温度157℃の作動流体は、第2の回路103のヘッダーに送られる。
【0077】
図1Jは、パラキシレン分離プラント内の熱交換器102c及び103cの配置例を示す概略図である。この実施例では、熱交換器102c及び103cは、それぞれ約7.23MWおよび32.46MWの熱デューティを有する。熱交換器102cは、第1の回路102の50℃の作動流体の流れを用いて貯蔵タンク前のC9+芳香族を169℃から60℃に冷却し、それによって該第1の回路102の作動流体の流れの温度は164℃に上昇する。温度164℃の作動流体は、第1の回路102のヘッダーに約103℃で送られ、ORC104の予熱器106にてイソブタンは約30℃から約99℃になる。熱交換器103cは、第2の回路103の105℃の作動流体の流れを用いて重質ラフィネートスプリッターカラム塔頂流を126℃から113℃に冷却し、それによって該第2の回路103の作動流体の流れの温度は121℃に上昇する。温度121℃の作動流体は、第2の回路103のヘッダーに送られる。
【0078】
先に説明したように、
図1Kは、システム100の特定の例を示し、例示的な温度、熱デューティ、効率、電力入力、および電力出力を含む。例えば、
図1Kに示すように、芳香族モジュールは、約37.5MWの電力出力(85%の効率を使用するガスタービン110を用いる場合)を生成し、75%の効率を使用するポンプで消費される電力は約2.9MWである。ORC104のタービンの入口における高圧は約20バールであり、出口での圧力は約4.3バールである。凝縮器112の給水温度を20℃とし、戻り温度を30℃とする。蒸発器108の熱デューティは約157MWであり、約745Kg/sのイソブタンを気化させる。ORC104のイソブタン予熱器106の熱デューティは、約147MWであり、イソブタンを約31℃から99℃に加熱する。凝縮器112の冷却デューティは269MWであり、イソブタンの同じ流れを約52℃から30℃に冷却して凝縮させる。
【0079】
図1Lは、システム100の運転中の凝縮器110における管側流体温度(例えば、冷却流体、すなわち、凝縮器流体の流れ)とシェル側流体温度(例えば、ORC作動流体の流れ)を示すグラフである。このグラフは、x軸上の流体間の熱流に対するy軸上の流体間の温度差を示す。例えば、図に示すように、流体間の温度差が減少すると、流体間の熱流を増大させることができる。いくつかの態様では、冷却媒体は、20℃または約20℃またはそれ以上であってもよい。そのような場合には、ガス膨張機の出口圧力(例えば、ガス膨張機を出るORC作動流体の圧力)が、使用可能な冷却流体温度でORC作動流体の凝縮を可能にするのに十分に高くてもよい。
図1Hに示すように、(凝縮器110の管に入る)凝縮器の水(冷却水)は、約20℃で入り、約30℃で出る。(凝縮器のシェル側に入る)ORC作動流体は、約52℃で蒸気として入り、30℃で凝縮し、30℃の液体で凝縮器110を出る。
【0080】
図1Mは、システム100の運転中の予熱器106における管側流体温度(例えば、加熱流体の流れ)とシェル側流体温度(例えば、ORC作動流体の流れ)を示すグラフである。このグラフは、x軸上の流体間の熱流に対するy軸上の流体間の温度差を示す。例えば、図に示すように、流体間の温度差が減少すると、流体間の熱流を増大させることができる。このグラフは、x軸上の流体間の熱流に対するy軸上の流体間の温度差を示す。例えば、
図1Mに示すように、管側流体(例えば、加熱流体回路102内の熱油または熱水)が予熱器106を循環すると、該流体からシェル側流体(例えばORC作動流体)に熱が伝達される。こうして、管側流体は、約103℃で予熱器106に入り、約50℃で予熱器106を出る。シェル側流体は、約30℃で(例えば液体として)予熱器106に入り、約99℃で(例えば、液体、又は、混合相液体として)予熱器106を出る。
【0081】
図1Nは、システム100の運転中の蒸発器108における管側流体温度(例えば、加熱流体の流れ)とシェル側流体温度(例えば、ORC作動流体の流れ)を示すグラフである。このグラフは、x軸上の流体間の熱流に対するy軸上の流体間の温度差を示す。例えば、図に示すように、流体間の温度差が増加すると、流体間の熱流を増大させることができる。例えば、
図1Nに示すように、管側流体(例えば、加熱流体回路103内の熱油または熱水)が蒸発器108を循環すると、該流体からシェル側流体(例えばORC作動流体)に熱が伝達される。こうして、管側流体は、約141℃で蒸発器108に入り、約105℃で蒸発器108を出る。シェル側流体は、予熱器106から約99℃で(例えば液体、又は、混合相液体として)蒸発器108に入り、約99℃で(例えば、いくらか過熱を伴う蒸気として)蒸発器108を出る。
【0082】
本願に開示された主題は、「ナフサブロック」における低−低品位廃熱を正味の発電(例えば、約34.55MW)に変換し、その場での利用又は国内送電系統への送り出しに供することにより、少なくとも、中レベルの原油半転換精製・石油化学コンプレックスを、よりエネルギー効率が高い/「より緑色」のものにすることを可能にする点で、有益である。一方、そのような処理スキームによって、該スキームに複数のプラントが関与していることから、所望の操作性を備えつつ発電ベースのGHG排出量を削減可能とし、処理スキームによって、発電と発電ベースのGHG削減を各相にて達成し、「ナフサブロック」プラントの熱交換器ネットワークストリームのマッチングの内部を変更することなく、発電と発電ベースのGHG削減を達成することができる。更に、通常、原油精製・石油化学コンプレックス内に共に配置されている「ナフサブロック」プラントに対しても、発電と発電ベースのGHG削減を達成することが可能であり、「ナフサブロック」の各プラントの内部における将来的なエネルギ削減にも拘わらず、発電と発電ベースのGHG削減を達成することが可能であり、該スキームに複数のプラントが関与していることから、所望の操作性を備えつつ発電ベースのGHG排出量の削減を可能とし、同時に当初の冷却ユニットを維持することができる。
【0083】
先に説明した石油化学精製システムによって生成された熱エネルギーを回収する技術は、2つの例示的なシナリオのうちの少なくとも1つ又は両方で実施することができる。第1のシナリオでは、この技術は、構築される予定の石油化学精製システムで実施することができる。例えば、石油化学精製システムの複数のサブユニットを配置するための地理的レイアウトを特定することができる。地理的レイアウトは、各サブユニットが配置されるべき複数のサブユニット位置を含むことができる。地理的レイアウトを特定することは、特定の技術データ、例えば、原油から出発し精製された石油を得るサブユニットを通る石油化学物質流、に基づいて、石油化学精製システムにおける各サブユニットの位置を積極的に決定または計算することを含むことができる。地理的レイアウトの特定は、代替的に又は追加的に、複数の予め生成された地理的レイアウトの中から1つのレイアウトを選択することを含むことができる。石油化学精製システムのサブユニットの第1のサブセットを特定することができる。第1のサブセットは、電力を発生させるために熱エネルギーが回収可能な少なくとも2個(または2個を超える)の発熱サブユニットを含むことができる。地理的レイアウトでは、複数のサブユニット位置の第2のサブセットを特定することができる。第2のサブセットは少なくとも2個のサブユニット位置を含み、該サブユニット位置に第1のサブセット内の各サブユニットが配置される。第1のサブセット内のサブユニットから熱エネルギーを回収する発電システムが特定される。発電システムは、上述した発電システムと実質的に同様であり得る。地理的レイアウトでは、発電システムを配置するために、発電システムの位置を特定することができる。特定された発電システムの位置では、熱エネルギー回収効率は、地理的レイアウトの他の場所における熱エネルギー回収効率よりも大きい。石油化学精製システムのプランナー及び建築者は、モデリング及び/又はコンピュータベースのシミュレーション実験を行い、発電システムの最適な位置を特定し、例えば、少なくとも2個の発熱サブユニットから回収された熱エネルギーを発電システムに輸送するときに熱損失を最小限に抑えることにより、熱エネルギー回収効率を最大化することができる。石油化学精製システムは、地理的レイアウトに従って建設される。即ち、複数のサブユニットを複数のサブユニット位置に配置し、発電システムを発電システム位置に配置し、複数のサブユニットを互いに相互接続することにより該相互接続された複数のサブユニットが石油化学物質を精製するように構成し、発電システムを第1のサブセット内のサブユニットに相互接続することによって該発電システムが第1のサブセット内のサブユニットから熱エネルギーを回収し、該回収された熱エネルギーを発電システムに提供するように構成する。発電システムは、回収された熱エネルギーを用いて電力を生成するように構成されている。
【0084】
第2のシナリオでは、この技術は、運転されている石油化学精製システムで実施することができる。換言すれば、先に説明した発電システムは、既に構築されて運用されている石油化学精製システムに改造することができる。
【0085】
こうして、本発明の特定の実施態様を記載した。他の実施態様は、以下の請求項の範囲内である。