特許第6808737号(P6808737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社山田養蜂場本社の特許一覧

<>
  • 特許6808737-女性型脱毛症改善用組成物 図000002
  • 特許6808737-女性型脱毛症改善用組成物 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6808737
(24)【登録日】2020年12月11日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】女性型脱毛症改善用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/365 20060101AFI20201221BHJP
   A61K 31/201 20060101ALI20201221BHJP
   A61K 31/20 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20201221BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   A61K8/365
   A61K31/201
   A61K31/20
   A61Q7/00
   A61P17/14
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-534397(P2018-534397)
(86)(22)【出願日】2017年8月14日
(86)【国際出願番号】JP2017029301
(87)【国際公開番号】WO2018034268
(87)【国際公開日】20180222
【審査請求日】2019年1月7日
(31)【優先権主張番号】特願2016-160701(P2016-160701)
(32)【優先日】2016年8月18日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598162665
【氏名又は名称】株式会社山田養蜂場本社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100206944
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 絵美
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 寛
(72)【発明者】
【氏名】磯江 まどか
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 麻美
(72)【発明者】
【氏名】木村 友香
(72)【発明者】
【氏名】東村 貴志
【審査官】 山中 隆幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−104644(JP,A)
【文献】 特開2003−192541(JP,A)
【文献】 特開平10−265347(JP,A)
【文献】 特開2011−136909(JP,A)
【文献】 特開昭61−171413(JP,A)
【文献】 特開2014−185130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸又はその誘導体、10−ヒドロキシデカン酸又はその誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有し、前記誘導体が、塩化物、エステル、アミド、酸無水物及び配糖体からなる群から選ばれる少なくとも1種である、女性型脱毛症改善用組成物。
【請求項2】
trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸又はその誘導体、10−ヒドロキシデカン酸又はその誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有し、前記誘導体が、塩化物、エステル、アミド、酸無水物及び配糖体からなる群から選ばれる少なくとも1種である、毛周期における成長期誘導用組成物。
【請求項3】
trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸又はその誘導体、10−ヒドロキシデカン酸又はその誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有し、前記誘導体が、塩化物、エステル、アミド、酸無水物及び配糖体からなる群から選ばれる少なくとも1種である、休止期における外毛根鞘細胞増殖促進用組成物。
【請求項4】
発毛促進用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
脱毛抑制用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
皮膚外用剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
化粧品、医薬部外品又は医薬品である、請求項6に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性型脱毛症改善用組成物、毛周期における成長期誘導用組成物、及び外毛根鞘細胞増殖促進用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪には、毛周期と呼ばれる成長及び脱毛のサイクルがある。毛周期は、成長期、退行期及び休止期という三段階に分かれる。近年、薄毛の悩みは男性だけでなく、女性にも広がっている。薄毛の主要なメカニズムは男女で異なっている。男性型脱毛症は、男性ホルモンの影響により、毛周期を繰り返すごとに成長期が短縮して毛包が萎縮し、太く長い硬毛から細く短い軟毛へと変化していくことが特徴である。
【0003】
一方、女性型の薄毛は主に、毛周期における休止期の延長による毛髪本数の減少が主因とされており、頭髪全体が次第に疎毛になる場合が多い(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−00089号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Fragrance Journal Vol.41, No.11, P49-55, 2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、延長しがちな休止期を正常な期間に戻すことにより、女性に多く見られる脱毛症を改善する策を検討した。
【0007】
毛周期における休止期では、未分化の外毛根鞘細胞である毛芽(hair germ)が、毛乳頭細胞から発せられるシグナルの伝達を受けて増殖を開始し、やがて毛母細胞となり、新しい毛髪を形成すると考えられている(特許文献1)。したがって、外毛根鞘細胞の増殖は、成長期へ移行する際のトリガーと考えられる。
【0008】
本発明は、新規な女性型脱毛症改善用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ローヤルゼリー、trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、及び10−ヒドロキシデカン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、女性型脱毛症改善用組成物を提供する。
【0010】
本発明はまた、ローヤルゼリー、trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、及び10−ヒドロキシデカン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、毛周期における成長期誘導用組成物を提供する。
【0011】
本発明はまた、ローヤルゼリー、trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、及び10−ヒドロキシデカン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、外毛根鞘細胞増殖促進用組成物を提供する。
【0012】
上記組成物は、発毛促進用又は脱毛抑制用に好適に用いることができる。
【0013】
上記組成物は、皮膚外用剤であってよく、化粧品、医薬部外品又は医薬品であることが好ましい。また、上記組成物は、食品であってもよい。
【0014】
本発明は、女性型脱毛症改善、毛周期における成長期誘導、又は外毛根鞘細胞増殖促進に使用するための、ローヤルゼリー、trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、及び10−ヒドロキシデカン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種ということもできる。本発明はまた、女性型脱毛症改善、毛周期における成長期誘導、又は外毛根鞘細胞増殖促進に使用するための、ローヤルゼリー、trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、及び10−ヒドロキシデカン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含む剤ということもできる。
【0015】
本発明は、女性型脱毛症改善剤、毛周期における成長期誘導剤、又は外毛根鞘細胞増殖促進剤の製造における、ローヤルゼリー、trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、及び10−ヒドロキシデカン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の応用ということもできる。
【0016】
本発明は、ローヤルゼリー、trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、及び10−ヒドロキシデカン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の有効量を、それを必要とする対象に投与又は適用する工程を含む、女性型脱毛症改善方法、毛周期における成長期誘導方法、又は外毛根鞘細胞増殖促進方法ということもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、新規な女性型脱毛症改善用組成物が提供される。また、本発明により、毛周期における成長期誘導用組成物及び外毛根鞘細胞増殖促進用組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】培養24時間後における外毛根鞘細胞の生細胞数を示すグラフである。
図2】培養72時間後における外毛根鞘細胞の生細胞数を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0020】
本発明は、ローヤルゼリー、trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、及び10−ヒドロキシデカン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種(以下、総称して「成分A」という場合もある。)を有効成分として含有する女性型脱毛症改善用組成物を提供する。
【0021】
10−ヒドロキシデカン酸及びtrans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸(10−H2DA)は、いずれもローヤルゼリーの構成成分の1つである。10−ヒドロキシデカン酸及び10−H2DAは、合成品であってもよく、例えばローヤルゼリー由来等の天然由来のものであってもよい。ローヤルゼリー由来の10−ヒドロキシデカン酸及び10−H2DAは、例えば、ローヤルゼリーから有機溶媒等により抽出精製して得ることができる。
【0022】
10−ヒドロキシデカン酸又は10−H2DAの誘導体としては、特に制限されないが、例えば、塩化物、エステル、アミド、酸無水物、配糖体、塩(ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩等の脂肪族アミン塩;N,N−ジベンジルエチレンジアミン等のアラルキルアミン塩;ピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素環芳香族アミン塩;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩;アルギニン塩、リジン塩、ヒスチジン塩、アルギニン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩;塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩;メタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩等)等が挙げられる。誘導体は上記10−ヒドロキシデカン酸又は10−H2DAから公知の方法で合成することができる。誘導体は、例えばローヤルゼリーから有機溶媒等により抽出精製して得たものであってもよい。
【0023】
本明細書においてローヤルゼリーは、例えば生ローヤルゼリーであってもよく、生ローヤルゼリーに処理を施したローヤルゼリー処理物であってもよい。生ローヤルゼリーは、例えば、常法に従い養蜂産品として入手することができる。ローヤルゼリー処理物としては、生ローヤルゼリーを濃縮又は希釈したローヤルゼリー濃縮物又は希釈物、生ローヤルゼリーを乾燥させて粉末化したローヤルゼリー粉末、生ローヤルゼリーをタンパク質分解酵素で処理した酵素分解ローヤルゼリー、生ローヤルゼリーをエタノール等の有機溶媒で抽出したローヤルゼリーエタノール抽出物等のローヤルゼリー有機溶媒抽出物などが挙げられる。ローヤルゼリー処理物は複数の処理が施されたものであってもよい。ローヤルゼリーは酵素分解及び粉末化された酵素分解ローヤルゼリー粉末であってもよい。
【0024】
ローヤルゼリー濃縮物は、例えば、生ローヤルゼリーから水分を除去することにより得ることができる。ローヤルゼリー希釈物は、例えば、生ローヤルゼリーに水分を添加することにより得ることができる。
【0025】
ローヤルゼリー粉末は、例えば、凍結乾燥及び噴霧乾燥等の本技術分野における公知の方法により生ローヤルゼリーを粉末化することにより得ることができる。また、凍結乾燥又は噴霧乾燥後に粉砕機(例えば、ピンミル、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル)により粉砕してローヤルゼリー粉末を得てもよい。
【0026】
酵素分解ローヤルゼリーは、例えば、生ローヤルゼリーをタンパク質分解酵素で処理することで得ることができる。タンパク質分解酵素としては、例えば、エンドペプチダーゼ作用を有する酵素、エキソペプチダーゼ作用を有する酵素、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有する酵素が挙げられる。
【0027】
ローヤルゼリー有機溶媒抽出物は、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、アセトン等の有機溶媒を溶媒として生ローヤルゼリーを抽出することで得ることができる。抽出時間は、原料として用いられる生ローヤルゼリーの形態、溶媒の種類及び量、抽出の際の温度及び攪拌条件等に応じて適宜設定することができる。抽出後、ろ過、遠心分離等により固形分を除去してもよい。また、抽出された溶液をそのまま用いてもよいし、当該溶液から溶媒を除去して、濃縮液又は粉末として用いてもよい。ローヤルゼリー有機溶媒抽出物としては、ローヤルゼリーエタノール抽出物であることが好ましい。
【0028】
毛周期は、成長期、退行期及び休止期を経て、毛が成長して抜けるというサイクルである。正常な毛では、一般的には、数年間の成長期の間に太く長く成長した後、2〜3週間程の退行期の間に成長が止まり、数ヶ月程度の休止期で完全に成長が止まりいつでも抜ける状態となる。
【0029】
本明細書において、「女性型脱毛症」とは、びまん性脱毛症をいう。びまん性脱毛症は、毛周期における休止期が正常よりも長くなることによって、髪全体として成長する髪の割合が減り、抜ける髪又は抜けた状態のままである毛根の割合が増えて髪密度が低下する症状であり、慢性休止期脱毛症ともいわれる。女性型脱毛症は、女性に限らず、男性にも生じうる症状である。
【0030】
成長期へと移行する際に、外毛根鞘細胞は、毛乳頭細胞から発せられるシグナルの働きにより増殖を開始し、増殖して毛乳頭細胞に近接した細胞が毛母細胞となり、次の新たな毛髪を形成すると考えられている。
【0031】
上記成分Aは、外毛根鞘細胞増殖促進作用を有する。本実施形態に係る女性型脱毛症改善用組成物は、上記成分Aを有効成分として含有するため、外毛根鞘細胞の増殖を促進することができる。したがって上記組成物は、毛周期における成長期を誘導することができ、休止期の状態にある毛根の割合を減らすことができるため、女性型脱毛症を改善することができる。したがって、本発明は、上記成分Aを有効成分として含有する、外毛根鞘細胞増殖促進用組成物、又は毛周期における成長期誘導用組成物ということもできる。
【0032】
上記女性型脱毛症改善用組成物、成長期誘導用組成物、及び外毛根鞘細胞増殖促進用組成物は、上述のとおり、毛髪全体において休止期にある毛根の割合を減らし、成長期である毛根の割合を増やすことができるため、発毛促進に用いることができる。また、上記組成物は、毛髪全体において休止期にある毛根の割合を減らし、毛髪全体において相対的に、脱毛する毛髪又は脱毛したまま次の成長期へ移行しない状態の毛根の割合を減らすことができるため、脱毛抑制に用いることもできる。発毛促進又は脱毛抑制の対象としては、例えば、頭髪、まつ毛等が挙げられる。
【0033】
本実施形態に係る女性型脱毛症改善用組成物、成長期誘導用組成物、及び外毛根鞘細胞増殖促進用組成物中の、上記成分Aの含有量は、上記各組成物の固形分全量に対して、例えば0.0001質量%以上であってよく、0.001質量%以上であってよく、0.01質量%以上であってもよい。また、上記組成物中の成分Aの含有量は、各組成物の固形分全量に対して、例えば0.0001mM以上であってよく、0.001mM以上であってよく、0.01mM以上であってもよい。上記組成物中の成分Aの含有量は、上記組成物の固形分全量に対して、例えば40質量%以下であってよく、20質量%以下であってよく、10質量%以下であってもよい。上記組成物中の成分Aの含有量は、上記組成物の固形分全量に対して、例えば40mM以下であってよく、20mM以下であってよく、10mM以下であってもよい。
【0034】
上記女性型脱毛症改善用組成物、成長期誘導用組成物、及び外毛根鞘細胞増殖促進用組成物は、上記成分Aのみを含有するものであってもよく、本発明による効果を妨げない限り、他の成分を更に含有していてもよい。他の成分としては、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、消炎剤(グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等)、美白剤(胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン)、各種抽出物(オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(感光素、コレステロール誘導体等)、血行促進剤(ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等)、抗脂漏剤(硫黄、チアントール)、抗炎症剤(トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン)、養蜂産品(プロポリス、蜂蜜、ハチノコ、ミツロウ、花粉荷、蜂毒等)等が挙げられる。
【0035】
上記他の成分の具体例は以下のとおりである。必要に応じ、下記成分の1種又は2種以上を配合して、目的とする剤形に応じて常法により組成物を製造することができる。
粉末成分としては、例えば、無機粉末、有機粉末、無機顔料、有機顔料等が挙げられる。無機粉末としては、例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等が挙げられる。
【0036】
有機粉末としては、例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、無機白色顔料(二酸化チタン、酸化亜鉛)、無機赤色系顔料{酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄}、無機褐色系顔料(γ−酸化鉄)、無機黄色系顔料(黄酸化鉄、黄土)、無機黒色系顔料(黒酸化鉄、低次酸化チタン)、無機紫色系顔料(マンゴバイオレット、コバルトバイオレット)、無機緑色系顔料(酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト)、無機青色系顔料(群青、紺青);パール顔料(酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔);金属粉末顔料(アルミニウムパウダー、カッパーパウダー)等が挙げられる。
【0037】
有機顔料としては、例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号、青色1号、天然色素(クロロフィル、β−カロチン)等が挙げられる。
【0038】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0039】
ロウとしては、例えば、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0040】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール油脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0041】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール)、分枝鎖アルコール(バチルアルコール、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール)等が挙げられる。
【0042】
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル。
【0043】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン)、環状ポリシロキサン(オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン)、3次元網目構造のシリコーン樹脂、シリコーンゴム、変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン)等が挙げられる。
【0044】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム)、高級アルキル硫酸エステル塩(ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム)、N−アシルサルコシン酸(ラウロイルサルコシンナトリウム)、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム)、リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸)、スルホコハク酸塩(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸)、高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム)、N−アシルグルタミン酸塩(N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム)、硫酸化油(ロート油)、POE−アルキルエーテルカルボン酸、POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0045】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム)、アルキルピリジニウム塩(塩化セチルピリジニウム)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE−アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0046】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩)、ベタイン系界面活性剤(2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン)等が挙げられる。
【0047】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン)、グリセリンポリグリセリン脂肪酸(モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸)、プロピレングリコール脂肪酸エステル(モノステアリン酸プロピレングリコール)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0048】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル(POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート)、POEソルビット脂肪酸エステル(POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート)、POE−グリセリン脂肪酸エステル(POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート)、POE−脂肪酸エステル(POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール)、POE−アルキルエーテル(POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル)、プルロニック)、POE・POP−アルキルエーテル(POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル)、テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物(テトロニック)、POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸)、POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(POE−ソルビットミツロウ)、アルカノールアミド(ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド)、POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE−アルキルアミン、POE−脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0049】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0050】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子{アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸}、微生物系高分子(キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン)、動物系高分子(コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン)等が挙げられる。
【0051】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン)、セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末)、アルギン酸系高分子(アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル)等が挙げられる。
【0052】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー)、ポリオキシエチレン系高分子(ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体)、アクリル系高分子(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド)、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。
【0053】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0054】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤{パラアミノ安息香酸(以下、「PABA」と略す。)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル}、アントラニル酸系紫外線吸収剤(ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート)、サリチル酸系紫外線吸収剤(アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート)、桂皮酸系紫外線吸収剤(オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン)、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
【0055】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム等が挙げられる。
【0056】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール)、3価のアルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン)、4価アルコール{ペンタエリスリトール(1,2,6−ヘキサントリオール)}、5価アルコール(キシリトール)、6価アルコール(ソルビトール、マンニトール)、多価アルコール重合体(ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン)、2価のアルコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル)、2価アルコールアルキルエーテル(ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル)、2価アルコールエーテルエステル(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート)、グリセリンモノアルキルエーテル(キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール)、糖アルコール(ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール)、グリソリッド、テトラハイドロフルフリルアルコール、POE−テトラハイドロフルフリルアルコール、POP−ブチルエーテル、POP・POE−ブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテルリン酸、POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0057】
単糖としては、例えば、三炭糖(D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン)、四炭糖(D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール)、五炭糖(L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース)、六炭糖(D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース)七炭糖(アルドヘプトース、ヘプロース)、八炭糖(オクツロース)、デオキシ糖(2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース)、アミノ糖(D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸)、ウロン酸(D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸)等が挙げられる。
【0058】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース等が挙げられる。多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0059】
アミノ酸としては、例えば、酸性アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)、中性アミノ酸(スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、セリン、チロシン)、塩基性アミノ酸(リジン、ヒスチジン、アルギニン、ヒドロキシリジン)、非極性アミノ酸(イソロイシン、ロイシン、バリン、グリシン、プロリン、アラニン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン)等が挙げられる。アミノ酸誘導体としては、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0060】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0061】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0062】
pH調製剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等が挙げられる。
【0063】
ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンE、これらの誘導体、パントテン酸及び誘導体、ビオチン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル等が挙げられる。酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0064】
本実施形態に係る女性型脱毛症改善用組成物、成長期誘導用組成物、及び外毛根鞘細胞増殖促進用組成物は、例えば、溶液、乳液、軟膏、クリーム、ペースト、ゼリー、エアゾール、粉体、オイル、固形、フォーム等の形態であってよい。本実施形態に係る女性型脱毛症改善用組成物、成長期誘導用組成物、及び外毛根鞘細胞増殖促進用組成物は、皮膚外用剤であってよい。
【0065】
本実施形態に係る女性型脱毛症改善用組成物、成長期誘導用組成物、及び外毛根鞘細胞増殖促進用組成物は、化粧品、医薬部外品又は医薬品として用いることができる。化粧品又は医薬部外品としては、例えば、頭髪用化粧品、頭髪用医薬部外品、まつ毛用化粧品、まつ毛用医薬部外品等であってよい。頭髪用化粧品又は頭髪用医薬部外品としては、例えば、整髪料(ヘアオイル、椿油、スタイリング(料)、セット(料)、ブロー(料)、ブラッシング(料)、チック、ヘアスティック、ポマード、ヘアクリーム、ヘアソリッド、ヘアスプレー、ヘアラッカー、ヘアリキッド、ヘアウォーター、ヘアワックス、ヘアフォーム、ヘアジェル等)、養毛料(トニック、ヘアローション、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアパック等)、頭皮料(頭皮用トリートメント等)、毛髪着色料(染毛料、ヘアカラースプレー、ヘアカラースチック、カラーリンス、ヘアマニュキュア等)、洗髪料(シャンプー、洗髪粉等)、ヘアリンス等が挙げられる。まつ毛用化粧品又はまつ毛用医薬部外品としては、例えば、基礎化粧料、メイクアップ化粧料、養毛料、育毛料等が挙げられる。
【0066】
上記女性型脱毛症改善用組成物、成長期誘導用組成物、及び外毛根鞘細胞増殖促進用組成物は、滴下、散布、塗布等により、必要とする頭皮、まつ毛の根元等に直接適用してもよく、経口投与されてもよい。直接適用する場合は、コーム、ブラシ、綿棒等の用具を用いてもよい。患部への適用又は経口投与は、例えば、1日に1〜3回程度行えばよい。上記組成物は、有効成分量換算で、例えば60kgの成人に一日当たり0.001mg〜10gの用量で投与されてもよい。上記組成物は女性に適用されてもよく、男性に適用されてもよい。
【0067】
本実施形態に係る女性型脱毛症改善用組成物、成長期誘導用組成物、及び外毛根鞘細胞増殖促進用組成物は、食品組成物そのものとして、及び食品組成物に添加して使用することができる。上記組成物を摂取することにより、外毛根鞘細胞増殖の促進、毛周期における成長期の誘導、及び女性型脱毛症の改善が可能である。食品組成物としては、食品の3次機能(体調調節機能)が強調された食品であることが好ましい。食品の3次機能が強調された食品としては、例えば、健康食品、機能性食品、栄養組成物(nutritional composition)、栄養補助食品、サプリメント、保健用食品、特定保健用食品、栄養機能食品、又は機能性表示食品等が挙げられる。
【0068】
上記組成物は、食品として許容される成分を含んでいてもよい。食品として許容される成分としては、例えば、ミネラル類、ビタミン類、フラボノイド類、キノン類、ポリフェノール類、アミノ酸、核酸、必須脂肪酸、清涼剤、結合剤、甘味料、崩壊剤、滑沢剤、着色料、香料、安定化剤、防腐剤、徐放調整剤、界面活性剤、溶解剤、湿潤剤等が挙げられる。
【0069】
女性型脱毛症改善用組成物、成長期誘導用組成物、及び外毛根鞘細胞増殖促進用組成物からなる食品組成物、又は上記組成物を含む食品組成物は、発毛促進用であってよく、脱毛抑制用であってもよい。
【0070】
食品組成物としては以下のようなものが挙げられ、これらの製造工程中の中間製品、又は最終製品に、女性型脱毛症改善用組成物、成長期誘導用組成物、又は外毛根鞘細胞増殖促進用組成物を混合して、上記の目的に用いられる食品組成物を得ることができる:コーヒー、ジュース及び茶飲料等の清涼飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト飲料、炭酸飲料、並びに、日本酒、洋酒、果実酒及びハチミツ酒等の酒などの飲料;カスタードクリーム等のスプレッド;フルーツペースト等のペースト;チョコレート、ドーナツ、パイ、シュークリーム、ガム、ゼリー、キャンデー、クッキー、ケーキ及びプリン等の洋菓子;大福、餅、饅頭、カステラ、あんみつ及び羊羹等の和菓子;アイスクリーム、アイスキャンデー及びシャーベット等の氷菓;カレー、牛丼、雑炊、味噌汁、スープ、ミートソース、パスタ、漬物、ジャム等の調理済みの食品;ドレッシング、ふりかけ、旨味調味料及びスープの素等の調味料。
【0071】
本実施形態に係る女性型脱毛症改善用組成物、成長期誘導用組成物、又は外毛根鞘細胞増殖促進用組成物からなる、又は上記各組成物を含む医薬品、医薬部外品、化粧品、又は食品組成物には、例えば、「女性型脱毛症を改善する旨」、「毛周期における成長期を誘導する旨」、「毛周期における成長期を延長する旨」、「脱毛を抑制する旨」、「発毛を促す旨」、「毛髪を太くする旨」、「増毛を促す旨」、等の表示が付されていてもよい。
【0072】
上述した本発明は、女性型脱毛症改善、毛周期における成長期誘導、又は外毛根鞘細胞増殖促進に使用するための、成分Aということもできる。本発明はまた、女性型脱毛症改善、毛周期における成長期誘導、又は外毛根鞘細胞増殖促進に使用するための、成分Aを有効成分として含む剤ということもできる。
【0073】
本発明は、女性型脱毛症改善剤、毛周期における成長期誘導剤、又は外毛根鞘細胞増殖促進剤の製造における、成分Aの応用ということもできる。
【0074】
本発明は、成分Aの有効量を、それを必要とする対象に投与又は適用する工程を含む、女性型脱毛症改善方法、毛周期における成長期誘導方法、又は外毛根鞘細胞増殖促進方法ということもできる。
【実施例】
【0075】
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0076】
〔外毛根鞘細胞の培養〕
正常ヒト外毛根鞘細胞(以下、「外毛根鞘細胞」という。ScienCell Research Laboratories社)を、添加剤(5%ウシ退治血清(FBS)、1%間葉系幹細胞成長サプリメント(MSCGS))が添加された間葉系幹細胞用培地(ScienCell Research Laboratories社)を用いて、COインキュベーター(5%CO、37℃)内で培養した。培地の交換は週2回行った。細胞の剥離には0.25%トリプシン−EDTAを用いた。
【0077】
〔外毛根鞘細胞における細胞賦活試験〕
外毛根鞘細胞を5×10個/0.1mL/wellで96ウェルプレートに播種し、37℃、5%CO下のインキュベーターにて培養した。24時間後、上記と同様の間葉系幹細胞用培地(100μL/well)に下記の各被験物質を所定の濃度で添加した培地に交換し、24時間又は72時間培養した。n=5で試験を行った。
【0078】
使用した被検物質及び濃度は下記のとおりである。
ローヤルゼリーエキス(山田養蜂場社、ローヤルゼリーエタノール抽出物):0.1、0.01、0.001%(w/v)
trans−10−ヒドロキシ−2−デセン酸(10−H2DA):1、0.1、0.01mM
10−ヒドロキシデカン酸:10、1、0.1mM
IGF(インスリン様成長因子):1μg/mL(陽性対照)
【0079】
ローヤルゼリーエキスは水溶性であり、培地に直接添加した。10−H2DA及び10−ヒドロキシデカン酸は、1M濃度となるようにエタノールに溶解したものを培地に添加した。陽性対照物であるIGFは、粉末をPBSで濃度100μg/mlとなるように溶解したものを使用した。
【0080】
生細胞数測定試薬SF(ナカライテスク社製)を用いて、培養開始から24時間及び72時間後の生細胞数を測定した。具体的には、培養終了後に培養上清を除去し、各ウェルに10%WST−8試薬を含む増殖培地を添加(100μL/well)し、添加後30分、及び90分の吸光度(測定波長450nm、参照波長630nm)を測定し、両値から1時間あたりの吸光度変化量を算出した。吸光度変化量に基づいて相対的な生細胞数を把握することができる。結果を図1及び図2に示す。24時間後では細胞の増殖性を、72時間後では細胞の維持性を主に検証した。
【0081】
生細胞数を測定した結果、培養期間24時間(図1)及び72時間(図2)において、ローヤルゼリーエキス処理、10−H2DA処理、及び10−ヒドロキシデカン酸処理において有意な生細胞数の増加が確認された。これらの成分による外毛根鞘細胞の増殖性及び維持性が認められた。24時間と72時間とを比較すると、特に24時間における促進効果が見られたことから、特に細胞の増殖性を促進したと考えられる。
図1
図2