特許第6808825号(P6808825)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6808825
(24)【登録日】2020年12月11日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】変形可能な側壁を含む化粧ケース
(51)【国際特許分類】
   A45D 33/00 20060101AFI20201221BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20201221BHJP
   A45D 40/00 20060101ALI20201221BHJP
   A45D 40/22 20060101ALI20201221BHJP
   A45D 40/26 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   A45D33/00 640
   A45D34/04 560
   A45D40/00 T
   A45D33/00 610A
   A45D33/00 610J
   A45D33/00 615A
   A45D40/22
   A45D40/26 Z
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-515655(P2019-515655)
(86)(22)【出願日】2017年9月22日
(65)【公表番号】特表2019-530503(P2019-530503A)
(43)【公表日】2019年10月24日
(86)【国際出願番号】EP2017074110
(87)【国際公開番号】WO2018055122
(87)【国際公開日】20180329
【審査請求日】2019年3月20日
(31)【優先権主張番号】1658966
(32)【優先日】2016年9月23日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・デルボーヴ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−マルク・ルブラン
(72)【発明者】
【氏名】リオネル・ドリュジョン
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−304926(JP,A)
【文献】 米国特許第04586519(US,A)
【文献】 特開平10−230962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00 − 40/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品を梱包するための軸Xのデバイス(10)であって、収納用区画を画定するベース(11)と、前記デバイス(10)の閉鎖構成と前記デバイス(10)の開放構成との間で蝶番(122)の軸Yを中心として回転移動可能に前記ベース(11)に取り付けられた蓋(12)と、前記収納用区画に配置され、底部および側壁(40)によって境界付けられ、製品Pを収容する、軸Zのレセプタクル(14)であって、前記レセプタクル(14)の前記軸Zは、前記ベース(11)に対して固定されている、レセプタクル(14)とを含むデバイス(10)において、前記レセプタクル(14)の前記側壁(40)は、弾性的に変形可能な材料を含み、および前記側壁(40)は、前記ベース(11)および前記蓋(12)が共により近づけられることの効果を通じて拡大し、前記デバイス(10)の前記閉鎖構成において前記蓋(12)と接触するシーリングガスケットを形成しており、
前記蓋(12)の内面には、環状リブ(120)が設けられており、前記環状リブ(120)の自由端には、リップ(124)が形成されており、前記レセプタクル(14)は、前記側壁(40)によって支持部片(140)に接続されたカップ(141)によって形成されており、前記蓋(12)が閉じられた場合に、前記リップ(124)が前記支持部片(140)に接触して、化粧品の漏洩を回避することを特徴とする、デバイス(10)。
【請求項2】
前記レセプタクル(14)の前記側壁(40)は、円形、楕円形もしくは平行六面体断面、または三角形、矩形もしくは正方形断面を有する閉鎖された輪郭を有することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイス(10)を前記閉鎖構成において保持するための閉鎖デバイス(123)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記蓋(12)は、透明または不透明であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
開放時にポップアップ効果を引き起こすように設計されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記レセプタクルは、前記収納用区画において締結されるか、またはリフィルであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記蓋(12)は、前記デバイス(10)の前記閉鎖構成において前記側壁(40)と接触することができる前記環状リブ(120)を設けられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記レセプタクル(14)は、クリック止め、スナップ嵌合、螺合または圧力嵌めによって前記ベース(11)に締結されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記製品は、ファンデーション、フェイスケア製品、頬紅、アイシャドウ、口紅、リップグロスまたはリップクリームであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
化粧方法であって、
(i)請求項1〜のいずれか一項に記載の化粧デバイス(10)を提供するステップと、
(ii)前記レセプタクル(14)の前記側壁(40)を緩めるために前記蓋(12)を開放するステップと、
(iii)前記レセプタクル(14)の前記側壁(40)を圧縮し、かつ前記側壁(40)を前記蓋(12)と接触させるために前記蓋(12)を閉鎖するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、眉、頬骨または唇などの顔の表面をメーキャップするための化粧品を梱包するためのデバイス、特にメーキャップケースに関する。
【背景技術】
【0002】
メーキャップ製品は、とりわけ、ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、口紅、リップグロスまたはリップクリームである。
【0003】
これは、特にペースト、ジェルまたは粉体の形態である。
【0004】
本発明の意味において、「化粧品」は、粉体、液体またはクリームなどの固体など、人間に施されるように設計された化粧品であると理解される。「化粧品」は、より一般的には、化粧品に関する2009年11月30日の欧州議会および理事会の規則(EC)第1223/2009において定義された製品である。
【0005】
本発明によると、化粧品は、支持体、例えば発泡体またはスポンジにおいて含浸され得る。
【0006】
概して、メーキャップケースは、蓋と、製品のリザーブを受けるケース本体とを含む。
【0007】
ケース内にある製品は、揮発性溶媒を含む可能性があり、蓋が閉鎖されると、ケースは、これらの溶媒が揮発することを防がなければならず、さもなければ製品の保存が不完全なものとなる。
【0008】
溶媒がない場合、例えば、製品が粉体である場合も同様に、製品漏洩のリスクを回避するために密封された閉鎖が確実にされることに利点がある。
【0009】
粉体パフであって、その周辺部にシーリングガスケットとして機能するビードを備えた粉体パフを使用することにより、蓋が閉鎖されるとケースが密封されることを保証することが特許出願(特許文献1)において既に提案されている。しかしながら、このケースの密封は、完全に満足のいくものではない。
【0010】
特許出願(特許文献2)も、蓋と、カップに収容される製品のリザーブを受けるケース本体とを含むケースを提案したものであり、このケースは、カップに固定され、かつケース本体に密封するように押し付けられるシーリングガスケットを含む。この例でも、同様にケースの密封は、完全に最適なものではない。
【0011】
特許出願(特許文献3)は、化粧品ケースであって、
− 第1化粧用品を受けるように設計された収納用区画を内部に画定するベースと、
− 第1軸でベースに回転移動可能に取り付けられたプレートであって、閉鎖構成と開放構成との間で可動であるプレートと、
− 第2軸でベースに回転移動可能に取り付けられた蓋であって、蓋が閉鎖構成においてプレートを覆う閉鎖位置と開放構成との間で可動である蓋と
を含み、
− ハウジングは、プレートにおいて提供され、かつ第2化粧用品を受けるように設計され、前記ハウジングは、底部および第2軸が共により近づけられることの効果を通じて直径を増加させるために、底部と、弾性的に変形することができる側壁とを含む、化粧品ケースを開示している。
【0012】
それにも関わらず、このデバイスは、密封を達成するためにベースと蓋との間に中間プレートを取り付けることを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許出願公開第A−790017号明細書
【特許文献2】国際公開第1999/021454号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2016/083607号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
単純な構造およびより少ない数のコンポーネントを有し、かつより良好な密封を提供することができる、化粧品を梱包するためのデバイスを提案する必要がある。
【0015】
安価なデバイスの必要性もある。
【0016】
さらに、使用し易く、空間をほとんどとらず、かつ滑らかな塗布を実施することを可能にするデバイスの必要性もある。
【0017】
さらに、異なる本体の移動および新たな感覚を伴うデバイスの必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、化粧品を梱包するための軸Xのデバイスであって、収納用区画を画定するベースと、デバイスの閉鎖構成とデバイスの開放構成との間で蝶番の軸Yを中心として回転移動可能にベースに取り付けられた蓋と、収納用区画に配置され、底部および側壁によって境界付けられ、製品を収容する、軸Zのレセプタクルであって、レセプタクルの軸Zは、ベースに対して固定されている、レセプタクルとを含むデバイスに関し、レセプタクルの側壁は、弾性的に変形可能な材料を含み、および側壁は、ベースおよび蓋が共により近づけられることの効果を通じて拡大し、デバイスの閉鎖構成において蓋と接触するシーリングガスケットを形成する。
【0019】
側壁のために、本発明のデバイスは、処方物を取り上げる際にばね付き効果を提供し、心地よい感覚を提供する。デバイスが開放されるとき、ユーザの体の移動を円滑にするためにおよび強化された人間工学のために、側壁は、蓋をわずかに持ち上げる。
【0020】
デバイスは、より携帯し易くかつより手で保持し易いように最小限のコンポーネントを含むため、より少ない空間を占める。
【0021】
側壁は、ケースの閉鎖位置においてレセプタクルを保持する役割を果たす。組立体の遊びは、適切な場合には吸収され得、デバイスのためのより大きい製作公差が許容され得る。
【0022】
側壁は、
− より少ない閉鎖労力での密封、
− 特定のコンポーネントなしでのポップアップ効果、
− 場合により透明な蓋を使用することによる処方物の表示
を達成するためにカップの周りに周辺密封システムを形成する。
【0023】
本発明によるデバイスの主な利点は、その構造の簡潔さであり、これは、より複雑なデバイス、例えば国際公開第2016/083607号パンフレットのものと同程度に良好な密封を提供する。
【0024】
本発明のさらなる目的は、化粧方法であって、
(i)先に説明された化粧デバイスを提供するステップと、
(ii)レセプタクルの側壁を緩めるために蓋を開放するステップと、
(iii)レセプタクルの側壁を圧縮し、かつ側壁を蓋と接触させるために蓋を閉鎖するステップと
を含む化粧方法である。
【0025】
主な定義
「軸A」は、長手方向軸Aを意味する。
【0026】
「軸Aのコンポーネントの断面」は、コンポーネントの軸Aに垂直な断面である。
【0027】
「レセプタクルの側壁は、ベースおよび蓋が共により近づけられることの効果を通じて拡大する」は、断面においてレセプタクルの平均最大幅が蓋の閉鎖時に増加することを意味する。
【0028】
「レセプタクルの側壁の高さは、ベースおよび蓋が共により近づけられることの効果を通じて減少する」は、軸Xに沿って測定される側壁の平均最大高さが蓋の閉鎖時に減少することを意味する。
【0029】
好ましい実施形態
好ましくは、本発明によるデバイスは、以下の特徴の1つまたは複数を単独でまたは組み合わせて有する。
− レセプタクルの側壁は、特に内側に湾曲したプロファイルを画定する角を備えた円形、楕円形または平行六面体断面、特に内側に湾曲したプロファイルを画定する角を備えた三角形、矩形または正方形断面を有する閉鎖された輪郭を有する。
− これらの形態は、メーキャップケースに適している。
− デバイスは、デバイスを閉鎖構成において保持するための閉鎖デバイスを含む。閉鎖具は、ロックされるため、密封が向上する。
− 蓋は、透明である。ユーザは、ケースを開放することなく製品の色または使用度を確認することができる。
− デバイスは、開放時にポップアップ効果を引き起こすように設計される。
− レセプタクルは、収納用区画において締結されるか、またはリフィルである。
− 蓋は、デバイスの閉鎖構成において弾性的に変形可能な側壁と接触することができる内部スカートを設けられる。この構造は、デバイスの密封を向上させる。
− レセプタクルは、側壁によって支持部片に接続されたカップによって形成される。したがって、製品と側壁との間の接触は、とりわけ製品が固体である場合に製品の亀裂を回避するために減少する。
− レセプタクルは、クリック止め、スナップ嵌合、螺合または圧力嵌めによってベースに締結される。この締結により、レセプタクルがベースにおいて適切に保持されることが確実になる。
【0030】
本発明は、添付の概略および部分図面を参照してその非限定的な実装例の以下の詳細な説明を読むことでより良好に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】デバイスの開放構成における本発明によるデバイスの軸方向断面図である。
図2】デバイスの閉鎖構成における図1のデバイスの軸方向断面図である。
図3図1におけるデバイスの蓋の上面図である。
図4図3における断面線C−Cでの軸方向断面図である。
図5図3における断面線D−Dでの軸方向断面図である。
図6図4からの詳細Aを示す。
図7図5からの詳細Bを示す。
図8図1におけるデバイスのベースの上面図である。
図9図8における断面線D−Dでのベースの軸方向断面図である。
図10図8における断面線E−Eでのベースの軸方向断面図である。
図11図10からの詳細Aを示す。
図12図1におけるデバイスのレセプタクルの上面図である。
図13図12における断面線P−Pでのレセプタクルの軸方向断面図である。
図14図13からの詳細Aを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1および2は、ベース11、蓋12およびレセプタクル14を含む、円形断面の軸Xのメーキャップケース10を示す。
【0033】
ケース10の閉鎖位置において、
− ケースの直径は、有利には、3cm〜12cm、より好ましくは5cm〜8cmであり、
− ケースの高さは、有利には、0.7cm〜2.5cm、より好ましくは1cm〜2cmである。
【0034】
蓋12は、図3〜7において別個に示されている。これは、軸Yの蝶番122によってベース11に関節接合される。説明された例において、これは、無色、半透明、充填剤なしのプラスチック材料で作られる。これは、例えば、ABSまたはPET/PETGで作られる。
【0035】
これは、上壁121であって、側エッジ18によって境界付けられ、かつその周辺部で環状リブ120によって下方に拡張された上壁121を含み、環状リブ120の断面は、壁121の内面125から離れるにつれて減少し、リップ124を形成する自由端で終端する。
【0036】
ベース11は、図8〜11において別個に示される。これは、内部にレセプタクル14を収納する。説明された例において、これは、ABSから作られているが、別の材料から作ることもできる。
【0037】
ベース11は、底壁16と、円筒形直立部17であって、共に環状溝26を画定する2つの同軸軸方向リブ24および25を外側で囲む円筒形直立部17とを有する。底壁16は、リブ24および25間において、30°に等しい角度の付いた区域である4つの凹部51、52、53、54を設けられる。
【0038】
蓋12は、フック33であって、ベース11に位置し、かつ蓋12の相補的凹部34において係合するフック33を含む閉鎖デバイス123により、閉鎖位置において保持される。
【0039】
軸Zのレセプタクル14は、図12〜14に示される。これは、側壁40による、支持部片140と製品Pを収容するカップ141との組立体によって形成される。
【0040】
カップ141は、円筒形状の内部空間42の境界を定める底壁20と側方直立部21とを含む。直立部21は、ケースの閉鎖構成において蓋12の内面に当接するエッジ63において終端する。エッジ63は、環状ビード64と共に、側壁40を締結するための環状溝73を画定する。
【0041】
この配置構成は、特に側壁40の上部を硬化させるという利点を提供し、経時的により良好な挙動および蓋12の開放時により良好な反跳効果を提供する。
【0042】
側壁40は、例えば、熱可塑性エラストマー、例えばSEBS、またはニトリルゴム(NBR)、またはシリコーンから作られる。
【0043】
図示の実施形態において、壁40は、支持部片140にオーバーモールドされ得、かつカップ141と組み立てられ得る。
【0044】
側壁40は、事実上円形の輪郭を有する。しかしながら、楕円または四角形の輪郭など、輪郭の他の形態も想定され得る。
【0045】
図13および14において見られ得るとおり、側壁40は、凹形中央部分43を有し、凹面は、軸Xの方を向いている。この形態により、側壁40の押しつぶしと、向上した密封のための、蓋12の閉鎖時の軸Xから反対側方向へのその拡大とが促される。
【0046】
壁40は、その上端部において、溝73に挿入されるエッジ400で終端し、その下端部において、支持部片140に固定された凹形中央部分43で終端する。支持部片140は、底部において、ベース11の溝26に収まる周辺ビード142によって外向きに拡張された環状軸受構造を形成する。
【0047】
説明された例において、側壁40は、単一の部片として作られる。これは、押しつぶされ、蓋12およびベース11が共により近づけられることの効果を通じて直径が増加し、高さが減少する。
【0048】
閉鎖構成において、カップ141を閉鎖するシーリングガスケットを形成するために、側壁40の外面56が蓋12の内壁125に接触する。蓋12の環状リブ120は、より良好な密封をさらに促すために外面56に当接する。
【0049】
蓋の開放位置において、側壁の高さは、例えば、8.1cmであり、その幅は、5.4cmである。蓋の閉鎖位置において、側壁の高さは、例えば、6.7cmであり、その幅は、7.1cmである。
【0050】
ケースを閉鎖するために、ユーザは、蓋12をつかみ、それをベース11により近づける。この移動により、側壁40がベースと蓋との間で把持されると、蓋12との密封接触が形成されるまで側壁40が押しつぶされる。
【0051】
したがって、単一の移動において、ユーザは、ベース11と蓋12との間に密封接触を形成し、かつケース10を閉鎖構成に置くことが可能である。
【0052】
閉鎖位置において、蓋12は、シーリングガスケットに均一な圧力をかける。圧力のこの均一性は、閉鎖デバイス123の作用によって促される。
【0053】
実際のデバイス10の位置にかかわらず、ケースから漏洩する製品はない。ケース10は、常に清潔で携帯し易いままである。
【0054】
反対に、蓋の閉鎖位置からケースを開放するため、ユーザは、凹部34からフック33を解放するために閉鎖デバイス123を作動させる。
【0055】
蓋12がロック解除されると、側壁40の圧力が減じることにより、蓋12が開放構成に向かって持ち上がり易くなる。したがって、蓋12およびベース11は、互いからより容易に離れ、蓋を持ち上げるためにユーザによって提供される労力が減る。
【0056】
好ましくは、側壁40を例外として、ケースを形成する異なる要素は、ポリマータイプの熱可塑性材料、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンアクリロニトリル(SAN)またはポリプロピレンの射出成形によって作られる。
【0057】
当然のことながら、本発明は、ここで説明された例示的実施形態に限定されない。
【0058】
本発明は、特にケースの任意の形態およびレセプタクルの任意の構造に適用される。
【符号の説明】
【0059】
10 デバイス、11 ベース、12 蓋、14 レセプタクル、40 側壁、120 内部スカート、122 蝶番、123 閉鎖デバイス、140 支持部片、141 カップ、P 製品、X 軸、Y 軸、Z 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14