特許第6808909号(P6808909)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6808909
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】成形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/14 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   B29C45/14
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-150669(P2016-150669)
(22)【出願日】2016年7月29日
(65)【公開番号】特開2018-16057(P2018-16057A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2019年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126398
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】小辻 隆史
【審査官】 瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−116139(JP,A)
【文献】 特開2000−043088(JP,A)
【文献】 特開2013−252644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C33/12−33/18,45/14,45/26−45/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め第1の樹脂材料を成形したインサート部材を金型内に挿入し、第2の樹脂材料をキャビティ内に射出して当該インサート部材と一体に成形する成形方法であって、
前記インサート部材の一部を金型で挟み込んで固定するとともに、第2の樹脂材料を射出するゲートを、前記インサート部材の第2の樹脂材料と接する面側の外周縁から高さ方向に離間した位置に設けることを特徴とし、
前記金型の突き合わせ面に前記第2の樹脂材料が流通する樹脂流路が形成され、当該樹脂流路のキャビティに臨む端部が前記ゲートとされており、
ゲートをインサート部材の前記外周縁よりも距離Dだけ高い位置に形成し、距離Dを0.3mm〜1.0mmとすることを特徴とする成形方法。
【請求項2】
予め第1の樹脂材料を成形したインサート部材を金型内に挿入し、第2の樹脂材料をキャビティ内に射出して当該インサート部材と一体に成形する成形方法であって、
前記インサート部材の一部を金型で挟み込んで固定するとともに、第2の樹脂材料を射出するゲートを、前記インサート部材の第2の樹脂材料と接する面側の外周縁から高さ方向に離間した位置に設けることを特徴とし、
前記金型の突き合わせ面に前記第2の樹脂材料が流通する樹脂流路が形成され、当該樹脂流路のキャビティに臨む端部が前記ゲートとされており、
前記インサート部材の前記第2の樹脂材料が成形される面を挟んで両側に前記金型で挟み込んで固定する保持部を設けることを特徴とする成形方法。
【請求項3】
前記インサート部材は湾曲面を有しており、当該湾曲面上に前記第2の樹脂材料が射出されることを特徴とする請求項1または2記載の成形方法。
【請求項4】
前記第2の樹脂材料は、エラストマーであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の成形方法。
【請求項5】
予め第1の樹脂材料を成形したインサート部材を金型内に挿入し、第2の樹脂材料をキャビティ内に射出して当該インサート部材と一体に成形する成形方法であって、
前記インサート部材の一部を金型で挟み込んで固定するとともに、第2の樹脂材料を射出するゲートを、前記インサート部材の第2の樹脂材料と接する面側の外周縁から離間した位置に設けることを特徴とし、
成形される成形品は、自動車用ドアトリムのグリップ部分であることを特徴とする成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インサート部材を挿入して一体に成形する成形方法(いわゆるインサート成形方法)に関するものであり、特に、射出する樹脂材料のはみ出しを防止するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用のドアトリムは、プラスチック材料を成形することにより製造されるが、例えば手で握る部分をグリップ性の良い材料で形成すること等が要求されることがある。一般にプラスチック材料の成形品は滑りやすく、手で握る部分を例えばエラストマー等で形成すれば、グリップ性を大きく改善することができる。
【0003】
このような異なる2種類の樹脂材料からなる成形品を成形する技術としては、いわゆるインサート成形が知られている。インサート成形は、予め成形した成形品をインサート部材として金型内に挿入し、この状態でエラストマー等の樹脂材料を射出することで一体に成形する方法である。
【0004】
例えば、特許文献1には、中空状の芯材の外表面にインサートインジェクション工法によりエラストマー表皮を一体化した自動車用内装部品が開示されている。特許文献1に記載される自動車用内装部品では、芯材における一方側の半割体内面に遮断リブを設けることにより、インサートインジェクション成形時、エラストマー樹脂が芯材内部に侵入するのを規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−314451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、インサート部材の片面にのみエラストマー等からなる表皮材をインサート成形する場合、インサート部品の浮き上がりによりエラストマーがインサート部材の裏面にまで回り込んでしまうことがあり、製品の見栄えを大きく損なう要因となっている。特に、成形直後のインサート部材は変形し易く、インサート部材が変形した際に金型との間に隙間が発生し、そこから射出したエラストマーがはみ出す懸念がある。
【0007】
本発明は、前述の従来の実情に鑑みてなされたものであり、金型とインサート部材間の隙間の形成を抑えることができ、金型内に射出した樹脂材料がインサート部材の裏面に回り込むことがなく、見栄えのよい成形品をインサート成形することができる成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明の成形方法は、予め第1の樹脂材料を成形したインサート部材を金型内に挿入し、第2の樹脂材料をキャビティ内に射出して当該インサート部材と一体に成形する成形方法であって、前記インサート部材の一部を金型で挟み込んで固定するとともに、第2の樹脂材料を射出するゲートを、前記インサート部材の第2の樹脂材料と接する面側の外周縁から高さ方向に離間した位置に設けることを特徴とし、前記金型の突き合わせ面に前記第2の樹脂材料が流通する樹脂流路が形成され、当該樹脂流路のキャビティに臨む端部が前記ゲートとされており、ゲートをインサート部材の前記外周縁よりも距離Dだけ高い位置に形成し、距離Dを0.3mm〜1.0mmとすることを特徴とする。あるいは、予め第1の樹脂材料を成形したインサート部材を金型内に挿入し、第2の樹脂材料をキャビティ内に射出して当該インサート部材と一体に成形する成形方法であって、前記インサート部材の一部を金型で挟み込んで固定するとともに、第2の樹脂材料を射出するゲートを、前記インサート部材の第2の樹脂材料と接する面側の外周縁から高さ方向に離間した位置に設けることを特徴とし、前記金型の突き合わせ面に前記第2の樹脂材料が流通する樹脂流路が形成され、当該樹脂流路のキャビティに臨む端部が前記ゲートとされており、前記インサート部材の前記第2の樹脂材料が成形される面を挟んで両側に前記金型で挟み込んで固定する保持部を設けることを特徴とする。
【0009】
インサート部材を金型で固定することで、インサート部材の変形等に起因する隙間の発生が抑えられる。加えて、インサート部材の第2の樹脂材料と接する面側の外周縁から離間した位置に第2の樹脂材料を射出するゲートを設けることで、第2の樹脂材料を射出した時にインサート部材に向かう樹脂流れが生じ、その力によってインサート部材の浮き上がりが抑制される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、金型とインサート部材間の隙間の形成を抑えることができ、金型内に射出した樹脂材料がインサート部材の裏面に回り込むことがなく、樹脂のはみ出しのない見栄えのよい成形品をインサート成形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】インサート成形により成形される成形品の一例を示す概略斜視図である。
図2】インサート部材の金型への挿入状態を示す図であり、図1のA−A線方向における概略断面図である。
図3】インサート部材の金型への挿入状態を示す図であり、図1のB−B線方向における概略断面図である。
図4】ゲート近傍を拡大して示す要部概略断面図である。
図5】インサート部材の金型への挿入状態を示す図であり、ゲートをインサート部材の表面と一致させた場合の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の成形方法の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
本発明の成形方法で成形される成形品としては、例えば自動車用ドアトリム等を挙げることができる。図1は、成形されるドアトリムを模式的に示すものである。図1に示す成形品1は、第1の樹脂材料により所定の形状に成形されたインサート部材2に、エラストマー等の第2の樹脂材料からなる表皮材3を一体に形成してなるものである。手で握る部分がインサート部材2とは異なる第2の樹脂材料(エラストマ)で形成されているので、グリップ性が良好なものとなる。
【0014】
本例の成形品1の場合、インサート部材2は湾曲面を有しており、この上にエラストマー等からなる表皮材3が形成されている。湾曲していることと、エラストマーにより形成されていることにより、握り易くなっている。また、インサート部材2の湾曲面の両側には、保持部2a,2bが形成されている。成形品1は、この保持部2a,2bを他の部材と結合することで、自動車のドア等に組み込まれる。
【0015】
このような成形品1を成形するには、先ず、インサート部材2を予め第1の樹脂材料により成形しておく。インサート部材2の成形方法としては、任意の成形方法を採用することができ、例えば射出成形により成形する。勿論、インサート部材2の成形方法はこれに限定されるものではない。
【0016】
インサート部材2を形成するために用いられる第1の樹脂材料についても、要求される機械特性等に応じて任意の樹脂材料を使用することができ、特に限定されない。例示するならば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル等のエンジニアリング・プラスチック等を挙げることができ、必要に応じて適宜にガラス繊維、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等の充填材を添加することもできる。
【0017】
インサート部材2の成形の後、いわゆるインサート成形を行い、エラストマー等からなる表皮材3を一体に形成する。インサート成形に際しては、金型キャビティ内に予め成形したインサート部材2を挿入しておき、その状態でエラストマー等の第2の樹脂材料を金型キャビティ内に射出する。
【0018】
図2は、一対の金型11,12を突き合せることにより形成されるキャビティ13内へインサート部材2を挿入した状態を示すものであり、図1のA−A線方向での断面図である。前述の通り、インサート部材2の湾曲面の両側には保持部2a,2bが形成されているが、本実施形態の成形方法では、これら保持部2a,2bを金型11,12間に挟み込み、機械的に固定するようにしている。
【0019】
成形した直後のインサート部材2は、変形し易く、金型11,12内に挿入した際に隙間が生じ易い。本実施形態の成形方法では、インサート部材2の保持部2a,2bを金型11,12間に挟み込み、機械的に固定しているので、金型キャビティ内に確実に固定することができる。また、金型11,12で保持部2a,2bを挟み込むことにより、矯正力も加わるので、インサート部材2に変形等が生じていても、矯正されて隙間の無い状態で金型キャビティ内に固定される。
【0020】
前記保持部2a,2bは、インサート部材2を金型11,12間に挟み込むために必要であり、インサート部材2の成形の際に形成する必要がある。これら保持部2a,2bは、インサート成形が終了した後に、切断等により削除してもよいし、そのまま成形品1の一部として利用してもよい。本実施形態では、保持部2a,2bを成形品1の一部として残し、これを利用して他の部材と結合するようにしている。また、保持部2a,2bは、インサートされる部材(インサート部材2)の第2の樹脂材料が射出される領域(表皮材3が形成される領域)を挟んで両側に2箇所設けることが好ましく、インサート部材2の形状等によっては3箇所以上設けてもよい。
【0021】
一方、図3は、やはり一対の金型11,12を突き合せることにより形成されるキャビティ13内へインサート部材2を挿入した状態を示すものであり、図1のB−B線方向での断面図である。
【0022】
インサート部材2を金型11,12間のキャビティ13内に挿入することは前述の通りであるが、図1のB−B線方向での断面においては、金型11,12の突き合せ面11a,12aのいずれかに、第2の樹脂材料が流通する樹脂流路Fと、樹脂流路Fを流通した第2の樹脂材料をキャビティ13内に射出するためのゲートGが設けられている。本実施形態においては、図中下側の金型11の突き合わせ面11aに形成された溝部を樹脂流路Fとし、ゲートGは樹脂流路Fのキャビティ13側の端部に形成されている。第2の樹脂材料は、このゲートGからキャビティ13内へ射出される。
【0023】
この時、ゲートGをインサート部材2の射出面に対して垂直方向に設置することも考えられるが、この場合には、成形後の表皮材3の表面にゲート痕が形成されてしまう。そこで、本実施形態では、インサート部材2の射出面に対して水平方向から第2の樹脂材料が射出されるようにゲートGを設けることが前提である。
【0024】
これを前提として、本実施形態の場合、ゲートGは金型11,12の突き合わせ面であるパーティングライPLの位置に形成されており、インサート部材2の横方向(B−B線方向)から第2の樹脂材料が射出される。この時、樹脂流れをダウンフローとするために、金型の突き合わせ方向において、ゲートGがインサート部材2の上面2c(第2の樹脂材料と接する面)側の外周縁Eから離間するように設定されている。
【0025】
図4は、ゲート付近を拡大して示す図面である。本例の場合、金型11,12が上下に突き合わされる構成となっており、ゲートGは下側の金型11の突き合わせ面11aに形成されている。したがって、金型11,12を突き合わせた際にキャビティ13内に臨む金型11,12間の境界線であるパーティングラインPLを、金型の突き合わせ方向において、インサート部材2の前記外周縁Eから所定の距離をもって離間させ、ゲートGが外周縁Eから距離Dだけ離間するようにしている。すなわち、ゲートGをインサート部材2の前記外周縁Eよりも距離Dだけ高い位置に形成している。
【0026】
比較のために、図5にゲートGの位置がインサート部材2の外周縁Eと一致する場合について示す。第2の樹脂材料を射出して表皮材3を成形する際には、できるだけ表皮材3にゲート痕が残らないように、図5に示すように、ゲートGの位置をインサート部材2の上面2cと一致させることが好ましい。すなわち、金型11,12間のパーティングラインPLをインサート部材2の外周縁Eと一致させ、ゲートGの位置をインサート部材2の外周部の上面2cと一致させることが好ましい。
【0027】
ただし、図5に示すようにゲートGの位置をインサート部材2の外周部の上面2cと一致させた場合、第2の樹脂材料の射出の際に、インサート部材2に浮き上がりが生じて金型11との間に隙間が生じ、そこから第2の樹脂材料がはみ出す懸念がある。第2の樹脂材料のインサート部材2裏面へのはみ出しは、成形品1の見栄えを大きく損なうものであり、成形品1の品質を低下する要因となる。
【0028】
そこで、本実施形態では、前述の通りゲートGの位置がインサート部材2の外周部の上面2c(外周縁E)よりも高くなるようにし、インサート部材2の浮き上がりを抑えるようにしている。ゲートGの位置がインサート部材2の外周部の上面2cよりも高い(離間した)位置にあれば、第2の樹脂材料の射出の際の樹脂流れが、インサート部材2の外周部の上面2cに向かうダウンフローとなり、インサート部材2の浮き上がりが抑えられる。
【0029】
また、本実施形態の成形方法では、インサート部材2の表皮材3が形成される面2dが湾曲面となっており、最も高い部分の高さがゲートGよりも高くなっているので、これによる浮き上がり防止効果も期待できる。ゲートGから射出された第2の樹脂材料は、湾曲面を乗り越えるように流れるため、湾曲面2dを下方に押し付けるような力が働く。これにより、インサート部材2の浮き上がりがさらに抑えられる。
【0030】
インサート部材2が湾曲面を有する場合、インサート部材2の成形後の変形が顕著になる傾向にあり、第2の樹脂材料の射出吐時の浮き上がりの他、金型へ挿入し難くなるという問題もある。本実施形態のように、インサート部材2の保持部2a,2bを金型11,12間に挟み込み、機械的に固定するようにすることで、インサート部材2の金型への挿入も容易になり、ゲートの位置の適正化による効果や、湾曲面上の樹脂流れによる効果等とも相俟って、第2の樹脂材料の裏面へのはみ出しも確実に防止することが可能である。
【0031】
なお、ゲートGの位置を高くすると、表皮材3の外部から見える位置にゲート痕が形成される可能性が高くなる。したがって、ゲートGの位置は、浮き上がりを抑制する効果と、見栄えの兼ね合いで、最小限に抑えることが好ましい。具体的には、インサート部材2の外周部の上面2cからゲートGまでの距離(高さ)Dを0.3mm〜1.0mmとすることが好ましく、例えば0.5mmに設定することが好ましい。前記距離(高さ)が0.3mm未満であると、十分な浮き上がり防止効果が得られなくなるおそれがある。前記距離(高さ)が1.0mmを越えると、ゲート痕が目立つようになり、見栄えが悪くなるおそれがある。
【0032】
以上のような設定とし、ゲートGから金型11,12により形成されるキャビティ内に第2の樹脂材料を射出し、いわゆるインサート成形を行う。射出する第2の樹脂材料は任意であり、要求される性質等に応じて適宜選定すればよい。例えばグリップ性を良好なものとするためには、エラストマー等が好適である。
【0033】
エラストマーとしては、例えばスチレン系エラストマーや、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体等を例示することができる。スチレン系エラストマーの代表例としては、ポリブタジエンブロックセグメントと、スチレン・ブタジエン共重合体ブロックセグメントとからなるブロック共重合体あるいはその水素添加物、ポリイソプレンブロックセグメントと、スチレン・イソプレン共重合体ブロックセグメントとからなるブロック共重合体あるいはその水素添加物、スチレンを主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体、スチレンと共役ジエン化合物とのランダム共重合体あるいはその水素添加物、スチレンを主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体あるいはその水素添加物等を挙げることができる。
【0034】
インサート部材2のエラストマー等からなる表皮材3を一体に成形すれば、グリップ性の良好なグリップ部分を成形品1として得ることができる。得られる成形品1においては、エラストマー等がインサート部材2の裏面にはみ出すことがなく、見栄えの良い成形品1を得ることができる。
【0035】
以上、本発明を適用した実施形態について説明してきたが、本発明がこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0036】
1 成形品
2 インサート部材
2a,2b 保持部
3 表皮材
11,12 金型
13 キャビティ
図1
図2
図3
図4
図5