(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0010】
図1〜
図3を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。先ず、
図1を参照して、本実施の形態の登山情報管理システム1を説明する。
図1は、本実施の形態の登山情報管理システム1を示すブロック図である。
【0011】
登山情報管理システム1は、サーバ10と、複数の端末装置20と、を備える。
【0012】
サーバ10は、通信ネットワークNに接続されたサーバであり、端末装置20のユーザの登山に関する情報を管理する。通信ネットワークNは、インターネットであるものとするが、LAN(Local Area Network)等、他のネットワークとしてもよい。
【0013】
端末装置20は、登山者としてのユーザがそれぞれ所持する携帯端末装置である。ここでは、端末装置20がスマートフォンであるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、端末装置20が、スマートウォッチ、タブレットPC(Personal Computer)、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC等、他の携帯端末装置(例えば、登山専用の端末装置)であるものとしてもよい。また、端末装置20は、ユーザの操作等の入力を受け付けてサーバ10に情報を送信し、サーバ10から受信した情報を表示する。また、端末装置20は、通信ネットワークN上の基地局、アクセスポイント(いずれも図示略)等を介して、通信ネットワークNに接続されている。
【0014】
なお、登山情報管理システム1は、複数台の端末装置20のユーザの登山に関する情報をサーバ10が管理する構成とする。
【0015】
次いで、
図2を参照して、サーバ10の内部の機能構成を説明する。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、記憶部15と、通信部16と、計時部17と、を備える。サーバ10の各部は、バス18を介して接続されている。
【0017】
CPU11は、サーバ10の各部を制御する制御部である。CPU11は、記憶部15に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、当該プログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0018】
操作部12は、キーボード等のキー入力部と、マウス等のポインティングデバイスとを有し、キー入力及び位置入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0019】
RAM13は、揮発性のメモリであり、各種のデータやプログラムを一時的に格納するワークエリアを形成する。表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、CPU11から指示された表示情報に従い各種表示を行う。
【0020】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、データ及びプログラムを書き込み及び読み出し可能な記憶部である。特に、記憶部15は、登山計画書提供プログラム151、登山計画書データベース152、登山経路情報データベース153、経路状況情報データベース154等を記憶している。
【0021】
登山計画書データベース152は、各端末装置20,…から送信された登山計画書情報を蓄積するためのデータベースである。登山計画書データベース152には、各登山計画書情報が、各登山計画書情報において登山する予定とされているユーザのユーザID、ユーザレベル、及び登山計画書IDの各情報と対応付けて記録されている。ここで、ユーザレベルとは、ユーザの登山経験レベルである。このユーザレベルは、例えば、登山履歴データベース(図示省略)に記録されている登山の経験時間等に基づいて、サーバ10のCPU11が各ユーザのユーザレベル(登山経験レベル)を設定する。このユーザレベルは、例えば登山の経験時間の長さに応じて、例えば初級、中級、上級に設定される。なお、このユーザレベルは、初級、中級、上級の3段階に限るものではなく、3段階より多い多段階に設定されるものであってもよい。
【0022】
登山経路情報データベース153は、各端末装置20,…から送信された登山経路情報を蓄積するためのデータベースである。ここで、登山経路情報とは、転倒、滑り、滑落等の行動推定情報と登山経路の状況を示す経路状況情報とを含む。登山経路情報データベース153には、各登山経路情報が、ユーザID、ユーザレベル、及び登山計画書IDの各情報と対応付けて記録されている。
【0023】
経路状況情報データベース154は、各登山経路の常時の状況を示す常時経路状況情報を蓄積したデータベースである。
【0024】
通信部16は、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワークNに通信接続されて、通信ネットワークN上の機器との通信を行う。CPU11は、通信部16を介して、通信ネットワークN上の端末装置20と通信が可能である。
【0025】
計時部17は、リアルタイムクロックであり、現在日時を計時し、計時した現在日時情報をCPU11に出力する。
【0026】
次いで、
図3を参照して、端末装置20の機能構成を説明する。
図3は、端末装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0027】
端末装置20は、CPU21と、操作部22と、RAM23と、表示部24と、記憶部25と、通信部26と、センサ部27と、GPS処理部28とを備える。端末装置20の各部は、バス29を介して接続されている。
【0028】
CPU21、RAM23、表示部24は、サーバ10のCPU11、RAM13、表示部14と同様であるため、重複する説明を省略し、異なる部分を主として説明する。
【0029】
CPU21は、端末装置20の各部を制御する制御部である。操作部22は、表示部24の表示画面上に設けられたタッチパネルを有し、ユーザからのタッチ入力を受け付け、その操作情報をCPU21に出力する。
【0030】
記憶部25は、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等により構成され、データ及びプログラムを書き込み及び読み出し可能な記憶部である。特に、記憶部25には、案内プログラム251が記憶されている。
【0031】
通信部26は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路等により構成され、通信ネットワークN上の基地局、アクセスポイント等と電波により情報の送受信を行う。このため、CPU21は、通信部26により、通信ネットワークN上の基地局、アクセスポイント等を介して、サーバ10と通信を行うことができる。
【0032】
センサ部27は、加速度センサ271、角速度センサ272、地磁気センサ273、及び気圧センサ274の全て又は少なくとも一部を備えている。
【0033】
加速度センサ271は、互いに直交する3軸方向の加速度をそれぞれ検出する。そして、加速度センサ271は、検出された各軸の加速度の検出データをCPU21に出力する。
角速度センサ272は、互いに直交する3軸方向を中心とする角速度をそれぞれ検出する。そして、角速度センサ272は、検出された各軸を中心とする角速度の検出データをCPU21に出力する。
地磁気センサ273は、互いに直交する3軸方向の地磁気の大きさをそれぞれ検出する。そして、地磁気センサ273は、検出された各軸の地磁気の検出データをCPU21に出力する。
気圧センサ274は、気圧センサ274の周囲の気圧値を検出するセンサである。気圧センサ274は、検出した気圧値の検出データをCPU21に出力する。
【0034】
測位部28は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信された信号を受信して、端末装置20が存在する現在位置を測位する(GPS測位)。すなわち、測位部28は、例えば、地球低軌道に打ち上げられている複数のGPS衛星から送信される信号(例えば、C/A(Coarse and Acquisitions)コードやP(Precise)コード等の測位符号、アルマナック情報(概略軌道情報)やエフェメリス情報(詳細軌道情報)等の航法メッセージなど)を所定のタイミングで受信アンテナ(図示省略)により受信する。そして、測位部28は、受信アンテナにより受信された信号に基づいて、例えば、3次元測位モードで端末装置20の3次元の現在位置(緯度、経度、高さ)を測定する測位処理を行う。
【0035】
次に、
図4〜
図8を参照して、登山情報管理システム1の動作を説明する。
図4は、登山計画書情報登録処理を示すフローチャートである。
図5は、登山案内処理を示すフローチャートである。
図6は、登山経路情報提供処理を示すフローチャートである。
図7及び
図8は、登山案内処理を実行した際の各状況下における表示画面を示す図である。
【0036】
先ず、
図4を参照して、端末装置20で実行される登山計画書情報登録処理を説明する。登山計画書情報登録処理は、登山計画書を作成し、当該登山計画書に係る登山計画書情報をサーバ10の登山計画書データベース152に登録する処理である。端末装置20において、操作部22を介して、ユーザから登山計画書情報登録処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU21は、記憶部25から読み出して適宜RAM23に展開した案内プログラム251との協働で、登山計画書情報登録処理を実行する。
【0037】
先ず、CPU21は、ユーザによる操作部22の所定操作に基づき、登山計画書が作成されたか否かを判定する(ステップS1)。ここで、登山計画書は、例えば、この登山計画書により登山する予定のユーザのユーザID、登山ルート、入山予定日時、下山予定日時等の項目を有している。そして、登山計画書の作成は、例えば、表示部24に表示された登山計画書作成フォーム(図示省略)上において、上記のユーザID、登山ルート、入山予定日時、下山予定日時等の項目に関する情報を、操作部22を介してユーザが入力することによって、登山計画書が作成されるようになっている。
【0038】
ステップS1において、登山計画書が作成されていないと判定された場合(ステップS1;NO)は、ステップS1の判定処理を繰り返し行う。
一方、ステップS1において、登山計画書が作成されたと判定された場合(ステップS1;YES)、CPU21は、通信部26を介して、作成された登山計画書に係る登山計画書情報をサーバ10に送信し(ステップS2)、登山計画書情報登録処理を終了する。
【0039】
次いで、
図5を参照して、端末装置20で実行される登山案内処理を説明する。登山案内処理は、登山計画書データベース152に事前に登録されている登山計画書情報の登山ルートに従ってユーザの登山をガイドする処理である。端末装置20において、操作部22を介して、ユーザから登山案内処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU21は、記憶部25から読み出して適宜RAM23に展開した案内プログラム251との協働で、登山案内処理を実行する。
【0040】
先ず、ユーザによる操作部22の所定操作に基づいて、登山計画書データベース152に登録されている登山計画書情報のうち、当該ユーザに対応する登山計画書情報が指定されると(ステップS11)、CPU21は、通信部26を介して、指定された登山計画書情報をサーバ10より受信して、当該登山計画書情報に基づく登山ルート(
図7参照)を表示部24に表示させる(ステップS12)。なお、ここでは指定された登山計画書情報をサーバ10より受信するとしたが、登山計画書が端末装置20で作成されて、端末装置20にその登山計画書が記憶されている状態である場合は、指定された登山計画書情報をサーバ10より受信する必要は無い。
【0041】
そして、CPU21は、ユーザによる操作部22の所定操作に基づいて、案内開始の指示がなされたか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、CPU21は、例えば、
図7の表示画面100Aに表示されているSTARTボタンB1が操作されたか否かを判定する。
ステップS13において、案内開始の指示がなされていないと判定された場合(ステップS13;NO)は、ステップS13の判定処理を繰り返し行う。
一方、ステップS13において、案内開始の指示がなされたと判定された場合(ステップS13;YES)、CPU21は、センサ部27より検出された各検出データに基づき登山経路の状況の推定を例えば一定期間毎に行うとともに、ユーザの行動推定を適宜又は一定期間ごとに行う(ステップS14)。ここで、CPU21は、推定された登山経路の状況を示す経路状況データ及び行動推定情報をRAM23に一時的に格納する。
【0042】
なお、CPU21は、以下の第1ステップ〜第3ステップを繰り返し行う(機械学習を行う)ことにより、登山経路の状況の推定を自動的に行うことを可能とする。
第1ステップ;CPU21は、歩行中のユーザの振動に係る検出データを加速度センサ271より取得し記憶部25に記憶する。
第2ステップ;CPU21は、ユーザによる操作部22の所定操作に基づき、上記の歩行中における登山経路の状況(例えば、ぬかるんでいる、砂利道、舗装路等)を指定させる。
第3ステップ;CPU21は、第2ステップで指定された登山経路の状況を示す経路状況情報と、第1ステップで取得した上記振動に係る検出データとを対応付けて記憶部25に記憶する。
【0043】
そして、CPU21は、登山経路の状況の推定を行う毎に、今回推定された登山経路の状況と前回推定された登山経路の状況とに変化があるか否かを判定する(ステップS15)。
ステップS15において、今回推定された登山経路の状況と前回推定された登山経路の状況とに変化があると判定された場合(ステップS15;YES)、CPU21は、通信部26を介して、今回推定された登山経路の状況を示す経路状況情報、登山経路における当該状況となっている場所及び時刻を示す情報、ユーザID、及び登山計画書IDをサーバ10に送信し(ステップS16)、ステップS17に移行する。
一方、ステップS15において、今回推定された登山経路の状況と前回推定された登山経路の状況とに変化がないと判定された場合(ステップS15;NO)、ステップS16をスキップして、ステップS17に移行する。
【0044】
そして、CPU21は、センサ部27より検出された各検出データに基づきユーザの行動推定を行い、所定の行動推定情報(例えば、転倒、滑り、滑落等の発生を示す情報)があるか否かを、例えば一定期間毎に判定する(ステップS17)。具体的には、CPU21は、加速度センサ271により検出された検出データに基づき、各軸の加速度のベクトル合計が0g(m/s
2)に近づいている状態にあるか否かを判定する。そして、CPU21は、各軸の加速度のベクトル合計が0g(m/s
2)に近づいている状態にあるときの持続時間に応じて、転倒であるか滑落であるかを判定する。例えば、上記の持続時間が所定時間(例えば、500ms)未満である場合、CPU21は、転倒の発生を示す行動推定情報があると判定する。一方、上記の持続時間が所定時間(例えば、500ms)以上である場合、CPU21は、滑落の発生を示す行動推定情報があると判定する。
また、各軸の加速度のベクトル合計が0g(m/s
2)に近づいている状態にない場合、CPU21は、加速度センサ271により検出された検出データが通常の歩行振動波形から外れたデータであるとき、滑りの発生を示す行動推定情報があると判定する。
【0045】
ステップS17において、所定の行動推定情報があると判定された場合(ステップS17;YES)、CPU21は、通信部26を介して、当該行動推定情報、当該行動推定情報が検出された場所及び時刻を示す情報、ユーザID、及び登山計画書IDをサーバ10に送信し(ステップS18)、ステップS19に移行する。
一方、ステップS17において、所定の行動推定情報がないと判定された場合(ステップS17;NO)は、ステップS18をスキップして、ステップS19に移行する。
【0046】
そして、CPU21は、通信部26を介して、サーバ10より登山経路情報を受信したか否かを判定する(ステップS19)。ここで、登山経路情報とは、上述した登山経路の状況情報、及び行動推定情報を指す。
ステップS19において、登山経路情報を受信したと判定された場合(ステップS19;YES)、CPU21は、表示部24に表示されている登山ルートに当該登山経路情報を反映させ(ステップS20)、ステップS21に移行する。具体的には、CPU21は、例えば、
図8(a)の表示画面100Bに示すように、登山ルートのうち、受信した登山経路情報の発生場所に対応する位置に「!」マークの吹き出しIaを表示させるとともに、当該登山経路情報を反映させたことを示す文字情報(例えば、「事故情報です」の文字情報)Ibを表示させる。そして、操作部22を介して、吹き出しIaのタッチ操作がなされると、
図8(b)の表示画面100Cに示すように、詳細情報Icが表示されるようになっている。
一方、ステップS19において、登山経路情報を受信していないと判定された場合(ステップS19;NO)は、ステップS20をスキップして、ステップS21に移行する。
【0047】
そして、CPU21は、ユーザによる操作部22の所定操作に基づいて、案内終了の指示がなされたか否かを判定する(ステップS21)。具体的には、CPU21は、例えば、
図8(a),(b)の表示画面100b,100Cに表示されているSTOPボタンB2が操作されたか否かを判定する。
ステップS21において、案内終了の指示がなされていないと判定された場合(ステップS21;NO)は、ステップS14に移行する。
一方、ステップS21において、案内終了の指示がなされたと判定された場合(ステップS21;YES)、登山案内処理を終了する。
【0048】
次いで、
図6を参照して、サーバ10で実行される登山経路情報提供処理を説明する。
サーバ10において、操作部12を介して、登山経路情報提供処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15から読み出して適宜RAM23に展開した登山計画書提供プログラム151との協働で、登山経路情報提供処理を実行する。
【0049】
先ず、CPU11は、上述した登山案内処理を実行中の端末装置20より登山経路情報を受信したか否かを判定する(ステップS101)。
ステップS101において、登山経路情報を受信していないと判定された場合(ステップS101;NO)は、ステップS101の判定処理を繰り返し行う。
一方、ステップS101において、登山経路情報を受信したと判定された場合(ステップS101;YES)、CPU11は、受信した登山経路情報を登山経路情報データベース153に記録し(ステップS102)、ステップS103に移行する。
【0050】
そして、CPU11は、登山計画書データベース152に記録されている複数の登山計画書情報を対象として、ステップS101で受信した登山経路情報の発生日と同日であって、当該登山経路情報の発生場所をこれから通過する予定の登山計画書情報(特定の登山計画書情報)を検索する(ステップS103)。
そして、ステップS104において、該当する登山計画書情報がないと判定された場合(ステップS104;NO)は、ステップS101に移行する。
一方、ステップS104において、該当する登山計画書情報があると判定された場合(ステップS104;YES)、CPU11は、ステップS101で受信した登山経路情報が経路状況情報のみであるか否かを判定する(ステップS105)。
【0051】
ステップS105において、受信した登山経路情報が経路状況情報のみでないと判定、すなわち、行動推定情報も受信したと判定された場合(ステップS105;NO)、CPU11は、当該経路状況情報及び当該行動推定情報の発生場所及び発生時刻、ユーザレベルを示す情報を、通信部16を介して、上記の該当登山計画書情報に対応するユーザ(以下、対象ユーザとも言う)全員に送信し(ステップS106)、ステップS101に移行する。
一方、ステップS105において、受信した登山経路情報が経路状況情報のみであると判定された場合(ステップS105;YES)、CPU11は、経路状況情報データベース154を参照し、受信した経路状況情報の経路状況が常時の経路状況と異なっているか否かを判定する(ステップS107)。
【0052】
ステップS107において、受信した経路状況情報の経路状況が同じ場所の常時の経路状況と異なっていると判定された場合(ステップS108;YES)、CPU11は、当該経路状況情報の発生場所及び発生時刻、ユーザレベルを示す情報を、通信部16を介して、上記の対象ユーザ全員に送信し(ステップS108)、ステップS101に移行する。
一方、ステップS107において、受信した経路状況情報の経路状況が同じ場所の常時の経路状況と異なっていないと判定された場合(ステップS108;NO)、CPU11は、当該経路状況情報の発生場所及び発生時刻、ユーザレベルを示す情報を、通信部16を介して、上記の対象ユーザのうちユーザレベルが初級であるユーザのみに送信し、ユーザレベルが初級でないユーザには送信せず(ステップS109)、ステップS101に移行する。
【0053】
以上、本実施の形態によれば、サーバ10は、一の登山経路を実際にユーザが通過した際の当該登山経路の状況を示す登山経路情報を取得し、当該登山経路情報の登山経路の状況を示す日と同日であって、当該ユーザが通過した時刻よりも後に当該登山経路を通過する予定となっている登山計画書情報を、登山計画書データベース152において検索し、該当する登山計画書情報が検出された場合、当該登山計画書情報と対応付けられて登山計画書データベース152に記憶されているユーザIDのユーザに対して、取得された登山経路情報を送信する。
【0054】
このため、登山中のユーザやこれから登山を行う予定のユーザに対して、登山当日のリアルタイムの登山経路情報を送信することができ、当該ユーザは当該登山経路情報を念頭に置いて登山を行うことができるようになるので、登山中の事故を軽減することができる。
【0055】
また、サーバ10は、各登山経路の常時の状況を示す常時経路状況情報を記憶する経路状況記憶部(経路状況情報データベース154)を備える。また、サーバ10は、上記登山経路の現在の状況を示す経路状況情報を取得し、当該経路状況を示す日と同日であって、当該ユーザが通過した時刻よりも後に当該登山経路を通過する予定となっている登山計画書情報を、登山計画書データベース152において検索し、該当する登山計画書情報が検出された場合に、経路状況記憶部(経路状況情報データベース154)に記憶されている常時経路状況情報に基づき、取得された経路状況情報による現在の経路の状況が同じ場所の常時の状況と異なっているか否かを判定する。そして、サーバ10は、現在の状況が常時の状況と異なっていると判定された場合、検出された登山計画書情報と対応付けられて登山計画書データベース152に記憶されているユーザIDのユーザ全員を対象として、上記経路状況情報を送信する。このため、登山経路の状況がいつもと違う状況の場合は、登山中のユーザやこれから登山を行う予定のユーザ全員に対して、経路状況情報を送信することとなる。これにより、かかる場合には、ユーザレベルによらず、対象ユーザ全員に対して注意を促すことができるので、登山中の事故を軽減することができる。
【0056】
一方、サーバ10は、登山経路の現在の状況が常時の状況と異なっていないと判定された場合、検出された登山計画書情報と対応付けられて登山計画書データベース152に記憶されているユーザIDのユーザのうち、登山の経験が比較的少ない、ユーザレベルが初級のユーザのみを対象として、上記経路状況情報を送信する。このため、登山経路の状況がいつもと同じ状況の場合は、登山中のユーザやこれから登山を行う予定のユーザのうち、ユーザレベルが初級のユーザ以外のユーザは上記経路状況情報の送信対象から除外することができる。これにより、ユーザレベルが初級のユーザ以外の、中級や上級のユーザが上記経路状況情報を受信することによる煩わしさを解消することができる。
【0057】
また、サーバ10は、所定の行動推定情報を取得した場合、検出された登山計画書情報と対応付けられて登山計画書データベース152に記憶されているユーザIDのユーザ全員を対象として、上記所定の行動推定情報を送信する。このため、登山経路において転倒、滑り、滑落等の行動が推定された場合は、登山中のユーザやこれから登山を行う予定のユーザ全員に対して、上記所定の行動推定情報を送信することとなる。これにより、かかる場合には、ユーザレベルによらず、対象ユーザ全員に対して注意を促すことができるので、登山中の事故を軽減することができる。
【0058】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部15のHDD、SSDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリや、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0059】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0060】
例えば、上記実施の形態では、端末装置20が所定の行動推定や経路の状況の推定を行うようにしたがこれに限定されるものではない。例えば、加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ、測位部等を備える測定装置が所定の行動推定や経路の状況の推定を行い、当該推定結果を示す行動推定情報や経路状況情報を端末装置20に送信する構成としてもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、登山履歴データベース(図示省略)に記録されている登山の経験時間等に基づいて、サーバ10のCPU11が各ユーザのユーザレベルを設定するようにしたがこれに限定されるものではない。例えば、端末装置20において、ユーザによる操作部22の所定操作に基づき、ユーザが自らユーザレベルの設定を行えるように構成し、サーバ10が当該ユーザレベルを示すユーザレベル情報を受信することにより、ユーザレベルを設定するようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施の形態では、端末装置20は、経路の状況に変化があったと判定されたときに、当該経路の状況を示す経路状況情報をサーバ10へ送信するようにしたがこれに限定されるものではない。例えば、端末装置20は、所定時間ごとに経路状況情報を取得するように構成し、当該経路状況情報をサーバ10へ送信するようにしてもよい。
【0063】
また、上記実施の形態における登山情報管理システム1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0064】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
複数の登山計画書情報と該各登山計画書情報において登山予定とされている複数のユーザを識別する複数のユーザIDとを互いに対応付けて記憶する記憶部と、
前記複数のユーザが有する複数の端末装置と通信可能な通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数のユーザにおける少なくとも一人の第1ユーザが、前記登山計画書情報に応じて一の登山経路を実際に通過している間に、当該一の登山経路における第1場所の状況及び当該第1場所での前記第1ユーザの状態の少なくとも何れかを示す登山経路情報を、前記第1ユーザが有する前記端末装置より前記通信部を介して取得し、
前記第1ユーザが前記第1場所を通過した時刻よりも後に当該第1場所を通過する予定となっている少なくとも一つの特定の登山計画書情報が前記複数の登山計画書情報の中にある場合に、当該特定の登山計画書情報と対応付けられている前記ユーザIDに対応する前記ユーザが有する前記端末装置への前記通信部を介した前記登山経路情報の送信を制御することを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記登山経路情報は、前記第1場所の現在の状況を示す経路状況情報を含み、
前記記憶部は、前記登山経路の少なくとも前記第1場所の常時の状況を示す常時状況情報を記憶し、
前記制御部は、
前記登山経路情報により前記経路状況情報が取得され、前記複数の登山計画書情報の中に前記特定の登山計画書情報がある場合に、前記記憶部に記憶されている前記常時状況情報に基づき、前記第1場所の現在の状況が該第1場所の常時の状況と異なっているか否かを判定し、
前記第1場所の現在の状況が該第1場所の常時の状況と異なっていると判定した場合に、前記特定の登山計画書情報と対応付けられている前記ユーザIDに対応する前記ユーザが有する前記端末装置へ、前記通信部を介して、前記経路状況情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記記憶部は、前記複数のユーザの各々の登山経験レベルを示すレベル情報を前記複数のユーザIDの各々と対応付けて記憶し、
前記制御部は、
前記第1場所の現在の状況が該第1場所の常時の状況と異なっていないと判定した場合に、前記特定の登山計画書情報と対応付けられていている前記複数のユーザのうちの、前記登山経験レベルが最も低いレベルである前記ユーザIDに対応する前記ユーザを除く前記ユーザが有する前記端末装置には前記経路状況情報を送信しないことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記登山経路情報は、前記第1場所を前記第1ユーザが実際に通過した際の前記第1ユーザの状態を示す行動推定情報を含み、
前記制御部は、
前記経路情報により前記行動推定情報が取得され、前記複数の登山計画書情報の中に前記特定の登山計画書情報がある場合に、前記特定の登山計画書情報と対応付けられている前記ユーザIDに対応する前記ユーザが有する前記端末装置へ、前記通信部を介して、前記行動推定情報を送信することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の情報処理装置。
<請求項5>
端末装置であって、
ユーザが一の登山経路を登山するように計画された登山計画書情報に基づく登山ルートを表示する表示部と、
前記端末装置とは別に設けられている情報処理装置と通信可能な通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ユーザが前記端末装置を携帯して前記登山計画書情報に応じて前記一の登山経路を通過している間に、前記一の登山経路における前記ユーザが通過予定の第1場所の状況及び前記第1場所における他のユーザの状態の少なくとも何れかを示す登山経路情報を、前記通信部を介して前記情報処理装置より受信した場合に、前記表示部に、前記登山ルートの表示に加えて、前記登山経路情報に応じた情報を表示させることを特徴とする端末装置。
<請求項6>
前記制御部は、
前記登山計画書情報を、前記ユーザを識別するユーザIDと対応付けて前記通信部を介して前記情報処理装置に送信し、
前記ユーザが前記登山計画書情報に基づいて登山を行うときに、前記登山計画書情報を、前記通信部を介して前記情報処理装置より受信して、前記登山計画書情報に基づく前記登山ルートを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項5に記載の端末装置。
<請求項7>
前記ユーザの動作を検出するセンサ部を備え、
前記制御部は、
前記ユーザが前記端末装置を携帯して前記登山計画書情報に応じて前記一の登山経路を通過している間に、前記センサ部の検出結果に基づいて、前記一の登山経路における第2場所の状況及び当該第2場所における前記ユーザの状態の少なくとも何れかを示す登山経路情報を取得し、
前記登山経路情報を前記ユーザIDと対応付けて、前記通信部を介して前記情報処理装置に送信することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の端末装置。
<請求項8>
複数のユーザが携帯する複数の端末装置と、当該複数の端末装置とは別に設けられている情報処理装置と、を備え、
前記複数の端末装置と前記情報処理装置は相互に通信可能であり、
前記情報処理装置は、
複数の登山計画書情報と該各登山計画書情報において登山予定とされている複数のユーザを識別する複数のユーザIDとを互いに対応付けて記憶する記憶部と、第1制御部と、を備え、
前記第1制御部は、前記複数のユーザにおける少なくとも一人の第1ユーザが、前記登山計画書情報に応じて一の登山経路を実際に通過している間に、当該一の登山経路における第1場所の状況及び当該第1場所での前記第1ユーザの状態の少なくとも何れかを示す登山経路情報を、前記第1ユーザが有する前記端末装置より通信により取得し、前記第1ユーザが前記第1場所を通過した時刻よりも後に当該第1場所を通過する予定となっている少なくとも一つの特定の登山計画書情報が前記複数の登山計画書情報の中にある場合に、当該特定の登山計画書情報と対応付けられている前記ユーザIDに対応する前記ユーザが有する前記端末装置への前記登山経路情報の送信を制御し、
前記複数の端末装置の各々は、
前記ユーザが作成した前記登山計画書情報に基づく登山ルートを表示する表示部と、前記ユーザの動作を検出するセンサ部と、第2制御部と、を備え、
前記第2制御部は、
前記ユーザが前記端末装置を携帯して前記登山計画書に応じて前記一の登山経路を通過している間に、前記センサ部の検出結果に基づいて前記登山経路情報を取得し、前記登山経路情報を前記ユーザIDと対応付けて、前記情報処理装置に送信し、
前記ユーザが前記端末装置を携帯して前記登山計画書情報に応じて前記一の登山経路を通過している間に、前記一の登山経路における第1場所の前記登山経路情報が前記情報処理装置から送信されて、当該登山経路情報を受信した場合に、前記表示部に、前記登山ルートの表示に加えて、前記登山経路情報に応じた情報を表示させることを特徴とする情報処理システム。
<請求項9>
情報処理装置における情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、複数の登山計画書情報と該各登山計画書情報において登山予定とされている複数のユーザを識別する複数のユーザIDとを互いに対応付けて記憶する記憶部と、前記複数のユーザが有する複数の端末装置と通信可能な通信部と、を備え、
前記複数のユーザにおける少なくとも一人の第1ユーザが、前記登山計画情報に応じて一の登山経路を実際に通過している間に、当該一の登山経路における第1場所の状況及び当該第1場所での前記第1ユーザの状態の少なくとも何れかを示す登山経路情報を、前記第1ユーザが有する端末装置より前記通信部を介して取得する取得ステップと、
前記第1ユーザが前記第1場所を通過した時刻よりも後に当該第1場所を通過する予定となっている少なくとも一つの特定の登山計画書情報が前記複数の登山計画書情報の中にある場合に、当該特定の登山計画書情報と対応付けられている前記ユーザIDに対応する前記ユーザが有する前記端末装置への前記通信部を介した前記登山経路情報の送信を制御する送信制御ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
<請求項10>
情報処理装置におけるプログラムであって、
前記情報処理装置は、複数の登山計画書情報と該各登山計画書情報において登山予定とされている複数のユーザを識別する複数のユーザIDとを互いに対応付けて記憶する記憶部と、前記複数のユーザが有する複数の端末装置と通信可能な通信部と、を備え、
コンピュータに、
前記複数のユーザにおける少なくとも一人の第1ユーザが、該第1のユーザが作成した前記登山計画書情報に応じて一の登山経路を実際に通過している間に、当該一の登山経路における第1場所の状況及び当該第1場所での前記第1ユーザの状態の少なくとも何れかを示す登山経路情報を、前記第1ユーザが有する端末装置より前記通信部を介して取得させ、
前記第1ユーザが前記第1場所を通過した時刻よりも後に当該第1場所を通過する予定となっている少なくとも一つの特定の登山計画書情報が前記複数の登山計画書情報の中にある場合に、当該特定の登山計画書情報と対応付けられている前記ユーザIDに対応する前記ユーザが有する前記端末装置への前記通信部を介した前記登山経路情報の送信を制御させる、
ことを特徴とするプログラム。