(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリレートは、紫外線や電子線などの活性エネルギー線の照射により、又は加熱によって硬化するため、塗料、インキ、接着剤、光学レンズ、充填剤及び成形材料などの配合物の架橋成分として、又は反応性希釈剤成分として大量に使用されている。
【0003】
これらの(メタ)アクリレートは、対応するアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応や、エステル交換反応により製造されている。
エステル化反応による(メタ)アクリレートの製造では、触媒として硫酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などのスルホン酸が使用されるが、エステル化反応終了後に得られる反応粗生成物から該スルホン酸を除去するために、アルカリ水溶液で抽出洗浄を行う必要があり、工程が煩雑になり生産性の低下が著しい。また、該抽出操作において目的の単官能(メタ)アクリレートの一部がけん化されることにより、収率が低下するという問題がある。
【0004】
一方、エステル交換反応による(メタ)アクリレートの製造では、スルホン酸を使用することなく反応を進めることもでき、有機錫化合物を触媒とする方法(特許文献1参照)、チタン化合物を触媒とする方法(特許文献2参照)、亜鉛化合物を触媒とする方法(特許文献3参照)などが知られている。
しかし、有機錫化合物を触媒とする方法は、得られる(メタ)アクリレートの収率は高いものの、触媒の有害性の観点から、製品への触媒の残留を極力低減するための徹底した精製操作を行わなければならず、特に分子量の大きいアルコールを原料に(メタ)アクリレートを製造する場合、該(メタ)アクリレートの蒸気圧は低いため、蒸留により留出成分として精製取得することが困難であったり、高温低圧条件の蒸留操作となるために重合する危険性が高まる。そのため、液液抽出などの精製操作を複数回施さなければならず、工程が煩雑になり生産性の低下が著しい。
また、分子内にカーボネート結合を有するアルコールや(メタ)アクリレートを原料として使用した場合、該カーボネート結合がエステル交換反応に関与して分解するため、目的の(メタ)アクリレートを純度良く得ることが困難である。
【0005】
また、チタン化合物を触媒とする方法は、得られる(メタ)アクリレートの収率は高いものの、反応性の高い原料アルコールを使用した場合、副反応に起因する着色を惹起することがあり、低色調が要求される用途での価値を損なうことがあった。
また、亜鉛化合物を触媒とする方法は、反応性の低い原料アルコールを使用した場合には、十分な収率が得られないことがあった。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、(メタ)アクリレートと一価アルコールをエステル交換反応させて単官能(メタ)アクリレートを製造するに際し、下記触媒A及び触媒Bを併用することにより、単官能(メタ)アクリレートを低色調で収率よく得るものである。
触媒A:アザビシクロ構造を有する環状3級アミン又はその塩若しくは錯体、アミジン又はその塩若しくは錯体、ピリジン環を有する化合物又はその塩若しくは錯体、及び三級ジアミン構造を有する化合物又はその塩若しくは錯体からなる群から選ばれる一種以上の化合物。
触媒B:亜鉛を含む化合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明において原料として使用する(メタ)アクリレートは、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、例えば、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
【0014】
式中、R
1 は水素原子又はメチル基を表す。R
2 は炭素数1〜50の有機基を表す。
【0015】
上記一般式(1)におけるR
2 の具体例としては、メチル基、エチル基、n−又はi−プロピル基、n−、i−又はt−ブチル基、n−、s−又はt−アミル基、ネオペンチル基、n−、s−又はt−ヘキシル基、n−、s−又はt−ヘプチル基、n−、s−又はt−オクチル基、2−エチルヘキシル基、カプリル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、セチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、ノナデシル基、アラキル基、セリル基、ミリシル基、メリシル基、ビニル基、アリル基、メタリル基、クロチル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、2−メチルブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オレイル基、リノール基、リノレン基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、トリシクロデカニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基、シンナミル基、ナフチル基、アントラニル基、メトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、メトキシエトシキエトキシエチル基、3−メトキシブチル基、エトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、シクロペントキシエチル基、シクロヘキシルオキシエチル基、シクロペントキシエトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエトキシエチル基、ジシクロペンテニルオキシエチル基、フェノキシエチル基、フェノキシエトキシエチル基、グリシジル基、β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル基、2−オキセタンメチル基、3−メチル−3−オキセタンメチル基、3−エチル−3−オキセタンメチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロフルフリル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキサゾラニル基、ジオキサニル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、N,N−ジエチルアミノエチル基、N,N−ジメチルアミノプロピル基、N,N−ジエチルアミノプロピル基、N−ベンジル−N−メチルアミノエチル基、N−ベンジル−N−メチルアミノプロピル基、2−アクリロイルオキシエチル基、2−メタクリロイルオキシエチル基などが挙げられる。
【0016】
本発明ではこれらの(メタ)アクリレートを単独で又は二種以上を任意に組み合わせて使用できる。これらの(メタ)アクリレートの中では、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレートが好ましく、特に殆どの一価アルコールに対して良好な反応性を示し、入手が容易なメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレートが好ましい。さらに、極めて良好な反応性を示す2−メトキシエチルアクリレートがより好ましい。
【0017】
本発明において原料として使用する一価アルコールは、分子中に1個のアルコール性水酸基を有する脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコールなどであり、分子内にその他の官能基や結合、例えばフェノール性水酸基、ケトン基、アシル基、アルデヒド基、チオール基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、ニトロ基、ビニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、イミド結合、ペプチド結合、ウレタン結合、アセタール結合、ヘミアセタール結合、ヘミケタール結合、不飽和二重結合などを有してもよい。
【0018】
これら一価アルコールの具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノメチルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノエチルエーテル、テトラメチレングリコールモノメチルエーテル、テトラメチレングリコールモノエチルエーテル、ポリテトラメチレングリコールモノメチルエーテル、ポリテトラメチレングリコールモノエチルエーテル、グリシドール、2−(2−クロロエトキシ)エタノール、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、2−エチルヘキシルアルコールのアルキレンオキサイド変性物等の分子内にエーテル結合を有する一価アルコール;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(別名エチレングリコールモノビニルエーテル)、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、1−メチル−3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−メチル−2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノビニルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、ポリテトラメチレングリコールモノビニルエーテル1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、イソソルビドモノビニルエーテル、p−キシレングリコールモノビニルエーテル、m−キシレングリコールモノビニルエーテル、o−キシレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、ペンタエチレングリコールモノビニルエーテル、オリゴエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノビニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノビニルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノビニルエーテル、オリゴプロピレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体モノビニルエーテル等の分子内にビニル基とエーテル結合を有する一価アルコール;トリシクロ[ 5 . 2 . 1 . 0
2 , 6 ] デセノール(別名ヒドロキシジシクロペンタジエン)、トリシクロ[ 5 . 2 . 1 . 0
2 , 6 ] デカノール、トリシクロ[ 5 . 2 . 1 . 0
2 , 6 ] デセニルオキシエタノール、トリシクロ[ 5 . 2 . 1 . 0
2 , 6 ] デカニルオキシエタノール、トリシクロ[ 5 . 2 . 1 . 0
2 , 6 ] デセニルオキシプロパノール、トリシクロ[ 5. 2 . 1 . 0
2 , 6 ] デカニルオキシプロパノール、トリシクロ[ 5 . 2 . 1 . 0
2 , 6] デセニルオキシエトキシエタノ− ル、トリシクロ[ 5 . 2 . 1 . 0
2 , 6 ] デカニルオキシエトキシエタノール、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、オキセタニルメタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、テトラヒドロピラニルアルコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノメチルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノメチルエーテル、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノメチルエーテル、イソソルビドモノメチルエーテル、イソソルビドモノエチルエーテル、2,3−O−sec−ブチリデングリセロール、5−エチル−5−(ヒドロキシルメチル)−1,3−ジオキサン、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、グリセロール1,2−カルボナート、1,3−ジオキソラン−4−イルメタノール、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール、β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトン、β−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトン等の環構造を有する一価アルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、p−キシレングリコールモノメチルエーテル、m−キシレングリコールモノメチルエーテル、o−キシレングリコールモノメチルエーテル、フェノールのアルキレンオキサイド変性物、o−フェニルフェノールのアルキレンオキサイド変性物、パラクミルフェノールのアルキレンオキサイド変性物、ノニルフェノールのアルキレンオキサイド変性物等の芳香族アルコールなどが挙げられる。
【0019】
本発明ではこれらの一価アルコールを単独で又は二種以上を任意に組み合わせて使用できる。これらの一価アルコールの中では、特にベンジルアルコール、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ヒドロキシジシクロペンタジエンおよびグリセロール1,2−カルボナートが好ましい。なお、これらの一価アルコールについて、その水和物又は溶媒和物が存在する場合には、該水和物及び溶媒和物も本発明の製造方法における一価アルコールとして使用できる。
【0020】
本発明の製造方法における一価アルコールと(メタ)アクリレートの使用割合は特に制限はないが、好ましくは一価アルコールの水酸基1モルに対して(メタ)アクリレートを0.4〜10.0モル、より好ましくは0.6〜5.0モル使用する。(メタ)アクリレートが0.4モルより少ないと、副反応が多くなる。また、10.0モルよりも多いと、単官能(メタ)アクリレートの生成量が少なく、生産性に劣る。
【0021】
本発明の製造方法では溶媒を使用せずに反応させることもできるが、必要に応じて溶媒を使用してもよく、具体例としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、ジアミルベンゼン、トリアミルベンゼン、ドデシルベンゼン、ジドデシルベンゼン、アミルトルエン、イソプロピルトルエン、デカリン、テトラリンなどの炭化水素類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジエチルアセタール、ジヘキシルアセタール、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トリオキサン、ジオキサン、アニソール、ジフェニルエーテル、ジメチルセロソルブ、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどのエーテル類、18−クラウン−6などのクラウンエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、2−メトキシエタノール、グリセリンなどのアルコール類、安息香酸メチル、γ- ブチロラクトンなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどのケトン類、スルホランなどのスルホン類、ジメチルスルホキサイドなどのスルホキサイド類、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネートなどのカーボネート化合物、尿素類又はその誘導体、トリブチルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド類、イミダゾリウム塩、ピペリジニウム塩、ピリジニウム塩などのイオン液体、シリコンオイル、水などが挙げられる。これらの溶媒の中では、炭化水素類、エーテル類、アルコール類、カーボネート化合物、イオン液体が好ましい。これらの溶媒は単独で使用してもよく、二種以上を任意に組み合わせて混合溶媒として使用してもよい。
【0022】
本発明の製造方法における触媒Aは、アザビシクロ構造を有する環状3級アミン又はその塩若しくは錯体、アミジン又はその塩若しくは錯体、ピリジン環を有する化合物又はその塩若しくは錯体、三級ジアミン構造を有する化合物又はその塩若しくは錯体からなる群から選ばれる一種以上の化合物である。
上記アザビシクロ構造を有する環状3級アミン又はその塩若しくは錯体の具体例としては、1−アザビシクロ[1,1,0]ブタン、1,3−ジアザビシクロ[1,1,0]ブタン、1−アザビシクロ[2,1,0]ヘプタン、1,3−ジアザビシクロ[2,1,0]ヘプタン、1,4−ジアザビシクロ[2,1,0]ヘプタン、1−アザビシクロ[2,2,0]ヘキサン、1,3−ジアザビシクロ[2,2,0]ヘキサン、1−アザビシクロ[2,1,1]ヘキサン、1,3−ジアザビシクロ[2,1,1]ヘキサン、1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,3−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1−アザビシクロ[3,2,0]ヘプタン、1,3−ジアザビシクロ[3,2,0]ヘプタン、1,4−ジアザビシクロ[3,2,0]ヘプタン、1,6−ジアザビシクロ[3,2,0]ヘプタン、1,3−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1−アザビシクロ[3,2,1]オクタン、1,3−ジアザビシクロ[3,2,1]オクタン、1,4−ジアザビシクロ[3,2,1]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[3,2,1]オクタン、1,6−ジアザビシクロ[3,2,1]オクタン、1−アザビシクロ[4,1,1]オクタン、1,3−ジアザビシクロ[4,1,1]オクタン、1,4−ジアザビシクロ[4,1,1]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4,1,1]オクタン、1,6−ジアザビシクロ[4,1,1]オクタン、1,7−ジアザビシクロ[4,1,1]オクタン、1−アザビシクロ[4,2,0]オクタン、1,3−ジアザビシクロ[4,2,0]オクタン、1,4−ジアザビシクロ[4,2,0]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4,2,0]オクタン、1,7−ジアザビシクロ[4,2,0]オクタン、1−アザビシクロ[3,3,1]ノナン、1,3−ジアザビシクロ[3,3,1]ノナン、1,4−ジアザビシクロ[3,3,1]ノナン、1,5−ジアザビシクロ[3,3,1]ノナン、1−アザビシクロ[3,2,2]ノナン、1,3−ジアザビシクロ[3,2,2]ノナン、1,4−ジアザビシクロ[3,2,2]ノナン、1,5−ジアザビシクロ[3,2,2]ノナン、1,6−ジアザビシクロ[3,2,2]ノナン、1,8−ジアザビシクロ[3,2,2]ノナン、1−アザビシクロ[4,3,0]ノナン、1,3−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナン、1,4−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナン、1,6−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナン、1,7−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナン、1,8−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナン、1−アザビシクロ[4,2,1]ノナン、1,3−ジアザビシクロ[4,2,1]ノナン、1,4−ジアザビシクロ[4,2,1]ノナン、1,5−ジアザビシクロ[4,2,1]ノナン、1,6−ジアザビシクロ[4,2,1]ノナン、1,7−ジアザビシクロ[4,2,1]ノナン、1−アザビシクロ[5,2,0]ノナン、1,3−ジアザビシクロ[5,2,0]ノナン、1,3−ジアザビシクロ[5,2,0]ノナン、1,4−ジアザビシクロ[5,2,0]ノナン、1,5−ジアザビシクロ[5,2,0]ノナン、1,6−ジアザビシクロ[5,2,0]ノナン、1,7−ジアザビシクロ[5,2,0]ノナン、1,8−ジアザビシクロ[5,2,0]ノナン、1−アザビシクロ[5,1,1]ノナン、1,3−アザビシクロ[5,1,1]ノナン、1,4−アザビシクロ[5,1,1]ノナン、1,5−アザビシクロ[5,1,1]ノナン、1,6−アザビシクロ[5,1,1]ノナン、1,7−アザビシクロ[5,1,1]ノナン、1−アザビシクロ[6,1,0]ノナン、1,3−ジアザビシクロ[6,1,0]ノナン、1,4−ジアザビシクロ[6,1,0]ノナン、1,5−ジアザビシクロ[6,1,0]ノナン、1,6−ジアザビシクロ[6,1,0]ノナン、1,7−ジアザビシクロ[6,1,0]ノナン、1,8−ジアザビシクロ[6,1,0]ノナン、1−アザビシクロ[7,1,0]デカン、1,9−ジアザビシクロ[7,1,0]デカン、1−アザビシクロ[6,2,0]デカン、1,8−ジアザビシクロ[6,2,0]デカン、1−アザビシクロ[6,1,1]デカン、1,8−ジアザビシクロ[6,1,1]デカン、1−アザビシクロ[5,3,0]デカン、1,7−ジアザビシクロ[5,3,0]デカン、1−アザビシクロ[5,2,1]デカン、1,7−ジアザビシクロ[5,2,1]デカン、1−アザビシクロ[4,3,1]デカン、1,6−ジアザビシクロ[4,3,1]デカン、1−アザビシクロ[4,2,2]デカン、1,6−ジアザビシクロ[4,2,2]デカン、1−アザビシクロ[5,4,0]ウンデカン、1,7−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカン、1−アザビシクロ[5.3.1]ウンデカン、1,7−ジアザビシクロ[5,3,1]ウンデカン、1−アザビシクロ[5,2,2]ウンデカン、1,7−ジアザビシクロ[5,2,2]ウンデカン、1−アザビシクロ[4,4,1]ウンデカン、1,7−ジアザビシクロ[4,4,1]ウンデカン、1−アザビシクロ[4,3,2]ウンデカン、1,7−ジアザビシクロ[4,3,2]ウンデカン、1−アザビシクロ[3,3,0]オクタン、1−アザビシクロ[4,3,0]ノナン、キヌクリジン、ルピナン、ルピニン、キノリジジン、3−ヒドロキシキヌクリジン、3−キヌクリジノン、キンコリン、キンコリジン、シンコニジン、シンコニン、キニジン、キニン、クプレイン、イボガイン、スワインソニン、カスタノスペルミン、ミアンセリン、ミルタザピン、カナジン、トレーガー塩基、1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−3−カルボン酸、トリエチレンジアミン(別名DABCO)、2−(ヒドロキシメチル)トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、3−キノリジノン塩酸塩、3−クロロ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン塩酸塩、シンコニジン二塩酸塩、シンコニン塩酸塩水和物、シンコニジン硫酸塩二水和物、ヒドロキニジン塩酸塩、シンコニン硫酸塩二水和物、キニン塩酸塩二水和物、硫酸キニーネ二水和物、キニンリン酸塩、キニジン硫酸塩二水和物、ミアンセリン塩酸塩、1,1'−(ブタン−1,4−ジイル)ビス[4−アザ−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]オクタン]ジブロミド、1,1'−(デカン−1,10−ジイル)ビス[4−アザ−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]オクタン]ジブロミド、ビス(トリメチルアルミニウム)−1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン付加物、ビスムチン、キヌクリジン塩酸塩、3−キヌクリジノン塩酸塩、3−ヒドロキシキヌクリジン塩酸塩、DABCO塩酸塩、キヌクリジン酢酸塩、3−キヌクリジノン酢酸塩、3−ヒドロキシキヌクリジン酢酸塩、DABCO酢酸塩、キヌクリジンアクリル酸塩、3−キヌクリジノンアクリル酸塩、3−ヒドロキシキヌクリジンアクリル酸塩、DABCOアクリル酸塩などが挙げられる。
【0023】
上記アミジン又はその塩若しくは錯体の具体例としては、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(別名DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン(別名DBN)、N−メチルイミダゾール塩酸塩、DBU塩酸塩、DBN塩酸塩、N−メチルイミダゾール酢酸塩、DBU酢酸塩、DBN酢酸塩、N−メチルイミダゾールアクリル酸塩、DBUアクリル酸塩、DBNアクリル酸塩、フタルイミドDBUなどが挙げられる。
【0024】
上記ピリジン環を有する化合物又はその塩若しくは錯体の具体例としては、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−プロピルピリジン、4−プロピルピリジン、4−イソプロピルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、4−アミルピリジン、4−(1−エチルプロピル)ピリジン、4−(5−ノニル)ピリジン、2−ビニルピリジン、2,3−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、3,5−ジメチルピリジン、3,5−ジエチルピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(別名DMAP)、2,4,6−トリメチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、N,N−ジメチル−2−アミノピリジン、4−ピペリジノピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−フェニルピリジン、キノリン、2−メチルキノリン、3−メチルキノリン、4−メチルキノリン、6−メチルキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、イソキノリン、1−メチルイソキノリン、アクリジン、3,4−ベンゾキノリン、5,6−ベンゾキノリン、7,8−ベンゾキノリン、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2,6−ジヒドロキシピリジン、2−(ヒドロキシメチル)ピリジン、3−(ヒドロキシメチル)ピリジン、4−(ヒドロキシメチル)ピリジン、5−ヒドロキシイソキノリン、2−メトキシピリジン、3−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2,6−ジメトキシピリジン、1,5−ナフチリジン、1,6−ナフチリジン、1,7−ナフチリジン、1,8−ナフチリジン、2,6−ナフチリジン、2,7−ナフチリジン、2,2’-ビピリジル、3,3’-ビピリジル、4,4’-ビピリジル、2,3’-ビピリジル、2,4’-ビピリジル、3,4’-ビピリジル、4,4’−エチレンジピリジン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,10−フェナントロリン一水和物、2−(トリメチルシリル)ピリジン、DMAP塩酸塩、DMAP酢酸塩、DMAPアクリル酸塩、1−メチルピリジニウムクロリド、1−プロピルピリジニウムクロリド、ボラン−ピリジン コンプレックス、ボラン−2−ピコリン コンプレックス、パラトルエンスルホン酸ピリジニウムなどが挙げられる。
【0025】
上記三級ジアミン構造を有する化合物又はその塩若しくは錯体は、下記一般式(2)で示される構造を含む化合物などが挙げられる。
【0027】
(式中、R
3 、R
4 、R
5 及びR
6 は、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルケニル基、炭素数6〜24のアリール基、若しくは、炭素数5〜20のシクロアルキル基であり、アミノ基、水酸基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合を有していてもよい。R
7 及びR
8 は、水素原子又はメチル基である。nは1〜12の整数である。)
【0028】
上記三級ジアミン構造を有する化合物又はその塩若しくは錯体の具体例としては、N,N,N',N'−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N',N'− テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N’’,N’’− ペンタメチルジエチレントリアミン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,2−ジアミノプロパン、N'−(2−ヒドロキシエチル)−N,N,N'−トリメチルエチレンジアミン、1−(2−ジメチルアミノエチル)−4−メチルピペラジン、N,N,N',N'− テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N−メチル−N,N−ビス[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アミン、N,N,N',N'−テトラメチル−2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N',N'− テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン塩酸塩、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン酢酸塩、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンアクリル酸塩などが挙げられる。
【0029】
本発明ではこれらの触媒Aを単独で又は二種以上を任意に組み合わせて使用できる。これらの触媒Aの中では、キヌクリジン、3−キヌクリジノン、3−ヒドロキシキヌクリジン、DABCO、N−メチルイミダゾール、DBU、DBN、DMAP、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが好ましく、特に殆どのアルコールに対して良好な反応性を示し、入手が容易なDABCO、N−メチルイミダゾール、DBU、DMAP、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが好ましい。
【0030】
本発明の製造方法における触媒Aの使用量は特に制限はないが、好ましくは一価アルコールの水酸基1モルに対して触媒Aを0.0001〜0.5モル使用することが好ましく、さらに好ましくは0.0005〜0.2モルである。0.0001モルより少ないと目的の単官能(メタ)アクリレートの生成量が少なく、0.5モルより多いと副生成物が多くなり、反応液の着色が増すため、反応終了後の精製工程が煩雑となる。
【0031】
本発明の製造方法における触媒Bは、亜鉛を含む化合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物であり、下記一般式(3);
【0033】
(式中、R
9 及びR
10 は、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルケニル基、炭素数6〜24のアリール基、若しくは、炭素数5〜20のシクロアルキル基であり、R
9 及びR
10 はフッ素及び塩素等のハロゲン原子を有しない)で表される有機酸亜鉛を含む化合物;下記一般式(4);
【0035】
(式中、R
11 、R
12 、R
13 、R
14 、R
15 及びR
16 は、同一若しくは異なって、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルケニル基、炭素数6〜24のアリール基、若しくは、炭素数5〜20のシクロアルキル基である)で表される亜鉛ジケトンエノラートを含む化合物;及び蓚酸亜鉛などが挙げられる。
【0036】
上記一般式(3)で表される有機酸亜鉛を含む化合物の具体例としては、酢酸亜鉛、酢酸亜鉛二水和物、プロピオン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸亜鉛を含むエチルベンゼン溶液、ネオデカン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、シクロヘキサン酪酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛を含むミネラルスピリット溶液、安息香酸亜鉛、t−ブチル安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、アクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛を含む水溶液、メタクリル酸亜鉛などが挙げられる。なお、これら有機酸亜鉛を含む化合物について、その水和物又は溶媒和物又は触媒Aとの錯体が存在する場合には、該水和物及び溶媒和物及び触媒Aとの錯体も本発明の製造方法における触媒Bとして使用できる。
【0037】
上記一般式(4)で表される亜鉛ジケトンエノラートを含む化合物の具体例としては、亜鉛アセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート水和物、ビス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)亜鉛、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)亜鉛、ビス(5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオナト)亜鉛などが挙げられる。なお、これら亜鉛ジケトンエノラートを含む化合物について、その水和物又は溶媒和物又は触媒Aとの錯体が存在する場合には、該水和物及び溶媒和物及び触媒Aとの錯体も本発明の製造方法における触媒Bとして使用できる。
【0038】
触媒Bにおける、有機酸亜鉛及び亜鉛ジケトンエノラートとしては、前記した化合物を直接使用することができるが、反応系内でこれら化合物を発生させ使用することもできる。例えば、金属亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、塩化亜鉛及び硝酸亜鉛等の他の亜鉛化合物を原料として使用し、有機酸亜鉛の場合は、有機酸を反応させる方法、亜鉛ジケトンエノラートの場合は、1,3−ジケトンを反応させる方法等が挙げられる。
【0039】
本発明ではこれらの触媒Bを単独で又は二種以上を任意に組み合わせて使用できる。これらの触媒Bの中では、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナートが好ましく、特に殆どの一価アルコールに対して良好な反応性を示し、入手が容易な酢酸亜鉛、アクリル酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナートが好ましい。
【0040】
本発明の製造方法における触媒Bの使用量は特に制限はないが、好ましくは一価アルコールの水酸基1モルに対して触媒Bを0.0001〜0.5モル使用することが好ましく、さらに好ましくは0.0005〜0.2モルである。0.0001モルより少ないと目的の単官能(メタ)アクリレートの生成量が少なく、0.5モルより多いと副生成物が多くなり、反応液の色調が悪化するため、反応終了後の精製工程が煩雑となる。
【0041】
本発明の製造方法における触媒Aと触媒Bの使用割合は特に制限はないが、好ましくは触媒Bを1モルに対して触媒Aを0.005〜10.0モル使用することが好ましく、さらに好ましくは0.05〜2.0モルである。0.005モルよりも少ないと目的の単官能(メタ)アクリレートの生成量が少なく、10.0モルよりも多いと副生成物が多くなり、反応液の色調が悪化するため、反応終了後の精製工程が煩雑となる。
【0042】
本発明で併用する触媒Aと触媒Bは、触媒AがDABCOであり、触媒Bが酢酸亜鉛及び/又はアクリル酸亜鉛である組み合わせが最も好ましく、単官能(メタ)アクリレートを収率よく得られることに加え、反応終了後の色調に優れることから、色調が重要視される各種工業用途に好適に使用できる。さらには比較的安価に入手可能な触媒であることから、経済的に有利な製造方法となる。
【0043】
本発明の製造方法におけるエステル交換反応は、
図1に示す反応機構によって進行すると推測している。先ず触媒Aが(メタ)アクリレートのβ位炭素に付加することでカルボニル酸素原子上の電子密度が増し、これがさらに別の(メタ)アクリレートのカルボニル炭素を攻撃することで
図1に示す反応中間体を生じる。その後、該中間体が一価アルコールとエステル交換反応を起こすことで、目的の単官能(メタ)アクリレートが生成する推測している。この際、ルイス酸性を有する触媒Bは、(メタ)アクリロイル基を活性化することで、
図1に示す反応機構を促進すると推測している。
【0044】
本発明で使用する触媒A及び触媒Bは、上記反応の最初から添加してもよいし、途中から添加してもよい。また、所望の使用量を一括で添加してもよいし、分割して添加してもよい。また、触媒A及び/又は触媒Bが固体の場合には、溶媒で溶解した後に添加してもよい。
【0045】
本発明の製造方法における反応温度は40〜180℃であることが好ましく、特に好ましくは60〜160℃である。反応温度が40℃未満では反応速度が極めて遅く、180℃超えると(メタ)アクリロイル基の熱重合が起きたり、反応液の色調が悪化したりするため、反応終了後の精製工程が煩雑となる。
【0046】
本発明の製造方法における反応圧力は、所定の反応温度を維持できれば特に制限はなく、減圧状態で実施してもよく、また加圧状態で実施してもよい。通常、0.000001〜10MPa(絶対圧力)である。
【0047】
本発明の製造方法においては、エステル交換反応の進行に伴い(メタ)アクリレートに由来するアルコールが副生する。該アルコールを反応系内に共存させたままでもよいが、該アルコールを反応系外に排出することにより、エステル交換反応の進行をより促進することができる。
【0048】
本発明の製造方法においては、反応液の色調を良好に維持する目的で系内にアルゴン、ヘリウム、窒素及び炭酸ガスなどの不活性ガスを導入してもよいが、(メタ)アクリロイル基の重合を防止する目的で系内に含酸素ガスを導入してもよい。含酸素ガスの具体例としては、空気、酸素と窒素の混合ガス、酸素とヘリウムの混合ガスなどが挙げられる。含酸素ガスの導入方法としては、反応液中に溶存させたり、又は反応液中に吹込む(いわゆるバブリング)方法がある。
【0049】
本発明の製造方法においては、(メタ)アクリロイル基の重合を防止する目的で系内に重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、フェノチアジン、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルなどの有機系重合禁止剤、塩化銅、硫酸銅及び硫酸鉄などの無機系重合禁止剤、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、酢酸マンガン、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩などの有機塩系重合禁止剤が挙げられる。重合禁止剤は、一種を単独で添加しても又は二種以上を任意に組み合わせて添加してもよく、反応の最初から添加してもよいし、途中から添加してもよい。また、所望の使用量を一括で添加してもよいし、分割して添加してもよい。また、精留塔を経由して連続的に添加してもよい。重合禁止剤の添加量としては、反応液中に5〜30,000wtppmが好ましく、より好ましくは25〜10,000wtppmである。5wtppmより少ないと重合禁止効果が不充分であり、30,000wtppmより多いと反応液の色調が悪化したり、得られる単官能(メタ)アクリレートの硬化速度が低下するため、反応終了後の精製工程が煩雑となる。
【0050】
本発明の製造方法における反応時間は、触媒の種類と使用量、反応温度、反応圧力などにより異なるが、通常0.1〜150時間、好ましくは0.5〜80時間である。
【0051】
本発明の製造方法は、回分式、半回分式、連続式のいずれの方法によっても実施できる。回分式の一例としては、反応器に一価アルコール、(メタ)アクリレート、触媒、重合禁止剤を仕込み、含酸素ガスを反応液中にバブリングさせながら所定の温度で撹拌する。その後、エステル交換反応の進行に伴い副生したアルコールを所定の圧力にて反応器から抜出すことで目的の単官能(メタ)アクリレートを生成させるなどの方法で実施できる。
【0052】
本発明の製造方法で得られた反応生成物に対して、冷却晶析、濃縮晶析などの晶析操作と加圧ろ過、吸引ろ過、遠心ろ過などのろ過操作、単式蒸留、分別蒸留、分子蒸留、水蒸気蒸留などの蒸留操作、固液抽出、液液抽出などの抽出操作、デカンテーションなどを組み合わせた分離精製操作を施すことにより、目的の単官能(メタ)アクリレートを純度よく得ることができる。該分離精製操作においては溶媒を使用してもよい。また、本発明で使用した触媒及び/又は重合禁止剤を中和するための中和剤や、吸着除去するための吸着剤、副生成物を分解又は除去するための酸及び/又はアルカリ、色調を改善するための活性炭、ろ過効率及びろ過速度を向上するためのケイソウ土などを使用してもよい。
【実施例】
【0053】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り実施例に限定されるものではない。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」の表示は「質量部」を意味し、「%」の表示は「質量%」を意味する。
【0054】
実施例及び比較例における反応収率は、エステル交換反応の進行に伴い副生した原料の(メタ)アクリレートに由来するアルコールを定量し、下記式を用いて算出した。なお、アルコールの定量は、示差屈折率検出器を備えた高速液体クロマトグラフ(カラム:日本ウォーターズ株式会社製 Atlantis(Part No.186003748、カラム内径4.6mm、カラム長さ250mm)、溶媒:純水または10容量%イソプロパノール水溶液)を使用し、内部標準法にて実施した。
反応収率(モル%)=エステル交換反応の進行に伴い副生したアルコールのモル数/原料として使用した一価アルコールのモル数×100
【0055】
実施例及び比較例において目的の単官能(メタ)アクリレートが反応生成物に含まれることの確認は、UV検出器を備えた高速液体クロマトグラフ(カラム:日本ウォーターズ株式会社製 ACQUITY UPLC BEH C18(Part No.186002350、カラム内径2.1mm、カラム長さ50mm)、検出波長:210nm、溶媒:0.03質量%トリフルオロ酢酸水溶液とメタノールの混合溶媒)を用いて行った。
【0056】
実施例及び比較例における反応液の色調の評価は、反応液を遠心分離機(HITACHI製CT6D)を用いて3000rpmで10分処理した後、得られた上層液のAPHAを石油製品色試験器(日本電色工業製OME2000)を用いて測定することにより行った。
【0057】
<実施例1>ベンジルアクリレートの製造
回転子、温度計、ガス導入管、冷却管を取付けた20ミリリットルの試験管に、ベンジルアルコールを2.11部(0.0195モル)、2−メトキシエチルアクリレートを4.57部(0.0351モル)、触媒AとしてDABCOを0.0109部(0.0001モル)、触媒Bとして酢酸亜鉛を0.0358部(0.0002モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.0016部(仕込んだ原料の総重量に対して238wtppm)、フェノチアジンを0.0001部(仕込んだ原料の総重量に対して17wtppm)仕込み、含酸素ガス(酸素を5容量%、窒素を95容量%)を液中にバブリングさせながら反応液温度75〜83℃の範囲で加熱撹拌を1時間行った。その後、反応液に含まれる2−メトキシエタノールを定量したところ、反応収率は20%であった。UV検出器を備えた高速液体クロマトグラフを用いて反応液に含まれる反応生成物の組成分析を行った結果、ベンジルアクリレートを主要成分として含むことを確認した。結果を表1に示す。
【0058】
<実施例2〜7及び比較例1〜8>
(メタ)アクリレート、触媒A及び触媒Bをかえ、実施例1と同様の方法でエステル交換反応を行い、反応収率を算出した。結果を表1及び表2に示す。なお、表中においては、以下の略号を使用した。
MCA:2−メトキシエチルアクリレート
DABCO:トリエチレンジアミン
Zn(OAc)
2:酢酸亜鉛
TMHD:N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン
MA:メチルアクリレート
EA:エチルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
IBA:イソブチルアクリレート
DA:2−ジメチルアミノエチルアクリレート
Zn(OTf)
2:トリフルオロ酢酸亜鉛
HDP:ヒドロキシジシクロペンタジエン
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン
Zn(acac)
2:亜鉛アセチルアセトナート
DMAP:N,N−ジメチル−4−アミノピリジン
DEGV:ジエチレングリコールモノビニルエーテル
EGV:エチレングリコールモノビニルエーテル
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
<実施例8>ジシクロペンテニルアクリレートの製造
回転子、温度計、ガス導入管、冷却管を取付けた20ミリリットルの試験管に、ヒドロキシジシクロペンタジエンを2.11部(0.0140モル)、2−メトキシエチルアクリレートを3.29部(0.0253モル)、触媒AとしてDBUを0.0214部(0.0001モル)、触媒Bとして酢酸亜鉛を0.0258部(0.0001モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.0012部(仕込んだ原料の総重量に対して220wtppm)、フェノチアジンを0.0001部(仕込んだ原料の総重量に対して15wtppm)仕込み、含酸素ガス(酸素を5容量%、窒素を95容量%)を液中にバブリングさせながら反応液温度105〜120℃の範囲で加熱撹拌を5時間行った。その後、反応液に含まれる2−メトキシエタノールを定量したところ、反応収率は15%であった。UV検出器を備えた高速液体クロマトグラフを用いて反応液に含まれる反応生成物の組成分析を行った結果、ジシクロペンテニルアクリレートを主要成分として含むことを確認した。結果を表3に示す。
【0062】
<実施例9〜10及び比較例9〜12>
触媒A及び触媒Bをかえ、実施例8と同様の方法でエステル交換反応を行い、反応収率を算出した。結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
<実施例11>2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレートの製造
回転子、温度計、ガス導入管、冷却管を取付けた100ミリリットルのフラスコに、ジエチレングリコールモノビニルエーテルを23.00部(0.1740モル)、2−メトキシエチルアクリレートを40.77部(0.3133モル)、触媒AとしてDABCOを0.0976部(0.0009モル)、触媒Bとしてアクリル酸亜鉛を0.3611部(0.0017モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.0143部(仕込んだ原料の総重量に対して222wtppm)、フェノチアジンを0.0010部(仕込んだ原料の総重量に対して16wtppm)仕込み、含酸素ガス(酸素を5容量%、窒素を95容量%)を液中にバブリングさせながら反応液温度105〜120℃の範囲で加熱撹拌を5時間行った。その後、反応液に含まれる2−メトキシエタノールを定量したところ、反応収率は37%であった。UV検出器を備えた高速液体クロマトグラフを用いて反応液に含まれる反応生成物の組成分析を行った結果、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレートを主要成分として含むことを確認した。反応液のAPHAを測定したところ、25であった。結果を表4に示す。
【0065】
<比較例13〜15>
触媒A、触媒B及び反応時間をかえ、実施例11と同様の方法でエステル交換反応を行い、反応収率の算出及びAPHA測定を行った。結果を表4に示す。
【0066】
【表4】
【0067】
<実施例12>2−ビニロキシエチルアクリレートの製造
回転子、温度計、ガス導入管、冷却管を取付けた100ミリリットルのフラスコに、エチレングリコールモノビニルエーテルを21.60部(0.2451モル)、メチルアクリレートを37.97部(0.4413モル)、触媒AとしてDABCOを0.2750部(0.0025モル)、触媒Bとして酢酸亜鉛を0.8997部(0.0049モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.0304部(仕込んだ原料の総重量に対して500wtppm)、フェノチアジンを0.0015部(仕込んだ原料の総重量に対して25wtppm)仕込み、含酸素ガス(酸素を5容量%、窒素を95容量%)を液中にバブリングさせながら反応液温度75〜83℃の範囲で加熱撹拌を2時間行った。その後、反応液に含まれるメタノールを定量したところ、反応収率は25%であった。UV検出器を備えた高速液体クロマトグラフを用いて反応液に含まれる反応生成物の組成分析を行った結果、2−ビニロキシエチルアクリレートを主要成分として含むことを確認した。結果を表5に示す。
【0068】
<比較例16〜17>
触媒A及び触媒Bをかえ、実施例12と同様の方法でエステル交換反応を行い、反応収率を算出した。結果を表5に示す。
【0069】
【表5】
【0070】
<実施例13>(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレートの製造
回転子、温度計、ガス導入管、冷却管を取付けた20ミリリットルの試験管に、グリセロール1,2−カルボナートを2.50部(0.0212モル)、2−メトキシエチルアクリレートを4.96部(0.0381モル)、触媒AとしてDABCOを0.0036部(0.00003モル)、触媒Bとしてアクリル酸亜鉛を0.0132部(0.00006モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.0017部(仕込んだ原料の総重量に対して227wtppm)、フェノチアジンを0.0001部(仕込んだ原料の総重量に対して13wtppm)仕込み、含酸素ガス(酸素を5容量%、窒素を95容量%)を液中にバブリングさせながら反応液温度105〜120℃の範囲で加熱撹拌を3時間行った。その後、反応液に含まれる2−メトキシエタノールを定量したところ、反応収率は25%であった。UV検出器を備えた高速液体クロマトグラフを用いて反応液に含まれる反応生成物の組成分析を行った結果、グリセロール1,2−カルボナートのアクリレート化物である2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレートを主要成分として含むことを確認したが、グリセロール1,2−カルボナートのカーボネート結合が分解して副生するグリセリンアクリレート(グリセリンモノアクリレート、グリセリンジアクリレート及びグリセリントリアクリレート)も9面積%含まれていた。結果を表6に示す。
【0071】
<比較例18〜19>
触媒A、触媒B及び反応時間をかえ、実施例13と同様の方法でエステル交換反応を行い、反応収率及びグリセリンアクリレートの面積%を算出した。結果を表6に示す。
【0072】
<実施例14>
撹拌機、温度計、ガス導入管、精留塔及び冷却管を取付けた1リットルのフラスコに、グリセロール1,2−カルボナートを140.00部(1.12モル)、2−メトキシエチルアクリレートを401.14部(3.08モル)、触媒AとしてDABCOを0.266部(0.002モル)、触媒Bとしてアクリル酸亜鉛を0.984部(0.005モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.22部(仕込んだ原料の総質量に対して400ppm)仕込み、含酸素ガス(酸素を5容量%、窒素を95容量%)を液中にバブリングさせた。反応液温度105〜120℃の範囲で加熱撹拌させながら、反応系内の圧力を90〜760mmHgの範囲で調整し、エステル交換反応の進行に伴い副生した2−メトキシエタノールと2−メトキシエチルアクリレートの混合液を精留塔及び冷却管を介して反応系から抜出した。また、該抜出液と同質量部の2−メトキシエチルアクリレートを反応系に随時追加した。反応系からの抜出液に含まれる2−メトキシエタノールを定量した結果、加熱撹拌開始から20時間後に反応収率は92%に到達したので、反応液の加熱を終了するとともに、反応系内の圧力を常圧に戻して抜出を終了した。
得られた反応生成物を室温まで冷却した後、珪酸マグネシウム(協和化学工業株式会社製キョーワード700(商品名))を20.4部投入し、内温75〜105℃の範囲で常圧下2時間加熱撹拌した。加圧ろ過により固形物を分離した後、ろ液に乾燥空気をバブリングさせながら、温度70〜95℃、圧力0.001〜100mmHgの範囲で10時間の減圧蒸留を行い、未反応の2−メトキシエチルアクリレートを含む留出液を分離した。UV検出器を備えた高速液体クロマトグラフを用いて減圧蒸留後の釜液の組成分析を行った結果、(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレートを主要成分として含むことを確認した。該釜液を精製処理物とみなして算出した精製収率は97%であった。結果を表6に示す。
【0073】
【表6】
【0074】
本発明の触媒Aと触媒Bを併用した各実施例では、触媒A又は触媒Bの片方のみを使用した比較例、一級アミンや二級アミン、鎖状三級アミンと触媒Bを併用した比較例、ハロゲン原子を有する有機酸亜鉛と触媒Aを併用した比較例に比べて、目的の単官能(メタ)アクリレートを収率よく得ることができる。また、従来の技術であるチタン化合物や有機錫化合物を触媒として使用した比較例に比べて、目的の単官能(メタ)アクリレートを低色調で純度良く得ることができる。よって、触媒Aと触媒Bを併用する本願発明の効果は極めて優れたものである。