(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記撮影制御手段は、未送信の画像データがない場合は、今回の撮影に関する所定動作として撮影動作を実行し、未送信の画像データがある場合は、今回の撮影に関する所定動作として送信動作を実行する、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
前記撮影制御手段は、前記第1の電源制御手段によって前記メイン電源がオン状態に移行された後、前記端末装置との間の無線通信の電波強度が所定以上になったことを検出した場合に撮影に関する所定動作を実行する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
前記端末装置は、前記端末装置と前記撮像装置との近接により、前記撮像装置との間の無線通信が可能になったことを検出して前記端末装置のメイン電源をオン状態に移行させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の撮影システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る撮影システムSのシステム構成を示すシステム構成図である。
撮影システムSは、
図1に示すように、撮像装置1と、携帯端末2とを含む。
撮像装置1は、撮影機能と、携帯端末2と間で通信可能な通信機能を有する。
携帯端末2は、撮像装置1と間で通信可能な通信機能を有する。本実施形態においては、撮像装置1と携帯端末2は、近距離の無線通信であるBLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))通信を行う。
【0011】
撮影システムSは、例えば、携帯端末2をマラソンランナーHに保持させ、マラソンコースCに定点的に複数の撮像装置1A,1B,1C・・・を配置して、撮像装置1において携帯端末2との間でと通信が確立した場合に、撮影を行うように構成する。即ち、撮像装置1と、携帯端末2との通信範囲内に入った場合には、近距離通信であることが保証され、画角内に携帯端末2を保持するマラソンランナーHが入ることになり、携帯端末2を保持するマラソンランナーHを撮影することができる。
【0012】
また、撮像装置1においては、携帯端末2との通信が確立しない状態においては、通信機能以外の機能をOFFしておくことで、電力消費を抑える。
【0013】
さらに、本機能を搭載した撮像装置1を持ったユーザが携帯端末2を保持した所望のマラソンランナーHの近くに行くことで、確実にマラソンランナーHが含まれた画像を自動的に撮影することができる。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態に係る撮像装置1及び携帯端末2のハードウェアの構成を示すブロック図である。
撮像装置1は、例えば、デジタルカメラとして構成される。
【0015】
撮像装置1は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、撮像部16と、入力部17と、出力部18と、記憶部19と、通信部20と、ドライブ21と、電源部22と、を備えている。
【0016】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0017】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0018】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、撮像部16、入力部17、出力部18、記憶部19、通信部20、ドライブ21及び電源部22が接続されている。
【0019】
撮像部16は、図示はしないが、光学レンズ部と、イメージセンサと、を備えている。
【0020】
光学レンズ部は、被写体を撮影するために、光を集光するレンズ、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。
フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
光学レンズ部にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。
【0021】
イメージセンサは、光電変換素子や、AFE(Analog Front End)等から構成される。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、ディジタル信号が生成され、撮像部16の出力信号として出力される。
このような撮像部16の出力信号を、以下、「撮像画像のデータ」と呼ぶ。撮像画像のデータは、CPU11や図示しない画像処理部等に適宜供給される。
【0022】
入力部17は、各種釦等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部18は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部19は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
【0023】
通信部20は、BLEの通信規格に基づいた通信方式で外部装置(本実施形態においては、携帯端末2)との間で行う通信を制御する。
【0024】
ドライブ21には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ21によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部19に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部19と同様に記憶することができる。
【0025】
電源部22は、各部を機能させるための電源を供給するものであり、通信部20を機能させるための電源であるサブ電源と、通信部20以外の主要部を機能させるための電源であるメイン電源とを独立して別々にON/OFFすることができる。
【0026】
携帯端末2は、少なくとも、CPU11乃至入出力インターフェース15及び通信部20を備える。撮像装置1と携帯端末2のCPU11乃至入出力インターフェース15及び通信部20は、撮像装置1と同一のハードウェア構成であるため、説明を省略する。
以下において、撮像装置1と携帯端末2の別を説明する場合には、撮像装置1の場合には、符号の末尾に「−1」を付し、携帯端末2の場合には、符号の末尾に「−2」を付す。即ち、撮像装置1の場合には、CPU11−1乃至リムーバブルメディア31−1とし、携帯端末2の場合には、CPU11−2乃至通信部20−2として説明を行う。
【0027】
図3は、
図2の撮像装置1の機能的構成のうち、撮影処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
撮影処理とは、一定上のBLEの受信強度である場合に撮影を行い、その後、電源をOFFし、未送信の画像データがある場合には、送信後に電源をOFFして接続待機状態となる一連の処理をいう。
【0028】
撮影処理を実行する場合には、
図3に示すように、CPU11−1において、通信制御部51aと、電源制御部52aと、撮影制御部53と、が機能し、通信部20−1において、通信制御部51bと、電源制御部52bと、が機能する。
また、記憶部19−1の一領域には、画像記憶部71が設定される。
画像記憶部71には、画像データが記憶される。
【0029】
通信部20−1は、電源部22から通信用電源の供給を受けて動作し、外部装置や携帯端末2との間の通信接続(BLE接続)を制御するとともに、通信制御部51bからの要求に応じて各種データの送受信を行う。また、通信部20−1は、通信接続の制御状態に応じて電源部22のメイン電源のON(OFF)も制御する。
【0030】
通信制御部51aは、通信部20−1が確立した通信接続を利用して、外部装置や携帯端末2との間で画像データ等の各種データの送受信を行うように通信部20−1を制御する。
具体的には、通信部20−1(通信制御部51b)は、アドバタイジングパケットを送信し、携帯端末2から応答があった場合に、携帯端末2と通信接続(BLE接続)する。また、通信部20−1(通信制御部51b)は、携帯端末2との間で所定時間通信がない場合は、通信接続(BLE接続)を切断する。
【0031】
また、通信部20−1(電源制御部52b)は、設定されている起動モード(ペアリング起動/非ペアリング起動)を判定してメイン電源のON(OFF)を制御する。
また、通信制御部51bは、通信部20−1でのBLEの強度(所定以上の強度)、未送信の画像データの有無等の各種の判定を行うことができる。
【0032】
また、通信部20−1(電源制御部52b)は、通信接続の制御状態に応じてメイン電源をON/OFFするように電源部22−1を制御する。具体的には、通信部20−1は、例えば、携帯端末2と通信接続した場合に、メイン電源をONする。
また、通信部20−1(電源制御部52b)は、通信部20−1が通信接続を切断した場合に、メイン電源をOFFするように電源部22−1を制御することができる。
即ち、メイン電源がOFF状態での制御が必要な通信制御(低レベルの通信制御)や電源制御(メイン電源のON)は通信部20−1が内蔵する通信制御部51bと電源制御部52bにより制御され、メイン電源がON状態で制御する通信制御(上位レベルの通信制御)や電源制御(電源OFF)はCPU11−1が内蔵する通信制御部51aと電源制御部52aにより制御される。
【0033】
撮影制御部53は、撮影を行うように撮像部16−1を制御する。具体的には、撮影制御部53は、BLEの強度が所定の強度以上であった場合に、撮影を行うように撮像部16−1を制御する。
【0034】
図4は、
図3の機能的構成を有する
図2の撮像装置1が実行する撮影処理の流れを説明するフローチャートである。
撮影処理は、ユーザによる入力部17−1への撮影処理開始の操作により開始される。撮像装置1では、電源ONされるまでの間は、通信部20−1以外の電源がOFFされている状態となっている。
【0035】
ステップS11において、通信部20−1(通信制御部51b)は、BLE接続判定処理を実行する。BLE接続判定処理の結果、携帯端末2から応答があった場合に、携帯端末2とBLE接続が行われる。なお、BLE接続判定処理の流れについては後述する。
【0036】
ステップS12において、通信部20−1(通信制御部51b)は、携帯端末2と接続しているか否かを判定する。
携帯端末2と接続していない場合には、ステップS12においてNOと判定されて、処理はステップS11に戻る。
これに対して、携帯端末2と接続している場合には、ステップS12においてYESと判定されて、処理はステップS13に進む。
【0037】
ステップS13において、通信部20−1(電源制御部52b)は、設定されている起動モードを判定する。
具体的には、起動モードがペアリング状態でのみ起動するペアリング起動か、ペアリング状態でなくても起動する非ペアリング起動か否かを判定する。ペアリング起動の場合、ペアリングを行った特定の携帯端末2のみにしか起動状態とならないため、電力消費を抑えることができ、ペアリングにより把握している携帯端末2に反応した動作しか行われないため、セキュリティ等が高い。一方で、非ペアリング起動の場合、不特定多数の携帯端末2に対して動作してしまうことになるが、例えば、多くの人がペアリングの操作なしで本機能を利用することができる。
起動モードが非ペアリング起動の場合には、ステップS13において[非ペアリング起動]と判定されて、処理はステップS15に進む。
これに対して、起動モードがペアリング起動の場合には、ステップS13において[ペアリング起動]と判定されて、処理はステップS14に進む。
【0038】
ステップS14において、通信部20−1(通信制御部51b)は、ペアリング済みの相手(携帯端末2)であるか否かを判定する。
ペアリング済みの相手でない場合には、ステップS14においてNOと判定されて、処理はステップS11に戻る。
これに対して、ペアリングの済み相手である場合には、ステップS14においてYESと判定されて、処理はステップS15に進む。
【0039】
ステップS15において、通信部20−1(電源制御部52b)は、メイン電源をONするように電源部22−1を制御する。
【0040】
メイン電源がONされると、CPU11−1の撮影制御部53や通信制御部51aの動作が可能な状態になる。
ステップS16において、撮影制御部53は、動作モードを判定する。動作モードのうち、撮影のみを行う撮影モードと、撮影と条件によって撮影した画像を送信する撮影&送信モードとを判定する。
撮影&送信モードの場合には、ステップS16において[撮影&送信モード]と判定されて、処理はステップS17に進む。
これに対して、撮影モードの場合には、ステップS16において[撮影モード]と判定されて、処理はステップS18に進む。
【0041】
ステップS17において、通信制御部51aは、未送信の画像データがあるか否かを判定する。
未送信の画像データがない場合には、ステップS17においてNOと判定されて、処理はステップS18に進む。
【0042】
ステップS18において、通信制御部51aは、通信部20−1でのBLEの強度を判定する。
【0043】
ステップS19において、通信制御部51aは、所定以上のBLEの強度であったか否かを判定する。
所定以上のBLEの強度でなかった場合には、ステップS19においてNOと判定されて、処理はステップS21に進む。
これに対して、所定以上のBLEの強度であった場合には、ステップS19においてYESと判定されて、処理はステップS20に進む。
【0044】
ステップS20において、撮影制御部53は、撮影を行うように撮像部16−1を制御する。撮影した画像は、送信ステータスと共に画像記憶部71に記憶される。即ち、撮影した画像は、現状では未送信の送信ステータスとして画像記憶部71に記憶される。
【0045】
ステップS21において、通信部20−1(通信制御部51b)は、BLE切断判定処理を実行する。BLE切断判定処理の結果、携帯端末2との間で所定時間通信がない場合は、BLE接続を切断する。なお、BLE切断判定処理の流れについては後述する。
【0046】
ステップS22において、通信制御部51bは、通信部20−1が携帯端末2とのBLE接続を切断したか否かを判定する。
BLE接続を切断しない場合には、ステップS22においてNOと判定されて、処理はステップS18に戻る。
これに対して、BLE接続を切断した場合には、ステップS22においてYESと判定されて、処理はステップS27に進む。
【0047】
これに対して、未送信の画像データがある場合には、ステップS17においてYESと判定されて、処理はステップS23に進む。
【0048】
ステップS23において、通信制御部51aは、画像データを携帯端末2に送信するように通信部20−1を制御する。
【0049】
ステップS24において、通信部20−1(通信制御部51b)は、BLE切断判定処理を実行する。BLE切断判定処理の結果、携帯端末2との間で所定時間通信がない場合は、BLE接続を切断する。
【0050】
ステップS25において、通信制御部51bは、通信部20−1が携帯端末2とのBLE接続を切断したか否かを判定する。
BLE接続を切断した場合には、ステップS25においてYESと判定されて、処理はステップS27に進む。
これに対して、BLE接続を切断しない場合には、ステップS25においてNOと判定されて、処理はステップS26に進む。
【0051】
ステップS26において、通信制御部51aは、携帯端末2への画像データの送信を完了したか否かを判定する。
送信が完了していない場合には、ステップS26においてNOと判定されて、処理はステップS23に戻る。
これに対して、送信が完了した場合には、ステップS26においてYESと判定されて、処理はステップS27に進む。
【0052】
ステップS27において、電源制御部52bは、メイン電源をOFFするように電源部22−1を制御する。
【0053】
ステップS28において、CPU11−1は、処理が終了したか否かを判定する。
処理が終了しない場合には、ステップS28においてNOと判定されて、処理はステップS11に戻る。
これに対して、処理が終了した場合には、ステップS28においてYESと判定されて、撮影処理を終了する。
【0054】
図5は、通信部20−1によるBLE接続判定処理の流れを説明するフローチャートである。
【0055】
ステップS41において、通信部20−1(通信制御部51b)は、アドバタイジングパケットを送信する。
【0056】
ステップS42において、通信部20−1(通信制御部51b)は、携帯端末2から応答があったか否かを判定する。
応答がない場合には、ステップS42においてNOと判定されて、BLE接続判定処理を終了する。
これに対して、応答があった場合には、ステップS42においてYESと判定されて、処理はステップS43に進む。
【0057】
ステップS43において、通信部20−1(通信制御部51b)は、携帯端末2との間でBLEの通信接続をする。その後、BLE接続判定処理は終了する。
【0058】
図6は、通信部20−1によるBLE切断判定処理の流れを説明するフローチャートである。
【0059】
ステップS61において、通信部20−1(通信制御部51b)は、携帯端末2と通信がない状態が所定時間以上経過したか否かを判定する。
通信がない状態が所定時間以上経過しない場合には、ステップS61においてNOと判定されて、BLE切断判定処理を終了する。
これに対して、通信がない状態が所定時間以上経過した場合には、ステップS61においてYESと判定されて、処理はステップS62に進む。
【0060】
ステップS62において、通信部20−1(通信制御部51b)は、通信切断する。その後、BLE切断判定処理は終了する。
【0061】
従来技術では、カメラに触れずに撮影をする機能として、
(1)カメラの画像処理による撮影トリガ(モーションシャッタ)を用いる方法や、
(2)Bluetooth(登録商標) Smartであらかじめペアリングしておき、Bluetooth(登録商標)端末からの信号でカメラを起動させる方法があった。
しかし、例えば、マラソンの撮影など、被写体の撮影チャンスが少なく、ほとんどが待機となるような撮影シーンにおいて、(1)は、(イメージセンサによる検出をするため)待機中にカメラをオンし続ける必要がある。(2)は、Bluetooth(登録商標)端末から、カメラへの撮影トリガの送信が必要で、通信を開始するまでに時間がかかり撮影チャンスをのがしてしまう、という問題点があった。
【0062】
そこで、本実施形態の撮影システムSでは、Bluetooth(登録商標)による接続、切断によってカメラの動作を制御する。
これにより、撮影システムSでは、特殊なデータ通信をすることなく、Bluetooth(登録商標)で接続するだけでカメラの動作を制御できるので、タイムラグを短縮でき、動いていて通過していくような被写体でもタイミングを逃すことなく撮影することができる。
この場合、Bluetooth(登録商標)としたが、無線通信であればよく手段は問わずに構成することができる。
・Bluetooth(登録商標)であらかじめペアリングしておくと、特定のBluetooth(登録商標)端末(ランナー)が近づいてきたときのみカメラをオンして撮影するように構成することができる。
・Bluetooth(登録商標)でペアリングしなければ、不特定のBluetooth(登録商標)端末が応答を返してくるので、不特定のBluetooth(登録商標)端末(ランナー)が近づいてきたときにカメラがオンして撮影するように構成することができる。
【0063】
以上のように構成される撮影システムSは、携帯端末2と、当該携帯端末2と無線通信を行う撮像装置1を含む。
撮影システムSでは、撮像装置1において、通信部20−1に供給するサブ電源(通信接続などの低レベルの通信制御やメイン電源をONするために必要な電源)以外のメイン電源をオフした状態において、携帯端末2との間の無線通信が可能になったことを検出してメイン電源をオン状態に移行させ、メイン電源をオン状態に移行させた後に、撮影に関する所定動作を実行し、撮影に関する所定動作が実行された後に、携帯端末2との間の無線通信ができなくなったことを検出した場合には、メイン電源をオフ状態に移行させる。
これにより、撮影システムSにおいては、消費電力を考慮して、適切なタイミングで被写体を撮影することができる。つまり、目的とする被写体を適切に撮影し、かつ、より消費電力が少なくなるようなタイミングで撮影や電源のON/OFFを制御することができる。
【0064】
撮影に関する所定動作は、撮影して撮影画像を記録する撮影動作と、記録された撮影画像を外部に送信する送信動作を含む。
撮影システムSでは、撮像装置1において、撮影に関する所定動作の初回の実行または前回実行した動作の内容が送信動作だった場合には、今回の所定動作として撮影動作を実行し、撮影に関する所定動作の前回実行した動作の内容が撮影動作だった場合には、今回の所定動作として送信動作を実行する。
これにより、撮影システムSにおいては、撮影した撮影画像を外部に送信するような場合であっても、より消費電力を少なく、かつ、より適切なタイミングで被写体の撮影や撮影画像の送信を行うことができる。
【0065】
撮影システムSでは、撮像装置1において、未送信の画像データがない場合は、今回の撮影に関する所定動作として撮影動作を実行し、未送信の画像データがある場合は、今回の撮影に関する所定動作として送信動作を実行する。
これにより、撮影システムSにおいては、撮影した撮影画像を外部に送信する場合において、より消費電力を少なく、かつ、未送信画像を確実に外部に送信することができる。
【0066】
撮影システムSでは、携帯端末2は、被写体とともに移動する。
また、撮像装置1は、携帯端末2との近接により、携帯端末2との間の無線通信が可能になったことを検出して撮像装置1のメイン電源をオン状態に移行させる。
これにより、撮影システムSでは、撮像装置1と携帯端末2との近接を契機に、撮像装置1におけるその後の撮影等の動作を行うことができる。
【0067】
携帯端末2は、携帯端末2と撮像装置1との近接により、撮像装置1との間の無線通信が可能になったことを検出して携帯端末2のメイン電源をオン状態に移行させる。
これにより、撮影システムSでは、撮像装置1と携帯端末2との近接を契機に、携帯端末2におけるその後の動作を行うことができる。
【0068】
撮像装置1は、携帯端末2と、当該携帯端末2との間で無線通信が可能に構成される。
また、撮像装置1は、電源制御部52bと、撮影制御部53及び通信制御部51aと、電源制御部52aと、通信部20−1と、を備える。
通信部20−1は、通信部20−1に供給するサブ電源以外のメイン電源をオフした状態において、携帯端末2との間の無線通信が可能になったことを検出してメイン電源をオン状態に移行させる。
撮影制御部53及び通信制御部51aは、電源制御部52aによってメイン電源がオン状態に移行された場合に、撮影に関する所定動作を実行する。
電源制御部52bは、撮影制御部53及び通信制御部51aによって撮影に関する所定動作が実行された後に、携帯端末2との間の無線通信ができなくなったことを検出した場合には、メイン電源をオフ状態に移行させる。
これにより、撮像装置1においては、より消費電力を少なく、かつ、より適切なタイミングで被写体を撮影するように、各部に供給する電源や動作を制御することができる。
【0069】
撮影制御部53は、電源制御部52bによってメイン電源がオン状態に移行された後、携帯端末2との間の無線通信の電波強度が所定以上になったことを検出した場合に撮影に関する所定動作を実行する。
これにより、撮像装置1においては、携帯端末2との間の無線通信の電波強度が所定以上の近距離でのみ、撮影に関する所定動作を実行することができる。
【0070】
電源制御部52bは、メイン電源をオフした状態において、予め登録した携帯端末2との間の無線通信が可能になったことを検出した場合にメイン電源をオン状態に移行させ、予め登録していない携帯端末2との間の無線通信が可能になったことを検出した場合にはメイン電源をオン状態に移行させない。
これにより、撮像装置1においては、予め登録した携帯端末2との間の無線通信が可能になったことを検出した場合にのみ、所定動作を実行可能な状態とすることができる。
【0071】
電源制御部52bは、予め登録していない携帯端末2との間の無線通信が可能になったことを検出した場合にメイン電源をオン状態に移行させるか否かを予め設定可能である。
これにより、撮像装置1においては、ユーザ等により任意に登録の有無に対する動作を設定することが可能になる。
【0072】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0073】
上述の実施形態では、撮像装置1において撮影や画像送信の判断を行うように構成したが、携帯端末2や外部装置で行うようにしてもよい。この場合、撮像装置1において通信強度や未送信画像の情報を、判断を行う装置に送信する。携帯端末2の場合には、携帯端末2側での通信強度から判断するように構成してもよい。
【0074】
また、上述の実施形態では、メイン電源がOFF状態での制御が必要な通信制御(低レベルの通信制御)や電源制御(メイン電源のON)を通信部が内蔵する通信制御部と電源制御部により制御するようにしたが、これらの通信制御部と電源制御部に供給するサブ電源をメイン電源とは独立してON/OFFすることが可能であれば、これらの通信制御部と電源制御部は通信部に内蔵しなくとも、CPUに内蔵したり、その他の回路ブロックに内蔵したりするようにしてもよい。
【0075】
また、上述の実施形態では、撮像装置1がBLE接続におけるペリフェラルとして機能し、携帯端末2がBLE接続におけるセントラルとして機能する場合を例として説明したが、撮像装置1がBLE接続におけるセントラルとして機能し、携帯端末2がBLE接続におけるペリフェラルとして機能する場合に適用してもよい。その場合、通信部20−1によるBLE接続判定処理は、携帯端末2が送信するアドバタイジングパケットに撮像装置1が応答することで通信接続を開始する。
【0076】
また、上述の実施形態では、撮像装置1と携帯端末2との通信接続状態に応じて撮像装置1のメイン電源のON/OFFを制御したが、撮像装置1と携帯端末2との通信接続状態に応じて携帯端末2のメイン電源のON/OFFを制御するようにしてもよい。また、撮像装置1と携帯端末2との通信接続状態に応じて撮像装置1のメイン電源と携帯端末2のメイン電源の両方のメイン電源のON/OFFを制御するようにしてもよい。
【0077】
また、上述の実施形態では、通信接続の有無に応じてメイン電源のON/OFFを制御するようにしたが、無線通信の電波強度に応じてメイン電源のON/OFFを制御するようにしてもよい。
【0078】
また、上述の実施形態では、無線通信を利用して撮像装置1と携帯端末2との近接を検出し、この近接の検出によりメイン電源のON/OFFを制御するようにしたが、無線通信以外の光通信などを利用して近接を検出し、メイン電源のON/OFFを制御するようにしてもよい。また、撮像装置1の撮像部により撮像される携帯端末2の大きさにより撮像装置1と携帯端末2との近接を検出し、メイン電源のON/OFFを制御するようにしてもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、画像データを携帯端末2や外部装置に送信するように構成してもよい。携帯端末2に撮影された画像を送信することで、携帯端末2を保持している者が、自分が撮影された画像を把握することができる。把握の結果、適切でないと判断した場合には、画像の記憶や送信を禁止するように構成してもよい。
【0080】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される撮像装置1は、デジタルカメラを例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、撮影処理機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0081】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が撮像装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図3の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0082】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0083】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図2のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu−ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図2のROM12や、
図2の記憶部19に含まれるハードディスク等で構成される。
【0084】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0085】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0086】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
端末装置との間で無線通信が可能な撮像装置であって、
メイン電源をオフした状態において、前記端末装置との間の無線通信が可能になったことを検出してメイン電源をオン状態に移行させる第1の電源制御手段と、
前記第1の電源制御手段によって前記メイン電源がオン状態に移行された場合に、撮影に関する所定動作を実行する撮影制御手段と、
前記撮影制御手段によって前記撮影に関する所定動作が実行された後に、前記端末装置との間の無線通信ができなくなったことを検出した場合には、前記メイン電源をオフ状態に移行させる第2の電源制御手段と、
ことを特徴とする撮像装置。
[付記2]
前記撮影に関する所定動作は、撮影して撮影画像を記録する撮影動作と、記録された撮影画像を外部に送信する送信動作を含み、
前記撮影制御手段は、前記撮影に関する所定動作の初回の実行または前回実行した動作の内容が送信動作だった場合には、今回の所定動作として撮影動作を実行し、
前記撮影に関する所定動作の前回実行した動作の内容が撮影動作だった場合には、今回の所定動作として送信動作を実行する、
ことを特徴とする付記1に記載の撮像装置。
[付記3]
前記撮影制御手段は、未送信の画像データがない場合は、今回の撮影に関する所定動作として撮影動作を実行し、未送信の画像データがある場合は、今回の撮影に関する所定動作として送信動作を実行する、
ことを特徴とする付記2に記載の撮像装置。
[付記4]
前記撮影制御手段は、前記第1の電源制御手段によって前記メイン電源がオン状態に移行された後、前記端末装置との間の無線通信の電波強度が所定以上になったことを検出した場合に撮影に関する所定動作を実行する、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の撮像装置。
[付記5]
前記第1の電源制御手段は、メイン電源をオフした状態において、予め登録した前記端末装置との間の無線通信が可能になったことを検出した場合にメイン電源をオン状態に移行させ、予め登録していない前記端末装置との間の無線通信が可能になったことを検出した場合にはメイン電源をオン状態に移行させない、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の撮像装置。
[付記6]
前記第1の電源制御手段は、予め登録していない前記端末装置との間の無線通信が可能になったことを検出した場合にメイン電源をオン状態に移行させるか否かを予め設定可能である、
ことを特徴とする付記5に記載の撮像装置。
[付記7]
付記1乃至6のいずれか1つに記載の撮像装置と、前記端末装置とを含む撮影システムであって、
前記端末装置は、被写体とともに移動し、
前記撮像装置は、前記端末装置と前記撮像装置との近接により、前記端末装置との間の無線通信が可能になったことを検出して前記撮像装置のメイン電源をオン状態に移行させる、
ことを特徴とする撮影システム。
[付記8]
前記端末装置は、前記端末装置と前記撮像装置との近接により、前記撮像装置との間の無線通信が可能になったことを検出して前記端末装置のメイン電源をオン状態に移行させる、
ことを特徴とする付記7に記載の撮影システム。
[付記9]
被写体とともに移動する端末装置と撮像装置を含む撮影システムであって、
前記撮像装置は、
無線通信手段以外のメイン電源をオフした状態において、前記端末装置との距離が所定以下になったことを検出してメイン電源をオン状態に移行させ、
前記メイン電源をオン状態に移行させた後に、撮影に関する所定動作を実行し、
前記撮影に関する所定動作が実行された後に、前記端末装置との距離が所定以上になったことを検出した場合には、前記メイン電源をオフ状態に移行させる、
ことを特徴とする撮影システム。
[付記10]
端末装置との間で無線通信が可能な撮像装置で実行される電源管理方法であって、
メイン電源をオフした状態において、前記端末装置との間の無線通信が可能になったことを検出してメイン電源をオン状態に移行させる第1の電源制御処理と、
前記第1の電源制御処理によって前記メイン電源がオン状態に移行された場合に、撮影に関する所定動作を実行する撮影制御処理と、
前記撮影制御処理によって前記撮影に関する所定動作が実行された後に、前記端末装置との間の無線通信ができなくなったことを検出した場合には、前記メイン電源をオフ状態に移行させる第2の電源制御処理と、
を含むことを特徴とする電源管理方法。
[付記11]
端末装置との間で無線通信が可能な撮像装置を制御するコンピュータに、
メイン電源をオフした状態において、前記端末装置との間の無線通信が可能になったことを検出してメイン電源をオン状態に移行させる第1の電源制御機能と、
前記第1の電源制御機能によって前記メイン電源がオン状態に移行された場合に、撮影に関する所定動作を実行する撮影制御機能と、
前記撮影制御機能によって前記撮影に関する所定動作が実行された後に、前記端末装置との間の無線通信ができなくなったことを検出した場合には、前記メイン電源をオフ状態に移行させる第2の電源制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。