特許第6809183号(P6809183)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6809183支払処理装置、支払処理システム及び収納サーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6809183
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】支払処理装置、支払処理システム及び収納サーバ
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20201221BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20201221BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20201221BHJP
   G07D 11/00 20190101ALI20201221BHJP
【FI】
   G07G1/12 361Z
   G07G1/00 331Z
   G07G1/06 A
   G07D11/00 391B
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-239307(P2016-239307)
(22)【出願日】2016年12月9日
(65)【公開番号】特開2018-97460(P2018-97460A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年8月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】粉川 直樹
(72)【発明者】
【氏名】松井 冬樹
【審査官】 國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−162153(JP,A)
【文献】 特開2003−022468(JP,A)
【文献】 特開2008−276432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
G07D 11/00 − 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納票を用いた支払処理を行なう支払処理装置において、
上記収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、
上記情報コードに含まれている、少なくとも収納先情報に基づいて、当該収納票の種類に応じた特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、
上記特徴情報に基づいて、当該収納票に対して、所定の収納処理を実行する収納処理実行手段と
上記収納票の画像を読み取る画像読取手段と、
を備え
上記特徴情報取得手段が、上記画像読取手段により読み取られた上記収納票の画像情報と、取得した上記特徴情報に含まれる外形情報とを比較し、
上記収納処理実行手段が、上記特徴情報取得手段による比較結果に基づいて、所定の収納処理を実行する
ことを特徴とする支払処理装置。
【請求項2】
収納票を用いた支払処理を行なう支払処理装置において、
上記収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、
上記情報コードに含まれている、少なくとも収納先情報に基づいて、当該収納票の種類に応じた特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、
上記特徴情報に基づいて、当該収納票に対して、所定の収納処理を実行する収納処理実行手段と
を備え、
上記特徴情報取得手段が、
上記情報コードに基づいて、収納先の収納代行に係る情報を解析し、少なくとも、上記収納先情報と上記収納代行に係る情報とに基づいて、対応する上記特徴情報を取得し、
少なくとも上記収納代行に係る情報の正当確認が得られない場合、当該収納票の画像情報を含む収納票の特徴情報の登録要求をする
ことを特徴とする支払処理装置。
【請求項3】
上記収納処理実行手段が、上記特徴情報に含まれる、収納票における1又は複数の押印位置情報に基づいて、当該収納票に対して、各押印位置に押印処理を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の支払処理装置。
【請求項4】
上記収納処理実行手段が、上記特徴情報に含まれる、収納票の1又は複数の切断位置情報に基づいて、当該収納票を切断することを特徴とする請求項1又は2に記載の支払処理装置。
【請求項5】
収納票を用いた支払処理を行なう支払処理システムにおいて、
少なくとも、収納先情報と、収納票の種類に応じた特徴情報とを対応付けた収納票情報を記憶する収納票情報記憶手段と、
上記収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、
上記情報コードに含まれている、少なくとも収納先情報に基づいて、当該収納票の種類に応じた特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、
上記特徴情報に基づいて、当該収納票に対して、所定の収納処理を実行する収納処理実行手段と
上記収納票の画像を読み取る画像読取手段と
を備え
上記特徴情報取得手段が、上記画像読取手段により読み取られた上記収納票の画像情報と、取得した上記特徴情報に含まれる外形情報とを比較し、
上記収納処理実行手段が、上記特徴情報取得手段による比較結果に基づいて、所定の収納処理を実行する
とを特徴とする支払処理システム。
【請求項6】
収納票を用いた支払処理を行なう支払処理システムにおいて、
少なくとも、収納先情報と、収納票の種類に応じた特徴情報とを対応付けた収納票情報を記憶する収納票情報記憶手段と、
上記収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、
上記情報コードに含まれている、少なくとも収納先情報に基づいて、当該収納票の種類に応じた特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、
上記特徴情報に基づいて、当該収納票に対して、所定の収納処理を実行する収納処理実行手段と
を備え、
上記特徴情報取得手段が、
上記情報コードに基づいて、収納先の収納代行に係る情報を解析し、少なくとも、上記収納先情報と上記収納代行に係る情報とに基づいて、対応する上記特徴情報を取得し、
少なくとも上記収納代行に係る情報の正当確認が得られない場合、当該収納票の画像情報を含む収納票の特徴情報の登録要求をする
ことを特徴とする支払処理システム。
【請求項7】
少なくとも、収納先情報と、収納票の種類に応じた特徴情報とを対応付けた収納票情報を記憶する収納票情報記憶手段と、
請求項1〜のいずれかに記載の支払処理装置から取得した、少なくとも、上記情報コードに含まれている収納先情報に基づいて、上記収納票情報記憶手段から、対応する収納票の種類に応じた特徴情報を含む収納票情報を検索する収納票情報検索手段と、
上記支払処理装置から、収納票の画像情報を含む収納票の特徴情報の登録要求を取得すると、収納票の画像情報及び当該収納票の特徴情報を、上記収納票情報記憶手段に登録する収納票情報登録手段と
を備えることを特徴とする収納サーバ。
【請求項8】
収納票を用いた支払処理を行なう支払処理装置において、
上記収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、
上記情報コードに含まれている情報に基づいて、当該収納票に対する特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、
上記収納票の画像情報を読み取る画像読取手段と、
上記特徴情報に基づいて、当該収納票に対して所定の収納処理を実行する収納処理実行手段と
を備え、
上記特徴情報取得手段が、上記収納票に対する上記特徴情報を取得できない場合は、当該収納票の上記画像情報を送信する
ことを特徴とする支払処理装置。
【請求項9】
収納票を用いた支払処理を行なう支払処理システムにおいて、
上記収納票に対する特徴情報を記憶する収納票情報記憶手段と、
上記収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、
上記情報コードに含まれている情報に基づいて、当該収納票に対する特徴情報を上記収納票情報記憶手段から取得する特徴情報取得手段と、
上記収納票の画像情報を読み取る画像読取手段と、
上記特徴情報に基づいて、当該収納票に対して所定の収納処理を実行する収納処理実行手段と
を備え、
上記特徴情報取得手段が、上記収納票に対する上記特徴情報を上記収納票情報記憶手段から取得できない場合は、当該収納票の上記画像情報を送信する
ことを特徴とする支払処理システム。
【請求項10】
収納票に対する特徴情報を記憶する収納票情報記憶手段と、
請求項8の支払処理装置から取得した上記情報コードに含まれている情報に基づいて、上記収納票情報記憶手段から、対応する収納票に対する特徴情報を検索する収納票情報検索手段と、
上記支払処理装置から収納票の画像情報を取得すると、当該収納票の画像情報及び当該収納票の特徴情報を、上記収納票情報記憶手段に登録する収納票情報登録手段と
を備えることを特徴とする収納サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支払処理装置、支払処理システム及び収納サーバに関し、例えば、払込取扱票等の収納票を用いて支払処理を行なう支払処理装置、支払処理システム及び収納サーバに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストア等の小売店や金融機関等は、事業者への収納代行業務を行なっている。
【0003】
例えば、コンビニエンスストアにあるレジスタには、バーコードスキャナーが搭載されており、バーコードスキャナーが収納票に付されているバーコードを読み取り、バーコードで読み取った金額を顧客が支払っている。
【0004】
一般的に、収納票は、お客様控票(領収証)、事業者控票(払込通知書)、金融機関等の収納代理機関控票(受領証)からなっている。そのため、顧客が料金を支払った後、店員は、顧客から現金を受領し、収納票の各証票に領収日付印を押印し、各証票を切り離している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−210296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したように、従来の収納票の取り扱いは、人(店員)が手作業で行なっているため、代金の受領漏れ、押印漏れ、各証票の切り離し漏れ等のミスが生じ得る。
【0007】
そのため、上記課題に鑑み、収納票を用いた支払いミスや、収納票の取り扱いミスを軽減することができる支払処理装置、支払処理システム及び収納サーバが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、第1の本発明に係る支払処理装置は、収納票を用いた支払処理を行なう支払処理装置において、(1)収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、(2)情報コードに含まれている、少なくとも収納先情報に基づいて、当該収納票の種類に応じた特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、(3)特徴情報に基づいて、当該収納票に対して、所定の収納処理を実行する収納処理実行手段と、収納票の画像を読み取る画像読取手段とを備え、特徴情報取得手段が、画像読取手段により読み取られた収納票の画像情報と、取得した特徴情報に含まれる外形情報とを比較し、収納処理実行手段が、特徴情報取得手段による比較結果に基づいて、所定の収納処理を実行することを特徴とする。
第2の本発明に係る支払処理装置は、収納票を用いた支払処理を行なう支払処理装置において、(1)収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、(2)情報コードに含まれている、少なくとも収納先情報に基づいて、当該収納票の種類に応じた特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、(3)特徴情報に基づいて、当該収納票に対して、所定の収納処理を実行する収納処理実行手段とを備え、特徴情報取得手段が、情報コードに基づいて、収納先の収納代行に係る情報を解析し、少なくとも、収納先情報と収納代行に係る情報とに基づいて、対応する特徴情報を取得し、少なくとも収納代行に係る情報の正当確認が得られない場合、当該収納票の画像情報を含む収納票の特徴情報の登録要求をすることを特徴とする。
第3の本発明に係る支払処理装置は、収納票を用いた支払処理を行なう支払処理装置において、(1)収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、(2)情報コードに含まれている情報に基づいて、当該収納票に対する特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、(3)収納票の画像情報を読み取る画像読取手段と、(4)特徴情報に基づいて、当該収納票に対して、所定の収納処理を実行する収納処理実行手段とを備え、特徴情報取得手段が、収納票に対する特徴情報を取得できない場合は、当該収納票の画像情報を送信することを特徴とする。
【0009】
の本発明に係る支払処理システムは、収納票を用いた支払処理を行なう支払処理システムにおいて、(1)少なくとも、収納先情報と、収納票の種類に応じた特徴情報とを対応付けた収納票情報を記憶する収納票情報記憶手段と、(2)収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、(3)情報コードに含まれている、少なくとも収納先情報に基づいて、当該収納票の種類に応じた特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、(4)特徴情報に基づいて、当該収納票に対して、所定の収納処理を実行する収納処理実行手段と、(5)収納票の画像を読み取る画像読取手段とを備え、特徴情報取得手段が、画像読取手段により読み取られた収納票の画像情報と、取得した特徴情報に含まれる外形情報とを比較し、収納処理実行手段が、特徴情報取得手段による比較結果に基づいて、所定の収納処理を実行することを特徴とする。
第5の本発明に係る支払処理システムは、収納票を用いた支払処理を行なう支払処理システムにおいて、(1)少なくとも、収納先情報と、収納票の種類に応じた特徴情報とを対応付けた収納票情報を記憶する収納票情報記憶手段と、(2)収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、(3)情報コードに含まれている、少なくとも収納先情報に基づいて、当該収納票の種類に応じた特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、(4)特徴情報に基づいて、当該収納票に対して、所定の収納処理を実行する収納処理実行手段とを備え、特徴情報取得手段が、情報コードに基づいて、収納先の収納代行に係る情報を解析し、少なくとも、収納先情報と収納代行に係る情報とに基づいて、対応する特徴情報を取得し、少なくとも収納代行に係る情報の正当確認が得られない場合、当該収納票の画像情報を含む収納票の特徴情報の登録要求をすることを特徴とする。
第6の本発明に係る支払処理システムは、収納票を用いた支払処理を行なう支払処理システムにおいて、(1)収納票に対する特徴情報を含む収納票情報を記憶する収納票情報記憶手段と、(2)収納票に付されている情報コードを取得する情報コード取得手段と、(3)情報コードに含まれている情報に基づいて、当該収納票に対する特徴情報を収納票情報記憶手段から取得する特徴情報取得手段と、(4)収納票の画像情報を読み取る画像読取手段と、(5)特徴情報に基づいて、当該収納票に対して所定の収納処理を実行する収納処理実行手段とを備え、特徴情報取得手段が、収納票に対する特徴情報を収納票情報記憶手段から取得できない場合、当該収納票の画像情報を送信することを特徴とする。
【0010】
の本発明に係る収納サーバは、(1)少なくとも、収納先情報と、収納票の種類に応じた特徴情報とを対応付けた収納票情報を記憶する収納票情報記憶手段と、(2)第1又は第2の本発明に係る支払処理装置から取得した、少なくとも、情報コードに含まれている収納先情報に基づいて、収納票情報記憶手段から、対応する収納票の種類に応じた特徴情報を含む収納票情報を検索する収納票情報検索手段と、(3)支払処理装置から、収納票の画像情報を含む収納票の特徴情報の登録要求を取得すると、収納票の画像情報及び当該収納票の特徴情報を、収納票情報記憶手段に登録する収納票情報登録手段とを備えることを特徴とする。
第8の本発明に係る収納サーバは、(1)収納票に対する特徴情報を記憶する収納票情報記憶手段と、(2)請求項8の支払処理装置から取得した情報コードに含まれている情報に基づいて、収納票情報記憶手段から、対応する収納票に対する特徴情報を検索する収納票情報検索手段と、(3)支払処理装置から収納票の画像情報を取得すると、当該収納票の画像情報及び当該収納票の特徴情報を、収納票情報記憶手段に登録する収納票情報登録手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、収納票を用いた支払いミスや、収納票の取り扱いミスを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る支払システムの全体構成を示す全体構成図である。
図2】実施形態に係る収納票情報データベースにおける収納票情報の構成を示す構成図である。
図3】実施形態に係る収納票の構成を示す構成図である。
図4】実施形態に係る収納票に付されているバーコード情報の構成を説明する説明図である。
図5】実施形態に係る支払処理装置の外観構成を示す外観構成図である。
図6】実施形態に係る支払処理装置の制御系の内部構成を示す内部構成図である。
図7】実施形態に係る収納サーバの内部構成を示す内部構成図である。
図8】実施形態に係る支払処理装置における支払処理の動作を示すフローチャートである(その1)。
図9】実施形態に係る支払処理装置における支払処理の動作を示すフローチャートである(その2)。
図10】変形実施形態に係る支払処理装置の外観構成を示す外観構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)主たる実施形態
以下では、本発明に係る支払処理装置、支払処理システム及び収納サーバの実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
(A−1)実施形態の構成
(A−1−1)支払システムの全体構成
図1は、実施形態に係る支払システムの全体構成を示す全体構成図である。
【0015】
図1において、実施形態に係る支払システム1は、ネットワークNTに接続可能な、支払処理装置10、収納サーバ20、収納票情報データベース30を有する。
【0016】
支払処理装置10は、収納票を用いた料金の支払い処理を行なうものである。支払処理装置10は、例えばコンビニエンスストア等の小売店舗STや、銀行等の金融機関の店舗や、駅や空港等の公共施設に設けられる。この実施形態では、支払処理装置10が、小売店舗STに設けられている場合を例示する。
【0017】
支払処理装置10は、収納票のバーコードから読み取った情報に基づいて、料金の受領(すなわち、現金処理)を行なうと共に、収納票を構成している各証票への押印(例えば受領印の印刷など)や、各証票の切断を行なうものである。これにより、従来、店員等が手作業で行なっていた料金受領、各証票への押印、各証票の切り離しを自動的行なうことができる。なお、支払処理装置10の詳細な構成及び処理の詳細な説明は後述する。
【0018】
収納サーバ20は、支払処理装置10との間で情報の授受を行ない、料金(現金)の収納処理を行なうものである。収納サーバ20は、収納票情報データベース30と通信可能であり、支払処理装置10からの問い合わせに応じて、収納票情報データベース30から収納票に関する情報を検索し、収納票に関する情報を支払処理装置10に応答する。例えば、収納サーバ20と収納票情報データベース30は、収納管理センターCEに設けられる。
【0019】
なお、支払処理装置10には識別情報(識別IDなど)が予め割り当てられており、収納サーバ20は、各支払処理装置10の識別情報を管理している。支払処理装置10と収納サーバ20との間の情報の授受は、上記支払処理装置10の識別情報を用いて行なわれる。
【0020】
収納票情報データベース30は、収納票に関する情報を記憶するものである。収納票の様式は、収納機関である事業者や、収納票を発行する収納代行企業に応じて異なる。例えば、事業者が同一であっても、その事業者への収納を代行する収納代行企業が異なれば、収納票の用紙のサイズ(すなわち、縦方向の長さ、横方向の長さ、厚さ方向の長さ)、バーコード位置、各証票の押印位置、各証票の切断位置等の収納票の様式が異なることが多い。収納票情報データベース30は、上記のように、事業者及び収納代行企業によって様式が異なる様々な種類の収納票に関する情報を記憶している。
【0021】
図2は、実施形態に係る収納票情報データベース30における収納票情報の構成を示す構成図である。
【0022】
図3は、実施形態に係る収納票の構成を示す構成図である。なお、収納票の様式は一例である。
【0023】
図4は、実施形態に係る収納票に付されているバーコード情報の構成を説明する説明図である。
【0024】
以下では、図3及び図4を用いて、実施形態に係る収納票の構成を説明した上で、図2の収納票情報の構成を説明する。
【0025】
図3において、実施形態に係る収納票50は、払込通知書(事業者控票)51、受領証(金融機関等の収納代理機関控票)52、領収証(お客様控票)53の各証票からなる。
【0026】
収納票50の外形(縦方向の長さ、横方向の長さ、厚み方向の長さ)は、発行される収納票の仕様によって異なる。
【0027】
払込通知書51は、事業者側の控票であり、収納に関する情報を特定するため、バーコード512が付与されている。
【0028】
収納票50は、払込通知書51と受領証52とを切り離す切断部541と、受領証52と領収証53とを切り離す切断部542とを有する。切断部541及び542を切断することにより、1枚の収納票50を、払込通知書51、受領証52、領収証53のそれぞれに分離することができる。なお、図3では、切断部が2個である場合を例示しているが、切断部の数は2個に限定されるものではなく、収納票の様式によって異なる。
【0029】
また、払込通知書51、受領証52、領収証53のそれぞれには、受領印(例えば、受領日付印等)を押印する押印部511、521、531が設けられている。各押印部511、521、531は、受領印の押印を許容するように、略正方形の枠線で囲まれている。なお、図3では、押印部が3個である場合を例示しているが、押印部の数は3個に限定されるものではなく、収納票の様式によって異なる。
【0030】
図4(A)に示すように、バーコード情報は44桁で構成されている。バーコード情報「(91)MMMMMM EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE S YYMMDD F PPPPPP T」のうち、上位から、「(91)」は情報の種類やフォーマットを示すデータ項目用(2桁)、「MMMMMM」は国コード及び事業者コード(6桁)、「EEE…E」は自由使用欄(21桁)、「S」は再発行区分(1桁)、「YYMMDD」は支払期限日(6桁)、「F」は印紙フラグ(1桁)、「PPPPPP」は支払金額(6桁)、「T」は全体チェックデジット(1桁)を示す。
【0031】
上記のように、バーコード情報には、バーコード情報の一部として、自由に情報を記載することができる21桁の自由使用欄「EEE…E」がある。
【0032】
図4(B)は、バーコード情報を構成する自由使用欄(21桁)の項目を説明する説明図である。
【0033】
図4(B)において、自由使用欄は、収納代行企業である利用企業コード(3桁)、科目コード(2桁)、発売元システム(1桁)、発行年度(4桁)、納付書番号(8桁)、予備(3桁)を有する。
【0034】
上記のように、21桁の自由使用欄には、収納代行企業としての利用企業コードを記載することができる。自由使用欄の記載方法は、基本的には、事業者等によって自由に設定されるものである。自由使用欄における利用企業コードの設定は様々なルールで設定され得る。従って、バーコードを読み取っても、基本的には1回で利用企業コードを判断できないことがある。本実施形態では、自由記載欄における利用企業コードの様々な設定方法も考慮して、利用企業コードを判断するようにしている。この利用者コードの取得処理の詳細な説明については動作の項で行なう。
【0035】
図2及び図3において、収納票情報データベース30に記憶される収納票情報は、「No.(通し番号)」、「事業者コード」、「収納代行企業名」、自由使用欄における利用企業コードの「開始桁」及び「終了桁」、「利用企業コード」、収納票の外形の縦方向及び横方向の長さを示す「縦長」及び「横長」、バーコード位置を示す「X(X座標)」及び「Y(Y座標)」、各切断部の位置を示す「第1切断部」〜「第3切断部」、第1〜第4の押印位置を示す「X(X座標)」及び「Y(Y座標)」、収納票の画像ファイル名を示す「特徴データ」を、項目として有する。
【0036】
なお、収納票情報データベース30に記憶される収納票情報は、図2に示す項目に限定されるものではなく、他の項目を含むようにしてもよい。例えば、収納票の厚さ方向の長さ(すなわち、収納票の厚さ)、収納票を構成する各証票の外形等を収納票情報の項目としてもよい。また、収納票に複数のバーコードがある場合には、各バーコードの位置を収納票情報の項目に含めるようにしてもよい。
【0037】
ここで、図2における「バーコード位置」、「第1切断部」〜「第3切断部」、「第1押印位置」〜「第4押印位置」は、収納票の平面上に仮定した直交座標系で定まる位置で表すことができる。例えば、収納票の外形の下端をX軸とし、左端をY軸とし、左下角をX軸及びY軸の交点(すなわち原点(基準点))として、「バーコード位置」、「第1切断部」〜「第3切断部」、「第1押印位置」〜「第4押印位置」はX−Y座標で決定した位置とすることができる。
【0038】
例えば、図2のバーコード位置の「X」及び「Y」は、収納票におけるX−Y座標のX値及びY値であり、図3に示す「バーコード512x」及び「バーコード512y」を示している。押印位置や切断部の位置についても同様である。
【0039】
(A−1−2)支払処理装置の詳細な構成
図5は、実施形態に係る支払処理装置10の外観構成を示す外観構成図である。ここでは、支払処理装置10が、店員が操作するPOS(Point Of Sale)レジスタとして用いられる場合を示している。
【0040】
図5において、POSレジスタとしての支払処理装置10は、POSシステム11、第1操作表示部(客用ディスプレイ)12、第2操作表示部(店員用ディスプレイ)13、バーコード読取部14、収納票画像読取部(収納票スキャナー)15、現金処理機16を有する。
【0041】
POSシステム11は、売上発生の際に、バーコード読取部14により商品等に付されているバーコードを読み取り、商品等の品名や値段等を第2操作表示部13に表示し、会計処理や売上商品等の管理処理等やレシート印刷処理を行なう。POSシステム11は、テンキーやキーボード等を有するようにしてもよい。
【0042】
第1操作表示部12は、購入商品等の合計金額等を表示する客用のディスプレイである。第1操作表示部12は、必要に応じて、客に押下を要求する選択ボタンを表示するものであってもよい。第1操作表示部12は、例えば液晶ディスプレイ等の表示部であってもよいし、顧客操作ができるタッチパネル等の入力表示部であってもよい。
【0043】
第2操作表示部13は、商品等の品名や値段や合計金額を表示したり、店員による操作を受け付けたりする。第2操作表示部13は、例えばタッチパネル等を適用することができる。なお、バーコード読取部14が、収納票に付されているバーコードを正しく読取できない場合、店員がバーコードに付記されている数字を第2操作表示部13に入力できるようにしてもよい。
【0044】
バーコード読取部14は、収納票や商品等に付されているバーコードを読み取るものである。バーコード読取部14の数は特に限定されるものではなく、1又は複数のバーコード読取部14を備えるようにしてもよい。例えば、店員が操作可能なバーコード読取部14に加えて、収納票画像読取部15を搭載する筐体内に、別のバーコード読取部14を備えるようにしてもよい。
【0045】
収納票画像読取部15は、収納票の画像を読み取るものである。例えば、図4に示すように、POSシステム11の筐体の下に、収納票画像読取部15を搭載した筐体が設けられるようにしてもよい。
【0046】
例えば、収納票画像読取部15の筐体は、収納票の全部又は一部を筐体内に送り入れたり、筐体内から収納票を排出したりする入出口があり、収納票を取り扱う際に、店員が入出口に収納票を挿入する。収納票画像読取部15の筐体には、後述する押印部17や証票切断部18図5参照)があり、収納票を用いた支払処理が終了すると、少なくとも押印及び切断されたお客様用領収書(収納票の一部証票)が入出口から排出されるようにしてもよい。
【0047】
現金処理機16は、売上商品等についての現金処理を行なうものである。現金処理機16は、紙幣や硬貨等を収容する収容トレイを有しており、現金入出口に投入された現金(紙幣、硬貨)の金額と売上額とに基づいて会計処理を行ない、釣銭が生じたときには、釣銭額に相当する現金(紙幣、硬貨)を現金入出口から排出する。
【0048】
図6は、実施形態に係る支払処理装置10の制御系の内部構成を示す内部構成図である。
【0049】
図6において、実施形態に係る支払処理装置10は、制御部100、POSシステム11、第1操作表示部12、第2操作表示部13、バーコード読取部14、収納票画像読取部15、押印部17、証票切断部18、通信部19を有する。
【0050】
なお、図6におけるPOSシステム11、第1操作表示部12、第2操作表示部13、バーコード読取部14、収納票画像読取部15は、図5における各構成要素に対応する。そのため、これら各構成要素の詳細な説明は省略する。
【0051】
制御部100は、支払処理装置10の各種機能を司る処理部又は装置である。制御部100は、収納票を用いた料金(現金)の支払処理を制御する。
【0052】
制御部100のハードウェアは、図示しないが、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース等を有する回路装置である。CPUが、ROMに格納される処理プログラム(例えば、支払処理プログラム)を実行することにより、支払処理装置10の機能を実現する。なお、処理プログラム(例えば支払処理プログラム)がインストールされることにより、コンピュータ(CPU)を各種処理部として機能させることができるようにしてもよい。その場合でも、処理プログラム(支払処理プログラム)は、図3における制御部100の各処理ブロックとして表すことができる。
【0053】
制御部100は、事業者コード抽出部101、収納票画像取得部102、収納票特徴情報取得部103、利用企業コード取得部104、押印・証票切断制御部105を有する。
【0054】
事業者コード抽出部101は、バーコード読取部14により読み取られた収納票に付されているバーコード情報を取得し、このバーコード情報に含まれている事業者コードを抽出する。また、事業者コード抽出部101は、抽出した事業者コードを含む情報を収納サーバ20に送信するために、事業者コードを通信部19に与える。
【0055】
収納票画像取得部102は、収納票画像読取部15により読み取られた収納票の画像データを収納票画像読取部15から取得する。
【0056】
収納票特徴情報取得部103は、通信部19を介して、収納サーバ20から事業者コードの一致する収納票に関する収納票特徴情報を取得する。ここで、収納票特徴情報は、収納票の様式の特徴情報である。例えば、収納票特徴情報は、図2に示す収納票情報を構成する全部又は一部の情報とすることができ、より具体的には、利用企業コード位置情報、切断部(第1〜第3切断部)の位置情報、押印位置(第1押印位置〜第4押印位置)情報などを含む情報である。
【0057】
この実施形態では、収納票特徴情報取得部103は、少なくとも、バーコード情報取得部31、押印・切断位置情報取得部32を有する。
【0058】
バーコード情報取得部31は、収納サーバ20から事業者コードの一致する収納票のバーコード位置情報に基づいて、収納票におけるバーコード位置情報を取得する。
【0059】
ここで、収納サーバ20から取得するバーコード位置情報は、自由使用欄における利用企業コードの位置情報を含むものである。これにより、事業者コードの一致する収納票の収納票情報に基づいて、自由使用欄に記載される利用企業コードの位置情報を取得することができる。
【0060】
押印・切断位置情報取得部32は、収納サーバ20から事業者コードの一致する収納票の各押印位置情報、各切断位置情報を取得する。これにより、当該収納票における各押印位置及び各切断位置を取得できる。
【0061】
利用企業コード取得部104は、バーコード情報取得部31により取得されたバーコード位置情報と、バーコード読取部14に読み取られたバーコード情報とに基づいてバーコード情報を読み取り、バーコード情報の自由使用欄において利用企業コードを読み取るものである。利用企業コード取得部104は、自由使用欄から読み取った利用企業コードを含む情報を収納サーバ20に送信するため、利用企業コードを通信部19に与える。
【0062】
押印・証票切断制御部105は、押印・切断位置情報取得部32により取得された収納票の各押印位置情報、各切断位置情報に基づいて、各押印位置、各切断位置を特定することができる。押印・証票切断制御部105は、各押印位置情報に基づいて押印部17の駆動制御を行なうと共に、各切断位置情報に基づいて証票切断部18の駆動制御を行なう。
【0063】
押印部17は、押印・証票切断制御部105の制御の下、指定された各押印位置に、受領印の押印(例えば、受領日付印等の印刷)をする。押印部17の機構的な構成は様々な構成を適用でき、例えば、収納票画像読取部15の筐体内に、受領印と、各指定位置に受領印を移動すると共に、収納票に対して受領印を上下方向に押圧する機構部とを有する。これにより、指定された各押印位置に受領印を押印することができる。
【0064】
証票切断部18は、押印・証票切断制御部105の制御の下、指定された各切断位置に基づいて用紙を切断し、収納票を構成する各証票を切り離すものである。証票切断部18の機構的な構成は様々な構成を適用でき、例えば、カッター等の切断部と、カッター等の切断部を切断位置に移動する機構部とを有する。また、証票切断部18は、切り離した各証票のうち、少なくとも領収証(お客様控票)53を、収納票画像読取部15の筐体内の入出口に排出する。なお、領収証(お客様控票)53以外の各証票については、入出口から排出せず、支払処理装置10内に予め搭載した収納部に搬送するようにしてもよい。
【0065】
通信部19は、ネットワークNTを通じて収納サーバ20との間で情報を授受するものである。
【0066】
(A−1−3)収納サーバの詳細な構成
図7は、実施形態に係る収納サーバ20の内部構成を示す内部構成図である。
【0067】
図7において、実施形態に係る収納サーバ20は、制御部21、通信部22を有する。
【0068】
制御部21は、収納サーバ20の各種機能を司る処理部又は装置である。制御部21は、POSレジスタとしての支払処理装置10から事業者コードを含む情報に基づいて、収納票情報データベース30に記憶されている収納票情報を検索し、対応する収納票の収納票特徴情報を、要求元である支払処理装置10に送信する。
【0069】
制御部21のハードウェアは、図示しないが、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース等を有する回路装置である。CPUが、ROMに格納される処理プログラムを実行することにより、支払処理装置10の機能を実現する。なお、処理プログラムがインストールされることにより、コンピュータ(CPU)を各種処理部として機能させることができるようにしてもよい。その場合でも、処理プログラムは、図3における制御部100の各処理ブロックとして表すことができる。
【0070】
制御部21は、収納票情報検索部211、利用企業コード検索部212、収納票特徴情報検索部213、収納票情報登録部214を有する。
【0071】
収納票情報検索部211は、支払処理装置10から事業者コードを含む情報を取得し、事業者コードに基づいて、収納票情報データベース30から収納票情報を検索するものである。このとき、収納票情報検索部211は、収納票情報データベース30から、事業者コードに一致する収納票情報を検索する。
【0072】
利用企業コード検索部212は、支払処理装置10から利用企業コードを含む情報を取得し、収納票情報データベース30における事業者コードが一致する収納票情報を参照して、利用企業コードの有無を検索するものである。つまり、同一の事業者であっても、複数の収納代行企業が収納代行を請け負っている場合がある。そのため、事業者コードが一致する収納票情報の中から、利用者コードが一致するものがあるか否かを判定する。
【0073】
収納票特徴情報検索部213は、事業者コードが一致する収納票情報の収納票特徴情報を支払処理装置10に送信するため、収納票特徴情報を通信部22に与える。
【0074】
具体的には、収納票情報検索部211により事業者コードが一致する収納票情報が検索された場合、収納票特徴情報検索部213は、当該収納票情報に含まれるバーコード位置情報を通信部22に与える。又、利用企業コード検索部212により利用企業コードの有無が検索された場合、収納票特徴情報検索部213は、当該利用者コードを含む収納票の収納票特徴情報(例えば、押印位置情報、切断位置情報)を通信部22に与える。
【0075】
収納票情報登録部214は、収納票情報データベース30に、新規の収納票情報を登録するものである。
【0076】
収納票情報の新規登録、追加登録、変更登録する方法は、種々の方法を広く適用することができる。例えば、各事業者の収納票の発行事業者、又は、収納票を用いる小売業者などから、収納票の画像データ、収納票の外形(縦長、横長)、バーコード位置、収納票の厚さなどの情報を取得し、これらの情報を収納票情報として登録するようにしてもよい。また、押印位置や切断位置等は、オペレータにより計測された情報や、例えば画像処理などを利用した機械学習技術を用いて検出した情報を収納票情報として登録するようにしてもよい。
【0077】
通信部22は、ネットワークNTを通じて支払処理装置10との間で情報を授受するものである。
【0078】
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態に係る支払処理装置10における支払処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0079】
図8及び図9は、実施形態に係る支払処理装置10における支払処理の動作を示すフローチャートである。
【0080】
まず、店員は顧客から収納票を受け取り、バーコード読取部14により、収納票のバーコード512を読み取る。
【0081】
ここで、バーコード読取部14によるバーコードの読み取りは、様々な方法を適用できる。例えば、店員が、操作可能なバーコード読取部14で収納票のバーコードを読み取るようにしてもよい。この場合、バーコード読取後に、店員が、収納票画像読取部15を搭載する筐体の入出口に収納票を挿入するようにする。
【0082】
また例えば、収納票画像読取部15を搭載する筐体の入出口に、店員が収納票を挿入し、この筐体内にあるバーコード読取部14で収納票のバーコードを読み取るようにしてもよい。
【0083】
なお、バーコード読取部14によるバーコードの読み取りに不具合がある場合には、店員がバーコードに付記されている数字をテンキー等により入力するようにしてもよい。
【0084】
事業者コード抽出部101は、バーコード読取部14により読み取られたバーコード情報に基づいて、事業者コードを読み取る(S101)。次に、収納票画像読取部15は、収納票の全体画像を読み取る(S102)。
【0085】
事業者コード抽出部101は、読み取ったバーコード情報のうち、上位3桁目から上位8桁目までの6桁の事業者コードを読み取る(図4参照)。なお、収納票のバーコードの読み取りと、収納票の全体画像の読み取りとができるのであれば、これらの順序は限定されるものではなく、全体画像の読み取り後、バーコードの読み取りを行なうようにしてもよい。
【0086】
事業者を特定するため、通信部19は、事業者コード抽出部101により抽出された事業者コードを含む情報を、収納サーバ20に送信する(S103)。
【0087】
収納サーバ20では、収納票情報検索部211が、支払処理装置10から取得した事業者コードに基づいて、収納票情報データベース30を検索して、事業者コードが一致する収納票情報を検索する(S104)。そして、通信部22は、事業者コードが一致する収納票情報のバーコード位置情報を含む情報を、支払処理装置10に送信する(S105)。
【0088】
例えば、支払処理装置10からの事業者コードが「事業者コード:54321」である場合、収納票情報検索部211は、図2の収納票情報のうち、第1行目の「No.1」の収納票情報を検索する。そして、検索した収納票情報のうち、少なくとも、「バーコード位置」、利用企業コードの「開始桁」及び「終了桁」を含む。
【0089】
支払処理装置10では、利用企業コード取得部104は、収納サーバ20からバーコード位置情報を含む情報を取得し(S106)、バーコード位置情報に基づいて、利用企業コードを読み取る(S106)。
【0090】
ここで、利用企業コードの読取処理について説明する。利用者コードは、バーコード情報の自由使用欄にある。S101でバーコード読取部14が収納票のバーコードを読み取るが、自由使用欄における利用企業コードのアサインは事業者によっては異なる。つまり、利用者コードの桁数などが異なる。S101でバーコード読取部14がバーコード情報を読み取っても、そのときには利用企業コードを認識することができない。そこで、この実施形態では、バーコード情報から事業者コードを読み取り、事業者コードが一致する収納票の利用者コードの「開始桁」及び「終了桁」を含むバーコード位置情報を取得し、自由使用欄から利用者コードを取得する。
【0091】
具体的に、収納サーバ20からバーコード位置情報を取得すると、「バーコード位置」(図2参照)に基づいて、バーコード読取部14がバーコードを読み取る。そして、利用企業コード取得部104は、収納サーバ20から取得した利用企業コードの「開始桁」及び「終了桁」に基づいて、利用者コードを取得する。例えば、利用企業コードの「開始桁:1」及び「終了桁:5」である場合、21桁の自由使用欄のうち、上位1桁目から上位5桁目までの5桁の情報を、利用企業コードとして読み取る。
【0092】
利用者コードを確認するため、利用企業コード取得部104により読み取られた利用企業コードを含む情報は、通信部19から収納サーバ20に送信される(S108)。
【0093】
収納サーバ20において、利用企業コード検索部212は、事業者コードが一致する収納票情報を参照して、支払処理装置10から取得した利用者コードの確認を行ない(S109)、その確認結果を支払処理装置10に送信する(S110)。例えば、図2において、事業者コードが一致する収納票情報が「No.1」である場合に、支払処理装置10からの利用企業コードが「12345」であるか否かを確認する。
【0094】
支払処理装置10では、収納サーバ20からの確認結果に基づいて、正しい利用企業コードがあるか否かを判断する(S111)。正しい利用企業コードがある場合、処理はS112に進み、そうでない場合、処理はS116に進む。
【0095】
正しい利用企業コードがある場合、収納票特徴情報取得部103は、収納サーバ20に対して、収納票特徴情報を要求する(S112)。収納サーバ20は、支払処理装置10からの要求に基づいて、事業コードが一致する収納票特徴情報を支払処理装置10に送信する(S113)。
【0096】
支払処理装置10では、収納票特徴情報取得部103が、収納サーバ20から収納票特徴情報を取得し、収納票画像読取部15により読み取られた収納票の画像データと、収納票特徴情報とを照合して、収納票特徴情報が収納票の画像データとが一致するか確認する(S114)。例えば、収納票特徴情報と収納票の画像データとに基づいて、収納票の外形の寸法(縦長、横長)、バーコード位置等が一致するか否かを確認する。
【0097】
収納票の画像データと収納票特徴情報とが一致すると、押印・切断位置情報取得部32は、収納票特徴情報から各押印位置、各切断位置の情報を取得する。
【0098】
現金処理機16は、POSシステム11と連携して、バーコード情報で示される料金に相当する現金を投入して、現金処理を行なう。このとき、現金処理機16は、収納サーバ20に対して現金を受領したことを通知する。これに対して、収納サーバ20は、現金受領通知に対する応答を支払処理装置10に応答する。
【0099】
支払処理装置10において、収納サーバ20から現金受領通知に対応する応答の受信後、押印・証票切断制御部105は、各押印位置情報に基づいて、押印部17を駆動制御して、各押印位置に押印する。さらに、押印・証票切断制御部105は、各切断位置情報に基づいて、証票切断部18を駆動制御して、各切断位置で切断する(S115)。
【0100】
ここで、押印部17は、現金処理機16による現金受領後に、各押印位置に受領印を押印(印刷)する。また、証票切断部18は、押印部17による各押印位置への押印完了後に、各切断位置を切断する。
【0101】
例えば、押印部17は、払込通知書(事業者控票)51、受領証(金融機関等の収納代理機関控票)52、領収証(お客様控票)53の各押印位置に押印していき、証票切断部18は、払込通知書(事業者控票)51への押印後、払込通知書(事業者控票)51と受領証(金融機関等の収納代理機関控票)52との間の切断部を切断する等のように、各押印が終了した証票を切り離していくようにしてもよい。このように、押印タイミングと切断タイミングは、様々なタイミングで制御されるようにしてもよい。
【0102】
その後、領収証(お客様控票)53を返却する(S116)。このとき、領収証(お客様控票)53以外の各証票は、支払処理装置10内に納めるようにしてもよい。つまり、顧客に返却すべき領収証(お客様控票)53は支払処理装置10から排出されるが、それ以外の証票は、排出されず、内部に収容されるようにしてもよい。
【0103】
正しい利用企業コードがない場合、今回の収納票の収納票情報が、収納票情報データベース30に登録されていない。
【0104】
なお、この場合、支払処理装置10の第2操作表示部13には、エラーメッセージが表示される。店員は、従来と同様に、POSシステム11を用いて料金の支払処理、受領印の押印、各証票の切り離しなどを行なう。また、店員は、料金の支払いを行なうため、収納代行企業や該当する利用企業コードを、他のシステムや電話などを通じて問い合わせ、収納代行企業や利用企業コードを確認できたときに、支払処理を行なうようにしてもよい。
【0105】
S111において、正しい利用企業コードがない場合、当該未登録の収納票情報を収納票情報データベース30に登録するため、支払処理装置10は、収納票画像読取部15により読み取られた収納票の画像データを含む情報を、収納サーバ20に送信する(S117)。
【0106】
収納サーバ20では、支払処理装置10から収納票の画像データを取得すると、その収納票の画像データに基づいて画像処理を行ない、外形の寸法(縦長、横長)、バーコード位置、切断部の位置、押印位置等を解析する(例えば、機械学習や画像処理など)(S118)。なお、オペレータなどの人の手により、外形の寸法(縦長、横長)、バーコード位置、切断部の位置、押印位置等が指定されるようにしてもよい。
【0107】
収納票情報登録部214は、上記のようにして得られた収納票情報を収納票情報データベース30に登録する(S119)。このとき、収納票情報登録部214は、支払処理装置10から得られた画像データを収納票データベース30に格納するが、その格納先を図2の収納票情報の「特徴データ」に登録する。
【0108】
(A−3)実施形態の効果
以上のように、実施形態によれば、収納票情報データベースと連携を取り、収納票を用いた支払い処理を自動化することができる。実施形態によれば、収納票に付されているバーコード情報(事業者コード、利用企業コード)に基づいて収納票特徴情報を取得することができるので、収納票における各押印位置への押印、各証票の切断を自動することができ、店員による手作業によって生じ得るミスをなくすことが期待できる。
【0109】
(B)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用することができる。
【0110】
(B−1)上述した実施形態では、本発明に係る支払処理装置が、POSレジスタである場合を例示した。しかし、図10に例示するように、本発明に係る支払処置装置が、金融機関の店舗や駅やコンビニエンスストアの店舗などに設置される自立型端末(例えば、KIOSK端末)であってもよい。従来のKIOSK端末は、現金処理を行なうことができない。しかし、自立型端末とすることにより、顧客は、店員に収納票を渡すことなく、顧客自身が自立型端末を操作して、収納票を用いた支払処理を行なうことができる。
【0111】
(B−2)上述した実施形態では、支払処理装置が、収納票を用いた支払処理のたびに、収納サーバに収納票情報を問い合わせ、収納票情報データベースに登録されている収納票情報を取得する場合を例示した。つまり、収納サーバが集中管理を行なう場合を例示した。
【0112】
しかし、収納サーバの各機能及び収納票情報データベースを分散させて、分散処理により、支払処理装置が収納票情報(収納票特徴情報)を取得し、支払処理を行なうようにしてもよい。例えば、支払処理装置が、定期的に、複数の収納票のそれぞれの収納票情報を収納サーバからダウンロードし、収納票情報データベースと同期した各収納票情報を記憶しておくようにしてもよい。
【0113】
これにより、支払処理のたびに、支払処理装置が収納票情報を取得することなく、収納票を用いた支払処理を行なうことができる。
【0114】
(B−3)収納票に付されている情報コードがバーコードである場合を例示した。しかし、情報コードは、バーコードに限定されるものではなく、2次元コードであってもよい。
【0115】
(B−4)ある事業者に料金を支払う収納票である場合を例示したが、収納票の限定されるものではなく、航空券やコンサートチケットなどであってもよい。
【符号の説明】
【0116】
1…支払システム、10…支払処理装置、20…収納サーバ、30…収納票データベース、NT…ネットワーク、100…制御部、11…POSシステム、12…第1操作表示部、13…第2操作表示部、14…バーコード読取部、15…収納票画像読取部、17…押印部、18…証票切断部、19…通信部、21…制御部、22…通信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10