(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6809268
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 17/04 20060101AFI20201221BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20201221BHJP
H01F 27/24 20060101ALI20201221BHJP
H01F 27/36 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
H01F17/04 F
H01F27/29 G
H01F27/24 H
H01F27/36 159
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-23859(P2017-23859)
(22)【出願日】2017年2月13日
(65)【公開番号】特開2018-133354(P2018-133354A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2019年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 英臣
(72)【発明者】
【氏名】小町 俊文
(72)【発明者】
【氏名】友成 寿緒
【審査官】
秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−096815(JP,A)
【文献】
特開2009−260014(JP,A)
【文献】
特開2016−178174(JP,A)
【文献】
特開平06−197479(JP,A)
【文献】
特開平06−231975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/04
H01F 27/24
H01F 27/29
H01F 27/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻芯部と、前記巻芯部の軸方向における両端にそれぞれ設けられた第1及び第2の鍔部とを有するドラム型コアと、
前記第1及び第2の鍔部に固定された板状コアと、
前記第1の鍔部に設けられた第1の端子電極と、
前記第2の鍔部に設けられた第2の端子電極と、
前記巻芯部に巻回され、一端が前記第1の端子電極に接続され、他端が前記第2の端子電極に接続されたワイヤと、を備え、
前記第1の鍔部と前記第2の鍔部との間の磁路には、前記巻芯部を前記軸方向に分断する第1の磁気ギャップが設けられ、
前記第1及び第2の鍔部と前記板状コアとの間には第2の磁気ギャップが設けられ、
前記第1の磁気ギャップは、前記第2の磁気ギャップよりも大きいことを特徴とするコイル部品。
【請求項2】
前記第1の磁気ギャップは、前記巻芯部の前記軸方向における中間位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1の磁気ギャップを埋める非磁性材料をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記非磁性材料は、さらに前記巻芯部の表面に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第1の磁気ギャップによって分断された前記巻芯部は、互いに嵌合する形状を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコイル部品に関し、特に、ドラム型コアを用いた表面実装型のコイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの情報端末や車載用電子機器に用いられる電子部品に対しては、小型化及び低背化が強く求められている。このため、トランスなどのコイル部品についても、トロイダル型コアではなくドラム型コアを用いた表面実装型のコイル部品が数多く使用されている。例えば、特許文献1には、ドラム型コアを用いた表面実装型の昇圧トランスが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載されたコイル部品は、ドラム型コアに板状コアが固定された構造を有しており、これによって閉磁路が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−214628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ドラム型コアを用いたコイル部品は製品ごとに公差が規定されており、公差の範囲内においてはインダクタンス値などのパラメータにばらつきが許容される。ここで、車載用電子機器に用いられるコイル部品は一般に公差が小さいため、ドラム型コアや板状コアに使用する磁性材料の特性ばらつきによって公差を超えてしまうことがあった。
【0006】
磁性材料の特性ばらつきに起因する公差を抑制するためには、ドラム型コアと板状コアの間に磁気ギャップを設け、磁気ギャップによるインダクタンス値の変化を支配的とすることによって磁性材料の特性ばらつきを隠蔽する方法が考えられる。
【0007】
しかしながら、この方法では、目的とする特性によってはドラム型コアと板状コアの間の磁気ギャップをかなり大きく設定する必要があり、磁気ギャップから漏洩する磁束が他の電子部品に影響を与えるおそれがあった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、磁気ギャップからの磁束の漏洩が低減されたコイル部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるコイル部品は、巻芯部と前記巻芯部の軸方向における両端にそれぞれ設けられた第1及び第2の鍔部とを有するドラム型コアと、前記第1及び第2の鍔部に固定された板状コアと、前記第1の鍔部に設けられた第1の端子電極と、前記第2の鍔部に設けられた第2の端子電極と、前記巻芯部に巻回され、一端が前記第1の端子電極に接続され、他端が前記第2の端子電極に接続されたワイヤとを備え、前記巻芯部を介した前記第1の鍔部と前記第2の鍔部との間の磁路に第1の磁気ギャップが設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、ドラム型コア自体に磁気ギャップが設けられていることから、この磁気ギャップから漏洩する磁束を板状コアによって遮蔽することができる。これにより、例えば磁性材料の特性ばらつきに起因する公差を抑制するために磁気ギャップを設ける場合であっても、漏洩磁束によって他の電子部品が影響を受けるという問題を改善することが可能となる。
【0011】
本発明において、前記第1の磁気ギャップは、前記巻芯部を前記軸方向に分断するギャップによって構成されることが好ましい。これによれば、巻芯部に設けられたギャップが磁気ギャップとして機能する。この場合、前記ギャップは、前記巻芯部の前記軸方向における中間位置に設けられていることが好ましい。これによれば、実装方向によって漏れ磁束の分布が変化しないため、取り扱いが容易となる。
【0012】
本発明によるコイル部品は、前記ギャップを埋める非磁性材料をさらに備えることが好ましい。これによれば、ギャップによって分断された巻芯部が非磁性材料によって連結されるため、ワイヤの巻回作業が容易となる。この場合、前記非磁性材料は、さらに前記巻芯部の表面に形成されていても構わない。このような構造は、ギャップが形成された巻芯部をモールドすることによって得られる。
【0013】
本発明において、前記ギャップによって分断された前記巻芯部は、互いに嵌合する形状を有していても構わない。これによれば、分断された巻芯部の連結作業が容易となる。
【0014】
本発明において、前記第1及び第2の鍔部と前記板状コアとの間に第2の磁気ギャップが設けられていても構わない。これによれば、磁気ギャップによる効果を高めることが可能となる。この場合、前記第1の磁気ギャップは、前記第2の磁気ギャップよりも大きいことが好ましい。これによれば、第2の磁気ギャップからの漏洩磁束を最小限に抑えることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
このように、本発明によれば磁気ギャップからの磁束の漏洩が低減されたコイル部品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコイル部品10の外観を示す略斜視図である。
【
図2】
図2は、コイル部品10を実装面側から見た略平面図である。
【
図3】
図3は、コイル部品10のxz断面図である。
【
図4】
図4は、比較例によるコイル部品10Xのxz断面図である。
【
図5】
図5は漏れ磁束の分布を示すシミュレーション結果であり、(a)及び(b)は比較例によるコイル部品10Xにおける漏れ磁束のxz方向及びxy方向への広がりをそれぞれ示す図であり、(c)及び(d)は本実施形態によるコイル部品10における漏れ磁束のxz方向及びxy方向への広がりをそれぞれ示す図である。
【
図6】
図6は、第1の変形例によるコイル部品10Aのxz断面図である。
【
図7】
図7は、第2の変形例によるコイル部品10Bのxz断面図である。
【
図8】
図8は、第3の変形例によるコイル部品10Cのxz断面図である。
【
図9】
図9は、第4の変形例によるコイル部品10Dのxz断面図である。
【
図10】
図10は、第5の変形例によるコイル部品10Eのxz断面図である。
【
図11】
図11は、第6の変形例によるコイル部品10Fのxz断面図である。
【
図12】
図12は、第7の変形例によるコイル部品10Gのxz断面図である。
【
図13】
図13は、第8の変形例によるコイル部品10Hのxz断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコイル部品10の外観を示す略斜視図である。また、
図2は、コイル部品10を実装面側から見た略平面図である。
【0019】
本実施形態によるコイル部品10はトランスであり、
図1及び
図2に示すように、ドラム型コア20と板状コア40を備えている。ドラム型コア20及び板状コア40はフェライトなど透磁率の高いセラミック材料からなり、両者は接着剤などを介して固定されている。尚、本発明によるコイル部品がトランスに限定されるものではなく、ドラム型コアと板状コアを用いた表面実装型のコイル部品であれば、その種類は問わない。したがって、インダクタンス用の汎用コイル部品であっても構わないし、特定の用途、例えば、コモンモードフィルタ用、パルストランス用、バルントランス用などのコイル部品であっても構わない。
【0020】
ドラム型コア20は、巻芯部30と、巻芯部30の軸方向(x方向)における両端にそれぞれ設けられた第1及び第2の鍔部31,32とを有する。本実施形態においては、一例として巻芯部30に3本のワイヤW1〜W3が巻回されている。また、第1の鍔部31には3つの端子電極51〜53が設けられ、第2の鍔部32には3つの端子電極54〜56が設けられている。そして、ワイヤW1〜W3の一端はそれぞれ異なる端子電極51〜53に接続され、ワイヤW1〜W3の他端はそれぞれ異なる端子電極54〜56に接続されている。
【0021】
板状コア40は、第1及び第2の鍔部31,32の上面に固定されている。第1及び第2の鍔部31,32の上面とは、実装面とは反対側に位置するxy面である。端子電極51〜53は第1の鍔部31の実装面及び外側面に設けられ、端子電極54〜56は第2の鍔部32の実装面及び外側面に設けられている。
【0022】
図3は、コイル部品10のxz断面図である。
【0023】
図3に示すように、本実施形態によるコイル部品10は、ドラム型コア20の巻芯部30がギャップGによってx方向に分断されているという特徴を有している。ギャップGは、巻芯部30によって構成される磁路をx方向における中間位置で分断するものであり、これにより第1の磁気ギャップが形成される。第1の磁気ギャップは、磁束を漏洩させることによって、磁性材料の特性ばらつきを隠蔽するために形成される。つまり、磁気ギャップが存在しない場合には、インダクタンス値などのパラメータのばらつきは磁性材料の特性ばらつきが支配的となるのに対し、第1の磁気ギャップを設ければ、ギャップGの幅によってインダクタンス値などのパラメータが大きく変化するため、磁性材料の特性ばらつきを隠蔽することが可能となる。
【0024】
実際には、板状コア40が接着剤60を介してドラム型コア20に固定されるため、接着剤60の厚み分だけ、ドラム型コア20と板状コア40との間に第2の磁気ギャップが形成される。このような場合であっても、ギャップGの幅L1を接着剤60の厚みL2よりも大きくすることが好ましい。例えば、ギャップGの幅L1を20μm〜100μmとし、接着剤60の厚みL2を0.5μm〜10μmとすることができる。これによれば、第2の磁気ギャップからの漏洩磁束を抑えることが可能となる。
【0025】
図4は、比較例によるコイル部品10Xのxz断面図である。
【0026】
図4に示すコイル部品10Xは、巻芯部30にギャップGが設けられていない点において、本実施形態によるコイル部品10と相違している。このような構成を有している場合、磁性材料の特性ばらつきを十分に隠蔽するためには、ドラム型コア20と板状コア40との間に形成される第2の磁気ギャップを拡大する必要がある。つまり、接着剤60の厚みL2を十分に厚くする必要が生じる。しかしながら、第2の磁気ギャップが大きいと、漏洩する磁束が外部に広がりやすいことから、場合によっては漏洩磁束によって他の電子部品の特性を変化させてしまうおそれが生じる。また、接着剤60による第2の磁気ギャップの制御(つまり厚みL2の制御)を高精度に行うことは困難である。
【0027】
これに対し、本実施形態によるコイル部品10は、巻芯部30にギャップGが設けられており、これが第1の磁気ギャップとして機能することから、第1の磁気ギャップから漏洩する磁束の多くが板状コア40によって遮蔽される。このため、比較例によるコイル部品10Xと比べて、漏洩磁束の広がりを抑制することが可能となる。しかも、ギャップGが巻芯部30のx方向における中間位置に設けられていることから、プリント基板への実装方向を180°回転させても、漏れ磁束の分布が変化しないため、取り扱いが容易となる。
【0028】
図5は漏れ磁束の分布を示すシミュレーション結果であり、(a)及び(b)は比較例によるコイル部品10Xにおける漏れ磁束のxz方向及びxy方向への広がりをそれぞれ示す図であり、(c)及び(d)は本実施形態によるコイル部品10における漏れ磁束のxz方向及びxy方向への広がりをそれぞれ示す図である。
【0029】
シミュレーション条件として、比較例によるコイル部品10XについてはL2=100μmとし、実施形態によるコイル部品10についてはL1=50μm、L2=2μmとした。また、コイル部品10Xとコイル部品10のインダクタンス値が一致するよう、ワイヤのターン数を調整した。
【0030】
図5に示すように、比較例によるコイル部品10Xでは漏洩磁束が外部に大きく広がっているのに対し、実施形態によるコイル部品10では漏洩磁束の広がりが非常に抑えられていることが分かる。このような効果が得られるのは、実施形態によるコイル部品10では、第1の磁気ギャップから漏洩した磁束のうち、z方向の磁束が板状コア40によって遮蔽され、x方向の磁束が第1及び第2の鍔部31,32によって遮蔽されるためである。
【0031】
以下、いくつかの変形例によるコイル部品について説明する。
【0032】
図6は、第1の変形例によるコイル部品10Aのxz断面図である。
【0033】
図6に示すコイル部品10Aは、ギャップGが非磁性材料71によって埋められている点において、上述したコイル部品10と相違する。その他の構成はコイル部品10と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本例によるコイル部品10Aは、ギャップGによって2つに分離されたドラム型コア20が非磁性材料71によって一体化されることから、ワイヤW1〜W3の巻回作業が容易となる。しかも、非磁性材料71の表面にもワイヤW1〜W3を巻回することができるため、巻芯部30の利用効率を高めることも可能となる。非磁性材料71としては、樹脂を用いることが好ましい。
【0034】
図7は、第2の変形例によるコイル部品10Bのxz断面図である。
【0035】
図7に示すコイル部品10Bは、ギャップGだけでなく巻芯部30の表面にも非磁性材料71が設けられている点において、上述したコイル部品10Aと相違する。その他の構成はコイル部品10Aと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本例においては、ギャップGの形成されたドラム型コア20を金型にセットし、巻芯部30に非磁性の樹脂材料をモールド成形することによって非磁性材料71を形成することができる。この方法によれば、ギャップGの幅L1が金型によって正確に規定されることから、幅L1を高精度に制御することが可能となる。
【0036】
図8は、第3の変形例によるコイル部品10Cのxz断面図である。
【0037】
図8に示すコイル部品10Cは、ギャップGの幅L1が一定ではなく、幅の広い部分と幅の狭い部分を有している点において、上述したコイル部品10Aと相違する。その他の構成はコイル部品10Aと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本例においては、ギャップGの形状に基づいて磁束の漏洩量を調節することが可能となる。本例によるコイル部品10Cが例示するように、本発明においてギャップGの幅が一定であることは必須でない。
【0038】
図9は、第4の変形例によるコイル部品10Dのxz断面図である。
【0039】
図9に示すコイル部品10Dは、ギャップGによって分断された巻芯部30が互いに嵌合する形状を有している点において、上述したコイル部品10と相違する。つまり、ドラム型コア20の一方側21に属する巻芯部30の断面を凹形状、ドラム型コア20の他方側22に属する巻芯部30の断面を凸形状とし、両者を互いに嵌合させることによってドラム型コア20が形成される。ここで、嵌合した状態でドラム型コア20の一方側21と他方側22が直接接しないよう、両者間に非磁性のワッシャー72を介在させている。その他の構成はコイル部品10と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本例においては、ドラム型コア20の一方側21と他方側22の位置決めが容易となる。
【0040】
図10は、第5の変形例によるコイル部品10Eのxz断面図である。
【0041】
図10に示すコイル部品10Eは、巻芯部30に2つのギャップG1,G2が設けられている点において、上述したコイル部品10と相違する。その他の構成はコイル部品10Aと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本例によるコイル部品10Eが例示するように、本発明において巻芯部に設けるギャップの数は1つに限定されるものではなく、2つ又はそれ以上であっても構わない。
【0042】
図11は、第6の変形例によるコイル部品10Fのxz断面図である。
【0043】
図11に示すコイル部品10Fは、ギャップG1,G2が巻芯部30と第1及び第2の鍔部31,32の間にそれぞれ設けられている点において、上述したコイル部品10Eと相違する。その他の構成はコイル部品10Eと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本例によるコイル部品10Fが例示するように、本発明においてギャップを巻芯部自体に設けることは必須でなく、巻芯部と鍔部の間に設けても構わない。つまり、巻芯部30を介した第1の鍔部31と第2の鍔部32との間の磁路に第1の磁気ギャップが形成されれば足りる。
【0044】
図12は、第7の変形例によるコイル部品10Gのxz断面図である。
【0045】
図12に示すコイル部品10Gは、第1及び第2の鍔部31,32に凹部が設けられており、ここに巻芯部30が挿入される点において、上述したコイル部品10Fと相違する。その他の構成はコイル部品10Fと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本例においては、巻芯部30と第1及び第2の鍔部31,32の位置決めが容易となる。
【0046】
図13は、第8の変形例によるコイル部品10Hのxz断面図である。
【0047】
図13に示すコイル部品10Hは、ギャップG2が省略されている点において、上述したコイル部品10Gと相違する。その他の構成はコイル部品10Gと同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本例によるコイル部品10Hが例示するように、本発明においてギャップの位置が軸方向にオフセットしていても構わない。
【0048】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0049】
10,10A〜10H,10X コイル部品
20 ドラム型コア
21 ドラム型コアの一方側
22 ドラム型コアの他方側
30 巻芯部
31 第1の鍔部
32 第2の鍔部
40 板状コア
51〜56 端子電極
60 接着剤
71 非磁性材料
72 ワッシャー
G,G1,G2 ギャップ
W1〜W3 ワイヤ