特許第6809289号(P6809289)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6809289エレベーター機器の揚重システムおよび揚重方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6809289
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】エレベーター機器の揚重システムおよび揚重方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   B66B7/00 G
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-34554(P2017-34554)
(22)【出願日】2017年2月27日
(65)【公開番号】特開2018-140846(P2018-140846A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2019年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】中林 宗一
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5936503(JP,B2)
【文献】 特開2001−114483(JP,A)
【文献】 特開2008−007221(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0097952(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00− 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの機械室の床面において複数の角部それぞれ立てられる複数の支持部材と、
前記複数の支持部材に対して隣接した支持部材の下部にそれぞれ連結される複数の連結具材と、
前記複数の支持部材に対して隣接した支持部材の上部にそれぞれ連結される複数の梁部材と、
前記機械室の上部において前記機械室の一側に配置された梁部材の一側に支持される第1の滑車装置と、
前記機械室の上部において前記機械室の他側に配置された梁部材の一側に支持される第2の滑車装置と、
前記機械室の上部において前記機械室の一側に配置された梁部材の他側と前記機械室の他側に配置された梁部材の他側とに隣接した梁部材の中央に支持される第3の滑車装置と、
前記第1の滑車装置に対応して設けられる第1の揚重装置と、
前記第2の滑車装置に対応して設けられる第2の揚重装置と、
前記第3の滑車装置に対応して設けられる第3の揚重装置と、
を備え、
前記第1の揚重装置は、
前記機械室の内部のエレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第1の滑車装置の下方に配置される第1の本体と、
前記第1の本体の下部に設けられ、前記機械室の一側に配置された梁部材の一側を支持する支持装置の下部に固定される第1の固定体と、
前記第1の本体の上部から前記第1の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結される第1の引上体と、
を備え、
前記第2の揚重装置は、
前記機械室の内部の前記エレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第2の滑車装置の下方に配置される第2の本体と、
前記第2の本体の下部に設けられ、前記機械室の他側に配置された梁部材の一側を支持する支持装置の下部に固定される第2の固定体と、
前記第2の本体の上部から前記第2の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結される第2の引上体と、
を備え、
前記第3の揚重装置は、
前記機械室の内部の前記エレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第3の滑車装置よりも下方において前記機械室の一側に配置された梁部材の他側を支持する支持装置の側に寄って配置される第3の本体と、
前記第3の本体の下部に設けられ、前記機械室の一側に配置された梁部材の他側を支持する支持装置の下部に固定される第3の固定体と、
前記第3の本体の上部から前記第3の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結される第3の引上体と、
を備えたエレベーター機器の揚重システム。
【請求項2】
エレベーターの機械室の床面において複数の角部複数の支持部材それぞれ立てる支持部材設置工程と、
前記複数の支持部材に対して隣接した支持部材の下部に複数の連結具材をそれぞれ連結する連結具材連結工程と、
前記複数の支持部材に対して隣接した支持部材の上部に複数の梁部材をそれぞれ連結する梁部材連結工程と、
前記機械室の上部において前記機械室の一側に配置された梁部材の一側で第1の滑車装置を支持する第1滑車装置支持工程と、
前記機械室の上部において前記機械室の他側に配置された梁部材の一側で第2の滑車装置を支持する第2滑車装置支持工程と、
前記機械室の上部において前記機械室の一側に配置された梁部材の他側と前記機械室の他側に配置された梁部材の他側とに隣接した梁部材の中央で第3の滑車装置を支持する第3滑車装置支持工程と、
前記第1の滑車装置に対応させて第1の揚重装置を設ける第1揚重装置設置工程と、
前記第2の滑車装置に対応させて第2の揚重装置を設ける第2揚重装置設置工程と、
前記第3の滑車装置に対応させて第3の揚重装置を設ける第3揚重装置設置工程と、
を備え、
前記第1揚重装置設置工程は、
第1の本体を前記機械室の内部のエレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第1の滑車装置の下方に配置させる第1本体配置工程と、
前記第1の本体の下部に設けられた第1の固定体を前記機械室の一側に配置された梁部材の一側を支持する支持装置の下部に固定する第1固定体固定工程と、
第1の引上体を前記第1の本体の上部から前記第1の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結する第1引上体連結工程と、
を備え、
前記第2揚重装置設置工程は、
第2の本体を前記機械室の内部の前記エレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第2の滑車装置の下方に配置させる第2本体配置工程と、
前記第2の本体の下部に設けられた第2の固定体を前記機械室の他側に配置された梁部材の一側を支持する支持装置の下部に固定する第2固定体固定工程と、
第2の引上体を前記第2の本体の上部から前記第2の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結する第2引上体連結工程と、
を備え、
前記第3揚重装置設置工程は、
第3の本体を前記機械室の内部の前記エレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第3の滑車装置よりも下方において前記機械室の一側に配置された梁部材の他側を支持する支持装置の側に寄って配置させる第3本体配置工程と、
前記第3の本体の下部に設けられた第3の固定体を前記機械室の一側に配置された梁部材の他側を支持する支持装置の下部に固定する第3固定体固定工程と、
第3の引上体を前記第3の本体の上部から前記第3の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結する第3引上体連結工程と、
を備えたエレベーター機器の揚重方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーター機器の揚重システムおよび揚重方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーター機器の揚重システムを開示する。当該揚重システムは、揚重装置を備える。当該揚重装置の本体は、エレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側に配置される。このため、機械室の天井が低くても、エレベーター機器を引き上げ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5936503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の揚重システムにおいては、揚重システムの上部に揚重装置の本体を配置する必要がある。このため、機械室に設置されるエレベーター機器と機械室の天井との隙間が少ない場合にエレベーター機器を引き上げられないこともある。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。エレベーター機器をより確実に引き上げることができるエレベーター機器の揚重システムおよび揚重方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーター機器の揚重システムは、エレベーターの機械室の床面において複数の角部それぞれ立てられる複数の支持部材と、前記複数の支持部材に対して隣接した支持部材の下部にそれぞれ連結される複数の連結具材と、前記複数の支持部材に対して隣接した支持部材の上部にそれぞれ連結される複数の梁部材と、前記機械室の上部において前記機械室の一側に配置された梁部材の一側に支持される第1の滑車装置と、前記機械室の上部において前記機械室の他側に配置された梁部材の一側に支持される第2の滑車装置と、前記機械室の上部において前記機械室の一側に配置された梁部材の他側と前記機械室の他側に配置された梁部材の他側とに隣接した梁部材の中央に支持される第3の滑車装置と、前記第1の滑車装置に対応して設けられる第1の揚重装置と、前記第2の滑車装置に対応して設けられる第2の揚重装置と、前記第3の滑車装置に対応して設けられる第3の揚重装置と、を備え、前記第1の揚重装置は、前記機械室の内部のエレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第1の滑車装置の下方に配置される第1の本体と、前記第1の本体の下部に設けられ、前記機械室の一側に配置された梁部材の一側を支持する支持装置の下部に固定される第1の固定体と、前記第1の本体の上部から前記第1の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結される第1の引上体と、を備え、前記第2の揚重装置は、前記機械室の内部の前記エレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第2の滑車装置の下方に配置される第2の本体と、前記第2の本体の下部に設けられ、前記機械室の他側に配置された梁部材の一側を支持する支持装置の下部に固定される第2の固定体と、前記第2の本体の上部から前記第2の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結される第2の引上体と、を備え、前記第3の揚重装置は、前記機械室の内部の前記エレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第3の滑車装置よりも下方において前記機械室の一側に配置された梁部材の他側を支持する支持装置の側に寄って配置される第3の本体と、前記第3の本体の下部に設けられ、前記機械室の一側に配置された梁部材の他側を支持する支持装置の下部に固定される第3の固定体と、前記第3の本体の上部から前記第3の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結される第3の引上体と、を備えた。
【0007】
この発明に係るエレベーター機器の揚重方法は、エレベーターの機械室の床面において複数の角部複数の支持部材それぞれ立てる支持部材設置工程と、前記複数の支持部材に対して隣接した支持部材の下部に複数の連結具材をそれぞれ連結する連結具材連結工程と、前記複数の支持部材に対して隣接した支持部材の上部に複数の梁部材をそれぞれ連結する梁部材連結工程と、前記機械室の上部において前記機械室の一側に配置された梁部材の一側で第1の滑車装置を支持する第1滑車装置支持工程と、前記機械室の上部において前記機械室の他側に配置された梁部材の一側で第2の滑車装置を支持する第2滑車装置支持工程と、前記機械室の上部において前記機械室の一側に配置された梁部材の他側と前記機械室の他側に配置された梁部材の他側とに隣接した梁部材の中央で第3の滑車装置を支持する第3滑車装置支持工程と、前記第1の滑車装置に対応させて第1の揚重装置を設ける第1揚重装置設置工程と、前記第2の滑車装置に対応させて第2の揚重装置を設ける第2揚重装置設置工程と、前記第3の滑車装置に対応させて第3の揚重装置を設ける第3揚重装置設置工程と、を備え、前記第1揚重装置設置工程は、第1の本体を前記機械室の内部のエレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第1の滑車装置の下方に配置させる第1本体配置工程と、前記第1の本体の下部に設けられた第1の固定体を前記機械室の一側に配置された梁部材の一側を支持する支持装置の下部に固定する第1固定体固定工程と、第1の引上体を前記第1の本体の上部から前記第1の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結する第1引上体連結工程と、を備え、前記第2揚重装置設置工程は、第2の本体を前記機械室の内部の前記エレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第2の滑車装置の下方に配置させる第2本体配置工程と、前記第2の本体の下部に設けられた第2の固定体を前記機械室の他側に配置された梁部材の一側を支持する支持装置の下部に固定する第2固定体固定工程と、第2の引上体を前記第2の本体の上部から前記第2の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結する第2引上体連結工程と、を備え、前記第3揚重装置設置工程は、第3の本体を前記機械室の内部の前記エレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で前記第3の滑車装置よりも下方において前記機械室の一側に配置された梁部材の他側を支持する支持装置の側に寄って配置させる第3本体配置工程と、前記第3の本体の下部に設けられた第3の固定体を前記機械室の一側に配置された梁部材の他側を支持する支持装置の下部に固定する第3固定体固定工程と、第3の引上体を前記第3の本体の上部から前記第3の滑車装置を介して前記エレベーター機器の上部の中央に連結する第3引上体連結工程と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
これらの発明によれば、揚重装置の本体は、エレベーター機器に対して鉛直投影面上の外側で対応した滑車装置の下方に配置される。このため、揚重装置の本体を揚重システムの上部に配置する必要がない。その結果、エレベーター機器をより確実に引き上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の実施の形態1におけるエレベーター機器の揚重システムの正面図である。
図2】この発明の実施の形態1におけるエレベーター機器の揚重システムの平面図である。
図3】この発明の実施の形態1におけるエレベーター機器の揚重システムの滑車装置の側面図である。
図4】この発明の実施の形態1におけるエレベーター機器の揚重システムによるエレベーター機器の設置手順を説明するためのフローチャートである。
図5】この発明の実施の形態2におけるエレベーター機器の揚重システムの滑車装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベーター機器の揚重システムの正面図である。図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベーター機器の揚重システムの平面図である。
【0012】
図1図2とにおいて、エレベーターの機械室1は、図示されない昇降路の上方に設けられる。支持台2は、機械室1の床面に設けられる。例えば、エレベーター機器3は、巻上機である。エレベーター機器3は、機械室1の内部において支持台2の上面に設置される。
【0013】
エレベーター機器3が支持台2の上面に設置される際、エレベーター機器3の揚重システムは、機械室1に一時的に設置される。揚重システムは、支持装置4と梁装置5と複数の滑車装置6と複数の揚重装置7とを備える。
【0014】
例えば、支持装置4は、4本の支持部材4aと4本の連結具材4bとを備える。4本の支持部材4aの各々は、鉛直方向に対して伸縮自在に設けられる。4本の支持部材4aの各々は、機械室1の床面において対応した角部に立てられる。4本の連結具材4bの各々は、隣接した支持部材4aの下部に連結される。4本の連結具材4bの各々は、隣接した支持部材4aの下部が互いに離れる方向に変形することを抑制し得るように設けられる。4本の連結具材4bは、支持装置4の全体の強度を向上させるように設けられる。
【0015】
例えば、梁装置5は、4本の梁部材5aを備える。例えば、4本の梁部材5aの各々は、H鋼部材である。複数の梁部材の各々は、複数の貫通孔を備える。4本の梁部材5aの各々は、隣接した支持部材4aの上部に連結される。この際、複数の貫通孔は、水平方向に並ぶ。4本の梁部材5aの各々は、4本の支持部材4aの伸縮に応じて鉛直方向の位置を変化させ得るように設けられる。4本の梁部材5aは、鉛直投影面上において四角形の各辺を形成するように設けられる。4本の梁部材5aは、支持装置4の全体の強度を向上させるように設けられる。
【0016】
例えば、複数の滑車装置6の各々は、機械室1の上部において対応した梁装置5に支持される。複数の滑車装置6は、エレベーター機器3に対して鉛直投影面上の外側に配置される。例えば、第1の滑車装置6は、機械室1の一側において梁部材5aに支持される。例えば、第2の滑車装置6は、機械室1の他側において梁部材5aに支持される。例えば、第3の滑車装置6は、機械室1の奥側において梁部材5aに支持される。
【0017】
例えば、複数の揚重装置7は、複数の滑車装置6の各々にそれぞれ対応して設けられる。例えば、複数の揚重装置は、チェーンブロックである。複数の揚重装置7の各々は、本体7aと固定体7bと引上体7cとを備える。本体7aは、エレベーター機器3に対して鉛直投影面上の外側で対応した滑車装置6の下方に配置される。固定体7bは、前記機械室1の下部において支持部材4aの下部に固定される。例えば、固定体7bの端部は、支持部材4aの足部に固定された支持部材に連結される。例えば、引上体7cは、ワイヤである。引上体7cは、本体7aの上部から対応した滑車装置6を介してエレベーター機器3に連結される。
【0018】
次に、図3を用いて、滑車装置6を説明する。
図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベーター機器の揚重システムの滑車装置の側面図である。
【0019】
図3に示されるように、滑車装置6は、返し車6eと連結具6fと支持部材6gとナット6hとを備える。
【0020】
返し車6eは、梁部材5aに対して機械室1の中央の側に隣接する。返し車6eは、図示されない溝を備える。当該溝は、返し車6eの外周面に形成される。連結具6fは、返し車6eを回転自在に支持する。支持部材6gは、梁部材5aの貫通孔を貫通する。支持部材6gの頭部は、梁部材5aに対して機械室1の中央の側に配置される。支持部材6gの頭部は、連結具6fのフック部に連結される。ナット6hは、支持部材6gの他側にねじ込まれる。
【0021】
滑車装置6に対し、引上体7cは、返し車6eの外周面の溝に巻き掛けられる。返し車6eは、引上体7cからの荷重を受ける。連結具6fは、返し車6eからの荷重を受ける。この際、連結具6fは、当該荷重に応じて位置を変化させる。
【0022】
次に、図4を用いて、エレベーター機器3の設置手順を説明する。
図4はこの発明の実施の形態1におけるエレベーター機器の揚重システムによるエレベーター機器の設置手順を説明するためのフローチャートである。
【0023】
図4に示されるように、ステップS1では、支持装置設置工程が行われる。支持装置設置工程においては、支持装置4が機械室1の床面に立てられる。その後、ステップS2の手順が行われる。ステップS2では、梁装置支持工程が行われる。梁装置支持工程では、梁装置5が支持装置4の上部に支持される。その後、ステップS3の手順が行われる。ステップS3では、滑車装置支持工程が行われる。滑車装置支持工程においては、複数の滑車装置6が梁装置5に支持される。
【0024】
その後、ステップS4の手順が行われる。ステップS4では、揚重装置設置工程が行われる。揚重装置設置工程では、本体配置工程と固定体固定工程と引上体連結工程が行われる。
【0025】
本体配置工程においては、複数の揚重装置7の各々の本体7aがエレベーター機器3に対して鉛直投影面上の外側で対応した滑車装置6の下方に配置される。固定体固定工程においては、複数の揚重装置7の各々の固定体7bが機械室1の下部において固定される。引上体連結工程においては、複数の揚重装置7の各々の引上体7cが対応した滑車装置6を介してエレベーター機器3に連結される。
【0026】
その後、ステップS5の手順が行われる。ステップS5では、支持装置伸長工程が行われる。支持装置伸長工程においては、支持装置4が鉛直方向に伸長される。この際、支持装置4は、梁装置5が機械室1の天井に接触するまで伸長される。その結果、揚重システムのねじれが抑制される。このため、揚重システムの強度が向上する。
【0027】
その後、ステップS6の手順が行われる。ステップS6では、エレベーター機器引上工程が行われる。エレベーター機器引上工程においては、複数の揚重装置7の各々の引上体7cが本体7aに巻き取られる。その結果、複数の引上体7cは、鉛直線に対して傾斜する方向であって互いに異なる方向にエレベーター機器3を引き合うことによりエレベーター機器3を引き上げながらエレベーター機器3の水平方向の位置を変化させる。
【0028】
その後、ステップS7の手順が行われる。ステップS7では、エレベーター機器設置工程が行われる。エレベーター機器設置工程においては、複数の揚重装置7の各々の引上体7cが支持台2の上方においてエレベーター機器3から切り離される。その結果、エレベーター機器3が支持台2に設置される。
【0029】
以上で説明した実施の形態1によれば、揚重装置7の本体7aは、エレベーター機器3に対して鉛直投影面上の外側で対応した滑車装置6の下方に配置される。このため、揚重装置7の本体7aを揚重システムの上部に配置する必要がない。その結果、機械室1に設置されるエレベーター機器3と機械室1の天井との間の隙間が少ない場合でも、エレベーター機器3の吊り代を最大限に確保することができる。このため、エレベーター機器3をより確実に引き上げることができる。
【0030】
また、揚重装置7の固定体7bは、支持部材4aの下部に固定される。このため、機械室1に揚重装置7の固定体7bの固定部を設ける必要がない。その結果、揚重システムだけで揚重システムの強度を向上させることができる。
【0031】
また、連結具6fは、支持部材6gに移動を規制されるものの返し車6eからの荷重に応じて位置をある程度自由に変化させることができる。このため、固定体7bと引上体7cとに対して返し車6eを平行にすることができる。
【0032】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2におけるエレベーター機器の揚重システムの滑車装置の側面図である。なお、実施の形態1と同一または相当部分には、同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0033】
図5に示されるように、滑車装置6は、返し車6aと台座6bとボルト6cとナット6dとを備える。
【0034】
返し車6aは、梁部材5aに対して機械室1の中央の側に隣接する。返し車6aは、図示されない溝を備える。当該溝は、返し車6aの外周面に形成される。台座6bは、返し車6aを回転自在に支持する。ボルト6cは、梁部材5aのいずれかの貫通孔を貫通する。ボルト6cの一側は、台座6bに固定される。ナット6dは、ボルト6cの他側にねじ込まれる。
【0035】
滑車装置6に対し、引上体7cは、返し車6aの外周面の溝に巻き掛けられる。返し車6aは、引上体7cからの荷重を受ける。台座6bは、返し車6aからの荷重を受ける。この際、台座6bは、当該荷重に応じてボルト6cを軸として回転する。
【0036】
以上で説明した実施の形態2によれば、実施の形態1と同様にエレベーター機器3の吊り代を最大限に確保することができる。このため、エレベーター機器3をより確実に引き上げることができる。
【0037】
なお、実施の形態1および実施の形態2の揚重システムを巻上機以外のエレベーター機器3に適用してもよい。この場合も、エレベーター機器3をより確実に引き上げることができる。
【0038】
また、実施の形態1および実施の形態2において、2つの揚重装置7または4つ以上の揚重装置7を用いてエレベーター機器3を引き上げてもよい。この場合も、エレベーター機器3をより確実に引き上げることができる。
【0039】
また、実施の形態1および実施の形態2において、鉛直投影面上において四角形以外の多角形の各辺を形成するように複数の梁部材5aを設けてもよい。この場合も、エレベーター機器3をより確実に引き上げることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 機械室、 2 支持台、 3 エレベーター機器、 4 支持装置、 4a 支持部材、 4b 連結具材、 5 梁装置、 5a 梁部材、 6 滑車装置、 6a 返し車、 6b 台座、 6c ボルト、 6d ナット、 6e 返し車、 6f 連結具、 6g 支持部材、 6h ナット、 7 揚重装置、 7a 本体、 7b 固定体、 7c 引上体
図1
図2
図3
図4
図5