(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の燃料供給装置では、燃料蒸気パイプからフィラーネック本体へと供給された燃料蒸気がガイド部材に形成された開口を通って燃料通路へと戻される際に、かかる開口に対して大きな角度で流入する。このため、燃料蒸気が給油ガンに対して略垂直に衝突し、燃料蒸気の流れとして給油口に向かう乱流が発生して、給油性の向上に対する障害となる場合がある。このように、燃料蒸気が給油ガンに衝突することに由来する乱流の発生を抑制することに関しては、改善の余地があった。このため、給油口に向かう燃料蒸気の乱流が発生することを抑制する技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[形態1]燃料タンク(FT)に燃料を供給する燃料供給装置(FS)であって、給油ガン(FG)が挿入される給油口(FC)が形成され、前記給油口(FC)から前記燃料タンク(FT)までの燃料通路の一部を構成するフィラーネック(10)であって、前記燃料通路の一部を構成する内部通路(50)を有するフィラーネック本体(20)と、前記フィラーネック本体(20)から分岐し、前記内部通路(50)と連通する連通孔(30)を有する燃料蒸気ポート(25)と、を有するフィラーネック(10)と、前記燃料タンク(FT)と前記燃料蒸気ポート(25)とにそれぞれ接続され、前記燃料タンク(FT)内の燃料蒸気を前記内部通路(50)に供給する燃料蒸気パイプ(90)と、前記内部通路(50)の内側に配置されて前記給油ガン(FG)を導く筒状のガイド部材(60、60a)であって、前記連通孔(30)を介して前記燃料蒸気パイプ(90)から前記内部通路(50)へと供給される前記燃料蒸気を前記ガイド部材(60、60a)の内側へと導入する開口部(62、62a、62b)が形成された本体部(61)と、前記開口部(62、62a、62b)に導入される前の前記燃料蒸気を、前記給油口(FC)から前記燃料タンク(FT)へと向かう第一方向と平行な方向に導く整流壁(63、63a、63b)であって、前記本体部(61)に対して前記ガイド部材(60、60a)の径方向外側において、前記フィラーネック本体(20)の内周面(22)と対向して形成され、自身の少なくとも一部が前記連通孔(30)の前記給油口(FC)側の端部よりも前記燃料タンク(FT)側に位置し、自身の少なくとも一部が前記開口部(62、62a、62b)の前記燃料タンク(FT)側の端部よりも前記給油口(FC)側に位置する整流壁(63、63a、63b)と、を有するガイド部材(60、60a)と、を備え、前記整流壁(63a、63b)は、前記ガイド部材(60a)の周方向において前記連通孔(30)と異なる位置に、前記第一方向と交わる方向に沿って複数形成されている、燃料供給装置(FS)。
【0006】
(1)本発明の一形態によれば、燃料供給装置が提供される。この燃料供給装置は、燃料タンクに燃料を供給する燃料供給装置であって;給油ガンが挿入される給油口が形成され、前記給油口から前記燃料タンクまでの燃料通路の一部を構成するフィラーネックであって;前記燃料通路の一部を構成する内部通路を有するフィラーネック本体と;前記フィラーネック本体から分岐し、前記内部通路と連通する連通孔を有する燃料蒸気ポートと;を有するフィラーネックと;前記燃料タンクと前記燃料蒸気ポートとにそれぞれ接続され、前記燃料タンク内の燃料蒸気を前記内部通路に供給する燃料蒸気パイプと;前記内部通路の内側に配置されて前記給油ガンを導く筒状のガイド部材であって;前記連通孔を介して前記燃料蒸気パイプから前記内部通路へと供給される前記燃料蒸気を前記ガイド部材の内側へと導入する開口部が形成された本体部と;前記開口部に導入される前の前記燃料蒸気を、前記給油口から前記燃料タンクへと向かう第一方向と平行な方向に導く整流壁であって、前記本体部に対して前記ガイド部材の径方向外側において、前記フィラーネック本体の内周面と対向して形成され、自身の少なくとも一部が前記連通孔の前記給油口側の端部よりも前記燃料タンク側に位置し、自身の少なくとも一部が前記開口部の前記燃料タンク側の端部よりも前記給油口側に位置する整流壁と;を有するガイド部材と;を備える。この形態の燃料供給装置によれば、本体部に対してガイド部材の径方向外側において、フィラーネック本体の内周面と対向して形成され、自身の少なくとも一部が連通孔の給油口側の端部よりも燃料タンク側に位置し、自身の少なくとも一部が開口部の燃料タンク側の端部よりも給油口側に位置する整流壁を有する。このため、燃料蒸気の流れを給油口から燃料タンクへと向かう方向と略平行な方向に導くことができるので、開口部に対して大きな角度で燃料蒸気が流入することを抑制でき、燃料蒸気が給油ガンに対して略垂直に衝突することを抑制できる。それゆえ、給油口に向かう燃料蒸気の乱流が発生することを抑制できる。
【0007】
(2)上記形態の燃料供給装置において、前記ガイド部材は、前記本体部から前記径方向外側に突出して前記本体部と前記整流壁とを接続するリブをさらに有してもよい。この形態の燃料供給装置によれば、整流壁がリブを介してガイド部材の本体部と接続されているので、ガイド部材の構造が複雑化することを抑制でき、ガイド部材の製造コストの上昇を抑制できる。
【0008】
(3)上記形態の燃料供給装置において、前記整流壁は、前記内周面と接触していてもよい。この形態の燃料供給装置によれば、整流壁がフィラーネック本体の内周面と接触しているので、整流壁と内周面との間に燃料蒸気が流れ込むことを抑制でき、それに起因する乱流の発生を抑制できる。
【0009】
(4)上記形態の燃料供給装置において、前記整流壁は、前記ガイド部材の周方向において前記連通孔と異なる位置に、前記第一方向と交わる方向に沿って複数形成されていてもよい。この形態の燃料供給装置によれば、整流壁が、ガイド部材の周方向において連通孔と異なる位置に第一方向と交わる方向に沿って複数形成されているので、連通孔を通って供給される燃料蒸気が本体部の外周面の周方向に沿って左右に分かれて流動して開口部へと導入される。このため、給油ガンの周りに下流側に向かいつつ給油ガンを取り囲む燃料蒸気の流れが生じ、かかる燃料蒸気の流れにより、燃料タンクから給油口に向かう方向の燃料蒸気の流れの発生を抑制できる。
【0010】
(5)上記形態の燃料供給装置において、前記整流壁の前記給油口側の端部は、前記連通孔の前記給油口側の端部よりも、前記給油口側に位置してもよい。この形態の燃料供給装置によれば、整流壁の給油口側の端部が、連通孔の給油口側の端部よりも給油口側に位置しているので、連通孔を通って供給される燃料蒸気が上流側へ流れることを抑制でき、開口部への導入性を向上できる。
【0011】
(6)上記形態の燃料供給装置において、前記整流壁の前記給油口側の端部は、前記連通孔の前記燃料タンク側の端部よりも、前記燃料タンク側に位置してもよい。この形態の燃料供給装置によれば、整流壁の給油口側の端部が、連通孔の燃料タンク側の端部よりも燃料タンク側に位置しているので、連通孔を通って供給される燃料蒸気が整流壁の上流側の端部とぶつかることを抑制でき、それに起因する乱流の発生を抑制できる。
【0012】
本発明は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料供給装置に用いられるガイド部材、燃料供給装置に用いられるフィラーネック、燃料供給装置を備える車両、燃料供給装置の製造方法などの形態で実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、本体部に対してガイド部材の径方向外側において、フィラーネック本体の内周面と対向して形成され、自身の少なくとも一部が連通孔の給油口側の端部よりも燃料タンク側に位置し、自身の少なくとも一部が開口部の燃料タンク側の端部よりも給油口側に位置する整流壁を有する。このため、燃料蒸気の流れを給油口から燃料タンクへと向かう方向と略平行な方向に導くことができるので、開口部に対して大きな角度で燃料蒸気が流入することを抑制でき、燃料蒸気が給油ガンに対して略垂直に衝突することを抑制できる。それゆえ、給油口に向かう燃料蒸気の乱流が発生することを抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
A.第1実施形態:
A−1.燃料供給装置の構成:
図1は、本発明の第1実施形態としての燃料供給装置を示す概略図である。燃料供給装置FSは、車両に搭載され、給油口FCに挿入された給油ガンFGから吐出される燃料を、燃料タンクFTへと供給する。本実施形態の燃料供給装置FSでは、給油口FC側を上流側とも呼び、燃料タンクFT側を下流側とも呼ぶ。燃料供給装置FSは、燃料パイプ80と、燃料蒸気パイプ90と、フィラーネック10とを備える。
【0016】
燃料パイプ80は、可撓性を有する樹脂性のパイプで構成され、給油口FCから燃料タンクFTまでの燃料通路(以下、単に「燃料通路」と呼ぶ)の一部を形成する。燃料パイプ80の一端は、フィラーネック10と接続され、他端は、逆止弁85を介して燃料タンクFTと接続されている。燃料蒸気パイプ90は、燃料タンクFTの内部の燃料蒸気を燃料通路へと戻し、燃料タンクFTの内圧を逃がす。燃料蒸気パイプ90の一端は、フィラーネック10と接続され、他端は、流量制御弁95を介して燃料タンクFTと接続されている。
【0017】
A−2.フィラーネックの詳細構成:
図2は、フィラーネック10の外観を示す正面図である。
図3は、フィラーネック10の外観を示す右側面図である。
図2および
図3では、フィラーネック10とともに燃料パイプ80の一部を図示している。また、
図2および
図3では、フィラーネック本体20の軸線OL1を鎖線で示し、
図3では、燃料蒸気ポート25の軸線OL2を鎖線で示している。なお、本実施形態では、軸線OL1と平行な、上流側から下流側へと向かう方向を、Y軸のプラス方向と定義する。また、Y軸と直交し、フィラーネック10の周方向において燃料蒸気ポート25が形成されている方向を、Z軸のプラス方向と定義する。また、Y軸およびZ軸とそれぞれ直交する軸をX軸と定義する。
【0018】
フィラーネック10は、フィラーネック本体20と、口金40と、燃料蒸気ポート25と、フィラーネック本体20の内側に配置され、
図2および
図3には図示しないガイド部材60とを備える。フィラーネック本体20は、軸線OL1を中心軸とする略円筒状の外観形状を有する。フィラーネック本体20の内部には、燃料通路の一部を構成する
図2および
図3には図示しない内部通路50が形成されている。口金40は、フィラーネック本体20の上流側の端部を覆っている。フィラーネック本体20の上流側の端部は、給油口FCとして機能する。燃料蒸気ポート25は、フィラーネック本体20から分岐して形成されており、軸線OL2を中心軸とする略円筒状の外観形状を有する。燃料蒸気ポート25は、
図1に示す燃料蒸気パイプ90と接続され、燃料蒸気パイプ90から供給される燃料蒸気を内部通路50へと導く。燃料蒸気ポート25の内部には、燃料蒸気が通過する
図2および
図3には図示しない経路26が形成されている。
図1に示すように、燃料蒸気ポート25は、車両搭載時にフィラーネック本体20に対して鉛直方向上側となるように配置される。
【0019】
図4および
図5は、ガイド部材60の概略構成を示す斜視図である。
図5は、
図4を紙面裏側から見た状態を示している。
図4および
図5におけるXYZ座標は、
図2および
図3におけるXYZ座標とそれぞれ対応している。
【0020】
ガイド部材60は、フィラーネック本体20の内側に配置されて、給油ガンFGを導く。ガイド部材60は、本体部61と、整流壁63と、リブ64と、下流壁67と、上流壁68とを備える。本体部61は、略円筒状の外観形状を有する。本体部61の軸線OL1は、フィラーネック本体20の軸線OL1とほぼ一致する。本体部61には、2つの開口部62と、センサ対応孔69とが形成されている。各開口部62は、厚さ方向の貫通孔により構成され、後述する燃料蒸気を内部通路50へと導入する。2つの開口部62は、燃料蒸気ポート25が配置される側に、本体部61の周方向に沿って並んで形成されている。各開口部62は、Y軸と平行な長軸を有する楕円形の平面視形状をそれぞれ有する。なお、開口部62の平面視形状は、楕円形に代えて、円形や長方形などの他の任意の形状であってもよい。センサ対応孔69は、厚さ方向の貫通孔により構成されている。好ましくは、本体部61の周方向において、2つの開口部62が形成されている側とは反対側に形成されている。センサ対応孔69は、給油ガンFGが備える図示しないガスセンサと対応し、給油途中の燃料が給油口FCから溢れること防止する。
【0021】
整流壁63は、本体部61に対してガイド部材60の径方向外側において、各開口部62よりも上流側に配置されている。整流壁63は、平らな板状部材により形成され、X軸と平行な長辺を有する長方形の平面視形状を有する。なお、長方形に代えて、楕円形や正方形などの他の任意の平面視形状を有してもよい。また、湾曲した板状部材、例えば、フィラーネック本体20の内周面22に沿って湾曲した板状部材により構成されてもよい。整流壁63は、燃料蒸気の流れを規制する機能を有する。燃料蒸気の流れの詳細については、後述する。リブ64は、本体部61に対してガイド部材60の径方向外側に突出して形成され、本体部61と整流壁63とを接続している。下流壁67は、本体部61の外周面65に沿って本体部61から径方向外側に突出し、各開口部62よりも下流側に形成されている。上流壁68は、本体部61の外周面65において整流壁63よりも上流側に形成されている。上流壁68は、本体部61の外周面65に沿って上流側から下流側へと曲がって形成されている。下流壁67および上流壁68は、フィラーネック本体20に対するガイド部材60の位置決めを行なう機能を有する。なお、下流壁67と上流壁68とセンサ対応孔69とは、省略されてもよい。
【0022】
図6は、
図2の6−6線に沿った断面を示す断面図である。
図7は、フィラーネック10と燃料パイプ80との分解断面図である。
図6には、燃料パイプ80が接続されたフィラーネック10の断面図が示されている。なお。
図6では、給油口FCに挿入された給油ガンFGを破線で示している。
図7は、
図6の断面図における各部品を分解して示している。
図6および
図7では、説明の便宜上、開口部62の位置を、ガイド部材60の周方向において対応する位置に破線で示している。
【0023】
フィラーネック本体20の下流側の外周面には、燃料パイプ80の抜け防止のための波状部28が形成されている。フィラーネック本体20は、内部通路50を形成する内周面22を有する。フィラーネック本体20と燃料蒸気ポート25との分岐箇所には、連通孔30が形成されている。X−Y平面と平行な面における連通孔30の平面視形状は、略円形である。なお、連通孔30の平面視形状は、略円形に代えて、楕円形や正方形などの他の任意の形状であってもよい。連通孔30は、燃料蒸気ポート25と内部通路50とを連通させる。
【0024】
ガイド部材60の本体部61の径は、上流側から下流側に向かって縮小している。このため、給油口FCに挿入された給油ガンFGがガイド部材60の内周面によって導かれ、給油ガンFGの挿入深さが規制される。整流壁63は、連通孔30よりも下流側に位置しており、整流壁63の給油口FC側の端部は、連通孔30の燃料タンクFT側の端部よりも燃料タンクFT側に位置している。また、整流壁63は、フィラーネック本体20の内周面22と対向して接触している。
【0025】
燃料パイプ80は、圧入部81と、中間部82と、流入部83とを有している。圧入部81は、図示しないシールリングを介して、フィラーネック本体20の波状部28に圧入されている。中間部82は、圧入部81の下流側に連なっている。中間部82は、波状部28の下流側の端部に向かって縮径し、波状部28の内周の径と略同一の内径を有する。流入部83は、中間部82の下流側に連なっている。流入部83は、Z軸のマイナス方向側において、ガイド部材60の本体部61の下端66と滑らかに接続されている。
【0026】
A−3.燃料蒸気の流れ:
図8は、燃料蒸気の流れる方向を模式的に示すための説明図である。
図8は、
図6における整流壁63の周辺を、拡大して示している。また、
図8では、燃料蒸気の流れの一部を太線の矢印で示している。
【0027】
図1に示すように、給油ガンFGから吐出される燃料は、フィラーネック10および燃料パイプ80を通って燃料タンクFTへと供給される。燃料タンクFTの内部の燃料蒸気は、燃料蒸気パイプ90を介して燃料蒸気ポート25に供給される。
図8に示すように、燃料蒸気ポート25に供給された燃料蒸気は、経路26および連通孔30を通ってフィラーネック本体20の内側へと流入する。その後、燃料蒸気は、ガイド部材60の本体部61の外周面65と整流壁63の内周面との間を通り、2つの開口部62へと導入される。このように、整流壁63は、各開口部62に導入される前の燃料蒸気を、給油口FCから燃料タンクFTへと向かう方向と略平行な方向に導く。ここで、略平行とは、給油口FCから燃料タンクFTへと向かう方向に対して、巨視的に見て平行であることを意味する。すなわち、給油口FCから燃料タンクFTへと向かう方向と、わずかな角度で交差する方向、例えば、5度や10度などの角度で交差する方向であってもよい。
【0028】
燃料蒸気の流れる方向は、整流壁63によって上流側から下流側へと向かう方向となるように規制されているので、連通孔30を通ってフィラーネック本体20の内側に流入した燃料蒸気は、開口部62においてガイド部材60の内側に向かって比較的小さな角度で流入する。換言すると、整流壁63によって径方向の燃料蒸気の流れが抑制されて、上流側から下流側へと向かう燃料蒸気の流れが促進されるため、開口部62における燃料蒸気の流入角度は、比較的小さくなる。各開口部62から内部通路50へと流入した燃料蒸気は、上流側から下流側へと向かって流れ、給油ガンFGから吐出される燃料と合流する。以上により、燃料蒸気は、燃料供給装置FS内を循環する。
【0029】
本実施形態において、上流側から下流側へと向かう方向は、課題を解決するための手段における第一方向に相当する。
【0030】
以上説明した第1実施形態の燃料供給装置FSによれば、フィラーネック本体20の内側に配置されるガイド部材60が整流壁63を備えるので、燃料蒸気ポート25から供給される燃料蒸気を、給油口FCから燃料タンクFTへと向かう方向と略平行な方向に導くことができる。このため、開口部62に対して大きな角度で燃料蒸気が流入することを抑制でき、燃料蒸気が給油ガンFGに対して略垂直に衝突することを抑制でき、かかる衝突箇所において上流側へ向かう燃料蒸気の流れと下流側へ向かう燃料蒸気の流れとに分かれることを抑制できる。それゆえ、給油口FCに向かう乱流が発生することを抑制できる。また、開口部62に対して比較的小さな角度で燃料蒸気を流入させることができるので、給油ガンFGの外周面に沿って周方向に流れる燃料蒸気の乱流が発生することを抑制できる。このため、給油ガンFGの外周面に沿って回り込んだ燃料蒸気同士がぶつかり合うことを抑制でき、給油口FCに向かう乱流が発生することを抑制でき、給油性の向上に対する障害となることを抑制できる。
【0031】
また、整流壁63は、フィラーネック本体20の内周面22と接触しているので、整流壁63とフィラーネック本体20の内周面22との間に燃料蒸気が流れ込むことを抑制でき、整流壁63とフィラーネック本体20の内周面22との間に燃料蒸気が流れ込むことに起因する乱流の発生を抑制できる。また、整流壁63の給油口FC側の端部は、連通孔30の燃料タンクFT側の端部よりも燃料タンクFT側に位置しているので、連通孔30を通って供給される燃料蒸気が整流壁63の上流側の端部とぶつかることを抑制でき、燃料蒸気が整流壁63の上流側の端部とぶつかることに起因する乱流の発生を抑制できる。
【0032】
また、ガイド部材60が整流壁63を備えるので、整流壁63のために専用のフィラーネック本体20を用いなくてもよく、製造コストの上昇を抑制できる。また、整流壁63が、ガイド部材60の外周面65とフィラーネック本体20の内周面との隙間に位置するので、フィラーネック10の大型化を抑制できる。また、整流壁63は、リブ64を介してガイド部材60の本体部61と接続されているので、ガイド部材60の構造が複雑化することを抑制でき、ガイド部材60の製造コストの上昇を抑制できる。また、ガイド部材60の内径を拡大させずに整流壁63を配置できるので、給油ガンFGの挿入位置がずれることを抑制でき、給油性の低下を抑制できる。
【0033】
B.第2実施形態:
図9および
図10は、第2実施形態のガイド部材60aの概略構成を示す斜視図である。
図11は、第2実施形態のガイド部材60aの概略構成を示す左側面図である。
図12は、第2実施形態のガイド部材60aの概略構成を示す正面図である。
図13は、
図11の13−13線に沿った断面を示す断面図である。
図14は、
図11の14−14線に沿った断面を示す断面図である。
図10は、
図9を紙面裏側から見た状態を示している。
図9ないし
図14におけるXYZ座標は、
図2および
図3におけるXYZ座標とそれぞれ対応している。
図9、
図11、
図12では、説明の便宜上、ガイド部材60aがフィラーネック本体20の内側に配置されたときにガイド部材60aと対向する連通孔30の位置を、破線で示している。
【0034】
第2実施形態のガイド部材60aは、整流壁63に代えて整流壁63aと整流壁63bとを備える点と、リブ64に代えてリブ64aとリブ64bとを備える点と、2つの開口部62に代えて開口部62aと開口部62bとが形成されている点とにおいて、第1実施形態のガイド部材60と異なる。その他の構成は第1実施形態のガイド部材60と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
【0035】
第2実施形態のガイド部材60aは、2つの整流壁63a、63bと、2つのリブ64a、64bとを備え、本体部61に2つの開口部62a、62bが形成されている。
【0036】
2つの整流壁63a、63bは、本体部61に対してガイド部材60aの径方向外側において、周方向に沿って互いに並んで配置されている。各整流壁63a、63bは、燃料蒸気ポート25が配置される側に向かって、Z軸のプラス方向にそれぞれ突出して形成されている。各整流壁63a、63bは、Y軸と平行な長辺を有する平面視略長方形の板状の外観形状をそれぞれ有する。なお、長方形に代えて、正方形や扇形などの他の任意の平面視形状であってもよい。各整流壁63a、63bの外側の面は、フィラーネック本体20の内周面22と対向して接触するように、それぞれ内周面22に沿った形状に湾曲して形成されている。各整流壁63a、63bの内側の面は、平らに形成されている。なお、各整流壁63a、63bの外側の面は、それぞれ平らに形成されていてもよく、内側の面は、それぞれ湾曲して形成されていてもよい。2つのリブ64a、64bは、X軸と平行な方向に沿って本体部61から径方向外側にそれぞれ突出して形成されている。リブ64aは整流壁63aと本体部61とを接続し、リブ64bは整流壁63bと本体部61とを接続している。2つの開口部62a、62bは、本体部61の周方向に沿って互いに離れて形成されている。各開口部62a、62bは、各整流壁63a、63bよりも下流側にそれぞれ形成されている。各開口部62a、62bは、平面視略正方形の外観形状をそれぞれ有し、ガイド部材60aの外側と内側とを連通させる。なお、開口部62a、62bの平面視形状は、略正方形に代えて、円形や長方形などの他の任意の形状であってもよい。
【0037】
ガイド部材60aがフィラーネック本体20の内側に配置されると、
図9および
図12に示すように、連通孔30は、ガイド部材60aの周方向において、整流壁63aと整流壁63bとの間の箇所と対向する。このとき、
図11および
図12に示すように、各整流壁63a、63bの下流側の端部は、連通孔30の上流側の端部と下流側の端部との間にそれぞれ位置し、各整流壁63a、63bの上流側の端部は、連通孔30の上流側の端部よりも上流側にそれぞれ位置することとなる。
【0038】
連通孔30を通って供給される燃料蒸気は、本体部61の外周面65の周方向に沿って左右に分かれて流動する。本体部61の外周面65と整流壁63aの内周面との間を通った燃料蒸気は、開口部62aへと導入され、本体部61の外周面65と整流壁63bの内周面との間を通った燃料蒸気は、開口部62bへと導入される。このとき、燃料蒸気は、本体部61の外周面65と各整流壁63a、63bの内周面との間において、上流側から下流側へと向かう方向と略平行な方向にそれぞれ導かれる。このため、燃料蒸気は、開口部62a、62bにおいてガイド部材60aの内側に向かって比較的小さな角度で流入する。
【0039】
以上説明した第2実施形態のガイド部材60aを備える燃料供給装置FSは、第1実施形態の燃料供給装置FSと同様な効果を有する。加えて、2つの整流壁63a、63bは、ガイド部材60aの周方向において連通孔30と異なる位置にそれぞれ配置されているので、連通孔30を通って供給される燃料蒸気を本体部61の外周面65の周方向に沿って左右に分かれて流動させた後、各開口部62a、62bへと導入することができる。このとき、周方向に沿って互いに離れた2箇所の開口部62a、62bからガイド部材60aの内側に燃料蒸気が流入するため、給油ガンFGの周りに下流側に向かいつつ給油ガンFGを取り囲む燃料蒸気の流れが生じる。かかる燃料蒸気の流れにより、燃料タンクFTから給油口FCに向かう方向の燃料蒸気の流れの発生を抑制できる。また、各整流壁63a、63bの給油口FC側の端部が、連通孔30の給油口FC側の端部よりも給油口FC側に位置しているので、連通孔30を通って供給される燃料蒸気が上流側へ流れることを抑制でき、各開口部62a、62bへの導入性を向上できる。
【0040】
C.比較例:
図15は、比較例における燃料蒸気の流れる方向を模式的に示すための説明図である。比較例のガイド部材160は、整流壁を備えていない。連通孔130を通って供給される燃料蒸気は、ガイド部材160の本体部161の外周面165とフィラーネック本体120の内周面122との間を通り、開口部162へと導入される。ガイド部材160が整流壁を備えていないので、燃料蒸気は、本体部161の外周面165とフィラーネック本体120の内周面122との間でS字形に大きく湾曲して流動し、開口部162に対して大きな角度で流入する。このため、燃料蒸気が給油ガンFGに対して略垂直に衝突し、かかる衝突箇所において、上流側へ向かう燃料蒸気の流れと下流側へ向かう燃料蒸気の流れとに分かれる。それゆえ、燃料蒸気の流れとして上流側の給油口FCに向かう乱流が発生する。また、給油ガンFGの外周面に沿って周方向に流れる燃料蒸気の乱流が発生し、給油ガンFGの外周面に沿って回り込んだ燃料蒸気同士がぶつかり合うことで、給油口FCに向かう乱流が発生する。
【0041】
これに対して、上述した各実施形態におけるガイド部材60、60aによれば、整流壁63、63a、63bを備えるので、連通孔30を通ってフィラーネック本体20の内側に供給された燃料蒸気は、ガイド部材60、60aの本体部61の外周面65と整流壁63、63a、63bの内周面との間を通り、給油口FCから燃料タンクFTへと向かう方向と略平行な方向に流れる。このため、開口部62、62a、62bに対して比較的小さな角度で燃料蒸気を流入させることができるので、燃料蒸気が給油ガンFGに対して略垂直に衝突することを抑制でき、給油ガンFGの外周面に沿って周方向に流れる燃料蒸気の乱流が発生することを抑制できる。したがって、給油口FCに向かう乱流が発生することを抑制できる。
【0042】
D.変形例:
D−1.変形例1:
各実施形態において、各整流壁63、63a、63bは、フィラーネック本体20の内周面22と接触していたが、本発明はこれに限定されるものではない。各整流壁63、63a、63bは、内周面22と離間していてもよい。すなわち一般には、整流壁63、63a、63bは、本体部61に対してガイド部材60の径方向外側において、フィラーネック本体20の内周面22と対向して形成されていてもよい。かかる構成によっても、各実施形態のガイド部材60、60aと同様な効果を奏する。
【0043】
D−2.変形例2:
第1実施形態において、整流壁63は、1つのリブ64により本体部61と接続されていたが、2つ以上のリブ64により本体部61と接続されていてもよい。例えば、整流壁63は、整流壁63におけるX軸のプラス方向の端部とマイナス方向の端部とに配置された2つのリブ64により、トンネル状の構成によって本体部61と接続されていてもよい。また、第2実施形態において、整流壁63a、63bは、それぞれ1つのリブ64a、64bにより本体部61と接続されていたが、それぞれ2つ以上のリブ64a、64bにより本体部61と接続されていてもよい。また、ガイド部材60、60aのリブ64、64a、64bが省略されて、整流壁63、63a、63bが本体部61から突出して屈曲する構成であってもよい。かかる構成によっても、各実施形態のガイド部材60、60aと同様な効果を奏する。
【0044】
D−3.変形例3:
第1実施形態のガイド部材60は、1つの整流壁63を備えていたが、2つ以上の複数の整流壁63を備えていてもよい。例えば、複数の整流壁63が、本体部61の周方向に沿って並んで配置されていてもよく、軸線OL1と平行な方向に沿って並んで形成されていてもよい。かかる構成によっても、第1実施形態のガイド部材60と同様な効果を奏する。
【0045】
D−4.変形例4:
第2実施形態のガイド部材60aは、2つの整流壁63a、63bを備えていたが、3つ以上の複数の整流壁63a、63bを備えていてもよい。例えば、3つ以上の複数の整流壁63a、63bが、本体部61の周方向に沿って互いに並んで形成されていてもよい。また、例えば、本体部61の周方向に沿って並んで形成された4つの整流壁63a、63bのうち、中央寄りの2つの整流壁63a、63bの下流側の端部が、他の2つの整流壁63a、63bの下流側の端部よりも、Y軸のマイナス方向側に形成されていてもよい。すなわち一般には、整流壁63a、63bは、ガイド部材60aの周方向において連通孔30と異なる位置に、第一方向と交わる方向に沿って複数形成されていてもよい。かかる構成によっても、第2実施形態の60aと同様な効果を奏する。
【0046】
D−5.変形例5:
各実施形態のガイド部材60、60aには、本体部61に2つの開口部62、62a、62bがそれぞれ形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。開口部62、62a、62bの数は、1つであってもよく、3つ以上の複数であってもよい。例えば、第1実施形態の開口部62は、本体部61の周方向を長辺とする1つの細長い貫通孔として形成されていてもよく、本体部61の周方向に沿って3つ以上並んで形成されていてもよく、軸線OL1と平行な方向に沿って複数並んで形成されていてもよい。また、例えば、第2実施形態の2つの開口部62a、62bがつながって1つの貫通孔として形成されていてもよく、本体部61の周方向に沿って3つ以上の開口部62a、62bが形成されていてもよく、軸線OL1と平行な方向に沿って、それぞれ複数の開口部62aおよび開口部62bが形成されていてもよい。かかる構成によっても、各実施形態のガイド部材60、60aと同様な効果を奏する。
【0047】
D−6.変形例6:
各実施形態における整流壁63、63a、63bの位置は、あくまで一例であり、種々変更可能である。
【0048】
第1実施形態において、整流壁63の上流側の端部は、連通孔30の下流側の端部よりも下流側に位置していたが、整流壁63の上流側の端部は、連通孔30の下流側の端部よりも上流側に位置していてもよい。また、整流壁63は、各開口部62よりも上流側に配置されていたが、整流壁63の下流側の端部が、各開口部62の上流側の端部よりも下流側に位置していてもよく、各開口部62の下流側の端部よりも下流側に位置していてもよい。
【0049】
第2実施形態において、各整流壁63a、63bの下流側の端部は、連通孔30の上流側の端部と下流側の端部との間に位置していたが、各整流壁63a、63bの下流側の端部は、連通孔30の下流側の端部よりもそれぞれ下流側に位置していてもよい。また、各整流壁63a、63bの上流側の端部は、連通孔30の上流側の端部よりも上流側に位置していたが、各整流壁63a、63bの上流側の端部は、連通孔30の上流側の端部よりもそれぞれ下流側に位置していてもよい。また、各整流壁63a、63bは、各開口部62a、62bよりも上流側に配置されていたが、各整流壁63a、63bの下流側の端部が、各開口部62a、62bの上流側の端部よりも下流側に位置していてもよく、各開口部62a、62bの下流側の端部よりも下流側に位置していてもよい。
【0050】
すなわち一般には、整流壁63、63a、63bは、自身の少なくとも一部が連通孔30の給油口FC側の端部よりも燃料タンクFT側に位置し、自身の少なくとも一部が開口部62、62a、62bの燃料タンクFT側の端部よりも給油口FC側に位置していてもよい。このような構成によっても、各実施形態のガイド部材60、60aと同様な効果を奏する。
【0051】
本発明は、上述の実施形態および変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。