(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書では、モータの中心軸と平行な方向を「軸方向」、モータの中心軸に直交する方向を「径方向」、モータの中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。また、本願において「平行な方向」とは、略平行な方向も含む。また、本明細書において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。「軸方向一方側」とは、
図1中における軸方向上側であり、「軸方向他方側」とは、
図1中における軸方向下側である。
【0011】
<1.第1実施形態>
<1−1.モータの全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るモータ1の縦断面図である。本実施形態のモータ1は、例えば、自動車に搭載され、パワーステアリングの駆動力を発生させるために使用される。ただし、本発明のモータは、パワーステアリング以外の用途に使用されるものであってもよい。例えば、本発明のモータは、自動車の他の部位、例えばエンジン冷却用ファンやオイルポンプの駆動源として、使用されるものであってもよい。また、本発明のモータは、家電製品、OA機器、医療機器等に搭載され、各種の駆動力を発生させるものであってもよい。
【0012】
図1に示すように、モータ1は、静止部2と、回転部3とを有する。静止部2は、駆動対象となる機器の枠体に固定される。回転部3は、静止部2に対して、中心軸9を中心として回転可能に支持される。
【0013】
本実施形態において、静止部2は、ハウジング21、ステータ22、中性点バスバーユニット23、相用バスバーユニット24、第1ベアリング25および第2ベアリング26を有する。
【0014】
ハウジング21は、筒部211、第1蓋部212および第2蓋部213を有する。筒部211は、軸方向に略円筒状に延びる。筒部211は、ステータ22および後述するロータ32を径方向内側に収容する。第1蓋部212は、ステータ22および中性点バスバーユニット23より軸方向一方側において、筒部211から径方向内側へ向けて拡がる。第2蓋部213は、ステータ22より軸方向他方側において、筒部211から径方向内側へ向けて拡がる。なお、第1蓋部212および第2蓋部213は、筒部211から径方向外側へ向けて拡がるフランジ部を有していてもよい。
【0015】
筒部211、第1蓋部212および第2蓋部213は、例えば、アルミニウムやステンレス等の金属からなる。本実施形態では、筒部211と第1蓋部212とが一部材で構成され、第2蓋部213が他部材で構成される。ただし、筒部211と第2蓋部213とが一部材で構成され、第1蓋部212が他部材で構成されてもよい。筒部211、第1蓋部212および第2蓋部213が、それぞれ別部材で構成されてもよい。
【0016】
ステータ22は、後述するロータ32の径方向外側に配置される電機子である。ステータ22は、ステータコア41、インシュレータ42および複数のコイル43を有する。
【0017】
ステータコア41は、電磁鋼板が軸方向に積層された積層鋼板からなる。ステータコア41は、中心軸9を中心とする略円環状のコアバック411と、コアバック411から径方向内側へ向けて延びる複数のティース412とを有する。コアバック411は、中心軸9と略同軸に配置される。コアバック411の外周面は、ハウジング21の筒部211の内周面に、固定される。複数のティース412は、周方向に略等間隔に配置される。
【0018】
インシュレータ42の材料は、絶縁体であり、好ましくは絶縁性を有する樹脂である。各ティース412の軸方向の両端面および周方向の両端面は、インシュレータ42に覆われる。コイル43は、インシュレータ42の周囲に巻かれた導線により、構成される。すなわち、インシュレータ42は、ティース412とコイル43との間に介在することによって、ティース412とコイル43とが電気的に短絡することを、防止する。なお、インシュレータ42に代えて、ティース412の表面に絶縁塗装が施されていてもよい。
【0019】
なお、本実施形態では、
図1に示すように、1つのインシュレータの周囲に、2つのコイル43が配置される。各コイル43の2つの線端の一方は後述する中性点バスバー51に接続され、他方は後述する相用バスバー53に接続される。なお、「コイル43の線端」とは、コイル43を構成する導線の端部である。ここで、各コイル43の2つの線端のうち、中性点バスバー51に接続される一方を線端430と称する。
【0020】
中性点バスバーユニット23は、ステータ22の軸方向一方側かつ第1蓋部212の軸方向他方側に配置される。中性点バスバーユニット23は、6つの中性点バスバー51と、中性点バスバー51を保持する樹脂製のバスバーホルダ52とを有する。中性点バスバー51は、例えば銅などの電気伝導性の高い材料により形成される。各中性点バスバー51には、複数のコイル43の線端430が接続される。すなわち、複数のコイル43同士が、中性点バスバー51を介して、電気的に接続される。
【0021】
相用バスバーユニット24には、6つの相用バスバー53と、相用バスバー53を保持する樹脂製の相用バスバーホルダ54と、6つの接続ピン55とを有する。相用バスバー53および相用バスバーホルダ54はそれぞれ、ステータ22の軸方向他方側かつ第2蓋部213の軸方向一方側に配置される。接続ピン55はそれぞれ、第2蓋部213を軸方向に貫通する。
【0022】
各相用バスバー53には、少なくとも1つのコイル43の線端が接続される。また、各接続ピン55は、第2蓋部213の軸方向一方側において相用バスバー53と電気的に接続される。モータ1の使用時には、各接続ピン55は、第2蓋部213の軸方向他方側、すなわちハウジング21の外部において、外部電源と電気的に接続される。モータ1の駆動時には、外部電源から接続ピン55および相用バスバー53を介してコイル43に駆動電流が供給される。
【0023】
なお、以下では、ステータ22、中性点バスバーユニット23および相用バスバーユニット24を合わせてステータユニット20(
図3,
図4参照)と称する。また、中性点バスバーユニット23のより詳細な構造や、コイル43、中性点バスバー51および相用バスバー53の電気的な接続については、後述する。
【0024】
第1ベアリング25および第2ベアリング26は、ハウジング21と、回転部3の後述するシャフト31との間に配置される。これにより、第1ベアリング25および第2ベアリング26は、ハウジング21に対してシャフト31を回転可能に支持する。本実施形態の第1ベアリング25および第2ベアリング26には、球体を介して外輪と内輪とを相対回転させるボールベアリングが使用される。ただし、第1ベアリング25および第2ベアリング26には、ボールベアリングに代えて、すべり軸受や流体軸受等の他の方式のベアリングが、使用されてもよい。
【0025】
第1ベアリング25は、ロータ32およびコイル43よりも軸方向一方側に配置される。ここで、第1蓋部212は、その略中央に、第1ベアリング25を収容する第1ベアリング収容部214を有する。第1ベアリング収容部214は、中心軸9に沿って延びる円筒状の部位である。第1ベアリング25の外輪は、第1ベアリング収容部214の内周面に固定される。
【0026】
中性点バスバーユニット23は、第1ベアリング収容部214の径方向外側に配置される。すなわち、中性点バスバー51は、第1ベアリング25と径方向に重なる位置に配置される。第1ベアリング25と中性点バスバーユニット23とを径方向に重ねることにより、モータ1が軸方向に大きくなるのが抑制される。
【0027】
一方、第2ベアリング26は、ロータ32およびコイル43よりも軸方向他方側に配置される。ここで、第2蓋部213は、その略中央に、第2ベアリング26を収容する第2ベアリング収容部215を有する。第2ベアリング収容部215は、中心軸9に沿って延びる円筒状の部位である。第2ベアリング26の外輪は、第2ベアリング収容部215の内周面に固定される。
【0028】
相用バスバーユニット24のうち、相用バスバー53および相用バスバーホルダ54は、第2ベアリング収容部215の径方向外側に配置される。すなわち、相用バスバー53は、第2ベアリング26と径方向に重なる位置に配置される。第2ベアリング26と相用バスバーユニット24の一部とが径方向に重なることにより、モータ1が軸方向に大きくなるのが、より抑制される。
【0029】
本実施形態において、回転部3は、シャフト31とロータ32とを有する。
【0030】
シャフト31は、中心軸9に沿って延びる柱状の部材である。シャフト31の材料は、例えばステンレスなどの金属材料である。シャフト31は、第1ベアリング25および第2ベアリング26に支持され、中心軸9を中心として回転する。シャフト31の軸方向一方側の端部は、第1蓋部212よりも軸方向一方側へ突出する。シャフト31の軸方向他方側の端部は、第2蓋部213より軸方向他方側へ突出する。シャフト31の軸方向一方側の端部および軸方向他方側の端部の少なくとも一方には、ギア等の動力伝達機構を介して、駆動対象となる装置が連結される。なお、シャフト31の材料は、上述のものに限られず、他の材料が用いられてもよい。シャフト31は、中実であってもよく、中空であってもよい。
【0031】
上述のように、中性点バスバーユニット23および第1ベアリング25と、相用バスバーユニット24および第2ベアリング26とを、それぞれ径方向に重なる位置に配置することにより、モータ1の重心と、シャフト31の端部との距離を短くできる。したがって、モータ1の重心と、駆動対象となる装置との軸方向の距離を短くできる。モータ1の重心と駆動対象となる装置との軸方向の距離が短くなれば、モータ1および当該装置のいずれか一方で発生した振動が、他方へ伝達する際に、増幅されにくい。したがって、モータ1および当該装置における振動を抑制できる。
【0032】
ロータ32は、ステータ22の径方向内側に配置される。ロータ32は、シャフトとともに回転する。ロータ32は、ロータコア321および複数のマグネット322を有する。
【0033】
本実施形態において、ロータコア321は、電磁鋼板が軸方向に積層された積層鋼板である。ロータコア321の中央には、軸方向に延びる挿入孔320が設けられる。シャフト31は、ロータコア321の挿入孔320内に配置される。シャフト31の外周面とロータコア321の内周面とは、互いに固定される。
【0034】
複数のマグネット322は、ロータコア321の外周面に、例えば接着剤で固定される。各マグネット322の径方向外側の面は、ティース412の径方向内側の端面に対向する磁極面である。複数のマグネット322は、N極とS極とが交互に並ぶように、周方向に配列される。なお、複数のマグネット322に代えて、N極とS極とが周方向に交互に着磁された円環状のマグネットが使用されてもよい。また、複数のマグネット322は、ロータコア321の内部に埋め込まれていてもよい。
【0035】
外部電源から、相用バスバー53を介してコイル43に駆動電流が流れると、ステータコア41の複数のティース412に、磁束が生じる。そして、ティース412とマグネット322との間の磁束の作用により、周方向のトルクが発生する。その結果、静止部2に対して回転部3が、中心軸9を中心として回転することができる。
【0036】
<1−2.モータ内の電気的接続について>
次に、モータ1内の電気的接続の詳細について、説明する。
図2は、モータ1の回路構成を示した図である。
【0037】
図2に示すように、モータ1は、6つの中性点バスバー51を有する。モータ1は、18個のコイル43を有する。18個のコイル43と、6つの中性点バスバー51と、6つの相用バスバー53とは、それぞれ、第1制御系統11と第2制御系統12とに分けられる。第1制御系統11と第2制御系統12とは、それぞれ別個に制御される。すなわち、第1制御系統11と第2制御系統12とは、電気的に接続されない。
【0038】
18個のコイル43は、第1制御系統11に属する第1コイル群431と、第2制御系統12に属する第2コイル群432とを有する。第1コイル群431および第2コイル群432にはそれぞれ、9個のコイル43が含まれる。
【0039】
より具体的には、第1コイル群431には、3つの第1U相コイルU11,U12,U13と、3つの第1V相コイルV11,V12,V13と、3つの第1W相コイルW11,W12,W13とが含まれる。第2コイル群432には、3つの第2U相コイルU21,U22,U23と、3つの第2V相コイルV21,V22,V23と、3つの第2W相コイルW21,W22,W23とが含まれる。
【0040】
6つの中性点バスバー51は、第1制御系統11に属する3つの第1中性点バスバーB11,B12,B13と、第2制御系統12に属する3つの第2中性点バスバーB21,B22,B23とを含む。
【0041】
第1中性点バスバーB11,B12,B13には、それぞれ、第1コイル群431に含まれる3つのコイル43のそれぞれの線端430が接続される。具体的には、第1中性点バスバーB11には、第1U相コイルU11、第1V相コイルV11および第1W相コイルW11のそれぞれの線端430が接続される。第1中性点バスバーB12には、第1U相コイルU12、第1V相コイルV12および第1W相コイルW12のそれぞれの線端430が接続される。第1中性点バスバーB13には、第1U相コイルU13、第1V相コイルV13および第1W相コイルW13のそれぞれの線端430が接続される。
【0042】
第2中性点バスバーB21,B22,B23には、それぞれ、第2コイル群432に含まれる3つのコイル43のそれぞれの線端430が接続される。具体的には、第2中性点バスバーB21には、第2U相コイルU21、第2V相コイルV21および第2W相コイルW21のそれぞれの線端430が接続される。第2中性点バスバーB22には、第2U相コイルU22、第2V相コイルV22および第2W相コイルW22のそれぞれの線端430が接続される。第2中性点バスバーB23には、第2U相コイルU23、第2V相コイルV23および第2W相コイルW23のそれぞれの線端430が接続される。
【0043】
このように、本実施形態では、第1制御系統11および第2制御系統12がそれぞれ3つの中性点バスバー51を有する。これにより、各中性点バスバー51に接続されるコイル43の数を、3相モータの中性点として最低限の3つとできる。本実施形態では、中性点バスバー51とコイル43の線端430との接続および固定が、溶接により行われる。
【0044】
中性点バスバー51とコイル43とを溶接する際には、溶接熱により中性点バスバー51の温度が上昇する。本実施形態では、1つの中性点バスバー51に接続されるコイル43の線端430の数を最小としている。これにより、1つの中性点バスバー51のうち、最後に溶接を行う接続箇所512においても、適切な温度で溶接作業を行うことができる。すなわち、全ての溶接箇所において、安定した条件で溶接を行うことができる。また、溶接条件の安定のために溶接作業を中断して中性点バスバー51の温度低下を待つ必要が無いため、溶接作業のタクトタイムを短くできる。
【0045】
これにより、本実施形態のステータユニット20の製造時には、径方向の同一の位置に配置される中性点バスバー51とコイル43の線端430との接続箇所512に対して、周方向に順に溶接作業を行うことができる。その結果、溶接作業の作業効率をさらに向上できる。
【0046】
6つの相用バスバー53のうち、第1U相バスバー531と、第1V相バスバー532と、第1W相バスバー533とが第1制御系統11に属し、第2U相バスバー534と、第2V相バスバー535と、第2W相バスバー536とが第2制御系統12に属する。
【0047】
第1U相バスバー531には、3つの第1U相コイルU11,U12,U13のそれぞれの線端430が接続される。第1V相バスバー532には、3つの第1V相コイルV11,V12,V13のそれぞれの線端430が接続される。第1W相バスバー533には、3つの第1W相コイルW11,W12,W13のそれぞれの線端430が接続される。
【0048】
第2U相バスバー534には、3つの第2U相コイルU21,U22,U23のそれぞれの線端430が接続される。第2V相バスバー535には、3つの第2V相コイルV21,V22,V23のそれぞれの線端430が接続される。第2W相バスバー536には、3つの第2W相コイルW21,W22,W23のそれぞれの線端430が接続される。
【0049】
<1−3.中性点バスバーユニットの構造について>
続いて、モータ1の中性点バスバーユニット23の詳細な構造について説明する。
図3は、ステータユニット20の軸方向一方側から見た平面図である。
図4は、ステータユニット20の斜視図である。
図5は、ステータユニット20におけるコイルおよび中性点バスバーの配置を示した図である。
【0050】
図3および
図4に示すように、中性点バスバー51は、板状の部材である。
図3および
図5に示すように、6つの中性点バスバー51は、径方向の2箇所かつ周方向の3箇所に配置される。当該配置により、周方向の同一の位置に配置される2つの中性点バスバー51は、径方向に重なる位置に配置される。径方向の同一の位置に配置される3つの中性点バスバー51は、周方向に略等間隔に配置される。なお、「同一の位置」とは、略同一の位置を含む。また、2つの中性点バスバー51が「径方向に重なる」とは、2つの中性点バスバー51が、中心軸9から径方向外側に延びる同一半直線上に配置されることをいう。
【0051】
一方、モータ1では、周方向の9箇所にコイル43が配置される。すなわち、モータ1では、ステータコア41が9本のティース412を有する。
図5に示すように、各ティース412の周囲に2つのコイル43が配置される。当該2つのコイル43は、径方向に並ぶ。
【0052】
本実施形態のモータ1では、2つの第1U相コイルU11,U12、2つの第1V相コイルV11,V12、2つの第1W相コイルW11,W12、第1U相コイルU13および第2U相コイルU21、第1V相コイルV13および第2V相コイルV21、第1W相コイルW13および第2W相コイルW21、2つの第2U相コイルU22,U23、2つの第2V相コイルV22,V23、2つの第2W相コイルW22,W23が、それぞれ1つのティース412の周囲に配置されるとともに、この順に周方向に並ぶ。
【0053】
このように、本実施形態では、第1コイル群431に含まれるコイル43のみが周囲に配置されるティース412と、第1コイル群431に含まれるコイル43と第2コイル群432に含まれるコイル43とが周囲に配置されるティース412と、第2コイル群432に含まれるコイル43のみが周囲に配置されるティース412と、が存在する。すなわち、第1コイル群431が配置されるエリアと、第2コイル群432が配置されるエリアと、が分かれている。これにより、第1制御系統11および第2制御系統12のいずれか一方が制御不能となった場合に、制御可能な制御系統のコイル43が、制御不能な制御系統の影響を受けにくい。
【0054】
図5に示すように、径方向外側に配置される第1U相コイルU11、第1V相コイルV11および第1W相コイルW11と、径方向外側に配置される第1中性点バスバーB11とが接続される。第1中性点バスバーB11は、軸方向に見て、接続される3つのコイルU11,V11,W11の径方向内端付近に配置される。径方向内側に配置される第1U相コイルU12、第1V相コイルV12および第1W相コイルW12と、径方向内側に配置される第1中性点バスバーB12とが、接続される。第1中性点バスバーB12は、軸方向に見て、接続される3つのコイルU12,V12,W12の径方向内端付近に配置される。
【0055】
径方向外側に配置される第1U相コイルU13、第1V相コイルV13および第1W相コイルW13と、径方向外側に配置される第1中性点バスバーB13とが接続される。第1中性点バスバーB13は、接続される3つのコイルU13,V13,W13の径方向内端付近に配置される。径方向内側に配置される第2U相コイルU21、第2V相コイルV21および第2W相コイルW21と、径方向内側に配置される第2中性点バスバーB21とが接続される。第2中性点バスバーB21は、軸方向に見て、接続される3つのコイルU21,V21,W21の径方向内端付近に配置される。
【0056】
さらに、径方向外側に配置される第2U相コイルU22、第2V相コイルV22および第2W相コイルW22と、径方向外側に配置される第2中性点バスバーB22とが接続される。軸方向に見て、第2中性点バスバーB22は、接続される3つのコイルU22,V22,W22の径方向内端付近に配置される。径方向内側に配置される第2U相コイルU23、第2V相コイルV23および第2W相コイルW23と、径方向内側に配置される第2中性点バスバーB23とが接続される。軸方向に見て、第2中性点バスバーB23は、接続される3つのコイルU23,V23,W23の径方向内端付近に配置される。
【0057】
このように、径方向内側に配置されるコイル43と径方向内側に配置される中性点バスバー51とが接続され、かつ、径方向外側に配置されるコイル43と径方向外側に配置される中性点バスバー51とが接続される。冗長を持たせるため複数系統のコイル群431,432を有するモータ1においては、コイル43の数が多い。しかしながら、当該構成により、コイル43の数が多いモータ1であっても、コイル43から引き出される導線の配置が複雑化するのが抑制される。
【0058】
また、少なくとも2つの中性点バスバー51を径方向に重なるように配置することにより、中性点バスバー51とコイル43の線端430との接続箇所512とを周方向だけでなく、径方向にも分散できる。冗長を持たせるため複数系統のコイル群431,432を有するモータ1においては、コイル43の数が多い。すなわち、中性点バスバー51とコイル43の線端430との接続箇所512の数が多い。しかしながら、当該構成により、接続箇所512同士の間隔を広くとることができる。
【0059】
本実施形態では、3つの中性点バスバー51が、径方向の略同一の位置、かつ、周方向の異なる位置に配置される。また、他の3つの中性点バスバー51が、径方向の略同一の位置、かつ、周方向の異なる位置に配置される。このように、中性点バスバー51を周方向に分割して配置することにより、バスバーをモータに組み付ける工程が容易になる。また、このような配置により、製造上、中性点バスバー51の歩留りが良くなる。
【0060】
また、径方向の略同一位置に配置される3つの中性点バスバー51は、同一形状である。これにより、6つの中性点バスバー51の形状が全て異なる場合と比べて、効率よく製造することができる。
【0061】
図3に示すように、中性点バスバー51はそれぞれ、3つの板状部511を有する。板状部511は、軸方向かつ周方向に拡がる平板状の部位である。1つの板状部511に、コイル43の線端430との接続箇所512が1箇所配置される。このように、平板状の板状部511に接続箇所512を設けることにより、湾曲した中性点バスバー51に対して溶接を行うよりも、溶接作業を容易に行うことができる。
【0062】
本実施形態では、
図3および
図5に示すように、中性点バスバー51の軸方向に見た形状は、中心軸9を中心とした正9角形の一部である。一方、ステータコア41のティース412は、9個である。中性点バスバー51を、正9角形に沿って配置することにより、径方向の同一位置に配置される板状部511の長さを長くとることができる。このように、ティース412の個数がN個である場合に、中性点バスバー51を正N角形に沿って配置することにより、周方向の長さの長いN個の板状部511を効率よく形成できる。その結果、中性点バスバー51とコイル43の線端430との溶接作業をより容易に行うことができる。
【0063】
本実施形態では、
図5に示すように、中性点バスバー51とコイル43の線端430との接続箇所512は、いずれも、中性点バスバー51の径方向外側に位置する。このように、全ての接続箇所512を、中性点バスバー51の径方向内側および径方向外側のいずれか一方に配置することが好ましい。このようにすれば、中性点バスバー51とコイル43の線端430との溶接時に、溶接治具の向きを変更することなく、全ての接続箇所512を溶接できる。したがって、モータ1の生産性が向上する。
【0064】
また、本実施形態の中性点バスバー51は、平板状の銅板の2箇所を折り曲げることにより、形成される。このため、中性点バスバー51には、スプリングバックにより、平板状に戻ろうとする力が発生する可能性がある。当該スプリングバックによる力が発生した場合、中性点バスバー51の3つの板状部511のうち周方向の両端の板状部511が、径方向外側へと向かおうとする。
【0065】
このモータ1では、上述の通り、接続箇所512が中性点バスバー51の径方向外側に配置される。このため、中性点バスバー51にスプリングバックによる力が発生した場合、中性点バスバー51はコイル43の線端430に向かう方向に移動する。したがって、中性点バスバー51とコイル43の線端430とが互いに押しつけ合う力が発生する。したがって、中性点バスバー51にスプリングバックによる力が発生した場合に、中性点バスバー51とコイル43の線端430との固定強度が低下するのが抑制される。
【0066】
なお、スプリングバックは、本実施形態のように中性点バスバー51を複数箇所で折り曲げた場合だけでなく、中性点バスバー51全体を円弧状に湾曲させた場合であっても生じる虞がある。したがって、中性点バスバー51全体を円弧状に湾曲させた場合にも、接続箇所512は、中性点バスバー51の径方向外側に配置されることが好ましい。
【0067】
続いて、バスバーホルダ52の形状について説明する。
図3、
図4および
図6に示すように、バスバーホルダ52は、中心軸9に対して略垂直に拡がるベース部521と、ベース部521から軸方向一方側に延びる保持部522とを有する。ベース部521は、中心軸9の周囲に環状に拡がる。
【0068】
保持部522は、中性点バスバー51の径方向内側と、径方向外側とに配置される。このため、中性点バスバー51の一部は、2つの保持部522により径方向に挟み込まれる。これにより、中性点バスバー51がバスバーホルダ52に対して径方向に移動するのが抑制される。
【0069】
図6は、中性点バスバー51およびバスバーホルダ52の位置関係を示す図である。
図6では、中性点バスバー51およびバスバーホルダ52の縦断面図が概念的に示されている。
図6では、コイル43の線端430が破線で示されている。
【0070】
ここで、中性点バスバー51を周方向の一部を被保持部61と称し、その他の一部を露出部62と称する。
図6に示すように、被保持部61は、径方向の両側面の少なくとも一部がバスバーホルダ52により覆われる。すなわち、被保持部61は、径方向の両側面の少なくとも一部が保持部522により覆われる。露出部62は、径方向の両側面がバスバーホルダ52から露出する。被保持部61と露出部62とは、周方向に隣接する。
【0071】
中性点バスバー51とコイル43の線端430との接続箇所512は、露出部62に配置される。これにより、中性点バスバー51が軸方向または径方向に突出する端子を有していなくても、中性点バスバー51とコイル43の線端430とを接続しやすい。その結果、モータ1の製造時の作業効率を低下させることなく、モータ1を小型化できる。
【0072】
また、中性点バスバー51の周方向の一部を接触部71と称し、その他の一部を非接触部72と称する。
図6に示すように、接触部71は、その軸方向他方側端面がバスバーホルダ52のベース部521の軸方向一方側端面と接触する。非接触部72は、その軸方向他方側端面が空間に面する。なお、非接触部72は、少なくとも一部が露出部62と重なる。接触部71および非接触部72は、周方向に隣接する。
【0073】
図4および
図6に示すように、本実施形態のベース部521は、その軸方向一方側の表面が軸方向他方側に凹む凹部523を有する。凹部523の軸方向一方側端面と、中性点バスバー51の軸方向他方側端面とは、軸方向に間隔をあけて対向する。したがって、中性点バスバー51のうち、凹部523と軸方向に重なる部分は、非接触部72となる。
【0074】
中性点バスバー51とコイル43の線端430との接続箇所512は、非接触部72に配置される。これにより、中性点バスバー51とコイル43の線端430とを中性点バスバー51の軸方向他方側の端部まで溶接できる。すなわち、中性点バスバー51とコイル43の線端430とが溶接される面積を大きくできる。したがって、溶接条件が安定するとともに、中性点バスバー51とコイル43の線端430との固定強度を向上できる。
【0075】
なお、本実施形態では、
図6に示すように、被保持部61の位置と、接触部71の位置とが一致する。また、露出部62の位置と、非接触部72の位置とが一致する。
図6中には、中性点バスバー51のうち、被保持部61かつ接触部71である部位と、露出部62かつ非接触部72である部位との境界が、破線で示される。
【0076】
また、
図6に示すように、中性点バスバー51と接続されるコイル43の線端430の軸方向一方側の端部は、中性点バスバー51の軸方向一方側の端部よりも軸方向一方側に配置される。これにより、中性点バスバー51とコイル43の線端430とを中性点バスバー51の軸方向一方側の端部まで溶接できる。すなわち、中性点バスバー51とコイル43の線端430との溶接面積をより大きくできる。したがって、溶接条件が安定するとともに、中性点バスバー51とコイル43の線端430との固定強度をより向上できる。
【0077】
図3および
図4に示すように、ベース部521は、第1コイル線案内部81および第2コイル線案内部82を有する。第1コイル線案内部81は、ベース部521の径方向外端部から、径方向外側の中性点バスバー51へ向かって切り欠かれる切り欠きである。径方向外側の中性点バスバー51と接続するコイル43の線端430は、それぞれ、第1コイル線案内部81の内部に配置される。
【0078】
ベース部521が第1コイル線案内部81を有することにより、ステータユニット20の組み立て時に、コイル43の線端430を径方向外側の中性点バスバー51の側面付近へと容易に配置することができる。このため、モータ1の製造効率を向上させることができる。また、ベース部521が第1コイル線案内部81を有することにより、中性点バスバー51とコイル43の線端430との溶接時に、コイル43の線端430の位置ずれを抑制できる。その結果、溶接条件が安定するとともに、中性点バスバー51とコイル43の線端430との固定強度を向上できる。
【0079】
第2コイル線案内部82は、軸方向に貫通する貫通孔である。第2コイル線案内部82は、軸方向に見て、径方向内側の中性点バスバー51の径方向外端と重なる。ベース部521が第2コイル線案内部82を有することにより、ステータユニット20の組み立て時に、コイル43の線端430を径方向内側の中性点バスバー51の側面付近へと容易に配置することができる。このため、モータ1の製造効率を向上させることができる。
【0080】
図4に示すように、本実施形態では、バスバーホルダ52が、軸方向一方側に突出する突出部524を有する。突出部524の軸方向一方側の端部は、中性点バスバー51およびコイル43の線端430の軸方向一方側の端部より軸方向一方側に配置される。これにより、ステータユニット20の軸方向一方側を下側に向けて作業台等の上に載置した場合であっても、コイル43の線端430が作業台等に接触しない。その結果、コイル43を構成する導線が断線したり、接続箇所512において中性点バスバー51とコイル43の線端430とが剥離したりすることが抑制される。
【0081】
図1に示すように、中性点バスバーユニット23はコイル43の軸方向一方側に配置され、相用バスバーユニット24はコイル43の軸方向他方側に配置される。すなわち、6つの中性点バスバー51は全てコイル43の軸方向一方側に配置され、6つの相用バスバー53は全てコイル43の軸方向他方側に配置される。このように、中性点バスバー51と相用バスバー53とをステータ22に対して軸方向反対側に配置することにより、中性点バスバー51をレイアウト可能な領域を広く取ることができる。これにより、中性点バスバー51とコイル43の線端430との接続箇所512同士を、間隔をあけて配置できる。したがって、中性点バスバー51とコイル43の線端430との溶接作業の効率を向上させることができる。
【0082】
<2.変形例>
図7は、一変形例に係る中性点バスバーユニットにおける中性点バスバー51Aおよびバスバーホルダ52Aの位置関係を示した図である。
図7では、ベース部521Aのうち、中性点バスバー51Aの下方に、孔部525Aを有する。孔部525Aは、ベース部521Aを軸方向に貫通する貫通孔である。これにより、中性点バスバー51Aのうち孔部525Aと軸方向に重なる部分は、その軸方向他方側端面が空間に面する非接触部72Aとなる。
【0083】
図8は、他の変形例に係る中性点バスバーユニットにおける中性点バスバー51Bおよびバスバーホルダ52Bの位置関係を示した図である。
図8では、ベース部521Bの軸方向一方側端面、中性点バスバー51Bの軸方向他方側端面とは、軸方向に間隔をあけて対向する。ベース部521Bは、軸方向一方側端面から軸方向一方側へ突出する凸部526Bを有する。凸部526Bの軸方向一方側端面は、中性点バスバー51Bの軸方向他方側端面と接触する。
【0084】
これにより、中性点バスバー51Bのうち、凸部526Bと軸方向に重なる部分は、その軸方向他方側端面がバスバーホルダ52Bと接触する接触部71Bとなる。中性点バスバー51Bのうち、凸部526Bと軸方向に重ならない部分は、その軸方向他方側端面が空間に面する非接触部72Bとなる。
【0085】
図7および
図8の例のように、バスバーホルダのベース部が凹部を有していなくても、中性点バスバーに非接触部を設けることができる。これにより、中性点バスバーとコイルの線端との接続箇所を非接触部に配置することで、中性点バスバーとコイルの線端とを中性点バスバーの軸方向他方側の端部まで溶接できる。すなわち、中性点バスバーとコイルの線端との溶接面積を大きくできる。したがって、溶接条件が安定するとともに、中性点バスバーとコイルの線端との固定強度を向上できる。
【0086】
図9は、他の変形例に係るステータユニット20Cの部分平面図である。このステータユニット20Cでは、バスバーホルダ52Cのベース部521Cが、第2コイル線案内部82Cを有する。第2コイル線案内部82Cは、貫通孔821Cと、切り欠き822Cとを有する。
【0087】
貫通孔821Cは、ベース部521Cを軸方向に貫通する。貫通孔821Cは、径方向内側の中性点バスバー51Cの径方向外側に配置される。切り欠き822Cは、貫通孔821Cから、径方向内側の中性点バスバー51Cへ向かって切り欠かれている。径方向内側の中性点バスバー51Cと接続するコイル43Cの線端430Cは、それぞれ、切り欠き822Cの内部に配置される。
【0088】
ベース部521Cが第2コイル線案内部82Cを有することにより、ステータユニット20Cの組み立て時に、コイル43Cの線端430Cを径方向内側の中性点バスバー51Cの側面付近へと容易に配置することができる。このため、モータ1Cの製造効率を向上させることができる。また、ベース部521Cが切り欠き822Cを有することにより、中性点バスバー51Cとコイル43Cの線端430との溶接時に、コイル43Cの線端430Cの位置ずれを抑制できる。その結果、溶接条件が安定するとともに、中性点バスバー51Cとコイル43Cの線端430Cとの固定強度を向上できる。
【0089】
図10は、他の変形例に係るステータユニットにおけるコイル43Dおよび中性点バスバー51Dの配置を示した図である。
【0090】
図10では、第1U相コイルU11および第2U相コイルU21、第1V相コイルV11および第2V相コイルV21、第1W相コイルW11および第2W相コイルW21、第1U相コイルU12および第2U相コイルU22、第1V相コイルV12および第2V相コイルV22、第1W相コイルW12および第2W相コイルW22、第1U相コイルU13および第2U相コイルU23、第1V相コイルV13および第2V相コイルV23、第1W相コイルW13および第2W相コイルW23が、それぞれ1つのティース412Dの周囲に配置されるとともに、この順に周方向に並ぶ。
【0091】
このように、全てのティース412Dの周囲に、第1制御系統に属するコイル43Dと第2制御系統に属するコイル43Dとが配置されてもよい。これにより、2つの制御系統のいずれか一方が制御不能となった場合であっても、各ティース412Dに生じる磁力を周方向に等間隔に生じさせることができる。
【0092】
図11は、他の変形例に係るステータユニットにおけるコイル43Eおよび中性点バスバー51Eの配置を示した図である。
図11では、制御系統毎に、単一の中性点バスバー51Eを有する。すなわち、このステータユニットは、2つの中性点バスバー51Eを有する。このため、第1制御系統に属する9つのコイル43Eの全てが、一方の中性点バスバー51Eと接続される。第2制御系統に属する9つのコイル43Eの全てが、他方の中性点バスバー51Eと接続される。このように、1つの中性点バスバー51Eが、4つ以上のコイル43Eと接続されてもよい。
【0093】
図12は、他の変形例に係るステータユニット20Fの斜視図である。上記の実施形態では、バスバーホルダ52が、軸方向一方側に突出する突出部524を有する。
図12では、バスバーホルダ52Fが軸方向一方側に突出する突出部524Fを有し、インシュレータ42Fが、軸方向一方側に突出するインシュレータ突出部421Fを有する。
【0094】
突出部524Fおよびインシュレータ突出部421Fの軸方向一方側の端部は、中性点バスバー51Fおよびコイル43Fの線端430Fの軸方向一方側の端部より軸方向一方側に配置される。これにより、ステータユニット20Fの軸方向一方側を下側に向けて作業台等の上に載置した場合であっても、コイル43Fの線端430Fが作業台等に接触しない。その結果、コイル43Fを構成する導線が断線したり、接続箇所512Fにおいて中性点バスバー51Fとコイル43Fの線端430Fとが剥離したりすることが抑制される。
【0095】
上記の実施形態のステータ22は、ティース412の数が9つであり、コイル43の数が18個である。すなわち、上記の実施形態のステータ22ではスロット数が9であり、制御系統数が2であった。しかしながら、本発明はこれに限られない。ステータ22において、スロット数は9に限らず、例えば6または12であってもよい。また、モータ1における制御系統数は、3以上であってもよい。
【0096】
上記の実施形態のステータ22は、1つのティース412の周囲に2つのコイル43が配置される。しかしながら、本発明はこれに限られない。ステータ22では、1つのティースの周囲に1つのコイルが配置されるものであってもよいし、1つのティースの周囲に3つ以上のコイルが配置されるものであってもよい。また、上記の実施形態では、1つのティース412に2つのコイルが径方向に並んで配置されるが、本発明はこれに限られない。1つのティース412の同じ径方向位置に重なって2つのコイルが配置されてもよい。また、コイルの巻き方は、集中巻に限られず、バイファイラ巻でもよい。
【0097】
上記の実施形態では、第1制御系統11と第2制御系統12とがそれぞれ別個に制御されたが、本発明はこの限りではない。第1制御系統11と第2制御系統12とが単一の制御部により連動して制御されてもよい。ただし、その場合であっても、モータ1内において、第1制御系統11に属するコイル、中性点バスバーおよび相用バスバーと、第2制御系統12に属するコイル、中性点バスバーおよび相用バスバーとは、電気的に接続されないのが望ましい。
【0098】
上記の実施形態のモータは、インナロータ型のモータであったが、アウタロータ型のモータに対して本発明を適用してもよい。
【0099】
各部材の細部の形状については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。また、上記の各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。