特許第6809591号(P6809591)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6809591
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】制御電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/04 20060101AFI20201221BHJP
   H02M 7/12 20060101ALI20201221BHJP
   F24F 11/88 20180101ALI20201221BHJP
【FI】
   H02M7/04 A
   H02M7/12 V
   F24F11/88
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-196275(P2019-196275)
(22)【出願日】2019年10月29日
【審査請求日】2020年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊行
(72)【発明者】
【氏名】千原 稔
(72)【発明者】
【氏名】河野 伸二
【審査官】 高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−120821(JP,A)
【文献】 特開平08−075228(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/173919(WO,A1)
【文献】 特開2005−303281(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/117014(WO,A1)
【文献】 特開2007−120818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/04
F24F 11/88
H02M 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃性材料で形成された電装品箱(1)に収容された電源基板(2)と、
前記電源基板(2)に設けられ、供給できる電力の上限が所定値に制限されている第1電源部(PS1)と、
前記電源基板(2)に設けられ、供給できる電力の上限が前記所定値に制限されている第2電源部(PS2)と、
前記電装品箱(1)の外部に設けられ、前記第1電源部(PS1)から電力供給を受ける第1負荷回路(L1)と、
前記第1負荷回路(L1)から電気的に独立した状態で前記電装品箱(1)の外部に設けられ、前記第2電源部(PS2)から電力供給を受ける第2負荷回路(L2)と、
を備えている制御電源装置。
【請求項2】
前記電装品箱(1)を収容する第1筐体(C1)と、
前記第1負荷回路(L1)及び前記第2負荷回路(L2)を収容する第2筐体(C2)と、
前記第1筐体(C1)と前記第2筐体(C2)とを互いに電気的に接続するコネクタ(4)と、
を備えている請求項1に記載の制御電源装置。
【請求項3】
前記第1筐体(C1)内にあって、かつ、前記電装品箱(1)の外部に、前記電装品箱(1)から出力される電圧を降圧する降圧回路(3)が設けられている請求項2に記載の制御電源装置。
【請求項4】
前記コネクタ(4)における電路の並びに関して、前記第1電源部(PS1)の電圧出力線と前記第2電源部(PS2)の電圧出力線との間にGNDの電路が設けられている請求項2又は請求項3に記載の制御電源装置。
【請求項5】
前記第2筐体(C2)の内部には、
前記コネクタ(4)に接続され、前記第1電源部(PS1)の出力及び前記第2電源部(PS2)の出力を受ける入出力基板(5)と、
CPUを搭載し、前記入出力基板(5)を通して前記第2電源部(PS2)の出力を受けるCPU基板(6)と、
が設けられている請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の制御電源装置。
【請求項6】
前記第2筐体(C2)と同様の負荷回路を含む1又は複数の第3筐体(C3)を有し、前記コネクタは、前記第2筐体(C2)及び前記第3筐体(C3)を装着して電気的に互いに接続可能なスロット(10)の形態を成している請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の制御電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器には制御電源装置が搭載されている。空調機では、例えば室内機の中に電源基板と、制御基板とを含む、制御電源装置が搭載されている。制御電源装置は、万一の発火の対策として、鉄板のような不燃性の電装品箱に入れる設計が必要になる。2つの基板を収容すると、電装品箱が大きくなり、形状も複雑になりやすい。そこで、制御基板の消費電力を所定値以下にすることで電装品箱に入れるのは電源基板のみとすることも提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−120821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、所定値を超える電力が必要な場合、電源基板を複数個用意して電装品箱を大きくするか、または、制御基板も別途、不燃性の箱に入れる必要がある。いずれにしても、コスト増大に繋がる。
本開示は、低コストに、負荷電力を増大できる制御電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本開示の制御電源装置は、不燃性材料で形成された電装品箱に収容された電源基板と、前記電源基板に設けられ、供給できる電力の上限が所定値に制限されている第1電源部と、前記電源基板に設けられ、供給できる電力の上限が前記所定値に制限されている第2電源部と、前記電装品箱の外部に設けられ、前記第1電源部から電力供給を受ける第1負荷回路と、前記第1負荷回路から電気的に独立した状態で前記電装品箱の外部に設けられ、前記第2電源部から電力供給を受ける第2負荷回路と、を備えている。
【0006】
このような制御電源装置では、第1負荷回路及び第2負荷回路はいずれも、単独で負荷電力が所定値を超えることはないので、不燃性材料で覆う必要はなくなり、その分、低コストに製作できる。
【0007】
以下は、オプション的な構成としての記載である。
【0008】
(2)前記(1)の制御電源装置において、前記電装品箱を収容する第1筐体と、前記第1負荷回路及び前記第2負荷回路を収容する第2筐体と、前記第1筐体と前記第2筐体とを互いに電気的に接続するコネクタと、を備えていてもよい。
この場合、コネクタにより、筐体同士の接続が容易である。
【0009】
(3)前記(2)の制御電源装置において、前記第1筐体内にあって、かつ、前記電装品箱の外部に、前記電装品箱から出力される電圧を降圧する降圧回路が設けられていてもよい。
この場合、降圧回路は、電装品箱の外にあるので、電装品箱を、よりコンパクトにすることができる。
【0010】
(4)前記(2)又は(3)の制御電源装置において、前記コネクタにおける電路の並びに関して、前記第1電源部の電圧出力線と前記第2電源部の電圧出力線との間にGNDの電路が設けられていることが好ましい。
この場合、混触によって負荷電力が所定値を超えることを抑制することができる。
【0011】
(5)前記(2)から(4)までのいずれかの制御電源装置において、前記第2筐体の内部には、前記コネクタに接続され、前記第1電源部の出力及び前記第2電源部の出力を受ける入出力基板と、CPUを搭載し、前記入出力基板を通して前記第2電源部の出力を受けるCPU基板と、が設けられていてもよい。
この場合、第2電源部の出力電圧しか使用しないCPU基板を入出力基板の下流に置くことができるので、第1電源部の出力電路は、CPU基板を通らなくてもよい。逆にCPU基板を入出力基板より上流に配置する場合と比較すると、入出力基板へ供給する電圧の電圧降下を抑制できる。CPUは、入出力基板へ供給する電流の影響(ノイズ等)を受けにくい。
【0012】
(6)前記(2)から(5)のいずれかの制御電源装置において、前記第2筐体と同様の負荷回路を含む1又は複数の第3筐体を有し、前記コネクタは、前記第2筐体及び前記第3筐体を装着して電気的に互いに接続可能なスロットの形態を成していてもよい。
このような構成は第3筐体の増設が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】サーバから空調機までのシステム構成の一例を示す図である。
図2】エッジに用いられる制御電源装置を簡略化して基本コンセプトを示す図である。
図3図2に示す制御電源装置の、具体的な回路構成図である。
図4】第2実施形態に係る制御電源装置の回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
《第1実施形態》
以下、第1実施形態について説明する。
図1は、サーバから空調機までのシステム構成の一例を示す図である。図1において、サーバ200とエッジ300とは互いにネットワーク接続されている。エッジ300は、複数(この例では3台)の空調機400とローカルにネットワーク接続されている。エッジ300はサーバ200から受信した空調機の操作指示を、接続されている空調機400に送信する。エッジ300は、空調機400の運転に関する情報をサーバ200に定期的に送信する。
【0015】
図2は、エッジ300に用いられる制御電源装置100を簡略化して基本コンセプトを示す図である。図において、電装品箱1は、不燃性材料として例えば、鉄板の板金加工により形成されている。電装品箱1内には、電源基板2が収容されている。1枚の電源基板2には、第1電源部PS1と、第2電源部PS2とが搭載されている。
【0016】
第1電源部PS1及び第2電源部PS2には、電装品箱1の外部の交流電源50から交流電圧が供給される。第1負荷回路L1は第1電源部PS1と接続され、電力の供給を受ける。第2負荷回路L2は第2電源部PS2と接続され、電力の供給を受ける。第1負荷回路L1と、第2負荷回路L2とは、電気的に互いに独立した負荷回路である。「電気的に互いに独立した」とは、負荷間の電流経路がないことを意味する。
【0017】
なお、以下の記載における電力、電圧の数値は一例に過ぎず、記載した数値に限定されるものではない。
【0018】
第1電源部PS1及び第2電源部PS2はそれぞれ、後述の電流制限回路を有しており、出力は所定値(15W)以下に制限される。従って、第1負荷回路L1及び第2負荷回路L2は、共に、負荷電力が所定値以下である。但し、第1負荷回路L1及び第2負荷回路L2の合計では、所定値を超えることができる。この場合でも、第1負荷回路L1及び第2負荷回路L2の個々には所定値を超えないので、不燃性材料で形成された箱に入れる必要はない。従って、この制御電源装置100は、電装品箱1の拡大や増設を要することなく、低コストに、負荷電力を増大できることになる。
【0019】
図3は、図2に示す制御電源装置100の、具体的な回路構成図である。図3において、電源基板2には、交流電源50の電圧を変圧(降圧)する変圧器21、変圧器21の2次側電圧を整流する整流回路22、及び、整流回路22に接続された一対の電流制限回路23,24が設けられている。整流回路22の出力は、プラス側が電流制限回路23,24に与えられ、マイナス側はGND(グランド)に接続されている。
【0020】
変圧器21、整流回路22及び電流制限回路23は、図2における第1電源回路PS1に相当する。変圧器21、整流回路22及び電流制限回路24は、図2における第2電源回路PS2に相当する。
【0021】
電流制限回路23,24は、共に、16Vの直流電圧を出力する。電流制限回路23,24の各々は、出力電流を内部で検出して電流制限を行うことにより、出力電力の上限を所定値(15W)に制限する。電装品箱1の外部には、例えばレギュレータを用いた降圧回路3が設けられている。降圧回路3は、電流制限回路24から入力されるDC16Vを、DC5Vに降圧して出力する。電流制限回路23の出力(DC16V)はそのまま出力される。
【0022】
電装品箱1及び降圧回路3は、第1筐体C1に収容されている。第1筐体C1は、第2筐体C2と、例えばコネクタ4を介して電気的に互いに接続される。コネクタ4は例えば4端子を有しており、16V端子、GND端子、5V端子、GND端子の順に並んでいる。2つのGND用端子は、第1筐体C1側で、GND(グランド)に接続されている。16Vと5Vとの異種電圧の間にGND端子が介在することで、異種電圧同士で偶発的な混触が起きる可能性を低減することができる。
【0023】
第2筐体C2内には、I/O基板5と、CPU基板6とが設けられている。コネクタ4は、I/O基板5に取り付けられている。I/O基板5とCPU基板6とは、コネクタ7を介して電気的に互いに接続されている。I/O基板5は、例えば、デジタル信号の入出力部5aと、制御対象機器(例えば室内機)との通信部5bとを搭載している。CPU基板6は、CPUを搭載している。
【0024】
I/O基板5は、16Vを使用する。CPU基板は5Vを使用する。コネクタ4を介して受けた5Vの電路はI/O基板5を通ってCPU基板6に繋がっている。従って、電源供給の流れから見て、I/O基板5の下流にCPU基板6があることになる。これは、逆にCPU基板6をI/O基板5より上流に配置する場合と比較すると、より低い電圧のCPU基板6に、16V電路を通さずに済むので、I/O基板5へ供給する16Vの電圧の電圧降下を抑制できる。また、CPU基板6のCPUは、I/O基板5へ供給する電流の影響(ノイズ等)を受けにくい。第2筐体C2内では合計15W以上使用しても、不燃材料の箱に収める必要はない。16V,5Vの回路が個々には15Wを超えないからである。
【0025】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態に係る制御電源装置100の回路構成図である。図4において、電源基板2には、交流電源50の電圧を変圧(降圧)する変圧器21、変圧器21の2次側電圧を整流する整流回路22、及び、整流回路22に接続された3個の電流制限回路23,24,25が設けられている。整流回路22の出力は、プラス側が電流制限回路23,24に与えられ、マイナス側はGND(グランド)に接続されている。
【0026】
変圧器21、整流回路22、及び、電流制限回路23,24,25のいずれか1つは、図2における第1電源回路PS1に相当する。変圧器21、整流回路22、及び、電流制限回路23,24,25のいずれか他の1つは、図2における第2電源回路PS2に相当する。
【0027】
電流制限回路23,24,25は、共に、16Vの直流電圧を出力する。電流制限回路23,24,25の各々は、出力電流を内部で検出して電流制限を行うことにより、出力電力の上限を所定値(15W)に制限する。電装品箱1の外部には、例えばレギュレータを用いた降圧回路3が設けられている。降圧回路3は、電流制限回路24から入力されるDC16Vを、DC5Vに降圧して出力する。電流制限回路23,24の出力(DC16V)はそのまま出力される。
【0028】
電装品箱1及び降圧回路3は、第1筐体C1に収容されている。第2筐体C2は、例えば図3に示したものと同じであり、I/O基板5と、CPU基板6とを有している。また、第3筐体C3は例えば2個あり、少なくとも第2筐体と同様の、I/O基板8と、CPU基板9とを有している。なお、第3筐体C3は、I/O基板8やCPU基板9以外の、第2筐体C2とは異なる回路を搭載する場合もある。第1筐体C1、第2筐体C2、2個の第3筐体C3はそれぞれ、スロット10に装着することにより、電気的に、図示のように接続されている。物理的(機械的)には、スロット10上に、第1筐体C1、第2筐体C2、第3筐体C3を並べて取り付けることができる。本実施形態では、筐体を7つまで接続して使用することができる。8つ目以降の筐体も物理的には装着可能であるが、それには電力供給しない構成となっている。
【0029】
3つの電流制限回路23,24,25から見た負荷群は、互いに独立した3系統の負荷(16V負荷,他の16V負荷,5V負荷)となっている。各系統は、個々には電力の所定値(15W)を超えない。ただ、全体としては所定値を超えることができる。各系統が最大電力まで使用すれば全体としては45Wとなる。しかしながら、第2筐体C2、第3筐体C3のI/O基板5,8及びCPU基板6,9は不燃材料の箱に収める必要はない。各系統が個々には15Wを超えないからである。
【0030】
《開示のまとめ》
以上の開示は、以下のように一般化して表現することができる。
【0031】
本開示の制御電源装置100は、不燃性材料で形成された電装品箱1に収容された電源基板2と、電源基板2に設けられ、供給できる電力の上限が所定値に制限されている第1電源部PS1と、電源基板2に設けられ、供給できる電力の上限が前記所定値に制限されている第2電源部PS2と、電装品箱1の外部に設けられ、第1電源部PS1から電力供給を受ける第1負荷回路L1と、第1負荷回路L1から電気的に独立した状態で電装品箱1の外部に設けられ、第2電源部PS2から電力供給を受ける第2負荷回路L2と、を備えている。
【0032】
このような制御電源装置100では、第1電源部PS1及び第2電源部PS2は、不燃性を確保した電装品箱1に収容されている。かかる第1電源部PS1及び第2電源部PS2がそれぞれ、電気的に互いに独立した第1負荷回路L1及び第2負荷回路L2に電力を供給することにより、各々の電源部(PS1,PS2)の電力の上限は所定値に制限しつつ、負荷全体としては、所定値を超える電力を提供することができる。第1負荷回路L1及び第2負荷回路L2はいずれも、単独で負荷電力が所定値を超えることはないので、不燃性材料で覆う必要はなくなり、その分、低コストに製作できる。
【0033】
制御電源装置100は、電装品箱1を収容する第1筐体C1と、第1負荷回路L1及び第2負荷回路L2を収容する第2筐体C2と、第1筐体C1と第2筐体C2とを互いに電気的に接続するコネクタ4と、を備えている。
この場合、コネクタ4により、筐体同士の接続が容易である。
【0034】
第1筐体C1内にあって、かつ、電装品箱1の外部には、例えば、電装品箱1から出力される電圧を降圧する降圧回路3が設けられている。
この場合、降圧回路3は、電装品箱1の外にあるので、電装品箱1を、よりコンパクトにすることができる。
【0035】
コネクタ4における電路の並びに関して、第1電源部PS1の電圧出力線(例えば16V)と第2電源部PS2の電圧出力線(例えば5V)との間にGNDの電路が設けられていることが好ましい。
この場合、電圧線同士の偶発的な混触事故の発生を抑制することができる。その結果、混触によって負荷電力が所定値を超えることを抑制することができる。
【0036】
第2筐体C2の内部には、コネクタ4に接続され、第1電源部PS1の出力及び第2電源部PS2の出力を受ける入出力基板5(I/O基板5)と、CPUを搭載し、入出力基板5を通して第2電源部PS2の出力を受けるCPU基板6と、が設けられている。
この場合、例えば第2電源部PS2の出力電圧しか使用しないCPU基板6を入出力基板5の下流に置くことができるので、第1電源部PS1の出力電路は、CPU基板6を通らなくてもよい。逆にCPU基板6を入出力基板5より上流に配置する場合と比較すると、第1電源部PS1の出力電路をCPU基板6に通さずに済むので、入出力基板5へ供給する電圧の電圧降下を抑制できる。また、CPU基板6のCPUは、入出力基板5へ供給する電流の影響(ノイズ等)を受けにくい。
【0037】
第2筐体C2と同様の負荷回路を含む1又は複数の第3筐体C3を有し、コネクタは、第2筐体C2及び第3筐体C3を装着して電気的に互いに接続可能なスロット10の形態を成している、という構成も可能である。
このような構成は第3筐体C3の増設が容易である。なお、全ての筐体の合計の負荷電力は第1,第2の各電源部PS1,PS2について、前述の所定値以内とする。
【0038】
なお、上述の各実施形態については、その少なくとも一部を、相互に任意に組み合わせてもよい。
第2筐体C2、第3筐体C3の数は一例に過ぎない。1つの電流制限回路に接続される1系統の負荷電力が所定値(15W)を超えない範囲で、複数個を接続することができる。
【0039】
以上、実施形態について説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0040】
1:電装品箱、2:電源基板、3:降圧回路、4:コネクタ、5:I/O基板(入出力基板)、5a:入出力部、5b:通信部、6:CPU基板、7:コネクタ、8:I/O基板(入出力基板)、9:CPU基板、10:スロット、21:変圧器、22:整流回路、23,24,25:電流制限回路、50:交流電源、100:制御電源装置、200:サーバ、300:エッジ、400:空調機、C1:第1筐体、C2:第2筐体、C3:第3筐体、L1:第1負荷回路、L2:第2負荷回路、PS1:第1電源部、PS2:第2電源部
【要約】
【課題】低コストに、負荷電力を増大できる制御電源装置を提供する。
【解決手段】この制御電源装置100は、不燃性材料で形成された電装品箱1に収容された電源基板2と、電源基板2に設けられ、供給できる電力の上限が所定値に制限されている第1電源部PS1と、電源基板2に設けられ、供給できる電力の上限が前記所定値に制限されている第2電源部PS2と、電装品箱1の外部に設けられ、第1電源部PS1から電力供給を受ける第1負荷回路L1と、第1負荷回路L1から電気的に独立した状態で電装品箱1の外部に設けられ、第2電源部PS2から電力供給を受ける第2負荷回路L2と、を備えている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4