(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0025】
図1は、第1実施形態に係る搬送ロボットシステムA1の概略を示している。
図1(a)は、搬送ロボットシステムA1の斜視図である。
図1(b)は、搬送ロボットシステムA1の正面図である。
図1においては、後述する搬送チャンバ9を透過させて、内部の搬送ロボットB1などを破線で示している(
図6〜
図9についても同様)。また、
図1(b)においては、コントローラ8などの記載を省略している(
図7(b)、
図8(b)についても同様)。
【0026】
搬送ロボットシステムA1は、例えばプロセス装置などに用いられ、カセットとプロセスチャンバとの間でワークを搬送するものである。
図1に示すように、搬送ロボットシステムA1は、搬送ロボットB1、コントローラ8、搬送チャンバ9、および、中継装置92を備えている。搬送チャンバ9の周囲には、カセットが配置されたロードロックチャンバ(図示なし)およびプロセスチャンバ(図示なし)が配置されており、それぞれの開口部が搬送チャンバ9の開口部(図示なし)に接続されている。搬送チャンバ9、ロードロックチャンバおよびプロセスチャンバは、内部が真空状態に保たれている。なお、真空とは、絶対真空を意味するのではなく、圧力が大気圧より低い状態を意味している。搬送ロボットB1は、搬送チャンバ9内の真空環境で、カセットまたはプロセスチャンバからワークを取り出したり、当該ワークをカセットまたはプロセスチャンバに収納したりする作業を行うロボットである。
【0027】
図2は、第1実施形態に係る搬送ロボットB1の概略を示している。
図2(a)は、搬送ロボットB1の平面図である。
図2(b)は、搬送ロボットB1の側面図であり、
図1(a)において右側の側面を見た図を示している。
図2(c)は、
図2(a)のII−II線断面図である。
図2(c)においては、一部の構成(後述する第2アーム4a,4bおよびハンド5a,5b)の記載を省略しており、旋回部2および第1アーム3a,3bの内部構造の記載も省略している。
【0028】
図2に示すように、搬送ロボットB1は、支持部1、旋回部2、第1アーム3a,3b、第2アーム4a,4b、および、ハンド5a,5bを備えている。
図2において、ハンド5a,5bが移動する方向であるx方向、水平面内でx方向と直交する方向であるy方向、および、鉛直方向であるz方向とするローカル座標系に基づいて説明を行う(以下の図においても同様)。当該ローカル座標系は、旋回部2を基準に設定されており、旋回部2の旋回に応じてx方向およびy方向が回転し、旋回部2の昇降に応じてz方向に平行移動する。
【0029】
支持部1は、搬送チャンバ9に固定されており、旋回部2を昇降移動可能に、かつ、旋回可能に支持している。なお、支持部1は、床面に直接固定されていてもよい。本実施形態においては、支持部1は、有底円筒形状の金属製であり、上端部にはフランジ部11が設けられている。なお、支持部1の形状、寸法、材質は限定されない。
【0030】
旋回部2は、中空の円柱形状のアルミニウム製であり、支持部1の内部に配置されている。なお、旋回部2の形状、寸法、材質は限定されない。旋回部2は、支持部1の開口部1aから突出するようにして、昇降移動可能に設けられている。本実施形態においては、旋回部2は、50mm程度の昇降移動が可能になっている。なお、もっと昇降移動が可能であってもよい。
図2においては、旋回部2が上昇して開口部1aから突出している状態を示している。また、旋回部2は、支持部1に対して、z方向に延びる旋回軸Z1周りに旋回可能に設けられている。旋回部2は、エンドレス機構を備えているので、制限なく旋回を行うことができる。旋回部2を昇降移動させるための駆動機構および旋回部2を旋回させるための駆動機構(エンドレス機構)については、図示および説明を省略する。旋回部2は、旋回することでハンド5aおよびハンド5bの向きを変更して、ハンド5a,5bの移動する方向を変更する。また、旋回部2は、昇降移動することで、ハンド5a,5bの鉛直方向の位置を変更する。
【0031】
第1アーム3aは、旋回部2に対して、z方向に延びる回動軸Z2a周りに回動可能に設けられている。第1アーム3bは、旋回部2に対して、z方向に延びる回動軸Z2b周りに回動可能に設けられている。第1アーム3aの回動軸Z2aおよび第1アーム3bの回動軸Z2bは、x方向においては旋回軸Z1と同じ位置であり、y方向においては旋回軸Z1から等距離に配置されている(
図2(b)参照)。つまり、回動軸Z2a、旋回軸Z1および回動軸Z2bは、この順番でy方向に一列に等間隔で配置されている。なお、回動軸Z2aおよび回動軸Z2bの配置は、これに限定されない。第1アーム3aおよび第1アーム3bは、同じ高さ(z方向において同じ位置)に配置されているが、両者の回動範囲は制限されているので、両者が接触することはない。第1アーム3aおよび第1アーム3bを回動させるための駆動機構については、図示および説明を省略する。
【0032】
第2アーム4aは、第1アーム3aに対して、z方向に延びる回動軸Z3a周りに回動可能に設けられている。第2アーム4bは、第1アーム3bに対して、z方向に延びる回動軸Z3b周りに回動可能に設けられている。回動軸Z3aは、第1アーム3aの先端側に配置されており、回動軸Z3bは、第1アーム3bの先端側に配置されている。第2アーム4aおよび第2アーム4bは、同じ高さ(z方向において同じ位置)に配置されているが、両者の回動範囲は制限されているので、両者が接触することはない。第2アーム4aおよび第2アーム4bを回動させるための駆動機構については、図示および説明を省略する。
【0033】
ハンド5a,5bは、ワークが載置されるものである。ハンド5aは、ハンドホルダ5cに固定されて、第2アーム4aに対して、z方向に延びる回動軸Z4a周りに回動可能に設けられている。ハンド5bは、ハンドホルダ5dに固定されて、第2アーム4bに対して、z方向に延びる回動軸Z4b周りに回動可能に設けられている。回動軸Z4aは、第2アーム4aの先端側に配置されており、回動軸Z4bは、第2アーム4bの先端側に配置されている。ハンドホルダ5dは、側面視(x方向から見た場合)において、断面が略コの字形状となっており(
図2(b)参照)、ハンド5bは、ハンドホルダ5dの上側の内側の面に固定されている。また、ハンド5aは、ハンドホルダ5cの上面に固定されている。ハンド5bは、z方向における位置がハンド5aより高い位置になっている(
図2(b)参照)ので、ハンド5aとハンド5bとが接触することはない。また、ハンド5aとハンド5bとは、平面視(z方向から見た場合)において、同じ軌道上を移動することができる。ハンド5aおよびハンド5bを回動させるための駆動機構については、図示および説明を省略する。
【0034】
第1アーム3a、第2アーム4aおよびハンド5aがそれぞれ連動して回動することで、ハンド5aは、x方向に移動する。また、第1アーム3b、第2アーム4bおよびハンド5bがそれぞれ連動して回動することで、ハンド5bは、x方向に移動する。ハンド5aおよびハンド5bのx方向の移動は、それぞれ互いに独立して制御される。また、上述したように、互いに接触することがないように構成されている。なお、第1アーム3a,3b、第2アーム4a,4bおよびハンド5a,5bのz方向の配置は、上述したものに限定されない。第1アーム3a,3b、第2アーム4a,4b、ハンドホルダ5c,5dおよびハンド5a,5bは、ある程度の強度が必要であり、軽量であることが望ましいので、本実施形態においては、いずれもアルミニウム製としている。なお、これらの形状、寸法、材質は限定されない。本実施形態においては、第1アーム3a、第2アーム4a、ハンドホルダ5cおよびハンド5aを合わせたもの、または、第1アーム3b、第2アーム4b、ハンドホルダ5dおよびハンド5bを合わせたものが、本発明の「移動部」に相当する。
【0035】
搬送ロボットB1は、旋回部2を旋回させることでハンド5a,5bの移動する方向(x方向)を変更し、旋回部2を昇降移動させることでハンド5a,5bの鉛直方向(z方向)の位置を変更し、第1アーム3a,3b、第2アーム4a,4bおよびハンド5a,5bを回動させることで、ハンド5a,5bをx方向に移動させる。搬送ロボットB1は、これらの各動作によって、カセット内のワークを取り出したり、ワークをカセットに収納したりする。
【0036】
ハンド5a(5b)は、動作をしていないときは、旋回部2の上方の所定の位置である基本位置に位置している。このとき、第1アーム3a(3b)および第2アーム4a(4b)もそれぞれ対応した基本位置に位置することになる。
図2(a)においては、ハンド5a、第1アーム3aおよび第2アーム4aがそれぞれ基本位置に位置している状態(基本状態)を示している。旋回部2が旋回するときには、ハンド5a,5b(第1アーム3a,3bおよび第2アーム4a,4bも)がいずれも基本位置に位置するように制御される。
【0037】
次に、搬送ロボットB1における電力の供給について説明する。
【0038】
搬送ロボットB1は、旋回部2が同じ方向に旋回を繰り返した場合に断線が発生しないように、支持部1から第1アーム3a,3bに、非接触で電力を供給する。また、旋回部2が旋回してどの位置にあるときでも電力供給ができるようになっている。
【0039】
図3は、搬送ロボットB1における電力の供給を説明するための図である。
図3(a)は、搬送ロボットB1の概略平面図であり、第1アーム3b、第2アーム4a,4bおよびハンド5a,5bを省略したものである。
【0040】
支持部1のフランジ部11の上面(第1アーム3aに対向する面)には、全周にわたってドーナツ状の絶縁シート12が配置されている。そして、絶縁シート12の上面には、2本の平行な導体線131,132を備えた平行二線13が、フランジ部11の上面の周方向に沿って、全周にわたって延びるようにして、配置されている(
図3(a)および
図2(c)参照)。絶縁シート12は、平行二線13を支持部1から絶縁するものである。支持部1が絶縁体であれば、絶縁シート12を配置しなくてもよい。また、支持部1が絶縁体であれば、平行二線13をフランジ部11の内部に配置するようにしてもよい。2本の平行な導体線131,132は、旋回軸Z1を中心とした同心円状に配置されている。また、2本の平行な導体線131,132によって規定される面は、フランジ部11の上面に平行になっている。また、本実施形態においては、導体線131,132の終端は短絡されている。なお、導体線131,132の終端は開放されていてもよいし、特定のインピーダンスを接続した状態であってもよい。平行二線13には、高周波電源装置61から高周波電力が供給される。高周波電流が流れることで、導体線131と導体線132との間に、z方向の高周波磁界が発生する。つまり、平行二線13は、高周波電源装置61が出力する電力を送電する送電アンテナ(送電コイル)として機能する。本実施形態においては、平行二線13が、本発明の「送電部」に相当する。
【0041】
高周波電源装置61は、支持部1の内部に配置されており、平行二線13に高周波電力を供給する。高周波電源装置61は、図示しない直流電源装置とインバータ装置とを備えている。直流電源装置は、直流電力を生成して出力するものであり、例えば、商用電源から入力される交流電圧(例えば、商用電圧200[V]など)を整流、平滑して、所定のレベル(目標電圧)の直流電圧に変換して、インバータ回路に出力する。インバータ回路は、直流電力を高周波電力に変換するものであり、直流電源装置より入力される直流電力を高周波電力に変換して出力する。インバータ回路は、例えば、単相フルブリッジ型のインバータ回路である。インバータ回路は、所定の周波数f
0(例えば13.56[MHz]など)の高周波電力を出力する。なお、高周波電源装置61の構成は限定されず、高周波電力を出力するものであればよい。
【0042】
高周波電源装置61と平行二線13とは接続線で接続されており、一方の接続線には共振コンデンサ62が直列接続されている。共振コンデンサ62は、平行二線13とで直列共振回路を構成するためのものである。平行二線13および共振コンデンサ62は、共振周波数が高周波電源装置61より供給される高周波電力の周波数f
0と一致するように設計される。すなわち、平行二線13の自己インダクタンスL
tと、共振コンデンサ62のキャパシタンスC
tとが、下記(1)式の関係になるように設計される。
【数1】
【0043】
第1アーム3aの下面(支持部1に対向する面)には、絶縁シート31が配置されていいる。そして、絶縁シート31の下面には、受電コイル32が、コイル面が第1アーム3aの下面と平行になるように配置されている。(
図3(a)および
図2(c)参照)。
図3(a)において、絶縁シート31および受電コイル32は、第1アーム3aの下面にあるので、破線で示している。絶縁シート31は、受電コイル32を第1アーム3aから絶縁するものである。第1アーム3aが絶縁体であれば、絶縁シート31を配置しなくてもよい。また、第1アーム3aが絶縁体であれば、受電コイル32を第1アーム3aの内部に配置するようにしてもよい。
【0044】
受電コイル32は、平行二線13と磁気結合して、非接触で受電するものである。すなわち、高周波電源装置61から入力される高周波電流によって平行二線13が生成した高周波磁界の範囲内に受電コイル32が配置されることで、受電コイル32に鎖交する磁束が変化し、受電コイル32に高周波電流が流れる。これにより、平行二線13から受電コイル32に非接触で電力を供給することができる。本実施形態においては、受電コイル32は、略矩形状の巻き数が1のコイルである。なお、受電コイル32の形状および巻き数は限定されない。受電コイル32は,例えば、矩形の渦巻き状のコイル(コイル面と同じ面上で巻き線が巻かれているコイル)としてもよい。この場合、受電コイル32の厚さ(z方向の寸法)を大きくすることなく、受電コイル32のインダクタンスを大きくすることができる。また、矩形の筒形状のコイル(コイル面に直交する方向に積み上げるように巻き線が巻かれているコイル)としてもよいし、円形の渦巻き状のコイルとしてもよいし、円筒形状のコイル(いわゆるソレノイドコイル)としてもよい。ただし、筒形状とする場合は、受電コイル32の厚さ(z方向の寸法)が大きくなるので、旋回部2が最も下の位置に移動したときでも、平行二線13に接触しないように設計する必要がある。
【0045】
また、受電コイル32のコイル面の形状は、第1アーム3aが基本位置に位置するときに、受電コイル32が最も受電できるように、設計されている。すなわち、第1アーム3aが基本位置に位置するときに、受電コイル32のコイル面の長辺が、平面視において、それぞれ導体線131,132に重なるようになっている(
図3(a)参照)。この場合、平面視において、受電コイル32のコイル面と平行二線13との重なりが大きいので、受電コイル32の受電量が大きい。導体線131,132は旋回軸Z1を中心とした同心円状であり、旋回部2は旋回軸Z1を中心として旋回する(
図3(a)に示す実線矢印参照)。したがって、第1アーム3aが基本位置に位置する場合は、旋回部2が旋回によってどの方向を向いていても、受電コイル32のコイル面が、平面視において、平行二線13に重なることになる。つまり、第1アーム3aが基本位置に位置する場合は、常に、受電コイル32の受電量を大きくすることができる。逆に考えると、第1アーム3aが基本位置に位置する状態で、旋回部2が旋回したときの、受電コイル32のコイル面の軌道に対向する位置に、平行二線13が配置されているともいえる。
【0046】
一方、第1アーム3aは、旋回軸Z1とは異なる回動軸Z2aを中心として回動する(
図3(a)に示す破線矢印参照)。したがって、第1アーム3aが基本位置に位置しないとき(基本位置から回動した位置にあるとき)は、受電コイル32のコイル面が、平面視において、平行二線13からずれることになる(
図3(a)の破線で記載した第1アーム3aの受電コイル32参照)。この場合、受電コイル32のコイル面のずれ具合によって(平面視における平行二線13との重なり部分の面積に応じて)、受電コイル32の受電量が小さくなる。したがって、ハンド5aが移動している間は、基本位置に位置する場合と比べて、受電コイル32の受電量が小さくなる。
【0047】
受電コイル32には共振コンデンサ71が直列接続されている。共振コンデンサ71は、受電コイル32とで直列共振回路を構成するためのものである。受電コイル32および共振コンデンサ71は、共振周波数が高周波電源装置61より供給される高周波電力の周波数f
0と一致するように設計される。すなわち、受電コイル32の自己インダクタンスL
rと、共振コンデンサ71のキャパシタンスC
rとが、下記(2)式の関係になるように設計される。
【数2】
【0048】
受電コイル32が受電した電力は、直流電源回路72によって直流電力に変換され、電力負荷73に供給される。直流電源回路72は、図示しない整流回路、平滑回路、および、DC/DCコンバータ回路を備えている。整流回路は、例えば、4つのダイオードをブリッジ接続した全波整流回路であり、入力される高周波電圧を整流し、直流電圧として、平滑回路に出力する。平滑回路は、整流回路から入力される直流電圧を平滑して、DC/DCコンバータ回路に出力する。DC/DCコンバータ回路は、整流回路から入力される直流電圧を所定の電圧に変換して、電力負荷73に出力する。なお、直流電源回路72の構成は限定されず、高周波電力を直流電力に変換するものであればよい。
【0049】
共振コンデンサ71および直流電源回路72は、ハンド5aに配置された基板に搭載されている。受電コイル32と直流電源回路72とは例えばケーブルで接続されている。当該ケーブルは第1アーム3aとハンド5aとの間に配置されているが、第2アーム4aおよびハンド5aの回動の範囲は限定されているので、無制限に同じ方向に回転してケーブルがねじ切れることはない。なお、共振コンデンサ71および直流電源回路72は、第1アーム3aまたは第2アーム4aに配置するようにしてもよい。
【0050】
電力負荷73は、直流電源回路72から入力される直流電力によって駆動するものである。本実施形態における電力負荷73は、ハンド5aに設けられている。
【0051】
図4は、ハンド5aに設けられている電力負荷73を説明するための図であり、同図(a)はハンド5aの概略を示す平面図であり、同図(b)はハンド5aに配置された基板上の回路の機能構成図を示している。
【0052】
図4(a)に示すように、ハンド5aの基端部分には、基板51が配置されている。
図4(b)に示すように、基板51には、先述した共振コンデンサ71および直流電源回路72と、電力負荷73とが搭載されている。なお、基板51は、ハンド5aが固定されるハンドホルダ5cに配置するようにしてもよいし、第1アーム3aまたは第2アーム4aに配置するようにしてもよい。電力負荷73は、直流電源回路72から電力を供給される。電力負荷73には、検出部52および通信部54が含まれている。
【0053】
検出部52は、ワークWの有無を検出するものであり、センサ52aを備えている。センサ52aは、
図4(a)に示すように、ハンド5aの上面に2つ設けられている。センサ52aは、例えば反射型のフォトセンサであり、発光素子と受光素子とを備え、発光素子が発する光がワークWで反射して、反射光が受光素子に受光された場合に通電することを利用して、ハンド5aの上面に載置されるワークWの有無を検出する。検出部52は検出信号を通信部54に出力する。なお、センサ52aの数は限定されないし、配置場所も限定されない。また、検出部52は、センサ52aとしてリミットスイッチなどを利用した、他の方法でワークWの有無を検出するものであってもよい。ただし、リミットスイッチなどの動く部品を用いると、パーティクルが発生する可能性があるので、動きの無いフォトセンサなどを用いるのが望ましい。
【0054】
通信部54は、後述するコントローラ8の通信部81との間で無線通信を行うものであり、例えばZigBee(登録商標)などの無線通信規格に対応する通信モジュールを備えている。なお、無線通信規格は限定されず、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などであってもよい。通信部54は、検出部52より入力された検出信号を、無線通信により送信する。通信部54は、送信専用であってもよいし、双方向通信用であってもよい。本実施形態においては、通信部54が、本発明の「第1通信部」に相当する。
【0055】
基板51は、真空環境に配置されるので、基板51に搭載される各回路は真空環境でも故障しないものとする必要がある。また、基板51は、ワークWに悪影響を与えるガスが発生しないもの、または、ガスが発生したとしても微量であり、実質的にワークWに影響を与えないものが好ましい。なお、基板51を、密閉容器で覆うようにしてもよい。密閉容器は、例えば、電波を通す素材(例えば合成樹脂)で形成してもよいし、金属製として、電波を通すために一部をガラスや合成樹脂製としてもよい。この場合、搬送チャンバ9内が真空状態になっても、密閉容器内の気圧は一定に保たれるので、基板51に搭載された各回路が真空環境にさらされることはない。なお、密閉容器としてガラスや合成樹脂を使用する場合は、真空環境においてワークWに悪影響を与えるガスが発生しない、または、ガスが発生したとしても微量であり、実質的にワークWに影響を与えないものが選定される。このようにすると、基板51が真空環境においてワークWに悪影響を与えるガスを発生させる素材であったとしても、基板51を密閉容器で覆うことにより、ワークWに悪影響を与えないようにすることができる。
【0056】
第1アーム3bおよびハンド5bの構成は、それぞれ、第1アーム3aおよびハンド5aと同様である。
【0057】
図3(b)は、搬送ロボットB1における電力供給に関する部分を示す回路図である。
図3(b)に示すように、平行二線13と共振コンデンサ62とは直列共振回路を構成して、高周波電源装置61から供給される高周波電力を送電する。また、平行二線13に磁気結合した受電コイル32と共振コンデンサ71とは直列共振回路を構成して、平行二線13から送電される高周波電力を受電する。つまり、搬送ロボットB1においては、磁界共鳴方式で、非接触電力伝送が行われている。
【0058】
図1に戻って、コントローラ8は、搬送ロボットB1の動作を制御するものである。コントローラ8は、モータ動力線82を介して、搬送ロボットB1の各モータに駆動信号を送信することで、搬送ロボットB1を動作させる。また、モータエンコーダ線83を介して、エンコーダが検出した各モータの回転角度を受信して、フィードバック制御を行っている。コントローラ8は、搬送ロボットB1の動作手順を記憶しており、当該動作手順に従って、搬送ロボットB1を動作させる。
【0059】
また、コントローラ8は、後述する中継装置92を介して、搬送ロボットB1の通信部54と無線通信を行うための通信部81を備えている。通信部81は、例えばZigBeeなどの無線通信規格に対応する通信モジュールを備えている。なお、無線通信規格は限定されない。通信部81は、搬送ロボットB1の通信部54が送信した検出信号を受信する。通信部81は、受信専用であってもよいし、双方向通信用であってもよい。コントローラ8は、通信部81が受信した検出信号(ワークWの有無を検出した信号)を、搬送ロボットB1の動作の制御に利用する。本実施形態においては、通信部81が、本発明の「第2通信部」に相当する。
【0060】
搬送チャンバ9は、ワークWがプロセスチャンバとロードロックチャンバとの間で搬送されるための真空環境の空間を提供する。搬送チャンバ9は、例えば直方体形状で内部が空洞になっており、図示しない固定部で床面に固定されている。搬送チャンバ9の下面の中央には円形状の開口が設けられており、搬送ロボットB1は、支持部1を当該開口を通過させて、フランジ部11の下面を搬送チャンバ9の開口の周辺部に当接させて固定され、搬送チャンバ9の内部の空間に配置されている。つまり、搬送チャンバ9は、搬送ロボットB1の第1アーム3a,3b、第2アーム4a,4b、および、ハンド5a,5bを覆っている。なお、搬送ロボットB1の支持部1を床面に固定して、搬送チャンバ9を支持部1のフランジ部11に固定するようにしてもよい。搬送チャンバ9は、少なくとも、搬送ロボットB1の第1アーム3a,3b、第2アーム4a,4b、および、ハンド5a,5bを覆っていればよい。また、搬送チャンバ9は、例えばアルミニウムなどの金属製であり、内部を真空状態に保つことができる。これにより、搬送チャンバ9は、搬送ロボットB1がワークWを搬送するための空間を真空環境に保つことができる。搬送チャンバ9は、内壁に搬送ロボットB1が接触しない程度に、可能な限り小さく設計される。また、本実施形態では、搬送チャンバ9が直方体形状の場合を図示しているが、搬送チャンバ9の形状は限定されない。搬送チャンバ9の形状は、周囲に配置されるプロセスチャンバおよびロードロックチャンバの数や形状によって、適宜設計される。
【0061】
また、搬送チャンバ9は、窓91を備えている。窓91は、搬送チャンバ9内の搬送ロボットB1の動作やワークWの状態を監視するためののぞき窓である。窓91は、例えばガラス製であり、搬送チャンバ9を構成する面の一部に、隙間ができないように取り付けられている。窓91によって、搬送チャンバ9の内部を真空状態に保ちつつ、内部の状態を監視できるようになっている。本実施形態では、窓91が搬送チャンバ9の上面に設けられており、搬送チャンバ9の上方から内部を監視できるようになっている。搬送ロボットB1の通信部54が出力する通信用の電波は、金属を通過できないが、ガラスである窓91を通過することができる。これにより、通信部54は、搬送チャンバ9の外部と通信を行うことができる。本実施形態においては、窓91が、本発明の「通過部」に相当する。
【0062】
なお、窓91は、ガラス製に限定されず、例えばアクリル樹脂などの透明な合成樹脂などで形成されていてもよい。ただし、空気を通過させず、かつ、通信用の電波を通過させる素材である必要がある。また、搬送チャンバ9の内部を監視する必要がない場合は、窓91が透明でなくてもよい。例えば、内部を監視するためのガラス窓があったとしても、当該ガラス窓の近辺に中継装置92を取り付けられない場合や、搬送ロボットB1の通信部54とコントローラ8の通信部81との通信状態が悪い場合に、通信専用の合成樹脂製の窓91を別に設けることで、適切に通信を行うようにすることができる。なお、窓91としてガラスや合成樹脂を使用する場合は、真空環境においてワークWに悪影響を与えるガスが発生しない、または、ガスが発生したとしても微量であり、実質的にワークWに影響を与えないものが選定される。
【0063】
中継装置92は、搬送ロボットB1の通信部54とコントローラ8の通信部81との中継を行うものである。中継装置92は、例えばZigBeeなどの無線通信規格に対応する通信モジュールを備えている。なお、無線通信規格は限定されない。中継装置92は、搬送チャンバ9の外側で、かつ、窓91の近傍に配置される。中継装置92は、搬送ロボットB1の通信部54が送信した検出信号を受信して、増幅してから、コントローラ8の通信部81に送信する。なお、受信した信号を増幅することなく、そのまま送信するようにしてもよい。中継装置92は、通信部54および通信部81と窓91との位置関係や、通信部54および通信部81の出力の大きさから、通信部54と通信部81とが直接、無線通信を行えない場合があるので、両者の中継を行うために設けられている。したがって、後述する第3実施形態のように、通信部54と通信部81とが直接、無線通信を行える場合は、中継装置92を備えなくてもよい。
【0064】
次に、本実施形態に係る搬送ロボットシステムA1の作用および効果について説明する。
【0065】
本実施形態によると、搬送ロボットB1の通信部54は、検出部52が検出した検出信号を無線通信により送信する。通信部54より出力された通信用の電波は、搬送チャンバ9に設けられた窓91を通過して、搬送チャンバ9の外部に出力される。そして、当該電波は、搬送チャンバ9の外側の、窓91の近傍に配置された中継装置92によって中継されて、コントローラ8の通信部81に入力される。これにより、通信部54が無線通信により送信した検出信号は、コントローラ8の通信部81に受信される。したがって、搬送ロボットB1は、検出部52が検出した検出信号をコントローラ8に伝達することができる。また、検出部52が配置されるハンド5a(5b)から支持部1にケーブルを配線する必要がない。すなわち、信号を伝達するためのケーブルを旋回部2を通過させて配線することなく、ハンド5a(5b)とコントローラ8との間で信号を伝達することができる。したがって、搬送ロボットB1がエンドレス機構を備えていても、ケーブルがねじ切れてしまうこともない。ワークWの有無を検出するためのセンサ52a(検出部52)をハンド5a(5b)に設けることができるので、搬送チャンバ9にワークWの有無を検出するためのセンサを配置する必要がない。
【0066】
また、通信部54が送信した信号を中継装置92が中継するので、通信部54の出力が小さくても、通信部54と通信部81とが通信を行うことができる。つまり、通信部54を出力の小さいものとすることができる。また、中継装置92と通信部81とは、無線通信を行う。したがって、中継装置92と通信部81とを接続する通信ケーブルを必要としない。
【0067】
また、本実施形態によると、高周波電源装置61から出力された高周波電流が、支持部1に配置された平行二線13に流れ、導体線131と導体線132との間にz方向の高周波磁界が発生する。そして、第1アーム3a(3b)に配置された受電コイル32が当該高周波磁界の範囲内に配置されて、受電コイル32に高周波電流が流れる。すなわち、平行二線13と受電コイル32との磁界結合により、非接触での電力伝送が行われる。したがって、支持部1と第1アーム3a(3b)との間にケーブルを設けなくても、支持部1から第1アーム3a(3b)に高周波電力を供給することができる。受電コイル32が受電した高周波電力は、直流電源回路72で直流電力に変換されて、ハンド5a(5b)に設けられた検出部52および通信部54(電力負荷73)に供給される。したがって、エンドレス機構を備えている搬送ロボットB1においても、ハンド5a(5b)に電力を供給することができる。
【0068】
本実施形態によると、平行二線13から受電コイル32への非接触電力伝送に磁界共鳴方式を用いているので、旋回部2が上昇して、平行二線13と受電コイル32との距離が比較的に離れた場合でも、平行二線13から受電コイル32に電力を供給できる。また、本実施形態によると、支持部1のフランジ部11の上面の全周にわたって、平行二線13が配置されている。したがって、旋回部2の旋回によって受電コイル32の位置が変化しても、受電コイル32は受電できる。また、本実施形態によると、第1アーム3a(3b)が基本位置に位置するときに、平面視における、受電コイル32のコイル面と平行二線13との重なりが最も大きく、受電コイル32の受電量が最も大きくなる。ハンド5a(5b)が動作をしていないときや、旋回部2が旋回するときには、第1アーム3a(3b)は基本位置に位置するので、第1アーム3a(3b)が基本位置に位置している時間は長い。したがって、効率よく電力を伝送することができる。
【0069】
本実施形態によると、2つのハンド5a,5bを備えている。したがって、ハンドが1つの場合より作業効率を向上することができる。
【0070】
なお、上記第1実施形態においては、平行二線13と共振コンデンサ62とが直列共振回路を構成し、受電コイル32と共振コンデンサ71とが直列共振回路を構成する場合について説明したが、これに限られない。いずれか一方または両方が、並列共振回路を構成するようにしてもよい。また、上記第1実施形態においては、平行二線13から受電コイル32への非接触電力伝送が磁界共鳴方式を用いた場合について説明したが、これに限られない。例えば、電磁誘導方式を用いるようにしてもよい。
【0071】
上記第1実施形態においては、直流電源回路72が出力する電力を電力負荷73が直接消費する場合について説明したが、これに限られない。直流電源回路72と電力負荷73との間に、バッテリやキャパシタなどの蓄電手段を接続して、直流電源回路72が出力する直流電力を蓄電手段に蓄積するようにしてもよい。この場合、ハンド5a(5b)が基本位置から離れて、受電コイル32の受電量が小さくなっても、蓄電手段に蓄積された電力を供給できるので、電力負荷73が電力不足になることを防止できる。また、蓄電手段の充電状態に応じて、高周波電源装置61の稼動状態を制御することもできる。例えば、蓄電手段が所定の充電量未満の場合にのみ、高周波電源装置61を稼働するようにしてもよい。
【0072】
上記第1実施形態においては、支持部1が備えている平行二線13が送電を行う場合について説明したが、これに限られない。支持部1が平行二線13に代えて、送電コイルを備え、当該送電コイルが送電を行うようにしてもよい。送電コイルは、例えば、フランジ部11の上面の周方向に沿って、全周にわたって延びるコイル(矩形の渦巻き状または筒形状のコイルを、コイル面と同一の平面上で引き伸ばして円形状に形成したもの)であってもよい。また、渦巻き状または筒形状の送電コイルを、フランジ部11の上面の周方向に沿って、全周にわたって多数並べるようにしてもよい。これらの場合、送電コイルが、本発明の「送電部」に相当する。
【0073】
上記第1実施形態においては、平行二線13をフランジ部11の上面に備えている場合について説明したが、これに限られない。例えば、平行二線13をフランジ部11の側面に備えるようにしてもよい。この場合、受電コイル32は、平行二線13が生成した高周波磁束に鎖交できるように、フランジ部11の側面に対向する位置となるように配置する必要がある。
【0074】
上記第1実施形態においては、平行二線13と受電コイル32とを用いた非接触電力伝送により、支持部1の高周波電源装置61から電力負荷73に電力を供給する場合について説明したが、これに限られない。例えば、ハンド5a(5b)に電池を配置して、当該電池から電力負荷73に電力を供給するようにしてもよい。この場合でも、エンドレス機構を備えた搬送ロボットB1において、電力負荷73に電力を供給することができる。また、平行二線13や受電コイル32、直流電源回路72などの構成を省略することができる。
【0075】
上記第1実施形態においては、ハンドを2つ備えている場合について説明したが、これに限られない。例えば、ハンドは1つだけであってもよいし、3つ以上備えていてもよい。
【0076】
上記第1実施形態においては、ハンドを直線経路上で移動させる場合について説明したが、これに限られない。ハンドは直線以外の経路上で移動するようにしてもよい。また、第1アーム3a、第2アーム4aおよびハンド5a(第1アーム3b、第2アーム4bおよびハンド5b)は、連動して回動するものに限定されず、それぞれ自由に回動するようにしてもよい。
【0077】
上記第1実施形態においては、窓91が搬送チャンバ9の上面の一部に1つだけ設けられている場合について説明したが、これに限られない。窓91は、複数設けられていてもよい。また、窓91の形状および大きさは限定されない。例えば、搬送チャンバ9の上面の全体を窓91としてもよい。さらに、窓91の配置位置も限定されず、例えば、搬送チャンバ9の側面に配置されていてもよい。内部を真空状態に保つ強度があれば、搬送チャンバ9全体をガラスや合成樹脂で形成して、全体を窓91とするようにしてもよい。
【0078】
上記第1実施形態においては、検出部52が検出したワークWの有無の検出信号を、通信部54が通信部81に送信する場合について説明したが、これに限られない。通信部54が通信部81に送信する信号は、他の信号であってもよい。例えば、基板51に加速度センサを搭載し、ハンド5a(5b)の3軸方向の加速度を検出して、当該検出信号を送信するようにしてもよい。この場合、コントローラ8は、通信部81が受信した検出信号に基づいて、ハンド5a(5b)の加速度情報を入手できるので、故障予測を行うことができる。例えば、ハンド5a(5b)の移動時の加速度情報に基づいてハンド5a(5b)の振動を検出し、振動が所定以上に大きくなった場合に、故障のおそれがあるとして、警告を行うようにしてもよい。
【0079】
また、コントローラ8の通信部81が、搬送ロボットB1の通信部54に信号を送信するようにしてもよい。例えば、ハンド5a(5b)の上面にワークWを把持するための把持機構を設けて、コントローラ8からの操作信号に基づいて当該把持機構を操作するようにしてもよい。
【0080】
図5は、ハンド5aの上面に把持機構を設けた場合について説明するための図であり、同図(a)はハンド5aの概略を示す平面図であり、(b)はハンド5aに配置された基板上の回路の機能構成図を示している。
【0081】
図5(a)に示すように、把持機構は、係止部56、当接部57、および、モータ58を備えている。係止部56は、ハンド5aの上面の先端部(ハンド5aの移動方向(x方向)前方側)に、固定されており、ワークWの縁(ハンド5aの移動方向前方側の縁)を係止する。本実施形態においては、係止部56は2つ設けられている。当接部57は、ハンド5aの上面の中央付近に、x方向に移動可能に設けられている。当接部57は、モータ58によって、ワークW側に移動させられて、ワークWの縁(係止部56によって係止させられている縁とは反対側の縁)に当接する。本実施形態においては、当接部57は1つ設けられている。モータ58は当接部57を移動させるものである。当接部57は、モータ58がオフのとき、バネなどによって、ハンド5aの移動方向後方側に移動させられている(
図5(a)の破線で示す当接部57参照)。そして、当接部57は、モータ58がオンになると、ハンド5aの移動方向前方側に移動させられて、ワークWの縁に当接して、係止部56との間でワークWを把持する(
図5(a)の実線で示す当接部57参照)。なお、係止部56および当接部57の数、形状および配置場所は限定されない。
【0082】
図5(b)に示すように、モータ58は、基板51に搭載されたスイッチ59を介して、直流電源回路72に接続されている。モータ58も、直流電源回路72から電力を供給される電力負荷73である。コントローラ8は、記憶している動作手順に応じて、通信部81から操作信号を送信する。通信部54は、通信部81から送信された操作信号を受信し、当該受信信号に応じてスイッチ59の開放状態と導通状態とを切り替える。スイッチ59は、例えばトランジスタなどの半導体スイッチであり、操作信号がオンの場合に導通状態になる。これにより、モータ58は、直流電源回路72から電力を供給されて駆動し(オン状態)、当接部57と係止部56によってワークWが把持される。一方、操作信号がオフの場合、スイッチ59は開放状態になる。これにより、モータ58は、直流電源回路72から電力を供給されなくなって駆動を停止し(オフ状態)、ワークWの把持が解除される。なお、把持機構は、他の構成であってもよい。例えば、静電チャックなどであってもよい。
【0083】
コントローラ8からの操作信号で把持機構を操作する場合、通信部81が送信専用で、通信部54が受信専用であってもよい。なお、
図4に示す検出部52によるワークWの有無の検出と、
図5に示す把持機構によるワークWの把持とを両方備えるようにしてもよい。この場合は、通信部54および通信部81を双方向通信可能にする必要がある。
【0084】
上記第1実施形態においては、搬送ロボットB1が円形状のワークWを搬送する場合について説明したが、これに限られない。ワークWは、液晶基板などの矩形状のワークであってもよい。またワークWは、半導体基板や液晶基板に限定されない。
【0085】
上記第1実施形態においては、中継装置92とコントローラ8の通信部81とが無線通信を行う場合について説明したが、これに限られない。中継装置92と通信部81とが有線通信を行う場合を、第2実施形態として、以下に説明する。
【0086】
図6は、第2実施形態に係る搬送ロボットシステムA2の概略を示す斜視図である。
図6において、第1実施形態に係る搬送ロボットシステムA1(
図1(a)参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図6に示すように、搬送ロボットシステムA2は、中継装置92と通信部81とが通信ケーブル93で接続されており、中継装置92と通信部81とが有線通信を行う点で、第1実施形態に係る搬送ロボットシステムA1と異なる。
【0087】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第2実施形態においては、中継装置92と通信部81とが通信ケーブル93で接続されているので、中継装置92とコントローラ8との間に電波を遮断する遮蔽物が存在する場合でも、中継装置92と通信部81とが確実に通信を行うことができる。
【0088】
上記第1実施形態においては、搬送ロボットB1の通信部54とコントローラ8の通信部81との通信が中継装置92で中継される場合について説明したが、これに限られない。中継装置92による中継を行わない場合を、第3実施形態として、以下に説明する。
【0089】
図7は、第3実施形態に係る搬送ロボットシステムA3の概略を示している。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は正面図である。
図7において、第1実施形態に係る搬送ロボットシステムA1(
図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図7に示すように、搬送ロボットシステムA3は、中継装置92を備えておらず、通信部54と通信部81とが、直接、無線通信を行う点で、第1実施形態に係る搬送ロボットシステムA1と異なる。
【0090】
第3実施形態では、窓91が、搬送チャンバ9の、コントローラ8が配置される側の側面に設けられている。また、窓91は、搬送チャンバ9の側面の長手方向に延びるように設けられている。したがって、搬送ロボットB1のハンド5a(5b)がどの位置にあっても、ハンド5a(5b)に配置された通信部54とコントローラ8に配置された通信部81とが、直接、無線通信を行うことができる。
【0091】
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第3実施形態においては、中継装置92を設ける必要がない。なお、通信部54および通信部81の通信出力が十分大きくて、窓91の位置に関係なく(例えば
図1に示す窓91の位置などでも)、通信部54と通信部81とが、直接、無線通信を行うことができるのであれば、中継装置92を設けなくてもよい。
【0092】
上記第1実施形態においては、搬送ロボットB1が搬送チャンバ9に取り付けられており、搬送チャンバ9が搬送ロボットB1の一部を覆っている場合について説明したが、これに限られない。搬送チャンバ9が搬送ロボットB1の全体を覆っている場合を、第4実施形態として、以下に説明する。
【0093】
図8は、第4実施形態に係る搬送ロボットシステムA4の概略を示している。同図(a)は斜視図であり、同図(b)は正面図である。
図8において、第1実施形態に係る搬送ロボットシステムA1(
図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図8に示すように、搬送ロボットシステムA4においては、搬送チャンバ9が搬送ロボットB1の全体を覆っている点で、第1実施形態に係る搬送ロボットシステムA1と異なる。
【0094】
第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第4実施形態においては、支持部1を、x方向およびy方向によって規定されるxy平面に平行に移動可能とすることもできる。
【0095】
上記第1実施形態においては、搬送ロボットB1が水平多関節型の搬送ロボットである場合について説明したが、これに限られない。搬送ロボットB1に代えて、ハンドをスライド式で移動させる搬送ロボットを備えている場合を、第5実施形態として、以下に説明する。
【0096】
図9は、第5実施形態に係る搬送ロボットシステムA5の概略を示す斜視図である。
図9において、第1実施形態に係る搬送ロボットシステムA1(
図1(a)参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図9に示すように、搬送ロボットシステムA5は、搬送ロボットB1に代えて、搬送ロボットB2を備えている点で、第1実施形態に係る搬送ロボットシステムA1と異なる。
【0097】
搬送ロボットB2は、支持部1、旋回部2(図示なし)、ガイド体21、および、ハンド5a,5bを備えている。支持部1および旋回部2は、第1実施形態に係る搬送ロボットB1の支持部1および旋回部2と同様である。ガイド体21は、平面視長矩形状の箱状をなし、内部に長手方向に直線状に延びる2対のガイドレールを備えている。ガイド体21は、旋回部2に固定されており、旋回部2とともに昇降移動し、旋回部2とともに旋回する。ハンド5a,5bは、それぞれ、ガイド体21のガイドレールに沿ってスライド移動可能に設けられている。搬送ロボットB1は、旋回部2を旋回させることでハンド5a,5bの移動する方向を変更し、旋回部2を昇降移動させることでハンド5a,5bの鉛直方向の位置を変更し、ガイド体21のガイドレールに沿ってハンド5a,5bをスライド移動させる。ハンド5a,5bは、それぞれ、通信部54を備えている。本実施形態においては、ガイド体21およびハンド5a(ハンド5b)を合わせたものが、本発明の「移動部」に相当する。
【0098】
第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0099】
上記第1〜5実施形態においては、搬送ロボットB1がエンドレス機構を備えている場合について説明したが、これに限られない。本発明は、エンドレス機構を備えていない搬送ロボットシステムにおいても適用することができる。エンドレス機構を備えていない場合でも、本発明を適用すれば、センサの検出信号を出力するためのケーブルが不要になるので、ケーブルが邪魔になることを回避できる。
【0100】
本発明に係る搬送ロボットシステムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る搬送ロボットシステムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。