【文献】
新井隆宏,外3名,既知の波源を用いたスーパレゾリューションアレー校正法について,電子情報通信学会論文誌 B,2003年 3月 1日,Vol.J86-B, No.3,p.527-535
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0014】
〔実施形態〕
図1は、本実施形態に係るレーダ装置1の構成図である。本実施形態に係るレーダ装置1は、車両に搭載され、他の車両、標識、ガードレール等、車両の周囲に存在する物標を検知することに用いることができる。物標の検知結果は、車両の記憶装置やECU(Electrical Control Unit)2等に対して出力され、例えばPCS(Pre-crash Safety System)などの車両制御に用いることができる。但し、本実施形態に係るレーダ装置1は、車載レーダ装置以外の各種用途(例えば、飛行中の航空機や航行中の船舶の監視等)に用いられてもよい。
【0015】
レーダ装置1は、送信アンテナ7、発振器8、信号生成部9を備える。また、レーダ装置1は、等間隔に配置された受信アンテナ3(ch1−4)、各受信アンテナ3に各々繋
がるミキサ4(ch1−4)、各ミキサ4に各々繋がるAD(Analog to Digital)変換
器5(ch1−4)、各AD変換器5のデータを処理する信号処理装置15を備える。ここでは、受信アンテナ3、ミキサ4、AD変換器5の個数を4個ずつとしているが、これらの個数は、4個ずつに限定されるものではない。レーダ装置1は、到来波角度推定装置の一例である。
【0016】
なお、レーダ装置1は、受信アンテナ毎に専用の受信回路を設けてもよいが、全受信アンテナによる受信信号をまとめて受信する受信回路を設けてもよい。この場合、時分割で受信回路が対応する受信アンテナを順次切り替える制御が必要となるが、レーダ装置1の回路構成をコンパクトにできる。
【0017】
レーダ装置1は、信号生成部9で送信波(チャープ)STを生成して、発振器8で変調し、送信アンテナ7を介して送信する。レーダ装置1は、受信アンテナ3を介して、物標からの反射波を受信波SRとして受信する。ミキサ4(ch1−4)は、受信波SRを送信波STの一部とをミキシングし、送信波STと受信波SRの差の絶対値をとることにより、ビート信号SBを得る。FMCW(Frequency Modulation Continuous Wave)の場合、送信波STと受信波SRとの周波数差が物標とレーダ装置との距離に比例して増減するため、この周波数差が距離の変動成分となる。FCM(First Chirp Modulation)の場合、送信波STと受信波SRとの位相差(フェーズシフト)が物標とレーダ装置との距離に比例して増減するため、この位相差によるビート信号の変動成分が距離の変動成分となる。また、物標で反射した際に受信波SRが物標の速度による影響を受け、物標とレーダ装置との相対速度(ドップラ周波数)に比例してパルス間の周波数の差が増減するため、このパルス間の周波数差によるビート信号の変動成分が速度の変動成分となる。なお、相対速度や距離の異なる物標が複数存在する場合、各受信アンテナ3にはフェーズシフト量やドップラシフト量の異なる反射波が複数受信され、各ミキサ4(ch1−4)から得られるビート信号SBには各物標に対応した様々な成分が含まれることになる。
【0018】
AD変換器5(ch1−4)は、各ミキサ4(ch1−4)からビート信号SBを得て、アナログ信号であるビート信号SBを所定の周波数でサンプリングしてデジタル信号に変換する。
【0019】
信号処理装置15は、コンピュータプログラムに従って信号の演算処理を行うプロセッサ6や、演算処理に係る情報を記憶するメモリ16を備えたコンピュータである。メモリ16は、コンピュータプログラムや設定値を記憶する補助記憶部や、演算処理に用いる情報を一時的に記憶する主記憶部など、複数のメモリから構成されてもよい。信号処理装置15は、車両から電力が供給されるとプロセッサ6がコンピュータプログラムを実行し、送信制御部10やフーリエ変換部11、ピーク抽出部12、演算部13といった機能部を実現する。例えば、送信制御部10は、予め設定されたパラメータに基づいて送信信号を生成して出力させるように信号生成部9を制御する。フーリエ変換部11は、複数の物標からの反射波が重なり合った状態で受信信号SRとして受信されるため、この受信信号SRに基づいて生成されたビート信号SBから、各物標の反射波に基づく周波数成分を分離する処理(例えば、FFT(Fast Fourier Transfer)処理)を行う。FFT処理では、
所定の周波数間隔で設定された周波数ポイント(周波数ビンという場合がある)ごとに受信レベルや位相情報が算出される。ピーク抽出部12は、フーリエ変換部11によるFFT処理等の結果からピークを検出する。また、ピーク抽出部12は、各物標との距離に応じたピークが生じた周波数ビンを検出することで、物標までの距離を求める。演算部13は、ピークを生じた周波数ビンの信号に基づいて相関行列を算出する。演算部13は、相関行列に基づいて物標の存在する方位を推定する。
【0020】
信号処理装置15は、例えばMCU(Micro Controller Unit)として構成されるが、
これに限定されるものではなく、送信制御部10やフーリエ変換部11、ピーク抽出部12、演算部13の機能を実現できるものであれば、どのような構成を採用してもよい。また、送信制御部10やフーリエ変換部11、ピーク抽出部12、演算部13は、プロセッサ6がメモリ16と協働してコンピュータプログラムを実行することによって実現される機能部であるが、説明の便宜上、
図1ではプロセッサ6内に各機能部を図示している。なお、これらの機能部は、汎用のプロセッサ6がコンピュータプログラム(ソフトウェア)に基づいて実現する構成に限定されず、例えば、プロセッサ6の内部あるいは外部に配置された専用の演算回路(ハードウェア)によってその全部または一部が実現される構成であってもよい。メモリ16には、計算で使用される計算式や値、計算結果等が格納される。信号処理装置15は、レーダ装置1から独立したコンピュータであってもよい。このとき、信号処理装置15は、受信信号等のデータをレーダ装置1から受信する。信号処理装置15は、到来波角度推定装置の一例である。
【0021】
(動作例)
〈全体〉
図2は、レーダ装置1による物標からの信号の到来方向推定の全体の動作フローの例を示す図である。物標からの信号の到来方向は、物標の方向に対応する。
図2の動作フローは、レーダ装置1を搭載する車両からレーダ装置1に電力が供給された場合にプロセッサ6が実行する動作フローである。プロセッサ6は、車両の駆動源が作動状態、例えば、駆動源が内燃機関であればイグニッションスイッチがオンになった場合、ハイブリッドシステムやEV(Electric Vehicle)システムであればシステム電源がオンになった場合、
図2の動作フローが開始される。
【0022】
S101では、レーダ装置1のプロセッサ6は、レーダ装置1の要求仕様に目的の検知速度範囲や速度分解能、検知距離範囲等に応じて予め定めたパラメータに従って送信信号STを出力させるように、送信制御部10に、信号生成部9へ送信信号STの生成及び出力を指示させる。送信制御部10は、信号生成部9へ送信信号STの生成及び出力を指示する。信号制御部9は、指示に基づいて送信信号STを生成する。
【0023】
当該指示に基づいて生成された送信信号STが発信器8を介して送信アンテナ7から送信され、物標で反射された反射波が受信信号SRとして受信アンテナ3で受信されると、ミキサ4で送信信号STと受信信号SRとからビート信号SBが生成され、AD変換器5(ch1−4)がビート信号SBをA/D変換する。
【0024】
S102では、プロセッサ6のフーリエ変換部11は、AD変換器5(ch1−4)で、A/D変換された信号を取得し、FFT(Fast Fourier Transform)処理する。
【0025】
S103では、プロセッサ6のピーク抽出部12は、S102の処理結果からピーク(の周波数ビン)を検出する。このピークに基づいて物標までの距離が求められる。
【0026】
受信信号SRから生成されたビート信号SBを取得しピークを検出する処理は、受信アンテナ3で受信された受信信号SRから生成されたビート信号のそれぞれについて実行される。
【0027】
S104では、プロセッサ6の演算部13は、物標で反射された反射波を受信アンテナ3で受信した受信信号SRまたは受信信号SRに基づく信号に基づいて、物標の方向(反射波の到来方向)を推定する。物標の方向を推定する具体的な方法は、後に詳述する。演算部13は、物標の検知結果を、記憶装置(メモリ2等)やECU2等に対して出力する。物標の検知結果には、物標までの距離や物標の方向が含まれる。
【0028】
〈到来方向推定〉
図3は、レーダ装置1による物標からの信号の到来方向推定の動作フローの例を示す図である。
図3の動作フローは、
図2のS104の処理の詳細の例である。ここでは、送信アンテナ7から送信された送信波が物標において反射し、複数の受信アンテナ3に反射波(受信波)が到来する場合を考える。
【0029】
S201では、プロセッサ6の演算部13は、各受信アンテナ3による受信信号SRに基づくビート信号SBがフーリエ変換された信号のピークについて、位相誤差及び振幅誤差の補正を行う。
【0030】
理想的な受信信号X(ベクトル)は、次のように表される。
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【0031】
ここで、nは雑音ベクトル、a(θ
k)はk番目のモードベクトル、Nはアンテナ素子数、dはアンテナ素子間隔、Kは到来波数、s
kはk番目の複素振幅、λは既知波源からの電磁波の波長である。
【0032】
一方、誤差がある場合の受信信号Xは、次のように表される。
【数5】
【数6】
【数7】
ここで、Wは誤差モデル行列、Cは素子間相互結合に関する行列、Γは素子間利得・位相誤差である。ここでのCは、4素子のリニアアレーの受信アンテナの例である。diag{・・・}は、対角行列を表す。
【0033】
演算部13は、誤差モデル行列Wを用いて、受信信号Xを補正する。補正後の受信信号X~は、次のように表される。
【数8】
【0034】
レーダ装置1のアンテナの特性は、Wによって補正される。Wを適切に求めることで、到来方向推定誤差を低減することができる。位相誤差及び振幅誤差の補正の具体的な方法として他の方法が利用されてもよい。
【0035】
S202では、演算部13は、受信相関行列Rを算出する。受信信号Xの各成分は、各受信アンテナ3についての、S201で処理された信号のピークの値である。
【0036】
受信相関行列Rは、補正後の受信信号X~を用いて、次のように表される。
【数9】
ここで、[・]
Hは、複素共役転置を表す。
【0037】
S203では、演算部13は、S202で算出された受信相関行列Rを使用して、方位演算を行う。相関行列Rのサイズは、アンテナアレーの素子数に対応する。
【0038】
方位演算として、例えば、DBF、Capon、高分解能法MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)、MODE等が、使用される。方位演算の方法はこれらに限定されるものではない。
【0039】
S204では、演算部13は、物標の角度(物標からの信号の到来方向の角度)の抽出を行う。演算部13は、S203での方位演算に基づいて、物標からの信号の到来方向を求める。ここで求められる到来方向が、物標からの信号の推定される到来方向である。
【0040】
〈既知波源の最適な角度の組み合わせの算出〉
図4は、既知波源の最適な角度の組み合わせの算出の動作フローの例を示す図である。
図4の動作フローは、
図3のS201の位相・振幅補正で用いられる、既知波源の最適な角度の組み合わせによる誤差モデル行列Wの算出の動作フローである。既知波源の最適な
角度の組み合わせによる誤差モデル行列Wは、レーダ装置1毎に算出される。ここでは、レーダ装置1に含まれるアンテナアレーの受信アンテナ3の素子数は4であるとする。
【0041】
S301では、レーダ装置1の演算部13は、既知波源からの電磁波を受信信号として受信する。レーダ装置1から所定の平面上の所定の方向を0°(例えば、水平面上の正面方向)として、当該所定の平面上で−20°から+20°までを、既知波源の方向(角度)とする。−20°から+20°までは、レーダ装置1における角度推定範囲である。角度推定範囲は、レーダ装置1が物標の到来方向を推定する範囲である。ここでは、−20°から+20°まで1°刻みで既知波源を設置し、レーダ装置1は、それぞれの既知波源からの受信信号を個別に受信する。即ち、レーダ装置1は、41種類の方向(−20°、・・・、0°、・・・、+20°)からの受信信号を受信する。レーダ装置1は、受信信号を、所定の処理をした後に、メモリ16等に格納する。
【0042】
S302では、演算部13は、誤差モデル行列の算出で使用する既知波源の角度を選択する。演算部13は、P種類の角度を選択する。誤差モデル行列の算出で使用する既知波源の角度の種類数Pは、受信アンテナ3の素子数+1である。演算部13は、第1回目の選択では、既知波源の角度のうち、最大の角度、最小の角度、最小の角度と最大の角度との間をP−1個に等間隔に分ける角度を選択する。例えば、上記の41種類の角度(−20°、・・・、0°、・・・、+20°)から、5種類の角度を選択する際には、+20°、−20°、+10°、0°、−10°が選択される。小さい方から並べると、−20°、−10°、0°、+10°、+20°となる。第1回目の選択では、この1つの組み合わせのみが選択される。ここで、この組み合わせΘ
1,1を次のように表す。
【数10】
ここで、Θ
n,mは、第n回目の選択における、m番目の角度の組み合わせを示す。また、θ
n,m(p)は、第n回目の選択における、m番目の角度の組み合わせのP番目の要素(角度)を示す。θ
n,m(p)のうち、最も角度の小さいものがp=1、最も角度の大きいものがp=Pとなる。
【0043】
演算部13は、第n回目の選択(nは2以上の整数)では、第n−1回目の選択において、最も平均誤差が小さくなる角度の組み合わせΘ
n,m0に含まれる角度のうちの1つの角度に、+1°または−1°を加算したもののすべての組み合わせを、第n回目の選択における角度の組み合わせとする。よって、P=5のとき、第n回目の選択における組み合わせは次のようになる。
【数11】
【0044】
ただし、θ
n,m(p)が、角度推定範囲外であるものを含む組み合わせは、除外する。よって、第n回目の選択における角度の組み合わせの数は、2×P−2から2×Pとなる。例えば、P=5である場合、角度の組み合わせの数は8から10となる。ここで、第n回目の選択の角度の組み合わせの集合G
nを次のように表す。
【数12】
【0045】
ここで、第n回目の選択におけるMnは、角度の組み合わせの数である。さらに、演算部13は、G
nの要素のうち、G
1からG
n−1までの要素に含まれているものを除外する。G
1からG
n−1までの要素に含まれているものは、既に評価されているからである。当該処理後の角度の組み合わせの集合G
n’を次のように表す。
【数13】
【0046】
ここで、Mn’(≦Mn)は、上記の処理後の角度の組み合わせの数である。
【0047】
S303では、演算部13は、S302で選択した組み合わせの集合G
n’に含まれる角度の既知波源からの受信信号を用いて、第n回目のm番目の角度の組み合わせに対して誤差モデル行列W
n,mを算出する。誤差モデル行列W
n,mの算出については、後に説明する。
【0048】
S304では、演算部13は、S303で算出された各組み合わせについての誤差モデル行列W
n,mを用いて、既知波源からのすべての受信信号(すべての角度の受信信号)について、
図3の動作フローにより、到来方向を推定する。
【0049】
S305では、演算部13は、S303で算出された各組み合わせについて、各角度の受信信号について推定した到来方向と当該受信信号に対応する実際の既知波源の方向との差の絶対値を、算出する。第n回目のm番目の角度の組み合わせに対する、差の絶対値の平均値を、ε
n,mとする。また、第n回目の角度の組み合わせのうち、差の絶対値の平均値が最も小さいものを、ε
n,m0とする。
【0050】
S306では、演算部13は、角度の組み合わせの探索を終了するか否かを判定する。演算部13は、ε
n,m0が0であるか否かを判定する。ε
n,m0が0である場合(S306;YES)、処理がS307に進む。ε
n,m0が0でない場合、演算部13は、第n−1回目における差の絶対値の平均値が最も小さいものであるε
n−1,m0とε
n,m0とを比較する。ε
n−1,m0の方が小さい場合(S306;YES)、処理がS307に進む。ε
n−1,m0の方が大きい場合(S306;NO)、処理がS302に戻る。
【0051】
S307では、演算部13は、最適な既知波源の角度の組み合わせを出力する。演算部13は、ε
n,m0が0である場合、Θ
n,m0を最適な既知波源の角度の組み合わせとして出力する。演算部13は、ε
n,m0が0でない場合、Θ
n−1,m0を最適な既知波源の角度の組み合わせとして出力する。
【0052】
S308では、演算部13は、S307で出力した最適な既知波源の角度の組み合わせの角度の受信信号を用いて、誤差モデル行列Wを算出する。ここで算出される誤差モデル行列Wは、レーダ装置1に対する最適な誤差モデル行列である。
【0053】
〈誤差モデル行列の算出〉
図5は、誤差モデル行列の算出の動作フローの例を示す図である。
図5の動作フローは、
図4のS303の誤差モデル推定処理で用いられる誤差モデル行列W
n,mの算出の動作フローである。ここでは、演算部13は、組み合わせΘ
n,mに含まれる角度の既知波源からの受信信号を用いて、誤差モデル行列W
n,mを算出する。
図4のS303では、演算部13は、第n回目の集合G
n’に含まれるすべての組み合わせについて、誤差モデル行列を算出する。
【0054】
S401では、演算部13は、組み合わせΘ
n,mに含まれる角度の受信信号を、メモリ16から抽出する。演算部13は、抽出した受信信号Xから相関行列Rを算出する。相関行列Rは次のように求められる。
【数14】
【0055】
S402では、演算部13は、S401で算出した相関行列に基づいて、固有値分析を行う。相関行列Rは、固有ベクトルej、固有値λjを用いて次のように表される。
【数15】
【0056】
S403では、演算部13は、固有ベクトルej
Hと、モードベクトルa(θ)とを、
メモリ16に格納する。モードベクトルa(θ)は、既知波源からの電磁波の波長λ、受信アンテナ3の間隔d、既知波源の方向θに基づいて、求められる。
【0057】
S404では、演算部13は、誤差モデル行列Wを求める方程式に、固有ベクトルej
H、モードベクトルa(θ)を代入する。誤差モデル行列Wを求める方程式は、次のように表される。
【数16】
【0058】
S405では、演算部13は、誤差モデル行列Wを算出する。誤差モデル行列Wは、W=CΓであることから、上記の方程式を解くことにより求められる。
【0059】
〈比較例〉
図6は、本実施形態の方法と、従来の補正方法と、補正無しの到来方向の誤差を比較した例を示す図である。
図6のグラフの横軸は既知波源の方向であり、角度誤差である。補正無しや、従来の補正方法では、到来方向の誤差が生じているが、本実施形態の方法(今回の方法)では、到来方向の誤差は、ほぼ0となっている。
【0060】
(本実施形態の作用、効果)
レーダ装置1は、複数の既知波源からの信号から、一部の既知波源からの信号を選択し、誤差モデル行列を算出する。レーダ装置1は、誤差モデル行列を用いて、すべての既知波源の方向を推定する。レーダ装置1は、推定した既知波源の方向と、実際の既知波源の方向との差を算出する。レーダ装置1は、当該差が0でない場合には、選択する既知波源の組み合わせ(角度の組み合わせ)を変更して、誤差モデル行列を算出する。レーダ装置1は、既知波源の組み合わせを変更して、誤差モデル行列の算出、方向の差の算出を繰り返して、差が0となる、または、より差が小さくなる誤差モデル行列を算出する。
【0061】
レーダ装置1によれば、誤差モデル行列の算出に用いる既知波源の方向(角度)の組み合わせを最適化することで、到来波角度推定の精度が向上する。
【0062】
〈コンピュータ読み取り可能な記録媒体〉
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0063】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体内には、CPU、メモリ等のコンピュータを構成する要素を設け、そのCPUにプログラムを実行させてもよい。
【0064】
また、このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
【0065】
また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。