(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0015】
〔実施形態〕
〈システム構成〉
図1は、実施形態に係るシステムの構成例を示す図である。なお、本実施形態では、測位等のために送受信される無線標識のほか当該無線標識の送信装置をビーコンと呼ぶ。本実施形態に係るシステムは、自動販売機10(
図1では、自動販売機10Aから自動販売機10C)、制御装置20、端末30、サーバ40を含む。自動販売機10は、ビーコン11(
図1では、ビーコン11Aからビーコン11C)及びセンサ12(
図1では、センサ12Aからセンサ12C)を含む。端末30は、いずれかのビーコン11からの信号を受信できる位置に存在する。端末30は、例えば、利用者に携帯されていたり、所定の物に添付されていたりする。制御装置20、サーバ40は、インターネット等のネットワーク50を介して接続されている。端末30は、ネットワーク50に接続されていてもよい。ビーコン11Aからビーコン11Cは、マルチホップ無線ネットワークを形成している。
【0016】
自動販売機10は、飲料等の商品を貯蔵して販売する装置である。自動販売機10は、商用電源等により、電気を供給される。自動販売機10は、自家発電装置により、電気を供給されてもよい。自動販売機10は、ビーコン11及びセンサ12を含む。自動販売機10に供給される電気は、ビーコン11及びセンサ12にも供給される。
【0017】
ビーコン11は、識別情報及び送信日時を含む無線標識を送信する。また、本実施形態に係るビーコン11は、電波の到達距離内に設置された他のビーコン11と相互に通信を行う機能を有し、全体としてマルチホップ無線ネットワークを形成する。また、複数のビーコンの各々は少なくとも1つの他のビーコンの電波到達距離内に配置されるものとする。ビーコン11は、端末30から、当該端末30の識別情報を受信する。ビーコン11は、端末30からの識別情報とともに、ビーコン11自身の識別情報、端末30からの信号の受信強度、ビーコン11の状態等を示す情報、センサ12の検出結果等を、他のビーコン11に向けて送信する。ビーコン11の状態等を示す情報には、他のビーコン11から受信した情報を含み得る。なお、相互に通信可能とした複数のビーコンを総称してビーコンメッシュとも呼ぶ。また、
図1では3つのビーコン11を例示したが、ビーコン11の数は3つには限定されるものではない。ビーコン11は、例えば、マイクロコントローラとアンテナとを有し、これらが協働することにより各種の機能を実現する。
【0018】
センサ12は、例えば、カメラ、マイク、温度計、湿度計、光センサ、赤外線センサ、電気メータ、ガスメータ、水道メータ、計測器、気圧センサ、照度センサ、人感センサ、振動センサ、加速度センサ等である。これらによって、自動販売機10周辺の気温、湿度、照度、気圧等の所定の物理量が測定され得る。センサ12によって、映像、画像、音、値等が検出される。センサ12による検出結果は、ビーコン11に送信される。センサ12は、検出結果とともに、検出時刻を送信してもよい。センサ12は、Bluetooth等によ
る無線通信機能を有してもよい。このとき、センサ12は、Bluetoothのパケットに載せ
て検出結果等をビーコン11に送信しうる。センサ12は、有線でビーコン11に通信可能に接続されてもよい。センサ12は、ビーコン11に内蔵されてもよい。また、センサ12は、自動販売機10内の冷蔵庫内の温度を測定する温度センサ、自動販売機10内の貨幣を計数するセンサ、自動販売機10内の商品を計数するセンサ等であってもよい。セ
ンサ12が検出する検出結果を、環境情報ともいう。
【0019】
制御装置20は、複数のビーコン11の動作を一元的に制御する装置である。制御装置20は、例えば、複数のビーコン11のいずれかを特定する識別情報と所定の情報とを含む特定情報を、周辺のビーコン11に送信する。一方、ビーコン11は、受信した特定情報を周辺のビーコン11へ中継すると共に、自身を示す識別情報を含む特定情報を受信した場合、当該特定情報に基づいて、所定の処理を行う。特定情報は、例えば、ビーコン11の動作を制御する情報を含み得る。制御装置20は、ビーコンメッシュとネットワーク50とを接続するゲートウェイとして動作する。
【0020】
端末30は、ビーコン11から無線標識を受信する。端末30は、ビーコン11に対して、端末30自身を識別する識別情報を送信する。また、
図1には1つの端末30を示しているが、端末30の数は、1つに限定されるものではない。端末30は、ビーコン11としての機能を有してもよい。例えば、端末30は、ビーコンメッシュ内の1つのビーコン11として機能してもよい。端末30は、各種センサを含んだり、外部センサに接続されたりしてもよい。端末30は、利用者に携帯されていたり、移動しうる物に添付されていたりする。
【0021】
サーバ40は、例えば、端末30から無線標識に含まれるビーコン11の識別情報及び送信日時、端末30における無線標識の受信日時、センサ12による検出結果、並びに、端末30の識別情報等のデータのセットを、ビーコンメッシュ、制御装置20を介して取得する。サーバ40は、ビーコン11の状態、センサ12による検出結果等を示す情報を取得しうる。また、サーバ40は、取得した情報を、ネットワーク50を介して端末30等に出力する。なお、サーバ40は、端末30に応じた情報等を出力するようにしてもよい。
【0022】
〈ビーコンの機能構成〉
図2は、実施形態に係るビーコン11の機能ブロックの例を示す図である。なお、ビーコン11は、自動販売機10内に設置される。ビーコン11は、標識情報送信部111と、相互通信部112と、記憶部113とを備える。
【0023】
標識情報送信部111は、記憶部113に保持されている情報に基づいて、当該ビーコン11を識別するための識別情報を含む無線標識を送信し、受信側の装置に対して近接通知を行う。無線標識は、送信時刻を示す日時情報等を含んでもよい。具体的には、BLE(Bluetooth Low Energy)等の技術を利用することができ、無線標識のブロードキャスト通信を行うようにしてもよい。
【0024】
相互通信部112は、他のビーコン11、端末30、制御装置20との間で双方向に情報の送受信を行う。例えば、BLEにおけるGATTのようなプロファイルに基づいて相互通信を行うようにしてもよい。相互通信部112は、コネクション型の通信を行ってもよい。また、相互通信部112は、他のビーコン11の識別情報を含む特定情報を受信した場合、当該特定情報を周辺のビーコン11へ中継する。一方、自身を示す識別情報を含む特定情報を受信した場合、当該特定情報を記憶部113に格納すると共に、当該特定情報に基づいて、所定の処理を行う。相互通信部112は、端末30から端末30の端末IDを含む信号を受信する。相互通信部112は、受信した信号の受信強度を測定する。相互通信部112は、受信した信号に含まれる情報と当該信号の受信強度を対応付けて、記憶部113に格納する。相互通信部112は、センサ12より、センサ12による検出結果を受信する。相互通信部112は、センサ12による検出結果を、記憶部113に格納する。
【0025】
また、相互通信部112は、制御装置20からの要求に応じて、記憶部113に保持されている情報を、ビーコンメッシュのネットワークを介して制御装置20に応答するようにしてもよい。記憶部113に保持されている情報には、ビーコン11の内部センサや外部センサで取得された情報が含まれ得る。また、ビーコン11間を送受信される特定情報等の情報には、あらかじめ、固有の識別情報が割り当てられてもよい。このとき、相互通信部112は、一度、転送した情報の識別情報を記憶部113に格納し、情報を転送する際に、当該情報の識別情報が記憶部113に過去に転送した情報の識別情報と一致するか否かを確認し、過去に転送した情報である場合には、当該情報を転送しなくてもよい。これにより、同じ情報がビーコンメッシュ内を転送され続けることを回避することができる。
【0026】
記憶部113は、不揮発性メモリであり、例えばマイクロプロセッサが有するフラッシュメモリのようなEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等によって実現される。また、記憶部113は、予め定められた当該ビーコン11の
識別情報や、標識情報送信部111が無線標識を送信する際の電波強度の設定値等を記憶する。記憶部113は、受信した信号に含まれる情報や当該信号の受信強度、センサ12による検出結果、検出時刻などを格納する。検出時刻は、例えば、センサ12による検出結果を受信した時刻とする。また、センサ12が、検出結果とともに、検出時刻を、ビーコン11に送信してもよい。
【0027】
〈制御装置の機能構成〉
図3は、実施形態に係る制御装置20の機能ブロックの例を示す図である。制御装置20は、例えば一般的なコンピュータであり、ビーコン通信部21と、情報取得部22と、記憶部23とを備える。ビーコン通信部21は、ビーコン11と双方向の通信を行う。すなわち、上述した特定情報を送信したり、ビーコン11から死活情報やビーコン11が保持する情報を受信したりする。制御装置20は、1つのビーコン11と通信可能に有線等で接続されていてもよい。
【0028】
情報取得部22は、例えば、インターネットや専用回線等のネットワーク50を介して、図示していない装置から所定の情報を取得する。また、情報取得部22は、制御装置20を操作するユーザからの入力等に基づいて、ビーコン通信部21に特定情報を送信させ、ビーコン11の設定を変更させる。また、情報取得部22は、各々のビーコン11から情報を取得してもよい。また、特定情報にすべてのビーコン11に対応する識別情報を含むようにして、ビーコン11は同一の特定情報を1回のみブロードキャスト通信するようにしてもよい。また、特定情報がビーコンメッシュのネットワーク上を転送される回数を示すホップ数を含むようにして、ビーコン11は設定変更情報を転送するたびにホップ数をインクリメントし、所定の回数だけビーコン11間を転送された特定情報がビーコンメッシュ上から削除されるようにしてもよい。
【0029】
記憶部23は、例えば、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶部23は、各ビーコンの識別情報(ビーコンID)に対応付けて、複数のビーコン11の設置場所を示す位置情報、動作設定等を記憶する。
【0030】
〈端末の機能構成〉
図4は、実施形態に係る端末30の機能ブロックの例を示す図である。端末30は、例えばスマートフォンやスレートPC等のコンピュータであり、標識情報送信部31と、相互通信部32と、記憶部33と、表示部34とを備える。なお、標識情報送信部31、相互通信部32は、例えば端末30にインストールされたアプリケーションソフトウェア(プログラムとも呼ぶ)が、端末30の通信機能を利用して実現する。
【0031】
標識情報送信部31は、記憶部33に保持されている情報に基づいて、ビーコン11としての端末30を識別するための識別情報を含む無線標識を送信し、受信側の装置に対して近接通知を行う。無線標識は、送信時刻を示す日時情報等を含んでもよい。具体的には、BLE(Bluetooth Low Energy)等の技術を利用することができ、無線標識のブロードキャスト通信を行うようにしてもよい。端末30が送信する端末30の識別情報を含む無線標識(情報)は、複数のビーコンによって受信され得る。
【0032】
相互通信部32は、他のビーコン11、端末30、制御装置20との間で双方向に情報の送受信を行う。例えば、BLEにおけるGATTのようなプロファイルに基づいて相互通信を行うようにしてもよい。相互通信部32は、コネクション型の通信を行ってもよい。また、相互通信部32は、他のビーコン11の識別情報を含む特定情報を受信した場合、当該特定情報を周辺のビーコン11へ中継する。一方、自身を示す識別情報を含む特定情報を受信した場合、当該特定情報を記憶部33に格納すると共に、当該特定情報に基づいて、所定の処理を行う。また、相互通信部32は、制御装置20からの要求に応じて、記憶部33に保持されている情報を、ビーコンメッシュのネットワークを介して制御装置20に応答するようにしてもよい。
【0033】
相互通信部32は、ビーコン11が送信する無線標識を受信し、記憶部33に記憶させる。記憶部33は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリのようなEEPROM等によって実現される。また、相互通信部32は、記憶部33に記憶されている無線標識、当該無線標識の受信日時及び端末30を特定するための識別情報を、ビーコンメッシュを介してサーバ40に送信する。なお、端末30を特定するための識別情報は、スマートフォン等のOS(Operating System)が提供するIDを利用するようにしてもよいし、サーバ40が端末30のアプリケーションソフトウェアに対して独自の識別情報を発行するようにしてもよい。
【0034】
記憶部33は、例えば、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶部33は、端末30からの端末30を識別するための識別情報を格納する。記憶部33は、各ビーコンの識別情報(ビーコンID)に対応付けて、複数のビーコン11の設置場所を示す位置情報等を記憶する。
【0035】
表示部34は、記憶部33に記憶された位置情報や、サーバ40から取得した情報等のその他の情報を端末30が備えるモニタに表示させる。
【0036】
〈サーバの機能構成〉
図5は、実施形態に係るサーバ40の機能ブロックの例を示す図である。サーバ40は、例えば、据え置き型のコンピュータであり、通信部41と、演算部42と、記憶部43とを備える。制御装置20とサーバ40とは一体化して、1つの制御装置として動作してもよい。
【0037】
通信部41は、インターネット等のネットワーク50を介して制御装置20、端末30との間で情報を送受信する。上述のように、通信部41は、ビーコンメッシュ、制御装置20を介して、端末30からの端末30の識別情報を含む情報を受信し、記憶部43に記憶させる。
【0038】
演算部42は、ビーコン11や端末30からの情報に基づいて、所定の演算を行う。演算部42は、例えば、端末30が存在する位置を算出する。
【0039】
記憶部43は、例えばHDDやSSD、フラッシュメモリ等によって構成され、端末30から、ビーコンメッシュ、制御装置20を介して、受信した情報や、当該情報に基づいて算出した端末30の位置を示す情報を記憶するほか、各ビーコン11が設置された位置(各自動販売機10の位置)、ビーコン11が設置された位置の周辺に関する情報を予め記憶してもよい。記憶部43は、ビーコンメッシュの各ビーコン11の識別情報(ビーコンID)と、各ビーコンの存在位置を示す位置情報とを対応付けて格納する。
【0040】
〈装置構成〉
制御装置20、端末30は、スマートフォン、携帯電話、タブレット型端末、カーナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)
のような専用または汎用のコンピュータ、あるいは、コンピュータを搭載した電子機器を使用して実現可能である。サーバ40は、PC、ワークステーション(WS、Work Station)のような専用または汎用のコンピュータ、あるいは、コンピュータを搭載した電子機器を使用して実現可能である。
【0041】
図6は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図6に示す情報処理装置90は、一般的なコンピュータの構成を有している。制御装置20、端末30、サーバ40は、
図6に示すような情報処理装置90によって実現される。情報処理装置90は、プロセッサ91、メモリ92、記憶部93、入力部94、出力部95、通信制御部96を有する。これらは、互いにバスによって接続される。メモリ92及び記憶部93は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。情報処理装置のハードウェア構成は、
図6に示される例に限らず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。
【0042】
情報処理装置90は、プロセッサ91が記録媒体に記憶されたプログラムをメモリ92の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
【0043】
プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)である。
【0044】
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。メモリ92は、主記憶装置とも呼ばれる。
【0045】
記憶部93は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスク
ドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD、Solid State Drive)である。また、記憶部93は、リムーバブルメディア、即ち可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のようなディスク記録媒体である。記憶部93は、二次記憶装置とも呼ばれる。
【0046】
記憶部93は、各種のプログラム、各種のデータ及び各種のテーブルを読み書き自在に記録媒体に格納する。記憶部93には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。記憶部93に格納される情報は、メモリ92に格納されてもよい。また、メモリ92に格納される情報は、記憶部93に格納されてもよい。
【0047】
オペレーティングシステムは、ソフトウェアとハードウェアとの仲介、メモリ空間の管理、ファイル管理、プロセスやタスクの管理等を行うソフトウェアである。オペレーティングシステムは、通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、通信制御部96を介して接続される他の外部装置等とデータのやり取りを行うプログラムである。外部装置
等には、例えば、他の情報処理装置、外部記憶装置等が含まれる。
【0048】
入力部94は、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、タッチパネル等を含む。また、入力部94は、カメラのような映像や画像の入力装置や、マイクロフォンのような音声の入力装置を含むことができる。
【0049】
出力部95は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)パネル等の
表示装置、プリンタ等の出力装置を含む。また、出力部95は、スピーカのような音声の出力装置を含むことができる。
【0050】
通信制御部96は、他の装置と接続し、情報処理装置90と他の装置との間の通信を制御する。通信制御部96は、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェースボード、Bluetooth(登録商標)などの無線通信のための無線通信回路、電話通信のための通
信回路である。LANインタフェースボードや無線通信回路は、インターネット等のネットワークに接続される。
【0051】
制御装置20、端末30、サーバ40を実現するコンピュータは、プロセッサが二次記憶装置に記憶されているプログラムを主記憶装置にロードして実行することによって、各機能を実現する。また、各装置の記憶部は、主記憶装置または二次記憶装置の記憶領域に設けられる。
【0052】
〈動作例〉
《環境情報収集》
図7は、サーバが、ビーコンメッシュ内のビーコンからセンサによる検出結果を取得する際の動作シーケンスの例を示す図である。ここでは、
図1に示すようなシステムにおいて、サーバ40が、自動販売機10Aに設置されるセンサ12Aによる検出結果(環境情報)の取得の要求を、ビーコン11Aに向けて行う。ビーコンメッシュの各ビーコン11は、自動販売機10に設置されている。すべてのビーコン11は、いずれかの他のビーコン11と通信できる位置に設置される。また、少なくとも1つのビーコン11は、制御装置20と通信できる位置に設置される。端末30は、少なくとも1つのビーコン11からの無線標識を受信できる位置に存在しているとする。
【0053】
SQ1001では、サーバ40は、ビーコン11Aに対応するセンサ12による検出結果(環境情報)の取得を要求する指示(司令、コマンド)を含む信号を、ビーコン11Aを含むビーコンメッシュに向けて送信する。サーバ40は、あらかじめ定められたスケジュールに基づいて、当該要求を含む信号を送信してもよい。サーバ40は、ビーコン11A以外の他のビーコン11に対応するセンサ12による検出結果の取得を要求する指示を含む信号を、送信し得る。制御装置20は、サーバ40からの当該信号(環境情報取得要求)を受信する。
【0054】
SQ1002では、制御装置20は、サーバ40から環境情報取得要求を受信すると、当該環境情報取得要求を含む信号を、ビーコン11Aを含むビーコンメッシュのビーコン11に向けて送信する。当該信号は、例えば、アドバタイズ信号(報知信号)である。また、制御装置20から送信される信号は、Bluetoothによるメッシュ通信で使用される所
定のデータ信号であってもよい。メッシュ通信で使用される当該信号は、アドバタイズ信号よりも小さくてもよい。当該信号には、ビーコン11Aを識別する識別情報が含まれる。制御装置20からの信号は、複数のビーコン11によって受信され得る。ここでは、制御装置20からの信号は、ビーコン11Cに受信されたとする。制御装置20は、当該信号をビーコンの無線標識として送信してもよい。
【0055】
制御装置20からの信号を受信したビーコン11Cは、当該信号の内容を確認する。ビーコン11Cは、受信した信号に含まれる情報に、自身の識別情報や、自身に対応するセンサ12の検出結果の取得等の指示が含まれているか否かを確認する。ここでは、当該信号には、ビーコン11Cの識別情報等が含まれていないとする。ビーコン11Cは、受信した信号に含まれる情報を、記憶部113に格納する。
【0056】
SQ1003では、ビーコン11Cは、制御装置20からの信号を、周囲のビーコン11等に対して、送信する。また、ビーコン11Cは、制御装置20からの信号が以前に送信した信号と同一の信号である場合、当該信号を、送信しない。ここでは、当該信号は、少なくとも、ビーコン11Aによって受信されるとする。
【0057】
ビーコン11Cからの信号を受信したビーコン11Aは、当該信号の内容を確認する。ビーコン11Aは、受信した信号に含まれる情報に、自身の識別情報や、自身に対応するセンサ12Aの検出結果の取得等の指示が含まれているか否かを確認する。ここでは、当該信号には、ビーコン11Aの識別情報等が含まれているとする。ビーコン11Aは、受信した信号に含まれる情報を、記憶部113に格納する。
【0058】
SQ1004では、ビーコン11Aは、受信した信号に、自身の識別情報が含まれていることを認識すると、受信した信号に含まれる自身に対応するセンサ12Aの検出結果の取得の指示を確認する。センサ12Aの検出結果の取得の指示は、例えば、あらかじめ、制御装置20と各ビーコン11との間で取り決められた、信号内の所定の位置のビット値によって、ビーコン11において認識されてもよい。ビーコン11
Aは、自身に対応するセンサ12Aの検出結果の取得の指示に従って、センサ12Aに所定の測定をさせる。センサ12Aは、ビーコン11Aからの指示に従って、所定の測定を行い、検出結果を、ビーコン11Aに送信する。センサ12Aの検出結果とは、例えば、気温の測定結果、騒音の測定結果等である。ビーコン11Aは、センサ12Aから取得した検出結果(環境情報)を、記憶部113に格納する。
【0059】
SQ1005では、ビーコン11Aは、センサ12Aから取得した検出結果の情報を含む信号を、制御装置20に向けて送信する。センサ12Aから取得した検出結果は、例えば、気温の測定値、騒音の測定値等である。当該信号は、例えば、アドバタイズ信号(報知信号)である。当該信号は、例えば、Bluetoothによるメッシュ通信で使用される所定
のデータ信号であってもよい。当該信号には、制御装置20宛を示す情報として、制御装置20を識別する識別情報が含まれてもよい。また、当該信号には、信号の発信元であるビーコン11Aを示す情報として、ビーコン11Aを識別する識別情報が含まれてもよい。センサ12Aから取得した検出結果は、例えば、あらかじめ、制御装置20と各ビーコン11との間で取り決められた、信号内の所定の位置のビット値によって表現されてもよい。ここでは、当該信号は、ビーコン11Cによって受信されるとする。
【0060】
ビーコン11Aからの信号を受信したビーコン11Cは、当該信号の内容を確認する。ビーコン11Cは、受信した信号に含まれる情報に、自身の識別情報や、自身への指示等が含まれているか否かを確認する。ここでは、当該信号には、ビーコン11Cの識別情報等が含まれていないとする。ビーコン11Cは、受信した信号に含まれる情報を、記憶部113に格納する。
【0061】
SQ1006では、ビーコン11Cは、ビーコン11Aからの信号を、周囲のビーコン11等に対して、送信する。また、ビーコン11Cは、ビーコン11Aからの当該信号が以前に送信した信号と同一の信号である場合、同じ信号が転送され続けないようにするため、当該信号を送信しない。ここでは、当該信号は、制御装置20によって受信されると
する。
【0062】
ビーコン11Cからの信号を受信した制御装置20は、当該信号の内容を確認する。制御装置20は、受信した信号に含まれる情報に、自身の識別情報等が含まれているか否かを確認する。ここでは、当該信号には、制御装置20の識別情報等が含まれているとする。制御装置20は、受信した信号に含まれる情報を、記憶部23に格納する。
【0063】
SQ1007では、制御装置20は、ビーコン11Cから受信した信号を、メッシュビーコンに転送することなく、サーバ40に送信する。受信した信号には、制御装置20の識別情報が含まれているため、制御装置20は、当該信号を、メッシュビーコンには転送しない。サーバ40は、制御装置20から、センサ12Aから取得した検出結果を含む信号を受信する。サーバ40は、受信した信号に含まれる情報を、記憶部43に格納する。サーバ40は、検出結果を、検出したセンサ12Aに対応するビーコン11Aの識別情報に対応付けて、記憶部43に格納する。
【0064】
SQ1008では、サーバ40は、受信したセンサ12Aで検出された環境情報を、必要に応じて加工して、端末30や他の装置に出力する。また、サーバ40は、別に取得した他のセンサ12で検出された環境情報や、過去に取得したセンサ12Aで検出された環境情報を、ここで受信した環境情報とともに、出力してもよい。
【0065】
環境情報取得要求は、ビーコン11の周囲(自動販売機10の周囲)に存在する端末30のセンサの検出結果を要求するものであってもよい。当該要求を受信したビーコン11は、当該ビーコン11の周囲の端末30に対して、センサによって所定の測定をするように指示する。当該端末30は、所定の測定を行い、検出結果を、ビーコン11に送信する。ビーコン11は、端末30から取得した検出結果を、上記と同様にして、制御装置20、サーバ40に向けて送信する。
【0066】
サーバ40は、自動販売機10に設置されたセンサ12による検出結果を、自動販売機10に設置されるビーコン11によるビーコンメッシュを介して、取得することができる。環境情報は、気温、気圧、騒音等の情報の他に、ビーコン11の電池残量等のビーコン11や自動販売機10の状態を示す情報であってもよい。自動販売機10にビーコン11を設置して自動販売機10に供給される電気を流用することで、安定したビーコン11の運用を行うことができる。
【0067】
《情報提供》
図8は、サーバが、ビーコンが設置された自動販売機の周囲に存在する端末に対して情報提供をする際の動作シーケンスの例を示す図である。ここでは、
図1に示すようなシステムにおいて、サーバ40が、自動販売機10Aの周囲に存在する端末30に対して情報提供を行う。情報提供で提供する情報は、宣伝広告情報、避難情報、位置情報などである。情報提供で提供する情報は、例えば、自動販売機10Aの周囲に存在する端末30の利用者に伝えることが好ましい情報である。ここでは、サーバ40から、提供する情報にアクセスするためのURLの情報(ウェブページのアドレス情報)をビーコンメッシュを介して端末30に対して提供する。当該端末30は、インターネット等のネットワークを介して、URL情報に基づくウェブページにアクセスすることで、サーバ40から端末30に向けて提供される情報を取得する。URL情報を自動販売機10のビーコン11を介して提供することで、自動販売機10の周辺に存在する端末30に対して、情報を提供することができる。
【0068】
SQ2001では、サーバ40は、ビーコン11Aの周囲(自動販売機10Aの周囲)に存在する端末30のためにビーコン11Aに向けて、URL情報を含む信号を送信する
。URL情報は、サーバ40が自動販売機10Aの周囲に存在する端末の利用者に提供したい情報を掲載したウェブページのアドレス情報である。当該信号には、当該URL情報を周囲の端末30等に通知する指示を示す情報が含まれてもよい。サーバ40は、ビーコン11A以外の他のビーコン11に向けたURL情報を含む信号を、送信し得る。制御装置20は、サーバ40からの当該信号を受信する。
【0069】
サーバ40は、例えば、
図7の動作シーケンスにより取得した環境情報が所定の条件を満たす自動販売機10(ビーコン11)に向けて、URL情報を送信してもよい。このとき、サーバ40の演算部42は、所定の条件を満たす自動販売機10(ビーコン11)の識別情報を、記憶部43から抽出する。サーバ40から送信されるURL情報を含む信号には、当該識別情報が含まれる。これにより、環境情報が所定の条件を満たす自動販売機10の周囲に存在する端末30の利用者に向けて、任意の情報を提供することができる。例えば、サーバ40は、気温が所定値以上である自動販売機10の周囲に存在する端末30の利用者に向けて、所定の飲料の広告宣伝情報を提供する。当該所定の飲料は、例えば、自動販売機10で販売されている飲料である。
【0070】
SQ2002では、制御装置20は、サーバ40からURL情報を含む信号を受信すると、当該信号を、ビーコン11Aを含むビーコンメッシュのビーコン11に向けて送信する。当該信号は、例えば、アドバタイズ信号(報知信号)である。また、制御装置20から送信される信号は、Bluetoothによるメッシュ通信で使用される所定のデータ信号であ
ってもよい。メッシュ通信で使用される当該信号は、アドバタイズ信号よりも小さくてもよい。当該信号には、ビーコン11Aを識別する識別情報が含まれる。制御装置20からの信号は、複数のビーコン11によって受信され得る。ここでは、制御装置20からの信号は、ビーコン11Cに受信されたとする。制御装置20は、当該信号をビーコンの無線標識として送信してもよい。
【0071】
制御装置20からの信号を受信したビーコン11Cは、当該信号の内容を確認する。ビーコン11Cは、受信した信号に含まれる情報に、自身の識別情報や、自身への指示等が含まれているか否かを確認する。ここでは、当該信号には、ビーコン11Cの識別情報等が含まれていないとする。ビーコン11Cは、受信した信号に含まれる情報を、記憶部113に格納する。
【0072】
SQ2003では、ビーコン11Cは、制御装置20からの信号を、周囲のビーコン11等に対して、送信する。また、ビーコン11Cは、制御装置20からの信号が以前に送信した信号と同一の信号である場合、当該信号を、送信しない。ここでは、当該信号は、少なくとも、ビーコン11Aによって受信されるとする。
【0073】
ビーコン11Cからの信号を受信したビーコン11Aは、当該信号の内容を確認する。ビーコン11Aは、受信した信号に含まれる情報に、自身の識別情報や、URL情報等が含まれているか否かを確認する。ここでは、当該信号には、ビーコン11Aの識別情報等が含まれているとする。ビーコン11Aは、受信した信号に含まれる情報を、記憶部113に格納する。
【0074】
SQ2004では、ビーコン11Aは、受信した信号に、自身の識別情報が含まれていることを認識すると、当該信号の内容を確認する。ビーコン11Aは、受信した信号に、URL情報が含まれていることを確認すると、当該URL情報を含む信号を、自動販売機10Aの周囲の端末30等に向けて、送信する。当該信号は、例えば、アドバタイズ信号(報知信号)である。また、ビーコン11Aは、受信した信号に、当該URL情報を周囲の端末30等に通知する指示を示す情報が含まれていることを確認して、URL情報を含む信号を自動販売機10Aの周囲の端末30等に向けて、送信してもよい。自動販売機1
0Aの周囲に存在する端末30は、ビーコン11AからURL情報を含む信号を受信する。
【0075】
SQ2005では、端末30は、ビーコン11AからURL情報を含む信号を受信すると、当該URL情報で示されるアドレスに対して、所定のウェブページを表示するための情報(所定の情報)を要求する。当該ウェブページには、サーバ40が自動販売機10Aの周囲の端末30の利用者に向けて提供したい情報が含まれるものとする。ここでは、URL情報で示されるアドレスは、サーバ40としているが、URL情報で示されるアドレスは、サーバ40に限らず、他のサーバ等であってもよい。所定のウェブページを表示するための情報(所定の情報)の要求は、端末30の利用者の指示に基づいて行われてもよい。
【0076】
SQ2006では、サーバ40は、端末30から所定のウェブページを表示するための情報の要求を受信すると、当該情報を、端末30に向けて送信する。当該情報は、例えば、あらかじめ、記憶部43等に格納されており、サーバ40は、記憶部43等から当該情報を抽出して、端末30に送信する。
【0077】
SQ2007では、端末30は、サーバ40から、所定のウェブページを表示するための情報(所定の情報)を受信すると、当該ウェブページを端末30のモニタ等に表示する。端末30の利用者は、表示された情報を確認することができる。
【0078】
これにより、サーバ40は、所定の領域に存在する端末30の利用者に対し、所望の情報を提供することができる。所望の情報がビーコンメッシュを介して送信することが難しい大きいサイズである場合であっても、端末30に向けてURL情報を通知することで、端末30に所望の情報を提供することができる。URL情報は、一般に、100byte程度の文字情報であるため、ビーコンメッシュを介して通信することが可能である。各ビーコン11の通信範囲は、数mから数100m程度の範囲である。よって、サーバ40は、限られた範囲に存在する端末30の利用者に対して、所望の情報提供を行うことができる。サーバ40は、例えば、広告宣伝情報、災害発生時の避難情報(避難経路情報)、位置情報の提供を行うことができる。
【0079】
〈その他〉
ビーコン11は、自動販売機10に供給される電気を流用しているが、停電等が発生すると、自動販売機10が停止し、ビーコン11も停止する。そこで、各ビーコン11が、充放電可能な二次電池を備え、電気の供給がされている際(通常時)に、当該二次電池を充電しておくことで、停電等により電気の供給がされなくなった場合、二次電池より電源の供給を受けることができる。これにより、ビーコン11の安定運用を行うことができる。災害等により停電が発生しても、二次電池によりビーコン11への電気の供給ができれば、ビーコン11は、サーバ40に向けてセンサ12による検出結果の送信をしたり、端末30に向けて避難情報等を提供するためのURL情報の送信をしたりできる。
【0080】
ここでは、自動販売機10内にビーコン11及びセンサ12が設置されるとしているが、ビーコン11及びセンサ12が設置される場所(装置)は、自動販売機10内に限らず、例えば、街灯、信号機、街頭モニタ、防災無線、公衆電話、防犯カメラ等の電気が供給される場所(装置)であればよい。
【0081】
(実施形態の作用、効果)
本実施形態のビーコンメッシュにおけるビーコン11は、サーバ40からセンサ12による検出結果(環境情報)の取得の要求を含む信号を受信する。ビーコン11及びセンサ12は、自動販売機10内に設置される。ビーコン11は、要求に基づいて、センサ12
による検出結果を取得する。ビーコン11は、検出結果を含む信号を、サーバ40に向けて、送信する。ビーコン11は、ビーコンメッシュにおけるメッシュ通信のパケットを利用して、検出結果を送信することができる。サーバ40は、ビーコンメッシュ、制御装置20を介して、センサ12による検出結果を取得する。サーバ40は、ビーコン11が設置された自動販売機10毎に、センサ12による検出結果を取得することができる。
【0082】
また、本実施形態のサーバ40は、ビーコンメッシュ内の特定のビーコン11に向けて、URL情報を送信する。URL情報を受信したビーコン11は、周辺に存在する端末30に向けて、当該URL情報を送信する。URL情報を受信した端末30は、URL情報に示されるアドレスにアクセスすることにより、所定の情報を取得することができる。サーバ40は、ビーコンメッシュを用いて、自動販売機10の周辺に存在する端末30に情報提供を行うことができる。
【0083】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において変更したり組み合わせたりすることができる。
【0084】
〈コンピュータ読み取り可能な記録媒体〉
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0085】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体内には、CPU、メモリ等のコンピュータを構成する要素を設け、そのCPUにプログラムを実行させてもよい。
【0086】
また、このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
【0087】
また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。