特許第6809677号(P6809677)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コーワの特許一覧

<>
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000002
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000003
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000004
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000005
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000006
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000007
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000008
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000009
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000010
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000011
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000012
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000013
  • 特許6809677-フィルター清掃装置及び衣類乾燥機 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6809677
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】フィルター清掃装置及び衣類乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   D06F58/02 K
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-171221(P2016-171221)
(22)【出願日】2016年9月1日
(65)【公開番号】特開2018-33794(P2018-33794A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100130074
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 繁元
(72)【発明者】
【氏名】横山 広
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−065908(JP,A)
【文献】 特開2008−006045(JP,A)
【文献】 特開2011−050564(JP,A)
【文献】 特開2013−081636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/10−9/19
D06F 39/00−39/10
D06F 58/02−58/08
D06F 58/20−58/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルター清掃装置は、
塵埃を捕集する第1のフィルター体と、
前記第1のフィルター体の上流側に備えられた通風路と、
前記通風路内に可動自在に備えられると共に、前記第1のフィルター体に当接し、該第1のフィルター体に付着した塵埃を除去する清掃体と、
前記通風路と連通する塵埃収容室と、
前記塵埃収容室の一部に設けられ、塵埃を圧縮する第2のフィルター体と、を有し、
前記清掃体は、前記第1のフィルター体への通風の風路が塞がれる位置に可動すると共に、前記第2のフィルター体への通風の風速を増大させることを特徴とするフィルター清掃装置。
【請求項2】
フィルター清掃装置は、
塵埃を捕集する第1のフィルター体と、
前記第1のフィルター体の上流側に備えられた通風路と、
前記通風路内に可動自在に備えられると共に、前記第1のフィルター体に当接し、該第1のフィルター体に付着した塵埃を除去する清掃体と、
前記通風路と連通する塵埃収容室と、
前記塵埃収容室の一部に設けられ、塵埃を圧縮する第2のフィルター体と、
前記第1のフィルター体への通風の風路が塞がれる位置に可動すると共に、前記第2のフィルター体への通風の風速を増大させる風速調整手段と、を有することを特徴とするフィルター清掃装置。
【請求項3】
フィルター清掃装置は、
塵埃を捕集する第1のフィルター体と、
前記第1のフィルター体の上流側に備えられた通風路と、
前記通風路と連通する塵埃収容室と、
前記塵埃収容室の一部に設けられ、塵埃を圧縮する第2のフィルター体と、
前記第1のフィルター体への通風の風路が塞がれる位置に可動すると共に、前記第2のフィルター体への通風の風速を増大させる風速調整手段と、を有し、
前記第1のフィルター体の塵埃捕捉面は、捕捉された塵埃が重力により落下するよう傾斜して設置されていることを特徴とするフィルター清掃装置。
【請求項4】
清掃体は、回動することを特徴とする請求項1に記載のフィルター清掃装置。
【請求項5】
第2のフィルター体の塵埃捕捉面は、捕捉された塵埃が重力により落下するよう傾斜して設置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルター清掃装置。
【請求項6】
槽体内に回転自在に配置され衣類などを収容する回転ドラム内に、送風手段及び加熱手段により発生した温風を、循環ダクトを経て循環供給して衣類を乾燥可能とするとともに、前記循環ダクトの前記槽体からの排気側に請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルター清掃装置を備えたことを特徴とする衣類乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルターに付着した塵埃を除去するためのフィルター清掃装置と、このフィルター清掃装置を備えた衣類乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、衣類乾燥機等では、衣類から分離したリント(糸くず)等の塵埃を捕集するフィルターが設置されており、このフィルターに付着した塵埃を除去するためのフィルター清掃装置が備えられた衣類乾燥機が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1の衣類乾燥機は、循環風路に接続されたフィルターケースと、このフィルターケース内に設けた第1のフィルターおよび第2のフィルターと、乾燥用空気を通過させて第1のフィルターに塵埃を捕集する第1の通風路と、第1のフィルターの塵埃の捕集面に沿うように乾燥用空気を送風し第1のフィルターに捕集した塵埃を剥離する第2の通風路と、第1の通風路または第2の通風路に切り替える風路切替手段とを有し、第2の通風路に送風した乾燥用空気によって第1のフィルターから塵埃を剥離して第2のフィルター側へ移動させる構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−50564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のフィルター清掃装置は、第2のフィルター側へ移動させた塵埃が嵩張るため、使用者は、頻繁に塵埃の廃棄作業を行わなければならなかった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、使用者が塵埃の廃棄作業を行う頻度を低減させることができるフィルター清掃装置と、このフィルター清掃装置を備えた衣類乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1のフィルター清掃装置の発明は、 塵埃を捕集する第1のフィルター体と、前記第1のフィルター体の上流側に備えられた通風路と、前記通風路内に可動自在に備えられると共に、前記第1のフィルター体に当接し、該第1のフィルター体に付着した塵埃を除去する清掃体と、前記通風路と連通する塵埃収容室と、前記塵埃収容室の一部に設けられ、塵埃を圧縮する第2のフィルター体と、を有し、前記清掃体は、前記第1のフィルター体への通風の風路が塞がれる位置に可動すると共に、前記第2のフィルター体への通風の風速を増大させることを特徴としている。
【0008】
上記請求項1の発明では、清掃体が、第1のフィルター体への通風の風路が塞がれる位置に可動すると共に、第2のフィルター体への通風の風速を増大させることにより、通風路内に残った塵埃を塵埃収容室へと確実に移送することができると共に、塵埃収容室内の塵埃を確実に第2のフィルター体へ移送し、圧縮させることができるので、使用者が塵埃の廃棄作業を行う頻度を低減させることができる。また、清掃体によって第1のフィルター体への通風を制限しているので、機構が複雑にならず、フィルター清掃装置を小型化することができる。
【0009】
請求項2のフィルター清掃装置の発明は、塵埃を捕集する第1のフィルター体と、前記第1のフィルター体の上流側に備えられた通風路と、前記通風路内に可動自在に備えられると共に、前記第1のフィルター体に当接し、該第1のフィルター体に付着した塵埃を除去する清掃体と、前記通風路と連通する塵埃収容室と、前記塵埃収容室の一部に設けられ、塵埃を圧縮する第2のフィルター体と、前記第1のフィルター体への通風の風路が塞がれる位置に可動すると共に、前記第2のフィルター体への通風の風速を増大させる風速調整手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
上記請求項2の発明では、風速調整手段が、第1のフィルター体への通風の風路が塞がれる位置に可動すると共に、第2のフィルター体への通風の風速を増大させているので、通風路内に残った塵埃を塵埃収容室へと確実に移送することができると共に、塵埃収容室内の塵埃を確実に第2のフィルター体へ移送し、圧縮させることができるので、使用者が塵埃の廃棄作業を行う頻度を低減させることができる。また、請求項1の発明と比較した場合に、清掃体の劣化を防ぎ、長寿命化させることができる。
【0011】
請求項3のフィルター清掃装置の発明は、塵埃を捕集する第1のフィルター体と、前記第1のフィルター体の上流側に備えられた通風路と、前記通風路と連通する塵埃収容室と、前記塵埃収容室の一部に設けられ、塵埃を圧縮する第2のフィルター体と、前記第1のフィルター体への通風の風路が塞がれる位置に可動すると共に、前記第2のフィルター体への通風の風速を増大させる風速調整手段と、を有し、前記第1のフィルター体の塵埃捕捉面は、捕捉された塵埃が重力により落下するよう傾斜して設置されていることを特徴としている。
【0012】
上記請求項3の発明では、風速調整手段が、第1のフィルター体への通風の風路が塞がれる位置に可動すると共に、第2のフィルター体への通風の風速を増大させているので、通風路内に残った塵埃を塵埃収容室へと確実に移送することができると共に、塵埃収容室内の塵埃を確実に第2のフィルター体へ移送し、圧縮させることができるので、使用者が塵埃の廃棄作業を行う頻度を低減させることができる。また、第1のフィルター体の塵埃捕捉面は、捕捉された塵埃が重力により落下するよう傾斜して設置されていることから、清掃体の設置を省くことができる。
【0013】
請求項4のフィルター清掃装置の発明は、請求項1のフィルター清掃装置において、清掃体は、回動することを特徴としている。したがって、清掃体の回動動作によって塵埃を除去することができるので、機構が複雑にならず、フィルター清掃装置を小型化することができる。
【0014】
請求項5のフィルター清掃装置の発明は、請求項1〜4のいずれかのフィルター清掃装置において、第2のフィルター体の塵埃捕捉面は、捕捉された塵埃が重力により落下するよう傾斜して設置されていることを特徴としている。したがって、第2のフィルター体の目詰まりを防止することができるため、乾燥運転の効率が向上するとともに、より多くの塵埃を圧縮して収容することができる。
【0015】
請求項6の衣類乾燥機の発明は、槽体内に回転自在に配置され衣類などを収容する回転ドラム内に、送風手段及び加熱手段により発生した温風を、循環ダクトを経て循環供給して衣類を乾燥可能とするとともに、前記循環ダクトの前記槽体からの排気側に請求項1〜5のいずれかのフィルター清掃装置を備えたことを特徴としている。したがって、通風路内に残った塵埃を塵埃収容室へと確実に移送することができると共に、使用者が塵埃の廃棄作業を行う頻度を低減させる衣類乾燥機を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜3のフィルター清掃装置の発明は、通風路内に残った塵埃を塵埃収容室へと確実に移送することができると共に、使用者が塵埃の廃棄作業を行う頻度を低減させることができる。また、請求項4のフィルター装置の発明は、機構が複雑にならず、フィルター清掃装置を小型化することができる。また、請求項5のフィルター装置の発明は、乾燥運転の効率が向上するとともに、より多くの塵埃を圧縮して収容することができる。
【0017】
また、請求項6の衣類乾燥機の発明は、通風路内に残った塵埃を塵埃収容室へと確実に移送することができると共に、使用者が塵埃の廃棄作業を行う頻度を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る衣類乾燥機を示す斜視図
図2】本発明に係る衣類乾燥機の内部構成を示す断面図
図3】本発明に係るフィルター清掃装置を示す斜視図
図4図3のA−A断面図
図5】本発明に係るフィルター清掃装置の第1実施形態を示す断面図
図6】本発明に係るフィルター清掃装置の第1実施形態を示す断面図
図7】本発明に係るフィルター清掃装置の第1実施形態を示す断面図
図8】本発明に係るフィルター清掃装置の第2実施形態を示す断面図
図9】本発明に係るフィルター清掃装置の第2実施形態を示す断面図
図10】本発明に係るフィルター清掃装置の第3実施形態を示す断面図
図11】本発明に係るフィルター清掃装置の第3実施形態を示す断面図
図12】本発明に係るフィルター清掃装置の第4実施形態を示す断面図
図13】本発明に係るフィルター清掃装置の第4実施形態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
図1は、本発明に係る衣類乾燥機を示す斜視図であり、図2は、同衣類乾燥機の内部構造を示す断面図である。これらの図を用いて本発明に係る衣類乾燥機について説明する。本発明に係る衣類乾燥機20は、前面にドア20aを備え、槽体20d内に回転自在に配置され衣類などを収容する回転ドラム20b内に、送風手段(ファン)23及び加熱手段22により発生した温風を、循環ダクト21a、21b、21cを経て循環供給して衣類を乾燥可能とするとともに、循環ダクト21a、21b、21cの槽体20dからの排気側にフィルター清掃装置10が設置されている。
【0021】
符号20cは、回転ドラム20bを回転させるモータであり、このモータ20cは、乾燥処理、洗濯処理、すすぎ処理や脱水処理といった様々な処理の間、回転ドラム20bを回転させる。また、加熱手段22には、一例として、熱交換器を使用することができる。尚、熱交換器の方式として、ヒートポンプ式やヒーター式等、様々な方式を採用することができる。また、衣類乾燥機20は、ドラム式としているが、これに限定するものではなく、例えば縦型など様々の方式を採用することができる。
【0022】
図3は、本発明に係るフィルター清掃装置を示す斜視図であり、図4は、図3のA−A断面図である。これらの図を用いて本発明に係るフィルター清掃装置の概要を説明する。本発明に係るフィルター清掃装置10は、塵埃を捕集する第1のフィルター体1と、このフィルター体1の上流側に備えられた通風路2と、この通風路2内に可動自在に備えられると共に、第1のフィルター体1に当接し、第1のフィルター体1に付着した塵埃を除去する清掃体3と、開口4を有し、この開口4を介して通風路2と連通する塵埃収容室5と、清掃体3が除去した塵埃を塵埃収容室5へと導く塵埃誘導壁7と、塵埃収容室5の一部に設けられ、塵埃を圧縮する第2のフィルター体1aとを有している。そして、塵埃誘導壁7はフィルター清掃装置の内壁10aから通風の下流側に向かって延出している。また、清掃体3は衣類乾燥機20の本体側に設けられた駆動モータ(図示せず)を駆動源としており、清掃体3の回動軸上に設けられたギア3bが、駆動モータ(図示せず)の出力軸と噛み合うことで動力が清掃体3に伝わって回動する。
【0023】
そして、乾燥運転時には、図3の矢印に示すように、通風が矢印B側から矢印C側へと流れている。この時、清掃体3は、図4に示すように、通風に対して略平行な位置で待機する状態となっている。ここで、塵埃誘導壁7は、塵埃を確実に塵埃収容室5へと収容する機能と、整流板として、通風の通りを良くする機能とを奏させるために設置されている。
【0024】
図5は、本発明に係るフィルター清掃装置の第1実施形態を示す断面図であって、清掃前後の状態を示している。図5に示す第1実施形態のフィルター清掃装置10fは、乾燥運転終了時に第1のフィルター体1fの清掃を行うものであり、具体的には、塵埃を捕集する第1のフィルター体1fと、この第1のフィルター体1fの上流側に備えられた通風路52と、この通風路52内に可動自在に備えられると共に、第1のフィルター体1fに当接し、第1のフィルター体1fに付着した塵埃6を回動して除去する清掃体19と、開口11dを有し、この開口11dを介して通風路52と連通する塵埃収容室12cと、清掃体19が除去した塵埃6を塵埃収容室12cへと導く塵埃誘導壁24と、塵埃収容室12cの一部に設けられ、塵埃6を圧縮する第2のフィルター体1gとを有している。そして、塵埃誘導壁24は、フィルター清掃装置10fの内壁から通風の下流側に向かって延出している。
【0025】
尚、乾燥運転時に清掃体19は、通風に対して略平行な位置で待機する状態となっている。また、清掃体19の長さは、フィルター体1fの円弧の半径よりも長くてもよく、これにより、図5に示すように、先端部19aが撓んで塵埃6を掻き落とすことができる。また、一旦撓んだ清掃体19の先端部19aがもとに戻る時に、斜め下方に塵埃6を跳ね飛ばすことができるため、より確実に塵埃6を塵埃収容室12cへと収容することができる。また清掃体19の先端部19aの先端の形状は、図5で図示するように凹凸を有する形状にすることで、より塵埃6を掻き落とす効果が期待できる。
【0026】
図6は、第1実施形態のフィルター清掃装置10fを示す断面図であって、フィルター体1fを清掃した後の圧縮運転時の状態を示している。図6に示すように、清掃体19は、第1のフィルター体1fへの通風を制限すると共に、第2のフィルター体1gへの通風の風速を増大させる位置へと可動する構成としている。具体的には、清掃体19の先端部19aがフィルター清掃装置10fの内壁に接触する位置で清掃体19を停止させている。これにより、第1のフィルター体1fへの風路が塞がれ、第2のフィルター体1gへの通風の風速が増大するので、第2のフィルター体1g上の塵埃は、圧縮されることとなる。尚、圧縮運転は、乾燥運転の途中で行うことも可能である。
【0027】
前述のように構成された第1実施形態のフィルター清掃装置10fは、清掃体19によって第1のフィルター体1fへの通風を制限しているので、機構が複雑にならず、フィルター清掃装置10fを小型化することができる。また、清掃体19が第2のフィルター体1gへの通風の風速を増大させる位置へ可動することにより、通風路52内に残った塵埃を塵埃収容室12cへと確実に移送することができると共に、塵埃収容室12c内の塵埃6を確実に第2のフィルター体1gへ移送することができる。
【0028】
図7は、第1実施形態のフィルター清掃装置10fを示す断面図であって、乾燥運転からフィルター体1fの清掃、圧縮運転に至る一連の動作を繰り返した後の状態を示している。図7に示すように、塵埃6は塵埃収容室12cの開口11d近傍まで収容されている。この時、塵埃6を塵埃誘導壁24の先端部24aと清掃体19の先端部19aの間で押し潰して圧縮しながら塵埃収容室12c内に押し込んでいる。また、塵埃誘導壁24の根元部から塵埃収容室12cの内底面にかけて内壁が弧を描くよう形成されているため、清掃体19で押し込まれた塵埃6が弧を描いた内壁に沿って第2のフィルター体1g側へと順次押し込まれている。このように、塵埃6を清掃体19で圧縮しながら塵埃収容室12cの奥へと移送できるため、より多くの塵埃6を塵埃収容室12cに収容することができる。
【0029】
図8は、第2実施形態のフィルター清掃装置10gを示す断面図であって、第1のフィルター体1fを清掃した後の圧縮運転時の状態を示している。また、図9は、第2実施形態のフィルター清掃装置10gを示す断面図であって、圧縮運転終了後の状態を示している。これらの図を用いて第2実施形態のフィルター清掃装置10gについて以下に説明する。
【0030】
第2実施形態のフィルター清掃装置10gの第1実施形態のフィルター清掃装置10fとの相違点は、第2のフィルター体1gの一部は、塵埃捕捉面が捕捉された塵埃6が重力により落下するよう傾斜して設置されている点である。その他の構成は、第1実施形態のフィルター清掃装置10fと同様であるので、説明は省略する。
【0031】
前述のように、第2のフィルター体1gの一部を、塵埃捕捉面が捕捉された塵埃6が重力により落下するよう傾斜して設置することによって、通風が止まると、傾斜して設置されている第2のフィルター体1gの一部の塵埃捕捉面に付着している塵埃6は、図9に示すように、落下することとなるので、傾斜して設置された第2のフィルター体1gの目詰まりを防止することができるため、乾燥運転の効率が向上するとともに、より多くの塵埃6を圧縮して収容することができる。
【0032】
図10は、第3実施形態のフィルター清掃装置10hを示す断面図であって、清掃前後の状態を示している。また、図11は、第3実施形態のフィルター清掃装置10hを示す断面図であって、圧縮運転時の状態を示している。これらの図を用いて第3実施形態のフィルター清掃装置10hについて以下に説明する。
【0033】
第3実施形態のフィルター清掃装置10hは、塵埃を捕集する第1のフィルター体1fと、この第1のフィルター体1fの上流側に備えられた通風路52と、この通風路52内に可動自在に備えられると共に、第1のフィルター体1fに当接し、第1のフィルター体1fに付着した塵埃6を回動して除去する清掃体19と、開口11dを有し、この開口11dを介して通風路52と連通する塵埃収容室12cと、清掃体19が除去した塵埃6を塵埃収容室12cへと導く塵埃誘導壁24と、塵埃収容室12cの一部に設けられ、塵埃6を圧縮する第2のフィルター体1gと、第1のフィルター体1fへの通風を制限すると共に、第2のフィルター体1gへの通風の風速を増大させる風速調整手段13とを有している。
【0034】
風速調整手段13は、軟質材で形成されており、清掃時には、清掃体19よりも上方の収納部14に、可動可能な状態で収納されている。そして、圧縮運転時には、図11に示すように、清掃体19は待機位置の状態で停止する。その後、風速調整手段13が収納部14から突出して第1のフィルター体1fへの風路を塞いだ状態で停止する。これにより、第2のフィルター体1gへの通風の風速が増大するので、通風路52内に残った塵埃を塵埃収容室12cへと確実に移送することができると共に、塵埃収容室12c内の塵埃6を確実に第2のフィルター体1gへ移送して圧縮させることができる。また、第1実施形態及び第2実施形態のフィルター清掃装置と比較した場合に、圧縮運転時に清掃体19が温風にさらされて劣化することを防ぎ、長寿命化させることができる。
【0035】
図12は、第4実施形態のフィルター清掃装置10iを示す断面図であって、風速調整手段13aが、収納部14aに収納された状態を示している。また、図13は、第4実施形態のフィルター清掃装置10iを示す断面図であって、風速調整手段13aが、収納部14aから突出した状態を示している。これらの図を用いて第4実施形態のフィルター清掃装置10iについて以下に説明する。
【0036】
第4実施形態のフィルター清掃装置10iは、塵埃を捕集する第1のフィルター体15aと、この第1のフィルター体15aの上流側に備えられた通風路52と、開口11dを有し、この開口11dを介して通風路52と連通する塵埃収容室12cと、第1のフィルター体15aから落下した塵埃6を塵埃収容室12cへと導く塵埃誘導壁24と、塵埃収容室12cの一部に設けられ、塵埃6を圧縮する第2のフィルター体15bと、第1のフィルター体15aへの通風を制限すると共に、第2のフィルター体15bへの通風の風速を増大させる位置へ可動する風速調整手段13aとを有している。
【0037】
そして、第1のフィルター体15aの塵埃捕捉面は、捕捉された塵埃が重力により落下するよう傾斜して設置されている。そして、落下の際に塵埃6が舞い散った場合でも、塵埃誘導壁24によって塵埃6を塵埃収容室12c内へ確実に落下させることができる。また、第2のフィルター体15bの塵埃捕捉面も、捕捉された塵埃が重力により落下するよう傾斜して設置されている。
【0038】
前述のように構成された第4実施形態のフィルター清掃装置10iは、図12に示すように、風速調整手段13aが、収納部14aに収納された状態では、第1のフィルター体15a及び第2のフィルター体15bの両方で通風がなされるため、塵埃6を圧縮する効果が少なく、塵埃6は嵩張った状態で塵埃収容室12cの底面に落下して堆積する。
【0039】
一方、図13に示すように、風速調整手段13aが、収納部14aから突出した状態では、風速調整手段13aによって、第1のフィルター体15aへの風路を塞いだ状態となるので、第2のフィルター体15bで塵埃6aは圧縮された状態で塵埃収容室12cの底面に落下して堆積する。尚、第1のフィルター体15aに付着した塵埃6は、第1のフィルター体15aの塵埃捕捉面が傾斜して設置されているので、重力により塵埃収容室12cの底面に落下させることができるが、風速調整手段13aが、収納部14aから突出する時に、風速調整手段13aが第1のフィルター体15aに付着した塵埃6を掻き落とすこともでき、これも本発明に含まれる。
【0040】
なお、第3実施形態及び第4実施形態では、第1のフィルター体1f、15aの上流側に風速調整手段13、13aを設けているが、第1のフィルター体1f、15aへの通風を制限できれば、第1のフィルター体1f、15aの下流側に風速調整手段13、13aを設けることもでき、これも本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係るフィルター清掃装置は、フィルターに付着した塵埃を除去するために利用されるものである。また、本発明に係る衣類乾燥機は、フィルター清掃装置を備えた衣類乾燥機として利用される。
【符号の説明】
【0042】
1、1f 第1のフィルター体
1a、1g 第2のフィルター体
2、52 通風路
3、19 清掃体
4、1d 開口
5、12c 塵埃収容室
6、6a 塵埃
7、24 塵埃誘導壁
10、10f、10g、10h フィルター清掃装置
10a フィルター清掃装置内壁
13、13a 風速調整手段
14、14a 収納部
20 衣類乾燥機
20b 回転ドラム
20c モータ
20d 槽体
21a、21b、21c 循環ダクト
22 加熱手段
23 送風手段(ファン)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13