(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
[タイヤ用粘着シート]
本発明のタイヤ用粘着シートは、剥離材(C)、第1粘着剤層(B1)、第1基材(A1)、第2粘着剤層(B2)、及び第2基材(A2)をこの順で有し、下記条件(1)及び(2)を満たす、タイヤ用粘着シートである。
条件(1):タイヤ用粘着シートを平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭より内側に、第1粘着剤層(B1)の輪郭が存在する。
条件(2):タイヤ用粘着シートを平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭より内側に、第2粘着剤層(B2)の輪郭が存在し、かつ第2基材(A2)の輪郭と第2粘着剤層(B2)の輪郭との最短距離(X)が0.35mm以上である。
【0013】
本発明の実施態様に係るタイヤ用粘着シートの一例を、
図1を用いて説明するが、本発明のタイヤ用粘着シートは、本発明の効果が発現する限り、以下の例に限定されるものではない。
図1は本発明のタイヤ用粘着シートの構成の一例を示す断面模式図であるが、
図1に示すように、タイヤ用粘着シート10は、剥離材(C)の面上に、第1粘着剤層(B1)、第1基材(A1)、第2粘着剤層(B2)、及び第2基材(A2)をこの順で有する。なお、
図1における第1粘着剤層(B1)、第1基材(A1)、第2粘着剤層(B2)、及び第2基材(A2)からなる層は後述する積層体(V)である。
なお、以下、単に「ラベル」という場合は、本発明のタイヤ用粘着シートを用いて作製されたラベル連続体のうち、例えば、
図4に示す、剥離材(C)と耳部(Y2)とを除く部分、すなわち、積層体(V)のことをいう。
【0014】
<条件(1)及び(2)>
また、本発明のタイヤ用粘着シートは、下記条件(1)及び(2)を満たす、タイヤ用粘着シートである。
条件(1):タイヤ用粘着シートを平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭より内側に、第1粘着剤層(B1)の輪郭が存在する。
条件(2):タイヤ用粘着シートを平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭より内側に、第2粘着剤層(B2)の輪郭が存在し、かつ第2基材(A2)の輪郭と第2粘着剤層(B2)の輪郭との最短距離(X)が0.35mm以上である。
条件(1)及び(2)について、
図2を用いて説明する。なお、
図1と同様に本発明のタイヤ用粘着シートは、本発明の効果が発現する限り、
図2に示す例に限定されるものではない。
図2はタイヤ用粘着シート10の表面に対し、第2基材(A2)側から垂直方向に観察(以下、単に「平面視」ともいう。)した場合の模式図である。なお、説明上、剥離材(C)及び第1基材(A1)は、
図2上では記載を省略している。また、第2基材(A2)が不透明な基材である場合、破線で示す第1粘着剤層(B1)の輪郭b1及び第2粘着剤層(B2)の輪郭b2は、
図1に示すように第2基材(A2)より下部に位置するため、目視で確認することはできない。ここでは、説明上、それらの輪郭の位置を破線で示している。
図2に示す実線部a2は第2基材(A2)の輪郭を表し、また、破線b1及び破線b2は、それぞれ、第1粘着剤層(B1)の輪郭及び第2粘着剤層(B2)の輪郭を表している。
図2に示すように、本発明のタイヤ用粘着シート10は、タイヤ用粘着シート10を平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭a2より内側に、第1粘着剤層(B1)の輪郭b1が存在している〔条件(1)〕。
そして、
図2上に示す符号Xは、第2基材(A2)の輪郭a2と第2粘着剤層(B2)の輪郭b2との最短距離(X)を表しており、本発明のタイヤ用粘着シート10は、第2基材(A2)の輪郭a2より内側に、第2粘着剤層(B2)の輪郭b2が存在し、かつ当該最短距離(X)が0.35mm以上である〔条件(2)〕ことを満たす。
【0015】
ここで最短距離(X)は、輪郭a2よりも外側に輪郭b2が存在する場合における輪郭a2と輪郭b2との最短距離とは異なる。すなわち、条件(2)に記載のとおり、最短距離(X)は、輪郭a2より内側に輪郭b2が存在する場合の輪郭a2と輪郭b2との最短距離を表している。したがって、最短距離(X)の値が大きいほど、輪郭a2よりも内側に輪郭b2が存在することを表す。
これらの条件(1)及び(2)を満たさない場合、第1粘着剤層(B1)又は第2粘着剤層(B2)に由来する粘着剤組成物が、第2基材(A2)の輪郭(縁)からはみ出してしまう。これらの中でも、前述したとおり、タイヤ用粘着シートでは、第1粘着剤層(B1)に比較的軟らかい粘着剤組成物が使用され、かつ粘着剤の塗布厚を厚くすることが多いため、条件(1)を満たさない場合、はみ出した第1粘着剤層(B1)に由来する粘着剤組成物が、前記タイヤ用粘着シートの剥離材(C)のラベルと反対側の表面(剥離材(C)の背面)上に付着してしまう虞がある。また、第2粘着剤層(B2)の輪郭b2が存在し、かつ当該最短距離(X)が0.35mm未満である場合、ロール形態での保管時や、加圧時等に、第2粘着剤層(B2)が剥離材(C)のラベル側の面に付着してしまう等、頭出し不良が発生する虞がある。
なお、「頭出し」とは、タイヤ用粘着シートを用いて作製されたラベル連続体をラベリング装置にて繰り出す際、ピールプレート部で剥離材(C)を折り曲げた際に、ラベルは折り曲がらずに剥離材(C)から剥離し、ラベルの剥離開始部(剥離のきっかけ)を形成することをいう。
これらの不具合は、ラベリング装置を用いた貼付時に、ラベル頭出し不良が発生したり、ラベリング装置に粘着剤組成物が付着してしまい繰り出し作業時の不良発生原因となる。
【0016】
本発明のタイヤ用粘着シートは、これらの条件(1)及び(2)を満たすことによって、第1粘着剤層(B1)又は第2粘着剤層(B2)に由来する粘着剤組成物が、剥離材(C)に付着して、直接的又は間接的にラベリングマシンに付着することを防止でき、また、頭出しにも有利に働くため、ラベリング装置を用いてタイヤに連続的に効率よくラベルを貼付することができる。
【0017】
前述した観点から、第2基材(A2)の輪郭a2と第2粘着剤層(B2)の輪郭b2との最短距離(X)は、好ましくは0.40mm以上、より好ましくは0.50mm以上、更に好ましくは0.60mm以上である。また、その上限は特に制限はないが、好ましくは10.00mm以下、より好ましくは5.00mm以下、更に好ましくは3.00mm以下、より更に好ましくは2.00mm以下である。
また、タイヤ用粘着シートを平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭より内側に、第1粘着剤層(B1)の輪郭が存在することを満たせば、特に制限はないが、第2基材(A2)の輪郭a2と第1粘着剤層(B1)の輪郭b1との最短距離(Z)は、好ましくは0.10mm以上、より好ましくは0.20mm以上、更に好ましくは0.30mm以上、より更に好ましくは0.50mm以上である。また、その上限は特に制限はないが、好ましくは10.00mm以下、より好ましくは5.00mm以下、更に好ましくは3.00mm以下、より更に好ましくは2.00mm以下である。
ここで最短距離(Z)は、輪郭a2よりも外側に輪郭b1が存在する場合における輪郭a2と輪郭b1との最短距離とは異なる。すなわち、本発明の一態様であるタイヤ用粘着シートは、条件(1)を満たすものであるため、最短距離(Z)とは、輪郭a2より内側に輪郭b1が存在する場合の輪郭a2と輪郭b1との最短距離を指す。したがって、最短距離(Z)の値が大きいほど、輪郭a2よりも内側に輪郭b1が存在することを表す。
以下、本発明のタイヤ用粘着シートの各部材について説明する。
【0018】
<第1基材(A1)>
本発明のタイヤ用粘着シートが有する第1基材(A1)としては、特に制限されないが、公知の基材から適宜選択して使用することができるが、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。
プラスチックフィルムとしては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、環状オレフィン系フィルム等を挙げることができる。
また、第1基材(A1)は、その表面に設けられる粘着剤層(B1)及び粘着剤層(B2)との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施したり、易接着層を形成したりしてもよい。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
易接着層の材料としては、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂等が挙げられる。
第1基材(A1)の厚さは、特に制限されないが、好ましくは5〜50μm、より好ましくは6〜38μm、更に好ましくは12〜30μmである。
【0019】
<第2基材(A2)>
本発明のタイヤ用粘着シートが有する第2基材(A2)としては、特に制限されないが、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙、キャストコート紙、無塵紙等の紙;これらの紙にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ナイロン等の熱可塑性樹脂等によって形成された樹脂フィルム;合成樹脂と充填剤及び添加剤を溶融混合後、押出しして成膜された、内部にボイドを有する1層又は2層以上の合成紙;紙、金属箔及びこれらの複合体;等を好適に用いることができる。これらの中でも、機械的強度に優れ、ラベル剥離時における支持体の破壊を有効に防止できることから、樹脂フィルム又は合成紙を用いるのが好ましい。
【0020】
第2基材(A2)のJIS L 1085に準拠するガーレ法で測定されるMD剛軟度は、好ましくは0.10mN以上、より好ましくは0.15mN以上である。
第2基材(A2)の当該MD剛軟度が0.10mN以上であれば、頭出しがし易くなる。
一方、第2基材(A2)の当該MD剛軟度が高くなり過ぎないように調整することで、ラベルの柔軟性が向上して、被着体としてのタイヤへの追従性が向上して、ラベルが剥がれにくくなる観点からは、当該MD剛軟度は、好ましくは0.40mN以下、より好ましくは0.35mN以下である。
【0021】
第2基材(A2)の厚さは、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されないが、タイヤ用粘着シートの取り扱いが容易になり、ラベル貼付時にシワが発生しにくくなり、ラベル剥離時に第2基材(A2)が破壊されにくくなる観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上、更に好ましくは25μm以上、より更に好ましくは35μm以上である。
一方、第2基材(A2)の厚さは、ラベルの柔軟性が向上して、被着体としてのタイヤへの追従性が向上して、ラベルが剥がれにくくなる観点から、好ましくは150μm以下、より好ましくは120μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
【0022】
また、第2基材(A2)は、更に、アルミニウム蒸着層等の金属層(D)を備えたものがより好ましい。このような構成を有する支持体を用いることで、第2粘着剤層(B2)側に、金属層が対向するように積層することで、タイヤの構成成分の移行に起因する、第2基材(A2)表面における黒色化を有効に防止することができる。より具体的には、タイヤを構成するゴム材料の構成成分であるアミン系老化防止剤や芳香族系オイル等が、第2基材(A2)まで移行して、第2基材(A2)表面が黒色化することを防止することができる。
【0023】
更に、第2基材(A2)としては、後述するラベルの印刷を容易にするための易接着層や、熱転写記録やインキジェット記録等の記録を可能にするための記録層を設けたものや、それらの表面を保護するためにオーバーコートフィルムもしくはオーバーラミネートフィルムを有するものであることが好ましい。更に、磁気記録、バーコード、及びマイクロ半導体素子等の情報領域を第2基材(A2)の一部に設けた第2基材(A2)を用いることもできる。
【0024】
<第1粘着剤層(B1)>
本発明のタイヤ用粘着シートが有する第1粘着剤層(B1)としては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されないが、一般的な粘着剤層用の原料として知られている公知の粘着剤組成物からなる粘着剤層を適宜選択して使用することができる。それらの中でも、ホットメルトタイプ粘着剤組成物から形成されたものが好ましい。ここで、ホットメルトタイプ粘着剤とは、加熱することにより溶融して展延塗布可能となり、冷却することにより粘着性と凝集力とを発現するタイプの粘着剤をいう。
ホットメルトタイプ粘着剤組成物としては、ブロック共重合体、粘着付与剤、及び可塑剤を所定の割合で配合したものを用いることができる。
【0025】
(ブロック共重合体)
ブロック共重合体としては、スチレン・イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン・ブタジエンブロック共重合体(SB)、スチレン・イソプレンブロック共重合体
(SI)等のAB型ジブロック共重合体;スチレン・イソブチレン・スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)等のABA型トリブロック共重合体;等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、タック性付与が容易であることから、ABA型トリブロック共重合体を用いるのが好ましく、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)を用いるのがより好ましい。
【0026】
ブロック共重合体の使用量は、粘着剤組成物の全体量100質量%に対して、好ましくは15〜40質量%、より好ましくは18〜30質量%である。
ブロック共重合体の添加量が15質量%以上の値であれば、粘着剤全体の凝集力が向上し、外気温の高い夏場であれば、特性低下が著しくなったり、粘着シート断面からのしみ出し(以下、「ウーズ」ともいう。)が生じたり、更には、打ち抜き加工時の糊切れが悪化したりすることを抑制することができる。一方、ブロック共重合体の添加量が40質量%以下であると、被着体に対する粘着力が向上して、強固に接着でき、特に低温環境下での貼付けが良好となる。また、粘着剤全体の溶融粘度が上昇し、ホットメルトコーティング適性が低下することを抑制できる。
【0027】
また、ブロック共重合体には、ABA型のトリブロック共重合体を用いるとともに、AB型のジブロック共重合体を併用することが好ましい。ジブロック共重合体の添加量は、トリブロック共重合体に対して、30〜80質量%であるのが好ましい。ジブロック共重合体の添加量が30質量%以上であると、添加効果が得られ、ジブロック共重合体の添加量が80質量%以下であると、凝集力が低下して、ウーズの発生やラベル剥離後の糊残りの発生を抑制することができる。
なお、ABA型トリブロック共重合体がスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)である場合には、併用するAB型ジブロック共重合体としては、同種のスチレン・イソプレンブロック共重合体(SI)を使用するのが好ましい。
ブロック共重合体としてポリスチレン領域(スチレン由来の繰り返し単位に相当する部分)を有するものを用いる場合、ポリスチレン領域の含有量は、接着性、ホットメルトコーティング適性等の観点から、ブロック共重合体中の10〜20質量%であるのが好ましい。
【0028】
(粘着付与剤)
粘着付与剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものが使用できる。例えば、重合ロジン、重合ロジンエステル、ロジン誘導体等のロジン系樹脂;ポリテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂及びその水素化物、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂;クマロン・インデン樹脂;脂肪族石油系樹脂、芳香族系石油樹脂及びその水素化物、脂肪族/芳香族共重合体石油樹脂等の石油樹脂;スチレン又は置換スチレンの低分子量重合体;等が挙げられる。
これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
これらの中でも、粘着付与剤として、軟化点が異なる複数の粘着付与剤を含むことが好ましく、異なる軟化点を有する二種以上の粘着付与剤を用いることで、ブロック共重合体中のゴム成分及び樹脂成分にそれぞれ選択的に相溶させることができる。
【0030】
更に、JIS K 2207に準拠して測定される軟化点が60〜100℃である粘着付与剤を少なくとも一種と、軟化点が120℃以上である粘着付与剤を少なくとも一種と、を含むことがより好ましい。
軟化点が120℃以上である粘着付与剤は、高温時での粘着性を発現するのに有効であるが、低温時での粘着性が損なわれる。そこで、軟化点が60〜100℃である粘着付与剤と併用することにより、低温領域から常温領域までの粘着性が特異的に向上し、低温領域から高温領域までの広い温度に対応して粘着力や凝集力の調整が容易となる。
軟化点が120℃以上である粘着付与剤としては、重合ロジンエステルであるのが好ましく、軟化点が60〜100℃である粘着付与剤としては、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合体石油樹脂が好ましい。前者は、ゴム成分に選択的に相溶しやすく、後者はブロック共重合体中の樹脂成分に選択的に相溶し易いことから、粘着付与剤として好適な組合せとなる。
【0031】
また、重合ロジンエステルの添加量を、例えば、0〜18質量%の範囲で変化させることにより、各温度における被着体に対する粘着力や、曲面貼付性及び保持力を変化させることができる。
このように、軟化点が120℃以上である粘着付与剤と、軟化点が60〜100℃である粘着付与剤とを組み合わせて用いる場合、粘着付与剤の全体量100質量%に対する、重合ロジンエステルの使用量は、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜25質量%である。重合ロジンエステルの使用量をこのように調整すると、各温度による曲面貼付性、粘着力が著しく低下することがない。
【0032】
粘着付与剤の添加量は、粘着剤組成物の全体量100質量%に対し、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜65質量%である。粘着付与剤の添加量が30質量%以上であると、十分な粘着力が得られ、タイヤ等に貼付けた際に強固に接着することができる。
一方、粘着付与剤の添加量が70質量%以下であると、ウーズの発生やラベル打ち抜き加工時の糊切れの悪化を抑制することができる。
【0033】
(可塑剤)
可塑剤としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、あるいは芳香族系プロセルスオイル等の石油系プロセスオイル;ひまし油あるいはトール油等の天然油;フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルあるいはアジピン酸ジブチル等の二塩基酸ジアルキル;液状ポリブテンあるいは液状ポリイソプレン等の低分子量液状ポリマー;等が挙げられる。
これらの中でも、熱や紫外線に対し特に安定であり、色相の優れた粘着剤組成物を得ることができることから、パラフィン系プロセスオイルが好ましい。
また、パラフィン系プロセスオイルと、他の可塑剤との併用も可能である。この場合、パラフィン系プロセスオイルを、可塑剤の全体量100質量%に対して、60質量%以上用いるのが好ましい。
【0034】
可塑剤の添加量は、粘着剤組成物の全体量100質量%に対して、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは15〜30質量%である。可塑剤の添加量が10質量%以上であると、十分に可塑化でき、十分に粘着力が得られ、タイヤ等に貼付けした際に強固に接着できる。
一方、可塑剤の添加量が40質量%以下であると、ウーズの発生やラベル打ち抜き加工時の糊切れの悪化を抑制することができる。
【0035】
上記のような、ブロック共重合体、粘着付与剤及び可塑剤を配合した粘着剤組成物を用いた場合、複数温度における被着体に対する粘着力の調整が容易になる。タイヤ用粘着シートに使用した場合に、外気温の低い冬場に、スタッドレスタイヤを被着体とした場合であっても、浮きや剥がれが少なく、精度良く貼り付けることができる。また、外気温の高い夏場であっても、貼付後の浮き剥がれの問題がなく、さらに、粘着剤層を積層する際に、溶剤を使用したり、乾燥させることが不要で、製造装置を小型化したり、製造時間を短縮することができる。
【0036】
第1粘着剤層(B1)の厚さは、特に制限はなく、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜80μm、更に好ましくは30〜60μmである。
当該厚さが上記範囲であると、タイヤへのラベルの粘着性が十分となり、タイヤ用粘着シートの印刷や抜き加工時の不具合を引き起こす可能性を低くできる。
【0037】
<第2粘着剤層(B2)>
本発明のタイヤ用粘着シートが有する第2粘着剤層(B2)としては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されないが、一般的な粘着剤層用の原料として知られている公知の粘着剤組成物からなる粘着剤層を適宜選択して使用することができる。
当該粘着剤組成物を構成する粘着剤としては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、紫外線等のエネルギー線により重合するエネルギー線重合型粘着剤等が挙げられ、乾燥炉を必要としない点で好ましくはエネルギー線重合型粘着剤であり、設備が小さくて済む点でより好ましくは紫外線硬化型粘着剤である。
本明細書中の記載において、例えば、「エネルギー線」とは、公知のγ線、電子線、紫外線、可視光等のエネルギー線を意味する用語である。
これらの粘着剤は一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
第2粘着剤層(B2)の厚さは、特に制限はなく、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは0.5〜30μm、更に好ましくは1.0〜10μmである。
【0038】
なお、第1粘着剤層(B1)、第2粘着剤層(B2)で用いる粘着剤組成物には、必要に応じて、各種添加剤、例えば、充填剤、無機粒子、有機粒子、軽量化剤、流動化剤、顔料、染料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等、従来公知の添加剤を添加してもよい。
【0039】
<剥離材(C)>
本発明のタイヤ用粘着シートが有する剥離材(C)としては、両面剥離処理をされた剥離シートや、片面剥離処理された剥離シート等が用いられ、剥離材用の基材上に剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。
剥離材用基材としては、例えば、上質紙、グラシン紙、クラフト紙等の紙類;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルム;等が挙げられる。
剥離剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
剥離材(C)の厚さは、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されないが、本発明のタイヤ用粘着シートを用いて作製されたラベルを、ラベリング装置を用いてタイヤに連続的に効率よく貼付する際の作業性を良好とする観点から、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜180μm、更に好ましくは30〜150μmである。
【0040】
[タイヤ用粘着シートの製造方法]
本発明のタイヤ用粘着シートの製造方法は、剥離材(C)、第1粘着剤層(B1)、第1基材(A1)、第2粘着剤層(B2)、及び第2基材(A2)をこの順で有するタイヤ用粘着シートの製造方法であって、下記工程(1)〜(7)をこの順で有する、タイヤ用粘着シートの製造方法である。
工程(1):剥離材(C)、第1粘着剤層(B1)、及び第1基材(A1)をこの順で有する積層体(I)の第1基材(A1)上に、更に、エネルギー線重合型粘着剤組成物からなる層を設ける工程
工程(2):エネルギー線重合型粘着剤組成物からなる層をエネルギー線照射により重合して第2粘着剤層(B2)を形成し、積層体(II)を作製する工程
工程(3):積層体(II)中、第1粘着剤層(B1)、第1基材(A1)、及び第2粘着剤層(B2)で構成される積層部分(L)を抜き加工して、積層体(III)及び耳部(Y1)を形成する工程
工程(4):工程(3)で形成した耳部(Y1)を取り除く工程
工程(5):積層体(III)の第2粘着剤層(B2)の表面に、第2基材(A2)を設けて積層体(IV)を作製する工程
工程(6):第2基材(A2)を平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭より内側に、第1粘着剤層(B1)の輪郭が存在するように、及び第2基材(A2)の輪郭より内側に、第2粘着剤層(B2)の輪郭が存在し、かつ第2基材(A2)の輪郭と第2粘着剤層(B2)の輪郭との最短距離(X)が0.35mm以上となるように、第2基材(A2)を抜き加工し、積層体(V)及び耳部(Y2)を形成する工程
工程(7):工程(6)で形成した耳部(Y2)を取り除く工程
なお、本発明のタイヤ用粘着シートの製造方法で用いる、剥離材(C)、第1粘着剤層(B1)、第1基材(A1)、第2粘着剤層(B2)、及び第2基材(A2)は、前記本発明のタイヤ用粘着シートの各部材に関する説明で例示したものと同様のものが挙げられ、その好適な態様も前述のとおりである。
以下、本発明のタイヤ用粘着シートの各工程について説明する。
【0041】
<工程(1)>
工程(1)は、剥離材(C)、第1粘着剤層(B1)、及び第1基材(A1)をこの順で有する積層体(I)の第1基材(A1)上に、更に、エネルギー線重合型粘着剤組成物からなる層を設ける工程である。
積層体(I)の製造方法は、特に制限されず、公知の方法により製造することができる。例えば、次のようにして製造することができる。(i)剥離材(C)上に第1粘着剤層(B1)を形成する粘着剤組成物を塗布して第1粘着剤層(B1)を形成し、その後、第1基材(A1)と貼り合せる方法、又は、(ii)第1基材(A1)に第1粘着剤層(B1)を形成する粘着剤組成物を塗布して第1粘着剤層(B1)を形成し、その後、剥離材(C)とを貼り合わせる方法で、積層体(I)を形成することができる。
次に、当該積層体(I)の第1基材(A1)に、エネルギー線重合型粘着剤組成物を塗布してエネルギー線重合型粘着剤組成物からなる層を形成する。
当該エネルギー線重合型粘着剤組成物は、前記本発明のタイヤ用粘着シートの第2粘着剤層(B2)に関する説明で例示したものと同様のものが挙げられ、その好適な態様も前述のとおりである。
第1粘着剤層(B1)を形成する粘着剤組成物、及び第2粘着剤層(B2)を形成するエネルギー線重合型粘着剤組成物の塗布方法としては、それぞれ独立に、公知の方法を用いることができ、例えば、剥離材(C)又は第1基材(A1)上に前述した粘着剤組成物を、公知の塗布方法にて、直接塗布して塗布膜を形成することができる。
塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。また、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷方法を用いて塗布してもよい。第2粘着剤層(B2)を形成するエネルギー線重合型粘着剤組成物の塗布方法としては、印刷機を転用できる点で前記の印刷方法が好ましい。
【0042】
<工程(2)>
工程(2)は、エネルギー線重合型粘着剤組成物からなる層をエネルギー線照射により重合して第2粘着剤層(B2)を形成し、積層体(II)を作製する工程である。
エネルギー線重合型粘着剤組成物を塗布して形成した塗布膜に、紫外線等のエネルギー線を照射して、重合又は硬化させて第2粘着剤層(B2)を形成する方法が好ましい。また、重合又は硬化処理は、エネルギー線を一度に完全に重合若しくは硬化させてもよいし、又はエネルギー線を複数回に分けて重合若しくは硬化させてもよい。また、加熱による処理を加えてもよい。
当該エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線等が挙げられ、紫外線が好ましい。
また、エネルギー線の照射量は、エネルギー線の種類及び要求される粘着剤層(B2)の粘着力によって適宜変更される。例えば、エネルギー線を用いる場合、照射する照度(照射強度)は、好ましくは50〜500mW/cm
2であり、また、照射量(積算光量)は、好ましくは100〜2,500mJ/cm
2、より好ましくは150〜2,000mJ/cm
2である。
エネルギー線照射に用いる照射器具は、特に制限されないが、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDランプといった照射器具が挙げられる。
【0043】
<工程(3)>
工程(3)は、積層体(II)中、第1粘着剤層(B1)、第1基材(A1)、及び第2粘着剤層(B2)で構成される積層部分(L)を抜き加工して、積層体(III)及び耳部(Y1)を形成する工程である。
ここで、
図3を用いて説明すると、積層体(II)の第2粘着剤層(B2)側の表面側から、所定の部分を囲むように、切り込み1を入れて抜き加工を施すことにより、剥離材(C)上に積層体(III)を有する積層体(III)の連続体20を製造することができる。なお、
図3においては、抜き加工後の積層体(II)30として示している。この抜き加工により積層部分(L)には、切り込み1に囲まれた積層体(III)と、積層体(III)以外の、幅方向における両端部を有する耳部(Y1)とが形成される。
【0044】
<工程(4)>
工程(4)は、工程(3)で形成した耳部(Y1)を取り除く工程である。
前記工程(3)の後、耳部(Y1)は、抜き加工後の積層体(II)30から剥離されて取り除かれ、剥離材(C)の上には、積層体(III)が残され、積層体(III)の連続体20は、次工程に送られる。
【0045】
<工程(5)>
工程(5)は、積層体(III)の第2粘着剤層(B2)の表面に、第2基材(A2)を設けて積層体(IV)を作製する工程である。
例えば、予め準備したロール状の第2基材(A2)から第2基材(A2)を長尺シートとして繰り出して、別ラインから搬送されてきた前述の積層体(III)の連続体20の上に重ね合わせた後、コンパクトロール等で貼り合せるといった方法が挙げられる。
【0046】
<工程(6)>
工程(6)は、第2基材(A2)を平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭より内側に、第1粘着剤層(B1)の輪郭が存在するように、及び第2基材(A2)の輪郭より内側に、第2粘着剤層(B2)の輪郭が存在し、かつ第2基材(A2)の輪郭と第2粘着剤層(B2)の輪郭との最短距離(X)が0.35mm以上となるように、第2基材(A2)を抜き加工し、積層体(V)及び耳部(Y2)を形成する工程である。
工程(6)の抜き加工は、例えば、
図4を用いて説明すると、積層体(IV)の第2基材(A2)側の表面側から、第2基材(A2)を平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭より内側に、第1粘着剤層(B1)の輪郭が存在するように、及び第2基材(A2)の輪郭より内側に、第2粘着剤層(B2)の輪郭が存在し、かつ第2基材(A2)の輪郭と第2粘着剤層(B2)の輪郭との最短距離(X)が0.35mm以上となるように、切り込み2を入れて抜き加工を施すことにより、剥離材(C)上に積層体(V)を有する積層体(V)の連続体40を製造することができる。なお、
図4においては、抜き加工後の積層体(IV)50として示している。この抜き加工により剥離材(C)上には、切り込み2に囲まれた積層体(V)と、積層体(V)以外の、幅方向における両端部を有する耳部(Y2)とが形成される。
【0047】
工程(6)で抜き加工を行う時、最短距離(X)が、0.40mm以上となるように第2基材(A2)を抜き加工を行うことが好ましい。最短距離(X)は、より好ましくは0.50mm以上、更に好ましくは0.60mm以上である。また、その上限は特に制限はないが、好ましくは10.00mm以下、より好ましくは5.00mm以下、更に好ましくは3.00mm以下、より更に好ましくは2.00mm以下である。
また、第2基材(A2)を平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭a2と第1粘着剤層(B1)の輪郭b1との最短距離(Z)が、0.10mm以上となるように第2基材(A2)を抜き加工を行うことが好ましい。最短距離(Z)は、より好ましくは0.20mm以上、更に好ましくは0.30mm以上、より更に好ましくは0.50mm以上である。また、その上限は特に制限はないが、好ましくは10.00mm以下、より好ましくは5.00mm以下、更に好ましくは3.00mm以下、より更に好ましくは2.00mm以下である。
【0048】
また、工程(6)で抜き加工を行う時、第2基材(A2)を平面視した際に、工程(3)で抜き加工を行った際の切り込み位置〔工程(3)で抜き加工を行った直後の第1粘着剤層(B1)の輪郭〕と、工程(6)で抜き加工を行う時の切り込み位置との最短距離(Z2)が、0.40mm以上となるように第2基材(A2)を抜き加工を行うことが好ましい。最短距離(Z2)は、より好ましくは0.50mm以上、更に好ましくは0.60mm以上である。また、その上限は特に制限はないが、好ましくは10.00mm以下、より好ましくは5.00mm以下、更に好ましくは3.00mm以下、より更に好ましくは2.00mm以下である。
【0049】
<工程(7)>
工程(7)は、工程(6)で形成した耳部(Y2)を取り除く工程である。
前記工程(6)の後、耳部(Y2)は、抜き加工後の積層体、すなわち、タイヤ用粘着シートから剥離されて取り除かれ、剥離材(C)の上には、積層体(V)が残され、積層体(V)が残されたラベル連続体が得られる。
当該ラベル連続体は商品名等を印刷したラベルとして使用される。なお、工程(6)の抜き加工の前工程若しくは後工程で、印刷機を用いて積層体(V)の第2基材(A2)の上面に印刷が施されて印刷したラベルとなる。
【0050】
[タイヤ用粘着シートの使用方法]
本発明のタイヤ用粘着シートは、前述のとおり、ラベル連続体として加工された後、ラベリング装置等を用いて、タイヤ表面に貼付して使用されるものである。
ラベル貼付用のラベリング装置の一例を
図5に示す。印刷が施されたラベル部である積層体(V)を有する長尺状のタイヤ用粘着シートは、長手方向に、すなわち、
図5中の右方向に運ばれる。被着体であるタイヤ3の手前で、剥離材(C)は下方に巻き込まれるが、ラベル部である積層体(V)はその際、剥離材(C)から剥がれて前方(
図5の右方向)に押し出され、タイヤ3に貼付される。タイヤ3が
図5の矢印方向に回転することで、押出されたラベル部である積層体(V)は、タイヤ3に貼付される。この動作が連続的に行われ、次々に移動してくるタイヤ(図示を省略)にラベルが貼付される。
【0051】
例えば、後述する比較例1のような態様のタイヤ用粘着シートを用いた場合、剥離材(C)が下方に巻き取られる際に、ラベル部4が剥離材(C)からスムーズに剥離されないと、
図6に示すように、ラベル部4は
図6の下方に剥離材(C)と共に巻き込まれ、ラベル部4をタイヤ3に貼付することができないばかりでなく、装置の運転を停止せざるを得ず、歩留まりや作業性の低下が起きる。
よって、剥離材(C)が下方に巻き取られる際に、ラベル部4が剥離材(C)からスムーズに剥離され、前方に押し出される必要がある
【実施例】
【0052】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
【0053】
本発明における測定方法及び評価方法は以下のとおりである。
[測定方法]
<各層及び基材の厚さ>
各層の厚さは、JIS K 7130に準じて、定圧厚さ測定器(テクロック社製、製品名「PG−02」)で測定した。
【0054】
<第2基材(A2)のMD剛軟度>
実施例及び比較例で用いた第2基材(A2)を準備し、JIS L 1085のガーレ法に準ずる方法にて、第2基材(A2)のMD(Machine Direction)方向について測定を行った。また、測定に用いた試験片は、長さ38mm、幅25mmの大きさのものを準備した。なお、ここで、MD方向の試験片とは、試験片の長手方向が第2基材(A2)のMD方向であることを表す。
【0055】
<第2基材(A2)の輪郭と第2粘着剤層(B2)の輪郭との最短距離(X)の測定>
最短距離(X)の距離は、ノギスを用いて測定した。
【0056】
<第2基材(A2)の輪郭と第1粘着剤層(B1)の輪郭との最短距離(Z)の測定>
最短距離(Z)の距離は、ノギスを用いて測定した。
【0057】
[実使用試験]
タイヤ用粘着シートをラベル連続体に加工した後、ロール状に巻き取り、40℃環境下に7日間保管した後、ラベリング装置に組み込んだ。ラベリング装置から12m/minの速度で繰り出し、100枚のラベリングをタイヤに対して行い、以下の項目を試験評価した。
<剥離材(C)背面への粘着剤組成物の付着>
繰り出し時に剥離材(C)背面への粘着剤組成物の付着の有無を目視で確認した。
A:剥離材(C)背面への粘着剤組成物の付着は確認されなかった。
B:ごくわずかに剥離材(C)背面への粘着剤組成物の付着が確認されたが、繰り出し作業に影響しない程度であった。
C:剥離材(C)背面への粘着剤組成物の付着が多く発生し、繰り出すことができなかった。
<ラベル頭出し>
ラベリング時のラベル頭出しの可否を確認した。なお、以下の基準で評価した。
A:全ラベルで頭出しが可能であった。
B:1〜4枚のみ頭出しがされず、ラベルが剥離材と一緒に巻き取られた。
C:5枚以上で頭出しがされず、ラベルが剥離材と一緒に巻き取られた。
【0058】
[実施例1]
<タイヤ用粘着シート1の作製>
ブロック共重合体としてSIS(商品名「クレイトンD−1112」、ジブロック量:40質量%、ポリスチレン領域の含有量:15質量%、クレイトンポリマージャパン社製)を21.2質量部と、粘着付与剤として「T−480X」(商品名、軟化点:80℃、脂肪族/芳香族共重合体石油樹脂、三井化学社製)を46.5質量部及び「ペンセルD−160」(商品名(「ペンセル」登録商標)、軟化点:160℃、重合ロジンエステル、荒川化学工業社製)を10.1質量部と、可塑剤として「ピュアフレックスSNH−100SP」(商品名、パラフィン系オイルプロセス、三共油化工業社製)を21.2質量部と、酸化防止剤として「Irganox1010」(商品名(「Irganox」登録商標)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、BASF社製)を1質量部とを均一に混合して粘着剤組成物1を調製した。
【0059】
〔第1粘着剤層(B1)の形成〕
剥離材(C)として、SP−8Eアイボリー(リンテック社製)を用意した。
粘着剤組成物1を、140℃の条件で溶融させ、剥離材(C)上に、ダイコーターを用いて、塗布厚が50μmになるように塗工して、第1粘着剤層(B1)を形成した。
【0060】
〔積層体(I)の形成〕
次いで、第1基材(A1)として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、製品名「ルミラー(登録商標)」、厚さ25μm)を用意し、剥離材(C)上の第1粘着剤層(B1)とを貼り合わせて積層体(I)を作製した。
【0061】
〔工程(1)〕
次いで、エネルギー線重合型粘着剤組成物として「アクリタック(登録商標) T1050」(商品名、ノーテープ工業社製、紫外線硬化型粘着剤)を、積層体(I)の第1粘着剤層(B1)上に、フレキソ印刷方式を用いて、塗布厚が2μmになるように塗工した。
【0062】
〔工程(2)〕
次いで、そして、前記エネルギー線重合型粘着剤組成物の塗膜側から紫外線を照射して第2粘着剤層(B2)を形成して積層体(II)を作製した。
なお、紫外線照射は、高圧水銀ランプを用いて照度120mW/cm
2、光量200mJ/cm
2(アイグラフィクス社製の紫外線光量計「UVPF−A1」にて測定)の条件下にて行った。
【0063】
〔工程(3)〕
次に、得られた積層体(II)中、剥離材(C)を除く積層部分(L)を縦100.0mm×横50.0mmのサイズに抜き加工して、積層体(III)及び耳部(Y1)を形成した。
【0064】
〔工程(4)〕
工程(3)で形成した耳部(Y1)をカス上げして、取り除いた。
【0065】
〔工程(5)〕
次いで、第2基材(A2)として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、製品名「ルミラー」、厚さ50μm)を用意し、剥離材(C)上の積層体(III)の第2粘着剤層(B2)表面とを貼り合わせて積層体(IV)を作製した。
【0066】
〔工程(6)〕
次いで、第2基材(A2)を平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭より内側に、第1粘着剤層(B1)の輪郭が存在するように第2基材(A2)を縦101.2mm×横51.2mmのサイズに抜き加工し、積層体(V)及び耳部(Y2)を形成した。
【0067】
〔工程(7)〕
工程(6)で形成した耳部(Y2)をカス上げして、取り除いて、タイヤ用粘着シート1を作製した。
【0068】
[実施例2]
工程(6)で、第2基材(A2)を平面視した際に、第2基材(A2)の輪郭より内側に、第1粘着剤層(B1)の輪郭が存在するように第2基材(A2)を縦103.0mm×横53.0mmのサイズに抜き加工した以外は、実施例1と同様にしてタイヤ用粘着シート2を作製した。
【0069】
[実施例3]
第2基材(A2)としてポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、製品名「ルミラー」、厚さ25μm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタイヤ用粘着シート3を作製した。
【0070】
[比較例1]
工程(6)での抜き加工の際に、第2基材(A2)の輪郭と、第1粘着剤層(B1)の輪郭とが一致するように第2基材(A2)を縦100.0mm×横50.0mmのサイズに抜き加工したこと以外は、実施例1と同様にしてタイヤ用粘着シート4を作製した。
【0071】
[比較例2]
工程(6)において、縦100.1mm×横50.1mmのサイズに抜き加工したこと以外は、実施例1と同様にしてタイヤ用粘着シート5を作製した。
【0072】
【表1】
【0073】
表1より、実施例1〜3で作製したタイヤ用粘着シートは、剥離材(C)への粘着剤の付着及びラベル頭出しのいずれの試験でも良好な結果が得られたことがわかる。
一方、比較例1及び2で作製したタイヤ用粘着シートは、加工後に、比較的軟らかい第1粘着剤層(B1)の輪郭b1が、第2基材(A2)の輪郭a2より外側にはみ出してしまい、剥離材(C)のラベル側と反対側の表面に粘着剤の転着が発生してしまう結果となった。また、最短距離(X)の距離を0.35mm未満であったため、ラベルの頭出し不良が発生する結果となった。