【実施例】
【0017】
図1は、本発明の実施例に係る搬送装置1を組み込んだ画像形成装置100の概略図である。
図2は、
図1に示した搬送装置1の上面図である。
図3は、
図1に示した筐体C入口周辺の搬送装置の斜視図である。
図4は、搬送ローラ11のギアが取り付けられた一端部周辺を詳細に示した図である。
図5は、位置決めベルト機構部20の一部を拡大した図である。
なお、
図1は、筐体C内の画像形成機構部30が視えるように示している。
本発明の実施例に係る搬送装置1は、画像形成装置100に組み込まれるものである。
以下、画像形成装置100の全体を説明しながら搬送装置1について説明する。
【0018】
画像形成装置100は、搬送装置1によって画像形成位置Pに搬送された搬送対象物Bの表面に画像を形成するものである。
この画像形成装置100は、搬送対象物Bの表面に画像を形成する画像形成機構部30と、搬送対象物Bを搬送する搬送装置1と、搬送装置1を含む画像形成装置100の各部の動作を制御する制御部70と、有してなる。
なお、この実施例では、搬送対象物Bは、矩形状の外郭をなすセラミック製の板状部材である。この搬送対象物Bは、表面が画像が形成される画像形成面となり、裏面が搬送装置1の後述する搬送ローラ11に載置される搬送面になっている。
【0019】
まず、画像形成機構部30について説明する。
この実施例で示す画像形成機構部30は、本特許出願人らにより提案されたものである。
搬送対象物Bは、中間転写体が一つで構成される通常のものと異なり、後述する中間転写ベルト51、および、中間転写ローラ61の二つの中間転写体を有してなる。
【0020】
この画像形成機構部30は、シアンC、マゼンタM、イエローY、および、ブラックKの4原色のトナーの色に対応した4つの色別対応ユニット40と、中間転写体としての中間転写ベルト51とを含む第一中間転写部50と、中間転写体としての中間転写ローラ61を含む第二中間転写部60と、を有し、筐体C内に収容されている。
なお、4つ色別対応ユニット40は、トナーの色が異なる以外はいずれも略同じ構成であるため、個々の説明については省略する。
【0021】
色別対応ユニット40は、感光体42に潜像を形成する露光部41と、トナーによる潜像を表面に担持するドラム状の感光体42と、感光体42の表面を帯電する帯電器43と、現像部44と、感光体クリーナ45と、を有してなる。
【0022】
露光部41は、例えば、公知のLEDアレイと結像手段とを組み合わせたものによって実現される。
【0023】
現像部44は、露光部41によって感光体42の表面に形成された潜像を現像し、顕像とするものである。
【0024】
感光体クリーナ45は、ブラシローラ等によって構成され、感光体42に残留する不要なトナー、あるいは、異物を除去するものである。
【0025】
次に、第一中間転写部50について説明する。
第一中間転写部50は、中間転写ベルト51と、ベルト駆動ローラ52と、ベルトテンションローラ53と、一次転写ローラ54と、ベルトクリーナ55と、を有してなる。
【0026】
中間転写ベルト51は、4つの色別対応ユニット40から各色のトナー像が転写されるものである。
この中間転写ベルト51は、ベルト駆動ローラ52と、ベルトテンションローラ53と、一次転写ローラ54と、に掛け回されることによって張架される。
【0027】
ベルト駆動ローラ52は、不図示の駆動部によって駆動され、ベルト駆動ローラ52と、複数のベルトテンションローラ53と、一次転写ローラ54とによって掛け回された状態の中間転写ベルト51を回動させるものである。
複数のベルトテンションローラ53は、中間転写ベルト51の張力を調整するものである。
【0028】
一次転写ローラ54は、各色別対応ユニット40の感光体42に対して中間転写ベルト51を間にして対向配置され、トナーの帯電極性と異なる極性のバイアスが印加されることによって、感光体42に担持されたトナー像を中間転写ベルト51に静電的に転写するものでる。
【0029】
ベルトクリーナ55は、中間転写ベルト51に残留する不要なトナー、あるいは、異物を除去するものである。
【0030】
第二中間転写部60は、中間転写ローラ61と、二次転写導電ローラ62と、三次転写導電ローラ63と、コロナ帯電器64と、クリーニング部65と、を有してなる。
【0031】
中間転写ローラ61は、搬送対象物Bに最終的にトナー像を転写する中間転写体として機能するものであり、金属製の軸芯61aに被覆材61bが被覆されている。
【0032】
二次転写導電ローラ62は、中間転写ベルト51に転写されたトナー像を中間転写ローラ61に転写するようにバイアスが印加されたローラである。
この二次転写導電ローラ62は、中間転写ローラ61に対して中間転写ベルト51を間にして対向配置され、トナーの帯電極性と同極性のバイアスが印加されることによって、中間転写ベルト51から中間転写ローラ61にトナー像が転写されるようにしている。
【0033】
三次転写導電ローラ63は、搬送装置1の複数の搬送ローラ11の一つを構成するものであり、中間転写ベルト51から中間転写ローラ61へのトナー像の転写位置よりも下流側で、中間転写ローラ61に対向するように配置され、搬送装置1によって搬送される搬送対象物Bに中間転写ローラ61からトナー像を転写するためにバイアスが印加されたローラである。
この三次転写導電ローラ63は、トナーの帯電極性と異なる極性のバイアスが印加されるようになっている。
【0034】
コロナ帯電器64は、トナーの帯電極性と同極性のコロナイオンをトナーが転写される中間転写ローラ61に付与し、中間転写ローラ61上のトナー像にスジやニジミといった画像みだれを防止するものである。
【0035】
クリーニング部65は、中間転写ローラ61に残留する不要なトナー、あるいは、異物を除去するものである。
【0036】
ここから、搬送装置1について詳細に説明する。
搬送装置1は、軸直交方向を搬送対象物Bの搬送方向A1に対して傾斜配置された搬送ローラ11を含む複数の搬送ローラ11を備えた搬送ローラ機構部10と、無端状のベルトの搬送方向に直線状に延びた部分であり、かつ、搬送方向A1に動くベルト直線状部分21aを含む位置決めベルト機構部20と、複数の搬送ローラ11を回転可能に支持する支持部12と、を有してなる。
複数の搬送ローラ11上を移動される搬送対象物Bは、ベルト直線状部分21aに当接されることによって搬送方向A1に位置決めされるようになっている。
【0037】
搬送ローラ機構部10は、複数の搬送ローラ11が、搬送方向上流側から下流側に向けて、搬送方向A1に対する軸直交方向A2の傾斜角度Rが大きい搬送ローラ群11Aから傾斜角度の小さい搬送ローラ群11Bに変化され、さらには、軸直交方向が搬送方向に向いた搬送ローラ群11Cに変化されるように配置されている。
【0038】
より具体的には、搬送対象物Bの投入側から下流側に向けた所定の区間に、傾斜角度を最も大きくされた複数の搬送ローラ群11A(以下、「傾斜角度大搬送ローラ群」という。)が配置される。
この傾斜角度大搬送ローラ群11Aによって、搬送対象物Bはできるだけ上流側で後述するガイドベルト21のベルト直線状部分21aに突き当てることができるようになっている。
【0039】
傾斜角度大搬送ローラ群11Aの下流側に連続する所定の区間には、傾斜角度大搬送ローラ群11Aに比して傾斜角度を小さくされた複数の搬送ローラ群11B(以下、「傾斜角度小搬送ローラ群」という。)が配置される。
この傾斜角度小搬送ローラ群11Bの下流側に連続される搬送装置終端までの区間に、傾斜角度をゼロにして軸直交方向A2が搬送方向A1にされた搬送ローラ群11C(以下、「傾斜角度ゼロ搬送ローラ群」という。)が配置される。
【0040】
また、搬送ローラ機構部10は、搬送方向上流側から下流搬側に向けて、複数の搬送ローラ11がローラ表面を小さい摩擦係数から大きい摩擦係数に変化されるように配置されている。
より具体的には、搬送対象物Bの投入側から下流側に向けた所定の区間に配置された複数の搬送ローラ11が、例えば、オールステンレス製のローラ(以下、「摩擦小ローラ11S」という。)からなり、摩擦小ローラ11Sが配置される区間の下流側出口までの区間に、ステンレス等の金属材からなる軸芯の外周にシリコン、ウレタン、あるいは、導電性のゴム等の摩擦係数が大きい材料が被覆されたローラ(以下、「摩擦大ローラ11L」という。)が配置されている。
さらに具体的には、傾斜角度大搬送ローラ群11Aの各搬送ローラ11を摩擦小ローラ11Sで構成し、傾斜角度小搬送ローラ群11B、および、傾斜角度ゼロ搬送ローラ群11Cを摩擦大ローラ11Lで構成している。
【0041】
各搬送ローラ11は、一端側に設けられたギアが、不図示の駆動部によって駆動されるギアとの間でベルトが架け渡されることによって回動されるようになっている。
【0042】
位置決めベルト機構部20は、無端状のガイドベルト21と、ガイドベルト21の内側に直線状に配置された複数のガイドローラ22と、複数のガイドローラ22のうち、駆動ローラとなるガイドローラ22を駆動する不図示の駆動部と、搬送対象物Bの複数種類のワークサイズに対応してガイドベルト21が搬送方向A1に直交する方向にスライド移動可能に複数のガイドローラ22を支持するスライド移動支持部23と、を有してなる。
【0043】
ガイドベルト21は、搬送方向A1に直線状に並ぶ複数のガイドローラ22の一端側のガイドローラ22から他端のガイドローラ22まで直線状、かつ、搬送対象物Bの搬送方向A1に平行に延びたベルト直線状部分21aに搬送対象物Bが突き当てられるようになっている。
【0044】
このガイドベルト21は、ベルト直線状部分21aが搬送方向A1と平行に動くようにガイドローラ22が回転駆動されるようになっている。
このような位置決めベルト機構部20によって、複数の搬送ローラ11によって搬送された搬送対象物Bが、搬送方向A1への移動が停止されることなくベルト直線状部分21aに突き当てられながら搬送方向A1に位置決めされるようになっている。
【0045】
なお、位置決めベルト機構部20は、中間転写ローラ61から搬送対象物Bにトナー像が転写される位置Pの近傍までガイドベルト21の一端が配置されるように設けられている。
これにより搬送対象物Bは、搬送ローラ11によって停止されることなく搬送されながら位置決めベルト機構部20によってトナー像が転写される位置Pの近傍まで搬送方向A1に位置決めされる。
【0046】
また、搬送装置1は、傾斜角度の異なる搬送ローラ群11A、11B、11Cごとに分割可能に構成されてなる。
より具体的には、搬送装置1は、傾斜角度大搬送ローラ群11Aを構成する複数の搬送ローラ11を備えた第一搬送部10Aと、傾斜角度小搬送ローラ群11Bを構成する複数の搬送ローラ11を備えた第二搬送部10Bと、画像形成機構部30とともに筐体C内に配置される第三搬送部10Cと、画像形成機構部30によって表面に画像が形成された搬送対象物Bを受け取り可能となる搬送装置1の終端部まで搬送する第四搬送部10Dと、に分割される。
なお、第一搬送部10A、第二搬送部10B、および、第三搬送部10Cのそれぞれには、位置決めベルト機構部20が設けられている。
このため、画像形成機構部30と同一筐体C内に収容された第三搬送部10Cは別として、第一搬送部10A、および、第二搬送部10Bについては、その間に他の仕様の搬送部を追加すること、あるいは、第一搬送部10A、および、第二搬送部10Bを、例えば、搬送ローラ11の傾斜角度、あるいは、摩擦係数の異なる他の搬送部に代えることも可能である。
これにより、搬送装置1は、第一および第二搬送部10A、10Bが設置される部分の搬送部の組み合せを変更することによって、搬送対象物Bの各種仕様に対応した装置構成1に変更することが容易にできるようになっている。
【0047】
ここで、
図6を用いて、搬送対象物Bが搬送方向A1に位置決めされる様子について説明する。
図6は、搬送対象物Bが搬送方向A1に位置決めされる様子を説明するための図である。
まず、作業者、あるいは、自動投入機によって搬送装置1に搬送対象物Bが投入されると、搬送対象物Bが、傾斜角度大搬送ローラ群11Aによって搬送開始される。
搬送装置1への投入直後の搬送対象物Bは、搬送方向A1に対して大きく向きを異ならせている場合があるため(
図6(a)参照)、搬送対象物Bがガイドベルト21のベルト直線状部分21aに当接されて搬送方向A1に向けて大きく向きを変える。
このときの搬送対象物Bの搬送に関わる複数の搬送ローラ11が摩擦小ローラ11Sで構成されているため、搬送対象物Bは容易に滑りながら搬送方向A1に向けて大きく向きを変える(
図6(b)参照)。
【0048】
搬送対象物Bは、傾斜角度大搬送ローラ群11Aよる搬送位置から傾斜角度小搬送ローラ群11Bによる搬送位置まで搬送されるころには、搬送方向A1に近い向きに調整されているため、搬送対象物Bはなだらかにガイドベルト21のベルト直線状部分21aに当接されながら、搬送方向A1に向きを微調整される(
図6(c)参照)。
このときの搬送対象物Bの搬送に関わる複数の搬送ローラ11が摩擦大ローラ11Lで構成されているため、搬送対象物Bの向きの微調整を滑り難い安定した状態で行うことがきる。
【0049】
搬送対象物Bは、傾斜角度小搬送ローラ群11Bよる搬送位置から傾斜角度ゼロ搬送ローラ群11Cによる搬送位置まで搬送されるころには、搬送方向A1に位置決め完了された状態になっている(
図6(c)参照)。
このときの搬送対象物Bの搬送に関わる複数の搬送ローラ11が摩擦大ローラ11Lで構成されているため、搬送対象物Bは搬送方向A1に向きを保持された状態で安定的に搬送される
これにより、傾斜角度ゼロ搬送ローラ群11Cの配置区間内にある搬送対象物Bへの画像形成位置Pでは確実に搬送方向A1に位置決めされた搬送対象物Bに対して画像形成処理が施される。
【0050】
本発明の実施例に係る搬送装置1は、傾斜角度が大きい搬送ローラ群11Aによって、搬送対象物Bはできるだけ上流側でベルト直線状部分21aに突き当てることができるようになっており、搬送装置1への投入直後の搬送対象物Bは、搬送対象物Bの搬送に関わる複数の搬送ローラ11が小さい摩擦係数の搬送ローラ11Sで構成されているため、ベルト直線状部分21aに当接されて搬送方向A1に向けて大きく向きを変えるとき、滑りながら容易に搬送方向A1に向けて大きく向きを変えることができ、搬送対象物Bが、傾斜角度の小さい搬送ローラ群11Bに搬送されるころには、搬送方向A1に近い向きに調整され、このときの搬送対象物Bの搬送に関わる複数の搬送ローラ11が大きくされた摩擦係数の搬送ローラ11Lで構成されているため、搬送対象物Bの向きの微調整を滑り難い安定した状態で行うことができ、搬送対象物Bが、軸直交方向A2が搬送方向A1に向いた搬送ローラ群11Cによる搬送位置まで搬送されるころには、搬送方向A1に位置決め完了された状態になっており、このときの搬送対象物Bの搬送に関わる複数の搬送ローラ11が大きくされた摩擦係数の搬送ローラ11Lで構成されているため、搬送対象物Bは搬送方向A1に向きを保持された状態で安定的に搬送されるので、結果的に、搬送対象物Bの搬送方向A1への位置決め性能を向上させることができる。
【0051】
また、本発明の実施例に係る搬送装置1は、傾斜角度の異なる搬送ローラ群11A、11Bごとに分割可能に構成されてなるので、搬送対象物Bの各種仕様に対応した装置構成1に容易に変更することができる。
【0052】
また、本発明の実施例に係る搬送装置1は、位置決めベルト機構部20が、搬送対象物Bのサイズに応じてガイドベルト21が搬送方向A1に直交する方向にスライド移動自在に設けられているので、各種サイズの搬送対象物Bを搬送方向A1に位置決めすることができる。
【0053】
(変形例)
次に、
図7を用いて、本発明の実施例に係る搬送装置1の変形例について説明する。
図7は、本発明の実施例の変形例に係る搬送装置2の上面図であり、搬送対象物Bを搬送している状態を示した図である。
この変形例の搬送装置2は、搬送方向A1に直交する方向に搬送対象物Bを二つ並べて搬送できるようになっている点で実施例の搬送装置と異なる。
なお、その他の構成は実施例と同様であり、実施例と同一構成部分には同一符号を付している。
【0054】
変形例の搬送装置2は、位置決めベルト機構部20が、搬送方向A1に直交する方向に二つ並べて投入される搬送対象物Bに対応するように、搬送方向A1に直交する方向に二箇所に並んで設けられている。
【0055】
この変形例の搬送装置2は、実施例の搬送装置1と同様の効果を奏するとともに、位置決めベルト機構部20が、搬送方向A1に直交する方向に複数並べて投入される搬送対象物Bに対応して、搬送方向A1に直交する方向の複数箇所に並んで設けられているので、複数の搬送対象物Bを搬送方向A1に直交する方向に並べた状態で複数の搬送対象物Bを搬送方向A1に位置決め搬送することができる。
【0056】
なお、この実施例では、搬送方向A1に直交する方向に二つ並べて投入される搬送対象物Bを搬送方向A1に位置決めして搬送できるものを例示したが、搬送方向に直交する方向に設ける位置決めベルト機構部20の数をさらに増やすことによって搬送方向A1に直交する方向に搬送対象物Bを二つ以上並べて搬送できるようにしてもよい。
【0057】
また、本発明の実施例および変形例に係る搬送装置1、2は、画像形成装置100に組み込まれるものを例示したが、これに限らず、その他の装置に組み込まれるものであっても構わない。
【0058】
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。