(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態である樹脂製パネル1、及び、樹脂製パネル1用の内装材2について説明する。樹脂製パネル1用の内装材2は、本発明の発泡体の一例であり、樹脂製パネル1の芯材である。
【0014】
(1)樹脂製パネル1、及び樹脂製パネル1用の内装材2
先ず、
図1及び
図2を参照して、本実施形態の樹脂製パネル1及び内装材2の構成について説明する。
図1は、本実施形態の樹脂製パネル1の斜視図及びその一部の拡大破断図である。
図2は、本実施形態の内装材2の斜視図である。
【0015】
図1に示すように、実施形態に係る樹脂製パネル1の外形は、おもて面1a、裏面1b、及び、おもて面1aと裏面1bの間に介在する長辺側側壁面1c,短辺側側壁面1dからなる略直方体形状である。おもて面1a、裏面1b、長辺側側壁面1c、及び短辺側側壁面1dは、熱可塑性樹脂の表皮材シートSによって構成されており、その内部には内装材2が内装されている。つまり、樹脂製パネル1は、熱可塑性樹脂の表皮材シートSによって、内装材2が覆われた構造となっている。
【0016】
実施形態の樹脂製パネル1において、表皮材シートとなる表皮材シートSは、その樹脂材料を限定しないが、樹脂製パネル1の剛性を確保するために非発泡樹脂から形成されることが好ましい。例えば、成形性を考慮して、表皮材シートSは、主材料であるポリプロピレン(PP)にポリスチレン(PS)とスチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体樹脂(SEBS)を混合させてもよい。
【0017】
図2に示すように、内装材2は、発泡部21〜23が連結されて一体となった複合構造体である。発泡部21〜23の形状は、樹脂製パネル1に要求される外観や使用環境に応じて適宜決定されればよく、特に限定されるものではない。
【0018】
実施形態の樹脂製パネル1において、発泡部21〜23は例えば熱可塑性樹脂を用いて成形される。その樹脂材料は限定しないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンや、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のアクリル誘導体のいずれか、又は2種類以上の混合物を含む。
【0019】
実施形態の樹脂製パネル1において、発泡部21〜23に使用されうる発泡剤としては、公知の物理発泡剤、化学発泡剤及びその混合物が挙げられる。例えば、物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス等の無機系物理発泡剤、及びブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤を適用できる。また、化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン又はアゾビスイソブチロニトリルなどの有機発泡剤、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、ショウノウ酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ酸などのポリカルボン酸と、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムアルミニウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの無機炭酸化合物の混合物や、クエン酸ニ水素ナトリウム、シュウ酸カリウムなどのポリカルボン酸の塩が無機発泡剤として挙げられる。
【0020】
樹脂製パネル1の内装材として、仮に全体に発泡倍率の低い発泡体を用いたならば、所要の剛性は確保できるものの全体の重量が大きくなる点で好ましくない。そこで、本実施形態の内装材2では、補強が必要となる部分(例えば、剛性が最も低い部位)に発泡倍率の低い発泡部を適用し、それほど補強を必要としない部分に発泡倍率の高い発泡部を適用することで、全体の重量を抑制しつつ局所的に剛性を高めている点に特徴がある。
【0021】
図2に示す例では、樹脂製パネル1の短辺側側壁面1dの近傍において補強が必要となる場合が想定されている。そのため、短辺側側壁面1dの近傍に対応する発泡部21及び発泡部23の発泡倍率を相対的に低くし、発泡部21と発泡部23の間にある発泡部22の発泡倍率を相対的に高くしている。
なお、本実施形態において、発泡部22は、内装材2の第1の発泡領域の一例である。発泡部21,23は、内装材2の第2の発泡領域の一例であり、内装材2の周縁に沿って部分的に形成されている。
【0022】
図2に例示するように、発泡倍率の異なる2以上の発泡部によって内装材2を構成する場合に、各発泡部の発泡倍率は特に限定するものではないが、例えば、相対的に高い発泡倍率が30〜40倍であり、相対的に低い発泡倍率が10〜20倍である。なお、発泡倍率とは、発泡前の混合樹脂の密度を、発泡後の発泡樹脂の見かけ密度で割った値である。
【0023】
表皮材シートS及び発泡部21〜23は、剛性及び強度を増加させる目的で、ガラスフィラーを混入した樹脂材料を用いて成形するようにしてもよい。
ガラスフィラーとしては、ガラス繊維、ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスパウダー、ミルドガラスなどが挙げられる。ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラスなどが挙げられる。
なお、ガラスフィラーに限らず、剛性を上げるためのタルク、炭酸カルシウム、珪灰石(Wollastonite)、マグネシウム系材料等の無機フィラー、カーボンファイバー等を混入させてもよい。
【0024】
(2)内装材2の組立方法
図3を参照して内装材2を組み立てる方法について説明する。
図3は、複数の発泡部によって実施形態の内装材2を形成する方法を説明する図であり、一例として、発泡部21と発泡部22を連結する方法を示している。
本実施形態の内装材2を組み立てるには、先ず、低発泡倍率の発泡部21,23と高発泡倍率の発泡部22とをそれぞれ別々に成形する。
図3(a)に示す例では、発泡部21と発泡部22の境界となる端部は、U字状の溝とU字状の突起となっている。発泡部21〜23を成形した後は、
図3(b)に示すように、発泡部21と発泡部22の端部においてU字状の溝とU字状の突起を係合させることで発泡部21と発泡部22を連結させる。図示していないが、発泡部22と発泡部23についても各発泡部の端部においてU字状の溝とU字状の突起を係合させることで発泡部22と発泡部22を連結させる。
図3(b)において連結領域Hは、低発泡倍率の発泡部と高発泡倍率の発泡部が混在した領域を示している。
なお、発泡部21〜23は、例えばビーズ法型内発泡成形法によって成形される。ビーズ法型内発泡成形法による成形例については、例えば特開2014−128938号公報を参照されたい。
【0025】
(3)樹脂製パネル1の成形方法
次に、
図4及び
図5を参照して、実施形態の樹脂製パネル1を、金型を用いて成形する方法について説明する。
図4及び
図5はそれぞれ、本実施形態の樹脂製パネル1の表皮材シートSを成形する工程を説明する図である。
【0026】
図4を参照すると、型締装置70は、押出装置(図示せず)から鉛直下方に押し出された溶融樹脂シートP,Pに対して略直交する方向に、開位置と閉位置との間で移動させられる一対の分割金型71A,71Bを有する。一対の分割金型71A,71Bは、各々に対応する形成面72A,72Bを対向させた状態で配置される。形成面72Aは、内装材2のおもて面と裏面に対応した形状となっている。
【0027】
一対の分割金型71A,71Bの各々において、各々に対応する形成面72A,72Bの上下端近傍には、ピンチオフ部74A,74Bが形成されている。このピンチオフ部74A,74Bはそれぞれ、形成面72A,72Bのまわりに環状に形成され、対向する分割金型71B,71Aに向かって突出する。これにより、一対の分割金型71A,71Bを型締する際、それぞれのピンチオフ部74A,74Bの先端部が当接し、溶融樹脂シートP,Pの周縁にパーティングラインが形成されるようになっている。
【0028】
一対の分割金型71A,71Bには、形成面72A,72Bの周囲において、形成面72A,72Bから突出可能に摺動部75A,75Bが設けられている。摺動部75A,75Bは、形成面72A,72Bから突出した状態において、その端面を溶融樹脂シートP,Pに接触させ、それによって溶融樹脂シートP,Pと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間に密閉空間を形成するために設けられている。
【0029】
一対の分割金型71A,71Bには、真空チャンバ(図示せず)が内蔵されている。真空チャンバは、真空ポンプ及び真空タンク(いずれも図示せず)と接続されている。真空チャンバと形成面72A,72Bの間には、真空吸引のための連通路(図示せず)が設けられている。
【0030】
一対の分割金型71A,71Bは、金型駆動装置(図示せず)によって、開位置と閉位置の間を移動可能となるように駆動される。開位置では、一対の分割金型71A,71Bの間に、2枚の連続した溶融樹脂シートP,Pが、互いに間隔を隔てて配置可能となっている。2枚の溶融樹脂シートP,Pは、成形後に、樹脂製パネル1における表皮材シートSとなる。閉位置では、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bが当接する。
【0031】
次に、樹脂製パネル1の成形方法について説明する。
先ず、
図4に示したように、押出装置から溶融樹脂シートP,Pが鉛直下方に押し出され、一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bの間に供給される。この時点で、一対の分割金型71A,71Bは開位置にある。
【0032】
次に、形成面72A,72Bの周囲にある摺動部75A,75Bを突出させて、その端面を溶融樹脂シートP,Pに接触させる。これにより、溶融樹脂シートP,Pと一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bとの間に密閉空間が形成される。そして、真空チャンバと形成面72A,72Bの間に設けられた連通路によって、密閉空間内の空気を吸引する。この吸引により、2枚の溶融樹脂シートP,Pがそれぞれ、一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させられ、
図5に示すように、形成面72A,72Bに沿った形状、すなわち、樹脂製パネル1の略外形に賦形(形成)される。
【0033】
次に、マニピュレータ(図示せず)を用いて一対の分割金型71A,71Bの間で、上述したようにして組み立てた内装材2を位置決めし、
図5に示すように、側方より一方の分割金型(
図5では、分割金型71B)に押し付けるようにして挿入する。これにより、内装材2が一方の溶融樹脂シートPに溶着される。
【0034】
その後、一対の分割金型71A,71Bを開位置から閉位置まで移動させて、型締する。これにより、一方の溶融樹脂シートP(図面右側)に対して溶着されていた内装材2は、他方の溶融樹脂シートP(図面左側)に対しても溶着される。さらに、一対の分割金型71A,71Bのピンチオフ部74A,74Bにおいて、一対の溶融樹脂シートP,Pの周縁が溶着させられ、パーティングラインPLが形成される。
【0035】
最後に、一対の分割金型71A,71Bを再び開位置に移動させ、成形した樹脂製パネル1を形成面72A,72Bから離間させ、パーティングラインPLまわりに形成されたバリを、カッター等で切断して除去する。以上で、内装材2を表皮材シートSで覆った構造の樹脂製パネル1が完成する。
なお、上述した樹脂製パネル1の成形方法では、吸引により溶融樹脂シートPを一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させる場合について説明したが、その限りではない。溶融樹脂シートPに空気等の流体を吹き付けることによって溶融樹脂シートPを一対の分割金型71A,71Bの形成面72A,72Bに押圧させるようにしてもよい(ブロー成形)。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の樹脂製パネル1によれば、低発泡倍率の発泡部と高発泡倍率の発泡部を組み合わせて内装材2を構成したため、低発泡倍率の発泡部によって局所的な剛性を確保しつつ全体の重量を抑制することが可能となる。
【0037】
図6に、本実施形態の樹脂製パネル1の使用例を示す。
図6では、複数の発泡部の連結状態がわかるように、樹脂製パネル1から表皮材シートSを取り除いた状態(つまり、内装材2)により示している。
図6では、樹脂製パネル1が台STに載置して使用されるが、台STに接触する樹脂製パネル1の面積が狭い場合の使用例が想定されている。このような使用例において、仮に補強材(リインフォース)を内装材の短辺側側壁面2dに沿って組み込もうとしても、樹脂製パネルを効果的に補強することができない。その理由は、補強材の端が表皮材シートSに近くなり過ぎると表皮材シートSを破損させる虞があることから、補強材の両端を内装材の長辺側側壁面2cまで配置させることができないためである。
それに対して本実施形態の樹脂製パネル1の内装材2は、比較的剛性の高い低発泡倍率の発泡部21,23が短辺側側壁面2dの全域に亘って形成されているため、台STに接触する樹脂製パネル1の面積が狭い場合であっても、樹脂製パネル1を局所的に補強することが可能となる。
【0038】
(4)樹脂製パネルの変形例
次に、
図7〜12を参照して、変形例に係る樹脂製パネルについて説明する。
図7〜12はそれぞれ、実施形態の変形例に係る樹脂製パネルに内装されている内装材を示す図である。各図では、複数の発泡部の係合状態がわかるように、樹脂製パネルから表皮材シートを取り除いた状態(つまり、内装材)により示している。
【0039】
(4−1)第1の変形例
図7(a)は、第1の変形例に係る内装材2Aと、内装材2Aが載置される台STの平面図である。
図7(b),
図7(c)は、それぞれ、
図7(a)のA―A断面の例を示している。
図7(a)に示すように、第1の変形例に係る内装材2Aは、内装材2と同様に、低発泡倍率の発泡部21A,23Aと高発泡倍率の発泡部22Aとを連結して形成されている。第1の変形例に係る内装材2Aは、
図7(b)と
図7(c)にそれぞれ例示するように、内装材2Aの断面は一様ではないため、断面形状が一様な汎用的な補強材を使用することができない。特に
図7(c)の場合、内装材2Aの端部が薄肉となっているため、補強材を使用することが尚更困難である。
しかし第1の変形例に係る内装材2Aでは、比較的剛性の高い低発泡倍率の発泡部21A,23Aを含むため、補強材を使用せずとも内装材2Aの剛性を局所的に高くすることができる。
また、
図7(b)に示すように中央に凹みを持たせた構造の樹脂製パネルが車両のリヤパーセルシェルフに用いられる場合、車両の後面衝突時の乗員保護のために、当該凹みにおいて座屈すること(つまり、衝撃吸収効果を持たせること)がもとめられる。ここで仮に、発泡部21A,23Aに代えて汎用的な補強材(リインフォース)を用いた場合には、衝突時に補強材が適切に折れず、乗員保護のために好ましくない事態が生じうる。それに対して本変形例では、中央の凹みにおいて座屈させやすいため、局所的な剛性を確保しつつ衝撃吸収効果を発揮させやすいという利点がある。
【0040】
(4−2)第2の変形例
図8は、第2の変形例に係る内装材2Bと、内装材2Bが載置される台STの平面図である。
図8に示すように、第2の変形例に係る内装材2Bは、左右端において台STに載置されており、低発泡倍率の発泡部21Bと高発泡倍率の発泡部22Bとを連結して形成されている。内装材2Bの発泡部21Bは、図面における下側において、左右端に亘って全体的な湾曲した形状となっている。このような湾曲した形状の場合には、厚みが一様であったとしても断面形状が一様な汎用的な補強材を使用することができない。しかし第2の変形例に係る内装材2Bでは、発泡部21Bの発泡倍率を低くしているため、補強材を使用せずとも湾曲した形状部分の剛性を局所的に高くすることができる。
【0041】
(4−3)第3の変形例
図9は、第3の変形例に係る内装材2Cと、内装材2Cが載置される台STの平面図である。
図9に示すように、第3の変形例に係る内装材2Bは、左右端において台STに載置されており、低発泡倍率の発泡部21Cと高発泡倍率の発泡部22Cとを連結して形成されている。内装材2Cの発泡部21Cには取っ手21Chが取り付けられているため、発泡部21Cの断面形状は一様となっていないことから、断面形状が一様な汎用的な補強材を使用することができない。しかし第3の変形例に係る内装材2Cでは、発泡部21Cの発泡倍率を低くしているため、取っ手21Chを設けた場合でも内装材2Cの剛性を局所的に高くすることができる。
【0042】
(4−4)第4の変形例
図10は、第4の変形例に係る内装材2Dと、内装材2Dが載置される台STの平面図である。
上述した実施形態の内装材2や、上記第1〜第3の変形例に係る内装材2A〜2Cでは、剛性の高い低発泡倍率の発泡部を内装材の周縁に沿って配置した場合について説明したが、その場合に限られない。第4の変形例では、低発泡倍率の発泡部は、内装材の周縁の一部分から他の部分へ横切るようにして形成されている。
図10に示す第4の変形例に係る内装材2Dは、周縁の全体に亘って台STに載置されている。内装材2Dでは、高発泡倍率の発泡部21D,23Dと低発泡倍率の発泡部22Dとを連結して形成されている。剛性の高い低発泡倍率の発泡部22Dは、内装材2Dの中央部分において、対向する一対の長辺側側壁面2cの間に形成されている。
【0043】
(4−5)第5の変形例
図11(a)は、第5の変形例に係る内装材2Eと、内装材2Eが載置される台STの平面図である。
図11(b)は、
図11(a)のB−B拡大断面図である。
上述した実施形態の内装材2や、上記第1〜第4の変形例に係る内装材2A〜2Dでは、補強材に代えて低発泡倍率の発泡部を適用する場合について説明したが、低発泡倍率の発泡部に加えて補強材を使用することもできる。第5の変形例に係る内装材2Eでは、第4の変形例に係る内装材2Dに対して、対向する一対の短辺側側壁面2dの間に補強材3を配置した点が異なる。
図11(b)に示すように、補強材3は断面H形状のリインフォースである。補強材3を配置したことに伴って、内装材2Eは、高発泡倍率の発泡部21E,22E,23E,24Eと低発泡倍率の発泡部25E,26Eとを連結して形成されている。発泡部25Eが補強材3の一方から嵌合し、発泡部26Eが補強材3の他方から嵌合している。
【0044】
(4−6)第6の変形例
図12は、第6の変形例に係る内装材2Fの斜視図である。
図12に示す内装材2Fは、低発泡倍率の発泡部21F,23Fと高発泡倍率の発泡部22Fとを連結して形成されている。内装材2Fには、一対の長辺側側壁面2cの間を横断してヒンジHGが形成されている。
図12に示すように発泡部21F,23Fの少なくとも一部にヒンジHGが形成されている場合、仮に発泡部21F,23Fが設けられている位置に補強材を組み込もうとすると、ヒンジ機能を確保するために補強材の延伸方向の端部をヒンジHGから離間せざるを得ず、ヒンジHGの近傍を補強することが困難である。それに対して本変形例の内装材2Fは、ヒンジHGの近傍を比較的剛性の高い低発泡倍率の発泡部21F,23Fを適用しているため、ヒンジHGの近傍を補強することが可能である。
【0045】
(5)隣接する2つの発泡部の連結方法の変形例
上述した実施形態では、発泡部21と発泡部22の端部においてU字状の溝とU字状の突起を係合させることで発泡部21と発泡部22を連結させる連結方法を例示したが、発泡部同士の連結方法のその限りではない。
以下では、
図13〜18を参照して、内装材において隣接する2つの発泡部を連結する方法の変形例について説明する。
図13,14,16〜18はそれぞれ、第1の発泡部J1と第2の発泡部J2の連結方法を例示する斜視図である。
図13,14,16〜18の(a)は連結前の状態を示し、
図13,14,16〜18の(b)は連結後の状態を示す。
図13,14,16〜18の(b)では、発泡部間の連結領域Hを示している。
図15(a)は
図14に示す変形例の平面図である。
図15(b),(c)は、それぞれ
図15(a)のC−C,D−Dの拡大断面図である。
【0046】
(5−1)第1の変形例
図13に示す第1の変形例に連結方法は、台形状の溝と台形状の突起を係合させることで、第1の発泡部J1と第2の発泡部J2を連結する方法である。この連結方法では、第1の発泡部J1と第2の発泡部J2の台形状の溝と台形状の突起を上下方向で係合させることで両者を連結させる。本変形例の連結方法は、いったん係合した後は第1の発泡部J1と第2の発泡部J2の横方向の相対移動が規制される点で有効である。
【0047】
(5−2)第2の変形例
図14に示す第2の変形例に係る連結方法では、第1の発泡部J1に孔J1hと突起J1pが交互に形成されており、第2の発泡部J2に孔J2hと突起J2pが交互に形成されている。第1の発泡部J1の孔J1hと第2の発泡部J2の突起J2pが係合し、第1の発泡部J1の突起J1pと第2の発泡部J2の孔J2hが上下方向で係合することで、第1の発泡部J1と第2の発泡部J2が連結される。連結領域Hにおいて所望の板厚となるように、第1の発泡部J1と第2の発泡部J2の連結領域Hにおける板厚が設定されている。なお、各発泡部の孔及び突起の数は、任意に選択可能である。
【0048】
図15(b)及び
図15(c)に示すように、本変形例に係る連結方法では、連結領域Hにおいて、第1の発泡部J1と第2の発泡部J2の双方が、内装材のおもて面と裏面の間を最短距離で貫通する部分(貫通部分)を有する。この内装材に表皮材を成形するときには、当該貫通部分が、表皮材となる溶融樹脂シートに内装材のおもて面と裏面の双方で溶着することになるため、連結領域Hにおける第1の発泡部J1と第2の発泡部J2の連結力が高くなるという効果がある。
なお、上述した実施形態の連結方法(
図3)と第1の変形例に係る連結方法(
図13)についても、連結領域Hにおいて第1の発泡部J1と第2の発泡部J2の双方が内装材のおもて面と裏面の間を最短距離で貫通する部分を有するため、同様に連結力が高いという効果がある。
【0049】
(5−3)第3の変形例
図16に示す第3の変形例に係る連結方法では、第1の発泡部J1に突起J1pが形成されており、第2の発泡部J2に孔J2hが形成されている。第1の発泡部J1の突起J1pと第2の発泡部J2の孔J2hが係合することで、第1の発泡部J1と第2の発泡部J2が連結される。連結領域Hにおいて所望の板厚となるように、第1の発泡部J1と第2の発泡部J2の連結領域Hにおける板厚が設定されている。なお、第1の発泡部J1の突起J1pの数、及び、第2の発泡部J2の孔J2hの数は、任意に選択可能である。
【0050】
(5−4)第4の変形例
図17に示す第4の変形例に係る連結方法では、第1の発泡部J1と第2の発泡部J2の端部においてU字状の溝とU字状の突起が形成されている点は
図3に示した例と同じであるが、おもて側と裏側でU字状の溝とU字状の突起のパターンが相補的となっている点が
図3に示した例とは異なる。本変形例においても
図3と同様に、第1の発泡部J1と第1の発泡部J1のU字状の溝とU字状の突起が係合し、連結領域Hが設けられる。
【0051】
(5−5)第5の変形例
図18に示す第5の変形例に係る連結方法では、第2の変形例(
図14)及び第3の変形例(
図16)と比較して、孔及び突起がない点が異なる。この変形例では、第1の発泡部J1と第2の発泡部J2が相対移動しやすいため、第1の発泡部J1と第2の発泡部J2を接着剤で接着させることが好ましい。
【0052】
以上、本発明の実施形態とその変形例について詳細に説明したが、本発明の樹脂製パネル及び発泡体は上記実施形態とその変形例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
例えば、上述した実施形態及びその変形例では、2つの発泡部を連結することで発泡体としての内装材を形成しているが、その限りではない。1回の発泡成形工程において、異なる発泡倍率の発泡領域を同時に形成するようにしてもよい。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
【0054】
(1)実施例及び比較例に係る樹脂製パネルの作製
実施例に係る樹脂製パネルに内装されている内装材の形状(略長方体)及び構成を
図19に示す。
図19に示すように、発泡部J1〜J3を別々に発泡成形させた後に連結させて実施例に係る内装材を作製した。発泡部J2は、
図19に示すようにヒンジを設定した。発泡部J1,J2の連結部分、及び、発泡部J2,J3の連結部分には、U字状の溝及びU字状の突起を設定した。
比較例に係る樹脂製パネルに内装されている内装材の形状及び構成を
図20に示す。
図20に示すように、比較例の内装材の全体形状及びサイズは実施例の内装材と同じであるが、単一の発泡材で成形した点が実施例と異なる。
【0055】
実施例及び比較例に係る内装材には、ポリスチレン(PS)とポリエチレン(PE)を発泡成形させたもの(積水化成品工業株式会社のピオセラン(登録商標))を使用した。
実施例に係る内装材では、発泡部J1,J3の発泡倍率を15倍とし、発泡部J2の発泡倍率を30倍とした。
比較例1の内装材では、発泡倍率を30倍とした。
比較例2の内装材では、発泡倍率を20倍とした。
比較例3の内装材では、発泡倍率を15倍とした。
比較例4の内装材では、発泡倍率を30倍とした。
実施例及び比較例1〜4の内装材の板厚はいずれも19mmとした。
【0056】
比較例4の内装材では、補強材としてアルミニウム製の断面I型のリインフォース(断面二次モーメント:3400mm
4)を、
図20に破線で示す4箇所の位置において発泡材に嵌合させた。
【0057】
次いで、
図4及び
図5を参照して説明したように、表皮材シートとなる一対の溶融樹脂シートを一対の分割金型の間に垂下させて成形面に沿って成形し、作製した内装材を溶融樹脂シートに溶着させた。そして分割金型を型締めし、一対の溶融樹脂シートの周縁にパーティングラインを形成した。さらに、一対の分割金型を開位置に移動させ、成形した樹脂製パネル分割金型の形成面から離間させ、バリをカッターで除去することで樹脂製パネルを作製した。
ここで、表皮材シートとなる溶融樹脂には、ポリプロピレン(PP)とリニアポリエチレン(LLDPE)を混錬させたものを用い、シートの板厚は1.0mmとした。
実施例及び比較例に係る樹脂製パネルの厚さはいずれも21mmであった。
【0058】
(2)実施例及び比較例に係るサンプルの評価
実施例及び比較例1〜4に係る樹脂製パネルの剛性を評価した。
具体的には先ず、実施例及び比較例に係る樹脂製パネルを、
図19及び
図20に示すように、略長方体の樹脂製パネル1の1対の長辺側端部をそれぞれ台に載置させた。ここで、台と台の間のスパンLを500mm又は600mmとした。
次いで、
図19及び
図20のA点とB点を中心として60mm径の範囲に20kg,40kg,60kg,80kgの荷重を与え、変位を測定した。なお、A点は、
図19及び
図20においてヒンジよりも右側の領域の中心位置である。B点は、
図19及び
図20において、対向する一対の長辺側端部の中心あって、かつ右側の短辺側端部から左に40mmの位置である。
台と台の間のスパンLを500mmとして測定した結果を表1に示し、スパンLを600mmとして測定した結果を表2に示す。なお、スパンLを600mmとした場合には樹脂製パネルが破損する恐れがあったことから、荷重を40kgまでに制限した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
表1に示すように、台と台の間のスパンLを500mmとした場合、実施例の樹脂製パネルの中央のA点の変位は比較例1(発泡倍率:30倍)のそれに近く、端部近傍のB点の変位は比較例2(発泡倍率:20倍)のそれに近いことがわかる。ここで、
図19及び
図20に示したように樹脂製パネルを台に載置させた場合、樹脂製パネルの短辺側端部近傍(つまり、B点を含む領域)が構造上最も剛性が低くなりやすい領域であることから、実施例の樹脂製パネルでは、全体的に発泡倍率を20倍にするよりも軽量化しつつ、剛性が最も低い領域を、全体的に発泡倍率を20倍にしたものと同等とすることができたことになる。
また、A点とB点の変位差を比較した場合、実施例の樹脂製パネルでは、補強材を含む比較例4を除く比較例1〜3よりも変位差が全体的に小さいことから、端部を選択的に補強できていることがわかる。
【0062】
表2に示すように、台と台の間のスパンLを600mmとした場合も同様の結果となった。すなわち、実施例の樹脂製パネルの中央のA点の変位は比較例4(発泡倍率:30倍)のそれに近く、端部近傍のB点の変位は比較例(発泡倍率:20倍)のそれに近いことがわかる。また、A点とB点の変位差を比較した場合、実施例の樹脂製パネルでは、補強材を含む比較例4を除く比較例1〜3よりも変位差が全体的に小さいことがわかる。