【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る塗装ロボット同期方法は、以下に示すように、従来技術の欠点を克服するものである。
(a)ロボットアームは、塗装ストロークの定義に基づいて、互いに自動的に同期し、且つ、コンベアと自動的に同期する。この塗装ストロークの定義は、エンドユーザが既に理解しプログラムしているものである。
(b)ロボット動作またはコンベア移動の制御に係る追加のプログラミングを必要としない。
(c)ロボットアームは、物体に対して適切なTCP速度を維持し得る。また、ロボットアームは、コンベアが停止または減速したときに、予め指定された塗装ガンのオフ配置へ、塗装ストロークを継続することができる。
【0006】
本発明に係る方法は、コンベアに沿って移動する物体を処理する、複数のロボットマニピュレータによる塗装作業を同期する方法である。この方法は、
a.衝突のない最適な経路が記録され、ロボットマニピュレータの位置とコンベアの位置をともに含むマスターシーケンスを記録するステップを備え、
b.マスターシーケンスは、予め定められた同期ポイントにおいて、ロボットマニピュレータの位置とコンベアの位置を含み、
c.ランタイムソフトウェアは、現在の製造経路の動作とマスターシーケンスとを比較し、
d.動作計画に影響するランタイムソフトウェアは、マスターシーケンスと現在の経路との間の比較に基づいており、
e.ランタイムソフトウェアは、同期を容易とするために、必要に応じて、コンベアの停止を要求する。
【0007】
本発明に係る、領域内のロボットアームの間の同期は、以下のステップを通して達成される。
(a)ロボットプログラマーは、所望により動作する(例えば、衝突がなく、且つ、スプレーパターンが互いに重なり合ってしまう箇所もない)ように、セル内全ての装置をプログラムする。
(b)マスターシーケンスは、シミュレーションされたコンベアおよび部材検知信号を用い、且つ、全ての塗布器が無効としつつ、シミュレーションされた製造ジョブ
(「ゴーストジョブ」としても知られている)を実行することによって、生成される。または、マスターシーケンスは、オフラインのシミュレーションプログラムにおいてジョブを実行すること、または、製造ジョブを実行することによって、生成される。
(c)マスターシーケンスは、コンピュータプログラムに類似する、一連のプログラム命令を含む。これらプログラム命令は、ロボットによって実行されるべき動作を規定する。また、マスターシーケンスは、上記(b)にて述べたジョブを実行することから学習されたデータを含む。
(d)マスターシーケンスからのデータは、プロセスTPプログラムに格納される。
(e)シーケンスは、プロセスTPにて動作に対して変更がなされた場合、再生成される。
(f)Gun=ONおよび/またはGun=OFF命令は、「ストローク」を規定するために用いられる。ここで、Gun=ON命令は、同期ポイントを表している。
(g)Gun=ON/OFF命令は、同じTCP極端挙動(TCP extreme behavior)を有する(ドア、フード、トランクの)開放用ロボット、および塗装ロボットで、利用可能とされる。
(h)ロボットアームの各々において、Gun=ON命令に達したときに、マスターシーケンスデータに基づいて、決定がなされる。このマスターシーケンスデータは、それ自体が、ロボット世界の0に対する、コンベア上の物体のオフセットに基づいている。
(i)オフセットが許容値内である場合、ロボットは、動作の実行を継続し、且つ、コンベアも、移動を継続する。
(j)オフセットがマスターシーケンスに遅れている場合、ロボットは、オフセットが許容値内に達するまで待機し、そして、ロボットは、動作実行を再開する。
(k)オフセットがマスターシーケンスに先行している場合、オフセットが許容値内に達するまでコンベアを停止させるために、適切なデジタル出力が生成される。そして、コンベアに移動を再開させるべ
く、デジタル出力がクリアとされる。
(l)個々の許容値は、上述の「遅れ」および「先行」の場合において利用可能である。これら個々の許容値は、ユーザプログラム内からのフライ
(on the fly)上で変更され得る。
(m)本発明に係るアプローチは、顧客および/またはエンドユーザに、以下に示すような複数の利点をもたらす。
(n)コンベア速度の変動に起因した衝突のリスクを伴うことなく、同じ塗装用ブース、または同じ「スプレー領域」を用いて、ロボットをプログラムすることが可能となる。例えば、2つのフード塗装ロボットが、車体に亘って車体の中心線に至る全経路を塗装し、且つ、中央にて「互いに重複して塗装する」、または衝突することができないように、該ロボットをプログラムすることができる。
(o)複雑な移動ラインセルの妥当性を確認することが、大幅に簡単となる。複数のコンベア停止の発生を検証しようと試みることに反して、ロボットプログラマーは、ロボットがコンベア停止の後に稼働する時間の最悪なケースを考慮しさえすればよい。
(p)コンベア停止、またはコンベア速度の変動に関わらず、ロボットが常にブース内の同じ位置で車体を処理するので、製造をより反復可能とすることができる。
(q)異なるアーム間でロボット動作を「交互」させる必要性を無くすことによって、ブースサイズを小さくできる可能性がある。
【0008】
本発明に係る、領域内のロボットアームの間の同期は、以下のステップを通して達成される。
(a)ロボットプログラマーは、所望により動作する(例えば、衝突がなく、且つ、スプレーパターンが互いに重なり合ってしまう箇所もない)ように、セル内全ての装置をプログラムする。
(b)マスターシーケンスは、シミュレーションされたコンベアおよび部材検知信号を用い、且つ、全ての塗布器が無効としつつ、シミュレーションされた製造ジョブを実行することによって、生成される。または、マスターシーケンスは、オフラインのシミュレーションプログラムにおいてジョブを実行すること、または、製造ジョブを実行することによって、生成される。
(c)マスターシーケンスは、コンピュータプログラムに類似する、一連のプログラム命令を含む。これらプログラム命令は、ロボットによって実行されるべき動作を規定する。また、マスターシーケンスは、上記(b)にて述べたジョブを実行することから学習されたデータを含む。
(d)マスターシーケンスからのデータは、プロセスTPプログラムに格納される。
(e)シーケンスは、プロセスTPにて動作に対して変更がなされた場合、再生成される。
(f)Gun=ONおよび/またはGun=OFF命令は、「ストローク」を規定するために用いられる。ここで、Gun=ON命令は、同期ポイントを表している。
(g)Gun=ON/OFF命令は、同じTCP極端挙動(TCP extreme behavior)を有する(ドア、フード、トランクの)開放用ロボット、および塗装ロボットで、利用可能とされる。
(h)ロボットアームの各々において、Gun=ON命令に達したときに、マスターシーケンスデータに基づいて、決定がなされる。このマスターシーケンスデータは、それ自体が、ロボット世界の0に対する、コンベア上の物体のオフセットに基づいている。
(i)オフセットが許容値内である場合、ロボットは、動作の実行を継続し、且つ、コンベアも、移動を継続する。
(j)オフセットがマスターシーケンスに遅れている場合、ロボットは、オフセットが許容値内に達するまで待機し、そして、ロボットは、動作実行を再開する。
(k)オフセットがマスターシーケンスに先行している場合、オフセットが許容値内に達するまでコンベアを停止させるために、適切なデジタル出力が生成される。そして、コンベアに移動を再開させるべ、デジタル出力がクリアとされる。
(l)個々の許容値は、上述の「遅れ」および「先行」の場合において利用可能である。これら個々の許容値は、ユーザプログラム内からのフライ(fly)上で変更され得る。
(m)本発明に係るアプローチは、顧客および/またはエンドユーザに、以下に示すような複数の利点をもたらす。
(n)コンベア速度の変動に起因した衝突のリスクを伴うことなく、同じ塗装用ブース、または同じ「スプレー領域」を用いて、ロボットをプログラムすることが可能となる。例えば、2つのフード塗装ロボットが、車体に亘って車体の中心線に至る全経路を塗装し、且つ、中央にて「互いに重複して塗装する」、または衝突することができないように、該ロボットをプログラムすることができる。
(o)複雑な移動ラインセルの妥当性を確認することが、大幅に簡単となる。複数のコンベア停止の発生を検証しようと試みることに反して、ロボットプログラマーは、ロボットがコンベア停止の後に稼働する時間の最悪なケースを考慮しさえすればよい。
(p)コンベア停止、またはコンベア速度の変動に関わらず、ロボットが常にブース内の同じ位置で車体を処理するので、製造をより反復可能とすることができる。
(q)異なるアーム間でロボット動作を「交互」させる必要性を無くすことによって、ブースサイズを小さくできる可能性がある。
【0009】
本発明の、上述のおよび他の利点は、添付の図面を斟酌すれば、後述する好ましい実施形態の詳細な説明から、当業者に容易に明らかとなるであろう。