特許第6809817号(P6809817)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6809817
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】マンホール開口部のカバー部材
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/12 20060101AFI20201221BHJP
   A62B 99/00 20090101ALI20201221BHJP
【FI】
   E02D29/12 B
   A62B99/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-111452(P2016-111452)
(22)【出願日】2016年6月3日
(65)【公開番号】特開2017-218726(P2017-218726A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2019年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130362
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】浜口 祥治
【審査官】 亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−279615(JP,A)
【文献】 実開平03−025636(JP,U)
【文献】 実開昭62−094133(JP,U)
【文献】 特開平11−229416(JP,A)
【文献】 特開平11−131511(JP,A)
【文献】 特許第5850593(JP,B1)
【文献】 実開平04−057536(JP,U)
【文献】 実公昭44−013414(JP,Y1)
【文献】 米国特許第05941024(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/12−29/14
A62B 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホールの内径よりも小さい外径を有する筒状の本体部と、当該本体部の上端部に開閉可能に取り付けた開閉蓋とからなり、常時は前記マンホール内に収納されており、前記マンホールの開口部から蓋部材を取り外した状態で、前記マンホールから上方へ向かって突出させて、前記筒状の本体部及び前記開閉蓋により、前記マンホールの開口部の上方を閉塞した状態とするマンホール開口部のカバー部材であって、
前記マンホールの内壁面には、梯子及び支持突起を、当該梯子の最上部の上端面と当該支持突起の上端面が同一の高さとなるように設け、
前記本体部の下部には、前記梯子の上部を避けて前記本体部を前記マンホール内に収納するための梯子開口部と、前記マンホールの内壁面に設けた前記支持突起を避けて前記本体部を前記マンホール内に収納するための支持突起開口部とを設け、
前記カバー部材を、前記マンホール内に収容した状態から上方へ向かって引き出す際は、前記梯子開口部が前記梯子の位置から外れるとともに、前記支持突起開口部が前記支持突起の位置から外れるように水平方向に回転させると、前記カバー部材の下端部を前記梯子及び前記支持突起の上部に載置した状態となって、前記カバー部材が前記マンホールから突出した状態で、前記カバー部材が前記マンホールの開口部の上方を閉塞した状態となり、
前記カバー部材を、引き出された状態から前記マンホール内に収容する際は、前記梯子開口部と前記梯子の位置及び前記支持突起開口部と前記支持突起の位置が一致するように水平方向に回転させると、前記梯子開口部の上部が前記梯子に載置され、前記支持突起開口部の上部が前記支持突起に載置された状態で、前記カバー部材が前記マンホール内に収容された状態となる、
ことを特徴とするマンホール開口部のカバー部材。
【請求項2】
前記カバー部材は、少なくとも前記開閉蓋が透光性を有する部材により形成されており、前記本体部の少なくとも一部が着色されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のマンホール開口部のカバー部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンホール開口部のカバー部材に関し、詳しくは、マンホールの開口部を開放した際に、開口部に取り付けて閉塞するためのカバー部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンホール内で作業を行うには、蓋部材を取り外して開口部を開放する必要がある。この際、開口部が開放状態となっているため、第三者の落下等を防止するために、マンホールが開放されていることを告知する必要がある。例えば、開放されたマンホールの周囲に柵を設置することにより、第三者がマンホールに近づくことを防止するとともに、マンホールが開放されていることを告知している。
【0003】
また、特許文献1に記載された技術では、開放状態のマンホールから手摺り杆(掴み棒)が突出しているため、通行人等の第三者にマンホールが開放されていることを告知できるとしている。具体的には、マンホールの周壁に設置された上部の梯子本体の両側にそれぞれ縦方向に固定される一対の支持パイプと、これら支持パイプに縦杆部がそれぞれ摺動自在かつ回動自在に挿入されるとともに、縦杆部の上部を略U字状に折り返して手摺り枠が形成された一対の手摺り杆と、この手摺り杆の延出端部の間に着脱自在に掛け渡されて、延出端部同士を固定する固定部材とを備えている。そして、延出端部をマンホール上に上昇、回転させて、マンホールの周縁部に接地することにより、手摺り杆をマンホール外に設置することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−273886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された技術では、マンホールから手摺り杆(掴み棒)を突出させて、第三者にマンホールが開放されていることを告知しているが、手摺り杆(掴み棒)は棒状の部材であるため、第三者が手摺り杆(掴み棒)に気付かない場合もある。さらに、マンホールの開口部は開放されたままであり、柵等により進入及び落下を防止しているが、さらに、危険を回避するための工夫を施すことが望ましい。
【0006】
本発明は上述した事情に鑑み提案されたもので、マンホールが開放状態となった場合に、マンホールの開口部を閉塞して、通行人が落下する等の危険を回避することができるとともに、マンホールが開放状態となっていることを、通行人等に確実に報知することができるマンホール開口部のカバー部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るマンホール開口部のカバー部材は、上述した事情に鑑み提案されたもので、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明に係るマンホール開口部のカバー部材は、マンホールの内径よりも小さい外径を有する筒状の本体部と、当該本体部の上端部に開閉可能に取り付けた開閉蓋とからなり、常時はマンホール内に収納されており、マンホールの開口部から蓋部材を取り外した状態で、マンホールから上方へ向かって突出させて、筒状の本体部及び開閉蓋により、マンホールの開口部の上方を閉塞した状態とするようになっている。
【0008】
そして、マンホール内壁面には、梯子及び支持突起を、当該梯子の最上部の上端面と当該支持突起の上端面が同一の高さとなるように設け、本体部の下部には、梯子の上部を避けて本体部をマンホール内に収納するための梯子開口部と、マンホールの内壁面に設けた支持突起を避けて本体部をマンホール内に収納するための支持突起開口部とを設ける。また、カバー部材を、マンホール内に収容した状態から上方へ向かって引き出す際は、梯子開口部が梯子の位置から外れるとともに、支持突起開口部が支持突起の位置から外れるように水平方向に回転させると、カバー部材の下端部を梯子及び支持突起の上部に載置した状態となって、カバー部材がマンホールから突出した状態で、カバー部材がマンホールの開口部の上方を閉塞した状態となる。また、カバー部材を、引き出された状態からマンホール内に収容する際は、梯子開口部と梯子の位置が一致するとともに、支持突起開口部と支持突起の位置が一致するように水平方向に回転させると、梯子開口部の上部が梯子に載置され、支持突起開口部の上部が支持突起に載置された状態で、カバー部材がマンホール内に収容された状態となる。
【0009】
また、上述した構成からなるマンホール開口部のカバー部材において、カバー部材は、少なくとも開閉蓋が透光性を有する部材により形成されており、本体部の少なくとも一部が着色されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るマンホール開口部のカバー部材によれば、マンホールを開放状態とした際に、マンホール内からカバー部材を取り出して、マンホールの開口部を閉塞することにより、第三者が落下する等の危険を回避することができる。
【0011】
また、カバー部材の上部を、透光性を有する部材とすることにより、開口部にカバー部材を取り付けても、マンホール内の照度を保つことができる。また、カバー部材の側面を着色することにより、マンホールが開放状態となっていることを、通行人等に確実に報知することができる。
【0012】
さらに、カバー部材の上部に開閉蓋を設けることにより、マンホールの開口部にカバー部材を取り付けたまま、作業者がマンホール内へ出入したり、工具を出し入れしたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るマンホール開口部のカバー部材の概略斜視図。
図2】本発明の実施形態に係るマンホール開口部のカバー部材の平面図。
図3】本発明の実施形態に係るマンホール開口部のカバー部材の収納状態の説明図。
図4】本発明の実施形態に係るマンホール開口部のカバー部材の使用状態の説明図。
図5】マンホールの出入補助装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るマンホール開口部のカバー部材について説明する。図1図4は本発明の実施形態に係るマンホール開口部のカバー部材を説明するもので、図1はカバー部材の概略斜視図、図2はカバー部材の平面図、図3はカバー部材の収納状態の説明図、図4はカバー部材の使用状態の説明図である。また、図5はマンホールの出入補助装置の説明図である。
【0015】
<マンホール開口部のカバー部材の概要>
本発明の実施形態に係るマンホール開口部のカバー部材は、マンホールの開口部を開放状態とした際に、開口部を閉塞するとともに、第三者にマンホールの開口部が開口状態となっていることを報知するための部材である。
【0016】
<カバー部材>
マンホール200内で作業を行うには、蓋部材70を取り外して開口部を開放する必要がある。この際、開口部が開放状態となっているため、第三者の落下等を防止するために、マンホール200が開放されていることを告知する必要がある。例えば、開放されたマンホール200の周囲に柵を設置することにより、第三者がマンホール200に近づくことを防止するとともに、マンホール200が開放されていることを告知している。本実施形態のカバー部材100は、マンホール200の開口部が開放状態となっている場合に、開口部を閉塞して、第三者がマンホール200に落下する等の事故を未然に防止するとともに、マンホール200内への雨水等の浸入を最小限とするための部材である。
【0017】
本実施形態のカバー部材100は、図3及び図4に示すように、常時は、マンホール200内に収納されており、マンホール200の開口部から蓋部材70を取り外した状態で、マンホール200から上方へ向かって突出させて、マンホール200の開口部の上部を閉塞するようになっている。このカバー部材100は、図1図4に示すように、本体部110と開閉蓋120とからなる。本体部110はマンホール200の内径よりも若干小さい外径を有する筒状の部材であり、開閉蓋120は本体部110の上端部に開閉可能に取り付けた部材である。
【0018】
<本体部>
本体部110は、例えば、アルミ材により形成された筒状の部材であり、軽量化を図るために複数のパンチング孔を開口してある。また、図1及び図3に示すように、本体部110の下部には、梯子20の上部を避けて本体部110をマンホール200内に収納するための梯子開口部130と、マンホール200の内壁面に設けた支持突起140を避けて本体部110をマンホール200内に収納するための支持突起開口部150とを設けてある。なお、梯子20の最上部の上端面と支持突起140の上端面が同一の高さとなるように設定してあるため、梯子開口部130の上端面と支持開口部150の上端面も同一の高さとなっている。
【0019】
また、本体部110の下部内周面には、本体部110を操作するための操作取っ手170を取り付けてある。また、マンホール200の開口部にカバー部材100を取り付けていることを報知するために、本体部110の外周面はアクリル塗料等で着色してある。塗装色は特に限定されないが、第三者に注意を喚起するため、黄色、赤色、蛍光色等であることが好ましい。また、着色に代えて、あるいは着色とともに反射部材を取り付けてもよい。
【0020】
<開閉蓋>
開閉蓋120は、図1及び図2に示すように、本体部110の上端開放面を開閉するための板状の部材からなり、蝶番を用いて本体部110に開閉可能に取り付けてある。この開閉蓋120は、例えば透光性を有するアクリル樹脂により形成されている。このように、カバー部材100の上面(開閉蓋120)が透光性を有しているため、マンホール200内の照度を保つことができる。また、開閉蓋120の上面には、開閉蓋120を操作するための取っ手160を取り付けてある。
【0021】
<カバー部材の着脱>
マンホール200の開口部を開放状態としたら、図4に示すように、マンホール200内に収容したカバー部材100を引き出し、カバー部材100を水平方向に回転させる。カバー部材100の回転角度は、梯子開口部130が梯子20の位置から外れるとともに、支持突起開口部150が支持突起140の位置から外れる角度である。この状態では、カバー部材100の下端部を梯子20及び支持突起140の上部に載置した状態となるので、カバー部材100がマンホール200から突出した状態で、マンホール200の開口部の上部を閉塞することができる。
【0022】
そして、開閉蓋120を開状態とすることにより、作業者がマンホール200内へ出入したり、工具を出し入れしたりすることができる。また、開閉蓋120を閉状態とすることにより、マンホール200の開口部を閉塞して、雨水等の侵入を最小限とすることができる。カバー部材100の側面(本体部110)は着色されているので、マンホール200が開放状態となっていることを、通行人等に確実に報知することができる。
【0023】
マンホール200内での作業が終了したら、梯子開口部130が梯子20の位置となり、支持突起開口部150が支持突起140の位置となるようにカバー部材100を回転させて、カバー部材100をマンホール200内に収納する。この状態では、図3及び図5に示すように、梯子開口部130の上部が梯子20に載置され、支持突起開口部150の上部が支持突起140に載置される。
【0024】
<カバー部材の作用効果>
カバー部材100を設けることにより、マンホール200を開放状態とした際に、マンホール200内からカバー部材100を取り出して、マンホール200の開口部を閉塞し、通行人等の落下を防止することができる。
【0025】
また、カバー部材100の上部を、透光性を有する部材とすることにより、開口部にカバー部材100を取り付けても、マンホール200内の照度を保つことができる。また、カバー部材100の側面を着色することにより、マンホール200が開放状態となっていることを、通行人等に確実に報知することができる。さらに、カバー部材100の上部に開閉蓋120を設けることにより、マンホール200の開口部にカバー部材100を取り付けたまま、作業者がマンホール200内へ出入したり、工具を出し入れしたりすることができる。
【0026】
<マンホールの出入補助装置>
マンホール200は、作業者等が点検や種々の作業のために出入りする縦穴である。このため、マンホール200への出入補助のために種々の装置を設けてある。本実施形態のマンホール200には、図5に示すように、掴み棒10や梯子20等の出入補助装置が設けてある。具体的には、マンホールの出入補助装置として、掴み棒10と、梯子20の上部付近に設置され、掴み棒10を収容する収納部30と、収納部30の底部に設置され、掴み棒10を上方へ向かって押し出す押出部材40と、収納部30の近傍に設置され、掴み棒10をマンホール200から突出した状態で固定する固定部50と、掴み棒10をマンホール200内に繋ぎ止める繋留部材60とを備えている。
【0027】
<掴み棒>
掴み棒10は、図5に示すように、マンホール200内に設置した複数段の梯子20の上方に設置することにより、マンホール200に出入する作業者の手掛けとなる部材である。そして、マンホール200内にカバー部材100を収納した状態では、掴み棒10の上端部が開閉蓋120の下面に突き当たり、掴み棒10が梯子20の上部付近に設置された収納部30内に収納されている。そして、図4に示すように、マンホール200内から上方へ向かってカバー部材100を取り出すと、掴み棒10が収納部30に設けた押出部材40の押出力により収納部30内から突出して、作業者が手に取ることができる。
【0028】
この掴み棒10は、角筒状の棒材からなり、下端部は先細り状となっている。掴み棒10の長さは、マンホール200内にカバー部材100を収納した状態で収納部30内に収納されるとともに、マンホール200内から上方へ向かってカバー部材を取り出した状態で、マンホール200から上端部が突出するように設定されている。なお、掴み棒10の形状は角筒状に限られず、円筒状等であってもよい。
【0029】
<収納部/押出部材>
収納部30は、図5に示すように、掴み棒10を収納するための部材であり、掴み棒10の外径よりも若干大きな内径を有する筒状の部材からなり、底部は閉塞されている。また、収納部30内には、掴み棒10を上方へ向かって押し出す押出部材40を設置してある。押出部材40は、例えば、弦巻バネからなり、その押出力により、掴み棒10を上方へ向かって押し出すことができる。押出部材40による掴み棒10の押出量は、掴み棒10の上端部がマンホール200内から若干突出する程度であり、掴み棒10の長さや重量により、適宜な押出力を設定する。また、押出部材40は弦巻バネに限られず、掴み棒10を収納部30内から押し出すことが可能な他の部材を用いることができる。
【0030】
<固定部>
固定部50は、図5に示すように、収納部30の近傍に設置され、収納部30から取り出した掴み棒10をマンホール200から突出した状態で固定するための部材である。この固定部50は、掴み棒10の外径よりも若干大きな内径を有する筒状の部材からなり、掴み棒10の下端部を支持する支持部51を設けてある。固定部50の深さ(上端開放面から支持部51までの深さ)は、掴み棒10がマンホール200内から適宜長さだけ突出するように設定してある。掴み棒10の突出長さは、梯子20を昇降する作業者が手がかりとして使用できるとともに、マンホール200から突出しても邪魔にならないように設定する。
【0031】
<繋留部材>
掴み棒10と固定部50との間には、掴み棒10をマンホール200内に繋ぎ止めるための繋留部材60を設けてある。この繋留部材60は、図5に示すように、例えば、チェーンからなり、掴み棒10を収納部30と固定部50との間で移動させる際に、万が一、作業者の手から掴み棒10が離れ、あるいは収納部30や固定部50から掴み棒10が外れたとしても、掴み棒10がマンホール200内に落下することを防止するようになっている。掴み棒10はチェーンに限られず、掴み棒10をマンホール200内に繋ぎ止めることができるとともに、掴み棒10の着脱を阻害しなければ、どのような部材を用いてもよい。
【0032】
<掴み棒の着脱>
図5に示すように、マンホール200内にカバー部材100を収納した状態では、掴み棒10が押出部材40の押出力に抗して収納部30内に収納されている。そして、図4に示すように、作業者がマンホール200内で作業を行うために、マンホール200内から上方へ向かってカバー部材100を取り出すと、掴み棒10が押出部材40の押出力により収納部30内から突出する。次いで、作業者は収納部30から突出した掴み棒10の上端部を持って収納部30から引き出し、固定部50に差し替える。掴み棒10を固定部50に固定したら、作業者は掴み棒10に手を掛けながら梯子20に足を掛けて、マンホール200内に入る。
【0033】
また、マンホール200内での作業が終了したら、固定部50に固定した掴み棒10を収納部30へ移動させ、押出部材40の押出力に抗して掴み棒10を収納部30内に収納し、マンホール200内にカバー部材100を収納する。掴み棒10を着脱する際に、繋留部材60により掴み棒10が固定部50に繋ぎ止められているため、万が一、作業者の手から掴み棒10が離れ、あるいは収納部30や固定部50から掴み棒10が外れたとしても、掴み棒10がマンホール200内に落下することはない。
【符号の説明】
【0034】
100 カバー部材
110 本体部
120 開閉蓋
130 梯子開口部
140 支持突起
150 支持突起開口部
160 取っ手
170 操作取っ手
200 マンホール
10 掴み棒
20 梯子
30 収納部
40 押出部材
50 固定部
51 支持部
60 繋留部材
70 蓋部材
図1
図2
図3
図4
図5