(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
図1乃至
図3には、実施形態1の足場支持部材1が示されている。足場支持部材1は、軒に沿って並ぶ複数条の溝部20を備える折板屋根2上に、着脱自在に設置されて、足場を形成するためのパイプ3と組み合わせて用いられる。各図において、矢印D1で示す方向が軒に沿う軒方向であり、矢印D2で示す方向が軒棟方向(屋根の勾配方向)であり、軒方向及び軒棟方向に直交する矢印D3で示す方向が上下方向である。この上下方向は、鉛直方向に対して屋根の勾配だけ傾いた方向である。
【0013】
足場支持部材1は、複数条の溝部20のうちの1つの溝部20に着脱自在に嵌まるベース部4と、ベース部4の上面に、上方に突出するように設けられたクランプ部5とを備える。
【0014】
折板屋根2は、1つの溝部20を備える断面略U字状の折板21が、軒に沿って複数接続された金属製の屋根である。複数の折板21のそれぞれは、軒棟方向を長手方向とする屋根材である。複数の折板21のそれぞれは、厚みが1.0mm程度の塗装鋼板や亜鉛めっき鋼板などの金属板を折り曲げ加工して形成される。複数の折板21のそれぞれには、1つの溝部20が長手方向に亘って設けられている。複数の折板21のそれぞれは、溝部20の底面を構成する底壁部210と、溝部20の一対の側面を構成する一対の側壁部211と、一方の側壁部211と連続する第一端縁部212と、他方の側壁部211と連続する第二端縁部213を有する。複数の折板21のそれぞれは、その軒方向の長さが、例えば、500mm程度である。
【0015】
隣接する2つの折板21は、一方の折板21の第一端縁部212と他方の折板21の第二端縁部213とが、母屋等の屋根下地22上に固定されたタイトフレーム23に取り付けられた吊り子24の一部を巻き込むように、ハゼ締めされることで連結される。したがって、折板屋根2は、山部分にハゼ締め構造を備える。折板21を屋根下地22に取り付ける吊り子24は、折板21の端縁部212,213によって覆われて露出しない。
【0016】
パイプ3は、仮設足場用の単管パイプであり、周知の単管パイプが採用可能である。パイプ3の長さは、適宜選択可能である。
【0017】
続いて、足場支持部材1の各構成について、詳しく説明する。
【0018】
ベース部4は、1つの溝部20の長手方向の一部に嵌まり込むように構成されている。言い換えると、ベース部4は、隣接する2つの溝部20を跨ぐように構成されていない。ベース部4は、溝部20に嵌まるブロック状の本体部40と、本体部40上に設けられ、クランプ部5が一体に設けられた上板部41とを有する。
【0019】
本体部40は、例えば、発泡スチロール製である。発泡スチロールは、例えば、発泡倍率が40倍程度で、80℃程度の耐熱性能を有するものである。なお、本体部40は、折板屋根2の表面(上面)に疵を付けにくい材質であればよく、発泡スチロール以外の他の材質でもよい。上板部41は、本体部40よりも硬質な板体であって、例えば、木質板や金属板や樹脂板である。上板部41は、本体部40の上面と一体である。
【0020】
ブロック状の本体部40は、本実施形態では、底面400と、周方向に並ぶ第一側面401、第二側面402、第三側面403及び第四側面404を有する。第一側面401と第三側面403は、互いに逆方向を向く面であり、第二側面402と第四側面404は、互いに逆方向を向く面である。
【0021】
本体部40は、所定の第一姿勢にあるときに、第一側面401と第三側面403が、溝部20の一対の側面(側壁部211)に当たるように設けられている。加えて、本体部40は、第一姿勢に対して平面視において90度回転した第二姿勢にあるときに、第二側面402と第四側面404が、溝部20の一対の側面(側壁部211)に当たるように設けられている。さらに、本体部40は、第一姿勢と第二姿勢のそれぞれの姿勢にあるときに、底面400が溝部20の底面(底壁部210)に当たるように設けられている。
【0022】
本体部40は、溝部20の深さ(溝部20の上下長さ)よりも上下方向に少し長い。そのため、本体部40は、その下側の部分が、溝部20に嵌まり、その上端部が、溝部20よりも上方に位置する。
【0023】
本体部40は、溝部20に嵌まる部分が、上側ほど断面積の大きい四角錐台状であり、溝部20から上方に突出する部分が、正方形の板状である。そのため、側面401,402,403,404のそれぞれは、溝部20の側面(側壁部211)に沿うように傾斜した傾斜面部と、傾斜面部の上縁から上方に延びた鉛直面部とを有する。
【0024】
本体部40は、溝部20に嵌まった状態で、底面400の全体が、溝部20の底面(底壁部210)に当たり、側面401,403あるいは側面402,404の傾斜面部の全体が溝部20の一対の側面(側壁部211)に当たって、溝部20に対して面接触する。本体部40が溝部20に嵌まった状態で、上板部41は、各折板21の端縁部212,213(つまりハゼ締め構造)よりも若干上方に位置する。
【0025】
上板部41は、正方形の板状である。上板部41には、クランプ部5をスライド自在に支持する長溝410が設けられている。長溝410は、本実施形態では、上板部41の端辺の1つに対して平行である。
【0026】
クランプ部5は、足場を形成するためのパイプ3を折板屋根2から離れた位置に把持するように構成されている。本実施形態では、クランプ部5は、略半円状の受け面を有する第一部分50と、略半円状の受け面を有する第二部分51と、第一部分50から下方に延びた軸部52と、第一部分50と第二部分51を、パイプ3を挟み込む位置に固定する固定部53とを有する。第二部分51は、第一部分50に回転自在に接続されており、パイプ3を挟み込む閉位置と、パイプ3から離れる開位置との間で移動自在である。第二部分51は、閉位置にある状態で、固定部53によって位置が固定される。第一部分50と、閉位置にあるときの第二部分51とは、略リング状をなす。
【0027】
クランプ部5は、パイプ3を、上板部41の端辺の1つに対して平行に把持するように設けられている。クランプ部5の開口方向は、上板部41の長溝410の長手方向と平行である。クランプ部5は、軸部52が、上板部41の長溝410に、スライド自在に取り付けられている。
【0028】
足場支持部材1は、第一姿勢にあるときに、クランプ部5の開口方向が軒方向に対して平行となり、第二姿勢にあるときに、クランプ部5の開口方向が軒棟方向に対して平行となる。
【0029】
続いて、上述した足場支持部材1を複数備えた折板屋根2上の足場構造について説明する。
【0030】
図4には、折板屋根2上の足場構造の第一例が示されている。
【0031】
第一例の足場構造は、軒方向に沿うように二列に配された複数の第一姿勢の足場支持部材1と、軒側の列の複数の足場支持部材1に把持されたパイプ3と、棟側の列の複数の足場支持部材1に把持されたパイプ3と、この2本のパイプ3に架け渡された複数の足場板6とを備える。
【0032】
本実施形態では、折板屋根2のうちの所定の範囲にある複数の溝部20の全てに、軒棟方向に距離をおいて一対の足場支持部材1が設置されている。
【0033】
軒側の列の複数の足場支持部材1によって把持されたパイプ3と、棟側の列の複数の足場支持部材1によって把持されたパイプ3とは、互いに平行であり、軒方向に対して平行である。各足場支持部材1におけるクランプ部5の位置は、パイプ3の長さや配置に合わせてスライドさせることで、適宜選択可能である。
【0034】
軒側のパイプ3と棟側のパイプ3に架け渡される複数の足場板6のそれぞれは、長方形状の板部60と、板部60の長手方向の一端部に設けられた一対の引っ掛け部61と、板部60の長手方向の他端部に設けられた一対の引っ掛け部61とを有する。複数の足場板6のそれぞれは、長手方向の一端部の一対の引っ掛け部61を、棟側のパイプ3に引っ掛け、長手方向の他端部の一対の引っ掛け部61を、軒側のパイプ3に引っ掛けることで、一対のパイプ3間に架け渡される。複数の足場板6のそれぞれは、一対の引っ掛け部61が各足場支持部材1のクランプ部5に重ならないように、一対のパイプ3間に架け渡される。
【0035】
以上説明した第一例の足場構造では、折板屋根2上に、複数の足場板6によって、ある程度の広さを有するフラットな足場が形成され、この足場には、例えば、サンドイッチパネル等の建築用資材を仮置きすることができる。
【0036】
続いて、
図5に示す、折板屋根2上の足場構造の第二例について説明する。
【0037】
第二例の足場構造は、軒棟方向に沿うように二列に配された複数の第二姿勢の足場支持部材1と、一方の列の複数の足場支持部材1に把持されたパイプ3と、他方の列の複数の足場支持部材1に把持されたパイプ3と、この2本のパイプ3に架け渡された複数の足場板6とを備える。
【0038】
本実施形態では、折板屋根2の複数条の溝部20のうち、軒方向に距離をおいた2つの溝部20のそれぞれに、複数の足場支持部材1が、一直線状に設置されている。本実施形態では、軒方向に並んだ4つの溝部20のうちの両端の溝部20のそれぞれに、複数の足場支持部材1が、一直線状に設置されている。
【0039】
一方の列の複数の足場支持部材1によって把持されたパイプ3と、他方の列の複数の足場支持部材1によって把持されたパイプ3とは、互いに平行であり、軒棟方向に対して平行である。各足場支持部材1におけるクランプ部5の位置は、パイプ3の長さや配置に合わせてスライド移動させることで、適宜選択可能である。
【0040】
2本のパイプ3に架け渡される複数の足場板6のそれぞれは、第一例の足場板6と同様のものである。複数の足場板6のそれぞれは、長手方向の一端部の一対の引っ掛け部61を、一方のパイプ3に引っ掛け、長手方向の他端部の一対の引っ掛け部61を、他方のパイプ3に引っ掛けることで、一対のパイプ3間に架け渡される。
【0041】
以上説明した第二例の足場構造においても、折板屋根2上に、複数の足場板6によって、ある程度の広さを有するフラットな足場が形成され、この足場には、例えば、サンドイッチパネル等の建築用資材を仮置きすることができる。
【0042】
以上説明した、第一例及び第二例の足場構造では、パイプ3及び足場板6が、折板屋根2の山部分のハゼ締め構造との間に距離をおいた状態で設置される。そのため、第一例及び第二例の足場構造では、山部分にハゼ締め構造を備える折板屋根2であっても、パイプ3や足場板6の設置を安定的に行うことができる。
【0043】
また、第一例及び第二例の足場構造では、各足場支持部材1は、溝部20に嵌め込むだけで、折板屋根2上に設置することができ、従来例のように折板屋根をタイトフレームに固定するボルトに対して固定する必要がなくて、施工が容易である。
【0044】
また、第一例及び第二例の足場構造では、各足場支持部材1が、面接触により折板屋根2に接触するため、折板屋根2に局所的な力がかかりにくく、折板屋根2の破損や変形を抑制できる。さらに、第一例及び第二例の足場構造では、複数の足場支持部材1がパイプ3を介して連結されるため、足場板6にかかる荷重を複数の足場支持部材1で分散して受けることができ、これによっても、折板屋根2の破損や変形が生じにくい。
【0045】
また、本実施形態の足場支持部材1は、第一姿勢と第二姿勢の2つの姿勢で、折板屋根2の溝部20に嵌め込んで設置することができ、汎用性が高い。
【0046】
また、本実施形態の足場支持部材1は、ベース部4が、複数条の溝部20のうちの1つの溝部20に嵌まるように構成されており、2つの溝部20を跨いで嵌まるように構成されていない。そのため、本実施形態の足場支持部材1は、折板屋根2の山部分のハゼ締め構造が、足場支持部材1の設置の邪魔にならず、また、このハゼ締め部分が押し潰されたりすることも抑制できる。
【0047】
(変形例)
以上説明した本実施形態の足場支持部材1及び折板屋根2上の足場構造は、下記の変形例を採用可能である。
【0048】
ベース部4は、第一姿勢にあるときにのみ溝部20に嵌まり、第二姿勢にあるときには溝部20に嵌まらない形状でもよい。つまり、ベース部4は、
図6Aに示すように、例えば、第二側面402と第四側面404とが、互いに平行であり、上下方向に対して略平行でもよい。この場合も、ベース部4の軒棟方向に直交する断面の形状は、上側ほど断面積の大きい四角錐台状である。
【0049】
またこの場合、上板部41は、本体部40上に、平面視における向きが切り替え可能に設けられてもよい。例えば、上板部41は、本体部40上に、ピン等で着脱自在に固定されることで、平面視における向きが切り替え可能であってもよい。この場合、上板部41は、
図6Aに示すようにクランプ部5の開口方向が軒方向に対して平行となる設置状態に限らず、
図6Bに示すようにクランプ部5の開口方向が軒棟方向に対して平行となる設置状態でも、本体部40に固定可能である。
【0050】
クランプ部5は、その開口方向が、正方形状の上板部41の対角線の延びる方向と平行となるように、上板部41に設けられてもよい。
【0051】
クランプ部5は、ベース部4に固定され、スライド移動不可であってもよい。また、クランプ部5は、ベース部4に回転自在に設けられていてもよい。
【0052】
ベース部4の本体部40は、その全体が発泡スチロールで形成されなくてもよく、溝部20に接する部分のみ、発泡スチロール、またはその他の柔かい部材で形成されてもよい。
【0053】
足場構造は、例えば、第一姿勢の足場支持部材1と第二姿勢の足場支持部材1とを組み合わせて用いてもよいし、足場板6に代えてパイプ3を架け渡してもよいし、その他の周知の仮設足場用の資材と組み合わせてもよい。周知の仮設足場用の資材としては、例えば、複数本の脚の上に設けられた足場板と、複数本の脚に連結された根がらみ用のパイプとを備える資材を用いてもよい。この場合、上板部41上に、複数の脚が載置され、根がらみ用のパイプが、クランプ部5によって把持されることで、複数の足場支持部材1から上方に離れた位置に、足場板が設置される。
【0054】
足場構造は、第一例のように、軒方向に並ぶ複数の溝部20の全てに、足場支持部材1が設置されるのではなく、複数の溝部20のうちの一部に、足場支持部材1が設置されてもよい。例えば、軒方向に並ぶ複数の溝部20に対して、1つ置きに足場支持部材1が設置されてもよい。
【0055】
折板屋根2は、山部分のハゼ締め構造をキャップで覆うタイプの折板屋根であってもよいし、山部分にハゼ締め構造を備えないタイプの折板屋根であってもよい。
【0056】
折板屋根2を構成する複数の折板21のそれぞれ、またはその一部は、溝部20を1つだけ備える断面略U字状に限らず、複数条の溝部20を備える形状であってもよい。
【0057】
(実施形態2)
続いて、
図7に示す実施形態2の足場支持部材1について説明する。実施形態1の足場支持部材1と同様の構成については図中に同一の符号を付して詳しい説明を省略し、異なる構成については詳しく説明する。
【0058】
本実施形態の足場支持部材1は、軒に沿って並ぶ複数条の溝部20を備える折板21が、軒に沿って複数接続された折板屋根2上に、着脱自在に設置される。
【0059】
複数の折板21のそれぞれは、2以上(例えば3つ)の溝部20を備える。各溝部20は、底壁部210と一対の側壁部211とで構成される。折板21は、隣接する2つの溝部20間に頂壁部25を備え、折板21の軒方向の両端に、第一端縁部212と第二端縁部213を備える。頂壁部25と、頂壁部25に隣接する2つの側壁部211とによって、折板21の山部分が構成される。本実施形態では、折板21は、2つの山部分を備える。複数の折板21は、隣接する2つの折板21の端縁部212,213が、屋根下地22上に固定されたタイトフレーム23に取り付けられた吊り子24の一部を巻き込むようにハゼ締めされることで、接続されている。各折板21の山部分の軒棟方向の一部は、ビス等の固定具によって、タイトフレーム23に固定される。
【0060】
続いて、足場支持部材1について、詳しく説明する。
【0061】
足場支持部材1は、ベース部4と、ベース部4の上面に、上方に突出するように設けられたクランプ部5とを備える。クランプ部5は、実施形態1のクランプ部5と同様のものであり、足場を形成するためのパイプ3を折板屋根2から離れた位置に把持するように構成されている。クランプ部5は、ベース部4にスライド自在に設けられている。ベース部4は、溝部20に嵌まる本体部40と、本体部40上に設けられ、クランプ部5が一体に設けられた上板部41とを有する。
【0062】
本実施形態では、ベース部4は、1つの折板21の複数条の溝部20のうちの2以上の溝部20に跨って着脱自在に嵌まるように構成されている。
【0063】
ベース部4の本体部40は、隣接する2つの溝部20のうちの一方に嵌まる第一部分40aと、他方に嵌まる第二部分40bと、隣接する2つの溝部20間の頂壁部25に載る中間部分40cとを備える。
【0064】
第一部分40aと第二部分40bのそれぞれは、
図6Aに示す実施形態1の本体部40と同様の構造である。つまり、第一部分40aと第二部分40bのそれぞれは、
図7に示すように、底面400と、周方向に並ぶ第一側面401、第二側面402、第三側面403及び第四側面404を有する。第一側面401と第三側面403は、互いに逆方向を向く面であり、第二側面402と第四側面404は、互いに逆方向を向く面である。
【0065】
第一部分40aと第二部分40bのそれぞれは、第一側面401と第三側面403が、溝部20の一対の側面(側壁部211)に当たり、底面400が溝部20の底面(底壁部210)に当たるように設けられている。第二側面402と第四側面404は、互いに平行であり、上下方向に対して略平行である。
【0066】
第一部分40aと第二部分40bは、その間に位置する中間部分40cを介して一体である。中間部分40cは、底面405と、部分40a,40bの第二側面402と同じ方向を向く第一端面406と、部分40a,40bの第四側面404と同じ方向を向く第二端面407とを有する。
【0067】
第一部分40aの第二側面402と、第二部分40bの第二側面402と、中間部分40cの第一端面406は、互いに面一であり、上下方向に対して平行である。第一部分40aの第四側面404と、第二部分40bの第四側面404と、中間部分40cの第二端面407は、互いに面一であり、上下方向に対して平行である。
【0068】
上板部41は、本体部40上に、平面視における向きが切り替え可能に設けられている。上板部41は、例えば、本体部40上に、ピン等で着脱自在に固定されることで、平面視における向きが切り替え可能である。そのため、上板部41は、
図7に示すようにクランプ部5の開口方向が軒方向に対して平行となる設置状態に限らず、クランプ部5の開口方向が軒棟方向に対して平行となる設置状態(
図6B参照)でも、本体部40上に固定可能である。
【0069】
以上説明した本実施形態の足場支持部材1を複数、折板屋根2の各折板21上に設置することで、
図4や
図5に示す足場構造と同様の足場構造を形成することができる。
【0070】
本実施形態の足場構造においても、パイプ3及び足場板6が、折板屋根2の山部分のハゼ締め構造との間に距離をおいた状態で設置され、パイプ3や足場板6の設置を安定的に行うことができる。
【0071】
また、本実施形態の足場構造においても、各足場支持部材1が、面接触により折板屋根2に接触するため、折板屋根2に局所的な力がかかりにくく、折板屋根2の破損や変形を抑制できる。また、本実施形態の足場構造においても、複数の足場支持部材1がパイプ3を介して連結されるため、足場板6にかかる荷重を複数の足場支持部材1で分散して受けることができ、これによっても、折板屋根2の破損や変形が生じにくい。
【0072】
また、本実施形態の足場支持部材1は、1つの折板21上において複数条の溝部20に跨って嵌め込むことができるため、折板屋根2上に設置する足場支持部材1の数を抑えて、施工の簡略化を図ることができる。
【0073】
また、本実施形態の足場支持部材1は、1つの折板21上に設置することで、隣接する2つの折板21の端縁部212,213同士を接続する部分に形成されるハゼ締め構造を避けることができ、このハゼ締め構造が押し潰されたりすることも抑制できる。
【0074】
(変形例)
以上説明した本実施形態の足場支持部材1及び折板屋根2上の足場構造は、下記の変形例を採用可能である。
【0075】
上板部41は、本体部40上に、平面視における向きが切り替え不可に設けられてもよい。
【0076】
クランプ部5は、ベース部4の上板部41に固定され、スライド移動不可であってもよい。また、クランプ部5は、ベース部4の上板部41に回転自在に設けられていてもよい。
【0077】
ベース部4の本体部40は、その全体が発泡スチロールで形成されなくてもよく、溝部20に接する部分のみ、発泡スチロール、またはその他の柔かい部材で形成されてもよい。
【0078】
本体部40は、中間部分40cを有さず、第一部分40aと第二部分40bとの間に、ハゼ締め構造が収まるスペースを有してもよい。この場合、足場支持部材1は、隣接する2つの折板21を跨ぐように設置することも可能となる。
【0079】
足場構造は、
図4や
図5に示す足場構造と同様の構造に限らず、これらを組み合わせた構造であってもよいし、足場板6に代えてパイプ3を架け渡した構造であってもよいし、その他の周知の仮設足場用の資材と組み合わせた構造であってもよい。
【0080】
折板屋根2は、山部分のハゼ締め構造をキャップで覆うタイプの折板屋根であってもよいし、山部分にハゼ締め構造を備えないタイプの折板屋根であってもよい。
【0081】
(各実施形態の作用効果)
以上、添付図面に基づいて詳述したように、実施形態1の足場支持部材1は、下記の第一の構成を具備する。
【0082】
つまり、実施形態1の足場支持部材1は、軒に沿って並ぶ複数条の溝部20を備える折板屋根2上に、着脱自在に設置される足場支持部材1である。足場支持部材1は、複数条の溝部20のうちの1つの溝部20に着脱自在に嵌まるベース部4と、ベース部4の上面に、上方に突出するように設けられたクランプ部5とを備える。クランプ部5は、足場を形成するためのパイプ3を折板屋根2から離れた位置に把持するように構成されている。
【0083】
実施形態1の足場支持部材1によれば、ベース部4を、複数条の溝部20のうちの1つの溝部20に嵌めて、クランプ部5によってパイプ3を、折板屋根2から離れた位置に把持することができる。そのため、実施形態1の足場支持部材1によれば、山部分にハゼ締め構造を備える折板屋根2上であっても、足場を形成しやすい。
【0084】
加えて、実施形態1の足場支持部材1は、下記の第二の構成を付加的に具備する。
【0085】
つまり、実施形態1の足場支持部材1では、ベース部4は、周方向に並ぶ第一側面401、第二側面402、第三側面403及び第四側面404を有する。所定の第一姿勢にあるときに、互いに逆方向を向く第一側面401と第三側面403とが、1つの溝部20の一対の側面に当たり、かつ、前記第一姿勢に対して平面視において90度回転した第二姿勢にあるときに、互いに逆方向を向く第二側面402と第四側面404とが、前記一対の側面に当たるように設けられている。
【0086】
実施形態1の足場支持部材1によれば、第一姿勢と第二姿勢のそれぞれの姿勢で、折板屋根2の溝部20の1つに設置することができ、汎用性が高い。
【0087】
また、実施形態2の足場支持部材1は、下記の第三の構成を具備する。
【0088】
つまり、実施形態2の足場支持部材1は、軒に沿って並ぶ複数条の溝部20を備える折板21が、軒に沿って複数接続された折板屋根2上に、着脱自在に設置される足場支持部材1である。足場支持部材1は、1つの折板21の複数条の溝部20のうちの2以上の溝部20に跨って着脱自在に嵌まるベース部4と、ベース部4の上面に、上方に突出するように設けられたクランプ部5とを備える。クランプ部5は、足場を形成するためのパイプ3を折板屋根2から離れた位置に把持するように構成されている。
【0089】
実施形態2の足場支持部材1によれば、ベース部4を、1つの折板21の複数条の溝部20のうちの2以上の溝部20に跨るように嵌めて、クランプ部5によってパイプ3を、折板屋根2から離れた位置に把持することができる。そのため、実施形態2の足場支持部材1によれば、山部分にハゼ締め構造を備える折板屋根2上であっても、足場を形成しやすい。
【0090】
加えて、実施形態1,2の足場支持部材1は、下記の第四の構成を付加的に具備する。
【0091】
つまり、実施形態1,2の足場支持部材1では、クランプ部5は、ベース部4にスライド自在に設けられている。
【0092】
実施形態1,2の足場支持部材1によれば、把持するパイプ3の長さや配置に合わせて、クランプ部5をスライド移動させることで、クランプ部5の位置を変えることができる。
【0093】
加えて、実施形態1,2の足場支持部材1は、下記の第五の構成を付加的に具備する。
【0094】
つまり、実施形態1,2の足場支持部材1では、溝部20に嵌まる本体部40と、本体部40上に設けられ、クランプ部5が一体に設けられた上板部41とを有する。上板部41は、本体部40上に、平面視における向きが切り替え可能に設けられている。
【0095】
実施形態1,2の足場支持部材1によれば、上板部41の向きを切り替えることにより、クランプ部5によって把持されるパイプ3の向きを切り替えることができ、汎用性が高い。
【0096】
また、実施形態1,2の折板屋根上の足場構造は、下記の第六の構成を具備する。
【0097】
実施形態1,2の折板屋根上の足場構造は、軒に沿って並ぶ複数条の溝部20を備える折板屋根2上に、上記の足場支持部材1を複数備え、複数の足場支持部材1のクランプ部5によって、パイプ3を折板屋根2から離れた位置に把持する。
【0098】
実施形態1,2の折板屋根上の足場構造によれば、折板屋根2上の複数の足場支持部材1によって、パイプ3を折板屋根2から離れた位置に把持することができる。そのため、実施形態1,2の折板屋根上の足場構造によれば、パイプ3にかかる荷重を複数の足場支持部材1で分散して支持することができ、折板屋根2に局所的な力が加わりにくく、折板屋根2に変形や破損が生じにくい。
【0099】
以上、本発明を添付図面に示す形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。