(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
加圧供給源からブローノズルを通して有底筒状のプリフォームの内部に加圧した液体を供給して該プリフォームから所定形状の容器の内部に内容液が収容されてなる液体入り容器を成形する液体ブロー成形方法であって、
前記ブローノズルをシール体で閉塞した状態で前記加圧供給源を作動させて該加圧供給源と前記ブローノズルとの間の液体を予備加圧する予備加圧工程と、
前記予備加圧工程により得られたデータに基づいて前記加圧供給源の作動条件を設定する作動条件設定工程と、
前記ブローノズルを開放した状態で前記作動条件設定工程により設定された作動条件で前記加圧供給源を作動させて前記プリフォームを所定形状の容器に液体ブロー成形するブロー成形工程と、を有し、
前記ブロー成形工程において、前記プリフォームの内部へ供給される液体の充填圧を監視し、該充填圧の基準値に対する差に基づいて前記加圧供給源の作動条件を補正することを特徴とする液体ブロー成形方法。
液体の充填圧の、圧力上昇傾き、1次ピーク圧、2次ピーク圧への上昇ポイント及び2次ピーク圧のうちの少なくとも1つの基準値に対する差に基づいて前記加圧供給源の作動条件を補正する、請求項1に記載の液体ブロー成形方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に例示説明する。
【0015】
本発明の液体ブロー成形方法は、加圧供給源からブローノズルを通して有底筒状のプリフォームの内部に加圧した液体を供給してプリフォームから所定形状の容器の内部に内容液が収容されてなる液体入り容器を成形する液体ブロー成形方法であって、ブローノズルをシール体で閉塞した状態で加圧供給源を作動させて加圧供給源とブローノズルとの間の液体を予備加圧する予備加圧工程と、予備加圧工程により得られたデータに基づいて加圧供給源の作動条件を設定する作動条件設定工程と、ブローノズルを開放した状態で作動条件設定工程により設定された作動条件で加圧供給源を作動させてプリフォームを所定形状の容器に液体ブロー成形するブロー成形工程と、を有することを特徴とする液体ブロー成形方法である。このような本発明の液体ブロー成形方法は、プリフォームから内容液を収容した液体入り容器を製造する方法とも言えるものであり、例えば、
図1に示す構成の液体ブロー成形装置1を用いて実施することができる。
【0016】
図1に示す液体ブロー成形装置1は、プリフォーム2を液体ブロー成形することにより、当該プリフォーム2から、所定形状の容器の内部に内容液が収容されてなる液体入り容器を成形することができる。
【0017】
ここで、液体ブロー成形とは、プリフォーム2に供給する加圧媒体(加圧流体)として、エアブロー成形の際に用いられる加圧エアーに替えて、加圧した液体Lを用いて行うブロー成形のことである。
【0018】
プリフォーム2に供給される液体(成形後の容器に収容される内容液)Lとしては、例えば飲料、化粧品、薬品、洗剤、シャンプー、リンス等の様々な液体を用いることができる。
【0019】
プリフォーム2としては、例えばポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性を有する合成樹脂材料によって、開口端となる円筒状の口部2aと、口部2aに連なるとともに下端が閉塞された円筒状の胴部2bとを有する有底筒状に形成されたものが用いられる。なお、プリフォーム2としては、上記形状のものに限らず、有底筒状であれば、成形後の容器の形状等に応じて種々の形状のものを用いることができる。
【0020】
詳細は図示しないが、口部2aの外壁面には、成形後の容器の口部2aに閉塞キャップ(不図示)を打栓(アンダーカット係合)によって装着するための係合突起が設けられている。なお、口部2aの外壁面に係合突起に替えて雄ネジを設けて閉塞キャップを口部2aにねじ結合により装着する構成とすることもできる。
【0021】
液体ブロー成形装置1は、ブロー成形用の金型10を有している。この金型10は、例えばボトル形状などの容器の最終形状に対応した形状のキャビティ11を有している。キャビティ11は金型10の上面において上方に向けて開口している。プリフォーム2は、胴部2bが金型10のキャビティ11の内部に配置されるとともに口部2aが金型10から上方に突出した状態となって金型10に装着される。
【0022】
金型10は左右に型開きすることができるようになっており、プリフォーム2を容器に成形した後に金型10を左右に開くことで、当該容器を金型10から取り出すことができる。
【0023】
金型10の上方には、プリフォーム2の内部に液体Lを供給するためのノズルユニット20が設けられている。ノズルユニット20は本体ブロック21を有し、この本体ブロック21は金型10に対して上下方向に相対移動自在となっている。本体ブロック21の下端には支持ブロック22が設けられ、この支持ブロック22により支持されて本体ブロック21の下端にはブローノズル23が装着されている。ブローノズル23は略円筒状に形成されており、本体ブロック21が下方側のストローク端にまで下降したときに金型10に装着されたプリフォーム2の口部2aに上方側から係合する。
【0024】
本体ブロック21の内部には上下方向に延びる供給路24が設けられている。この供給路24はブローノズル23に液体Lを供給するための流路であり、その下端においてブローノズル23に連通している。また、本体ブロック21には、供給路24の上端に連通する供給ポート25及び供給路24の中間部分に連通する排出ポート26が設けられている。
【0025】
供給路24の内部にはブローノズル23を開閉するためのシール体27が配置されている。シール体27はノズルユニット20に上下方向に移動自在に設けられた軸体28の下端に設けられ、供給路24の内部で上下方向に移動自在となっている。シール体27は円柱状に形成されており、下方側のストローク端位置である閉位置にまで移動したときに下端面においてブローノズル23の上面に当接してブローノズル23を閉塞する。一方、シール体27が閉位置からノズルユニット20に対して上方に向けて移動すると、ブローノズル23は開放されて供給路24と連通される。なお、シール体27は、ブローノズル23を開閉することができるものであれば、その構成は種々変更可能である。
【0026】
図示するように、液体ブロー成形装置1は延伸ロッド29を備えた構成とすることもできる。延伸ロッド29は、軸体28の軸心に該軸体28に対して上下方向に相対移動自在に挿入されており、シール体27の軸心を貫通してシール体27の下端から出没可能に設けられている。延伸ロッド29は図示しない駆動源により駆動されて下方に向けて移動することにより、プリフォーム2を軸方向に延伸させることができる。このように、延伸ロッド29を設けた構成とした場合には、液体ブロー成形装置1は、プリフォーム2を延伸ロッド29により軸方向に延伸させつつ口部2aから供給される加圧した液体Lにより径方向に延伸させる二軸延伸ブロー成形を行うことができる。なお、液体ブロー成形装置1は、延伸ロッド29を備えない構成とすることもできる。
【0027】
供給ポート25には、接続路P1により加圧供給源としてのプランジャーポンプ30が接続されている。このプランジャーポンプ30は、シリンダ30aとシリンダ30aの内部で軸方向に移動自在のプランジャー30bとを備えている。詳細は図示しないが、プランジャー30bはサーボモータ等の駆動源により駆動され、シリンダ30aの内部でシリンダ30aの軸方向に沿って移動することができる。プランジャーポンプ30つまりプランジャー30bの作動は、プランジャー30bを所定速度で原位置から最終位置に向けて移動させる位置制御によって制御される。
【0028】
プランジャーポンプ30には供給タンク31が接続されている。供給タンク31は、液体Lを収容するとともに当該液体Lを所定温度にまで加熱して当該温度に保持する構成とすることができる。プランジャーポンプ30と供給タンク31とを接続する接続路P2には開閉弁V1が設けられ、この開閉弁V1により当該接続路P2を開閉することができるようになっている。
【0029】
接続路P1には圧力計32が設けられている。この圧力計32は、液体ブロー成形時におけるプランジャーポンプ30からプリフォーム2へ供給される液体Lの充填圧を測定することができる。
【0030】
排出ポート26は、接続路P3により供給タンク31に接続されている。すなわち、供給路24は、排出ポート26及び接続路P3を介して供給タンク31に連通可能となっている。接続路P3には開閉弁V2が設けられ、この開閉弁V2により接続路P3を開閉することができるようになっている。
【0031】
プランジャーポンプ30は、ブローノズル23が開放され、開閉弁V1、V2が閉じられた状態において正方向(加圧方向)に作動することにより、所定圧力にまで加圧した液体Lを、接続路P1、供給ポート25、供給路24及びブローノズル23を介してプリフォーム2の内部に供給することができる。また、プランジャーポンプ30は、シール体27によってブローノズル23が閉塞され、開閉弁V2が閉じられるとともに開閉弁V1が開かれた状態において逆方向(吸引方向)に作動することにより、供給タンク31に収容されている液体Lをシリンダ30aの内部に吸引してプランジャーポンプ30の内部に液体Lを補充することができる。さらに、プランジャーポンプ30は、シール体27によってブローノズル23が閉塞され、開閉弁V1及び開閉弁V2が共に閉じられた状態において正方向に作動することにより、ブローノズル23とプランジャーポンプ30との間の液体Lを予備加圧することができる。
【0032】
ノズルユニット20、シール体27、延伸ロッド29、プランジャーポンプ30、開閉弁V1、開閉弁V2等の作動は図示しない制御装置によって統合的に制御される。この制御は、圧力計32の測定値を参照して行うことができる。なお、開閉弁V1、開閉弁V2は、制御装置によって制御可能な電磁弁に構成されるのが好ましい。
【0033】
次に、このような構成の液体ブロー成形装置1を用いて、有底筒状のプリフォーム2から所定形状の容器の内部に内容液が収容されてなる液体入り容器Cを成形する方法(本発明の液体ブロー成形方法)について説明する。
【0034】
まず、予めヒーター等の加熱手段(不図示)を用いて延伸性を発現する程度の所定の温度(例えば80℃〜150℃)にまで加熱しておいたプリフォーム2をブロー成形用の金型10に装着し、型締めする。
【0035】
プリフォーム2が金型10に装着されると、次に、ノズルユニット20を金型10に向けて下降させ、供給路24を介してプランジャーポンプ30に接続されたブローノズル23をプリフォーム2の口部2aに係合させる。
図1は、ブローノズル23をプリフォーム2の口部2aに係合させた状態を示す。なお、ブローノズル23をプリフォーム2の口部2aに係合させた状態においては、シール体27、開閉弁V1、開閉弁V2は何れも閉じており、また、延伸ロッド29はブローノズル23から下方に突出しない原位置に保持されている。
【0036】
次に、
図2に示すように、シール体27と開閉弁V2を閉じたまま開閉弁V1を開き、その状態でプランジャーポンプ30を逆方向(吸引方向)に作動させて、供給タンク31に収容されている液体Lをプランジャーポンプ30のシリンダ30aの内部に吸引させる。プランジャーポンプ30が吸引する液体Lの量は、成形後の液体入り容器Cの容量に合わせて適宜設定される。
【0037】
プランジャーポンプ30のシリンダ30aに所定量の液体Lが吸引されると、次に予備加圧工程が行われる。予備加圧工程においては、
図3に示すように、シール体27、開閉弁V1及び開閉弁V2を全て閉じた状態とし、その状態でプランジャーポンプ30を正方向(加圧方向)に作動させ、プランジャーポンプ30とブローノズル23との間の液体Lつまり供給路24、供給ポート25及び接続路P1の内部の液体Lを予備加圧する。
【0038】
予備加圧工程において、プランジャーポンプ30とブローノズル23との間の液体Lに気泡が混入していない場合には、プランジャー30bは移動することができないが、当該液体Lに気泡が混入している場合には、当該気泡が圧縮する分だけプランジャー30bが移動し、また、圧力計32により検出される液体Lの圧力が規定の圧力に対して低下する。したがって、予備加圧工程を行うことにより得られるプランジャー30bの移動量、液体Lの圧力変化等のデータから、プランジャーポンプ30とブローノズル23との間の液体Lに混入している気泡の量を推定することができる。
【0039】
予備加圧工程が完了すると、次に、作動条件設定工程が行われる。作動条件設定工程においては、予備加圧工程により得られたデータに基づいてプランジャーポンプ30の作動条件を設定する。プランジャーポンプ30の作動条件は、例えば、予備加圧工程により得られたデータから推定される液体Lへの気泡の混入量に基づき、プリフォーム2に供給される液体Lの量が一定となるように、位置制御により制御されるプランジャー30bの終点位置を原位置に対してより離れた位置に変更するように設定することができる。
【0040】
プランジャーポンプ30の作動条件は、上記したプランジャー30bの終点位置の変更に加えて、液体Lへの気泡の混入量に応じてプランジャー30bの移動速度を変更するように設定することもできる。
【0041】
作動条件設定工程が完了すると、次に、ブロー成形工程が行われる。ブロー成形工程においては、ブローノズル23を開放し、開閉弁V1及び開閉弁V2を閉じた状態とし、作動条件設定工程により設定された作動条件でプランジャーポンプ30を正方向に作動させる。これにより、プランジャーポンプ30からブローノズル23を通してプリフォーム2の内部に所定の圧力にまで加圧した液体Lを供給して、プリフォーム2を所定形状の容器に成形(液体ブロー成形)することができる。このブロー成形工程においては、
図4に示すように、プリフォーム2はキャビティ11に沿った所定形状の液体入り容器Cとなるまで成形される。プリフォーム2が
図4に示す液体入り容器Cにまで成形されると、ブロー成形工程が完了する。
【0042】
ここで、ブロー成形工程におけるプランジャーポンプ30の作動条件は、作動条件設定工程において、液体Lに混入する気泡の量に応じてプランジャー30bの終点位置が微調整されたものとなっているので、液体Lに混入する気泡の量に拘わらず、ブロー成形工程においてプリフォーム2に供給される液体Lの充填量を一定にすることができる。また、作動条件設定工程において、液体Lに混入する気泡の量に応じてプランジャー30bの移動速度を微調整するようにした場合には、液体Lに混入する気泡の量に拘わらず、ブロー成形工程におけるプリフォーム2への液体Lの充填圧を一定にすることができる。
【0043】
このように、本発明の液体ブロー成形方法によれば、供給タンク31からプランジャーポンプ30に供給される液体Lに含まれる気泡の量が一定ではなく、その混入量にばらつきがある場合であっても、液体ブロー成形を行う度に、プランジャーポンプ30とブローノズル23との間の液体Lを予備加圧することにより当該液体Lに混入している気泡の量を推定し、推定された液体Lへの気泡の混入量に基づいてプランジャーポンプ30の作動条件を微調整してから液体ブロー成形を行うようにしたので、液体Lに混入している気泡の量に拘わらず、当該液体Lによりプリフォーム2を所定形状の容器に確実に成形することができるとともに成形後の容器の内部に収容される液体Lの量を一定にすることができる。
【0044】
また、本発明の液体ブロー成形方法によれば、液体Lとして、気泡の抜け方が相違する種々の粘度の液体Lを用いるようにしても、その液体ブロー成形の度に、当該液体Lが含む気泡の量に応じた作動条件でプランジャーポンプ30を作動させてプリフォーム2に供給される液体Lの充填量を一定にすることができる。
【0045】
液体ブロー成形装置1に延伸ロッド29を設けた場合には、ブロー成形工程において延伸ロッド29を下方に向けて進出移動させ、当該延伸ロッド29によりプリフォーム2を軸方向(縦方向)へ延伸させることができる。これにより、プリフォーム2を液体Lの圧力と延伸ロッド29とで二軸方向に成形する二軸延伸ブロー成形を行うことができる。二軸延伸ブロー成形によれば、プリフォーム2をより精度よく所定形状の液体入り容器Cに成形することができる。
【0046】
ブロー成形工程が完了すると、ブローノズル23をシール体27により閉塞するとともにプランジャーポンプ30の作動を停止する。次いで、ノズルユニット20を上方に移動させてブローノズル23を液体入り容器Cの口部2aから離脱させるとともに、金型10を型開きして液体入り容器Cを金型10から取り出す。金型10から取り出された液体入り容器Cを
図5に示す。
【0047】
液体ブロー成形装置1に延伸ロッド29を設けた場合には、成形後の液体入り容器Cから延伸ロッド29を引き抜くことにより、延伸ロッド29の体積分だけ液体入り容器Cの内容量を減少させて、液体入り容器Cに液体が収容されないヘッドスペースHSを設けることができる。なお、延伸ロッド29が設けらない場合や延伸ロッド29の引き抜きによってはヘッドスペースHSが不十分な場合には、液体ブロー成形後にプランジャーポンプ30を所定量だけ逆方向(吸引方向)に作動させて成形後の液体入り容器Cの内部から液体Lを吸い戻すサックバック工程を行って、当該ヘッドスペースHSを設ける構成とすることもできる。
【0048】
本発明の液体ブロー成形方法においては、ブロー成形工程において、プリフォーム2の内部へ供給される液体Lの充填圧を監視し、この充填圧の基準値に対する差に基づいてプランジャーポンプ30の作動条件を補正する構成とすることもできる。この場合、プランジャーポンプ30の作動条件の補正は、プリフォーム2の内部へ供給される液体Lの充填圧の、圧力上昇傾き、1次ピーク圧、2次ピーク圧への上昇ポイント及び2次ピーク圧のうちの少なくとも1つの基準値に対する差に基づいて行う構成とすることができる。
【0049】
図6に示すように、ブロー成形工程においては、プランジャーポンプ30が作動することによりプリフォーム2の内部へ供給される液体Lの充填圧は、プリフォーム2をキャビティ11に沿った形状にまで成形する成形区間と、成形区間の後に、成形後の容器内を所定圧に保持する保持区間とを有するプロセスチャートに従って変化する設定とされる。当該プロセスチャートの成形区間においては、
図7に示すように、A点において液体Lのプリフォーム2への充填がスタートし、A点から所定の圧力上昇傾きBで充填圧が上昇し、A点からCt秒経過後にC点において1次ピーク圧Cpとなる。1次ピーク圧Cpとなった後に充填圧は略一定となり、A点からDt秒経過したD点において充填圧はDpとなり、そこから2次ピークへの上昇が開始され、A点からEt秒経過したE点において2次ピーク圧Epとなる。
【0050】
上記プロセスチャートにおける圧力上昇傾きB、C点における1次ピーク圧Cp、2次ピークへの上昇ポイントとなるD点及びE点における2次ピーク圧Epに対しては、それぞれ予め実験等により基準値が設定されている。これらの基準値は、液体ブロー成形によって、プリフォーム2を所定形状の容器に精度よく成形するとともに成形後の容器の内部に充填される液体Lの量を規定量とすることができる基準となる値である。
【0051】
ブロー成形工程において、プリフォーム2の内部へ供給される液体Lの充填圧の、圧力上昇傾きB、C点における1次ピーク圧Cp、2次ピークへの上昇ポイントD点及びE点における2次ピーク圧Epを監視し、これらの値がそれぞれ基準値に対して差を生じたときに、フィードバック制御により、当該差を無くすようにプランジャーポンプ30の作動条件を補正する。これにより、ブロー成形工程における液体Lの充填プロセスを最適化して、さらに精度よく、プリフォーム2を所定形状の容器に成形することが可能となる。
【0052】
なお、プランジャーポンプ30の作動条件の補正は、プリフォーム2の内部へ供給される液体Lの充填圧の、圧力上昇傾きB、C点における1次ピーク圧Cp、2次ピークへの上昇ポイントD点及びE点における2次ピーク圧Epのうちの少なくとも1つに基づいて行うようにすることができるが、液体Lの充填圧の、圧力上昇傾きB、C点における1次ピーク圧Cp、2次ピークへの上昇ポイントD点及びE点における2次ピーク圧Epの任意の複数ないし全てに基づいて行うこともできる。また、プランジャーポンプ30の作動条件の補正は、プロセスチャートにおけるプリフォーム2の内部へ供給される液体Lの充填圧の、上記以外の点ないし部分に基づいて行うこともできる。例えば、プランジャーポンプ30の作動条件の補正は、
図6に示す保圧区間における液体Lの充填圧に基づいて行うこともできる。
【0053】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0054】
例えば、前記実施の形態では、
図1に示す構成の液体ブロー成形装置1を用いて本発明の液体ブロー成形方法を行う場合を示したが、他の構成の液体ブロー成形装置等を用いて本発明の液体ブロー成形方法を行うこともできる。
【0055】
また、前記実施の形態では、加圧供給源としてプランジャーポンプ30を用いているが、液体Lを加圧してプリフォーム2に供給することができるものであれば、プランジャーポンプ30以外のものを加圧供給源として用いることもできる。