(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
長手方向の軸線に垂直な断面が樹脂チューブの外径以上の内径を有する断面湾曲状の溝部と、当該溝部に前記樹脂チューブを挿入するために前記溝部の長手方向に沿って形成された開口部と、を備えた成形用曲げ型に、前記樹脂チューブを型入れするための樹脂チューブの型入れ装置であって、
多関節ロボットアームと、
前記多関節ロボットアームの先端に取り付けられたハンド部と、
前記多関節ロボットアームの動きを制御する制御部と、を備え、
前記ハンド部は、
前記樹脂チューブを保持しつつ案内するためのガイド部と、
前記ガイド部により案内される前記樹脂チューブに対し押圧を加えて前記成形用曲げ型の前記溝部に前記開口部を通じて前記樹脂チューブを挿入するための押込部と、
前記樹脂チューブを把持する把持部と、
を備えており、
前記押込部は、前記ガイド部と前記把持部との間に配置されており、
前記制御部は、前記多関節ロボットアームの動きを制御することにより、前記押込部により前記樹脂チューブに加えられる前記押圧の方向が前記樹脂チューブの長手方向の中心線及び前記成形用曲げ型の前記溝部の軸線を通る方向と同一となるように前記ハンド部の位置及び角度を調整しながら、前記ハンド部を前記成形用曲げ型の型入れ開始位置から型入れ終了位置まで前記成形用曲げ型の前記溝部の前記軸線に追従して移動させる
ことを特徴とする樹脂チューブの型入れ装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0019】
(第1実施形態)
<樹脂チューブの曲げ加工>
図1に示すように、樹脂チューブ21の曲げ加工の工程は、樹脂材料の例えば押出成形等により形成された直管状の樹脂チューブ21を予熱する予熱工程S11、予熱された直管状の樹脂チューブ21を曲げ形状が施された成形用曲げ型としてのツール9に型入れする型入れ工程S12、ツール9に型入れされた樹脂チューブ21を加熱して成形する成形工程S13、加熱成形された樹脂チューブ21を冷却する冷却工程S14、及び冷却された樹脂チューブ21をツール9から脱型して曲げ加工が施された樹脂チューブ21を得る脱型工程S15を含む。なお、本実施形態における曲げ加工装置1は、後述するように、上記工程S11〜S15のうち、特に型入れ工程S12において用いられるものである。
【0020】
<樹脂チューブ>
次に、本実施形態における曲げ加工装置1によりツール9に型入れされる樹脂チューブ21について説明する。なお、以下の樹脂チューブ21の構成及び製造方法は、特に限定されるものではなく、また、本実施形態における曲げ加工装置1、型入れ装置2、及び型入れ方法は、種々の樹脂製のチューブ、ホース等に対して適用することができる。
【0021】
−樹脂チューブの構成−
樹脂チューブ21は、
図2及び
図3に示すように、内径及び外径が一端側から他端側まで略一定である円管であって、径方向に積層された複数の樹脂層で形成された樹脂チューブ本体22と、その樹脂チューブ本体22の外表面を被覆するプロテクタ29とを備える。
【0022】
樹脂チューブ本体22は、例えば、4mm以上30mm以下の内径と、6mm以上34mm以下の外径を有している。具体的には、内径6mm×外径8mm、内径10mm×外径12mm等の樹脂チューブ本体22を用いることができる。
【0023】
樹脂チューブ本体22の長さは、特に限定されるものではなく、樹脂チューブ本体22の用途により適宜変更することができるが、具体的には例えば、100mm〜1500mmとすることができ、本実施形態では850mmである。
【0024】
プロテクタ29は、樹脂チューブ本体22の外径と同一の内径を有し且つ厚さtが1mm以上2mm以下、好ましくは1.5mmの管形状を有するゴム製の保護材である。樹脂チューブ本体22は、このプロテクタ29を外表面に装着した状態で、曲げ加工に供される。なお、プロテクタ29は、樹脂チューブ本体22の使用時において樹脂チューブ本体22を保護し、その劣化を抑制するためのものであるが、プロテクタ29の有無は、必要に応じて適宜選択することができる。
【0025】
なお、プロテクタ29の長さは、樹脂チューブ本体22の長さよりも僅かに短く形成されており、プロテクタ29の両端から樹脂チューブ本体22の両端が僅かに飛び出した状態となっている。このプロテクタ29の長さは特に限定されるものではなく、樹脂チューブ本体22と同一の長さ、又は樹脂チューブ本体22よりも僅かに長い構成として、樹脂チューブ本体22全体を覆う構成としてもよい。また、曲げ成形を終えてから、両端を切り揃えて、樹脂チューブ本体22とプロテクタ29との長さを揃えるようにしてもよい。
【0026】
樹脂チューブ本体22の複数の樹脂層は、具体的には例えば、
図2に示すように、内層24と、内層24の外側に積層された中間層25と、中間層25の外側に積層された接着層26と、接着層26の外側に積層された外層27の4層により構成されている。樹脂チューブ本体22は、このように複数の樹脂層が積層された積層樹脂チューブに限定されるものではなく、単一の樹脂層からなる樹脂チューブであってもよい。
【0027】
樹脂チューブ本体22は、例えば、自動車の燃料注入配管と燃料タンクとの連絡用、エンジンへ燃料を送る連絡用の配管、冷却水配管、ヒータユニットへのパイプ、エアホース等に用いられる。
【0028】
図2に示すように、樹脂チューブ21の内層24は、例えば、0.02mm以上0.2mm以下の厚みを有し、その内表面は例えば燃料等が通過する通路28を形成している。中間層25、接着層26、外層27は、例えば、それぞれ0.02mm以上0.6mm以下、0.05mm以上0.3mm以下、0.5mm以上1.5mm以下の厚みを有している。
【0029】
−樹脂チューブの中心線−
なお、
図2及び
図3に示すように、樹脂チューブ21の長手方向中心の線を中心線21Aとする。すなわち、
図2に示すように、中心線21Aを示す点は、内層24の内側の円及び外層27の外周の円のほぼ中心となっている。また、
図3に示すように、樹脂チューブ21の長手方向の断面では、内層24、中間層25、接着層26、外層27の断面は中心線21Aに対して対称に存在する。
【0030】
−樹脂チューブの材質−
内層24や中間層25を構成する樹脂材料は、例えば、耐燃料性等に優れたフッ素系樹脂等である。フッ素系樹脂は、具体的には例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン/テトラフルオロエチレン系共重合体(EFEP)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル/クロロジフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(THV)、フッ化ビニリデン/ペンタフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/パーフルオロアルキルビニルエーテル/テトラフルオロエチレン共重合体等である。なお、これらのフッ素系樹脂のうち、優れた成形加工性を有するとの観点から、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)を使用することが好ましい。これらの樹脂は単独又は2種以上を混合して使用され得る。
【0031】
接着層26は、中間層25と外層27との接着性を高める機能を有する。また、バリア性の高い樹脂材料を採用することで通路28を流れる流体の漏れを防止するバリア層としての機能を持たせることもできる。接着層26は、具体的には例えば、上述のフッ素系樹脂や、後述する外層27に使用されるナイロン系樹脂等から選択できる接着性・バリア性の高い樹脂、その他にエチレン/酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリアリレート(PAR)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリチオエーテルサルホン(PTES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)、ポリにビルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリサルホン(PSU)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン/アクリル酸エチル(EEA)等が挙げられ、これらは接着機能性官能基を有していても構わないし、1種又は2種以上が重合されていても構わない。さらに、樹脂チューブ本体22の耐熱性、機械的強度や、層間接着性の観点から、上述のフッ素系樹脂、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612等のバリア性の高い脂肪族ポリアミドや、ポリアミド6T、ポリアミド6N、ポリアミド9T、ポリアミド9N、ポリアミド12T、ポリアミド12N等のバリア性の高い芳香族ポリアミドや、エチレン/酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)がより好ましく、この中でもエチレン/テトラフルオロエチレン系共重合体(EFEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル/クロロトリフルオロエチレン共重合体(CPT)等のフッ素系樹脂がより一層好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用することができる。
【0032】
外層27は、例えば、比較的安価なナイロン系熱可塑性樹脂等により構成される。具体的には例えば、ポリアミド(PA)11、ポリアミド12、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド99、ポリアミド610、ポリアミド26、ポリアミド46、ポリアミド69、ポリアミド611、ポリアミド612、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド912、ポリアミドTMHT、ポリアミド9T、ポリアミド9I、ポリアミド9N、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド10T、ポリアミド10N、ポリアミド11T、ポリアミド11I、ポリアミド11N、ポリアミド1212、ポリアミド12T、ポリアミド12I、ポリアミド12N、ポリアミドMXD6、ポリアミドPACM12、ポリアミドジメチルPACM12等の脂肪族ポリアミドや芳香族ポリアミド等が挙げられ、少なくとも1種のポリアミドや、これらポリアミドの原料となるモノマーを数種類用いた共重合体が挙げられる。なお、樹脂チューブ21の耐熱性、機械的強度、及び層間接着性を向上させるとの観点から、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T、ポリアミド6N、ポリアミド9T、ポリアミド9N、ポリアミド12T、ポリアミド12N等を使用することが好ましく、このうち、ポリアミド11、ポリアミド12を使用することがより一層好ましい。これらは単独又は2種以上を混合して使用され得る。
【0033】
−樹脂チューブの製造方法−
樹脂チューブ本体22は、例えば、押出成形装置を使用して押出成形により製造される。押出成形装置は、樹脂チューブ本体22の層の数に対応する数(本実施形態では4つ)の押出成形機とダイスと冷却装置と引取機と切断機とを備える。
【0034】
押出成形機は、ホッパより投入されたペレット状の樹脂を、シリンダ内で加熱・溶融しながらスクリューにより混練して、シリンダのヘッド部から吐出する。各押出成形機から吐出された各溶融樹脂は、チューブ積層用のダイスへと導かれる。このダイスには、最内層流路、内層流路、バリア層流路、及び最外層流路が形成されていて、各流路を通過した溶融樹脂は、各流路の下流端に接続された合流流路で積層されてチューブ状に成形される。
【0035】
そして、ダイスの合流流路を通過したチューブ状の積層体は、冷却装置へと送られて所定温度に冷却された後、引取機へと送られて、最後に切断機にて所定長さに切断され、樹脂チューブ本体22が製造される。そして、樹脂チューブ本体22にプロテクタ29を被せて、本実施形態における曲げ加工前の樹脂チューブ21が製造される。
【0036】
<曲げ加工装置>
本実施形態に係る樹脂チューブの型入れ装置を備えた曲げ加工装置1は、樹脂チューブ21を成形用曲げ型に型入れするための装置である。
図4及び
図5に示すように、作業台8と、作業台8上に載置された型入れ装置2と、ツール9(成形用曲げ型)と、ホルダ10とを備えている。なお、
図4及び
図5では、ツール9の溝部91に樹脂チューブ21が型入れされた状態となっている。以下、各構成について説明する。
【0037】
<作業台>
作業台8は、型入れ装置2によるツール9への樹脂チューブ21の型入れを精度よく行う観点から、型入れ装置2、ツール9、及びホルダ10を確実に支持するためのものである。作業台8上に、型入れ装置2、ツール9、及びホルダ10を配置することで、ツール9に対する樹脂チューブ21の均一且つ再現性のよい型入れが可能となる。
【0038】
<ホルダ>
ホルダ10は、曲げ加工前の直管状の樹脂チューブ21を保持しておき、型入れ装置2による樹脂チューブの把持を容易にするためのものである。ホルダ10は、
図4、
図5に示すように、型入れ装置2から見てツール9の左側に配置されている。ホルダ10は、直管状の樹脂チューブ21をその形状を保持したまま載置することができる溝が形成された受具である。また、型入れ装置2の後述する型入れハンド4による樹脂チューブ21の把捉、すなわちチャック部5による樹脂チューブ21の把持及びガイドローラ6による樹脂チューブ21の保持を容易にする観点から、2個所の切れ目が形成されている。ホルダ10の形状及び材質等の構成、配置等は特に限定されるものではなく、樹脂チューブ21の把持及び保持を精度よく容易に行うことができれば、いかなる構成を採用してもよい。
【0039】
<ツール>
ツール9は、
図6に示すように、成形型としてのツール本体93と、ツール本体93を前記作業台8上に固定支持するための支柱94及びベースプレート95とを備える。
【0040】
ツール本体93は、曲げ形状を有するとともに樹脂チューブ21が挿入される溝部91と、当該溝部91に前記樹脂チューブ21を挿入するための開口部92とを備える。
【0041】
ツール9は、図示はしないが、ベースプレート95がねじ止めされることにより作業台8上に固定されており、開口部92が作業台8側と反対側を向くように配置されている。
【0042】
溝部91は、樹脂チューブ21に曲げ形状を施すための成形型であり、
図2に示す樹脂チューブ本体22にプロテクタ29が装着された状態の樹脂チューブ21が挿入される。
【0043】
溝部91の形状は、
図6に示すように、符号91Aで示される長手方向の軸線に垂直な断面において、樹脂チューブ21が挿入されたときに、その外形に沿うように断面湾曲状、好ましくは断面円弧状又は断面U字状で軸線91Aに沿って長手方向に延びるように形成されている。具体的には、
図6の断面及び
図7において、軸線91Aを示す点と溝部91の開口部92から最も深い位置を示す最深線91Bの点との距離、すなわち溝部91の内径Rの1/2が、樹脂チューブ21の外径の1/2、すなわち樹脂チューブ本体22の外径の1/2とプロテクタ29の厚さtとの和とほぼ同一となるように形成されている。このように、溝部91の内径Rは、樹脂チューブ21の外径と同一又は外径以上の大きさに形成される。溝部91において、
図6に示すように、軸線91Aの点を通り、軸線91Aの点と最深線91Bの点とを結ぶ直線に垂直な直線と溝部91の表面との交点91C,91C’を設定したときに、符号91C,91C’で示す二点間の距離は内径Rであり、符号91C、91B及び91C’で表される点を通る湾曲線が内径Rの半円となるように形成されている。そして、符号91C,91C’で表される点から開口部92側へ延びる線は、符号91C,91C’点における内径Rの半円の接線となるように形成され、断面全体として断面U字状に形成されている。
【0044】
溝部91の断面形状は、断面U字状に限定されるものではなく、例えば、符号91C,91C’点を開口部92とすることによる断面半円状や、開口部92をより狭めて内径Rの断面円弧状としてもよい。また、樹脂チューブ21を扁平形状とする場合等は、その外形に沿うように断面湾曲状の構成としてもよい。
【0045】
開口部92は、溝部91の長手方向に沿って形成されている。具体的には、溝部91の軸線91Aに沿って、長手方向に同一の幅(本実施形態では内径Rと同一)で形成されている。
【0046】
−開始位置及び終了位置−
図5及び
図8に示すように、樹脂チューブ21の型入れはツール9の型入れの開始位置9A(型入れ開始位置)から始まり、型入れの終了位置9B(型入れ終了位置)にて終了する。すなわち、
図8に示すように、型入れ装置2の後述する型入れハンド4が樹脂チューブ21を保持して開始位置9Aまで移動して型入れ作業を開始し、終了位置9Bまで型入れ作業を行ったところで型入れハンド4による樹脂チューブ21の保持が解除され、型入れは終了する。
【0047】
<型入れ装置>
型入れ装置2は、樹脂チューブ21を保持しつつツール9上に案内するとともに樹脂チューブ21に押圧を加え、ツール9の溝部91に樹脂チューブ21を型入れするためのものである。型入れ装置2は、
図4に示すように、多関節ロボットアームとしてのロボットアーム3と、ハンド部としての型入れハンド4と、制御部としての図示しない制御装置Zとを備えている。
【0048】
<ロボットアーム>
ロボットアーム3は、
図4に示すように、型入れハンド4が取り付けられた先端側と反対側の基端が作業台8上にボルト締めで固定接続されている。ロボットアーム3は、型入れハンド4の位置及び角度を細かく調整するためのものであり、6軸の多関節ロボットアームである。ロボットアーム3は、特に限定されるものではなく、市販のものを用いることができ、ここではその詳細な説明を省略する。なお、多関節ロボットアームは、型入れハンド4の位置及び角度を精度よく調整する観点から、6軸以上のものを用いることが好ましい。なお、ロボットアーム3は、その各軸毎にエンコーダを備えており、当該エンコーダにより各軸の現在位置等が把握される。
【0049】
<型入れハンド>
型入れハンド4は、
図4及び
図5に示すように、ロボットアーム3の先端に取り付けられている。型入れハンド4は、均一な押圧で樹脂チューブ21の型入れを可能とするために、樹脂チューブ21を把捉、すなわち樹脂チューブ21を把持するとともにツール9上の適切な位置に樹脂チューブ21を保持・案内し、そして樹脂チューブ21に押圧を加えて型入れを行うものである。
【0050】
図9〜
図11に示すように、型入れハンド4は、把持部としてのチャック部5と、ガイド部としてのガイドローラ6と、押込部としての押込ローラ7と、抑え部11とを備える。なお、
図10及び
図11に示すように、押込ローラ7はガイドローラ6とチャック部5との間に配置されている。また、
図9の型入れハンド4は、チャック部5に樹脂チューブ21をチャックした状態を示している。なお、本実施形態において、型入れハンド4は、後述するように、チャック部5及びガイドローラ6の両者により樹脂チューブ21を把捉する。
【0051】
<チャック部>
チャック部5は、樹脂チューブ21を把捉する手段の1つであり、樹脂チューブ21を把持、すなわちチャックして、樹脂チューブ21を安定して保持するためのものである。
図10に示すチャック部5は、初期状態では第1チャック片5Aと第2チャック片5Bとが両側に開いた状態となっている。そして、型入れハンド4がホルダ10の樹脂チューブ21の保持可能位置に移動したところで、両側に開いていた第1チャック片5Aと第2チャック片5Bとが閉じ、これら第1チャック片5Aと第2チャック片5Bとの間に樹脂チューブ21を挟んでチャックする。樹脂チューブ21をチャックした状態を
図12〜
図14に示す。本構成によれば、チャック部5により樹脂チューブ21をチャックするとともに、ガイドローラ6により樹脂チューブ21を保持することで、確実に樹脂チューブ21の姿勢を保持することができる。
【0052】
<ガイドローラ>
ガイドローラ6は、樹脂チューブ21を把捉する手段の1つであり、樹脂チューブ21を保持しつつ案内するためのものである。
【0053】
ガイドローラ6は、
図10及び
図11に示すように、左右一対の横ローラとしての第1ローラ61及び第2ローラ62と、上下一対の縦ローラとしての上ローラ65及び下ローラ66とにより構成されている。
【0054】
下ローラ66は、
図10に示すように、樹脂チューブ21を保持していないときは準備位置66Aに配置されており、
図11に示すように、樹脂チューブ21を保持しているときは保持位置66Bに配置されるようになっている。すなわち、後述する制御装置Z中のプログラマブルロジックコントローラZ3(以下、PLCZ3と称する)の指令により、下ローラ66が樹脂チューブ21を保持する前の準備位置66Aから上ローラ65に向かって樹脂チューブ21の保持位置66Bまで移動することにより、ガイドローラ6は樹脂チューブ21を保持するように構成されている。
【0055】
図12〜
図14に示すように、チャック部5が樹脂チューブ21をチャックしたときには、樹脂チューブ21は、押込ローラ7に当接している。また、4つのガイドローラ6のうち、下ローラは樹脂チューブ21の下側に配置される。
【0056】
次に、
図15〜
図17は、
図12〜
図14に示す下ローラ66が準備位置66Aから保持位置66Bに移動したときの型入れハンド4を示している。
【0057】
下ローラ66が保持位置に移動することで、型入れ前の直管状の樹脂チューブ21は、確実にガイドローラ6に保持される。そして、樹脂チューブ21は、チャック部5においてもチャックされているから、安定して保持されるとともに、ガイドローラ6とチャック部5との間に配置された押込ローラ7に確実に当接する。
【0058】
樹脂チューブ21がガイドローラ6に保持された状態で、第1ローラ61及び第2ローラ62は、樹脂チューブ21の中心線21Aに垂直な方向であって、樹脂チューブ21をその側面両側から挟むように保持可能に配置されている。
【0059】
また、樹脂チューブ21がガイドローラ6に保持された状態で、上ローラ65及び下ローラ66は、樹脂チューブ21の中心線21Aと第1ローラ61及び第2ローラ62の両中心点を通る直線とに垂直な方向であって、樹脂チューブ21をその上下両側から挟むように配置されている。
【0060】
なお、第1ローラ61及び第2ローラ62の両中心点を通る直線は押込ローラ7の回転面に垂直であり、上ローラ65及び下ローラ66の両中心点を通る直線は押込ローラ7の回転面に平行である。
【0061】
本構成によれば、第1ローラ61及び第2ローラ62により、樹脂チューブ21が常にツール9の開口部92に位置するとともに、押込ローラ7が常に樹脂チューブ21の中心線21A上の位置に押圧を印加可能となるように、樹脂チューブ21を保持することができるから、樹脂チューブ21のツール9への挿入をより精度よく行うことができる。また、上ローラ65及び下ローラ66を備えることにより、樹脂チューブ21を左右上下4つのローラに挟んで保持することができるので、より確実に樹脂チューブ21の姿勢を保持することができる。
【0062】
なお、本構成は、4つのローラによる保持力が高いため、特に長い樹脂チューブ21、具体的には例えば200mm以上の長さの樹脂チューブ21の型入れに効果的である。
【0063】
<押込ローラ>
押込ローラ7は、ガイドローラ6により案内される樹脂チューブ21に対し押圧を加えてツール9の溝部91に開口部92を通じて樹脂チューブ21を挿入するためのものである。
【0064】
押込ローラ7は、トルクモータ12により駆動され、
図17に示すように、符号Uで示される方向に回転する。トルクモータ12の駆動により、押込ローラ7には、例えば
図17中に矢印で示す負荷トルク71が発生する。負荷トルク71は、樹脂チューブ21との接触面において樹脂チューブ21に作用し、押込ローラ7により樹脂チューブ21に加えられる押圧の一部又は全部となる。なお、押込ローラ7により樹脂チューブ21に加えられる押圧は、上記負荷トルク71に加え、例えばロボットアーム3の動きにより型入れハンド4がツール9に押し付けられる際に生じる押付力等に起因して生じ得る。
【0065】
図17に示すように、負荷トルク71をA−A線方向の縦成分71Aと、A−A線に垂直な方向の横成分71Bとに分解すると、縦成分71Aの方向は
図18に示す方向となる。すなわち、A−A線断面図である
図18において、縦成分71Aの押圧方向は、樹脂チューブ21の中心線21Aと、溝部91の軸線91Aと、溝部91の最深線91Bとを通る直線Kの方向と同一である。
【0066】
なお、本明細書において、この「押圧方向が直線Kの方向と同一」であるとは、
図18において、押圧方向が、軸線91Aの点を中心として、直線Kから5%前後の角度内に含まれる直線の方向であることをいう。
【0067】
本構成によれば、ガイドローラ6に保持された樹脂チューブ21に対し、押込ローラ7により、当該樹脂チューブ21の中心線21Aとツール9の溝部91の軸線91Aとを通る方向に、押圧が加えられるから、樹脂チューブ21を開口部92から溝部91内にスムーズに挿入することができる。そうして、
図19に示すように、樹脂チューブ21がツール9の溝部91内に均一に型入れされ、樹脂チューブ21の中心線21Aと溝部91の軸線91Aとが一致する状態となる。
【0068】
なお、より均一な押圧で型入れ作業を行う観点から、押込ローラ7の回転軸上であって、押込ローラ7の幅方向における中心点が上記直線Kを常に通るように、型入れハンド4の位置及び角度が制御装置Z中のロボットコントローラZ1により調整されることが望ましい。
【0069】
<トルクモータ>
トルクモータ12は、トルクを発生させて押込ローラ7を回転させるためのものである。トルクモータ12により押込ローラ7には負荷トルクが発生し、樹脂チューブ21との接触面において、樹脂チューブ21に加えられる押圧となる。トルクモータ12は、特に限定されるものではなく、市販のトルクモータを使用することができる。例えば、直流モータを使用する場合、後述する制御装置Z中のパワーコントローラZ2によりトルクモータ12の電流量が閾値を超えないように制御されることで、押込ローラ7に生じる負荷トルクが所定値を超えないように、すなわち所定値以下となるように制御される。このように、トルクモータ12を使用し、所定値を超える負荷トルクが樹脂チューブ21に負荷しないようにすることで、樹脂チューブ21の均一な型入れが可能となる。なお、トルクモータ12の構成についての詳細な説明は省略する。
【0070】
<抑え部>
抑え部11は、型入れ作業中の樹脂チューブ21のうちツール9の溝部91に型入れされる前の型入れハンド4に保持されていない部分が、型入れ作業中の遠心力により振れて、それにより樹脂チューブ21が型入れハンド4に保持されていない個所で折れ曲がることを防止するためのものである。抑え部11は、より長い樹脂チューブ21の型入れ作業を行う場合には、備えておくことが効果的であるが、備えない構成とすることもできる。
【0071】
<制御装置>
制御装置Z(制御部)は、図示はしないが、ロボットアーム3の動きを制御するロボットコントローラZ1と、トルクモータ12の回転及びトルクを制御するパワーコントローラZ2と、これらロボットコントローラZ1及びパワーコントローラZ2その他の構成の動作等をプログラム制御するPLCZ3とを備える。
【0072】
ロボットコントローラZ1は、ロボットアーム3の動き、すなわち各軸の動きを制御することにより、型入れハンド4の位置及び角度を調整する。
【0073】
また、パワーコントローラZ2は、上述のごとく、トルクモータ12の電流量を制御して、押込ローラ7に生じる負荷トルクを制御する。
【0074】
そうして、押込ローラ7により樹脂チューブ21に加えられる押圧を調整する。
【0075】
また、ロボットコントローラZ1は、ロボットアーム3の動きを制御することにより、押込ローラ7により樹脂チューブ21に加えられる押圧の方向が上述の直線Kと同一の方向となるように維持されるように、型入れハンド4の位置及び角度を調整する。これにより、ツール9の溝部91に対し常に均一な押圧で樹脂チューブ21を挿入することができる。
【0076】
なお、制御装置Zは、周知のマイクロコンピュータをベースとして構成されており、その詳細な説明は省略するが、上記制御に加え、下ローラ66の移動、型入れハンド4の原点位置から開始位置9A、終了位置9Bから原点位置への移動、チャック部5の第1及び第2チャック片5A,5Bの開閉等の制御も随時行う。
【0077】
<樹脂チューブの型入れ方法>
以下、本実施形態における曲げ加工装置1を用いて、樹脂チューブ21をツール9に型入れする方法について説明する。
【0078】
図20に、型入れ方法の手順を示す。型入れ方法は、樹脂チューブ21をチャック部5によりチャックする把持工程S1(把捉工程)と、ガイドローラ6で保持する保持工程S2(把捉工程)と、樹脂チューブ21を搬送させる搬送工程S3と、ツール9へ型入れする挿入工程S4と、樹脂チューブ21を開放する解除工程S5とを備える。
【0079】
なお、本実施形態では、上記工程S1〜S5を、ティーチング用樹脂チューブを用いて行うティーチング工程STを予め行う。
【0080】
−ティーチング工程−
ティーチング工程STは、製品である樹脂チューブ21の型入れを行う前、すなわち樹脂チューブ21の把持工程よりも前に、製品である樹脂チューブ21と同一形状・材質のティーチング用樹脂チューブを用いて、上記工程S1〜S5、特に好ましくは挿入工程S4と同一の工程を行う工程である。
【0081】
具体的には、例えばツール9の型入れの開始位置9Aから終了位置9Bまでの間の複数のポイントにおいて、押込ローラ7により樹脂チューブ21に加えられる押圧の方向が直線Kと同一となるような型入れハンド4の位置情報及び角度情報、及びトルクモータ12の電流量と負荷トルクとの関係等の型入れ情報を予め取得する。
【0082】
このように、ツール9の複数のポイントにおける型入れ情報を予め決定しておくことにより、製品の樹脂チューブ21を型入れする際、すなわち製品の樹脂チューブ21の挿入工程S4において、上記複数のポイントでは上記型入れ情報に基づいて型入れを行う構成とすることができるので、均一な型入れを再現性よく行うことができる。また、ツール9を曲げ形状の異なる別の製品の仕様に変更した場合であっても、そのツール9についてティーチング工程STにより予め型入れ情報を取得しておき、製品仕様に応じて型入れ情報を切り替えることで、仕様変更に柔軟に対応しつつ均一な型入れを容易に実現することができる。
【0083】
なお、上記複数のポイントは、ツール9の形状、長さ等により適宜変更可能であり、また上述のポイントに限らず任意に設定可能である。
【0084】
−把持工程−
まず、ロボットアーム3及び型入れハンド4は、原点位置に配置されている。
【0085】
把持工程S1では、原点位置に配置された型入れハンド4を樹脂チューブ21の保持可能位置、すなわちホルダ10の所定位置にまで移動させて、チャック部5により樹脂チューブ21をチャックする。
【0086】
−保持工程−
そして、保持工程S2では、下ローラ66を準備位置66Aから保持位置66Bへ移動させて樹脂チューブ21を持ち上げて樹脂チューブ21を保持する。
【0087】
−搬送工程−
次に、搬送工程S3では、ロボットアーム3により、型入れハンド4を型入れの開始位置9Aまで移動させる。そうして、ガイドローラ6に保持された樹脂チューブ21を開始位置9Aまで搬送する。
【0088】
−挿入工程−
そして、挿入工程S4では、チャック部5によるチャックを解除して、ガイドローラ6に保持された樹脂チューブ21を押込ローラ7によりツール9の溝部91に挿入しつつ、型入れハンド4をツール9の開始位置9Aから終了位置9Bまでツール9の溝部91の軸線91Aに追従して移動させる。
【0089】
このときロボットコントローラZ1は、ロボットアーム3の動きを制御する。そうして、上述のごとく、押込ローラ7により樹脂チューブ21に加えられる押圧の方向が直線Kと同一となるように型入れハンド4の位置及び角度を調整する。
【0090】
なお、上記複数のポイントでは、ティーチング工程STにおいて予め取得された型入れ情報に基づいて、樹脂チューブ21はツール9に挿入される。
【0091】
そうして、ツール9に対する樹脂チューブ21の均一な型入れを再現性よく行うことができる。
【0092】
−解除工程−
そして、解除工程S5では、型入れハンド4が終了位置9Bに到達し、樹脂チューブ21のツール9への挿入が終了したときに、下ローラ66を保持位置66Bから準備位置66Aへ移動させてガイドローラ6による樹脂チューブ21の保持を解除する。その後、型入れハンド4を原点位置に復帰させる。
【0093】
(第2実施形態)
以下、本発明に係る他の実施形態について詳述する。なお、これらの実施形態の説明において、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0094】
<ガイドローラ>
図21〜
図27に、第2実施形態に係る型入れハンド4を示す。なお、
図21、
図23〜
図27は樹脂チューブ21を備えた図である。
【0095】
第1実施形態では、ガイドローラ6は第1ローラ61、第2ローラ62、上ローラ65及び下ローラ66の4つのローラを備える構成であった。これに対し、本実施形態では、
図22に示すように、上ローラ65及び下ローラ66が設けられておらず、ガイドローラ6は第1ローラ61及び第2ローラ62により構成される。
【0096】
図23、
図24に示すように、チャック部5により把持されることで、樹脂チューブ21は押込ローラ7に当接している。
【0097】
本構成は、上ローラ65及び下ローラ66がないため、下ローラ66の操作がない。従って、第1ローラ61及び第2ローラ62の間に樹脂チューブ21を挟むことなく、型入れハンド4はツール9の開始位置9Aまで樹脂チューブ21を搬送する。そして、開始位置9Aにおいてツール9の溝部91に樹脂チューブ21の押込ローラ7に当接している部分を挿入すると、樹脂チューブ21の溝部91に挿入されていない部分がツール9の縁に乗り上げてツール9の上方に跳ね上がる。そうして、
図25〜
図27に示すように、第1ローラ61及び第2ローラ62の間に樹脂チューブ21が挟まれて保持される。その後、チャック部5の第1チャック片5Aと第2チャック片5Bが両側に開いて、樹脂チューブ21の型入れが進んでいく。本構成によれば、上ローラ65及び下ローラ66が存在しないため、簡易な構成で容易に樹脂チューブ21の型入れを行うことができる。
【0098】
なお、本構成は、特に短い樹脂チューブ21、具体的には例えば200mm未満の長さの樹脂チューブ21の型入れに効果的である。樹脂チューブ21が短い場合には、上ローラ65及び下ローラ66による樹脂チューブ21の保持が難しくなるためである。
【0099】
(その他の実施形態)
上記実施形態において、押込ローラ7の駆動源であるトルクモータ12の制御は、負荷トルクが所定値を超えないように制限する制御であったが、一定の負荷トルクがかかるように制御してもよい。
【0100】
上記実施形態において、押込ローラ7により樹脂チューブ21を挿入する構成であったが、樹脂チューブ21に押圧を加える押込部として、ローラ以外の、例えばピストン、シリンダ等の構成を採用してもよい。この場合、動力としてはエア駆動、電動駆動等を採用することができる。
【0101】
第1実施形態において、ガイドローラ6は左右上下4つのローラを備える構成であった。また、第2実施形態において、ガイドローラ6は左右2つのローラを備える構成であった。ローラの数は、樹脂チューブ21を確実に保持するとともに押込ローラ7に確実に当接して、押込ローラ7の押圧が樹脂チューブ21の中心線上に作用するように構成されていれば、さらに増やしてもよい。具体的には例えば、第1ローラ61及び第2ローラ62を樹脂チューブ21の延びる方向へ複数セット設けて樹脂チューブ21の保持及び案内を確実なものとしてもよい。