(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る加熱処理用包装体の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。本発明に係る加熱処理用包装体は、電子レンジにより内容物を加熱処理する際に用いるのに好適であり、また食材を加熱処理する際に用いるのに好適である。
【0012】
図1に、本発明に係る加熱処理用包装体の構成例を示す。
図1に示した加熱処理用包装体1は、2枚の包装体フィルム2の四辺がシールされた周縁シール部5を有している。そして、一方の包装体フィルム2には、その内面側を互いに向かい合わせて接合された合掌シール部20が形成されている。
【0013】
包装体フィルム2としては、電子レンジにより加熱処理がなされることを考慮すると、電子レンジの加熱に対する耐熱性を有するプラスチック素材で形成されていることが好ましい。そのようなプラスチック素材の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン等のハロゲン化ポリオレフィン;ポリビニルアルコール;ナイロン6、ナイロン6,6、ポリメタキシリレンアジパミド等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のポリアクリル酸エステル;及びこれらを形成するモノマーの共重合体などが挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、メタクリル又はアクリルを意味する。
【0014】
ポリエチレンの具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン系ポリエチレンなどが挙げられる。ポリプロピレンの具体例としては、プロピレンのホモポリマー、プロピレンとエチレンや1−ブテンとのランダム又はブロックコポリマーなどが挙げられる。
【0015】
包装体フィルム2は、単層でもよいが、共押出しなどにより2層以上に積層されていてもよい。例えば、包装体フィルム2は、基材層とシーラント層からなることが好ましく、さらに基材層とシーラント層の間に他の層を有していてもよい。具体的には、包装体フィルム2として、基材層となるポリアミドフィルムと、シーラント層となるポリプロピレン系イージーオープンフィルムとを貼り合わせた積層フィルムを用いることができる。また、包装体フィルム2は、酸化アルミニウムや酸化ケイ素のような無機酸化薄膜が付与されたガスバリアー性の複合フィルムでもよい。この複合フィルムは、酸化アルミニウムや酸化ケイ素の単体又は混合物を真空下で加熱気化させ、上記のフィルムの表面に蒸着することで得ることができる。
【0016】
周縁シール部5のシール幅は、3〜15mmとすることが好ましく、5〜12mmとすることがより好ましく、7〜10mmとすることがさらに好ましい。側部及び底部に形成される周縁シール部5は、側部に形成したシール部が底部に向かって内側に傾斜しているV字の形状、又は側部と底部のコーナーに形成したシール部が丸みをおびたU字の形状に形成されていることが好ましい。V字又はU字の形状であれば、加熱処理用包装体1の内部に食材等の内容物を充填する際に底部に形成したシール部の後退及び抜けを効果的に抑制することができ、また側部と底部のコーナーに内容物が滞留しにくくなり、加熱時に内容物が焦げることを防止することができる。
【0017】
周縁シール部5は、常温及び90℃雰囲気下において完全シールでもよいが、チャックシール部10及び合掌シール部20よりも強いシール強度であれば、易開封性を有していてもよい。周縁シール部5が易開封性を有する場合の常温及び90℃雰囲気下でのシール強度は、10〜30N/15mmが好ましく、12〜25N/15mmがより好ましい。なお、常温及び90℃雰囲気下でのシール強度とは、JIS Z0238「密封軟包装袋の試験方法」に従い、それぞれ常温及び90℃雰囲気下で測定された値である。
【0018】
合掌シール部20は、内容物の加熱処理時に内容物の上方に位置するように形成され、加熱処理により加熱処理用包装体1の内部圧力が上昇したときにその圧力を逃がす易開封性を有するように形成される。合掌シール部20は、包装体フィルム2のうち合掌シール部20を構成する部分の内面側を互いに向かい合わせ、その間に必要に応じて易開封性フィルム(不図示)を挟み込むことで形成することができる。
【0019】
合掌シール部20は、90℃雰囲気下において周縁シール部5及びチャックシール部10よりも弱い易開封性を有していることが重要である。こうすることで、内容物を加熱処理して加熱処理用包装体1の内部圧力が上昇した際に、周縁シール部5及びチャックシール部10が開封する前に合掌シール部20が開封して、その圧力を合掌シール部20から逃がすことができる。
【0020】
合掌シール部20の90℃雰囲気下でのヒートシール強度は、12N/15mm以下であることが好ましく、8N/15mm以下であることがより好ましい。合掌シール部20の90℃雰囲気下でのヒートシール強度は、0N/15mmでも構わないが、1N/15mm以上であることが好ましい。なお、合掌シール部20は、常温においては完全シールでもよく、易開封性を有していてもよい。合掌シール部20が易開封性を有する場合の常温でのシール強度は、0.5〜30N/15mmが好ましく、1〜10N/15mmがより好ましい。
【0021】
なお、常温では完全シール、90℃雰囲気下でのヒートシール強度が12N/15mm以下となる合掌シール部20は、易開封性フィルムとして、ポリオレフィン(例えば、融点120℃以下(好ましくは110℃以下)のポリエチレンや融点140℃以下(好ましくは130℃以下)のポリプロピレンを用いることで実現できる。なお、融点は、ASTM2117に基づいて測定した値である。
【0022】
合掌シール部20は、加熱処理用包装体1の中央方向(
図1では下方向)に向いて形成されている。そして、合掌シール部20の中央には、内容物を加熱処理して内部圧力が上昇したときに通蒸する通蒸領域21が形成されており、通蒸領域21の両脇には、合掌シール部20の包装体外部側端部から包装体内部側端部に向かって合掌シール部20の途中まで切り込み22が入れられている。こうすることで、内部圧力が上昇した際でも破裂しないように逃圧され、かつ包装体の側部が熱くなりにくい加熱処理用包装体となる。
【0023】
その逃圧機構を、
図2を参照しつつ、より具体的に説明する。合掌シール部20は加熱処理用包装体1の中央方向、すなわち周縁シール部5とは反対の方向を向いている(
図2(a))。この状態で加熱すると、合掌シール部20のうち切り込み22間の領域20aが包装体フィルム2に対して立ち上がり、そこに形成された通蒸領域21が開封し、蒸気Vが包装体フィルム2から放出される。しかし、その蒸気Vが放出される方向は、周縁シール部5が存在する方向ではないので、周縁シール部5が蒸気Vにより必要以上に加熱されてしまうことがなくなり、熱くなりにくくなる。
【0024】
合掌シール部20は、通常、折込プレート(フォーマー)を利用して形成する。合掌シール部20を加熱処理用包装体1の中央方向に向ける方法としては、合掌シール部を形成する際に、包装体フィルム2の合掌シール部20となる部分を加熱処理用包装体1の中央方向に折り曲げ、その方向に折り目を付ける方法が挙げられる。その際に、しっかり折り目を付けるために適宜圧力をかけてもよく、ヒートシールするために所定の温度をかけてもよい。
【0025】
通蒸領域21は、その領域で選択的に通蒸する構造であればよく、例えば、
図1に示すように、包装体外部側端部に半円形の非シール領域を形成することができる。非シール領域は、包装体内部側端部に形成してもよい。非シール領域は、角が丸まった四角形でもよく、四角形でもよく、三角形でもよく、その他の形状でもよい。また、後述するように、U字型シール領域/H字型シール領域/U字型シール領域を組み合わせたものであってもよい。
【0026】
切り込み22の長さD
S(
図1参照)は、合掌シール部20の包装体内部側端部から包装体外部側端部までの縦幅Dに対して30〜80%であることが好ましく、40〜60%であることがより好ましい。この範囲であれば、切り込み22間の領域20aが包装体フィルム2に対して容易に立ち上がるようになる。両切り込み22の長さD
Sは、同じでもよく異なっていてもよい。なお、両切り込み22は、合掌シール部20の包装体内部側端部から包装体外部側端部に向かって垂直に形成されていることが好ましい。
【0027】
切り込み22の間隔W
s(
図1参照)は、加熱処理用包装体1の横幅Wの5〜50%であることが好ましく、20〜45%であることがより好ましく、25〜40%であることがさらに好ましい。この範囲であれば、切り込み22間の領域20aが包装体フィルム2に対して容易に立ち上がるようになる。
【0028】
加熱処理後は、例えば、加熱処理用包装体1の両側部に形成された開封用ノッチ6から加熱処理用包装体1を切り裂いて開封することができる。このとき、加熱処理用包装体1の上部に形成された周縁シール部5が蒸気Vにより必要以上に加熱されてしまうことがないため、周縁シール部5を手で持つことができ、開封用ノッチ6から容易に開封することができる。
【0029】
なお、
図1に示す加熱処理用包装体1は、包装体フィルム2を四方シールして形成されているが、その形態は目的に応じて適宜選択することができる。すなわち、包装体フィルム2は、
図1に示す四方シールの他、三方シール、スティック、ピロー、ガゼット、封筒貼り、スタンディング、合掌貼り等の形態とすることができる。加熱処理用包装体1の外縁の形状は、三角形、四角形、五角形等の多角形、円形、楕円形、及びそれらの組み合わせた形状とすることができるが、一般的には四角形である。
【0030】
なかでも、
図3に示すように、包装体フィルム2を三方シールし、残りの一辺にチャックシール部10を形成することが好ましい。より具体的には、合掌シール部20が加熱処理用包装体1の一辺(
図3では上部の辺)と略平行に形成されており、合掌シール部20と加熱処理用包装体1の一辺の間に略平行にチャックシール部10が形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、消費者がチャックシール部10から食材等の内容物を投入して密封することができる。なお、略平行とは、両者が完全に平行である場合のみならず、少し傾きがあったとしても目的を果たしていればよく、一方に対する他方の傾きが例えば−10°〜+10°の場合を含む。
【0031】
チャックシール部10は、その構成例を
図4に示すように、雄チャック11及び雌チャック12を有している。雄チャック11を一方の包装体フィルム2に取り付け、雌チャック12をもう一方の包装体フィルム2に取り付けて、雄チャック11の凸部分と雌チャック12の凹部分とを嵌合させることでシール(密閉)することができる。雄チャック11及び雌チャック12は、通常、それぞれ2箇所(合計4箇所)の接合部15をヒートシールすることで包装体フィルム2に取り付けるが、それぞれ1箇所の接合部15のみをヒートシールし、他方をフリーの状態としてもよい。
【0032】
このように、加熱処理用包装体1にチャックシール部10を設けることで、消費者が食材等の内容物を投入して加熱処理することができるようになる。ただし、内部圧力が上昇した際にチャックシール部10が先に開封してしまい、水蒸気による蒸し調理効果が低減してしまう場合があった。また、合掌シール部20で通蒸した場合でも、大きな破裂音が発生してしまうという問題もあった。
【0033】
そこで、本発明では、
図5に示すように、通蒸領域21として、合掌シール部20の中央にH字型シール領域25が形成されており、さらにH字型シール領域25の両脇にU字型シール領域26が形成されていることが好ましい。このように、U字型シール領域26/H字型シール領域25/U字型シール領域26がこの順に形成されることで、加熱処理用包装体1の内部圧力が上昇して通蒸する際に破裂音が発生しにくくなる。
【0034】
H字型シール領域25は、合掌シール部20の包装体内部側及び包装体外部側の両方に非シール部が形成され、その周縁にシール部が形成された領域を指す。非シール部の形状は、
図5に示したように角が丸まった四角形でもよく、
図6(a)に示したように四角形でもよく、
図6(b)に示したように半円形でもよく、
図6(c)に示したように三角形でもよく、その他の形状でもよい。
【0035】
U字型シール領域26は、合掌シール部の包装体内部側に非シール部が形成され、その周縁にシール部が形成された領域を指す。非シール部の形状は、
図5に示したように角が丸まった四角形でもよく、
図6(a)に示したように四角形でもよく、
図6(b)に示したように半円形でもよく、
図6(c)に示したように三角形でもよく、その他の形状でもよい。
【0036】
合掌シール部20の縦幅D(合掌シール部の包装体内部側端部から包装体外部側端部までの距離)は、6〜28mmとすることが好ましく、9〜25mmとすることがより好ましく、12〜22mmとすることがさらに好ましい。
【0037】
H字型シール領域25における両非シール部間のシール部の縦幅D
H(
図7参照)は、合掌シール部20の包装体内部側端部から包装体外部側端部までの縦幅Dに対して5〜40%であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましく、15〜25%であることがさらに好ましい。両非シール部の大きさ(縦幅)は、同じでもよく異なっていてもよい。
【0038】
U字型シール領域26における非シール部と包装体外部側端部間のシール部の縦幅D
U(
図7参照)は、合掌シール部20の包装体内部側端部から包装体外部側端部までの縦幅Dに対して10〜50%であることが好ましく、15〜45%であることがより好ましく、20〜40%であることがさらに好ましい。
【0039】
H字型シール領域25における非シール部の横幅W
H(
図7参照)は、5〜30mmとすることが好ましく、8〜25mmとすることがより好ましく、10〜20mmとすることがさらに好ましい。
【0040】
H字型シール領域25における非シール部とU字型シール領域26における非シール部間のシール部の横幅W
HU(
図7参照)は、H字型シール領域25における非シール部の横幅W
Hに対して5〜80%であることが好ましく、10〜60%であることがより好ましく、15〜40%であることがさらに好ましい。
【0041】
U字型シール領域26における非シール部の横幅W
U(
図7参照)は、H字型シール領域25における非シール部の横幅W
Hに対して40〜200%であることが好ましく、50〜150%であることがより好ましく、60〜80%であることがさらに好ましい。
【0042】
チャックシール部10及び合掌シール部20が平行に形成された加熱処理用包装体1の一辺から対辺までの距離H(
図1、
図3及び
図5参照、加熱処理用包装体1の長さ)は、100〜500mmであることが好ましく、125〜400mmであることがより好ましく、150〜300mmであることがさらに好ましい。
【0043】
加熱処理用包装体1の一辺と合掌シール部20との間の距離H
P(
図1、
図3及び
図5参照)は、加熱処理用包装体1の一辺から対辺までの距離Hに対して10〜50%であることが好ましく、15〜40%であることがより好ましく、20〜30%であることがさらに好ましい。この範囲であれば、加熱処理用包装体1の破裂強度が低くなり、弱い力でも容易に通蒸するようになる。
【0044】
加熱処理用包装体1の一辺とチャックシール部10との間の距離H
J(
図3及び
図5参照)は、加熱処理用包装体1の一辺と合掌シール部20との間の距離H
Pに対して10〜80%であることが好ましく、20〜60%であることがより好ましく、30〜40%であることがさらに好ましい。
【0045】
合掌シール部20の包装体外部側端部には、
図8に示すように、中央に非シール領域28を有する完全シール領域27が形成されていることが好ましい。すなわち、合掌シール部20の包装体外部側端部の中央はシールされていないが、その両脇は完全シールされていることが好ましい。内容物を加熱処理して加熱処理用包装体1の内部圧力が上昇した際に、合掌シール部20が大きく開封してしまうと、内容物が外部に飛び出してしまう可能性がある。しかし、このように完全シール領域27を形成することで、中央の非シール領域28の範囲でのみ開封するようになり、内容物が外部に飛び出すことを抑制できる。
【0046】
完全シール領域27の縦幅D
c(
図8参照)は、1〜30mmであることが好ましく、1.5〜15mmであることがより好ましい。なお、完全シール領域27を形成する場合、合掌シール部20の全体の縦幅D
T(
図8参照、合掌シール部の包装体内部側端部から包装体外部側端部までの距離)は、完全シール領域27の縦幅D
cの分だけ大きくすることが好ましい。この場合において、前述の縦幅Dは、合掌シール部に形成した易開封性領域29の縦幅を意味するものとする(
図8参照)。
【0047】
完全シール領域27の中央に形成された非シール領域28の横幅W
c(
図8参照)は、10〜40mmであることが好ましく、20〜30mmがより好ましく、例えば25mmとすることができる。なお、非シール領域28の形状は、
図8に示すように四角形でもよく、台形でもよく、円の一部となる形状でもよく、両端が内側に凹んだ形状でもよい。
【0048】
このような加熱処理用包装体1であれば、内容物を加熱処理して加熱処理用包装体1の内部圧力が上昇したとき、合掌シール部20のうち切り込み22間の領域20aが包装体フィルム2に対して立ち上がり、そこに形成された通蒸領域21が開封し、蒸気Vが包装体フィルム2から放出される。このとき、チャックシール部10や周縁シール部5は開封せず、加熱処理用包装体1の内部圧力は、加熱処理用包装体1の破裂しない程度に維持されるので、蒸し調理なども可能である。
【0049】
一方、蒸気Vが放出される方向は、周縁シール部5が存在する方向ではないので、周縁シール部5やチャックシール部10が蒸気Vにより必要以上に加熱されてしまうことがなくなり、熱くなりにくくなる。したがって、加熱処理が完了した後は、消費者が、開封用ノッチ6から加熱処理用包装体1を切り裂いたり、チャックシール10を開けたりして、加熱処理用包装体1を開封することができる。
【実施例】
【0050】
<実施例1>
図5に示す構成の加熱処理用包装体1(縦225mm×横208mm)を作製した。なお、用いた包装体フィルム2の構成はPET/CPPであり、PETが基材層、CPPがシーラント層として機能する。なお、合掌シール部20にはオレフィン系イージーオープンテープを挿入し、
図8に示す形状の通蒸領域21を形成した。各部位の寸法は、D=17mm、D
H=3mm、D
U=6mm、D
c=2mm、D
s=8mm(D
cを含めた切り込み22全体の長さは10mm)、W
H=14mm、W
HU=3mm、W
U=10mm、W
s=40mm、H
P=60mm、H
J=20mmである。
【0051】
<実施例2>
W
s=60mmとした以外は、実施例1と同様にして加熱処理用包装体1を作製した。
【0052】
<実施例3>
W
s=80mmとした以外は、実施例1と同様にして加熱処理用包装体1を作製した。
【0053】
<実施例4>
W
s=100mmとした以外は、実施例1と同様にして加熱処理用包装体1を作製した。
【0054】
<実施例5>
D
s=5mm(D
cを含めた切り込部22全体の長さは7mm)とした以外は、実施例2と同様にして加熱処理用包装体1を作製した。
【0055】
<比較例1>
切り込み22を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして加熱処理用包装体1を作製した。
【0056】
<評価>
得られた加熱処理用包装体1に水200mlを投入して密閉したサンプルを各20個作製し、電子レンジで加熱した。その際に、切り込み22間の領域20aの立ち上がり具合、及び通蒸位置を確認した。「立ち上がり具合」は、切り込み22間の領域20aと他の合掌シール部20との角度が20°以上になった場合を「○」、10°以上20°未満になった場合を「△」、10°未満だった場合を「×」とした。
【0057】
【表1】
【0058】
以上のように、合掌シール部20の包装体外部側端部から包装体内部側端部に向かって合掌シール部20の途中まで切り込み22を形成することで、切り込み22間の領域20aが包装体フィルム2に対して立ち上がり、そこに形成された通蒸領域21が選択的に開封し、蒸気Vが包装体フィルム2から放出されることが分かった(実施例1〜5)。一方、切り込み22を形成しなかった場合には、加熱により包装体が膨らんだ際に合掌シール部20が包装体フィルム2に密着してしまい、通蒸領域ではなくチャックシール部が開いてしまったケースがあった(比較例1)。