特許第6809877号(P6809877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6809877
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】蒸気加熱装置
(51)【国際特許分類】
   F22G 3/00 20060101AFI20201221BHJP
   F17D 1/06 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   F22G3/00 Z
   F17D1/06
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-224589(P2016-224589)
(22)【出願日】2016年11月17日
(65)【公開番号】特開2018-80889(P2018-80889A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】飛田 泰平
【審査官】 堀川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−079238(JP,U)
【文献】 特開平07−012299(JP,A)
【文献】 特開2005−126902(JP,A)
【文献】 特開2012−126209(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/056481(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0288965(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22G 3/00
F17D 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
別の場所に設けられた使用装置へ蒸気を供給し、該蒸気によって上記使用装置の対象物が加熱される蒸気供給管と、該蒸気供給管に設けられた流量調整弁とを有する蒸気供給系統と、
ドレン回収管およびドレン圧送管が接続され、上記使用装置で蒸気が凝縮して発生したドレンが上記ドレン回収管を介して流入し、該流入したドレンを上記ドレン圧送管に圧送するドレン圧送装置を有するドレン回収系統と、
上記蒸気供給系統および上記ドレン回収系統が取り付けられてユニット化されたフレームとを備え
上記フレームは、地面に接地するベースと、該ベースにおいて所定の四角形の四隅に配置されて鉛直上方に延びる4本の支柱と、それぞれ上記四角形の対向する二辺に沿って位置し、上記辺の両端に位置する2本の支柱の上端に接続された2本の梁とを有し、
上記蒸気供給管は、上記流量調整弁が上記2本の梁の間に位置するように上記2本の梁の間に亘って延びて該2本の梁に固定され、
上記蒸気供給系統は、両端が上記蒸気供給管における上記2本の梁から外側へ突出した部分に接続され、上記2本の梁の間に亘って延びて該2本の梁に固定されるバイパス管を有し、上記蒸気供給管および上記バイパス管は上記4本の支柱の補強部材として兼用されている
ことを特徴とする蒸気加熱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蒸気加熱装置において、
上記蒸気供給管の蒸気の一部を上記ドレン圧送装置に導入することによって上記ドレン圧送装置内のドレンを圧送させる蒸気導入管と、該蒸気導入管に設けられた減圧弁とを有し、上記フレームに取り付けられて上記蒸気供給系統および上記ドレン回収系統と共にユニット化された蒸気導入系統を備え、
上記蒸気供給系統の流量調整弁は上記フレームの上段に取り付けられ、上記ドレン回収系統のドレン圧送装置は上記フレームの下段に取り付けられ、上記蒸気導入系統の減圧弁は上記フレームにおける上記流量調整弁と上記ドレン圧送装置との間の中段に取り付けられている
ことを特徴とする蒸気加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、蒸気使用機器に蒸気を供給すると共に、蒸気使用機器からドレンを回収する蒸気加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、蒸気を使用装置に供給して対象物を加熱する蒸気加熱装置が知られている。この蒸気加熱装置は、蒸気を使用装置に供給する蒸気供給系統と、使用装置で蒸気が凝縮して発生したドレンを回収するドレン回収系統とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−207345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような蒸気加熱装置では、現場にて蒸気供給系統やドレン回収系統のそれぞれを設置するため、設置作業に手間と時間を費やしていた。
【0005】
本願に開示の技術は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、現場の設置作業に掛かる手間と時間を削減することができる蒸気加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示の技術は、上記目的を達成するために、必要な配管や機器をユニット化するようにした。
【0007】
具体的に、本願の蒸気加熱装置は、蒸気供給系統と、ドレン回収系統と、フレームとを備えている。上記蒸気供給系統は、別の場所に設けられた使用装置へ蒸気を供給し、該蒸気によって上記使用装置の対象物が加熱される蒸気供給管と、該蒸気供給管に設けられた流量調整弁とを有している。上記ドレン回収系統は、ドレン回収管およびドレン圧送管が接続され、上記使用装置で蒸気が凝縮して発生したドレンが上記ドレン回収管を介して流入し、該流入したドレンを上記ドレン圧送管に圧送するドレン圧送装置を有している。上記フレームは、上記蒸気供給系統および上記ドレン回収系統が取り付けられてユニット化されている。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本願の蒸気加熱装置によれば、使用装置に蒸気を供給するための蒸気供給系統と、使用装置で発生したドレンを回収するためのドレン回収系統とがフレームに取り付けられてユニット化されているため、現場にて簡易に設置することができる。したがって、現場の設置作業に掛かる手間と時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る蒸気加熱装置の概略構成を示す回路図である。
図2図2は、蒸気加熱装置の概略構成を正面側から視て示す斜視図である。
図3図3は、蒸気加熱装置の概略構成を背面側から視て示す斜視図である。
図4図4は、蒸気加熱装置の概略構成を一部省略し背面側から視て示す斜視図である。
図5図5は、蒸気加熱装置の概略構成を一部省略し左側から視て示す斜視図である。
図6図6は、蒸気加熱装置の概略構成を背面側左斜めから視て示す斜視図である。
図7図7は、蒸気加熱装置の概略構成を正面側左斜めから視て示す斜視図である。
図8図8は、蒸気加熱装置の概略構成を左側から視て示す斜視図である。
図9図9は、蒸気加熱装置の概略構成を背面側右斜めから視て示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本願に開示の技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0011】
本願の蒸気加熱装置1は、該蒸気加熱装置1とは別の場所に設けられた使用装置に蒸気を供給して対象物を加熱すると共に、使用装置で蒸気が凝縮して発生したドレンを回収して別の装置へ送るものである。上述した使用装置として、例えば温水生成装置や段ボールシート製造装置が挙げられる。図1に示すように、本実施形態の蒸気加熱装置1は、蒸気供給系統10と、ドレン回収系統30と、蒸気導入系統50と、蒸気排出系統70とを備えている。
【0012】
〈蒸気供給系統〉
蒸気供給系統10は、蒸気供給管11と、制御弁13と、バイパス管16と、フラッシュ蒸気管21とを有している。蒸気供給管11は、蒸気が一端から流入し他端から使用装置へ供給される。使用装置では、供給された蒸気によって対象物が加熱される一方、蒸気が凝縮してドレンとなる。制御弁13は、蒸気供給管11に設けられ、蒸気の流量が調節可能な流量調整弁である。制御弁13は、蒸気とドレンとを分離する気液分離部14を有しており、気液分離部14で分離された蒸気が下流側に流れる。また、蒸気供給管11には、制御弁13の上流側と下流側に開閉弁12,15が設けられている。気液分離部14にはドレン排出管18が接続されており、気液分離部14で分離されたドレンがドレン排出管18から排出される。
【0013】
バイパス管16は、蒸気供給管11に接続され、制御弁13および開閉弁12,15をバイパスするものである。つまり、バイパス管16の一端は開閉弁12よりも上流側に接続され、他端は開閉弁15よりも下流側に接続されている。バイパス管16には、開閉弁17が設けられている。フラッシュ蒸気管21は、蒸気供給管11においてバイパス管16よりも下流側に接続されている。フラッシュ蒸気管21は、他のシステムで発生したフラッシュ蒸気(再蒸発蒸気)が蒸気供給管11に流れる。フラッシュ蒸気管21には、上流側から順に、開閉弁22および逆止弁23が設けられている。逆止弁23は、フラッシュ蒸気管21における蒸気供給管11へ向かう蒸気の流れのみを許容する。
【0014】
〈ドレン回収系統〉
ドレン回収系統30は、ドレン回収管31およびドレン圧送管33と、該ドレン回収管31およびドレン圧送管33が接続されたドレン圧送装置32とを有している。ドレン圧送装置32は、使用装置で蒸気が凝縮して発生したドレンがドレン回収管31を介して流入し、該流入したドレンをドレン圧送管33に圧送するものである。具体的に、ドレン圧送装置32は、ドレンの流入口32aおよび圧送口32bと、蒸気の導入口32cおよび排出口32dとを有している。流入口32aにはドレン回収管31が接続され、圧送口32bにはドレン圧送管33が接続されている。導入口32cおよび排出口32dには、それぞれ後述する蒸気導入管51および蒸気排出管71が接続されている。
【0015】
ドレン回収管31には、上流側から順に、開閉弁34、ストレーナ35および逆止弁36が設けられている。逆止弁36は、ドレン回収管31におけるドレン圧送装置32へ向かうドレンの流れのみを許容する。また、ドレン回収管31には、開閉弁34よりも上流側にドレン排出管18が接続されており、気液分離部14からドレンが流入する。ドレン圧送管33には、上流側から順に、スチームトラップ37、逆止弁38、開閉弁39およびサイトグラス41が設けられている。スチームトラップ37は、自動的にドレンのみを下流側に排出するものである。逆止弁38は、ドレン圧送管33におけるサイトグラス41へ向かうドレンの流れのみを許容する。ドレン圧送管33は、ドレン圧送装置32から圧送されたドレンが別の装置へ送られる。
【0016】
また、ドレン回収管31は、分岐管42を有している。分岐管42は、一端がドレン回収管31における開閉弁34とドレン排出管18の接続部との間に接続され、他端がドレン圧送管33における開閉弁39とサイトグラス41との間に接続されている。分岐管42には、開閉弁43が設けられている。ドレン圧送装置32には、ドレンを排出するためのブロー管44が接続されており、ブロー管44には開閉弁45が設けられている。
【0017】
〈蒸気導入系統〉
蒸気導入系統50は、蒸気導入管51と、減圧弁54と、バイパス管56とを有している。蒸気導入管51は、一端が蒸気供給管11におけるバイパス管16よりも上流側に接続され、他端がドレン圧送装置32の導入口32cに接続されている。蒸気導入管51は、蒸気供給管11の蒸気の一部をドレン圧送装置32に導入することによってドレン圧送装置32内のドレンを圧送させるものである。減圧弁54は、蒸気導入管51に設けられ、蒸気の圧力を減圧するものである。蒸気導入管51には、減圧弁54の上流側に開閉弁52およびストレーナ53が設けられ、減圧弁54の下流側に開閉弁55が設けられている。バイパス管56は、蒸気導入管51に接続され、減圧弁54、ストレーナ53および開閉弁52,55をバイパスするものである。つまり、バイパス管56の一端は開閉弁52よりも上流側に接続され、他端は開閉弁55よりも下流側に接続されている。バイパス管56には、開閉弁57が設けられている。また、蒸気導入管51には、バイパス管56よりも下流側に、開閉弁58およびストレーナ59が設けられている。
【0018】
また、蒸気導入管51は、分岐管61を有している。分岐管61は、一端が蒸気導入管51におけるバイパス管56と開閉弁58との間に接続され、他端がドレン回収管31における開閉弁34と分岐管42の接続部との間に接続されている。分岐管61には、上流側から順に、開閉弁62、スチームトラップ63、逆止弁64および開閉弁65が設けられている。スチームトラップ63は、自動的にドレンのみを下流側に排出するものである。逆止弁64は、分岐管61におけるドレン回収管31へ向かうドレンの流れのみを許容する。つまり、分岐管61は、蒸気導入管51の蒸気にドレンが混じっている場合、そのドレンがスチームトラップ63を介してドレン回収管31に流れる。
【0019】
〈蒸気排出系統〉
蒸気排出系統70は、蒸気排出管71と、均圧管75とを有している。蒸気排出管71は、一端がドレン圧送装置32の排出口32dに接続され、他端がブロー管44における開閉弁45よりも下流側に接続されている。蒸気排出管71には、上流側から順に、開閉弁72、エアベント73および逆止弁74が設けられている。均圧管75は、蒸気排出管71における開閉弁72よりも上流側に接続されており、開閉弁76が設けられている。なお、上述した全ての開閉弁は手動式のものであり、そのうち開閉弁17,22,43,45,57,58はボール弁である。
【0020】
〈ドレン圧送装置の動作〉
ドレン圧送装置32は、図示しないが、ドレンの貯留室を有しており、その貯留室にフロートが配置されている。ドレン圧送装置32は、フロートが所定の低位まで下降すると、導入口32cが閉じると共に排出口32dが開き、フロートが所定の高位まで上昇すると、導入口32cが開くと共に排出口32dが閉じるように構成されている。ドレン圧送装置32では、導入口32cが閉じて排出口32dが開くと、ドレン回収管31のドレンが流入口32aから貯留室に流入する。このドレンの流入に伴い、貯留室の蒸気が排出口32dから蒸気排出管71およびブロー管44を通って排出される。また、ドレン圧送装置32では、導入口32cが開いて排出口32dが閉じると、蒸気導入管51の蒸気が導入口32cから貯留室に流入する。この蒸気の導入により、貯留室のドレンが圧送口32bからドレン圧送管33に圧送(排出)される。
【0021】
〈センサ類〉
また、蒸気加熱装置1は、センサ類として、圧力計81,82,83,84,85、圧力センサ86および圧力調節部87を備えている。圧力計81は蒸気供給管11における制御弁13よりも上流側の圧力を示し、圧力計82は蒸気供給管11における制御弁13よりも下流側の圧力を示し、圧力計83は分岐管42における圧力を示す。圧力計84は蒸気導入管51における減圧弁54よりも下流側の圧力を示し、圧力計85は均圧管75における圧力を示す。圧力センサ86は、蒸気供給管11における制御弁13よりも下流側の圧力を検出し、その検出圧力を圧力調節部87に送る。圧力調節部87は、制御弁13の上部に設けられており、圧力センサ86から送られた検出圧力に基づいて制御弁13を駆動制御する。制御弁13が駆動制御されることにより、蒸気の圧力が調節される。
【0022】
〈ユニット構造〉
蒸気加熱装置1は、図2図9に示すように、蒸気供給系統10と、ドレン回収系統30と、蒸気導入系統50と、蒸気排出系統70と、センサ類とが取り付けられてユニット化されたフレーム90を備えている。
【0023】
フレーム90は、図4および図5に示すように、ベース91と、4本の支柱101,102,103,104と、2本の梁105,106と、2本の桁107,108とを有している。ベース91は、地面に接地するものであり、2本の長辺部材92,93と2本の短辺部材94,95とで矩形枠状に形成されている。ベース91には、補強部材として、2本の長辺部材92,93に繋がる2本の梁96,97が設けられている。
【0024】
4本の支柱101,102,103,104は、ベース91において所定の四角形(本実施形態では、長方形)の四隅に配置され、ベース91から鉛直上方に延びている。つまり、4本の支柱101,102,103,104は、2本の長辺部材92,93のそれぞれに2本ずつ間隔を置いて配置されている。2本の梁105,106は、水平に延びており、それぞれ上述した長方形の短辺側に位置して2本の支柱101,102,103,104の間に接続された部材である。つまり、梁105は支柱101と支柱103とに繋がり、梁106は支柱102と支柱104とに繋がっている。2本の桁107,108は、水平に延びており、それぞれ上述した長方形の長辺側に位置して2本の支柱101,102,103,104の間に接続された部材である。つまり、桁107は支柱101と支柱102とに繋がり、桁108は支柱103と支柱104とに繋がっている。梁105,106は、支柱101,102,103,104の上端に設けられており、桁107,108は、支柱101,102,103,104の上端よりも少し低い位置に設けられている。
【0025】
蒸気加熱装置1では、図2に示すように、蒸気供給系統10が概ねフレーム90の上段に配置され、蒸気導入系統50が概ねフレーム90の中段に配置され、ドレン回収系統30が概ねフレーム90の下段に配置されている。なお、図2は蒸気加熱装置1を正面側から視て示すものであり、以下で言及する「右」、「左」および「奥行き」はそれぞれ正面側から視て右、左および奥行きを意味する。
【0026】
ドレン回収系統30では、ドレン圧送装置32がベース91の左端に配置されている。つまり、ドレン圧送装置32はベース91において短辺部材95と梁97とに固定されている。ドレン回収管31およびドレン圧送管33は、ドレン圧送装置32から概ね右端まで真っ直ぐ延びて配置されている。ドレン回収管31は、ドレン圧送管33よりも少し上方に位置している。こうして、ドレン回収系統30は概ねフレーム90の下段に配置されている。特に、蒸気加熱装置1において重量が最大であるドレン圧送装置32がベース91に配置されている。また、ドレン圧送装置32ほどではないが重量および大きさが比較的大きいスチームトラップ37は、フレーム90の下段に配置されており、左右方向における略中央に配置されている。
【0027】
このように、最大重量であるドレン圧送装置32が下段でしかもベース91に配置されることにより、蒸気加熱装置1全体が安定する。さらに、重量が比較的大きいスチームトラップ37が左右方向における略中央に配置されることにより、蒸気加熱装置1における重量バランスが良くなる。
【0028】
蒸気供給系統10では、略直線状の蒸気供給管11が左右方向に延びる状態で2本の梁105,106の上面に配置され固定されている。蒸気供給管11に設けられた制御弁13および開閉弁12,15は、2本の梁105,106の間の略中央に位置している。バイパス管16は、略コの字状に屈曲している。そして、バイパス管16の両端は、蒸気供給管11における梁105,106から外側へ突出した部分に接続されている。こうして、バイパス管16は蒸気供給管11との間で矩形枠を形成している。バイパス管16は、蒸気供給管11と同様、2本の梁105,106の上面に配置され固定されている。つまり、蒸気供給管11およびバイパス管16のそれぞれは、2本の梁105,106の間に亘って延びて該2本の梁105,106に固定されている。
【0029】
こうして、蒸気供給系統10は概ねフレーム90の上段に配置されている。さらに、蒸気供給系統10において重量が比較的大きい制御弁13や開閉弁12,15が左右方向における略中央に位置しているため、蒸気加熱装置1全体が安定する。また、重量が比較的大きいバイパス管16の開閉弁17は制御弁13等の奥行き側に配置されているので、奥行き方向の重量バランスが良くなる。また、特に制御弁13や開閉弁12,15,17は、メンテナンスや点検の頻度が比較的高いところ、フレーム90の上段に位置していることから、フレーム90の周囲から容易にアクセスすることができ、メンテナンスや点検の作業が容易となる。また、圧力調節部87もメンテナンス等の頻度が高いが、圧力調節部87は制御弁13の上部に設けられているため、上述したように制御弁13が上段に設けられていることから、メンテナンス等の作業が容易である。
【0030】
また、蒸気供給管11およびバイパス管16が2本の梁105,106の間に亘って延びてその梁105,106に固定されているため、支柱101,102,103,104の剛性を高めることができる。しかも、バイパス管16と蒸気供給管11とが矩形枠を形成しているため、より剛性を高めることができる。つまり、本実施形態の蒸気加熱装置1では、蒸気供給管11およびバイパス管16を支柱101,102,103,104の補強部材としても兼用している。
【0031】
蒸気導入系統50では、蒸気導入管51の大部分がフレーム90の中段に配置されている。そして、蒸気導入管51に設けられた減圧弁54や開閉弁52,55、ストレーナ53も、フレーム90の中段に配置され、左右方向における略中央に配置されている。このように、重量が比較的大きい減圧弁54や開閉弁52,55がフレーム90の中段で且つ左右方向における略中央に位置しているため、蒸気加熱装置1全体が安定する。
【0032】
また、減圧弁54や開閉弁52,55は、メンテナンスや点検の頻度が比較的高いところ、フレーム90の中段に位置していることから、蒸気供給系統10やドレン回収系統30によって制限されることなくフレーム90の周囲から容易にアクセスすることができる。そのため、減圧弁54等に対してメンテナンスや点検の作業が容易となる。さらに、本実施形態では、図7に示すように、減圧弁54や開閉弁52,55を蒸気供給系統10やドレン回収系統30よりも正面側に寄せて配置しているため、フレーム90の周囲から一層容易にアクセスすることができる。
【0033】
蒸気排出系統70では、特に均圧管75がフレーム90の中段に配置されている。均圧管75は、ドレン圧送装置32から右端まで延びて配置されている。本実施形態では、均圧管75はフレーム90においてデッドスペースの多い中段に配置している。
これにより、フレーム90における空間を有効に活用することができる。
【0034】
また、4本の支柱101,102,103,104は矩形枠のベース91において左右の端部(短辺部材94,95)よりも内側に配置されているため、例えば支柱が左右の端部(短辺部材94,95)に配置される場合に比べて、フレーム90ないし蒸気加熱装置1全体がより安定する。
【0035】
また、各圧力計81,82,83,84,85は、正面側の支柱101,102を利用して取り付けられている。つまり、2つの圧力計81,85は左側の支柱101に取り付けられ、3つの圧力計82,83,84は右側の支柱102に取り付けられている。
【0036】
以上のように、上記実施形態の蒸気加熱装置1によれば、蒸気供給管11および制御弁13を有する蒸気供給系統10と、ドレン回収管31およびドレン圧送管33が接続されたドレン圧送装置32を有するドレン回収系統30とをフレーム90に取り付けてユニット化するようにした。したがって、蒸気加熱装置1を現場にて簡易に設置することができる。これにより、現場の設置作業に掛かる手間と時間を削減することができる。
【0037】
さらに、上記実施形態の蒸気加熱装置1では、ドレン圧送装置32を駆動するための蒸気導入系統50を含めてユニット化するようにしたため、現場の設置作業がより簡易となる。
【0038】
また、上記実施形態の蒸気加熱装置1によれば、蒸気供給系統10の制御弁13をフレーム90の上段に取り付け、ドレン回収系統30のドレン圧送装置32をフレーム90の下段に取り付け、蒸気導入系統50の減圧弁54をフレーム90の中段に取り付けるようにした。これにより、制御弁13、ドレン圧送装置32および減圧弁54に対して相互に制限されることなくフレーム90の周囲から容易にアクセスすることができる。したがって、制御弁13等のメンテナンスや点検の作業が容易となる。
【0039】
また、上記実施形態の蒸気加熱装置1によれば、蒸気供給系統10において、蒸気供給管11およびバイパス管16のそれぞれを2本の梁105,106に固定するようにした。そのため、支柱101,102,103,104の剛性を高めることができる。つまり、上記実施形態の蒸気加熱装置1では、蒸気供給管11およびバイパス管16を支柱101,102,103,104の補強部材として利用するようにした。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本願に開示の技術は、蒸気使用機器に蒸気を供給すると共に、蒸気使用機器からドレンを回収する蒸気加熱装置について有用である。
【符号の説明】
【0041】
1 蒸気加熱装置
10 蒸気供給系統
11 蒸気供給管
13 制御弁(流量調整弁)
30 ドレン回収系統
31 ドレン回収管
32 ドレン圧送装置
33 ドレン圧送管
50 蒸気導入系統
51 蒸気導入管
54 減圧弁
90 フレーム
91 ベース
101,102,103,104 支柱
105,106 梁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9