(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記誘導情報発生部は、前記過去の画像における関心領域にさらに基づき、前記関心領域をさらに示すガイド光を前記撮影台に発生する請求項2に記載のマンモグラフィ装置。
前記撮像条件は、前記過去の画像を取得した際の前記撮影台の高さ、前記過去の画像を取得した際の前記X線管の回転角、及び前記過去の画像を取得した際の圧迫圧である請求項6記載のマンモグラフィ装置。
前記撮像条件は、前記過去の画像を取得した際の前記撮影台の高さ、前記過去の画像を取得した際の前記X線管の回転角、及び前記過去の画像を取得した際の圧迫厚である請求項6記載のマンモグラフィ装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るマンモグラフィ装置10が含まれる医療情報システムを示す模式図である。
図1に示される医療情報システムは、マンモグラフィ装置10、HIS(Hospital Information System)サーバ21、RIS(Radiology Information System)サーバ31、RIS端末32、画像サーバ41、レポートサーバ42、ビューワ43及びPC端末50を具備する。マンモグラフィ装置10、HIS(Hospital Information System)サーバ21、RIS(Radiology Information System)サーバ31、RIS端末32、画像サーバ41、レポートサーバ42、ビューワ43及びPC端末50は、ローカルネットワークに接続し、所定の装置へ情報を送信すると共に、所定の装置から送信される情報を受信する。なお、医療情報システムは、ローカルネットワークに加え、又は、ローカルネットワークの代わりに、外部のネットワークに接続しても構わない。
【0013】
図1において、HISサーバ21は、病院情報システム(HIS)を構成するサーバである。RISサーバ31及びRIS端末32は、放射線部門情報管理システム(RIS)を構成する要素の一部である。画像サーバ41、レポートサーバ42及びビューワ43は、画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)を構成する要素の一部である。
【0014】
HISサーバ21は、HISにおいて、病院内の情報を電子的に管理する。病院内の情報には、診療情報、患者情報及びオーダ情報等が含まれる。
【0015】
ここで、診療情報には、所見情報、病名情報、バイタル情報及び検査段階情報等、電子カルテに係る情報が含まれる。また、患者情報には、患者ID、患者名、性別及び年齢等が含まれる。オーダ情報は、医師等が検体検査、生理検査、乳腺画像検査、処方箋及び投薬等を依頼する情報である。なお、本実施形態における説明では、オーダ情報を、乳腺画像検査の実施を依頼する情報として説明する。このとき、オーダ情報には、例えば、診療科名及び医師名を含む依頼元情報、患者ID、並びにマンモグラフィ画像を撮影することを表す情報等が含まれる。
【0016】
HISサーバ21の動作の例を具体的に説明する。HISサーバ21は、医師及び看護師等の医療スタッフが使用するPC端末50から、記録している診療情報を提供する旨の要求を受け付ける。HISサーバ21は、要求に応じ、診療情報をPC端末50へ提供する。
【0017】
また、HISサーバ21は、PC端末50から乳腺画像検査を実施することを指示するオーダ情報を受け付ける。HISサーバ21は、オーダ情報が入力されると、入力されたオーダ情報と、このオーダ情報により特定される患者の患者情報とをRISサーバ31へ出力する。
【0018】
また、HISサーバ21は、RISサーバ31から送信される検査実施情報を受信する。検査実施情報は、マンモグラフィ装置10を用いて乳腺画像検査が実施された際にRISサーバ31から送信される。HISサーバ21は、検査実施情報に基づき、診療情報を更新する。
【0019】
RISサーバ31は、RISにおいて、放射線検査業務に係る情報を管理する。放射線検査業務に係る情報には、患者情報、オーダ情報及び画像データ等が含まれる。画像データは、マンモグラフィ装置10により過去に撮像されたマンモグラフィ画像についての情報を含む。マンモグラフィ画像には、画像上の乳房の乳頭位置を表す乳頭位置情報、画像上の乳房輪郭の始まる位置を表す画像開始位置情報、画像上の乳房輪郭の終わる位置を表す画像終了位置情報、ROI(Region of Interest:関心領域)の位置を表すROI情報、及び、撮像時の撮像条件等が関連付けられる。
【0020】
乳頭位置、画像開始位置及び画像終了位置は、撮像後の、例えば画像処理等により各位置が算出される。算出される乳頭位置、画像開始位置及び画像終了位置は、X線検出器171上の座標と対応する。
【0021】
撮像条件とは、例えば、マンモグラフィ装置10において詳述するように、
図2に示されるマンモグラフィ装置10の撮影台13の高さ、X線出力部16の回転角、圧迫板14による圧迫圧、及び、撮影方向等である。なお、圧迫圧に代えて圧迫厚を撮影条件の一つとして用いてもよい。圧迫厚とは、圧迫板14と、撮影台13の支持面131との間の距離、言い換えると、乳房の厚さを意味する。撮影方向としては、例えば、頭尾方向(CranioCaudal projection:CC)、及び、内外斜方向(MedioLateral Oblique projection:MLO)等がある。なお、特有の撮影方向を用いる撮影方法により撮影された場合、撮影方法に関する情報が撮影方向に関する情報として用いられても良い。以下では、MLO方向のマンモグラフィ画像をMLO画像と称し、CC方向のマンモグラフィ画像をCC画像と称する。
【0022】
図3及び
図4は、本実施形態に係る画像データに基づいて表示される画像の例を示す図である。
図3は、MLO画像に、乳頭位置P1mlo、画像開始位置P2mlo、画像終了位置P3mlo、及び、ROIを表す指示ポイントを重畳させた図である。
図4は、CC画像に、乳頭位置P1cc、画像開始位置P2cc、画像終了位置P3cc、及び、ROIを表す指示ポイントを重畳させた図である。
【0023】
画像データは、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communication Medicine)規格に則り、PACSにて管理される。このとき、マンモグラフィ画像は、画像データにおけるバリューフィールドに格納され、画像データにおけるプライベートタグに、乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、ROI情報、及び、撮像条件等が格納される。なお、マンモグラフィ画像と、乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、ROI情報、及び、撮像条件等とを関連付ける方法は、これに限定されない。例えば、乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、ROI情報、及び、撮像条件等を個別のパラメータデータとして管理し、マンモグラフィ画像が格納される画像データと関連付けるようにしても構わない。
【0024】
RISサーバ31の動作の例を具体的に説明する。RISサーバ31は、患者情報及びオーダ情報をHISサーバ21から受け付けると、患者情報により特定される患者に対応付けられた画像データを画像サーバ41から取得する。RISサーバ31は、取得した画像データのプライベートタグに書き込まれている、乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、ROI情報及び撮像条件等を読み出す。
【0025】
また、RISサーバ31は、オーダ情報に基づく放射線検査依頼をRIS端末32から受け付ける。RISサーバ31は、放射線検査依頼、乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、ROI情報及び撮像条件等を参照し、被検体の撮像に関する撮像オーダを作成する。撮像オーダには、例えば、診療科名及び医師名を含む依頼元情報、患者ID、撮像部位、放射線強度、撮像日時、放射線技師名、乳頭位置、画像開始位置、画像終了位置、ROI、並びに撮像条件等が含まれる。RISサーバ31は、患者情報及び撮像オーダをマンモグラフィ装置10へ送信する。
【0026】
また、RISサーバ31は、マンモグラフィ装置10から送信される検査実施情報を受信する。RISサーバ31は、受信した検査実施情報をHISサーバ21へ送信する。
【0027】
マンモグラフィ装置10は、RISサーバ31から送信される患者情報及び撮像オーダに基づき、乳腺画像検査を実施する。マンモグラフィ装置10は、被検体の乳房にX線を照射し、乳房を透過したX線を検出してマンモグラフィ画像を生成する。マンモグラフィ装置10は、生成したマンモグラフィ画像を画像サーバ41へ出力する。
【0028】
画像サーバ41は、マンモグラフィ装置10で生成されたマンモグラフィ画像を保管し、要求に応じて保管しているマンモグラフィ画像を出力する。ビューワ43は、画像サーバ41で保管されるマンモグラフィ画像を表示し、表示するマンモグラフィ画像に対する読影レポート等を読影者に作成させる。レポートサーバ42は、作成された読影レポートを保管し、要求に応じて保管している読影レポートを出力する。
【0029】
図2は、本実施形態に係わるマンモグラフィ装置10の外観を示す模式図である。また、
図5は、本実施形態に係るマンモグラフィ装置10の構成例を示すブロック図である。
【0030】
マンモグラフィ装置10は、
図2に示されるように、基台11及びスタンド12を有する。スタンド12は、基台11上に立設され、撮影台13、圧迫板14、ガイド光発生部15、X線出力部16及びX線検出部17を支持する。このとき、撮影台13、圧迫板14及びX線検出部17は、上下方向へ移動可能に支持されている。また、撮影台13、圧迫板14、ガイド光発生部15、X線出力部16及びX線検出部17は、支持軸121に対して回転可能に支持されている。
【0031】
撮影台13は、被検体の乳房Bを支持する台であり、乳房Bが載せられる支持面131を有する。
【0032】
圧迫板14は、透明な部材、例えば、アクリル板により形成される。圧迫板14は、撮影台13の上方に配置され、撮影台13に対して平行に対向するとともに撮影台13に対して接離する方向へ移動可能に設けられている。圧迫板14は、撮影台13に接近する方向に移動した場合に、支持面131上に支持されている乳房Bを圧迫する。圧迫板14によって圧迫された乳房Bは薄く押し広げられ、乳房B内の乳腺の重なりが減少する。
【0033】
ガイド光発生部15は、誘導情報を発生させる誘導情報発生部の一例であり、X線出力部16の近傍に設けられる。ガイド光発生部15は、乳房Bの外形に対応するガイド光を、誘導情報の一例として圧迫板14へ投光する。ガイド光は、透明な圧迫板14を透過し、撮影台13の支持面131にも照射される。
【0034】
ガイド光は、例えば、支持面131上における、乳頭位置、画像開始位置及び画像終了位置に対応する位置を照らす可視光である。ガイド光は、例えば、
図6に示されるように、圧迫板14へ投光される。なお、圧迫板14を透過させて撮影台13にガイド光を照射させる場合には、圧迫板14でガイド光が屈折しないように、ガイド光を直進させることが望ましい。撮影者は、
図7に示されるように、支持面131上に照射されるP1に乳房Bの乳頭を合わせ、P2及びP3に乳房Bの始めの部分を合わせるようにポジショニングを調整する。
【0035】
X線出力部16は、圧迫板14により圧迫された乳房BへX線を照射する。
X線検出部17は、乳房Bを透過したX線を検出し、検出したX線に基づいてX線投影データを生成する。
【0036】
また、マンモグラフィ装置10は、
図5に示されるように、入力インタフェース回路181、昇降駆動部182、回転駆動部183、高電圧発生回路184、画像処理回路185、画像記憶回路186、表示回路187、通信インタフェース回路188、記憶回路189及びシステム制御回路1810を具備する。
【0037】
入力インタフェース回路181は、例えば、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、トラックボール及びジョイスティック等を有する。入力インタフェース回路181は、システム制御回路1810に接続され、撮影者から入力される各種指示・命令・情報をシステム制御回路1810に取り込む。なお、本実施形態において入力インタフェース回路181は、マウス及びキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、マンモグラフィ装置10とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号をシステム制御回路1810へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース回路181の例に含まれる。
【0038】
昇降駆動部182は、例えば、ギア、ステッピングモータ、ベルトコンベア、及びリードスクリュー等により実現され、撮影台13及び圧迫板14に接続される。昇降駆動部182は、システム制御回路1810から出力される撮影台13の位置情報に従い、撮影台13を移動させる。昇降駆動部182は、システム制御回路1810から出力される圧迫板14の位置情報に従い、圧迫板14を移動させる。
【0039】
回転駆動部183は、例えば、ギア、ステッピングモータ、ベルトコンベア、及びリードスクリュー等により実現され、支持軸121に接続される。回転駆動部183は、システム制御回路1810から出力される支持軸121の回転角情報に従い、支持軸121を回転させる。
【0040】
ガイド光発生部15は、プロジェクタ151及び反射鏡152を備える。
図8は、本実施形態に係るガイド光発生部15の構成例を示す模式図である。プロジェクタ151は、光源の一例で有り、システム制御回路1810から出力される照射パターンに従い、可視光を反射鏡152へ照射する。照射パターンは、支持面131上における、乳頭位置、画像開始位置、及び画像終了位置に対応する領域へ可視光を照射するための座標情報及び画素情報を含む情報である。プロジェクタ151から照射される可視光は、乳頭位置、画像開始位置、及び画像終了位置で同一の色であってもよいし、それぞれで別々の色となっても構わない。反射鏡152は、システム制御回路1810から指示される指向方向へ、プロジェクタ151から照射される可視光を反射させる。
【0041】
X線出力部16は、X線管161及びX線絞り器162を有する。高電圧発生回路184は、X線管161に接続される。高電圧発生回路184は、システム制御回路1810から指示される強度の電圧をX線管161へ供給する。X線管161は、高電圧発生回路184から供給される高電圧を用いてX線を発生させる。X線絞り器162は、X線管161と圧迫板14との間に配置される。X線絞り器162は、システム制御回路1810からの指示に従い、X線管161で発生されるX線の照射範囲を制御する。
【0042】
X線検出部17は、X線検出器171及び信号処理回路172を有する。X線検出器171は、乳房Bと撮影台13とを透過したX線を検出して電気信号(透過X線データ)に変換する。信号処理回路172は、X線検出器171によって変換された電気信号からX線投影データを生成する。
【0043】
画像処理回路185は、動作プログラムを記憶回路189から読み出し、読み出したプログラムを実行することで所定の機能を実現するプロセッサである。画像処理回路185は、信号処理回路172によって生成されたX線投影データに基づいてマンモグラフィ画像を生成する。これにより、MLO画像又はCC画像が生成される。
【0044】
画像処理回路185は、生成したMLO画像を解析し、MLO画像における乳頭位置P1mlo、画像開始位置P2mlo及び画像終了位置P3mloを取得する。
【0045】
具体的には、画像処理回路185は、MLO画像から乳頭位置P1mloを抽出する。画像処理回路185は、MLO画像において、X線検出器171上のX
_MLO軸、Y
_MLO軸、及び原点を設定する。例えば、画像処理回路185は、X線検出器171が有する矩形状の検出面の4つの頂点の中で被検体側に配置される2つの頂点のうち、乳房の上側に対応する頂点を、原点として設定する。また、画像処理回路185は、MLO画像に描出されている皮膚表面S
_MLOを検出する。ここで、皮膚表面S
_MLOを検出するための方法としては、一般的に知られた各種の画像検出方法を用いることができる。
【0046】
そして、画像処理回路185は、検出したS
_MLOと、X
_MLO軸、Y
_MLO軸、又は予め設定するY
_MLO軸上の最大値とが接する2つの点のうち、原点に近い方の点を画像開始位置P2mloとし、原点から遠い方の点を画像終了位置P3mloとする。なお、画像処理回路185は、撮影者からMLO画像上で画像開始位置P2mlo及び画像終了位置P3mloそれぞれの位置を指定する操作を受け付け、その操作に基づいて各点を設定してもよい。
【0047】
また、画像処理回路185は、生成したCC画像を解析し、CC画像における乳頭位置P1cc、画像開始位置P2cc及び画像終了位置P3ccを取得する。
【0048】
具体的には、画像処理回路185は、CC画像から乳頭位置P1ccを抽出する。また、画像処理回路185は、CC画像において、X線検出器171上のX
_CC軸、Y
_CC軸、及び原点を設定する。例えば、画像処理回路185は、X線検出器171が有する矩形状の検出面の4つの頂点の中で被検体側に配置される2つの頂点のうち、乳房の外側に対応する頂点を、原点として設定する。また、画像処理回路185は、CC画像に描出されている皮膚表面S
_CCを検出する。ここで、皮膚表面S
_CCを検出するための方法としては、皮膚表面S
_MLOの検出と同様に、一般的に知られた各種の画像検出方法を用いることができる。
【0049】
そして、画像処理回路185は、検出したS
_CCとX
_CC軸とが接する2つの点のうち、原点に近い方の点を画像開始位置P2ccとし、原点から遠い方の点を画像終了位置P3ccとする。なお、画像処理回路185は、撮影者からCC画像上で画像開始位置P2cc及び画像終了位置P3ccそれぞれの位置を指定する操作を受け付け、その操作に基づいて各点を設定してもよい。
【0050】
画像処理回路185は、生成したMLO画像を、MLO画像に乳頭位置P1mloを示す指示ポイント、画像開始位置P2mloを示す指示ポイント、及び、画像終了位置P3mloを示す指示ポイントを重畳させて表示回路187に表示させる。また、画像処理回路185は、生成したCC画像を、CC画像に乳頭位置P1ccを示す指示ポイント、画像開始位置P2ccを示す指示ポイント、及び、画像終了位置P3ccを示す指示ポイントを重畳させて表示回路187に表示させる。
図9は表示回路187に表示されるMLO画像の例を示し、
図10は表示回路187に表示されるCC画像の例を示す。
【0051】
画像処理回路185は、マンモグラフィ画像にROIを設定する。具体的には、画像処理回路185は、入力インタフェース回路181を介して、表示回路187に表示されたMLO画像上及びCC画像上で任意の位置に任意の大きさの範囲を指定する操作を撮影者から受け付ける。画像処理回路185は、撮影者によって指定された範囲をROIとして設定する。
【0052】
なお、例えば、画像処理回路185は、コンピュータ支援診断(Computer Aided Diagnosis:CAD)の機能を用いて、マンモグラフィ画像から病変部の候補領域、及び/又は乳腺密度が高い領域等を自動検出し、検出した領域をROIとして設定してもよい。
【0053】
画像処理回路185は、生成したMLO画像をDICOM規格に準拠した形式の画像データに変換する。具体的には、画像処理回路185は、MLO画像を、画像データのバリューフィールドに格納する。また、画像処理回路185は、システム制御回路1810から、生成したMLO画像についての撮像条件を受信し、受信した撮像条件、患者ID等の患者を識別可能な情報、乳頭位置P1mloに関する乳頭位置情報、画像開始位置P2mloに関する画像開始位置情報、画像終了位置P3mloに関する画像終了位置情報、及びROIの位置に関するROI情報を、画像データのプライペートタグに書き込む。画像処理回路185は、画像データを画像記憶回路186に保存する。
【0054】
また、画像処理回路185は、生成したCC画像をDICOM規格に準拠した形式の画像データに変換する。具体的には、画像処理回路185は、CC画像を、画像データのバリューフィールドに格納する。また、画像処理回路185は、システム制御回路1810から、生成したCC画像についての撮像条件を受信し、受信した撮像条件、患者ID等の患者を識別可能な情報、乳頭位置P1ccに関する乳頭位置情報、画像開始位置P2ccに関する画像開始位置情報、画像終了位置P3ccに関する画像終了位置情報、及びROIの位置に関するROI情報を、画像データのプライペートタグに書き込む。画像処理回路185は、画像データを画像記憶回路186に保存する。
【0055】
通信インタフェース回路188は、ネットワークを介し、他の装置へ信号を送信し、他の装置から送信される信号を受信する。例えば、通信インタフェース回路188は、RISサーバ31から送信される患者情報及び撮像オーダを、ネットワークを介して受信する。また、通信インタフェース回路188は、画像記憶回路186に記憶される画像データを、システム制御回路1810からの指示に従い、ネットワークを介して画像サーバ41へ送信する。また、通信インタフェース回路188は、システム制御回路1810からの指示に従い、検査実施情報を、ネットワークを介してRISサーバ31へ送信する。
【0056】
記憶回路189は、電気的情報を記憶するメモリ、並びに、メモリに付随するメモリコントローラ、及びインタフェース等の周辺回路を含む。メモリには、例えば、磁気的若しくは光学的記録媒体、又は半導体メモリ等のプロセッサにより読み取り可能な記録媒体等が含まれる。記憶回路189は、マンモグラフィ装置10で実行される動作プログラムを記憶する。記憶回路189は、マンモグラフィ装置10に設けられるプロセッサからの要求に応じ、記憶している動作プログラムを読み出す。
【0057】
また、記憶回路189は、通信インタフェース回路188により受信された患者情報、及び、撮像オーダに含まれる情報を記憶する。記憶回路189は、システム制御回路1810の要求に応じ、記憶している情報を読み出す。
【0058】
また、記憶回路189は、マンモグラフィ画像を撮像する際に設定した撮影台13の高さ、X線出力部16の回転角、及び圧迫板14による圧迫圧等を新たな撮像条件として記憶する。
【0059】
システム制御回路1810は、動作プログラムを記憶回路189から読み出し、読み出したプログラムを実行することでマンモグラフィ装置10全体の動作を制御するプロセッサである。システム制御回路1810の具体的な動作を、
図11を用いて説明する。
図11は、マンモグラフィ画像を撮影する際の、本実施形態に係るシステム制御回路1810の動作を表すフローチャートの例を示す図である。
【0060】
システム制御回路1810は、入力インタフェース回路181から検査を受ける被検者を特定するための被検者情報を受信する(ステップS111)。入力インタフェース回路181における被検者情報の入力は、例えば、患者IDの入力、又は、検査予約リストの中から被検者の選択等がある。システム制御回路1810は、被検者情報を受信すると、被検者情報により特定される被検者についての過去(前回)の検査情報を記憶回路189から読み出す(ステップS112)。これにより、前回の検査での、乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、ROI情報及び撮像条件が読み出される。
【0061】
システム制御回路1810は、入力インタフェース回路181からMLO方向又はCC方向等の撮影方向についての入力を受け付ける(ステップS113)。
【0062】
システム制御回路1810は、読み出した乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報及びROI情報に基づき、撮影方向に対応する乳頭位置、画像開始位置、画像終了位置及びROIへ所定の大きさの可視光が照射されるように、プロジェクタ151に対する照射パターンと、反射鏡152の指向方向とを算出する。システム制御回路1810は、照射パターンをプロジェクタ151へ送信し、反射鏡152へ指向方向を指示する。これにより、被検者について過去に撮像されたマンモグラフィ画像に基づき、被検者の乳房の外形に対応するガイド光が、ガイド光発生部15から圧迫板14及び撮影台13へ投光される(ステップS114)。
【0063】
システム制御回路1810は、読み出した撮像条件を表示回路187に表示させ、今回の検査における撮像条件の入力を受け付ける(ステップS115)。ここで、表示する撮像条件は、例えば、撮影台13の高さ、X線出力部16の回転角、及び圧迫板14による圧迫圧等である。入力を受け付ける撮像条件は、例えば、撮影台13の高さ、X線出力部16の回転角、及び圧迫板14による圧迫圧等である。
【0064】
具体的には、撮影者は、表示される情報、及び投光されるガイド光を参照し、被検者の立ち位置、及び乳房の載置位置を調整する。また、撮影者は、表示される情報、及び投光されるガイド光を参照し、撮影台13の高さ、及びX線出力部16の回転角を、入力インタフェース回路181から調整する。また、撮影者は、表示される情報を参照し、圧迫板14による圧迫圧を入力する。システム制御回路1810は、入力インタフェース回路181から入力される撮影台13の高さに基づく位置情報を昇降駆動部182へ出力し、入力インタフェース回路181から入力されるX線出力部16の回転角に基づく回転角情報を回転駆動部183へ出力する。
【0065】
乳房の位置の調整が完了すると、システム制御回路1810は、入力された圧迫圧を参照し、載置された乳房を圧迫する(ステップS116)。例えば、システム制御回路1810は、載置された乳房への圧迫圧が入力された圧迫圧となるまで、圧迫板14を降下させる。システム制御回路1810は、圧迫板14に関する位置情報を昇降駆動部182へ出力する。
【0066】
乳房への圧迫圧が入力された圧迫圧へ到達すると、システム制御回路1810は、マンモグラフィ画像の撮像指示を受け付ける(ステップS117)。入力インタフェース回路181からマンモグラフィ画像の撮像が指示されると、システム制御回路1810は、ステップS111で読み出した検査情報に含まれる放射線強度に基づき、高電圧発生回路184に対して電圧の強度を指示する(ステップS118)。これにより、X線管161からX線が乳房Bへ照射され、乳房Bと撮影台13とを透過したX線がX線検出部17で検出される。
【0067】
システム制御回路1810は、記憶回路189に記憶されている患者情報、及び今回の検査で入力された撮像条件を画像処理回路185へ出力する(ステップS119)。画像処理回路185は、X線検出部17で生成されたX線投影データに基づいてマンモグラフィ画像を生成する。画像処理回路185は、生成したマンモグラフィ画像を解析し、マンモグラフィ画像における乳頭位置、画像開始位置及び画像終了位置を取得する。また、画像処理回路185は、撮影者からROIの指定を受け付ける。画像処理回路185は、生成したマンモグラフィ画像を画像データのバリューフィールドに格納し、システム制御回路1810から受信した患者情報、及び撮像条件、並びに、乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、及びROI情報を、画像データのプライペートタグに書き込むことで、画像データを取得する。画像処理回路185は、取得した画像データを画像記憶回路186に保存する。
【0068】
システム制御回路1810は、画像記憶回路186に記憶される画像データを、画像サーバ41へ送信するように通信インタフェース回路188を制御し(ステップS1110)、処理を終了させる。
【0069】
システム制御回路1810は、乳腺画像検査が終了すると、検査実施情報を送信するように通信インタフェース回路188を制御する。
【0070】
以上のように、本実施形態に係わるマンモグラフィ装置10では、被検者について過去に撮像されたマンモグラフィ画像に基づき、被検者の乳房の外形に対応するガイド光を、ガイド光発生部15から圧迫板14及び撮影台13へ投光するようにしている。これにより、マンモグラフィ装置10は、過去にマンモグラフィ画像を撮像した際のポジショニングを再現することが可能となる。
【0071】
したがって、本実施形態に係るマンモグラフィ装置10によれば、ポジショニングを支援することができる。このため、本実施形態に係るマンモグラフィ装置10によれば、ROIの位置の再現性も向上し、経時変化を確認する際の精度が高まる。また、医師は、ポジショニングの差異を考慮する必要がなくなるため、マンモグラフィ画像に基づいて確信を持って患者を診断することができる。
【0072】
また、本実施形態では、画像処理回路185は、マンモグラフィ画像を画像データのバリューフィールドに格納し、画像データのプライベートタグに、乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、及び、撮像時の撮像条件を書き込む。画像処理回路185は、画像データを画像記憶回路186に保存する。そして、システム制御回路1810は、画像記憶回路186に記憶される画像データを画像サーバ41へ送信するようにしている。これにより、マンモグラフィ装置10は、次回の撮像の際に、このときに保存した画像データに含まれる乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、及び撮像情報を利用してポジショニングを支援することが可能となる。
【0073】
なお、上記実施形態では、画像データに乳頭位置情報、画像開始位置情報及び画像終了位置情報が含まれ、ガイド光発生部15は、これらの情報により表される位置を指示するガイド光を投光する場合を例に説明した。しかしながら、乳房の位置を表す情報は、乳頭位置情報、画像開始位置情報及び画像終了位置情報に限定されない。乳房の形状が把握可能であるなら、乳頭位置、画像開始位置及び画像終了位置以外の位置についての情報が画像データに含まれていても良い。ガイド光発生部15は、これらの位置に対応する位置を指示するガイド光を投光する。
【0074】
また、本実施形態では、ガイド光発生部15は
図8で示されるように、プロジェクタ151及び反射鏡152を備える場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。例えば、ガイド光発生部15は、
図12に示されるように、レーザポインタ153及び反射鏡152を備えるようにしても構わない。このとき、システム制御回路1810は、例えば、読み出した乳頭位置、画像開始位置及び画像終了位置へ、反射鏡152を介してガイド光が投光されるように、レーザポインタ153の位置を制御する。なお、反射鏡152の指向方向は固定されている方がガイド光発生部15の構造を単純化する意味では望ましい。
【0075】
また、ガイド光発生部15は、
図13に示されるように、レーザポインタ153を備えるようにしても構わない。このとき、システム制御回路1810は、例えば、読み出した乳頭位置、画像開始位置及び画像終了位置へ、鏡を介さずにガイド光が投光されるように、レーザポインタ153の位置を制御する。レーザポインタ153から出力された光は、撮影台13及び圧迫板14へ直接投光される。
【0076】
また、本実施形態では、ガイド光発生部15は、X線出力部16側に設けられ、X線出力部16側から撮影台13及び圧迫板14へガイド光を投光する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。ガイド光発生部15は、X線検出部17側に設けられていても構わない。このとき、ガイド光発生部15は、例えば、撮影台13に埋め込まれる複数のLEDを備える。LEDは、例えば、発光制御部からの指示に従い、乳房の形状が把握可能なように発光する。
【0077】
また、本実施形態では、マンモグラフィ装置10が、RISサーバ31から、乳頭位置、画像開始位置、画像終了位置、ROI、及び撮像条件等が含まれた撮像オーダを受け取る場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。マンモグラフィ装置10は、RISサーバ31から、プライベートタグに乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、ROI情報及び撮像条件等が書き込まれている画像データを受信しても良い。このとき、撮像オーダには、乳頭位置、画像開始位置、画像終了位置、ROI、及び撮像条件等は含まれない。マンモグラフィ装置10のシステム制御回路1810は、受信した画像データから、画像データに含まれる乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、ROI情報、及び撮像条件等を読み出す。システム制御回路1810は、読み出した乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、ROI情報、及び撮像条件等を記憶回路189に記憶させる。システム制御回路1810は、記憶回路189に記憶されるこれらの情報に基づき、ガイド光を投光する。
【0078】
また、マンモグラフィ装置10は、RISサーバ31から、例えば、診療科名及び医師名を含む依頼元情報、患者ID、撮像部位、放射線強度、撮像日時、及び放射線技師名等を含む撮像オーダと、過去の撮像時の撮像条件を含む画像データとを受信してもよい。つまり、本実施形態に係るマンモグラフィ装置10は、撮像オーダ及び画像データに、乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、及びROI情報が含まれていない場合にも対応可能である。画像処理回路185は、受信した画像データに含まれるマンモグラフィ画像を解析し、マンモグラフィ画像における乳頭位置、画像開始位置、画像終了位置、及びROIを取得する。システム制御回路1810は、取得した乳頭位置に関する乳頭位置情報、画像開始位置に関する画像開始位置情報、画像終了位置に関する画像終了位置情報、及びROIの位置に関するROI情報、及び撮像条件等を記憶回路189に記憶させる。システム制御回路1810は、記憶回路189に記憶されるこれらの情報に基づき、ガイド光を投光する。
【0079】
また、本実施形態では、画像処理回路185は、
図9及び
図10で示されるように、乳頭位置、画像開始位置及び画像終了位置を示す指示ポイントを重畳させたマンモグラフィ画像を、表示回路187に表示させる場合を例に説明した。しかしながら、マンモグラフィ画像に重畳される指示ポイントはこれらに限定されない。
【0080】
例えば、画像処理回路185は、生成したマンモグラフィ画像に、撮像オーダに含まれるROIを示す指示ポイント、すなわち、過去の撮像の際に指定されたROIを示す指示ポイントを重畳させても良い。このときのMLO画像の表示例を
図14に示す。これにより、撮影者は、過去のROIを確認しながら、今回の検査で撮影されたマンモグラフィ画像についてのROIを指定することが可能となる。
【0081】
また、システム制御回路1810は、過去の撮像の際に指定されたROIの位置へ、ガイド光を投光するようにしてもよい。このとき、システム制御回路1810は、乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、及びROI情報に基づき、乳頭位置、画像開始位置、画像終了位置、及びROIへ所定の大きさの可視光が照射されるように、プロジェクタ151に対する照射パターンと、反射鏡152の指向方向とを算出する。
【0082】
また、画像処理回路185は、生成したマンモグラフィ画像に、生成したマンモグラフィ画像に基づいて取得した乳頭位置、画像開始位置、及び画像終了位置を示す指示ポイントと、撮像オーダに含まれる乳頭位置、画像開始位置、画像終了位置、及びROIを示す指示ポイント、すなわち、過去に撮像されたマンモグラフィ画像に関する乳頭位置、画像開始位置、画像終了位置、及びROIを示す指示ポイントとを重畳するようにしてもよい。このときのMLO画像の表示例を
図15に示す。これにより、撮影者は、過去のポジショニングを意識しながら今回の検査で撮影されたマンモグラフィ画像についてのROIを指定することが可能となる。
【0083】
また、画像処理回路185は、過去に撮像されたマンモグラフィ画像に、このマンモグラフィ画像に基づいて取得される乳頭位置、画像開始位置、画像終了位置、及びROIを示す指示ポイントを重畳した画像を、生成したマンモグラフィ画像に重畳するようにしてもよい。このときのMLO画像の表示例を
図16に示す。これにより、撮影者は、過去に撮像されたマンモグラフィ画像についての乳頭位置、画像開始位置、画像終了位置、及びROIを確認しながら今回の検査で撮影されたマンモグラフィ画像についてのROIを指定することが可能となる。
【0084】
また、システム制御回路1810が読み出す過去の検査情報には、年齢、身長、体重、家族歴及び病歴等の被検体についての固有情報が含まれていてもよい。システム制御回路1810は、被検者情報を受信すると、被検者情報により特定される被検者についての固有情報を記憶回路189から読み出す。システム制御回路1810は、読み出した固有情報を撮像条件と共に表示回路187に表示させ、撮像条件の入力を受け付ける。これにより、撮影者は、これらの固有情報を参照しながらマンモグラフィ装置10を操作することが可能となる。例えば、被検体が前回の乳腺画像検査から今回の乳腺画像検査の間に骨粗鬆症と診断されたとする。表示回路187に骨粗鬆症が表示されると、撮影者は、撮影台13の高さを、撮像オーダに含まれる撮影台13の高さよりも低めに設定する必要性を認識することが可能となる。
【0085】
また、本実施形態では、プライベートタグに乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、ROI情報、及び撮像時の撮像条件を書き込んだ画像データが、画像記憶回路186に保存され、画像サーバ41へ送信される場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。プライベートタグに書き込まれる情報は、乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、ROI情報、及び撮像時の撮像条件以外の情報であっても構わない。
【0086】
例えば、画像処理回路185は、撮像オーダに含まれるROI情報、すなわち、過去の撮像の際に指定されたROIに関するROI情報をさらにプライベートタグへ書き込んでも良い。これにより、医師等の読影者は、過去に指定されたROIと、今回指定されたROIとを比較しながら、マンモグラフィ画像を読影することが可能となる。
【0087】
また、画像処理回路185は、撮像オーダに含まれる乳頭位置情報、画像開始位置情報、及び画像終了位置情報、すなわち、過去に撮像されたマンモグラフィ画像に関する乳頭位置情報、画像開始位置情報、及び画像終了位置情報をさらにプライベートタグへ書き込んでも良い。なお、画像処理回路185は、過去の撮像で得られたマンモグラフィ画像に関する乳頭位置、画像開始位置及び画像終了位置と、今回の撮像で得られたマンモグラフィ画像に関する乳頭位置、画像開始位置及び画像終了位置とのずれを算出し、算出したずれをプライベートタグへ書き込んでもかまわない。これにより、医師等の読影者は、過去に撮像されたマンモグラフィ画像についての乳頭位置、画像開始位置及び画像終了位置を確認しながらマンモグラフィ画像を読影することが可能となる。
【0088】
また、画像処理回路185は、過去に撮像されたマンモグラフィ画像、並びに、このマンモグラフィ画像に基づいて取得される乳頭位置情報、画像開始位置情報、画像終了位置情報、及びROI情報をプライベートタグへさらに書き込むようにしても良い。これにより、医師等の読影者は、過去に撮像されたマンモグラフィ画像からの乳腺密度の変化等を確認しながら、マンモグラフィ画像を読影することが可能となる。
【0089】
また、画像処理回路185は、年齢、身長、体重、家族歴及び病歴等の被検体についての固有情報を、画像データのプライベートタグへさらに書き込むようにしてもよい。これにより、医師等の読影者は、これらの固有情報を参照しながらマンモグラフィ画像を読影することが可能となる。例えば、ホルモン補充療法を行っている場合、又は、化学療法を行っている場合、乳腺密度が変化してしまうことがある。
図17は、ホルモン補充療法を実施している場合に、ビューワ43に表示されるMLO画像の例を示す図である。医師等の読影者は、
図17に示されるようなMLO画像に対し、ホルモン補充療法による乳腺密度の変化を考慮しながらMLO画像を読影することが可能となる。また、画像処理回路185は、所定療法が行われている場合、ROIとして乳腺密度表示することは適切でない旨をプライベートタグへ書き込むようにしても良い。
【0090】
また、上記実施形態では、ガイド光発生部15に対し、システム制御回路1810から照射パターン、及び指向方向が制御信号として出力される場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。ガイド光発生部15が、
図18に示されるように、制御回路154を備えていても構わない。このとき、システム制御回路1810は、乳頭位置情報、画像開始位置情報、及び画像終了位置情報を、制御回路154へ出力する。制御回路154は、受信した乳頭位置情報、画像開始位置情報、及び画像終了位置情報に基づき、例えば、プロジェクタ151の照射パターンを算出し、反射鏡152の指向方向を設定する。
【0091】
(変形例)
上記実施形態では、マンモグラフィ装置10は、被検者について過去に撮像されたマンモグラフィ画像に基づき、被検者の乳房の外形に対応するガイド光を、ガイド光発生部15から圧迫板14及び撮影台13へ投光する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。マンモグラフィ装置10Aは、乳房のポジショニングを誘導する誘導情報として、ガイド光ではなく、過去に撮像されたマンモグラフィ画像を、圧迫板14及び撮影台13へ投影してもよい。
【0092】
マンモグラフィ装置10Aは、
図19に示されるように、誘導情報を発生させる誘導情報発生部として、ガイド光発生部15の代わりに画像投影部19を有する。画像投影部19は、乳房Bについて過去に撮像されたマンモグラフィ画像を圧迫板14及び撮影台13へ投影する。画像投影部19は、X線出力部16の近傍に設けられる。画像投影部19は、
図8に示されるガイド光発生部15と同様に、例えば、プロジェクタ191、及び反射鏡192を備える。
【0093】
マンモグラフィ装置10Aに設けられるシステム制御回路1810は、検査を受ける被検者が特定されると、特定された被検者についての過去(前回)の検査で取得されたマンモグラフィ画像と、このマンモグラフィ画像についての乳頭位置、画像開始位置、及び画像終了位置とを取得する。マンモグラフィ画像についての乳頭位置、画像開始位置、及び画像終了位置は、記憶回路189から読み出すことで取得しても、マンモグラフィ画像に対して画像解析することで取得しても構わない。
【0094】
システム制御回路1810は、マンモグラフィ画像が支持面131へ投影されるように、プロジェクタ191に対する投影画像データを作成する。投影画像データは、支持面131上へマンモグラフィ画像を投影するための座標情報及び画素情報を含むデータである。座標情報は、取得した乳頭位置、画像開始位置、及び画像終了位置に基づいて算出される。
【0095】
また、システム制御回路1810は、取得した乳頭位置、画像開始位置、画像終了位置に基づき、マンモグラフィ画像が支持面131へ投影されるように、反射鏡192の指向方向を算出する。システム制御回路1810は、投影画像データをプロジェクタ191へ送信し、反射鏡192へ指向方向を指示する。
【0096】
プロジェクタ191は、システム制御回路1810から出力される投影画像データに従い、投影画像を反射鏡192へ投影する。反射鏡192は、システム制御回路1810から指示される指向方向へ、プロジェクタ191から投影される投影画像を反射させる。なお、投影画像が圧迫板14で屈折しないように、投影画像は撮影台13の直上から投影されることが望ましい。
【0097】
投影画像は、例えば、
図20に示されるように、透明な圧迫板14を透過し、撮影台13の支持面131に投影される。撮影者は、
図21に示されるように、支持面131上に投影される投影画像に乳房Bを合わせるようにポジショニングを調整する。
【0098】
このように、被検者について過去に撮像されたマンモグラフィ画像を圧迫板14及び撮影台13へ投影することで、マンモグラフィ装置10Aは、過去にマンモグラフィ画像を撮像した際のポジショニングを再現することが可能となる。
【0099】
マンモグラフィ装置10Aの画像処理回路185は、乳房BへX線を投影することで取得されたX線投影データに基づいてマンモグラフィ画像を生成する。画像処理回路185は、生成したマンモグラフィ画像を表示回路187に表示させる。
【0100】
また、画像処理回路185は、生成したマンモグラフィ画像を解析し、マンモグラフィ画像における乳頭位置、画像開始位置、及び画像終了位置を取得する。画像処理回路185は、過去に取得されたマンモグラフィ画像の位置を、新たに取得したマンモグラフィ画像の位置に合わせる。ここでの位置合わせは、両画像についての乳頭位置、画像開始位置、及び画像終了位置に基づいて実施される。画像処理回路185は、位置合わせした過去のマンモグラフィ画像の透明度を上げ、透明度を上げた過去のマンモグラフィ画像を、表示回路187に表示されているマンモグラフィ画像に重畳する。この重畳画像により、撮影者は、過去のポジショニングを意識しながら今回の検査で撮影されたマンモグラフィ画像についてのROIを指定することが可能となる。
【0101】
なお、本変形例では、画像投影部19に対し、システム制御回路1810から投影画像データ、及び指向方向が制御信号として出力される場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。画像投影部19が制御部を備えていても構わない。このとき、システム制御回路1810は、マンモグラフィ画像、乳頭位置情報、画像開始位置情報、及び画像終了位置情報を、画像投影部19の制御部へ出力する。制御部は、受信したマンモグラフィ画像、乳頭位置情報、画像開始位置情報、及び画像終了位置情報に基づき、例えば、プロジェクタ191の投影画像データを生成し、反射鏡192の指向方向を設定する。
【0102】
上記説明において用いたプロセッサという文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はプログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路を意味する。
【0103】
なお、記憶回路189に動作プログラムを保存する代わりに、プロセッサ内に動作プログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれた動作プログラムを読み出し、読み出した動作プログラムを実行することで所定の機能を実現する。
【0104】
また、本実施形態に係る
図5に記載される画像処理回路185及びシステム制御回路1810の機能は、各機能に対応するプロセッサにより必ずしも実現される必要はない。例えば、画像処理回路185及びシステム制御回路1810の機能が、単一のプロセッサにより実現されても構わない。
【0105】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。