(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、ドレントラップ100の断面図である。
【0011】
ドレントラップ100は、ドレンが流入してきた場合にはドレンを通過させて流出させる一方、蒸気が流入してきた場合には蒸気の流出を阻止する。ドレントラップ100は、弁装置の一例であり、ドレンは、流体の一例である。ドレントラップ100は、流体の流路が形成されたケーシング1と、流路中に設けられ、流路の開通及び遮断を切り替える第1弁3及び第2弁4と、第2弁4を清掃するための清掃機構5とを備えている。ケーシング1内に流入したドレンは、基本的には第1弁3を通ってケーシング1から流出する。第2弁4は、基本的には、ケーシング1内に流入した空気を排出する。ただし、第2弁4は、ケーシング1内に流入したドレンを排出する場合もある。
【0012】
ケーシング1は、本体11と、本体11に取り付けられる蓋部12を有している。
【0013】
ケーシング1には、流体がケーシング1に流入する流入口21と、流体を貯留する貯留室22と、流体がケーシング1から流出する流出口23と、第1弁3を介して貯留室22と流出口23とを連通させる第1排出通路24と、第2弁4を介して貯留室22と第1排出通路24とを連通させる第2排出通路27とを有している。
【0014】
流入口21、貯留室22、流出口23、第1排出通路24及び第2排出通路27によって流路が形成される。より詳しくは、流路は、ドレンを排出するための第1流路と、空気及びドレンを排出するための第2流路を含んでいる。第1流路は、流入口21、貯留室22、第1排出通路24及び流出口23によって形成される。第2流路は、流入口21、貯留室22、第2排出通路27、第1排出通路24及び流出口23によって形成される。
【0015】
貯留室22は、本体11と蓋部12とによって区画される。流入口21は、本体11に形成され、貯留室22の比較的上部に連通している。流出口23は、本体11に形成されている。流入口21と流出口23とは、水平に延びる同一の軸上に形成されている。第1排出通路24は、本体11に形成されている。第1排出通路24の上流端は、貯留室22の比較的下部に連通している。第1排出通路24の下流端は、流出口23に連通している。
【0016】
第2排出通路27は、本体11及び蓋部12に亘って形成されている。第2排出通路27の上流端は、貯留室22の上部に連通している。第2排出通路27の下流端は、第1排出通路24に連通している。第2排出通路27は、2箇所で屈曲し、全体として略U字状に形成されている。
【0017】
第1弁3は、第1弁体31と、第1弁座32とを有している。第1弁体31は、中空球形のフロートであり、貯留室22に自由状態で収容されている。第1弁座32は、第1排出通路24の上流端に設けられている。第1弁座32の一部(上流端部)は、貯留室22内に位置している。第1弁座32には、弁孔33が形成されている。弁孔33の上流端は、オリフィスを構成している。貯留室22に貯留されるドレンが増加すると、第1弁体31が浮上し、第1弁座32から離座する。一方、貯留室22のドレンが減少すると、第1弁体31が下降し、第1弁座32に着座する。こうして、第1排出通路24、ひいては第1流路が開閉される。
【0018】
第2弁4は、所定の温度未満の流体(例えば、空気又はドレン)を排出する一方、所定の温度以上の流体(例えば、蒸気)の排出を停止する熱応動式の弁である。第2弁4は、第2弁体41を含む弁ユニット40と、第2弁座42と、第2弁体41が第2弁座42と対向するように弁ユニット40を弾性的に支持するバネ46とを有している。第2弁体41が弁体の一例であり、第2弁座42が弁座の一例である。
【0019】
図2は、第2弁4の拡大断面図である。第2弁座42は、流体が通過する弁孔48と弁孔48を囲むように形成されたシート面42aとを有する。また、第2弁座42には、第2排出通路27の上流端部を構成する排出路49が弁孔48に連続して形成されている。弁孔48は、開口部の一例である。
【0020】
シート面42aは、第2弁座42のうち貯留室22に露出する端部に形成されている。シート面42aは、平面状に形成されている。シート面42aには、弁孔48が開口している。つまり、シート面42aは、弁孔48を囲むように略円環状に形成されている。
【0021】
弁ユニット40は、第2弁座42のシート面42aに離着座して、弁孔48を開閉する第2弁体41と、第2弁体41を移動させてシート面42aに離着座させる温度応動部43と、第2弁体41及び温度応動部43を支持するベース45とを含んでいる。
【0022】
温度応動部43は、ダイヤフラム43aと、ダイヤフラム43aとベース45とで区画された閉空間に収容される膨張媒体(図示省略)で構成される。ダイヤフラム43aは、変形可能な複数枚の金属製の薄膜で形成されている。ダイヤフラム43aは、略円盤状に形成されている。ダイヤフラム43aには、第2弁体41が取り付けられている。ベース45は、略円盤状の2枚の板で形成されている。ベース45を形成する2枚の板でダイヤフラム43aを挟み込むことによって、一方の板とダイヤフラム43aとの間に閉空間が形成される。この閉空間に膨張媒体が収容される。他方の板の中央には、第2弁体41の移動を可能とするための開口が形成されている。膨張媒体は、温度によって膨張する媒体である。例えば、膨張媒体は、水、水より沸点が低い液体、又はそれらの混合物である。膨張媒体が膨張収縮することによって、ダイヤフラム43aが変形する。第2弁体41は、ダイヤフラム43aの変形に伴い変位する。温度応動部43は、駆動部の一例である。
【0023】
弁ユニット40は、ケース47に収容されている。ケース47は、円筒状の周壁を有している。弁ユニット40は、バネ46によって第2弁座42の方へ付勢されている。バネ46によって付勢された弁ユニット40は、ケース47の周壁の係止部47aに押し付けられている。バネ46は、ばね鋼の線条で形成されている。バネ46は、ケース47に保持されている。バネ46は、弾性体の一例である。
【0024】
このように構成された第2弁4においては、温度応動部43の温度が高くなると、膨張媒体が膨張して、ダイヤフラム43aが変形し、第2弁体41が第2弁座42に着座する。温度応動部43の温度が低くなると、膨張媒体が収縮して、ダイヤフラム43aが変形し、第2弁体41が第2弁座42から離座する。こうして、第2排出通路27、ひいては第2流路が開閉される。この例では、ドレンと同程度の温度では第2弁体41が第2弁座42から離座し、蒸気と同程度の温度では第2弁体41が第2弁座42に着座するような膨張媒体が採用されている。
【0025】
尚、第2弁体41が第2弁座42に着座する以上に膨張媒体が膨張する場合には、弁ユニット40は、バネ46の弾性力に抗して第2弁座42から離れる方向へ移動する。つまり、前述の如く弁ユニット40をバネ46で弾性的に支持することによって膨張部材の過膨張を吸収することができる。
【0026】
清掃機構5は、
図1に示すように、第2弁座42のシート面42aを清掃するブラシ51と、ブラシ51を支持する第1プラグ56と、第1プラグ56に取り付けられる第2プラグ57とを有している。
【0027】
図3は、ブラシ51の先端部の平面図である。
図4は、ブラシ51の先端部の縦断面図である。ブラシ51は、シャフト52と、シャフト52の一端部に設けられた複数の毛53とを有している。毛53は、
図3に示すように、シャフト52の軸心を中心として180度異なる2か所において、シャフト52の軸心と交差する方向に延びている。毛53は、ばね鋼で形成されている。毛53は、外力が何も作用していない状態(即ち、自然状態)においては、
図4に示すように、シャフト52の軸心と垂直ではなく、シャフト52の軸心とのなす角が鋭角となる方向に延びている。シャフト52の先端には、弁押え55が設けられている。毛53は、弁押え55を介してシャフト52に取り付けられている。
【0028】
シャフト52の中間部には、
図1に示すように、雄ネジが形成されている。シャフト52の他端には、シャフト52を回転させる工具が係合する係合部54が形成されている。
【0029】
第1プラグ56は、蓋部12に取り付けられている。第1プラグ56には、第1ネジ孔56aが形成されている。第1ネジ孔56aは、弁孔48の軸心と同軸上に延びている。
【0030】
第1プラグ56のうち、ケーシング1から遠い方の端部には、第2ネジ孔56bが第1ネジ孔56aと同軸上に形成されている。第2ネジ孔56bは、第1ネジ孔56aよりも大径に形成されている。第2ネジ孔56bに、第2プラグ57が螺合される。
【0031】
第2プラグ57は、略円筒状に形成されている。第2プラグ57には、軸心方向に延びるガイド孔57aが形成されている。ガイド孔57aは、第1プラグ56の第1ネジ孔56aと同軸上に形成されている。ガイド孔57aには、シャフト52が挿通されている。第2プラグ57は、シャフト52を回転自在に支持する。
【0032】
第2ネジ孔56bの底部と第2プラグ57との間には、ガスケット58が配置されている。ガスケット58は、円環状に形成されている。シャフト52は、ガスケット58に挿通されている。シャフト52の外周面とガスケット58の内周面とは、密着している。ガスケット58によって、ガイド孔57aとシャフト52との間がシールされる。
【0033】
図2に示すように、シャフト52の雄ネジは、第1プラグ56の第1ネジ孔56aに螺合される。このとき、シャフト52の軸心は、弁孔48の軸心と同軸上に位置している。毛53は、第2排出通路27内、詳しくは、第2弁座42の排出路49内に配置されている。こうして、ブラシ51は、弁孔48に対し第2弁体41と反対側に配置されている。
【0034】
このように構成されたドレントラップ100の動作について説明する。
【0035】
ドレントラップ100が設置された蒸気システムの始動時には、温度応動部43の温度は低く、第2弁体41は第2弁座42から離座している。また、ケーシング1内のドレンが無い場合又は少ない場合には、第1弁体31が第1弁座32に着座している。つまり、第1弁3は、閉鎖され、第2弁4は、開放されている。
【0036】
この状態から蒸気システムが始動すると、流入口21からケーシング1内にドレンが流入し始める。このとき、流入口21に接続された配管内に存在していた空気もドレンと共にケーシング1内に流入する。貯留部22に流入したドレンは、貯留部22の下部に溜まっていく。貯留部22のドレンの貯留量が増加すると、第1弁体31が浮上して、第1弁座32から離座する。これにより、第1弁3が開放される。ドレンは、第1排出通路24を通って、流出口23から流出していく。
【0037】
貯留部22に流入した空気は、貯留部22の上部に滞留する。空気の温度がかなりの高温でない限り、温度応動部43の膨張媒体の体積(即ち、膨張の度合い)は小さく、第2弁体41が第2弁座42から離座し、弁孔48が開放されたままである。そのため、空気は、第2弁4を介して第2排出通路27へ流入し、第1排出通路24を通って流出口23から流出していく。
【0038】
尚、第1弁3からのドレンの排出量に対して流入口21からのドレンの流入量が多い場合には、貯留部22に貯留されたドレンの量は増加する。やがて、ドレンは、貯留部22の上部に達する。すると、温度応動部43の温度は、ドレンの温度に近づく。この例では、温度応動部43の膨張媒体の温度がドレンと同程度の場合には、膨張媒体の体積(即ち、膨張の度合い)は小さく、第2弁体41が第2弁座42から離座し、弁孔48が開放されたままである。そのため、ドレンは、第2弁4を介して第2排出通路27へ流入し、第1排出通路24を通って流出口23から流出していく。
【0039】
一方、流入口21からケーシング1内に蒸気が流入すると、貯留部22のドレンは、第1弁3から排出されて減少していき、やがて第1弁体31が第1弁座32に着座する。こうして、第1弁3が閉鎖され、第1弁3からの蒸気の排出が阻止される。
【0040】
また、蒸気の一部は、貯留部22の上部に滞留する。すると、温度応動部43の膨張媒体が膨張する。膨張媒体の膨張によりダイヤフラム43aが変形し、第2弁体41が上方へ変位し、第2弁体41が第2弁座42に着座する。こうして、第2弁4が閉鎖され、第2弁4からの蒸気の排出が阻止される。
【0041】
その結果、流出口23からの蒸気の流出が阻止される。
【0042】
このように、ドレントラップ100は、流入してきたドレン及び空気を、通過させて流出させる一方、流入してきた蒸気の流出を阻止する。
【0043】
続いて、清掃機構5による第2弁4の清掃について説明する。
図5は、毛53が弁孔48を通過するときの清掃機構5の模式図である。
図6は、毛53がシート面42aの側に露出した状態の清掃機構5の模式図である。
【0044】
第2弁4においては、第2弁体41及び第2弁座42にスケール等の異物が堆積し得る。詳しくは、スケール等の異物は、減圧される部分に堆積しやすい。第2弁体41と第2弁座42との間は、開弁時であってもドレン等の流路の他の部分に比べて流路断面積が小さくなっている。そのため、第2弁体41及び第2弁座42はそれぞれ、絞りとして機能し、通過するドレンを減圧させる。ドレンが減圧されて蒸発する際にスケールが発生しやすい。その結果、第2弁体41及び第2弁座42にスケール等の異物が堆積し得る。第2弁体41及び/又は第2弁座42に異物が堆積すると、第2弁4から蒸気が漏洩し得る。
【0045】
そこで、第2弁4は、定期的、又は、第2弁4に堆積した異物が多くなったときに清掃機構5によって清掃される。清掃は、ドレントラップ100を分解することなく行われる。通常、清掃は、第2弁体41の開弁時に行われるが、開弁時に限られず、閉弁時に行われてもよい。
【0046】
清掃時以外の場合には、ブラシ51は、退避位置に位置している。退避位置においては、毛53が弁孔48よりも下流側、具体的には、第2弁座42の排出路49内に位置している。毛53の長さは、排出路49の内径(半径)よりも長いので、毛53は、排出路49内において撓んだ状態となっている。毛53は、前述の如く、シャフト52の軸心を中心とする360度全ての方向に設けられているのではなく、180度異なる2か所に設けられているだけなので、排出路49内を流体が通過することができる。
【0047】
清掃を行う際には、作業者は、係合部54に係合する工具によってシャフト52を回転させる。これにより、シャフト52は、回転しながら、その軸心方向に進退する。以下、シャフト52が退避位置から弁孔48の方へ移動することを「前進」といい、シャフト52が退避位置の方へ移動することを「後退」という。シャフト52が前進していくと、毛53が弁孔48を通過する。このとき、
図5に示すように、毛53は、排出路49内の状態よりもさらに撓んだ状態となる。
【0048】
ブラシ51がさらに前進すると、
図6に示すように、毛53が弁孔48を通過し、シート面42aの側に、即ち、貯留室22に露出する。弁孔48の通過時に撓んでいた毛53は、自然状態に戻り、シート面42aと対向するように拡がる。このとき、毛53は、シート面42aの外側まで拡がっている。
【0049】
尚、第2弁体41とシート面42aとの隙間が小さい場合には、ブラシ51の弁押え55が第2弁体41を押して、バネ46の弾性力に抗して弁ユニット40を第2弁座42から離れる方向へ押圧する。これにより、第2弁体41とシート面42aとの隙間が大きくなり、毛53がシート面42aの側に完全に露出できる程度にブラシ51が貯留室22へ突出することができる。
【0050】
その後、作業者がシャフト52を逆方向に回転させることによって、毛53が回転しながら後退していく。このとき、毛53は、シート面42aに摺接し、これによりシート面42aに堆積した異物を除去する。
【0051】
ブラシ51がさらに後退していくと、毛53は、ブラシ51が前進するときとは反対側に撓んで弁孔48を通過し、排出路49へ戻っていく。
【0052】
ここで、毛53は、シャフト52とのなす角が鋭角となる方向に延びているので、毛53がシート面42aと摺接する時間を長くすることができると共に、毛53とシート面42aとの接触抵抗を大きくすることができる。その結果、異物の除去能力を向上させることができる。
【0053】
以上のように、ドレントラップ100(弁装置)は、流体が通過する弁孔48(開口部)と弁孔48を囲むように形成されたシート面42aとを有する第2弁座42(弁座)と、第2弁座42のシート面42aに離着座して、弁孔48を開閉する第2弁体41と、シャフト52とシャフト52に設けられた毛53とを有し、シート面42aを清掃するブラシ51とを備え、ブラシ51は、弁孔48に対し第2弁体41と反対側に配置され、清掃時にはシャフト52の軸心方向に移動して毛53が弁孔48を通過し、シート面42aの側に露出するように構成され、毛53は、撓んだ状態で弁孔48を通過した後にシート面42aと対向するように拡がる。
【0054】
この構成によれば、ブラシ51は、弁孔48に対して第2弁体41(即ち、シート面42a)と反対側に配置されている。そのため、清掃時以外のときに、ブラシ51が、流体の弁孔48の通過や第2弁体41の弁孔48の開閉を妨げることがない。一方、清掃時には、毛53が弁孔48を通過してシート面42a側に露出するように移動する。シート面42aは、弁孔48の外側に形成されているので、毛53は、シート面42aよりも小さい弁孔48を通過する必要がある。そこで、毛53は、弁孔48を通過するときは撓んで、弁孔48を通過すると拡がってシート面42aと対向するように構成されている。これにより、清掃時以外のときには、ブラシ51が弁孔48に対して第2弁体41と反対側に配置されていたとしても、清掃時には、毛53がシート面42aの側に露出し、シート面42aの異物を除去することができる。その結果、第2弁4における流体、具体的には、蒸気の漏洩を解消することができる。
【0055】
また、ドレントラップ100は、第2弁体41と、第2弁体41を移動させてシート面42aに離着座させる温度応動部43(駆動部)とを含む弁ユニット40と、第2弁体41が第2弁座42と対向するように弁ユニット40を弾性的に支持するバネ46(弾性体)とをさらに備え、ブラシ51は、毛53をシート面42aの側に露出させる際にバネ46の弾性力に抗して弁ユニット40を押圧して、第2弁体41とシート面42aとの隙間を拡げる。
【0056】
この構成によれば、毛53は、撓んだ状態で弁孔48を通過するので、毛53が弁孔48を完全に通過してシート面42a側に拡がるためには、ブラシ51がシート面42aの側に或る程度進入する必要がある。しかしながら、毛53が弁孔48を通過した先には、第2弁体41が位置している。そのため、第2弁体41とシート面42aとの隙間が小さい場合には、ブラシ51がシート面42a側に進入するための十分なスペースを確保することが難しい。それに対し、弁ユニット40は、バネ46によって弾性的に支持されており、バネ46の弾性力に抗してシート面42aから離れる方向に移動可能である。そのため、ブラシ51は、毛53をシート面42aの側に露出させる際にバネ46の弾性力に抗して弁ユニット40を押圧して、第2弁体41とシート面42aとの隙間を拡げることによって、毛53に弁孔48を完全に通過させることができる。
【0057】
さらに、毛53は、ばね鋼で形成されている。
【0058】
この構成によれば、毛53は、弁孔48を通過する際に撓んだとしても、弁孔48を通過した後は元の状態に戻り易い。そのため、外力が作用していない状態における毛53を、シート面42aの異物を除去するのに適切な形状に形成しておけば、弁孔48を通過した後でも、毛53を該形状に戻すことができる。
【0059】
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0060】
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0061】
例えば、ドレントラップ100は、蒸気の排出を阻止するスチームトラップに限らず、空気の排出を阻止するエアトラップ、又はガスの排出を阻止するガストラップ等であってもよい。
【0062】
また、ここに開示された技術は、ドレントラップ100に限らず、流体として気体又は液体の流通を制御する任意の弁装置に適用することができる。
【0063】
ドレントラップ100では、清掃機構5は、第2弁4を清掃しているが、第1弁3を清掃してもよい。
【0064】
ブラシ51の毛53は、シャフト52の軸心を中心として180度異なる2か所に設けられているが、これに限られるものではない。毛53は、シャフト52の周方向における1か所にだけ設けられていてもよいし、3か所以上に設けられていてもよい。
ブラシ51の先端には、弁押え55が設けられているが、省略してもよい。その場合には、ブラシ51の先端の、毛53が取り付けられている部分で第2弁体41を押圧するようにしてもよい。また、開弁時の第2弁体41とシール面42aとの隙間が十分にある場合には、弁押え55は不要である。