特許第6809906号(P6809906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6809906
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】ポリペプチドの使用
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/386 20060101AFI20201221BHJP
   C11D 1/02 20060101ALI20201221BHJP
   C12N 9/16 20060101ALN20201221BHJP
   C12N 15/00 20060101ALN20201221BHJP
【FI】
   C11D3/386ZAB
   C11D1/02ZNA
   !C12N9/16 Z
   !C12N15/00
【請求項の数】11
【全頁数】111
(21)【出願番号】特願2016-569439(P2016-569439)
(86)(22)【出願日】2015年5月28日
(65)【公表番号】特表2017-517602(P2017-517602A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(86)【国際出願番号】EP2015061828
(87)【国際公開番号】WO2015181286
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2018年5月2日
(31)【優先権主張番号】14170238.1
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】14172548.1
(32)【優先日】2014年6月16日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】15154473.1
(32)【優先日】2015年2月10日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500586299
【氏名又は名称】ノボザイムス アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】リリャン イーバ タング バルトセン
(72)【発明者】
【氏名】マリーイ アレスン−ホルム
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ゴリ
【審査官】 山本 悦司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/098579(WO,A1)
【文献】 特公昭46−004259(JP,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0078510(US,A1)
【文献】 特開昭61−034099(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0087428(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0046261(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後のクリーニング又は洗濯工程中に品目への汚れ及び/若しくは臭いの再付着を防止又は低減するための、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)活性を有するポリペプチドと界面活性剤とを含む洗剤組成物であって、前記組成物が、臭気抑制剤をさらに含み、そして前記臭気抑制剤が、シクロデキストリン及びその混合物、防臭剤、活性アルデヒド、フラバノイド(flavanoid)、金属塩、ゼオライト、活性炭、疎水性修飾悪臭抑制ポリマー(HPM)、イソチアゾリノンの誘導体、及び/又は揮発性アルデヒドからなる群から選択される、洗剤組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤が、硫酸塩及びスルホン酸塩、アルキル−若しくはアルケニルコハク酸、ドデセニル/テトラデセニルコハク酸(DTSA)、アミノ酸の脂肪酸誘導体、スルホ−コハク酸のジエステル及びモノエステル又は脂肪酸の塩(石鹸)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるアニオン界面活性剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アニオン界面活性剤の量が、1重量%〜40重量%である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
DNase活性を有するポリペプチドを、後のクリーニング又は洗濯工程において使用しない、後のクリーニング又は洗濯工程中に品目への汚れ及び/若しくは臭いの再付着を防止又は低減するための、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
悪臭を防止又は低減するための、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、ビルダー、凝集助剤、キレート化剤、移染防止剤、酵素、酵素安定剤、酵素阻害剤、触媒材料、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、事前形成された過酸(preformed peracid)、ポリマー分散剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、石鹸泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、ビルダー及びコビルダー、布地色相剤、消泡剤、分散剤、加工助剤、及び/又は顔料をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ及びオキシダーゼからなる群から選択される1種又は複数種の酵素をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記DNase活性を有するポリペプチドが、動物、植物、又は微生物起源のものである、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ポリペプチドに対して、配列番号3の成熟ポリペプチドに対して、配列番号5の成熟ポリペプチドに対して、配列番号6の成熟ポリペプチドに対して、配列番号7の成熟ポリペプチドに対して、又は配列番号8の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%の配列同一性を有する、請求項に記載の組成物。
【請求項10】
後のクリーニング又は洗濯工程中に品目への汚れの再付着を防止又は低減するための方法であって、
a)請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物と、品目を接触させるステップ;及び
b)任意選択で前記品目をすすぐステップ
を含み、
ここで、前記品目が、生地であり、そしてステップa)での組成物が、前記後のクリーニング又は洗濯工程の前に、前記品目を少なくとも1回クリーニング又は洗濯するために使用される、方法。
【請求項11】
ステップa)での前記接触が、前記品目の含浸により、又は前記品目の洗浄時に実施される、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表の参照
本出願は、コンピュータ読み取り可能な形態の配列表を含んでおり、これは本明細書において参照により援用される。
【0002】
本発明は、後のクリーニング又は洗濯工程中に品目への汚れの再付着を防止又は低減するための、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)活性を有するポリペプチドの使用に関する。本発明はさらに、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)活性を有するポリペプチドを含む洗剤組成物、並びに後のクリーニング又は洗濯工程中に品目への汚れの再付着を防止又は低減するための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
微生物は、一般に、多くの自然、産業、及び医療環境における表面に生きたまま付着し、バイオポリマー及び高分子などの細胞外物質によって被包される。こうして形成される粘性の被包微生物の層は菌膜と呼ばれる。菌膜は、自然環境における細菌の優勢な増殖方法であり、菌膜で増殖する細菌は、独特な生理的特徴を呈示する。浮遊状態で(planktonically)増殖するそれらの対応物と比較して、菌膜内の細菌は、抗生物質、紫外線照射、洗剤及び宿主免疫応答に対して、より耐性である。
【0004】
シャツやブラウスなどの洗濯品目が時間の経過とともに灰色になっていくことは長年にわたり周知の問題であった。普段着及びスポーツウエアについて、汗及びその結果発生する臭いは課題である。これらの汚れは、通常、衣類の生地に付着する多数の異なる成分から構成されており、溶解させて除去するのは難しい場合がある。Tシャツ又はスポーツウエアなどの洗濯品目を使用する場合、これらは、使用者の身体からの汗及び細菌、並びにそれらが用いられるその他の環境からの別の種類の汚れと接触する。これらの細菌の一部は、洗濯品目に付着することができ、その品目に菌膜を形成する。細菌の存在は、洗濯品目が、粘着性になり、従って、汚れが粘着性の部分に付着することを意味する。この汚れは、市販の洗剤組成物によって除去し難いことが判明している。さらに、非常に汚れた洗濯品目をあまり汚れていない洗濯品目と一緒に洗浄すると、洗浄液中に存在する汚れが、菌膜に付着する傾向がある。その結果、洗濯品目は、洗浄前よりも洗浄後の方が「汚れ」て、さらに「灰色化」することになる。
【0005】
スポーツウエアは、汗を多く含んだシャツと一緒に洗浄した衣類上には汚染物、泥及び往来の汚れが存在することから、典型的な例である。洗浄を繰り返すと、衣類は、一段と灰色化していき、最後には形成されたしみとして現れる。1つにはこの種の汚れのために人はその衣類を廃棄する。ほとんどの衣類においてこうした問題はよく知られているが、この問題は、混交織物について非常に顕著である。ランドリーに関する資源を保護する欧州の政治的意図があり、これによって、高エネルギー消費の機械を排除するために、EU内での洗浄機に対するラベル法が採用されるに至った。これは、常温水での洗浄が、EU内で、はるかに多く普及し、それによってEU以外の世界的洗濯環境とよく類似してくることを意味する。しかし、低温での洗浄による省エネルギーによって、消費者は、汗じみが適切に除去されないために、衣類を廃棄して、新しく購買する結果に至り得る。汗じみを有効に除去する課題を解決することが早急に求められる。
【0006】
国際公開出願:国際公開第2011/098579号パンフレットは、デオキシリボヌクレアーゼ化合物、並びに菌膜破壊及び防止のための方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、後のクリーニング又は洗濯工程中に品目への汚れの再付着を防止又は低減するための、DNase活性を有するポリペプチドの使用に関する。本発明はさらに、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)活性を有するポリペプチドを含む洗剤組成物にも関する。さらには、後のクリーニング又は洗濯工程中に品目への汚れの再付着を防止又は低減するための方法も記載され、この方法は、
a)本発明の組成物又はDNase活性を有するポリペプチドを含む洗浄液と、品目を接触させるステップ;
b)任意選択で品目をすすぐステップ
を含み、
ここで、上記品目は、生地又は硬質表面である。
【0008】
定義
アルキルという用語は、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和のヒドロカルビル部分を意味する。別に記載のない限り、アルキル部分は、二重結合、好ましくは1つ又は2つの二重結合を有する飽和又は不飽和であるのが好ましい。「アルキル」という用語には、アシル基のアルキル部分が含まれる。
【0009】
「自動食器洗浄用組成物」という用語は、食器洗浄機による、プレート、カップ、ガラス食器、ボールなどの食器類、スプーン、ナイフ、フォークなどのカトラリー、台所用器具、セラミック、プラスチック、金属、陶器、ガラス及びアクリル製品などのクリーニングのための組成物を指す。この用語は、家庭又は業務用洗浄用途のために選択されるあらゆる材料/化合物を包含し、製品の形態は液体、粉末若しくは顆粒であってよい。リパーゼに加えて、自動食器洗浄用組成物は、ポリマー、漂白系、漂白活性化剤、漂白触媒、ケイ酸塩、染料及び金属ケア剤(metal care agent)などの洗剤成分を含有する。
【0010】
対立遺伝子変異体:「対立遺伝子変異体」という用語は、同一の染色体座を占有する遺伝子の2つ以上の代替的な形態のいずれかを意味する。対立遺伝子変異は、突然変異を介して自然に生じ、また、個体群に多型性をもたらし得る。遺伝子突然変異は、サイレント(コードされるポリペプチドにおける変化なし)であってもよいし、又は、改変されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするものでもよい。ポリペプチドの対立遺伝子変異体は、遺伝子の対立遺伝子変異体によってコードされたポリペプチドである。
【0011】
細菌(性):本発明に関連して、ポリペプチド(酵素、例えば、DNAseなど)に関して「細菌(性)」という用語は、細菌のゲノムによってコードされ、従ってそのゲノムから直接誘導可能なポリペプチドを指し、こうした細菌は、例えば、組換えDNA技術によりゲノムにコード配列を導入することによって、前記ポリペプチドをコードするように遺伝改変されていない。そのため、本発明に関連して、「細菌性DNAse」又は「細菌供給源から得られるDNAse活性を有するポリペプチド」又は「細菌起源のポリペプチド」という用語は、細菌種のゲノムによってコードされ、従ってそのゲノムから誘導可能なDNAseを指し、この細菌種は、前記DNAseをコードする組換えDNAを導入する遺伝子改変に付されていない。従って、DNAse活性を有する細菌性ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、細菌種の遺伝的背景に天然に存在する配列である。こうした配列によりコードされるDNAse活性を有する細菌性ポリペプチドも、野生型DNAse(又は親DNAse)と呼ばれることがある。別の態様では、本発明は、DNase活性を有するポリペプチドを提供し、ここで、前記ポリペプチドは、細菌性DNaseと実質的に相同性である。本発明に関連して、「実質的に相同性である」という用語は、選択した細菌性DNaseのアミノ酸配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも96%、97%、98%、及び最も好ましくは少なくとも99%同一である。
【0012】
菌膜:菌膜は、細胞が、生地、食器類若しくは硬質表面又は別の種類の表面などの表面と互いに付着しているか、あるいはそれらの表面に付着している、いずれかの微生物群である。こうした付着細胞は、多くの場合、細胞外高分子物質(EPS)の自己生成マトリックス内に包埋されている。菌膜EPSは、一般に、細胞外DNA、タンパク質、及び多糖から構成された高分子凝集塊である。菌膜は、生存又は非生存表面上に形成し得る。菌膜内で増殖する微生物細胞は、同じ生物の浮遊細胞とは生理学的に異なり、浮遊細胞は、対照的に、液体媒体中に浮遊又は泳動し得る単細胞である。
【0013】
菌膜内に生存する細菌は、膜の高密且つ保護された環境によって、これらの細菌が多様な方法で協同及び相互作用することが可能になるため、一般に、同じ種の浮遊細菌とは極めて異なる特性を有する。微生物にとってこうした環境の1つの利点は、高密度の細胞外マトリックス及び細胞の外層が集団の内部を保護するために、洗剤及び抗生物質に対する耐性が増大することである。
【0014】
ランドリー上で、菌膜生成細菌は、以下の種から見出すことができる:アシネトバクター属(Acinetobacter sp.)、アエロミクロビウム属(Aeromicrobium sp.)、ブレブンディモナス属(Brevundimonas sp.)、ミクロバクテリウム属(Microbacterium sp.)、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、及びステノトロホモナス属(Stenotrophomonas sp.)。硬質表面上で、菌膜生成細菌は、以下の種から見出すことができる:アシネトバクター属(Acinetobacter sp.)、アエロミクロビウム属(Aeromicrobium sp.)、ブレブンディモナス属(Brevundimonas sp.)、ミクロバクテリウム属(Microbacterium sp.)、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、及びステノトロホモナス属(Stenotrophomonas sp.)。一実施形態では、菌膜生成株は、ブレブンディモナス属(Brevundimonas sp.)である。一実施形態では、菌膜生成株は、シュードモナス・アルカリフィラ(Pseudomonas alcaliphila)又はシュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)である。
【0015】
cDNA:「cDNA」という用語は、真核若しくは原核細胞から得られる成熟型のスプライシングされたmRNA分子からの逆転写によって調製することができるDNA分子を意味する。cDNAは、対応するゲノムDNAに存在し得るイントロン配列が欠失している。初期の一次RNA転写物は、mRNAの前駆体であり、これは、スプライシングを含む一連のステップで処理された後、成熟型スプライシングmRNAとして出現する。
【0016】
コード配列:「コード配列」という用語は、ポリペプチドのアミノ酸配列を直接規定するポリヌクレオチドを意味する。コード配列の境界は、一般に、オープンリーディングフレームによって決定されるが、これは、ATG、GTG、又はTTGなどの開始コドンで開始し、TAA、TAG、又はTGAなどの終止コドンで終了する。コード配列は、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA、又はこれらの組合せであってもよい。
【0017】
色差(L値):Lab色空間は、明度を意味する次元Lを有する反対色空間である。L値、L*は、L*=0で、最も暗い黒を示し、L*=100で、最も明るい白を示す。本発明に関連して、L値は、色差とも呼ばれる。色差法は、本出願の実施例で用いられる。
【0018】
制御配列:「制御配列」という用語は、本発明の成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現に必要な核酸配列を意味する。各制御配列は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して在来(すなわち、同じ遺伝子に由来する)若しくは外来の(すなわち、異なる遺伝子に由来する)ものであっても、又は、相互に在来若しくは外来のものであってもよい。このような制御配列としては、これらに限定されないが、リーダ、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモータ、シグナルペプチド配列、及び転写ターミネータが挙げられる。少なくとも、制御配列は、プロモータ、並びに、転写及び翻訳終止シグナルを含む。制御配列は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのコード領域と制御配列の連結を促進させる特定の制限部位を導入する目的で、リンカーを備えていてもよい。
【0019】
「ディープクリーニング」という用語は、菌膜、又は菌膜内に存在する多糖、タンパク質、DNA、汚れ若しくは他の成分などの菌膜成分の破壊、低減又は除去を意味する。菌膜を破壊、低減又は除去しないクリーニングはいずれも、ディープクリーニングではない。
【0020】
洗剤成分:「洗剤成分」という用語は、本明細書において、洗剤組成物に用いることができる化学物質の種類を意味するために定義される。洗剤成分の例としては、アルカリ、界面活性剤、ヒドロトロープ、ビルダー、コビルダー、キレート剤若しくはキレート化剤、漂白系若しくは漂白剤成分、ポリマー、布地色相剤、布地コンディショナ、気泡増進剤、石鹸泡抑制剤、分散剤、移染防止剤、蛍光白色化剤、香料、光学増白剤、殺菌剤、殺真菌剤、汚れ懸濁剤、汚れ遊離ポリマー、再付着防止剤、酵素阻害剤若しくは安定剤、酵素活性化剤、抗酸化剤、及び溶解剤が挙げられる。
【0021】
洗剤組成物:「洗剤組成物」という用語は、生地などの洗浄しようとする品目から不要な化合物を除去する上で有用な組成物を指す。洗剤組成物は、家庭用クリーニング及び業務用クリーニングの両方の用途で、例えば、生地をクリーニングするために用いることができる。この用語は、特定のタイプの所望のクリーニング組成物及び製品の形態(例えば、液体、ゲル、粉末、顆粒、ペースト、又はスプレー組成物)のために選択されるあらゆる材料/化合物を包含し、これらに限定されないが、洗剤組成物(例えば、液体及び/又は固体洗濯洗剤並びにデリケート用洗剤;布地フレッシュナ;布地柔軟剤;並びに生地及び洗濯プレスポッター/前処理剤)を含む。本発明の酵素を含有する以外に、洗剤製剤は、1種又は複数種の別の酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチンリアーゼ、キサンタナーゼ、ペルオキシダーゼ、ハロペルオキシゲナーゼ、カタラーゼ及びマンナナーゼ、若しくはこれらの任意の混合物)、並びに/又は洗剤補助成分、例えば、界面活性剤、ビルダー、キレート剤若しくはキレート化剤、漂白系若しくは漂白剤成分、ポリマー、布地コンディショナ、起泡増進剤、石鹸泡抑制剤、染料、香料、色あせ防止剤、光学増白剤、殺菌剤、殺カビ剤、汚れ懸濁剤、腐食防止剤、酵素抑制剤若しくは安定化剤、酵素活性化剤、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、酸化還元酵素、青み付け剤及び蛍光性染料、酸化防止剤、及び溶解剤を含有してもよい。
【0022】
食器類:「食器類」という用語は、これらに限定されないが、平鍋、陶器類、カトラリー(プレート、カップ、ナイフ、フォーク、スプーン)、磁器などの台所用具、ディナーセット又はテーブルウエアのあらゆる形態を意味するものとする。
【0023】
食器洗浄組成物:「食器洗浄組成物」という用語は、洗剤成分を含む組成物を指し、この組成物は、食器類、テーブルウエア、陶器類、ポット、平皿、カトラリーを洗浄するのに好適であり、且つそれを目的とする。本発明の一実施形態では、食器洗浄組成物は、台所における硬質表面部分をクリーニングするために用いることができる。本発明は、食器洗浄組成物又は任意のタイプの食器洗浄組成物又はいずれかの特定の洗剤に限定されない。
【0024】
DNase(デオキシリボヌクレアーゼ):「DNase」という用語は、DNA骨格において、ホスホジエステル結合の加水分解切断を触媒することにより、DNAを分解するDNase活性を有するポリペプチドを意味する。本発明の目的のために、DNase活性は、アッセイIに記載する手順に従って決定される。一態様では、本発明のポリペプチドは、配列番号2の成熟ポリペプチドのDNase活性の少なくとも20%、例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%を有する。本発明の目的のために、DNase活性は、アッセイIに記載する手順に従って決定してもよい。本発明の一実施形態では、ポリペプチドのDNAse活性は、配列番号2の成熟ポリペプチド、配列番号3に記載の配列を含むか、若しくはこれから構成されるポリペプチド、配列番号5に記載の配列を含むか、若しくはこれから構成されるポリペプチド、配列番号6の成熟ポリペプチドを含むか、若しくはこれから構成されるポリペプチド、配列番号7の成熟ポリペプチドを含むか、若しくはこれから構成されるポリペプチド、配列番号8の成熟ポリペプチドを含むか、若しくはこれから構成されるポリペプチドのDNase活性を基準として、少なくとも105%、例えば、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、又は少なくとも200%である。
【0025】
酵母洗浄力利益:用語「酵母洗浄力利益」は、本明細書において、酵素を含まない同じ洗剤と比較して、酵素が洗剤に付加しうる有利な効果として定義される。酵母によって提供され得る重要な酵母洗浄力利益は、洗浄及び/又はクリーニング後に目に見える汚れを全く、又はほとんど残さないしみの除去、洗浄工程中に放出された汚れの再付着の防止又は低減(再付着防止とも呼ばれる効果)、本来白色であったが、使用と洗浄を繰り返すうちに、灰色又は黄色がかった外観を帯びてきた生地の白色度の完全若しくは部分的回復(白色化とも呼ばれる効果)である。生地ケア利益は、触媒によるシミの除去又は汚れの再付着防止とは直接関連しないが、これも酵素洗浄力利益にとって重要である。こうした生地ケア利益の例としては、1つの布地から別の布地、又は同じ布地の別の部分への染料移りの防止又は低減(染料移り阻害又は移染防止とも呼ばれる効果)、ピリング傾向を低減するか、又は既に存在するピル又は毛羽を除去するための布地表面から突出又はちぎれた繊維の除去(ピリング防止とも呼ばれる効果)、布地柔軟性の改善、布地の色彩明瞭化、並びに布地又は衣服の繊維内に閉じ込められた粒状の汚れの除去がある。酵母漂白も、さらに別の酵母洗浄力利益であり、ここで、過酸化水素又は他の過酸化物などの漂白成分の形成を触媒するために、触媒活性が一般に用いられる。
【0026】
発現:「発現」という用語は、限定するものではないが、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾及び分泌物を含むポリペプチドの生成に関与するいずれかのステップを含む。
【0027】
発現ベクター:「発現ベクター」という用語は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、また、その発現をもたらす制御配列に作動可能にリンクされている直鎖又は環状DNA分子を含む。
【0028】
断片:「断片」という用語は、成熟ポリペプチド又はドメインのアミノ及び/又はカルボキシル末端から欠失された1つ又は複数(例えば、数個)のアミノ酸を有するポリペプチドを意味し;ここで、断片はDNase活性を有する。一態様において、断片は、少なくとも206個のアミノ酸残基(例えば、配列番号2のアミノ酸1〜206)、少なくとも205個のアミノ酸残基(例えば、配列番号2のアミノ酸2〜206)、又は少なくとも204個のアミノ酸残基(例えば、配列番号2のアミノ酸3〜206)を含む。一態様では、断片は、少なくとも139個のアミノ酸残基(例えば、配列番号5のアミノ酸50〜188)、又は少なくとも188個のアミノ酸残基(例えば、配列番号5のアミノ酸1〜188)を含む。
【0029】
真菌(性):本発明に関連して、ポリペプチド(酵素、例えば、DNAseなど)に関して「真菌(性)」という用語は、真菌のゲノムによってコードされ、従ってそのゲノムから直接誘導可能なポリペプチドを指し、こうした真菌は、例えば、組換えDNA技術によりゲノムにコード配列を導入することによって、前記ポリペプチドをコードするように遺伝子改変されていない。そのため、本発明に関連して、「真菌性DNAse」又は「真菌供給源から得られるDNAse活性を有するポリペプチド」という用語は、真菌種のゲノムによってコードされ、従ってそのゲノムから直接誘導可能なDNAseを指し、この真菌種は、前記DNAseをコードする組換えDNAを導入する遺伝子改変に付されていない。従って、DNAse活性を有する真菌ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、真菌種の遺伝的背景に天然に存在する配列である。こうした配列によりコードされるDNAse活性を有する真菌性ポリペプチドも、野生型DNAse(又は親DNAse)と呼ばれることがある。別の態様では、本発明は、DNase活性を有するポリペプチドを提供し、ここで、前記ポリペプチドは、真菌性DNaseと実質的に相同性である。本発明に関連して、「実質的に相同性である」という用語は、選択した真菌性DNaseのアミノ酸配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも96%、97%、98%、及び最も好ましくは少なくとも99%同一である。
【0030】
硬質表面:「硬質表面」という用語は、本明細書において、水を吸収しない表面として定義される。特に、「硬質表面」という用語は、生地又は布地を含まない。
【0031】
硬質表面を有し、この用語の意図される意味に含まれる品目は、家庭における表面、病院/施設における表面、及び床、壁、屋根などの屋外表面、並びに自動車(自動車洗浄)、テーブル及び他の家具、及び食器類などの硬質物品の表面を包含する。食器類として、これらに限定されないが、プレート、カップ、ガラス食器、ボールなどの食器セット、スプーン、ナイフ、フォークなどのカトラリー、台所用具、並びにセラミック、プラスチック、金属、陶器、ガラス及びアクリル製品などが挙げられる。
【0032】
硬質表面洗剤組成物:「硬質表面洗剤組成物」という用語は、洗剤成分を含む組成物を指し、この組成物は、硬質表面部分のクリーニングに好適であり、それを目的とする。本発明は、いずれか特定のタイプの硬質表面洗浄組成物又はいずれか特定の洗剤に限定されない。
【0033】
宿主細胞:「宿主細胞」という用語は、本発明のポリヌクレオチドを含む核酸構築物又は発現ベクターによる形質転換、形質移入、形質導入等などに対する感受性を有するあらゆる細胞型を意味する。「宿主細胞」という用語は、複製の最中に生じる突然変異のために、親細胞と同じではない親細胞のあらゆる子孫を包含する。
【0034】
単離された:「単離された」という用語は、自然界においては生じない形態又は環境にある物質を意味する。単離された物質の非限定的な例としては、(1)いずれかの非天然物質、(2)これらに限定されないが、自然界において関連している天然構成成分の1種又は複数種若しくは全てから少なくとも部分的に取り出されたいずれかの酵素、変異体、核酸、タンパク質、ペプチド若しくは補因子を含むいずれかの物質;(3)自然界に見出される物質に対して人為的に修飾されたいずれかの物質;又は(4)自然界で関連する他の成分に対して物質量の増加により修飾されたいずれかの物質(例えば、宿主細胞における組換え体産生;物質をコードする遺伝子の複数のコピー;並びに、物質をコードする遺伝子と自然界で関連するプロモータよりも強力なプロモータの使用)が挙げられる。単離された物質は、発酵ブロスサンプル中に存在してもよく;例えば、本発明のポリペプチドを発現するように、宿主細胞を遺伝子改変してもよい。宿主細胞からの発酵ブロスは、単離されたポリペプチドを含み得る。
【0035】
洗濯する:「洗濯する」という用語は、家庭での洗濯及び業務用洗濯の両方に関し、本発明のクリーニング又は洗剤組成物を含む溶液で生地を処理する工程を意味する。洗濯工程は、例えば、家庭用又は業務用洗浄機を用いて実施することもできるし、又は手で実施することもできる。
【0036】
「悪臭」という用語は、清浄な品目に対して望ましくない臭いを意味する。洗浄された品目は、その品目に付着した悪臭がなく、新鮮かつ清浄な臭いがするべきである。悪臭の一例として、微生物によって発生され得る不快な臭いを有する化合物がある。別の例は、ヒト又は動物と接触していた品目に付着した汗又は体臭であり得る不快な臭いである。悪臭の別の例は、品目に付着する香辛料からの臭いである場合もあり、例えば、カレーや、強烈な臭いがする他の外来香辛料がある。品目が悪臭を付着する程度を測定する一方法は、実施例5及び6に記載するようなアッセイIIの使用によるものである。
【0037】
成熟ポリペプチド:「成熟ポリペプチド」という用語は、N末端プロセシング、C末端切断、グリコシル化、リン酸化等などの翻訳及びいずれかの翻訳後修飾の後に、その最終形態にあるポリペプチドを意味する。一態様において、成熟ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸1〜206であり、配列番号2のアミノ酸−37〜−16は、シグナルペプチドであり、また、配列番号2のアミノ酸−15〜−1は、プロペプチドである。一態様において、成熟ポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸1〜188であり、配列番号2のアミノ酸−17〜−1は、シグナルペプチドである。一態様では、成熟ポリペプチドは、配列番号6のアミノ酸1〜110であり、成熟ポリペプチドは、配列番号7のアミノ酸1〜109であるか、又は成熟ポリペプチドは、配列番号8のアミノ酸1〜206である。宿主細胞が、2つのさらに異なる成熟ポリペプチド(すなわち、異なるC末端及び/又はN末端アミノ酸を含む)の混合物を産生しうることは当技術分野において公知である。さらに、異なる宿主細胞は、ポリペプチドを異なる様式でプロセシングするため、あるポリヌクレオチドを発現する1宿主細胞は、同じポリヌクレオチドを発現する別の宿主細胞と比較して、異なる成熟ポリペプチド(例えば、異なるC末端及び/又はN末端アミノ酸を有する)を産生し得ることも当技術分野において公知である。一態様では、成熟ポリペプチドは、配列番号2、配列番号3又は配列番号8の206個以下のアミノ酸残基(例えば、配列番号2のアミノ酸1〜206)、又は204個以下のアミノ酸残基(例えば、配列番号2のアミノ酸3〜206)を含有する。
【0038】
成熟ポリペプチドコード配列:「成熟ポリペプチドコード配列」という用語は、DNase活性を有する成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを意味する。一態様において、成熟ポリペプチドコード配列は、配列番号1のヌクレオチド1〜242、309〜494、556〜714及び766〜907である。一態様において、成熟ポリペプチドコード配列は、配列番号4のヌクレオチド52〜864であり、ここで、この配列内に、3つのイントロンが、配列番号4の位置76〜164、289〜362、及び520〜615において推定されている。分泌シグナルは、配列番号4の位置1〜51のアミノ酸に存在する。
【0039】
核酸構築物:「核酸構築物」という用語は、一本鎖又は二本鎖いずれかの核酸分子を意味し、これは、天然の遺伝子から単離されるか、若しくは、そうでなければ自然に存在しないであろう様式で核酸のセグメントを含有するよう修飾されるか、又は、合成物であり、これは、1つ又は複数の制御配列を含む。
【0040】
作動可能にリンクされた:「作動可能にリンクされた」という用語は、制御配列がコード配列の発現を指令するように、ポリヌクレオチドのコード配列に対して適切な位置に制御配列が配置される構造を意味する。
【0041】
配列同一性:2つのアミノ酸配列間又は2つのヌクレオチド配列間の関連性は、「配列同一性」というパラメータによって表される。本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列間の配列同一性は、好ましくはバージョン5.0.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276−277)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman−Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443−453)を用いて決定する。用いるパラメータは、ギャップオープンペナルティ:10、ギャップ伸長ペナルティ:0.5、及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。Needle標識された「最長同一性」(−nobriefオプションを用いて得られる)の出力を同一性割合として使用し、これは、以下のようにして算出する:
(同一の残基×100)/(アラインメントの長さ−アラインメント中のギャップの総数)
【0042】
本発明の目的のために、2つのデオキシリボヌクレオチド配列間の配列同一性は、好ましくはバージョン5.0.0以降のEMBOSSパッケージ(前述のEMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman−Wunschアルゴリズム(前述のNeedleman and Wunsch,1970)を用いて決定することができる。用いるパラメータは、ギャップオープンペナルティ:10、ギャップ伸長ペナルティ:0.5、及びEDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。Needle標識された「最長同一性」(−nobriefオプションを用いて得られる)の出力を同一性として使用し、これは、以下のようにして算出する:
(同一のデオキシリボヌクレオチド×100)/(アラインメントの長さ−アラインメント中のギャップの総数)
【0043】
緊縮条件:「極めて低度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理及び修飾済みのサケ精子DNA、並びに、25%ホルムアミドでのプレハイブリーダイゼーション及びハイブリーダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、45℃で15分間ずつ3回洗浄される。
【0044】
「低度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理及び修飾済みのサケ精子DNA、並びに、25%ホルムアミドでのプレハイブリーダイゼーション及びハイブリーダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、50℃で15分間ずつ3回洗浄される。
【0045】
「中度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理及び修飾済みのサケ精子DNA、並びに、35%ホルムアミドでのプレハイブリーダイゼーション及びハイブリーダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、55℃で15分間ずつ3回洗浄される。
【0046】
「中度−高度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理及び修飾済みのサケ精子DNA、並びに、35%ホルムアミドでのプレハイブリーダイゼーション及びハイブリーダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、60℃で15分間ずつ3回洗浄される。
【0047】
「高度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理及び修飾済みのサケ精子DNA、並びに、50%ホルムアミドでのプレハイブリーダイゼーション及びハイブリーダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、65℃で15分間ずつ3回洗浄される。
【0048】
「極めて高度の緊縮条件」という用語は、長さが少なくとも100ヌクレオチドのプローブに関して、12〜24時間の標準的なサザンブロッティング法に続く、42℃、5×SSPE、0.3%SDS、200マイクログラム/ml断片処理及び修飾済みのサケ精子DNA、並びに、50%ホルムアミドでのプレハイブリーダイゼーション及びハイブリーダイゼーションを意味する。キャリア材料は、最終的に、2×SSC、0.2%SDSを用いて、70℃で15分間ずつ3回洗浄される。
【0049】
サブ配列:「サブ配列」という用語は、成熟ポリペプチドコード配列の5’及び/又は3’末端から欠失された1つ又は複数(例えば、数個)のヌクレオチドを有するポリヌクレオチドを意味し;ここで、サブ配列は、DNase活性を有する断片をコードする。一態様において、サブ配列は、少なくとも796個のヌクレオチド(例えば、配列番号1のヌクレオチド112〜907)、少なくとも793個のヌクレオチド(例えば、配列番号1のヌクレオチド115〜907)、又は少なくとも790個のヌクレオチド(例えば、配列番号1のヌクレオチド118〜907)を含む。一態様において、サブ配列は、少なくとも587個のヌクレオチド(例えば、配列番号4のヌクレオチド278〜864)、少なくとも650個のヌクレオチド(例えば、配列番号4のヌクレオチド215〜864)、又は少なくとも816個のヌクレオチド(例えば、配列番号4のヌクレオチド52〜864)を含む。
【0050】
生地:用語「生地」は、ヤーン、ヤーン中間体、繊維、不織材料、天然材料、合成材料、及び任意の他の生地、これらの材料から製造される布地などの任意の生地材料、並びに布地から製造される製品(例えば、衣服及びその他の製品)を意味する。生地又は布地は、ニット、織布、デニム、不織布、フェルト、ヤーン、及びタオル地の形態であってよい。生地は、綿、アマ/リネン、ジュート、ラミー、サイザルアサ若しくはコイヤを含む天然セルロース系、又はビスコース/レーヨン、酢酸セルロース繊維(トライセル)、リヨセル若しくはこれらのブレンドを含む人造セルロース系(例えば、木材パルプ由来)などのセルロースベースのものであってもよい。生地又は布地は、羊毛、ラクダ、カシミア、モヘア、ウサギ及び絹を含む天然ポリアミド、又はナイロン、アラミド、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン及びスパンデックス/エラスタン、若しくはこれらのブレンドを含む合成ポリマーなどの非セルロースベースのもの、並びにセルロースベース及び非セルロースベース繊維のブレンドであってもよい。ブレンドの例としては、綿及び/若しくはレーヨン/ビスコースと、羊毛、合成繊維(例えば、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリ尿素系繊維、アラミド繊維)及び/若しくはセルロース含有繊維(例えば、レーヨン/ビスコース、ラミー、アマ/リネン、ジュート、酢酸セルロース繊維、リヨセル)などの1種又は複数のコンパニオン材料とのブレンドがある。布地は、通常の洗浄可能な洗濯物、例えば、家庭の汚れた洗濯物であってもよい。布地又は衣服という用語を用いる場合、さらに広義の用語「生地」も含むものとする。
【0051】
変異体:「変異体」という用語は、1つ又は複数(例えば、数個)の位置に改変(すなわち、置換、挿入及び/又は欠失)を含む、親酵素と同じ活性を有するポリペプチドを意味する。置換とは、ある位置のアミノ酸の異なるアミノ酸による置き換えを意味し;欠失とは、ある位置のアミノ酸の除去を意味し;また、挿入とは、ある位置のアミノ酸に隣接し、この直後に続く1アミノ酸を付加することを意味する。本発明に関連して、同定されたDNAseの変異体は、親の酵素活性、すなわち、DNA骨格におけるホスホジエステル結合の加水分解切断を触媒する能力(デオキシリボヌクレアーゼ活性)を有する。一実施形態では、変異体のデオキシリボヌクレアーゼ活性は、親DNAse、例えば、配列番号2の成熟ポリペプチドに対して増加している。
【0052】
洗浄サイクル:「洗浄サイクル」という用語は、本明細書において、生地を洗浄液に浸漬し、汚れを遊離させると共に、生地への洗浄液の流入及び流出を促進するために、ある種の機械的作用を生地に加え、最後に、余分な洗浄液を除去する、洗浄操作として定義される。1回又は複数回の洗浄サイクル後に、一般的に、生地をすすぎ、乾燥させる。
【0053】
洗浄液:「洗浄液」という用語は、生地の洗濯、硬質表面クリーニング、又は食器洗浄に用いられる水と洗剤(任意選択で、本発明の酵素を含有する)の溶液又は混合物を意味するものとする。
【発明を実施するための形態】
【0054】
前述したように、長年にわたり、シャツやブラウスなどの洗濯品目は、時間の経過と共に白さを失うか、あるいは、段々と灰色化することが周知の問題であった。この問題の一部は、洗浄中の汚れの再付着によるものと考えられ、これによって、非常に汚れた洗濯品目をあまり汚れていない洗濯品目と一緒に洗浄すると、洗浄液中に存在する汚れが洗濯品目に付着する傾向がある。その結果、洗濯品目は、洗浄前の状態よりも洗浄後の方が「汚れ」て、さらに灰色化することになる。本発明者らは、驚くことに、後のクリーニング又は洗濯工程中のこうした再付着を防止又は低減するために、DNase活性を有するポリペプチドの使用を利用できることを見い出した。
【0055】
本発明者らは、洗濯品目などの品目を、DNase活性を有するポリペプチドと接触させると、洗濯品目は、DNaseが存在しない後の洗浄後、DNase活性を有するポリペプチドと接触させなかった類似の洗濯品目よりも清浄で、しかも灰色化度が低いことを見い出した(例えば、実施例1及び2を参照のこと)。本発明者らは、品目の白色度を維持又は改善するために、DNase活性を有するポリペプチドを使用できることを見い出した(例えば、実施例1及び2を参照のこと)。
【0056】
さらに、本発明は、DNaseを使用しない後のクリーニング又は洗濯工程中の汚れ及び/若しくは臭いの品目への付着を防止又は低減するためのDNase活性を有するポリペプチドの使用にも関する(例えば、実施例1〜7を参照のこと)。
【0057】
本発明者らは、DNase活性を有するポリペプチドの使用によって、生地(実施例3〜7を参照のこと)、硬質表面、例えば、食器類などの品目からの悪臭を防止又は低減し得ることを見い出した。本発明の一実施形態では、悪臭は、E−2−ノネナールを原因とする。
【0058】
従来の洗濯方法では、悪臭は、洗濯工程及び乾燥工程を経ても残る場合がある。その結果、生地を使用するときに、悪臭が感じられ得る。このことは、生地の使用者(すなわち、スポーツ活動が始まる前から臭いのするスポーツウエアを着用しているとき)にとってあまり心地よいことではない。これは、生地の使用者にとってはきまりが悪く、そのため、使用者は、悪臭のするスポーツウエアの代わりに新しいスポーツウエアを購入する選択をする。本発明の使用によりこのことが回避され、これによって、新しい生地のための原料、水、エネルギーなどの限られた資源の使用及び環境の汚染に関して、環境が保護される。本発明の一実施形態では、洗浄後の乾燥した品目に存在するE−2−ノネナールが防止され、その量が低減するか、又は除去される。
【0059】
本発明の1つの利点は、湿った洗濯物品目から、すなわち洗濯機を開けるとき、この悪臭が発生しないことである。これにより、家庭及び工業用途での両方で、洗浄工程がより魅力的な作業となる。
【0060】
本発明の別の利点は、洗濯機又は洗浄液から湿った洗濯物を直接取り出すとき、洗濯物品目に悪臭がなく、それが清潔であると知覚されることである。これにより、不要な2回目、又は3回目の洗浄にかかる時間、費用及び労力が省かれる。これは、環境にとって極めて大きな利点である。
【0061】
本発明の一実施形態では、DNase活性を有するポリペプチドと品目を接触させる。DNase活性を有するポリペプチドは、例えば、品目に噴霧することができる。従って、例えば、カーペット、床若しくはシートにポリペプチドを噴霧することにより、汚れ及び/若しくは臭いの付着は、低減又は除去することができる。
【0062】
再付着を防止又は低減する別の方法は、DNase活性を有するポリペプチドを含む液体溶液と品目を接触させることである。例えば、品目を液体溶液に浸漬することによって、品目を液体溶液に接触させることができる。液体溶液は、洗浄液であってよく、品目を同時に洗浄してもよい。本発明のこの実施形態は、同時に洗浄することができる洗濯生地などの生地について好ましい。本発明の一実施形態では、生地を新しく生産し、生地の生産後に、DNase活性を有するポリペプチドで生地を洗浄、浸漬する、又は含浸させることによって前処理する。品目(例えば、生地)に含浸させることにより、品目は、品目への汚れ及び/若しくは臭いの付着に対してより耐性になり得る。
【0063】
また、再付着防止処理が必要な床又は他の硬質表面を洗浄するのに、洗浄液を使用することもできる。
【0064】
液体溶液は、含浸液であってもよく、この液体は、後のクリーニング又は洗濯工程中に生地が汚れを蓄積することを防止する。含浸用の液体溶液は、洗剤及び再付着防止溶液として同時に作用し得る。
【0065】
一実施形態では、DNase活性を有するポリペプチドは、後のクリーニング又は洗濯工程の前に、品目をクリーニング又は洗濯するために少なくとも1回使用され、後のクリーニング又は洗濯工程では、DNaseの使用を含まない場合もある。一実施形態では、後のクリーニング又は洗濯工程では、DNase活性を有するポリペプチドを使用しない。
【0066】
一実施形態では、DNase活性を有するポリペプチドは、後のクリーニング又は洗濯工程の前に、品目をクリーニング又は洗濯するために、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回若しくは10回使用される。一実施形態では、DNase活性を有するポリペプチドは、DNase活性を有するポリペプチドを使用しない後のクリーニング又は洗濯工程の前に、品目をクリーニング又は洗濯するために、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回若しくは10回使用される。
【0067】
本発明はさらに、デオキシヌクレアーゼ(DNase)活性を有するポリペプチドと界面活性剤とを含む洗剤組成物に関し、この組成物は、a)又はb)の少なくとも1つを満たす:
a)組成物は、臭気抑制剤をさらに含む;及び/又は
b)界面活性剤は、カチオン界面活性剤ではない。
【0068】
臭気抑制剤は、シクロデキストリン及びその混合物、防臭剤、活性アルデヒド、フラバノイド(flavanoid)、金属塩、ゼオライト、活性炭、疎水性修飾悪臭抑制ポリマー(HPM)、ベンズイソチアゾリノンなどのイソチアゾリノンの誘導体、及び/又は揮発性アルデヒドからなる群から選択される。
【0069】
一実施形態では、組成物は、ベンズイソチアゾリノンであり、菌膜を防止、低減又は除去する、悪臭を低減する、白色度を改善する及び/又は再付着を低減する目的で使用する。ベンズイソチアゾリノンは、広く使用されている殺生物剤であり、イソチアゾリノンの群に属する。
【0070】
本発明の一実施形態では、界面活性剤は、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、双性イオン界面活性剤又は半極性界面活性剤である。
【0071】
界面活性剤は、以下に挙げるものからなる群から選択されるアニオン界面活性剤であってよい:硫酸塩及びスルホン酸塩、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、LASの異性体、分岐アルキルベンゼンスルホン酸塩(BABS)、フェニルアルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、オレフィンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、アルカン−2,3−ジイルビス(硫酸塩)、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩及びジスルホン酸塩、アルキル硫酸塩(AS)、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、脂肪アルコール硫酸塩(FAS)、第一級アルコール硫酸塩(PAS)、アルコールエーテル硫酸塩(AES若しくはAEOS若しくはFES、アルコールエトキシレート若しくは脂肪アルコールエーテル硫酸塩としても知られる)、第2級アルカンスルホン酸塩(SAS)、パラフィンスルホン酸塩(PS)、エステルスルホン酸塩、スルホン化脂肪酸グリセロールエステル、メチルエステルスルホン酸塩(MES)などのα−スルホ脂肪酸メチルエステル(α−SFMe若しくはSES)、アルキル−若しくはアルケニルコハク酸、ドデセニル/テトラデセニルコハク酸(DTSA)、アミノ酸の脂肪酸誘導体、スルホ−コハク酸のジエステル及びモノエステル又は脂肪酸の塩(石鹸)、並びにこれらの組み合わせ。
【0072】
アニオン界面活性剤の量は、約1重量%〜約40重量%、例えば、約5%〜約30%であり、約5%〜約15%、又は約15%〜約20%、又は約20〜約25%の範囲である。
【0073】
界面活性剤は、以下に挙げるものからなる群から選択されるノニオン界面活性剤であってよい:アルコールエトキシレート(AE若しくはAEO)、アルコールプロキシレート、プロポキシル化脂肪アルコール(PFA)、エトキシル化及び/又はプロポキシル化脂肪酸アルキルエステルなどのアルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、アルキルフェノールエトキシレート(APE)、ノニルフェノールエトキシレート(NPE)、アルキルポリグリコシド(APG)、アルコキシル化アミン、脂肪酸モノエタノールアミド(FAM)、脂肪酸ジエタノールアミド(FADA)、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(EFAM)、プロポキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(PFAM)、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(グルカミド、GA、又は脂肪酸グルカミド、FAGA)、SPAN(商標)、TWEEN(商標)、並びにこれらの組み合わせ。
【0074】
ノニオン界面活性剤の量は、約0.2重量%〜40重量%のノニオン界面活性剤、例えば約0.5%〜30%、とりわけ、約1%〜約20%、約3%〜約10%、例えば、約3%〜約5%、約8%〜約12%、又は約10%〜約12%である。
【0075】
界面活性剤は、アミンオキシド(AO)、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド、N−(ココアルキル)−N,N−ジメチルアミンオキシド及びN−(獣脂−アルキル)−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される半極性界面活性剤であってもよい。
【0076】
界面活性剤は、アルキルジメチルベタイン、スルホベタインなどのベタインからなる群から選択される双性イオン界面活性剤であってもよい。
【0077】
一実施形態では、界面活性剤は、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム脂肪酸、アルキル硫酸ナトリウム、ラウラミンオキシド、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(MEA塩)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(ナトリウム塩)、アルコールエトキシレートからなる群から選択される。
【0078】
本洗剤組成物は、後のクリーニング又は洗濯工程中の品目への汚れの再付着を防止又は低減するために、並びに悪臭を防止又は低減するために使用することができる。
【0079】
本洗剤組成物は、ビルダー、凝集助剤、キレート化剤、移染防止剤、酵素、酵素安定剤、酵素阻害剤、触媒材料、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、事前形成された過酸(preformed peracid)、ポリマー分散剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、石鹸泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、ビルダー及びコビルダー、布地色相剤、消泡剤、分散剤、加工助剤、及び/又は顔料をさらに含むことができる。
【0080】
組成物は、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ及びオキシダーゼからなる群から選択される1種又は複数種の酵素を含んでよい。
【0081】
組成物は、洗濯、食器洗浄又は硬質表面クリーニングに好適な洗剤組成物であってよい。
【0082】
本発明は、さらに、少なくとも3重量%の合計濃度の界面活性剤及び洗剤及び洗剤ビルダーと、洗剤酵素含有マイクロカプセルとを含む液体洗剤組成物に関し、ここで、マイクロカプセルの膜は、1kDa超の分子量を有する多分岐ポリアミンの架橋によって生成される。本発明者らは、半透膜を用いたマイクロカプセルに酵素をカプセル化し、これらのカプセル内部の水活性を(液体洗剤への添加の前に)液体洗剤より高くすることによって、カプセルが洗剤に添加される(水が流れ出る)と(部分的に)崩壊を被り、これによって、より高い濃度及び粘性の酵素がカプセル内部に残ることを見い出した。また、膜の崩壊によって、透過性の低下も起こり得る。これは、安定剤/ポリマー、特に膜を透過することができないものの添加によっても利用することができる。こうした崩壊及びその結果起こる粘性の増加は、カプセル内への敵対(hostile)成分(例えば、界面活性剤又は隔離剤)の拡散を低減/妨害し、これによって、液体洗剤中の酵素の貯蔵安定性を高める。また、液体洗剤中で、酵素に対して感受性の成分(例えば、酵素の基質として作用する成分)も、酵素による分解から保護される。洗浄中、液体洗剤は、水によって希釈されるため、水活性が増加する。このとき、水は、カプセル内に拡散する(浸透)。カプセルは膨潤して、膜は、酵素に対して透過性になるため、酵素がカプセルから流出できるようになるか、又は単純に破裂することによって酵素を放出するかのいずれかである。このコンセプトは、液体洗剤中の敵対成分に対して酵素を安定化する上で非常に有効であり、その逆も、液体洗剤中の酵素に感受性の成分を酵素から保護する。
【0083】
酵素に対して感受性であり、酵素により分解され得る洗剤成分の例として、以下のものが挙げられる(括弧内は、関連酵素):キサンタンゴム(キサンタナーゼ)、エステル結合を有するポリマー(リパーゼ)、水添ヒマシ油(リパーゼ)、香料(リパーゼ)、メチルエステルスルホン酸塩界面活性剤(リパーゼ)、セルロース及びセルロース誘導体(例えば、CMC)(セルラーゼ)、並びにデキストリン及びシクロデキストリン(アミラーゼ)。
【0084】
また、感受性洗剤成分を本発明のマイクロカプセル中にカプセル化し、これによって、安定化させることもできる。感受性洗剤成分は、保存中に分解しやすい。このような洗剤成分には、漂白化合物、漂白活性化剤、香料、ポリマー、ビルダー、界面活性剤などがある。
【0085】
一般に、マイクロカプセルを用いて、洗剤中の不適合性成分/化合物を分離することができる。
【0086】
洗剤へのマイクロカプセルの添加を用いて、洗剤製品の視覚的外観、例えば、不透明化効果(小型マイクロカプセル)又ははっきりと見える粒子(大型マイクロカプセル)の効果に影響を与えることができる。また、マイクロカプセルは着色してもよい。
【0087】
マイクロカプセルを用いて、酵素生成物の取り扱い及び加工中の酵素ダストレベルを低減することができる。
【0088】
別途記載のない限り、本願全体を通して、パーセンテージは全て、重量パーセント(%w/w)として表示される。
【0089】
マイクロカプセル:マイクロカプセルは、典型的に、水と非混和性の連続体中に水滴を形成する、すなわち、典型的には、油中水型乳剤を調製した後、架橋剤の添加による界面重合によって膜を形成することにより生成する。最終的硬化の後、カプセルを回収し、さらにすすいでから、当技術分野で公知の方法により製剤化することができる。その後、カプセル製剤を洗剤に添加する。
【0090】
カプセル化しようとするペイロード、主要膜成分、及び最終的追加成分は、水相中に存在する。連続体には、水滴を合体に対して安定化させる成分(乳化剤、乳剤安定剤、界面活性剤など)が存在し、連続体を介して架橋剤も添加される。
【0091】
乳剤は、当技術分野で公知の任意の方法、例えば、機械的攪拌、滴下方法、膜乳化法、マイクロフルイディクス、音波処理などによって調製することができる。一部の態様では、各相の単純な混合によって自動的に乳剤が得られ、これは一般に自己乳化と呼ばれる。狭い粒度分布をもたらす方法の使用が有利である。
【0092】
続いて、架橋剤を、典型的には乳剤に直接添加するか、又はより一般的には、連続相に可溶性の溶媒中で架橋剤の溶液を調製することにより添加する。乳剤及び架橋剤又はこれらの溶液は、当技術分野において使用される従来の方法、例えば、単純な混合、又はインラインミキサーを用いて、乳剤及び架橋剤溶液の流れを注意深く制御することによって実施することができる。
【0093】
一部の態様では、膜形成を完了するために、カプセルの硬化が必要とされる。硬化は、多くの場合、界面重合反応の停止を可能にする一定の時間にわたってカプセルを単純に攪拌することである。別の事例では、膜形成は、反応クエンチャーの添加によって停止することができる。
【0094】
カプセルは、例えば、国際公開第99/01534号パンフレットに記載されているように、洗剤中の粒子の凝集を妨害又は低減するために、成分を膜上で反応させることにより、後修飾してもよい。
【0095】
生成されたカプセルは、当技術分野で公知の方法、例えば、カプセル分散液の濾過、遠心分離、蒸留又はデカンテーションによって単離又は濃縮することができる。
【0096】
得られたカプセルは、さらに、例えば、貯蔵、輸送及び後の取り扱い、並びに洗剤への添加について所望の特性を製品に付与するための界面活性剤の添加によって製剤化することもできる。他のマイクロカプセル製剤化物質として、レオロジー改質剤、殺生物剤(例えば、Proxel)、pH調節のための酸/塩基(マイクロカプセル内部も調節する)、及び水活性調節のための水が挙げられる。
【0097】
カプセル形成工程は、以下のステップを含み得る:
−初期水及び油相の調製、
−油中水型乳剤の形成、
−界面重合による膜形成、
−任意選択の後修飾、
−任意選択の単離及び/又は製剤化、
−洗剤への添加。
【0098】
この工程は、バッチプロセス又は連続若しくは半連続プロセスのいずれであってもよい。
【0099】
本発明のマイクロカプセルは、均一な膜が周囲を取り囲む微小な水性球体である。マイクロカプセル内部の材料は、コア、内部相、又は充填物と呼ばれ、膜は、シェル、コーティング、又は壁と呼ばれることがある。本マイクロカプセルは、0.5μm〜2ミリメートルの直径を有する。マイクロカプセルの平均直径は、1μm〜1000μmの範囲であるのが好ましく、より好ましくは5μm〜500μmの範囲、さらに好ましくは10μm〜500μmの範囲、さらに好ましくは50μm〜500μmの範囲、最も好ましくは50μm〜200μmの範囲である。あるいは、マイクロカプセルの直径は、0.5μm〜30μmの範囲;又は1μm〜25μmの範囲である。マイクロカプセルの直径は、重合が完了した後、油相中で測定する。カプセルの直径は、周囲の化学的環境の水活性に応じて変動し得る。
【0100】
本発明で用いられる酵素のマイクロカプセル化は、界面重合によって達成することができ、この場合、重合反応物中の2つの反応体は、界面で遭遇した後、急速に反応する。この方法の基本原理は、ポリアミンと酸誘導体、通常、酸ハロゲン化物(架橋剤として作用する)との反応である。ポリアミンは、実質的に水溶性である(遊離塩基形態の場合)のが好ましい。適切な条件下では、薄い柔軟な膜が界面に急速に形成される。重合を実施する1つの方法は、酵素及びポリアミンの水溶液を使用して、これを非水性溶媒(及び乳化剤)で乳化した後、酸誘導体を含有する溶液を添加するものである。酵素溶液中には、反応の最中に形成された酸を中和するために、アルカリ剤が存在してもよい。ポリマー(ポリアミド)膜が、乳剤液滴の界面に直ちに形成される。マイクロカプセルのポリマー膜は、典型的に、カチオン性のものであるため、アニオン性の化合物に結合し/複合体を形成する。
【0101】
マイクロカプセルの直径は、乳剤液滴の粒径によって決定されるが、これは、例えば、攪拌速度によって制御される。
【0102】
乳剤:乳剤は、第2液相内の1つの液相の一過性又は永続的分散液である。第2液体は、一般に、連続相と呼ばれる。乳剤の形成及び安定化を助けるために、一般に界面活性剤が使用される。全ての界面活性剤が一様に乳剤を安定化できるわけではない。界面活性剤の種類及び量は、特に乳剤の調製及び物理的安定性、並びに希釈及びさらなる処理の際の安定性に関して、最適な乳剤有用性のために選択する必要がある。物理的安定性とは、乳剤を分散液形態で維持することを指す。合体、凝集、容器壁への吸着、沈殿及びクリーム化などのプロセスは、物理的不安定性の形態であり、回避すべきである。好適な界面活性剤の例は、国際公開第97/24177号パンフレット、ページ19〜21;及び国際公開第99/01534号パンフレットに記載されている。
【0103】
乳剤は、分散液相が単純な均質液体である単純な乳剤か、又は分散液相が、液相若しくは固相の異種組み合わせである、より複雑な乳剤、例えば、二相乳剤若しくは多相乳剤のいずれかとしてさらに分類することができる。例えば、油中水型二相乳剤又は多相乳剤は、水相自体が乳化油相をさらに含有する場合に形成され得るが;このタイプの乳剤は、油中水中油型(o/w/o)乳剤として規定される。あるいは、油中水型乳剤は、水相が、往々にして懸濁液−乳剤と呼ばれる分散固相を含有する場合に形成され得る。より複雑な他の乳剤を記載することができる。このような系を説明する上での特有の難しさのために、乳剤という用語は、乳剤の形態、又は存在する相のタイプ及び数を必ずしも限定することなく、単純及びより複雑な乳剤の両方を表すのに用いられる。
【0104】
ポリアミン:膜の剛性/柔軟性及び透過性は、主として、ポリアミンの選択に影響される。本発明のポリアミンは、多分岐ポリアミンである。
【0105】
好ましくは第1級アミノ基で終わる各分枝は、膜ネットワークにおけるテザリング点の役割を果たし、これによって、好都合な特性がもたらされる。本発明の多分岐ポリアミンは、3つ以上の分岐点と、3つ以上の活性アミノ基(架橋剤と反応することができる、すなわち、第1級及び第2級アミノ基)を有するポリアミンである。多分岐ポリアミンは、乳剤を調製する際に、出発材料として用いられ、他の出発材料からin situで形成されない。本発明の魅力的な特性を達成するために、ポリアミンの多分岐構造は、出発材料として存在しなければならない。
【0106】
第1級アミンは、常に分枝の末端に位置することから、分岐点の数と第1級アミンの数の間に密接な関係がある:直鎖アミンは、2つの第1級アミンのみを含有し得る。仮定としてこのような直鎖ジアミンに導入された各分岐点により、1つ又は複数の第1級アミンが、導入された分枝の末端に導入されることが可能になるのであろう。これに関連して、本発明者らは、第1級アミノ基を分枝の一部、すなわち分枝の末端として理解する。例えば、本発明者らは、トリス(2−アミノエチル)アミン及び1,2,3−プロパントリアミンの両方を、1つの分岐点を有する分子として考える。本発明に関して、ポリアミンは、少なくとも4つの第1級アミンを有する。分岐点は、既述した例のように脂肪族炭化水素鎖から、又は例えば、3,3’−ジアミノベンジジンのように不飽和炭素結合から、又はN,N,N’,N’−テトラキス−(2−アミノエチル)エチレンジアミンのように第3級アミノ基から導入することができる。
【0107】
分岐点の数以外に、本発明者らは、活性アミノ基の密集度が非常に重要であることを見い出した。例えば、N,N,N’,N’−テトラキス−(12−アミノドデシル)エチレンジアミンなどの物質は好適ではないであろう。また、酵素などのペプチド又はタンパク質のいずれも膜形成には好適ではないであろう。従って、多分岐ポリアミンは、ペプチド又はタンパク質ではない。
【0108】
一実施形態では、活性アミノ基は、多分岐ポリアミンの分子量の少なくとも15%、例えば、20%超、又は25%超を占める。好ましくは、多分岐ポリアミンの分子量は、少なくとも1kDaであり;より好ましくは、多分岐ポリアミンの分子量は、少なくとも1.3kDaである。
【0109】
好ましい実施形態では、多分岐ポリアミンは、3つ以上の分岐点と3つ以上の活性アミノ基とを有するポリエチレンイミン(PEI)、及びその修飾物であり;ここで、活性アミノ基は、PEIの分子量の少なくとも15%、例えば、20%超、又は25%超を占める。好ましくは、PEIの分子量は、少なくとも1kDaである。
【0110】
本発明のマイクロカプセルを調製するために、様々な多分岐ポリアミンの組み合わせを用いることができる。
【0111】
本発明のマイクロカプセルの有利な特性(例えば、酵素保存安定性、酵素漏出の低減、洗剤成分流入の低減)は、分子量が1kDa未満の1種又は複数種の低分子アミンを添加することによって改善することができる。低分子アミンは、好ましくは、実質的に水溶性であり(遊離塩基形態の場合)、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレンテトラミン、エチレンテトラミン、ジアミノベンゼン、ピペラジン、テトラメチレンペンタミン又は、好ましくは、ジエチレントリアミン(DETA)などの材料であってよい。本発明のマイクロカプセルを調製する場合、低分子アミンは、低分子アミンと多分岐ポリアミンの合計含量の50重量%以下、好ましくは40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、又は5重量%以下の量で添加してよい。
【0112】
架橋剤:本発明で用いられる架橋剤は、アミンと反応して、共有結合を形成することができる、少なくとも2つの基/部位を有する分子である。
【0113】
架橋剤は、好ましくは油溶性であり、酸無水物又は酸ハロゲン化物、好ましくは酸塩化物の形態をするものでよい。例えば、塩化アジポイル、塩化セバコイル、ドデンカン二酸塩化物、塩化フタロイル、塩化テレフタロイル、塩化イソフタロイル、又は塩化トリメソイルであってよいが;好ましくは、架橋剤は塩化テレフタロイル又は塩化トリメソイルである。本発明はさらに、後のクリーニング又は洗濯工程中に品目への汚れの再付着を防止又は低減する方法にも関し、この方法は、
a)請求項26〜52のいずれか1項に記載の組成物又はDNase活性を有する本発明のポリペプチドを含む洗浄液に、品目を接触させるステップ;及び
b)任意選択で品目をすすぐステップ
を含み、
ここで、上記品目は、生地、食器類又は硬質表面である。
【0114】
DNase活性を有する組成物又はポリペプチドは、例えば、品目に対して組成物又は液体溶液を噴霧、コーティング、含浸、洗浄若しくは浸漬することによって、品目と接触させることができる。品目との接触は、1〜60秒といった短い時間、又は1〜60分といった長い時間あるいは1〜12時間といったさらに長い時間にわたって実施してよい。
【0115】
本発明の一実施形態では、ステップa)での組成物又はポリペプチドは、後のクリーニング又は洗濯工程の前に、少なくとも1回品目をクリーニング又は選択するために使用される。
【0116】
一実施形態では、ステップa)での組成物又はポリペプチドは、後のクリーニング又は洗濯工程の前に、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回若しくは10回品目をクリーニング又は選択するために使用される。
【0117】
液体溶液は、界面活性剤、ビルダー、凝集助剤、キレート化剤、移染防止剤、酵素、酵素安定剤、酵素阻害剤、触媒材料、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、事前形成された過酸(preformed peracid)、ポリマー分散剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、石鹸泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、ビルダー及びコビルダー、布地色相剤、消泡剤、分散剤、加工助剤、及び/又は顔料をさらに含むことができる。
【0118】
一実施形態では、液体溶液は、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ及びオキシダーゼからなる群から選択される1種又は複数種の酵素を含んでよい。
【0119】
液体溶液のpHは、1〜11の範囲、例えば、5.5〜11の範囲、例えば、7〜9の範囲、7〜8の範囲又は7〜8.5の範囲である。
【0120】
液体溶液の温度は、5℃〜95℃の範囲、又は10℃〜80℃の範囲、10℃〜70℃の範囲、10℃〜60℃の範囲、10℃〜50℃の範囲、15℃〜40℃の範囲又は20℃〜30℃の範囲であってよい。一実施形態では、液体溶液の温度は、30℃である。
【0121】
一実施形態では、品目は、液体溶液と接触させた後、すすぐ。品目は、水又はコンディショナを含む水ですすぐことができる。
【0122】
DNaseの濃度は、典型的には、0.00004〜100ppm酵素タンパク質の範囲、例えば、0.00008〜100の範囲、0.0001〜100の範囲、0.0002〜100の範囲、0.0004〜100の範囲、0.0008〜100の範囲、0.001〜100ppm酵素タンパク質の範囲、0.01〜100ppm酵素タンパク質の範囲、好ましくは0.05〜50ppm酵素タンパク質の範囲、より好ましくは0.1〜50ppm酵素タンパク質の範囲、より好ましくは0.1〜30ppm酵素タンパク質の範囲、より好ましくは0.5〜20ppm酵素タンパク質の範囲、最も好ましくは0.5〜10ppm酵素タンパク質の範囲である。
【0123】
本発明のDNaseは、少なくとも0.002mgのDNaseタンパク質、例えば、少なくとも0.004mgのDNaseタンパク質、少なくとも0.006mgのDNaseタンパク質、少なくとも0.008mgのDNaseタンパク質、少なくとも0.01mgのDNaseタンパク質、少なくとも0.1mgのタンパク質、好ましくは少なくとも1mgのタンパク質、より好ましくは少なくとも10mgのタンパク質、さらに好ましくは少なくとも15mgのタンパク質、非常に好ましくは少なくとも20mgのタンパク質、最も好ましくは少なくとも25mgのタンパク質に対応する量で、洗剤組成物に添加してよい。従って、洗剤組成物は、少なくとも0.00008%のDNaseタンパク質、好ましくは少なくとも0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.008%、0.01%、0.02%、0.03%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%又は1.0%のDNaseタンパク質を含み得る。
【0124】
DNase活性を有する組成物又はポリペプチドは、動物、植物、微生物起源のものであってよい。一実施形態では、ポリペプチドは、ヒト又はウシ起源のものである。一実施形態では、ポリペプチドは、リョクトウ(mung bean)などの植物から得られる。一実施形態では、ポリペプチドは、細菌又は真菌起源のものである。
【0125】
真菌起源のポリペプチドは、以下のものからなる群から選択してよい:
a.配列番号2の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、配列番号3の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、又は配列番号5の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、又は配列番号8の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド;
b.低度の緊縮条件下で、
i.配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列若しくは配列番号4の成熟ポリペプチドコード配列
ii.そのcDNA配列、又は
iii.(i)若しくは(ii)の完全長補体
とハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
c.配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列若しくはそのcDNA配列に対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、又は配列番号4の成熟ポリペプチドコード配列若しくはそのcDNA配列に対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
d.1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号2の成熟ポリペプチドの変異体、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号3の成熟ポリペプチドの変異体、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号5の成熟ポリペプチドの変異体、又は1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号8の成熟ポリペプチドの変異体;並びに
e.DNase活性を有する(a)、(b)、(c)若しくは(d)のポリペプチドの断片。
【0126】
欧州特許出願第14164424.5号明細書は、実施例1〜3においてどのようにして配列番号2、配列番号3及び配列番号8のポリペプチドを生成するかを開示している。欧州特許出願第14164429.4号明細書は、実施例1〜2においてどのようにして配列番号5のポリペプチドを生成するかを開示している。
【0127】
細菌起源のポリペプチドは、以下のものからなる群から選択してよい:
a.配列番号6の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、又は配列番号7の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド;
b.1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号6の成熟ポリペプチドの変異体、又は1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号7の成熟ポリペプチドの変異体;並びに
c.DNase活性を有する(a)若しくは(b)のポリペプチドの断片。
【0128】
ポリペプチドは、配列番号2の成熟ポリペプチド、配列番号3の成熟ポリペプチド、又は配列番号5の成熟ポリペプチド、又は配列番号6の成熟ポリペプチド、又は配列番号7の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する。
【0129】
国際公開第2011098579号パンフレットとして公開された国際特許出願は、実施例3において、配列番号6のポリペプチドをクローン化して、発現する方法を開示している。
【0130】
ポリペプチドは、配列番号2若しくは配列番号2の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドは、配列番号3若しくは配列番号3の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドは、配列番号5若しくは配列番号5の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドは、配列番号6若しくは配列番号6の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドは、配列番号7若しくは配列番号7の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、あるいは、ポリペプチドは、配列番号8若しくは配列番号8の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成される。
【0131】
成熟ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸1〜206、配列番号3のアミノ酸1〜206、配列番号5のアミノ酸1〜188、配列番号6のアミノ酸1〜110、配列番号7のアミノ酸1〜109、又は配列番号8のアミノ酸1〜206を含み得る。
【0132】
ポリペプチドは、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8の成熟ポリペプチドの変異体(変異体は、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含み)、すなわち、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8の成熟ポリペプチドの変異体であってもよい。
【0133】
ポリペプチドは、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8の成熟ポリペプチドの断片であってもよく、ここで、断片はDNase活性を有する。
【0134】
DNase活性を有するポリペプチドは、アスペルギルス属(Aspergillus)から、例えば、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)から取得することができる。
【0135】
一実施形態において、本発明は、配列番号2の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、DNase活性を有する、ポリペプチドに関する。一態様では、ポリペプチドは、配列番号2の成熟ポリペプチドと、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0136】
一実施形態では、本発明は、配列番号3の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、DNase活性を有する、ポリペプチドに関する。一態様では、本ポリペプチドは、配列番号3の成熟ポリペプチドと、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0137】
一実施形態では、本発明は、配列番号8の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、DNase活性を有する、ポリペプチドに関する。一態様では、本ポリペプチドは、配列番号8の成熟ポリペプチドと、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0138】
一実施形態において、ポリペプチドは、単離されている。本発明のポリペプチドは、好ましくは、配列番号2のアミノ酸配列若しくはその対立遺伝子変異体を含むか、これから構成され;又は、DNase活性を有するその断片である。別の態様では、ポリペプチドは、配列番号2の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成される。別の態様において、ポリペプチドは、配列番2のアミノ酸1〜206を含むか、又はこれから構成される。
【0139】
一実施形態において、ポリペプチドは、単離されている。本発明のポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列若しくはその対立遺伝子変異体を含むか、これから構成され;又は、DNase活性を有するその断片である。別の態様では、ポリペプチドは、配列番号3の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成される。別の態様において、ポリペプチドは、配列番3のアミノ酸1〜206を含むか、又はこれから構成される。
【0140】
一実施形態において、ポリペプチドは、単離されている。本発明のポリペプチドは、配列番号8のアミノ酸配列若しくはその対立遺伝子変異体を含むか、これから構成され;又は、DNase活性を有するその断片である。別の態様では、ポリペプチドは、配列番号8の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成される。別の態様において、ポリペプチドは、配列番8のアミノ酸1〜206を含むか、又はこれから構成される。
【0141】
別の実施形態において、本発明は、低度の緊縮条件下で、(i)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、(ii)そのcDNA配列、又は(iii)(i)若しくは(ii)の完全長相補体(Sambrook,et al.,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2d edition,Cold Spring Harbor,New York)にハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるDNase活性を有する、単離されたポリペプチドに関する。一実施形態では、ポリペプチドは、単離されている。
【0142】
別の実施形態において、本発明は、配列番号1の成熟ポリペプチド又はそのcDNA配列に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされる、DNase活性を有するポリペプチドに関する。さらに別の実施形態では、ポリペプチドは、単離されている。
【0143】
別の実施形態では、本発明は、1つ又は複数(例えば、数個)の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号2の成熟ポリペプチドの変異体に関する。一実施形態では、配列番号2の成熟ポリペプチドに導入されるアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の数は、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。アミノ酸変異は、副次的な性質のものであってもよく、すなわち、タンパク質の折り畳み及び/若しくは活性に顕著に影響しない保存的アミノ酸置換若しくは挿入;典型的には1〜30アミノ酸の小さな欠失;アミノ−末端メチオニン残基などの小さなアミノ−若しくはカルボキシル−末端伸長;20〜25個以下の残基の小さなリンカーペプチド;あるいは、正味電荷、又はポリヒスチジン配列、抗原性エピトープ若しくは結合性ドメインなどの他の機能を変化させることによって精製を促進させる小さな伸長であってもよい。
【0144】
別の実施形態では、本発明は、1つ又は複数(例えば、数個)の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号3の成熟ポリペプチドの変異体に関する。一実施形態では、配列番号3の成熟ポリペプチドに導入されるアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の数は、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。アミノ酸変異は、副次的な性質のものであってもよく、すなわち、タンパク質の折り畳み及び/若しくは活性に顕著に影響しない保存的アミノ酸置換若しくは挿入;典型的には1〜30アミノ酸の小さな欠失;アミノ−末端メチオニン残基などの小さなアミノ−若しくはカルボキシル−末端伸長;20〜25個以下の残基の小さなリンカーペプチド;あるいは、正味電荷、又はポリヒスチジン配列、抗原性エピトープ若しくは結合性ドメインなどの他の機能を変化させることによって精製を促進させる小さな伸長であってもよい。
【0145】
DNase活性を有するポリペプチドはまた、トリコデルマ属(Trichoderma)、例えば、トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)から得ることもできる。一実施形態では、本発明は、配列番号5の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、DNase活性を有する、ポリペプチドに関する。一態様では、本ポリペプチドは、配列番号5の成熟ポリペプチドと、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0146】
一実施形態において、ポリペプチドは、単離されている。本発明のポリペプチドは、好ましくは、配列番号5のアミノ酸配列若しくはその対立遺伝子変異体を含むか、これから構成され;又は、DNase活性を有するその断片である。別の態様では、ポリペプチドは、配列番号5の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成される。別の態様において、ポリペプチドは、配列番5のアミノ酸1〜188を含むか、又はこれから構成される。
【0147】
別の実施形態において、本発明は、低度の緊縮条件下で、(i)配列番号4の成熟ポリペプチドコード配列、(ii)そのcDNA配列、又は(iii)(i)若しくは(ii)の完全長相補体(Sambrook,et al.,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2d edition,Cold Spring Harbor,New York)にハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるDNase活性を有する、単離されたポリペプチドに関する。一実施形態では、ポリペプチドは、単離されている。
【0148】
配列番号1又は配列番号4のポリヌクレオチド若しくはそのサブ配列、並びに配列番号5、配列番号2、配列番号3のポリペプチド若しくはその断片を用いて、当技術分野でよく知られている方法に従って、異なる属若しくは種の系統からDNase活性を有するポリペプチドをコードするDNAを同定及びクローン化するための核酸プローブを設計することができる。
【0149】
特に、このようなプローブは、標準的なサザンブロッティング法の後に、対応する遺伝子を同定及び単離するために、対象の細胞のゲノムDNA若しくはcDNAとのハイブリーダイゼーションに用いることできる。このようなプローブは配列全体よりもかなり短くてもよいが、長さが、例えば、少なくとも25、少なくとも35、又は少なくとも70ヌクレオチドと、少なくとも15ヌクレオチドであるべきである。好ましくは、核酸プローブは、例えば、長さが少なくとも200ヌクレオチド、少なくとも300ヌクレオチド、少なくとも400ヌクレオチド、少なくとも500ヌクレオチド、少なくとも600ヌクレオチド、少なくとも700ヌクレオチド、少なくとも800ヌクレオチド、又は少なくとも900ヌクレオチドと、長さが少なくとも100ヌクレオチドである。DNA及びRNAプローブの両方を用いることができる。プローブは、典型的には、対応する遺伝子を検出するために標識化される(例えば、32P、3H、35S、ビオチン、又はアビジンで)。このようなプローブは本発明によって包含される。
【0150】
このような他の系統から調製したゲノムDNA若しくはcDNAライブラリは、前述のプローブとハイブリーダイズして、DNase活性を有するポリペプチドをコードするDNAについてスクリーニングしてもよい。このような他の系統由来のゲノム又は他のDNAは、アガロース若しくはポリアクリルアミドゲル電気泳動、又は、他の分離技術によって分離してもよい。これらのライブラリからのDNA又は分離されたDNAは、ニトロセルロース若しくは他の好適なキャリア材料に移し、そこに固定化してもよい。配列番号4若しくはそのサブ配列とハイブリーダイズするクローン若しくはDNAを同定するために、キャリア材料をサザンブロットに用いる。
【0151】
本発明の目的に関して、ハイブリーダイゼーションとは、極めて低度の緊縮条件から極めて高度の緊縮条件下で、(i)配列番号1又は配列番号4;(ii)配列番号1又は配列番号4の成熟ポリペプチドコード配列;(iii)そのcDNA配列;(iv)その完全長相補体;又は(v)そのサブ配列に対応する標識核酸プローブに、ポリヌクレオチドがハイブリーダイズすることを意味する。核酸プローブがこれらの条件下でハイブリーダイズする分子は、例えば、X線フィルム又は当技術分野では公知の他のいずれかの検出手段を用いて検出することができる。
【0152】
一実施形態では、本発明は、配列番号1又は配列番号4の成熟ポリペプチドコード配列又はそのcDNA配列に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるDNase活性を有するポリペプチドに関する。別の態様では、ポリペプチドは、単離されている。
【0153】
別の実施形態では、本発明は、1つ又は複数(例えば、数個)の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号2、配列番号3又は配列番号5の成熟ポリペプチドの変異体に関する。一実施形態では、配列番号2、配列番号3又は配列番号5の成熟ポリペプチドに導入されるアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の数は、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。アミノ酸変異は、副次的な性質のものであってもよく、すなわち、タンパク質の折り畳み及び/若しくは活性に顕著に影響しない保存的アミノ酸置換若しくは挿入;典型的には1〜30アミノ酸の小さな欠失;アミノ−末端メチオニン残基などの小さなアミノ−若しくはカルボキシル−末端伸長;20〜25個以下の残基の小さなリンカーペプチド;あるいは、正味電荷、又はポリヒスチジン配列、抗原性エピトープ若しくは結合性ドメインなどの他の機能を変化させることによって精製を促進させる小さな伸長であってもよい。
【0154】
DNase活性を有するポリペプチドはまた、バチルス属(Bacillus)、例えば、枯草菌(Bacillus subtilis)又はバチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)から得ることもできる。
【0155】
一実施形態では、本発明は、配列番号6又は配列番号7の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、DNase活性を有する、ポリペプチドに関する。一態様では、本ポリペプチドは、配列番号6又は配列番号7の成熟ポリペプチドと、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0156】
一実施形態において、ポリペプチドは、単離されている。本発明のポリペプチドは、好ましくは、配列番号6、配列番号7のアミノ酸配列若しくはその対立遺伝子変異体を含むか、これから構成され;又はDNase活性を有するその断片である。別の態様では、ポリペプチドは、配列番号6若しくは配列番号7の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成される。別の態様において、ポリペプチドは、配列番6のアミノ酸1〜110若しくは配列番号7のアミノ酸1〜109を含むか、又はこれから構成される。
【0157】
一実施形態では、本発明は、配列番号6、配列番号7の成熟ポリペプチドコード配列又はそのcDNA配列に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるDNase活性を有するポリペプチドに関する。別の態様では、ポリペプチドは、単離されている。
【0158】
一実施形態では、本発明は、配列番号6、配列番号7の成熟ポリペプチドコード配列又はそのcDNA配列に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるDNase活性を有するポリペプチドに関し、ここで、ポリペプチドは、後のクリーニング又は洗濯工程中の品目への汚れの再付着を防止又は低減するために用いられる。
【0159】
別の実施形態では、本発明は、1つ又は複数(例えば、数個)の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号6又は配列番号7の成熟ポリペプチドの変異体に関する。一実施形態では、配列番号6又は配列番号7の成熟ポリペプチドに導入されるアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の数は、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。アミノ酸変異は、副次的な性質のものであってもよく、すなわち、タンパク質の折り畳み及び/若しくは活性に顕著に影響しない保存的アミノ酸置換若しくは挿入;典型的には1〜30アミノ酸の小さな欠失;アミノ−末端メチオニン残基などの小さなアミノ−若しくはカルボキシル−末端伸長;20〜25個以下の残基の小さなリンカーペプチド;あるいは、正味電荷、又はポリヒスチジン配列、抗原性エピトープ若しくは結合性ドメインなどの他の機能を変化させることによって精製を促進させる小さな伸長であってもよい。
【0160】
保守的置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、並びに微小アミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン及びメチオニン)の群に含まれる。一般に比活性を変化させないアミノ酸の置換は当技術分野において公知であり、例えば、1979年、H.Neurath及びR.L.HillによってThe Proteins,Academic Press,New Yorkに記載されている。一般的な置換は、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、及びAsp/Glyである。
【0161】
あるいは、アミノ酸変化は、ポリペプチドの物理化学的特性が改変されるような性質のものである。例えば、アミノ酸変化により、ポリペプチドの熱的安定性を改善する、基質特異性を改変する、pH最適値を変えるなどが可能である。
【0162】
必須アミノ酸は、部位特異的突然変異誘発又はアラニンスキャニング突然変異誘発(Cunningham及びWells、1989、Science 244:1081−1085)などの当技術分野では公知の手順に従って同定することができる。後者の技術においては、単一のアラニン突然変異が分子中のあらゆる残基で導入され、その結果得られる突然変異分子をDNase活性について試験することにより、分子の活性に不可欠なアミノ酸残基を同定する。Hilton et al.,1996、J.Mol.Biol.Chem.271:4699−4708もまた参照のこと。酵素又はその他の生物相互作用の活性部位は、推定接触部位のアミノ酸の突然変異と併せて、核磁気共鳴、結晶学、電子回折、又は光親和性標識などの技術によって決定されるように、構造の物理分析により決定することもできる。例えば、de Vos et al.,1992、Science 255:306−312;Smith et al.,1992,J.Biol.224:899−904;Wlodaver et al.,1992,FEBS Lett.309:59−64を参照のこと。また、関連ポリペプチドとのアラインメントから、必須アミノ酸の同一性を推測することも可能である。
【0163】
単一若しくは複数のアミノ酸置換、欠失、及び/又は挿入は、Reidhaar−Olson and Sauer,1988,Science 241:53−57;Bowie and Sauer,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2152−2156;国際公開第95/17413号パンフレット;又は、国際公開第95/22625号パンフレットにより開示されているものなどの公知の突然変異誘発方法、組換え法、及び/又はシャッフリング法、これに続く関連するスクリーニング法を用いて行い、テストすることができる。用いることができる他の方法としては、エラープローンPCR、ファージディスプレイ(例えば、Lowman et al.,1991,Biochemistry 30:10832−10837;米国特許第5,223,409号明細書;国際公開第92/06204号パンフレット)、及び領域特異的突然変異誘発(Derbyshire et al.,1986,Gene 46:145;Ner et al.,1988,DNA 7:127)が挙げられる。
【0164】
突然変異誘発/シャッフリング法は、宿主細胞によって発現されたクローン化突然変異誘発ポリペプチドの活性を検出するために、ハイスループット自動スクリーニング法と組み合わせることができる(Ness et al.,1999,Nature Biotechnology 17:893−896)。活性ポリペプチドをコードする突然変異誘発DNA分子は、宿主細胞から回収可能であり、当技術分野における標準的な方法を用いて迅速に配列決定することが可能である。これらの方法によって、ポリペプチドにおける個別のアミノ酸残基の重要性を迅速に判定することが可能になる。
【0165】
ポリペプチドは、1つのポリペプチドの領域を別のポリペプチドの領域のN末端又はC末端に融合させたハイブリッドポリペプチドであってもよい。
【0166】
ポリペプチドは、別のポリペプチドの領域を本発明のポリペプチドのN末端又はC末端に融合させた融合ポリマー又は切断可能な融合ポリペプチドであってもよい。融合ポリペプチドは、別のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、本発明のポリヌクレオチドに融合することにより作製される。融合ポリペプチドを作製する技術は当技術分野において公知であり、ポリペプチドをコードするコード配列を、これらがフレーム内にあって、しかも、融合ポリペプチドの発現が同一のプロモータ及びターミネータの制御下にあるように、連結することを含む。融合タンパク質は、融合ポリペプチドを翻訳後に作出するインテイン技術を用いて構築することもできる(Cooper et al.,1993,EMBO J.12:2575−2583;Dawson et al.,1994,Science 266:776−779)。
【0167】
融合ポリペプチドは、2つのポリペプチドの間に切断部位をさらに含むこともできる。融合タンパク質が分泌される際に、この部位が切断されて、2つのポリペプチドを遊離させる。切断部位の例としては、これらに限定されないが、Martin et al.,2003,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.3:568−576;Svetina et al.,2000,J.Biotechnol.76:245−251;Rasmussen−Wilson et al.,1997,Appl.Environ.Microbiol.63:3488−3493;Ward et al.,1995,Biotechnology 13:498−503;及びContreras et al.,1991,Biotechnology 9:378−381;Eaton et al.,1986,Biochemistry 25:505−512;Collins−Racie et al.,1995,Biotechnology 13:982−987;Carter et al.,1989,Proteins:Structure,Function,and Genetics 6:240−248;並びにStevens,2003,Drug Discovery World 4:35−48に開示されている部位が挙げられる。
【0168】
デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)
DNase活性を有するポリペプチド、すなわちデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)は、DNA骨格において、ホスホジエステル結合の加水分解切断を触媒することにより、DNAを分解するあらゆる酵素である。DNase活性を有するポリペプチド及びDNaseという2つの用語は、置き換え可能に用いられる。
【0169】
本発明によれば、真菌から取得可能なDNaseが好ましい;特に、アスペルギルス属(Aspergillus)から取得可能なDNaseが好ましく;とりわけ、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)から取得可能なDNaseが好ましい。本発明の一実施形態では、デオキシリボヌクレアーゼを有するポリペプチドは、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)由来のS1ヌクレアーゼではない。
【0170】
本発明で用いられるDNaseは、配列番号2のアミノ酸1〜206として示される配列番号2の成熟ポリペプチドを含み、これは、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)から取得可能である。DNase活性を有するポリペプチドは、アスペルギルス属(Aspergillus)、例えば、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)から取得可能であるものでよい。本発明の一実施形態では、DNase活性を有するポリペプチドは、特許請求の範囲に記載のポリペプチドである。
【0171】
本発明の一態様は、配列番号2の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、DNase活性を有する、単離されたポリペプチドに関する。一態様では、ポリペプチドは、配列番号2の成熟ポリペプチドと、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0172】
一実施形態では、本発明は、配列番号3の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、DNase活性を有する、単離されたポリペプチドに関する。一態様では、ポリペプチドは、配列番号3の成熟ポリペプチドと、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0173】
一実施形態では、本発明は、配列番号8に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、DNAse活性を有する、単離されたポリペプチドに関する。一態様では、ポリペプチドは、配列番号8の成熟ポリペプチドと、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸だけ異なる。
【0174】
本発明のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列若しくはその対立遺伝子変異体を含むか、これから構成され;又はDNase活性を有する断片である。別の態様では、ポリペプチドは、配列番号2の成熟ポリペプチドを含むか、これから構成される。別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸1〜206を含むか、これから構成される。
【0175】
一実施形態では、ポリペプチドは、単離されている。本発明のポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列若しくはその対立遺伝子変異体を含むか、これから構成され;又はDNase活性を有する断片である。別の態様では、ポリペプチドは、配列番号3の成熟ポリペプチドを含むか、これから構成される。別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸1〜204を含むか、これから構成される。本発明の一態様は、配列番号8のアミノ酸配列からなるポリペプチドと、配列番号3のアミノ酸配列からなるポリペプチドを含むか、これらから構成される組成物に関する。
【0176】
別の実施形態において、本発明は、低度の緊縮条件下で、(i)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、(ii)そのcDNA配列、又は(iii)(i)若しくは(ii)の完全長相補体(Sambrook,et al.,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2d edition,Cold Spring Harbor,New York)にハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるDNase活性を有する、単離されたポリペプチドに関する。一実施形態では、ポリペプチドは、単離されている。
【0177】
別の実施形態において、本発明は、低度−中度の緊縮条件下で、(i)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、(ii)そのcDNA配列、又は(iii)(i)若しくは(ii)の完全長相補体にハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるDNase活性を有する、単離されたポリペプチドに関する。一実施形態では、ポリペプチドは、単離されている。
【0178】
別の実施形態において、本発明は、中度の緊縮条件下で、(i)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、(ii)そのcDNA配列、又は(iii)(i)若しくは(ii)の完全長相補体にハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるDNase活性を有する、単離されたポリペプチドに関する。一実施形態では、ポリペプチドは、単離されている。
【0179】
別の実施形態において、本発明は、中度−高度の緊縮条件下で、(i)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、(ii)そのcDNA配列、又は(iii)(i)若しくは(ii)の完全長相補体にハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるDNase活性を有する、単離されたポリペプチドに関する。一実施形態では、ポリペプチドは、単離されている。
【0180】
別の実施形態において、本発明は、高度の緊縮条件下で、(i)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、(ii)そのcDNA配列、又は(iii)(i)若しくは(ii)の完全長相補体にハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるDNase活性を有する、単離されたポリペプチドに関する。一実施形態では、ポリペプチドは、単離されている。
【0181】
別の実施形態において、本発明は、極めて高度の緊縮条件下で、(i)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列、(ii)そのcDNA配列、又は(iii)(i)若しくは(ii)の完全長相補体にハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるDNase活性を有する、単離されたポリペプチドに関する。一実施形態では、ポリペプチドは、単離されている。
【0182】
別の実施形態では、本発明は、配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列又はそのcDNA配列に対して、少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによってコードされるDNase活性を有するポリペプチドに関する。一態様では、ポリペプチドは、単離されている。
【0183】
別の実施形態では、本発明は、1つ又は複数(例えば、数個)の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号2の成熟ポリペプチドの変異体に関する。一実施形態では、配列番号2の成熟ポリペプチドに導入されるアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の数は、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。アミノ酸変異は、副次的な性質のものであってもよく、すなわち、タンパク質の折り畳み及び/若しくは活性に顕著に影響しない保存的アミノ酸置換若しくは挿入;典型的には1〜30アミノ酸の小さな欠失;アミノ−末端メチオニン残基などの小さなアミノ−若しくはカルボキシル−末端伸長;20〜25個以下の残基の小さなリンカーペプチド;あるいは、正味電荷、又はポリヒスチジン配列、抗原性エピトープ若しくは結合性ドメインなどの他の機能を変化させることによって精製を促進させる小さな伸長であってもよい。
【0184】
別の実施形態では、本発明は、1つ又は複数(例えば、数個)の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む、配列番号3の成熟ポリペプチドの変異体に関する。一実施形態では、配列番号3の成熟ポリペプチドに導入されるアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の数は、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。アミノ酸変異は、副次的な性質のものであってもよく、すなわち、タンパク質の折り畳み及び/若しくは活性に顕著に影響しない保存的アミノ酸置換若しくは挿入;典型的には1〜30アミノ酸の小さな欠失;アミノ−末端メチオニン残基などの小さなアミノ−若しくはカルボキシル−末端伸長;20〜25個以下の残基の小さなリンカーペプチド;あるいは、正味電荷、又はポリヒスチジン配列、抗原性エピトープ若しくは結合性ドメインなどの他の機能を変化させることによって精製を促進させる小さな伸長であってもよい。
【0185】
DNase酵素は、配列番号2のアミノ酸−37〜206として示されるアミノ酸配列若しくはDNase活性を有するその断片、例えば、成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され得る。あるいは、DNase酵素は、配列番号2のアミノ酸−37〜206若しくは配列番号2のアミノ酸1〜206の断片を含むか、又はこれから構成されてもよく、上記断片は、配列番号2のアミノ及び/又はカルボキシル末端から1つ又は複数のアミノ酸が欠失している。
【0186】
DNase酵素は、配列番号3のアミノ酸1〜206として示されるアミノ酸配列若しくはDNase活性を有するその断片、例えば、成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され得る。あるいは、DNase酵素は、配列番号3のアミノ酸1〜206又は配列番号3のアミノ酸1〜206の断片を含むか、又はこれから構成されてもよく、上記断片は、配列番号3のアミノ及び/又はカルボキシル末端から1つ又は複数のアミノ酸が欠失している。
【0187】
DNase酵素は、配列番号8のアミノ酸1〜206として示されるアミノ酸配列若しくはDNase活性を有するその断片、例えば、成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され得る。あるいは、DNase酵素は、配列番号8のアミノ酸1〜206又は配列番号8のアミノ酸1〜206の断片を含むか、又はこれから構成されてもよく、上記断片は、配列番号8のアミノ及び/又はカルボキシル末端から1つ又は複数のアミノ酸が欠失している。
【0188】
本発明はまた、前述のポリペプチドに対して実質的に相同性であるDNaseポリペプチド、及びその種相同体(パラログ若しくはオルトログ)も提供する。本明細書において、「実質的に相同性である」という用語は、配列番号2のアミノ酸配列若しくは配列番号3のアミノ酸配列、又はDNase活性を有するその断片、又はそのオルトログ若しくはパラログに対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%、及び最も好ましくは少なくとも99%以上同一である、ポリペプチドを表すのに用いられる。
【0189】
別の実施形態において、配列番号2のDNaseは、1つ又は複数の(例えば、数個)の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む。別の実施形態では、配列番号3のDNaseは、1つ又は複数の(例えば、数個)の位置に置換、欠失及び/又は挿入を含む。一実施形態では、配列番号2の成熟ポリペプチド又は配列番号3の成熟ポリペプチドに導入されるアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の数は、10以下、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9である。アミノ酸変異は、副次的な性質のものであってもよく、すなわち、タンパク質の折り畳み及び/若しくは活性に顕著に影響しない保存的アミノ酸置換若しくは挿入;典型的には1〜30アミノ酸の小さな欠失;アミノ−末端メチオニン残基などの小さなアミノ−若しくはカルボキシル−末端伸長;20〜25個以下の残基の小さなリンカーペプチド;あるいは、正味電荷、又はポリヒスチジン配列、抗原性エピトープ若しくは結合性ドメインなどの他の機能を変化させることによって精製を促進させる小さな伸長であってもよい。
【0190】
本発明によれば、真菌から取得可能なDNaseが好ましい;特に、トリコデルマ属(Trichoderma)から取得可能なDNaseが好ましく;とりわけ、トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)から取得可能なDNaseが好ましい。
【0191】
本発明で用いられるDNaseは、配列番号5のアミノ酸1〜188として示される配列番号5の成熟ポリペプチドを含み、これは、トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum)から取得可能である。
【0192】
DNase酵素は、配列番号5のアミノ酸−17〜188として示されるアミノ酸配列若しくはDNase活性を有するその断片、例えば、成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され得る。あるいは、DNase酵素は、配列番号5のアミノ酸−17〜188又は配列番号5のアミノ酸1〜188の断片を含むか、又はこれから構成されてもよく、上記断片は、配列番号5のアミノ及び/又はカルボキシル末端から1つ又は複数のアミノ酸が欠失している。
【0193】
本発明はまた、前述のポリペプチドに対して実質的に相同性であるDNaseポリペプチド、及びその種相同体(パラログ若しくはオルトログ)も提供する。本明細書において、「実質的に相同性である」という用語は、配列番号5のアミノ酸配列、又はDNase活性を有するその断片、又はそのオルトログ若しくはパラログに対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%、及び最も好ましくは少なくとも99%以上同一である、ポリペプチドを表すのに用いられる。
【0194】
本発明によれば、細菌から取得可能なDNaseが好ましい;特に、バチルス属(Bacillus)から取得可能なDNaseが好ましく;とりわけ、枯草菌(Bacillus subtilis)又はバチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)から取得可能なDNaseが好ましい。
【0195】
本発明で用いられるDNaseは、配列番号6のアミノ酸1〜110として示され、枯草菌(Bacillus subtilis)から得られる配列番号6の成熟ポリペプチド;又は配列番号7のアミノ酸1〜109として示され、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)から得られる配列番号7の成熟ポリペプチドを含む。
【0196】
DNase酵素は、配列番号6のアミノ酸−26〜110若しくは配列番号7のアミノ酸−33〜109として示されるアミノ酸、又はDNase活性を有するその断片、例えば、成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され得る。配列番号6のアミノ酸−26〜110又は配列番号6のアミノ酸1〜110の断片は、配列番号6のアミノ及び/又はカルボキシル末端から1つ又は複数のアミノ酸が欠失しているポリペプチドである。配列番号7のアミノ酸−33〜109、又は配列番号7のアミノ酸1〜109の断片は、配列番号7のアミノ及び/又はカルボキシル末端から1つ又は複数のアミノ酸が欠失しているポリペプチドである。
【0197】
本発明はまた、前述のポリペプチドに対して実質的に相同性であるDNaseポリペプチド、及びその種相同体(パラログ若しくはオルトログ)も提供する。本明細書において、「実質的に相同性である」という用語は、配列番号6若しくは配列番号7のアミノ酸配列、又はDNase活性を有するその断片、又はそのオルトログ若しくはパラログに対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%、及び最も好ましくは少なくとも99%以上同一である、ポリペプチドを表すのに用いられる。
【0198】
保存的置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、並びに低分子アミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、スレオニン及びメチオニン)の群に含まれる。概して特異的活性を改変しないアミノ酸置換は当技術分野において公知であり、例えば、H.Neurath and R.L.Hill,1979,In,The Proteins,Academic Press,New Yorkに記載されている。一般的な置換は、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu及びAsp/Glyである。
【0199】
あるいは、アミノ酸変異は、ポリペプチドの物理化学的特性が改変されるような性質のものである。例えば、アミノ酸変異によって、ポリペプチドの熱安定性の向上、基質特異性の改変、至適pHの変化などがもたらされ得る。
【0200】
ポリペプチドにおける必須アミノ酸は、部位特異的突然変異誘発又はアラニン走査突然変異誘発(Cunningham and Wells,1989,Science 244:1081−1085)などの当技術分野において公知である手法に従って同定することができる。後者の技術では、単一のアラニン突然変異が分子中のすべての残基に導入され、得られたミュータント分子をDNase活性についてテストすることにより、分子の活性に重要なアミノ酸残基を同定する。また、Hilton et al.,1996,J.Biol.Chem.271:4699−4708を参照のこと。酵素の活性部位又は他の生物学的相互作用は、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異と併用した、核磁気共嗚、結晶構造解析、電子回折、又は光親和性標識などの技術によって判定される、構造の物理的分析によって決定することもできる。例えば、de Vos et al.,1992,Science 255:306−312;Smith et al.,1992,J.Mol.Biol.224:899−904;Wlodaver et al.,1992,FEBS Lett.309:59−64を参照のこと。必須アミノ酸のアイデンティティーは、関連ポリペプチドとのアラインメントから推測することもできる。
【0201】
単一若しくは複数のアミノ酸置換、欠失、及び/又は挿入は、Reidhaar−Olson and Sauer,1988,Science 241:53−57;Bowie and Sauer,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2152−2156;国際公開第95/17413号パンフレット;又は、国際公開第95/22625号パンフレットにより開示されているものなどの公知の突然変異誘発方法、組換え法、及び/又はシャッフリング法、これに続く関連するスクリーニング法を用いて行い、テストすることができる。用いることができる他の方法としては、エラープローンPCR、ファージディスプレイ(例えば、Lowman et al.,1991,Biochemistry 30:10832−10837;米国特許第5,223,409号明細書;国際公開第92/06204号パンフレット)、及び領域特異的突然変異誘発(Derbyshire et al.,1986,Gene 46:145;Ner et al.,1988,DNA 7:127)が挙げられる。
【0202】
突然変異誘発/シャッフリング法は、宿主細胞によって発現されたクローン化突然変異誘発ポリペプチドの活性を検出するために、ハイスループット自動スクリーニング法と組み合わせることができる(Ness et al.,1999,Nature Biotechnology 17:893−896)。活性ポリペプチドをコードする突然変異誘発DNA分子は、宿主細胞から回収可能であり、当技術分野において標準的な方法を用いて迅速に配列決定することができる。これらの方法によって、ポリペプチドにおける個別のアミノ酸残基の重要性を迅速に判定することが可能になる。
【0203】
ポリペプチドは、1つのポリペプチドの一領域が、別のポリペプチドの一領域のN−末端又はC−末端で融合したハイブリッドポリペプチドであってもよい。
【0204】
ポリペプチドは、別のポリペプチドが本発明のポリペプチドのN−末端又はC−末端で融合した融合ポリペプチド又は切断可能な融合ポリペプチドであってもよい。融合ポリペプチドは、別のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを本発明のポリヌクレオチドに融合させることにより生成される。融合ポリペプチドを生成する技術は、当技術分野において公知であり、それらがフレーム中に収まり、且つ、融合ポリペプチドの発現が、同一のプロモータ及びターミネータの制御下にあるように、ポリペプチドをコードするコード配列を連結するステップを含む。融合ポリペプチドはまた、翻訳後に融合ポリペプチドが形成されるインテイン(intein)テクノロジーを用いて構築してもよい(Cooper et al.,1993,EMBO J.12:2575−2583;Dawson et al.,1994,Science 266:776−779)。
【0205】
融合ポリペプチドは、2つのポリペプチドの間に切断部位をさらに含むこともできる。融合タンパク質が分泌されると、この部位が切断されて、2つのポリペプチドを遊離させる。切断部位の例としては、これらに限定されないが、以下の文献に開示されている部位が挙げられる:Martin et al.,2003,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.3:568−576;Svetina et al.,2000,J.Biotechnol.76:245−251;Rasmussen−Wilson et al.,1997,Appl.Environ.Microbiol.63:3488−3493;Ward et al.,1995,Biotechnology 13:498−503;及びContreras et al.,1991,Biotechnology 9:378−381;Eaton et al.,1986,Biochemistry 25:505−512;Collins−Racie et al.,1995,Biotechnology 13:982−987;Carter et al.,1989,Proteins:Structure,Function,and Genetics 6:240−248;並びに、Stevens,2003,Drug Discovery World 4:35−48。
【0206】
DNaseの濃度は、典型的には、0.00004〜100ppm酵素タンパク質の範囲、例えば、 0.00008〜100の範囲、0.0001〜100の範囲、0.0002〜100の範囲、0.0004〜100の範囲、0.0008〜100の範囲、0.001〜100ppm酵素タンパク質の範囲、0.01〜100ppm酵素タンパク質、好ましくは0.05〜50ppm酵素タンパク質、より好ましくは0.1〜50ppm酵素タンパク質、より好ましくは0.1〜30ppm酵素タンパク質、より好ましくは0.5〜20ppm酵素タンパク質、最も好ましくは0.5〜10ppm酵素タンパク質である。
【0207】
本発明のDNaseは、少なくとも0.002mgのDNaseタンパク質、例えば、少なくとも0.004mgのDNaseタンパク質、少なくとも0.006mgのDNaseタンパク質、少なくとも0.008mgのDNaseタンパク質、少なくとも0.01mgのDNaseタンパク質、少なくとも0.1mgのタンパク質、好ましくは少なくとも1mgのタンパク質、より好ましくは少なくとも10mgのタンパク質、さらに好ましくは少なくとも15mgのタンパク質、非常に好ましくは少なくとも20mgのタンパク質、最も好ましくは少なくとも25mgのタンパク質に対応する量で、洗剤組成物に添加してよい。従って、洗剤組成物は、少なくとも0.00008%のDNaseタンパク質、好ましくは少なくとも0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.008%、0.01%、0.02%、0.03%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%又は1.0%のDNaseタンパク質を含み得る。本発明の洗剤組成物のDNaseは、従来の安定剤、例えば、プロピレングリコール若しくはグリセロールなどのポリオール、糖若しくは糖アルコール、乳酸、ホウ酸、若しくはホウ酸誘導体、例えば、芳香族ホウ酸エステル、又は4−ホルミルフェニルボロン酸などのフェニルボロン酸誘導体を用いて安定化させてもよく、組成物は、例えば、国際公開第92/19709号パンフレット及び国際公開第92/19708号パンフレットに記載されているように製剤化してもよい。
【0208】
また、本発明のポリペプチドは、国際公開第97/07202号パンフレット(参照により本明細書に援用される)に開示されている洗剤製剤に組み込むことも可能である。
【0209】
洗剤組成物
一実施形態において、本発明は、本発明の酵素を1種又は複数種の追加のクリーニング組成物成分と組み合わせて含む洗剤組成物に関する。追加成分の選択は、当業者の技能の範囲内であり、以下に記載する非制限的な成分例などの従来の成分を含む。
【0210】
悪臭抑制剤
悪臭抑制剤は、品目から悪臭を低減する薬剤であり、悪臭抑制剤は、品目の洗浄又は洗濯工程中に使用される場合、品目からの悪臭を低減、中和若しくは除去する薬剤である。悪臭抑制剤は、DNaseとは異なる。
【0211】
本発明の悪臭抑制剤は、これらに限定されないが、HMP、揮発性アルデヒド若しくはシクロデキストリン又はそれらの混合物を含み得る。
【0212】
一般に、本発明の悪臭抑制組成物は、悪臭抑制組成物の約0.001%重量〜約99.99重量%、好ましくは約0.002重量%〜約99.9重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約99重量%のレベルで1種又は複数種の悪臭抑制剤を含むことになる。組成物が、生地などの表面に噴霧される水性液体組成物(特に、非エーロゾル組成物)であるとき、組成物は、約20重量%未満、好ましくは約10重量%未満、より好ましくは約5重量%未満の悪臭抑制剤を含むのが好ましいであろう。悪臭抑制剤は、本発明の組成物で処理中の表面若しくは物体から悪臭を低減又は除去する役割を果たす。悪臭抑制剤は、非錯化シクロデキストリン;防臭剤;活性アルデヒド;フラバノイド(flavanoid);ゼオライト;活性炭;及びこれらの混合物からなる群から選択されるのが好ましい。
【0213】
非錯化シクロデキストリン
本明細書で用いる場合、「非錯化シクロデキストリン」という用語は、6〜12のグルコース単位、特に、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン及び/若しくはそれらの誘導体並びに/又はそれらの混合物などの非錯化形態の公知のシクロデキストリンのいずれかを含む。α−シクロデキストリンは、6つのグルコース単位から構成され、β−シクロデキストリンは、7つのグルコース単位から構成され、γ−シクロデキストリンは、ドーナツ型に配置された8つのグルコース単位から構成される。グルコース単位の特異な結合及び立体配座によって、シクロデキストリンに、特定の体積の中空内部を有する硬質な円錐形分子形状が付与される。各内部空間の「ライニング」は、水素原子及びグリコシドのブリッジ酸素原子によって形成され;そのため、この表面は、かなり疎水性である。内部空間の独特な形状及び物理化学的特性によって、シクロデキストリン分子は、この空間に収まることができる有機分子若しくはその一部を吸収する(これらと包接錯体を形成する)ことが可能になる。様々な悪臭分子及び香料分子を含む多くの臭気分子がこの空間に収まることができる。従って、シクロデキストリン、及び特に、様々なサイズの内部空間を有するシクロデキストリンの混合物を用いて、活性官能基を含有する、又は含有しない可能性がある多種多様な有機臭気材料によって引き起こされる臭いを制御することができる。シクロデキストリンと臭気分子の錯体形成は、水の存在下で急速に起こる。しかし、錯体形成の程度は、吸収された分子の極性にも左右される。水溶液中、強度に親水性の分子(高度に水溶性のもの)は、たとえあったとしても、一部しか吸収されない。従って、シクロデキストリンは、一部の非常に低分子量の有機アミン及び酸が表面上に低レベルで存在する場合、それらと有効に錯体形成しない。本発明の消臭組成物中のシクロデキストリンの内部空間は、溶液が表面に使用されるときに、シクロデキストリンが様々な臭気分子を吸収することを可能にするために、溶液状態の間、ほぼ充填されていないままである(シクロデキストリンが非錯化状態を維持している)べきである。非誘導体化(標準)β−シクロデキストリンは、室温での使用の条件下で、約1.85%(100グラムの水中約1.85g)の溶解度限界までのレベルで存在し得る。好ましくは、本発明で使用されるシクロデキストリンは、α−シクロデキストリン及び/又はその誘導体、γ−シクロデキストリン及び/又はその誘導体、誘導体化β−シクロデキストリン、及び/又はこれらの混合物である。シクロデキストリンの誘導体は、OH基の一部がOR基に変換された分子から主として構成される。シクロデキストリン誘導体としては、“Optimal Performances with Minimal Chemical Modification of Cyclodextrins”,F.Diedaini−Pilard and B.Perly,The 7th International Cyclodextrin Symposium Abstracts,April 1994,p.49に開示されているように、例えば、短鎖アルキル基を有するもの、例えば、メチル化シクロデキストリン、及びエチル化シクロデキストリンなど(Rは、メチル若しくはエチル基である);ヒドロキシアルキル置換基を有するもの、例えば、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン及び/又はヒドロキシエチルシクロデキストリン(Rは、−CH2−CH−(OH)−CH3若しくは−CH2−CH2−OH基である);分岐シクロデキストリン、例えば、マルトース結合シクロデキストリン;カチオン性シクロデキストリン、例えば、2−ヒドロキシ−3−(ジメチルアミノ)プロピルエーテルを含有するものなど(Rは、CH2−CH(OH)−CH2−N−(CH3)2であり、これは、低pHでカチオン性である);第4アンモニウム、例えば、2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテル塩化物基(Rは、−CH2−CH−(OH)−CH2−N+(CH3)3Cl−である);アニオン性シクロデキストリン、例えば、カルボキシメチルシクロデキストリン、シクロデキストリン硫酸塩、及びシクロデキストリンスクシニレート;両性シクロデキストリン、例えば、カルボキシメチル/第4アンモニウムシクロデキストリン;少なくとも1つのグルコピラノース単位が3−6−アンヒドロ−シクロマルト構造であるシクロデキストリン、例えば、モノ−3−6−アンヒドロシクロデキストリン;並びにそれらの混合物が挙げられる。他のシクロデキストリン誘導体は、以下の文献に開示されている:米国特許第3,426,011号明細書、Parmerter et al.,1969年2月4日発行;米国特許第3,453,257号明細書;同第3,453,258号明細書;同第3,453,259号明細書;及び同第3,453,260号明細書、全てParmerter et al.の名義で、全て1969年7月1日に発行;米国特許第3,459,731号明細書、Gramera et al.、1969年8月5日発行;米国特許第3,553,191号明細書、Parmerter et al.、1971年1月5日発行;米国特許第3,565,887号明細書、Parmerter et al.、1971年2月23日発行;米国特許第4,535,152号明細書、Szejtli et al.、1985年8月13日発行;米国特許第4,616,008号明細書、Hirai et al.、1986年10月7日発行;米国特許第4,678,598号明細書、Ogino et al.、1987年7月7日発行;米国特許第4,638,058号明細書、Brandt et al.、1987年1月20日発行;並びに米国特許第4,746,734号明細書、Tsuchiyama et al.、1988年5月24日発行。本発明において好適なさらに別のシクロデキストリン誘導体は、V.T.D’Souza及びK.B.Lipkowitz、CHEMICAL REVIEWS:CYCLODEXTRINS,Vol.98,No.5(American Chemical Society,July/August 1998)に開示されている。
【0214】
高度に水溶性のシクロデキストリンは、室温で100mlの水中少なくとも約10g、好ましくは100mlの水中少なくとも約20g、さらに好ましくは100mlの水中少なくとも約25gの水溶性を有するものである。可溶化した、水溶性シクロデキストリンは、表面、特にカーペットを敷いた表面に付着させると、不水溶性シクロデキストリンよりも効果的な臭気抑制性能を発揮し得る。
【0215】
本発明での使用に好適な好ましい水溶性シクロデキストリン誘導体の例は、ヒドロキシプロピルα−シクロデキストリン、メチル化α−シクロデキストリン、メチル化β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキストリン、及びヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンがある。ヒドロキシアルキルシクロデキストリン誘導体は、好ましくは約1〜約14、より好ましくは約1.5〜約7の置換度を有し、ここで、シクロデキストリン当たりのOR基の総数が、置換度として定義される。メチル化シクロデキストリン誘導体は、典型的に、約1〜約18、好ましくは約3〜約16の置換度を有する。公知のメチル化β−シクロデキストリンは、ヘプタキス−2,6−ジ−O−メチル−シクロデキストリン(一般に、DIMEBとして知られる)であり、各グルコース単位は、置換度が約14の約2個のメチル基を有する。好ましく、より入手しやすい市販のメチル化β−シクロデキストリンは、異なる置換度、通常約12.6のランダムメチル化β−シクロデキストリン(一般に、RAMEBとして知られる)である。DIMEMは、RAMEBに比べ、好ましい界面活性剤の表面活性に影響を及ぼすことから、DIMEBよりRAMEBが好ましい。好ましいシクロデキストリンは、例えば、Cerestar USA,Inc.及びWacker Chemicals(USA),Inc.から市販されている。
【0216】
また、シクロデキストリンの混合物を使用することも好ましい。このような混合物は、より広範囲の分子サイズを有する多様な臭気分子と錯化することによって、より広範に臭気を吸収する。好ましくは、少なくとも一部のシクロデキストリンは、α−シクロデキストリン及びその誘導体、γ−シクロデキストリン及びその誘導体、及び/又は誘導体化β−シクロデキストリンであり、より好ましくは、α−シクロデキストリン、若しくはα−シクロデキストリン誘導体と、誘導体化β−シクロデキストリンの混合物、さらに好ましくは、誘導体化α−シクロデキストリンと誘導体化β−シクロデキストリンの混合物、最も好ましくは、ヒドロキシプロピルα−シクロデキストリンとヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンとの混合物及び/又はメチル化α−シクロデキストリンとメチル化β−シクロデキストリンとの混合物である。シクロデキストリンは、特に、水性組成物中にある場合、特定の微生物にとって最良の培養地となり得ることから、水溶性シクロデキストリンを含有する水性臭気吸収溶液の貯蔵安定性を高めるために、微生物増殖を阻害及び/又は調節する上で有効な後述の水溶性防腐剤を含有させるのが好ましい。
【0217】
防臭剤「防臭剤(Odor blocker)」は、悪臭の作用を軽減するために、臭気抑制剤として使用することができる。
【0218】
有効であるために、防臭剤は、通常、いつでも存在しなければならない。臭気源が消失する前に防臭剤が蒸発すると、臭気を抑制し難くなる。また、防臭剤は、香料などの望ましい臭いを遮断することにより、審美剤に悪影響を及ぼす可能性もある。本発明の組成物における臭気抑制剤として好適な防臭剤の非限定的例として、以下のものが挙げられる:4−シクロヘキシル−4−メチル−2−ペンタノン、4−エチルシクロヘキシルメチルケトン、4−イソプロピルシクロヘキシルメチルケトン、シクロヘキシルメチルケトン、3−メチルシクロヘキシルメチルケトン、4−tert−ブチルシクロヘキシルメチルケトン、2−メチル−4−tert−ブチルシクロヘキシルメチルケトン、2−メチル−5−イソプロピルシクロヘキシルメチルケトン、4−メチルシクロヘキシルイソプロピルケトン、4−メチルシクロヘキシルsec.ブチルケトン、4−メチルシクロヘキシルイソブチルケトン、2,4−ジメチルシクロヘキシルメチルケトン、2,3−ジメチルシクロヘキシルメチルケトン、2,2−ジメチルシクロヘキシルメチルケトン、3,3−ジメチルシクロヘキシルメチルケトン、4,4−ジメチルシクロヘキシルメチルケトン、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメチルケトン、2,2,6−トリメチルシクロヘキシルメチルケトン、1−シクロヘキシル−l−エチルギ酸塩、1−シクロヘキシル−l−エチル酢酸塩、1−シクロヘキシル−l−エチルプロピオン酸塩、1−シクロヘキシル−1−エチルイソ酪酸塩、1−シクロヘキシル−l−エチルn−酪酸塩、1−シクロヘキシル−l−プロピル酢酸塩、1−シクロヘキシル−l−プロピルn−酪酸塩、l−シクロヘキシル−2−メチル−1−プロピル酢酸塩、2−シクロヘキシル−2−プロピル酢酸塩、2−シクロヘキシル−2−プロピルプロピオン酸塩、2−シクロヘキシル−2−プロピルイソ酪酸塩、2−シクロヘキシル−2−プロピルn−酪酸塩、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン(ジメドン)、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(メルドラム酸(Meldrum’s acid)、スピロ−[4.5]−6,10−ジオキサ−7,9−ジオキソデカン、スピロ−[5.5]−1,5−ジオキサ−2,4−ジオキソウンデカン、2,2−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン及び1,3−シクロヘキサジオン。防臭剤は、米国特許第4,009,253号明細書;同第4,187,251号明細書;同第4,719,105号明細書;同第5,441,727号明細書;及び同第5,861,371号明細書に、より詳細に開示されている。
【0219】
活性アルデヒド
任意選択の臭気抑制剤としては、活性アルデヒドを、悪臭の作用を軽減するための臭気抑制剤として使用することができる。好適な活性アルデヒドの非限定的例として、クラスIアルデヒド、クラスIIアルデヒド、及びその混合物が挙げられる。クラスIアルデヒドの非限定的例として、アニスアルデヒド、o−アリル−バニリン、ベンズアルデヒド、クミンアルデヒド、エチル−オーベピン、エチル−バニリン、ヘリオトロピン、トリルアルデヒド、及びバニリンが挙げられる。クラスIIアルデヒドの非限定的例として、3−(4’−tert.ブチルフェニル)プロパナール、2−メチル−3−(4’−tert.ブチルフェニル)プロパナール、2−メチル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパナール、2,2−ジメチル−3−(4−エチルフェニル)プロパナール、シンナムアルデヒド、a−アミル−シンナムアルデヒド、及びa−ヘキシル−シンナムアルデヒドが挙げられる。これらの活性アルデヒドは、米国特許第5,676,163号明細書にさらに詳しく記載されている。
【0220】
使用する場合、活性アルデヒドは、少なくとも2つのアルデヒドの組み合わせを含むことができ、1つは、非環式脂肪族アルデヒド、非テルペン脂肪族アルデヒド、非テルペン脂環式アルデヒド、テルペンアルデヒド、芳香族基により置換された脂肪族アルデヒド、及び二官能性アルデヒドから選択され;また、第2のアルデヒドは、芳香環と共役したアルデヒド官能基に不飽和αを有するアルデヒド、及びアルデヒド基が、芳香環上にあるアルデヒドから選択される。少なくとも2つのアルデヒドの組み合わせが、国際特許出願公開番号:国際特許第00/49120号パンフレットにさらに詳しく記載されている。
【0221】
本明細書で使用される場合、用語「活性アルデヒド」は、さらに、消臭材料も包含し、これは、(i)アルコールとアルデヒド、(ii)アルコールとケトン、又は(iii)アルデヒドと、同じ若しくは異なるアルデヒドの反応生成物である。このような消臭材料は、(a)アセタール、又はアルデヒドをカルビノールと反応させる手段により生成されるヘミアセタール;(b)ケタール、又はケトンをカルビノールと反応させる手段により生成されるヘミケタール;(c)環状トリアセタール、又は少なくとも2つのアルデヒドの混合環状トリアセタール、又はこれらのアセタール、ケタール、ヘミケタール、若しくは環状トリアセタールのいずれかの混合物。これらの消臭性香料材料は、国際特許出願公開番号:国際特許第01/07095号パンフレットにさらに詳しく記載されている。
【0222】
フラバノイド(flavanoid)
フラバノイド(flavanoid)も臭気抑制剤として使用することができる。フラバノイド(flavanoid)は、Ca Q Q;フラバン骨格に基づく化合物である。フラバノイド(flavanoid)は、一般的な精油に見出すことができる。このような油は、ヒマラヤスギ、ヒノキ、ユーカリ、アカマツ、タンポポ、クマザサ及びゼラニウムなどの針葉樹及び草からの乾留によって抽出される精油を含み、α−ピネン、β−ピネン、ミルセン、フェンコン及びカンフェンを含有してよい。また、茶の葉からの抽出物も含まれる。このような材料の記載は、日本特許第02284997号公報及び日本特許第04030855号公報に見出すことができる。
【0223】
金属塩
本発明の臭気抑制剤は、悪臭抑制利益のために金属塩を含むことができる。金属塩は、銅塩、亜鉛塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0224】
好ましい亜鉛塩は、悪臭抑制能力を有する。亜鉛は、米国特許第4,325、939号明細書及び同第4,469,674号明細書に開示されているように、例えば、洗口液において、悪臭を改善するその能力のために最も多く使用されている。高度にイオン化され、且つ可溶性の亜鉛塩(塩化亜鉛など)は、亜鉛イオンの最良の供給源を提供する。好ましい亜鉛塩は、ホウ酸亜鉛、カプリル酸亜鉛、塩化亜鉛、リシノール酸亜鉛、硫酸亜鉛七水和物、ウンデシレン酸亜鉛、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0225】
好ましくは、金属塩は、水溶性亜鉛塩、銅塩又はこれらの混合物であり、亜鉛塩、特に、ZnC12が好ましい。これらの塩は、主にアミン及びイオウ含有化合物を吸収するための臭気抑制剤として、本発明に存在するのが好ましい。低分子量イオウ含有材料、例えば、硫化物及びメルカプタンは、様々な種類の悪臭、例えば、食物の臭い(ニンニク、タマネギ)、体臭/汗の臭い、口臭などの成分である。低分子量アミンもまた、多くの悪臭、例えば、食物の臭い、体臭、尿などの成分である。
【0226】
使用される場合、亜鉛塩は、式:R−(O−CH2−CH2)−X−O−CH2COO−(Rは、脂肪族アルコール置換基又はアルキルアリール置換基であり、Xは、少なくとも2である)を有するアニオン界面活性剤と組み合わせることができる。このようなアニオン界面活性剤は、亜鉛塩の制御放出剤として作用して、組成物の悪臭抑制性を向上させることができる。この亜鉛塩とアニオン界面活性剤の組み合わせは、米国特許第6,358,469号にさらに詳しく記載されている。
【0227】
使用される場合、亜鉛塩は、組成物の悪臭抑制性を向上させるために、炭酸塩及び/又は重炭酸塩と組み合わせることもできる。亜鉛塩を炭酸塩及び/又は重炭酸塩と組み合わせる場合、組成物は、2つ以上の−(P=O)−基を有するリン酸塩と、2つ以上の酸性官能基を有する有機酸から選択される安定化アニオンをさらに含む。この亜鉛塩、炭酸塩及び/又は重炭酸塩、並びに安定化アニオンの組み合わせは、米国特許第6,015,547号明細書にさらに詳しく記載されている。
【0228】
銅塩は、ある程度の悪臭抑制能力を有する。使い捨て製品を処理するための消臭組成物(銅塩及び亜鉛塩などの、少なくともわずかに水溶性のアシルアセトンの塩を含む)を開示する、米国特許第3,172,817号明細書、Leupold,et al.を参照されたい。臭気抑制剤として金属塩を本発明の組成物に添加する場合、これらは、典型的に、約0.001重量%から飽和塩溶液を提供するのに有効な量まで、好ましくは組成物の約0.002重量%〜約25重量%、より好ましくは約0.003重量%〜約8重量%、さらに好ましくは約0.1重量%〜約5重量%のレベルで存在する。
【0229】
ゼオライト
本発明において臭気抑制剤は、ゼオライトであってもよい。好ましいクラスのゼオライトは、「中間」ケイ酸塩/アルミン酸塩ゼオライトとして特徴付けられる。中間ゼオライトは、約10未満のSiOx/A10zモル比を特徴とする。Si02/A102のモル比は、約2〜約10の範囲であるのが好ましい。中間ゼオライトは、「高度」ゼオライトに対して利点を有し得る。中間体ゼオライトは、アミンタイプの臭気に対してより高い親和性を有するものであり、より広い表面積を有すると共に、耐水性であり、しかもも水中のその臭気吸収能力を高度ゼオライトより多く保持することから、重量効率的である。本発明での使用に好適な多様な中間ゼオライトが、PQ Corporationから、Valfor(登録商標)CP301−68、Valfor(登録商標)300−63、Valfor(登録商標)CP300−35、及びValfor(登録商標)CP300−56、並びにContekaからのゼオライトのCBV100(登録商標)シリーズとして市販されている。
【0230】
また、The Union Carbide Corporation及びUOPから入手可能な、商品名Absents(登録商標)及びSmellrite(登録商標)も好ましい。こうした材料は、例えば、チオール、メルカプタンなどのイオウ含有臭気の抑制について、中間ゼオライトよりも好ましい。表面に噴霧される組成物中の臭気抑制剤としてゼオライトを使用する場合、ゼオライト材料は、粒径が約10ミクロン未満であるのが好ましく、組成物の約1重量%未満のレベルで組成物中に存在する。
【0231】
活性炭
活性炭は、本組成物に含有させるのに好適なもう1つの臭気抑制剤である。本発明に使用するのに好適な炭素材料は、有機分子の吸収剤として及び/又は空気清浄を目的として商業的慣行でよく知られている材料である。多くの場合、こうした炭素材料は、「活性」炭素又は「活性」炭と呼ばれている。
【0232】
こうした活性炭は、Calgon−Type CPG(登録商標);Type PCB(登録商標);Type SGL(登録商標);Type CAL(登録商標);及びType OL(登録商標)などの商品名で商業的供給源から入手可能である。
【0233】
表面に噴霧される組成物中の臭気抑制剤として活性炭を使用する場合、活性炭は、約10ミクロン未満の粒径であるのが好ましく、組成物の約1重量%未満のレベルで組成物中に存在する。
【0234】
本明細書に臭気抑制剤として記載されるいずれかの材料が、本明細書に記載される別の成分としても分類され得る限り、本発明の目的のために、こうした材料は、臭気抑制剤として分類されるものとする。
【0235】
疎水性修飾された悪臭抑制ポリマー(HMP)
臭気抑制剤は、国際公開第2012097034号パンフレットに記載するように疎水性修飾臭気抑制ポリマーであってよい。
【0236】
本発明の組成物は、疎水性修飾悪臭抑制ポリマー(HMP)を含む。HMPは、アルキル、アルケニル、アルキルオキシド、又はアミドなどの疎水基で修飾された第1級、第2級、及び/又は第3級アミン基を有するポリアミンポリマーから形成される。アミン基は修飾されていないが、HMPは、悪臭成分と反応するための少なくとも1つの遊離且つ非修飾第1級、第2級、及び/又は第3級アミン基を有する。理論に拘束される意図はないが、疎水性修飾は、疎水性臭気に対するポリマーの親和性を高め得るため、臭気分子と活性アミン部位との相互作用を可能にする。HMPはまた、悪臭除去効果の範囲も向上させ得る。
【0237】
本発明のHMPは、一般式(I)を有する:
P(R)x (I)
式中:
Pは、ポリアミンポリマーであり;
Rは、C2〜C26疎水基であり;並びに
xは、ポリマー上のアミン部位の総置換度であり、これは、100%未満である。
【0238】
1.ポリアミンポリマー
HMPは、ポリアミンポリマー骨格を含んでよく、これは、直鎖又は環状のいずれであってもよい。HMPはまた、ポリアミン分岐鎖も含み得る。ポリアミンポリマーは、一般式(I1)を有する:
【化1】
式中、Qは、0〜3の値を有する整数である。
【0239】
ポリアミンポリマーの非限定的例として、ポリビニルアミン(PVam)、直鎖又は分岐ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアミドアミン(PAMam)、ポリアリルアミン(PAam)、ポリエーテルアミン(PEam)若しくはその他の窒素含有ポリマー、例えば、リシン、又はこれらの窒素含有ポリマーの混合物が挙げられる。
【0240】
a.PVam
一実施形態では、HMPは、PVam骨格を含む。PVamは、交互の炭素からなる主鎖にペンダント第1級アミン基が直接連結した直鎖ポリマーである。PVamは、ポリ(N−ビニルホルムアミド)(PVNF)の加水分解から製造され、これによって、以下の式(I1a)により表されるcon no基が得られる:
【化2】
式中、nは、加水分解度に応じて0.1〜0.99の数である。例えば、95%加水分解PVamにおいて、nは、0.95であり、ポリマーの5%がビニルホルムアミド単位を有する。PVamは、部分的に加水分解してもよく、その結果、1%〜99%、あるいは30%〜99%、あるいは50%〜99%、あるいは70%〜99%、あるいは80%〜99%、あるいは85%〜99%、あるいは90%〜99%、あるいは95%〜99%、あるいは97%〜99%、あるいは99%のPVamが加水分解される。PVamの高度の加水分解によって、得られるポリマーが臭気を軽減する能力が増大することが判明している。加水分解することができるPVamは、5,000〜350,000の平均分子量(MW)を有し得る。好適な加水分解PVamは、BASFから市販されている。いくつかの例として、Lupamin(商標)9095、9030、5095及び1595が挙げられる。
【0241】
次に、こうした加水分解PVamを疎水性修飾することができる。後述するように、疎水性修飾は、臭気除去効果をさらに向上させ得る。
【0242】
b.ポリアルキレンイミン/PEI
別の実施形態では、HMPは、ポリアルキレンイミン骨格を含む。ポリアルキレンイミンは、PEI及びポリプロピレンイミン並びにC4−C12アルキレンイミンを含む。PEIは、好適なポリアルキレンイミンである。PEIの化学構造は、1つのアミン機能と2つの炭素という単純な原則に従う。PEIは、以下の一般式(I1b)を有する:
−(CH2−CH2−NH)n− (l1b):
式中、n=10〜105である。
【0243】
PEIは、様々な分子量、構造、及び修飾度の水溶性ポリアミンの大きなファミリーを構成する。これらは、弱い塩基として作用して、pHにより駆動されるプロトン化の程度に応じてカチオン特性を呈示し得る。
【0244】
PEIは、以下に示すように、エチレンイミンの開環カチオン性重合によって生成される。
【化3】
【0245】
PEIは、高度に分岐し、第1級、第2級、及び第3級アミン基を約1:2:1の比で含有すると考えられる。PEIは、約30%〜約40%、あるいは約32%〜約38%、あるいは約34%〜約36%の範囲で第1級アミンを含み得る。PEIは、約30%〜約40%、あるいは約32%〜約38%、あるいは約34%〜約36%の範囲で第2級アミンを含み得る。PEIは、約25%〜約35%、あるいは約27%〜約33%、あるいは約29%〜約31%の範囲で第3級アミンを含み得る。
【0246】
別の合成方法では、修飾分岐鎖構造を有する生成物、あるいは直鎖PEIも得られる。直鎖PEIは、主鎖にアミン部位を含有するのに対し、分岐PEIは、主鎖及び側鎖にアミンを含有する。直鎖PEIの例を以下に示す。
【化4】
【0247】
本発明の組成物は、約800〜約2,000,000、あるいは約1,000〜約2,000,000、あるいは約1,200〜約25,000、あるいは約1,300〜約25,000、あるいは約2,000〜約25,000、あるいは約10,000〜約2,000,000、あるいは約25,000〜約2,000,000、あるいは約25,000のMWを有するPEIを含み得る。
【0248】
一実施形態では、PEIは、1.05の比重及び/又は18(mmol/g、固体)のアミン値を有し得る。明瞭化のために、こうしたPEIの比重及び/又はアミン値は、それが修飾され、水性組成物の一部として添加される前のPEIを表す。当業者であれば、例えば、第1級及び第2級アミン基は、本組成物の他の成分と反応し得ることは理解されよう。
【0249】
例示的PEIとしては、BASFから商品名Lupasol(商標)又はNippon Shokubiaから商品名Epomine(商標)で市販されているものが挙げられる。
【0250】
一部の実施形態では、100%未満の活性アミン部位が、疎水官能基で置換され、あるいは約0.5%〜約90%、あるいは約0.5%〜約80%、あるいは約0.5%〜約70%、あるいは約0.5%〜約60%、あるいは約0.5%〜約50%、あるいは約0.5%〜約40%、あるいは約0.5%〜約35%、あるいは約0.5%〜約30%、あるいは約1%〜約30%、あるいは約1%〜約25%、あるいは約1%〜約20%、あるいは約5%〜約20%、あるいは約10%〜約30%、あるいは約20%〜約30%、あるいは約20%の活性アミン部位が、疎水官能基で置換されている。PEIが、疎水官能基で完全に置換された活性アミン部位を有する場合、このような疎水性修飾PEIには、臭気抑制の活性がないと考えられる。
【0251】
c.PAMam
別の実施形態では、HMPは、PAMam骨格を含む。PAMamは、その骨格鎖が、アミノ官能基(NH)とアミド官能基(NH−C(O))の両方を含有するポリマーである。PAMamは、ポリマー鎖の末端に、第1級アミン基及び/又はカルボキシル基も含有する。PAMamの一般構造は、以下の通りである(I1e):
【化5】
【0252】
d.PAam
別の実施形態では、HMPは、PAam骨格を含む。PAamは、アリアミン−C3H5NH2の重合から調製される。PEIとは異なり、これらは、PAAmについて第1級アミノ基しか含有せず、これを以下に示す(I1d):
【化6】
【0253】
e.PEam
また別の実施形態では、HMPは、PEam骨格を含む。PEamは、ポリエーテル骨格の末端に結合した第1級アミノ基を含有する。ポリエーテル骨格は、プロピレンオキシド(PO)、エチレンオキシド(EO)、又は混合型PO/EOに基づくものであってよい。PEamの一般式な次のように示される(l1e):
【化7】
R=(EO)の場合、H、又は(PO)の場合、CH3
【0254】
これらのいわゆるモノアミン、Mシリーズは、商品名Jeffamine(登録商標)モノアミンでHunstmanから市販されている。別の実施形態では、HMPは、以下に示すジアミンを有するPEam骨格を含む(I1f):
【化8】
【0255】
ジアミンは、商品名Jeffamine<(登録商標)>ジアミン(例えば、D、ED、及びEDRシリーズ)でHunstmanから市販されている。HMPはまた、トリアミンを有するPEam骨格も含み得る(例えば、Jeffamine(登録商標)トリアミンTシリーズ)。
【0256】
2.その他のポリマー単位
HMPは、式(I2)を有する窒素含有ポリマーのコポリマーを含み得る:
【化9】
式中、Qは、0〜3の値を有する整数であり、Vは、コモノマーである。(I2)非修飾ポリマーの非限定的例として、ビニルアミド、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルエステル、ビニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0257】
3.疎水基
HMPの疎水基は、直鎖、分岐、若しくは環状アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、ヒドロキシアルケニル、アルキルカルボキシ、アルキルオキシド、アルカンジイル、アミド、又はアリールであってよい。一部の実施形態では、疎水基は、C2〜C26、あるいはC2〜C12、あるいはC2〜CIO、あるいはC4〜CIO、あるいはC16〜C26、あるいはC6である。シクロデキストリンが製剤に含まれる場合には、C4〜CIO、あるいはC16〜C26、あるいはC6アルキル基で修飾されたHMPを使用するのが望ましいことがある。というのは、こうしたアルキル基はシクロデキストリン適合性であるためである。
【0258】
4.疎水性修飾
ポリアミン骨格は、ポリアミン鎖の少なくとも1つの窒素、あるいは、各窒素が、置換、4級化、酸化、又はこれらの組み合わせを受けた単位に関して、その後記述されるように、疎水修飾される。
【0259】
ポリアミンポリマーを疎水性修飾する多くの方法がある。一般に、修飾は、ポリマーの第1級、第2級、及び/又は第3級アミンに関するものである。非修飾ポリアミン骨格を適切な試薬と反応させることにより、ポリアミンポリマーを疎水性にすることができ、これによって、悪臭除去効果を高める。以下は、本明細書に開示するHMPを調製する方法の非限定的例である。
【0260】
a.アルコキシル化
ポリアミンポリマーと、炭化水素(R)を含有するエポキシドとの反応により、ポリマー上の1つ又は複数の窒素部分の置換が達成される。
【化10】
式中、R>C2。
【0261】
こうした炭化水素の非制限的例として、置換又は非置換、分岐又は非分岐のC2〜C26鎖が挙げられる。例えば、ドデセンオキシドとPEIポリマーとの反応により、以下に示す構造を有する、本明細書に開示のC6−HMPが得られる。
【化11】
【0262】
あるいは、まずEOと反応させることにより塩基ポリマーを修飾した後、アルキル基化によりこれを仕上げることができる。さらに水溶性が要望される場合、追加修飾は、修飾ポリマーをEO基でキャッピングすることを含んでもよい。あるいは、以下のサブパラグラフcに記載するように、アルコキシル化ポリマーをさらに反応させることにより、ヒドロキシル基を置換することができる。
【0263】
b.アミド化
無水物、ラクトン、イソシアネート、又はカルボン酸などのアミド形成試薬とポリアミンポリマーの反応によって、ポリマー上の1つ又は複数の窒素部分の置換が起こり、これは疎水性を付与する。アミド化の前に、EO又はPOを有するアミン部位の部分的置換から開始して、残りのアミン部分に対してアミド化を実施することができる。無水物とポリアミンポリマーの反応により、第1級/第2級アミン部位の部分的置換によるポリマーのアミド単位の形成が起こる。非限定的な例として、無水酢酸などの非環式カルボン酸無水物、又はマレイン酸無水物、無水コハク酸若しくは無水フタル酸などの環状カルボン酸無水物が挙げられる。例えば、無水酢酸とポリアミンの反応によって、アミド単位がポリマーへと導入される。
【化12】
式中、R>C2。
【0264】
他方で、ポリアミンポリマーと環状無水物の反応によって、アミド酸単位がポリマーへと導入される。
【化13】
【0265】
より疎水性に修飾された誘導体は、アルキレン無水コハク酸、ドデシル無水コハク酸又はポリイソブタン無水コハク酸などの環状無水物の使用によって調製することができる。
【化14】
式中、R>C2。
【0266】
ヒドロキシル末端ポリアミノ単位を含有するポリアミンポリマーは、ポリマーをラクトンと反応させることによって調製することができる。より疎水性のアルキルで置換したラクトンの使用により、より高度の疎水性を誘導し得る。任意選択で、ヒドロキシル末端基は、以下のサブパラグラフcに記載するように、官能基でさらに置換することができる。
【化15】
【0267】
ポリアミンポリマーとのイソシアネート反応によって、以下に示す尿素誘導体の形成が起こる。
【化16】
式中、R>C2。
【0268】
c.アルコキシル化と、これに続くヒドロキシル基の置換
追加の官能基を、アルコキシル化ポリアミンポリマー上のOH基(式(I)中の「x」)に共有結合することができる。これは、アルコキシル化ポリマーを、二官能性化合物(例えば、エピクロロヒドリンなどのエピハロヒドリン、2−ハロ酸ハロゲン化物、トリメチルヘキサンジイソシアネートなどのイソシアネート若しくはジイソシアネート、又は無水マレイン酸若しくは無水フタル酸などの環状カルボン酸無水物)とさらに反応させることにより、達成することができる。例えば、アルコキシル化PEIとイソシアネートとの反応によって、以下のものが得られる:
【化17】
式中、R>C2。
【0269】
アルコキシル化PEIと無水アルク(エン)イルコハク酸との反応生成物により、以下のものが得られる:
【化18】
式中、R>C2。
【0270】
本明細書に開示するこれらのHMPは全て、任意選択で、必要に応じ水溶性を賦与するために、EOなどの親水基でキャッピングすることができる。
【0271】
一部の実施形態では、全非修飾ポリアミンポリマー上のアミン基の約0.5%〜約90%を疎水基で置換してもよく、あるいは全非修飾ポリアミンポリマーのアミン基の約0.5%〜約80%、あるいは約0.5%〜約70%、あるいは約0.5%〜約60%、あるいは約0.5%〜約50%、あるいは約0.5%〜約40%、あるいは約0.5%〜約35%、あるいは約0.5%〜約30%、あるいは約1%〜約30%、あるいは約1%〜約25%、あるいは約1%〜約20%、あるいは約5%〜約20%、あるいは約10%〜約30%、あるいは約20%〜約30%、あるいは約20%を疎水基で置換してもよい。アミン単位の置換のレベルは、全ての第1級、第2級、及び/又は第3級アミン単位が置換されている理論最大の0.01モルパーセントという低いものであってもよい。本発明で使用するHMPは、約150〜約2*106、あるいは約400〜約106、あるいは約5000〜約106のMWを有し得る。本発明での使用に好適な悪臭抑制ポリマーは、水溶性又は分散性である。一部の実施形態では、ポリアミン鎖の第1級、第2級、及び/又は第3級アミンは、所望の水溶性を維持しながら、部分的に置換されて、疎水性を付与する。HMPの最小溶解性指数は、約2%(すなわち、2g/100mlの水)であってよい。水性生地リフレッシュナ製剤に好適なHMPは、約0.5%〜100%超、あるいは約5%超、あるいは約10%超、あるいは約20%超の水溶性パーセンテージを有し得る。水溶性指数は、国際公開第2012/097034号パンフレットの13ページの水溶性(Water Solubility)テストによって決定することができる。
【0272】
揮発性アルデヒド
悪臭抑制組成物は、化学反応を介して気相及び/又は液相中の悪臭を中和する揮発性アルデヒドを含む。部分的に揮発性のアルデヒドは、本発明で用いられる場合、揮発性アルデヒドとみなされることもある。揮発性アルデヒドは、シッフ塩基(Schiff−base)形成の経路に従って、アミンベースの臭気と反応し得る。揮発性アルデヒドはまた、イオウベースの臭気とも反応して、気相及び/若しくは液相中にチオールアセタール、ヘミチオールアセタール、及びチオールエステルを形成し得る。これらの気相及び/若しくは液相揮発性アルデヒドは、製品の所望される芳香特性にほとんどマイナスの影響を及ぼさないことが望ましい。
【0273】
好適な揮発性アルデヒドは、25℃で測定して、約0.0001torr〜100torr、あるいは約0.0001torr〜約10torr、あるいは約0.001torr〜約50torr、あるいは約0.001torr〜約20torr、あるいは約0.001torr〜約0.100torr、あるいは約0.001torr〜0.06torr、あるいは約0.001torr〜0.03torr、あるいは約0.005torr〜約20torr、あるいは約0.01torr〜約20torr、あるいは約0.01torr〜約15torr、あるいは約0.01torr〜約10torr、あるいは約0.05torr〜約10torrを有し得る。揮発性アルデヒドはまた、特定の沸点(B.P.)及びオクタノール/水分配係数(P)を有し得る。本明細書で言及するB.P.は、760mmHgの通常の標準圧力下で測定される。標準760mmHgでの多くの揮発性アルデヒドのB.P.は、例えば、Steffen Arctander,1969により記述及び公開された“Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals)”に記載されている。
【0274】
揮発性アルデヒドのオクタノール/水分配係数は、オクタノール及び水中のその平衡濃度間の比である。悪臭抑制組成物に使用される揮発性アルデヒドの分配係数は、便宜上、底(base)10に対するその対数、logPの形態で賦与することができる。様々な揮発性アルデヒドのlogP値が報告されている。例えば、Daylight Chemical Information Systems,Inc.(Daylight CIS),Irvine,Californiaから入手可能なPomona92データベースを参照されたい。しかし、logP値は、やはりDaylight CISから入手可能な「GLOGP」プログラムにより計算するのが最も好都合である。このプログラムはまた、Promona92データベースにおいて入手可能であれば、実験logP値も掲載する。「logP計算値」(ClogP)は、Hansch及びLeoのフラグメント手法により求められる(A.Leo,in Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4,C.Hansch,P.G.Sammens,J.B.Taylor and C.A.Ramsden,Eds.,p.295,Pergamon Press,1990を参照のこと)。フラグメント手法は、各揮発性アルデヒドの化学構造に基づいており、原子の数及び種類、原子結合性、並びに化学結合を考慮に入れる。ClogP値は、この物理化学的特性について最も信頼性が高く、しかも広く使用されている推定値であり、悪臭抑制組成物のための揮発性アルデヒドの選択において、実験logP値の代わりに使用するのが好ましい。
【0275】
ClogP値は、4つの群により区分することもでき、これらの群の1つ又は複数から揮発性アルデヒドを選択することができる。第1群は、約250℃以下のB.P.及び約3以下のClogPを有する揮発性アルデヒドを含む。第2群は、250℃以下のB.P.及び3.0以上のClogPを有する揮発性アルデヒドを含む。第3群は、250℃以上のB.P.及び3.0以下のClogPを有する揮発性アルデヒドを含む。第4群は、250℃以上のB.P.及び3.0以上のClogPを有する揮発性アルデヒドを含む。臭気抑制組成物は、1つ又は複数のClogP群からの揮発性アルデヒドの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0276】
一部の実施形態では、悪臭抑制成分は、悪臭抑制成分の重量に対して、約0%〜約30%、あるいは約25%の群1からの揮発性アルデヒド;及び/又は約0%〜約10%、あるいは約10%の群2からの揮発性アルデヒド;及び/又は約10%〜約30%、あるいは約30%の群3からの揮発性アルデヒド;及び/又は約35%〜約60%、あるいは約35%の群4の揮発性アルデヒドを含み得る。
【0277】
清浄化組成物に配合することができる揮発性アルデヒドの量は、清浄化組成物の重量に対して、約0.015%〜約1%、あるいは約0.01%〜約0.5%、あるいは約0.015%〜約0.3%であってよい。
【0278】
悪臭抑制成分に使用することができる揮発性アルデヒドの例として、これらに限定されないが、以下のものが挙げられる:アドキサール(Adoxal)(2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール)、ブルゲオナール(Bourgeonal)(4−t−ブチルベンゼンプロピオナールアルデヒド)、リレストラリス(Lilestralis)33(2−メチル−4−t−ブチルフェニル)プロパナール)、経皮アルデヒド、シンナムアルデヒド(フェニルプロペナール、3−フェニル−2−プロペナール)、シトラール、ゲラニアール、ネラール(ジメチルオクタジエナール、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−l−アール)、シクラルC(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−l−カルバルデヒド)、フロルヒドラール(Florhydral)(3−(3−イソプロピル−フェニル)−ブチルアルデヒド)、シトロネラール(Citronellal)(3,7−ジメチル6−オクテナール)、シマール(Cymal)、シクラメンアルデヒド、シクロサール(Cyclosal)、ライム(Lime)アルデヒド(α−メチル−p−イソプロピルフェニルプロピルアルデヒド)、メチルノニルアセトアルデヒド、アルデヒドC12 MNA(2−メチル−l−ウンデカナール)、ヒドロキシシトロネラール(Hydroxycitronellal)、シトロネラール水和物(7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタン−l−al)、ヘリオナール(Helional)(α−メチル−3,4−(メチレンジオキシ)−ヒドロシンナムアルデヒド、ヒドロシンナムアルデヒド(3−フェニルプロパナール、3−フェニルプロピオンアルデヒド)、イントレレベン(Intreleven)アルデヒド(ウンデク−10−エン−l−al)、リグストラール(Ligustral)、トリバータール(Trivertal)(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−l−カルボキサルデヒド)、ジャスモレンジ(Jasmorange)、サチンアルデヒド(2−メチル−3−トリルプロピオンアルデヒド、4−ジメチルベンゼンプロパナール)、リラール(Lyral)(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−l−カルボキサルデヒド)、メロナール(Melonal)(2,6−ジメチル−5−ヘプテナール)、メトキシメロナール(6−メトキシ−2,6−ジメチルヘプタナール)、メトキシシンナムアルデヒド(トランス−4−メトキシシンナムアルデヒド)、ミラック(Myrac)アルデヒドイソヘキセニルシクロヘキセニル−カルボキサルデヒド、トリファーナル(trifernal)(3−メチル−4−フェニルプロパナール、3−フェニルブタナール)、リリアール、P.T.ブシナール(Bucinal)、リスメラール、ベンゼンプロパナール(4−tert−ブチル−α−メチル−ヒドロシンナムアルデヒド)、デュピカール(Dupical)、トリシクロデシリデンブタナール(4−トリシクロ5210−2,6デシリデン−8ブタナール)、メラフレール(Melafleur)(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフタアルデヒド)、メチルオクチルアセトアルデヒド、アルデヒドC−l l MOA(2−メチルデカ−l−アール)、オニシダール(Onicidal)(2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエン−l−アール)、シトロネリル(Citronellyl)オキシアセトアルデヒド、ミュゲ(Muguet)アルデヒド50(3,7−ジメチル−6−オクテニル)オキシアセトアルデヒド)、フェニルアセトアルデヒド、メフラナール(Mefranal)(3−メチル−5−フェニルペンタナール)、トリプラール(Triplal)、ベルトシトラール(Vertocitral)ジメチルテトラヒドロベンゼンアルデヒド(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−l−カルボキサルデヒド)、2−フェニルプロプリオンアルデヒド、ヒドロトロープアルデヒド(Hydrotropaldehyde)、カントキサール(Canthoxal)、アニシルプロパナール4−メトキシ−α−メチルベンゼンプロパナール(2−アニシリデンプロパナール)、シルセモン(Cylcemone)A(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−8,8−ジメチル−2−ナフタアルデヒド)、及びプレシルセモン(Precylcemone)B(1−シクロヘキセン−l−カルボキサルデヒド)。
【0279】
さらに別のアルデヒドの例として、これらに限定されないが、以下のものが挙げられる:アセトアルデヒド(エタナール)、ペンタナール、バレルアルデヒド、アミルアルデヒド、センテナール(Scentenal)(オクタヒドロ−5−メトキシ−4,7−メタノ−lH−インデン−2−カルボキサルデヒド)、プロピオンアルデヒド(プロパナール)、シクロシトラール(Cyclocitral)、β−シクロシトラール、(2,6,6−トリメチル−l−シクロヘキセン−l−アセトアルデヒド)、イソシクロシトラール(2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−l−カルボキサルデヒド)、イソブチルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド(3−メチルブチルアルデヒド)、メチルブチルアルデヒド(2−メチルブチルアルデヒド、2−メチルブタナール)、ジヒドロシトロネラール(3,7−ジメチルオクタン−l−アール)、2−エチルブチルアルデヒド、3−メチル−2−ブテナール、2−メチルペンタナール、2−メチルバレルアルデヒド、ヘキセナール(Hexenal)(2−ヘキセナール、トランス−2−ヘキセナール)、ヘプタナール(Heptanal)、オクタナール(Octanal)、ノナナール(Nonanal)、デカナール(Decanal)、ローリー(Laurie)アルデヒド、トリデカナール(Tridecanal)、2−ドデカナール、メチルチオブタナール(Methylthiobutanal)、グルタルアルデヒド(Glutaraldehyde)、ペンタンジアール(Pentanedial)、グルタルアルデヒド、ヘプテナール(Heptenal)、シス又はトランス−ヘプテナール、ウンデセナール(Undecenal)(2−、10−)、2,4−オクタジエナール、ノネナール(Nonenal)(2−、6−)、デセナール(Decenal)(2−、4−)、2,4−ヘキサジエナール、2,4−デカジエナール、2,6−ノナジエナール、オクテナール(Octenal)、2,6−ジメチル5−ヘプテナール、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、トリファーナル(Trifernal)、βメチルベンゼンプロパナール、2,6,6−トリメチル−l−シクロヘキセン−l−アセトアルデヒド、フェニルブテナール(2−フェニル2−ブテナール)、2.メチル−3(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド、3−(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド、p−トリルアセトアルデヒド(4−メチルフェニルアセトアルデヒド)、アニスアルデヒド(p−メトキシベンゼンアルデヒド)、ベンズアルデヒド、ベルンアルデヒド(Vernaldehyde)(l−メチル−4−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルバルデヒド)、ヘリオトロピン(Heliotropin)(ピペロナール)3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、α−アミルケイ皮アルデヒド、2−ペンチル−3−フェニルプロペンアルデヒド、バニリン(Vanillin)(4−メトキシ3−ヒドロキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3−エトキシ4−ヒドロキシベンズアルデヒド)、ヘキシルケイ皮アルデヒド、ジャスモナール(Jasmonal)H(α−n−ヘキシル−シンナムアルデヒド)、フロラロゾン(Floralozone)(α,α−ジメチル−p−エチルフェニルプロパナール)、アカレア(Acalea)(p−メチル−α−ペンチルシンナムアルデヒド)、メチルシンナムアルデヒド、α−メチルシンナムアルデヒド(2−メチル3−フェニルプロペナール)、α−ヘキシルシンナムアルデヒド(2−ヘキシル3−フェニルプロペナール)、サリチルアルデヒド(2−ヒドロキシベンズアルデヒド)、4−エチルベンズアルデヒド、クミンアルデヒド(4−イソプロピルベンズアルデヒド)、エトキシベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、ベラトルムアルデヒド(Veratraldehyde)(3,4−ジメトキシベンズアルデヒド)、シリンガアルデヒド(Syringaldehyde)(3,5−ジメトキシ4−ヒドロキシベンズアルデヒド)、カテックアルデヒド(Catechaldehyde)(3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド)、サフラナール(Safranal)(2,6,6−トリメチル−l,3−ジエンメタナール)、ミルテナール(Myrtenal)(ピン−2−エン−l−カルバルデヒド)、ペリルアルデヒド(Perillaldehyde)L−4(l−メチルエテニル)−l−シクロヘキセン−l−カルボキサルデヒド)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキサルデヒド、2−メチル−2−ペンテナール、2−メチルペンテナール、ピルバルデヒド、ホルミルトリシクロデカン、マンダリンアルデヒド、シクレマクス(Cyclemax)、ピノ(Pino)アセタールアルデヒド、コルプスアイリス(Corps Iris)、マセアール(Maceal)、及びコルプス(Corps)4322。
【0280】
一実施形態では、悪臭抑制成分は、2−エトキシベンジルアルデヒド、2−イソプロピル−5−メチル−2−ヘキセナール、5−メチルフルフラール、5−メチル−チオフェン−カルボキサルデヒド、アドキサール(Adoxal)、p−アニスアルデヒド、ベンジルアルデヒド、ブルゲナール(Bourgenal)、ケイ皮アルデヒド、シマール(Cymal)、デシルアルデヒド、フローラルスーパー(Floral super)(4,8−ジメチルデカ−4,9−ジエナール)、フロルヒドラール(Florhydral)、ヘリオナール(Helional)、ローリー(Laurie)アルデヒド、リグストラール(Ligustral)、リラール(Lyral)、メロナール(Melonal)、o−アニスアルデヒド、ピノ(Pino)アセトアルデヒド、P.T.ブシナール(Bucinal)、チオフェン(Thiophene)カルボキサルデヒド、トランス−4−デセナール、トランストランス2,4−ノナジエナール、ウンデシルアルデヒド、及びこれらの混合物からなる群から選択される2種以上の揮発性アルデヒドの混合物を含む。
【0281】
界面活性剤
洗剤組成物は、1種又は複数の界面活性剤を含んでもよく、これは、アニオン及び/又はノニオン及び/又は半極性及び/又は双性イオン、又はその混合物であってよい。特定の実施形態では、洗剤組成物は、1種又は複数のノニオン界面活性剤又は1種又は複数のアニオン界面活性剤を含む。界面活性剤は、典型的に、約0.1重量%〜60重量%、例えば、約1重量%〜40重量%、又は約3重量%〜20重量%、又は約3重量%〜約10重量%などのレベルで存在する。界面活性剤は、目的の洗浄用途に応じて選択され、これは、当技術分野において公知の任意の既存の界面活性剤を含み得る。
【0282】
含有している場合、洗剤は、通常、約1重量%〜約40重量%のアニオン界面活性剤、例えば、約5重量%〜約30重量%、例えば約5重量%〜約15重量%、約15重量%〜約20重量%、又は約20重量%〜約25重量%などのアニオン界面活性剤を含有する。アニオン界面活性剤の非制限的例として、硫酸塩及びスルホン酸塩、特に、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、LASの異性体、分岐アルキルベンゼンスルホン酸塩(BABS)、フェニルアルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、オレフィンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、アルカン−2,3−ジイルビス(硫酸塩)、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩及びジスルホン酸塩、アルキル硫酸塩(AS)、例えばドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、脂肪アルコール硫酸塩(FAS)、第一級アルコール硫酸塩(PAS)、アルコールエーテル硫酸塩(AES若しくはAEOS若しくはFES、アルコールエトキシ硫酸塩又は脂肪アルコールエーテル硫酸塩としても知られる)、第二級アルカンスルホン酸塩(SAS)、パラフィンスルホン酸塩(PS)、エステルスルホン酸塩、スルホン化脂肪酸グリセロールエステル、α−スルホ脂肪酸メチルエステル(α−SFMe若しくはSES)、メチルエステルスルホン酸塩(MES)、アルキル−若しくはアルケニルコハク酸、ドデセニル/テトラデセニルコハク酸(DTSA)、アミノ酸の脂肪酸誘導体、スルホ−コハク酸のジエステル及びモノエステル又は脂肪酸の塩(石鹸)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0283】
含有している場合、洗剤は、通常、約0.2重量%〜約40重量%、例えば、約0.5重量%〜30重量%、とりわけ、約1重量%〜約20重量%、約3重量%〜約10重量%、例えば、約3重量%〜約5重量%、約8重量%〜約12重量%、又は約10重量%〜約12重量%のノニオン界面活性剤を含有する。ノニオン界面活性剤の非制限的例として、アルコールエトキシレート(AE若しくはAEO)、アルコールプロキシレート、プロポキシル化脂肪アルコール(PFA)、エトキシル化及び/又はプロポキシル化脂肪酸アルキルエステルなどのアルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、アルキルフェノールエトキシレート(APE)、ノニルフェノールエトキシレート(NPE)、アルキルポリグリコシド(APG)、アルコキシル化アミン、脂肪酸モノエタノールアミド(FAM)、脂肪酸ジエタノールアミド(FADA)、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(EFAM)、プロポキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(PFAM)、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、グルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(グルカミド、GA、又は脂肪酸グルカミド、FAGA)、並びに商品名SPAN及びTWEENで市販されている製品、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0284】
含まれる場合、洗剤は、通常、約0重量%〜約40重量%の半極性界面活性剤を含有するであろう。半極性界面活性剤の非限定的な例としては、アルキルジメチルアミンオキシド、N−(ココアルキル)−N,N−ジメチルアミンオキシド及びN−(獣脂−アルキル)−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、並びにこれらの組み合わせなどのアミンオキシド(AO)が挙げられる。
【0285】
含まれる場合、洗剤は、通常、約0重量%〜約40重量%の双性イオン界面活性剤を含有するであろう。双性イオン界面活性剤の非限定的な例としては、アルキルジメチルベタイン、スルホベタイン、及びこれらの組み合わせなどのベタインが挙げられる。
【0286】
ヒドロトロープ
ヒドロトロープは、疎水性化合物を水溶液(又は、反対に、極性物質を非極性環境)中に可溶化させる化合物である。典型的には、ヒドロトロープは、親水特性及び疎水特性の両方を有する(界面活性剤から知られるように、いわゆる両親媒性特性)が;ヒドロトロープの分子構造は、一般に、自発的な自己凝集を好まない(例えば、Hodgdon and Kaler(2007),Current Opinion in Colloid&Interface Science 12:121−128による概説を参照のこと)。ヒドロトロープは、ミセル相、層状相又は他の明確なメソ相を形成する界面活性剤及び脂質について見出されるような、それを超えると自己凝集が起こる限界濃度を示さない。代わりに、多くのヒドロトロープは、凝集物の大きさが濃度の増加に伴って増大する連続タイプの凝集プロセスを示す。しかし、多くのヒドロトロープは、水、油、界面活性剤及びポリマーの混合物を含む、極性及び非極性特性の物質を含有する系の相挙動、安定性及びコロイド特性を改変させる。ヒドロトロープは、伝統的に、製薬、パーソナルケア、食品から技術的用途まで多種多様な産業で用いられている。洗剤組成物にヒドロトロープを使用することによって、相分離又は高粘度などの望ましくない現象を誘起することなく、例えば、界面活性剤のより濃縮された配合物(水を排除することにより液体洗剤をコンパクトにする工程と同様に)が可能となる。
【0287】
洗剤は、0〜10重量%、例えば、約0.5〜約5%、又は約3%〜約5%といった0〜5重量%のヒドロトロープを含有してよい。洗剤での使用について当技術分野において公知であるいずれかのヒドロトロープが利用され得る。ヒドロトロープの非限定的な例としては、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム(STS)、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)、クメンスルホン酸ナトリウム(SCS)、シメンスルホン酸ナトリウム、アミンオキシド、アルコール及びポリグリコールエーテル、ナトリウムヒドロキシナフトエート、ヒドロキシナフタレンスルホン酸ナトリウム、エチルヘキシル硫酸ナトリウム、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0288】
ビルダー及び補助ビルダー
洗剤組成物は、約0重量%〜約65重量%、例えば、約5重量%〜約50重量%の洗剤ビルダー若しくは補助ビルダー、又はそれらの混合物を含有してもよい。ビルダー及び/又は補助ビルダーは、とりわけ、Ca及びMgと水溶性錯体を形成するキレート剤であってよい。洗剤での使用のために当技術分野で公知の任意のビルダー及び/又は補助ビルダーを使用してよい。ビルダーの非制限的例としては、ゼオライト、二リン酸塩(ピロリン酸塩)、三リン酸ナトリウム(STP若しくはSTPP)などの三リン酸塩、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、メタケイ酸ナトリウム、層状ケイ酸塩(例えば、Hoechst製のSKS−6)などの溶性ケイ酸塩、2−アミノエタン−1−オール(MEA)、ジエタノールアミン(DEA、別名:2,2’−イミノジエタノール−1−オール)、トリエタノールアミン(TEA、別名:2,2’,2’’−ニトリロトリエタノール−1−オール)などのエタノールアミン、及び(カルボキシメチル)イヌリン(CMI)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0289】
洗剤組成物はまた、約0重量%〜約50重量%、例えば、約5重量%〜約30重量%の洗剤補助ビルダーを含有してもよい。洗剤組成物は、補助ビルダーのみ、又は例えばゼオライトビルダーなどのビルダーと組み合わせて補助ビルダーを含んでもよい。補助ビルダーの非制限的例として、ポリ(アクリル酸)(PAA)又はコポリ(アクリル酸/マレイン酸)(PAA/PMA)などのポリアクリル酸塩のホモポリマー又はそのコポリマーが挙げられる。さらなる非制限的例として、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、アミノポリカルボン酸塩及びリン酸塩などのキレート剤、並びにアルキル−又はアルケニルコハク酸が挙げられる。さらに別の具体的例として、2,2’,2’’−ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、イミノジコハク酸(IDS)、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(EDDS)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸−N,N’−二酢酸(GLDA)、1−ヒドロキシエタン−1,1−二リン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンリン酸)(EDTMPA)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンリン酸)(DTMPA又はDTPMPA)、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(EDG)、アスパラギン酸−N−モノ酢酸(ASMA)、アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸−N−モノプロピオン酸(ASMP)、イミノコハク酸(IDA)、N−(2−スルホメチル)−アスパラギン酸(SMAS)、N−(2−スルホエチル)−アスパラギン酸(SEAS)、N−(2−スルホメチル)−グルタミン酸(SMGL)、N−(2−スルホエチル)−グルタミン酸(SEGL)、N−メチルイミノ二酢酸(MIDA)、α−アラニン−N,N−二酢酸(α−ALDA)、セリン−N,N−二酢酸(SEDA)、イソセリン−N,N−二酢酸(ISDA)、フェニルアラニン−N,N−二酢酸(PHDA)、アントラニル酸−N,N−二酢酸(ANDA)、スルファニル酸−N,N−二酢酸(SLDA)、タウリン−N,N−二酢酸(TUDA)、及びスルホメチル−N,N−二酢酸(SMDA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’’−三酢酸(HEDTA)、ジエタノールグリシン(DEG)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンリン酸)(DTPMP)、アミノトリス(メチレンリン酸)(ATMP)、並びにこれらの組み合わせ及び塩が挙げられる。さらなるビルダー及び/又は補助ビルダーの例は、例えば、国際公開第09/102854号パンフレット、米国特許第5977053号明細書に記載されている。
【0290】
漂白系
洗剤は、0〜30重量%、例えば、約1%〜約20%などの漂白系を含有してもよい。洗剤に用いられる、当技術分野で公知のいずれの漂白系を使用してもよい。好適な漂白系成分としては、漂白触媒、光漂白剤、漂白活性化剤、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム及び過酸化水素−尿素(1:1)などの過酸化水素の供給源、事前に形成した過酸、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な事前に形成した過酸としては、これらに限定されないが、ペルオキシカルボン酸及び塩、ジペルオキシジカルボン酸、過イミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、例えば、Oxone(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。漂白系の非限定的な例としては、ペルオキシド系漂白系が挙げられ、これは、例えば、過ホウ酸(通常は一水和物又は四水和物)、過炭酸、過硫酸、過リン酸、過ケイ酸のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む無機塩を、過酸−形成性漂白活性化剤と組み合わせて含み得る。本明細書において漂白活性化剤という用語は、過酸化水素と反応して、過加水分解(perhydrolysis)により、過酸を形成する化合物を意味する。このようにして形成された過酸は、活性化された漂白剤を構成する。本明細書で用いるのに好適な漂白活性化剤としては、エステル、アミド、イミド又は無水物のクラスに属するものが挙げられる。好適な例は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ナトリウム4−[(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)オキシ]ベンゼン−1−スルホン酸塩(ISONOBS)、4−(ドデカノイルオキシ)ベンゼン−1−スルホン酸塩(LOBS)、4−(デカノイルオキシ)ベンゼン−1−スルホン酸塩、4−(デカノイルオキシ)安息香酸塩(DOBS若しくはDOBA)、4−(ノナノイルオキシ)ベンゼン−1−スルホン酸塩(NOBS)、及び/又は国際公開第98/17767号パンフレットに開示されているものである。対象の漂白活性化剤の特定のファミリーが欧州特許第624154号明細書に開示されており、そのファミリーにおいて、クエン酸アセチルトリエチル(ATC)が特に好ましい。ATC又は短鎖トリグリセリド様トリアセチンは、環境にやさしいという利点を有する。さらに、クエン酸アセチルトリエチル及びトリアセチンは、貯蔵に際して生成物の良好な加水分解安定性を有しており、これは効果的な漂白活性化剤である。最後に、ATCは、過加水分解反応中に放出されたクエン酸塩がビルダーとして機能し得るため、多機能性である。あるいは、漂白系は、例えば、アミド、イミド、又はスルホンタイプの過酸を含んでもよい。漂白系はまた、6−(フタルイミド)ペルオキシヘキサン酸(PAP)などの過酸を含んでもよい。漂白系はまた、漂白触媒を含んでいてもよい。一部の実施形態において、漂白剤成分は、以下の式を有する有機触媒:
【化19】
(iii)及びこれらの混合物
(式中、各R1は、独立して、9〜24個の炭素を含有する分岐アルキル基又は11〜24個の炭素を含有する直鎖アルキル基であり、好ましくは、各R1は、独立して、9〜18個の炭素を含有する分岐アルキル基又は11〜18個の炭素を含有する直鎖アルキル基であり、より好ましくは、各R1は、独立して、2−プロピルヘプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イソノニル、イソデシル、イソトリデシル及びイソペンタデシルからなる群から選択される)
からなる群から選択される有機触媒であってもよい。他の例示的な漂白系は、例えば、国際公開第2007/087258号パンフレット、国際公開第2007/087244号パンフレット、国際公開第2007/087259号パンフレット、欧州特許第1867708号明細書(ビタミンK)、及び国際公開第2007/087242号パンフレットに記載されている。好適な光漂白剤は、例えばスルホン化亜鉛又はアルミニウムフタロシアニンであってよい。
【0291】
漂白成分は、漂白触媒、特に、有機漂白触媒以外に、過酸の供給源を含むのが好ましい。過酸の供給源は、(a)事前形成された過酸;(b)好ましくは漂白活性化剤と組み合わせた、過炭酸、過ホウ酸又は過硫酸塩(過酸化水素の供給源);並びに(c)ペルヒドロラーゼ酵素、及び生地処理ステップ中に水の存在下、in situで過酸を形成するためのエステルから選択してよい。
【0292】
ポリマー
洗剤は、0〜10重量%、例えば、0.5〜5%、2〜5%、0.5〜2%又は0.2〜1%のポリマーを含有してもよい。洗剤で用いるのに当技術分野において公知の任意のポリマーを使用してよい。ポリマーは、前述した補助ビルダーとして機能するものでもよいし、あるいは、再付着防止、繊維保護、汚れ放出、移染防止、油脂洗浄及び/又は消泡性を付与するものであってもよい。一部のポリマーは、前述した特性の2つ以上及び/又は以下に挙げるモチーフの2つ以上を有し得る。例示的ポリマーとして、(カルボキシメチル)セルロース(CMC)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)又はポリ(エチレンオキシド)(PEG)、エトキシル化ポリ(エチレンイミン)、カルボキシメチルイヌリン(CMI)、及びPAA、PAA/PMA、ポリアスパラギン酸及びメタクリル酸ラウリル/アクリル酸コポリマーなどのポリカルボン酸塩、疎水的に改変されたCMC(HM−CMC)及びシリコーン、テレフタル酸とオリゴマーグリコールのコポリマー、ポリ(エチレンテレフタレート)とポリ(オキシエチレンテレフタレート)のコポリマー(PET−POET)、PVP、ポリ(ビニルイミダゾール)(PVI)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)(PVPO若しくはPVPNO)及びポリビニルピロリドン−ビニルイミダゾール(PVPVI)が挙げられる。さらなるポリマーの例としては、スルホン化ポリカルボン酸塩、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシド(PEO−PPO)並びにジクオタニウムエトキシ硫酸塩が挙げられる。その他のポリマー例は、例えば、国際公開第2006/130575号パンフレットに開示されている。また、上に挙げたポリマーの塩も考慮される。
【0293】
布地色調剤
本発明の洗剤組成物は、染料又は顔料などの布地色調剤を含んでもよく、これが洗剤組成物に配合される場合、前記洗剤組成物を含む洗浄液と前記布地が接触すると、前記色調剤は、布地上に沈積することができ、これによって、可視光の吸収/反射による前記布地の色合いを改変する。蛍光増白剤は、少なくとも一部の可視光を放射する。対照的に、布地色調剤は、可視光スペクトルの少なくとも一部を吸収して、表面の色合いを改変する。好適な布地色調剤としては、染料及び染料−粘度コンジュゲートがあり、顔料を含んでもよい。好適な染料としては、小分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な小分子染料としては、例えば、国際公開第2005/03274号パンフレット、国際公開第2005/03275号パンフレット、国際公開第2005/03276号パンフレット及び欧州特許第1876226号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、ダイレクトブルー(Direct Blue)、ダイレクトレッド(Direct Red)、ダイレクトバイオレット(Direct Violet)、アシッドブルー(Acid Blue)、アシッドレッド(Acid Red)、アシッドバイオレット(Acid Violet)、ベーシックブルー(Basic Blue)、ベーシックバイオレット(Basic Violet)及びベーシックレッド(Basic Red)のカラーインデックス(C.I.)分類に属する染料から選択される小分子染料、又はそれらの混合物が挙げられる。洗剤組成物は、好ましくは、約0.00003重量%〜約0.2重量%、約0.00008重量%〜約0.05重量%、又は約0.0001重量%〜約0.04重量%の布地色調剤を含む。本組成物は、0.0001重量%〜約0.2重量%の布地色調剤を含んでよく、これは、組成物が、単位用量パウチの形態である場合、特に好ましいであろう。好適な色調剤については、国際公開第2007/087257号パンフレット及び国際公開第2007/087243号パンフレットにも開示されている。
【0294】
酵素
洗剤添加剤、並びに洗剤組成物は、例えばラッカーゼ、及び/又はペルオキシダーゼといった、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼなどの1種又は複数種の追加の酵素を含み得る。
【0295】
一般に、選択される酵素の特性は、選択される洗剤と適合性(すなわち、最適pH、他の酵素及び非酵素成分などと適合性)であるべきであり、酵素は、有効量で存在すべきである。
【0296】
セルラーゼ:
好適なセルラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものがある。化学的に改変されているか、又はタンパク質が操作された突然変異型も含まれる。好適なセルラーゼとしては、バチルス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、フミコラ(Humicola)、フサリウム(Fusarium)、チエラビア(Thielavia)、アクレモニウム(Acremonium)属からのセルラーゼが挙げられ、例えば、米国特許第4,435,307号明細書、米国特許第5,648,263号明細書、米国特許第5,691,178号明細書、米国特許第5,776,757号明細書、及び国際公開第89/09259号パンフレットに開示されているフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)及びフサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)から産生される真菌セルラーゼがある。
【0297】
特に好適なセルラーゼは、色彩ケア利益を有するアルカリ性又は中性セルラーゼである。このようなセルラーゼの例は、欧州特許第0 495 257号明細書、欧州特許第0 531 372号明細書、国際公開第96/11262号パンフレット、国際公開第96/29397号パンフレット、国際公開第98/08940号パンフレットに記載されているセルラーゼである。他の例は、国際公開第94/07998号パンフレット、欧州特許第0 531 315号明細書、米国特許第5,457,046号明細書、米国特許第5,686,593号明細書、米国特許第5,763,254号明細書、国際公開第95/24471号パンフレット、国際公開第98/12307号パンフレット、及び国際公開第99/001544号パンフレットに記載されているものなどのセルラーゼ変異型である。
【0298】
他のセルラーゼは、国際公開第2002/099091号パンフレットの配列番号2の1位から773位のアミノ酸配列と少なくとも97%同一性の配列を有するエンド−β−1,4−グルカナーゼ酵素、又はファミリー44キシログルカナーゼであり、このキシログルカナーゼ酵素は、国際公開第2001/062903号パンフレットの配列番号2の40〜559位と少なくとも60%同一性の配列を有する。
【0299】
市販されているセルラーゼとしては、以下のものが挙げられる:Celluzyme(商標)、及びCarezyme(商標)(Novozymes A/S)、Carezyme Premium(商標)(Novozymes A/S)、Celluclean(商標)(Novozymes A/S)、Celluclean Classic(商標)(Novozymes A/S)、Cellusoft(商標)(Novozymes A/S)、Whitezyme(商標)(Novozymes A/S)、Clazinase(商標)、及びPuradax HA(商標)(Genencor International Inc.)、及びKAC−500(B)(商標)(花王(Kao))。
【0300】
プロテアーゼ:
好適なプロテアーゼとしては、細菌、真菌、植物、ウイルス又は動物起源、例えば、植物若しくは細菌起源のものがある。細菌起源が好ましい。化学的に改変されているか、又はタンパク質が操作された突然変異型も含まれる。これは、セリンプロテアーゼ又はメタロプロテアーゼなどのアルカリプロテアーゼであってもよい。セリンプロテアーゼは、例えば、トリプシンなどのS1ファミリー、又はサブチリシンなどのS8ファミリーのものであってもよい。メタロプロテアーゼプロテアーゼは、例えば、ファミリーM4由来のサーモリシン、又はM5、M7若しくはM8ファミリー由来のものなどの他のメタロプロテアーゼであってもよい。
【0301】
用語「サブチラーゼ」は、Siezen et al.,Protein Engng.4(1991)719−737及びSiezen et al.Protein Science 6(1997)501−523によれば、セリンプロテアーゼの亜群を指す。セリンプロテアーゼは、基質と共有結合付加物を形成する、活性部位にセリンを有することを特徴とするプロテアーゼの亜群である。サブチラーゼは、6つの部分群、すなわち、サブチリシンファミリー、テルミターゼファミリー、プロテイナーゼKファミリー、ランチビオティックなペプチダーゼファミリー、ケキシンファミリー、及びピロリシンファミリーにさらに分類することができる。
【0302】
サブチラーゼの例は、米国特許第7262042号明細書及び国際公開第09/021867号パンフレットに記載されているバチルス・レンツス(Bacillus lentus)、バチルス・アルカロフィルス(B.alkalophilus)、枯草菌(B.subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)及びバチルス・ギブソニイ(Bacillus gibsonii)、並びに国際公開第89/06279に記載のサブチリシン・レンツス(subtilisin lentus)、サブチリシン・ノボ(subtilisin Novo)、サブチリシン・カールズベルグ(subtilisin Carlsberg)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、サブチリシン(subtilisin)BPN’、サブチリシン(subtilisin)309、サブチリシン(subtilisin)147及びサブチリシン(subtilisin)168並びに(国際公開第93/18140号パンフレット)に記載のプロテアーゼPD138などのバチルス属(Bacillus)から得られるものである。その他の有用なプロテアーゼは、国際公開第92/175177号パンフレット、国際公開第01/016285号パンフレット、国際公開第02/026024号パンフレット、及び国際公開第02/016547号パンフレットに記載のものであってよい。トリプシン様プロテアーゼの例は、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ由来)及び国際公開第89/06270号パンフレット、国際公開第94/25583号パンフレット及び国際公開第05/040372号パンフレットに記載のフサリウム(Fusarium)プロテアーゼ、並びに国際公開第05/052161号パンフレット及び国際公開第05/052146号パンフレットに記載のセルモナス(Cellumonas)から得られるキモトリプシンプロテアーゼである。
【0303】
別の好ましいプロテアーゼは、例えば、国際公開第95/23221号パンフレットに記載されているようなバチルス・レンツス(Bacillus lentus)DSM5483由来のアルカリプロテアーゼ、並びに、国際公開第92/21760号パンフレット、国際公開第95/23221号パンフレット、欧州特許第1921147号明細書及び欧州特許第1921148号明細書に記載されているその変異型である。
【0304】
メタロプロテアーゼの例は、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)から得られるものなど、国際公開第07/044993号パンフレットに記載のような中性メタロプロテアーゼ(Genencor Int.)である。
【0305】
有用なプロテアーゼの例は、国際公開第92/19729号パンフレット、国際公開第96/034946号パンフレット、国際公開第98/20115号パンフレット、国際公開第98/20116号パンフレット、国際公開第99/011768号パンフレット、国際公開第01/44452号パンフレット、国際公開第03/006602号パンフレット、国際公開第04/03186号パンフレット、国際公開第04/041979号パンフレット、国際公開第07/006305号パンフレット、国際公開第11/036263号パンフレット、国際公開第11/036264号パンフレットに記載の変異型であり、特に、次の位置の1つ又は複数に置換を有する変異型である:3、4、9、15、27、36、57、68、76、87、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、106、118、120、123、128、129、130、160、167、170、194、195、199、205、206、217、218、222、224、232、235、236、245、248、252及び274(BPN’番号付けを使用)。より好ましいサブチラーゼ変異型は、以下の突然変異を含む:S3T、V4I、S9R、A15T、K27R、*36D、V68A、N76D、N87S,R、*97E、A98S、S99G,D,A、S99AD、S101G,M,R S103A、V104I,Y,N、S106A、G118V,R、H120D,N、N123S、S128L、P129Q、S130A、G160D、Y167A、R170S、A194P、G195E、V199M、V205I、L217D、N218D、M222S、A232V、K235L、Q236H、Q245R、N252K、T274A(BPN’番号付けを使用)。
【0306】
好適な市販のプロテアーゼ酵素には、下記の商品名:Alcalase(登録商標)、Duralase(商標)、Durazym(商標)、Relase(登録商標)、Relase(登録商標)Ultra、Savinase(登録商標)、Savinase(登録商標)Ultra、Primase(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase(登録商標)Ultra、Ovozyme(登録商標)、Coronase(登録商標)、Coronase(登録商標)Ultra、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)(Novozymes A/S)で販売されているもの、下記の商品名:Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Preferenz(商標)、Purafect MA(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、Purafect OxP(登録商標)、Puramax(登録商標)、Properase(登録商標)、Effectenz(商標)、FN2(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)(Danisco/DuPont)、Axapem(商標)(Gist−Brocases N.V.)、BLAP(米国特許第5352604号明細書の図29に示される配列)及びその変異型(Henkel AG)並びに花王からKAP(バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)サブチリシン)で販売されているものが挙げられる。
【0307】
リパーゼ及びクチナーゼ:
好適なリパーゼ及びクチナーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的に改変されているか、又はタンパク質が操作された突然変異型も含まれる。例としては、サーモマイセス(Thermomyces)属由来の、例えば、欧州特許第258068号明細書及び欧州特許第305216号明細書に記載のようなサーモマイセス・ラヌギノサス(T.lanuginosus)(旧名:フミコラ・ラヌギノーサ(Humicola lanuginosa))由来のリパーゼ、フミコラ(Humicola)属、例えば、フミコラ・インソレンス(H.insolens)由来のクチナーゼ(国際公開第96/13580号明細書)、シュードモナス(Pseudomonas)株(そのいくつかは現在ブルクホルデリア(Burkholderia)と改名されている)、例えば、シュードモナス・アルカリゲネス(P.alcaligenes)若しくはシュードモナス・シュードアルカリゲネス(P.pseudoalcaligenes)(欧州特許第218272号明細書)、シュードモナス・セパシア(P.cepacia)(欧州特許第331376号)、シュードモナス属株SD705(国際公開第95/06720号パンフレット及び国際公開第96/27002号パンフレット)、シュードモナス・ウィスコンシネンシス(P.wisconsinensis)(国際公開第96/12012号パンフレット)由来のリパーゼ、GDSLタイプのストレプトマイセス(Streptomyces)リパーゼ(国際公開第10/065455号パンフレット)、イネいもち病菌(Magnaporthe grisea)(国際公開第10/107560号パンフレット)由来のクチナーゼ、シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)由来のクチナーゼ(米国特許第5,389,536号明細書)、サーモビフィダ・フスカ(Thermobifida fusca)由来のリパーゼ(国際公開第11/084412号パンフレット)、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)リパーゼ(国際公開第11/084417号パンフレット)、枯草菌(Bacillus subtilis)由来のリパーゼ(国際公開第11/084599号パンフレット)、並びにストレプトミセス・グリセウス(Streptomyces griseus)(国際公開第11/150157号パンフレット)及びストレプトミセス・プリスチエナエスピラリス(S.pristinaespiralis)(国際公開第12/137147号パンフレット)由来のリパーゼが挙げられる。
【0308】
他の例としては、欧州特許第407225号明細書、国際公開第92/05249号パンフレット、国際公開第94/01541号パンフレット、国際公開第94/25578号パンフレット、国際公開第95/14783号パンフレット、国際公開第95/30744号パンフレット、国際公開第95/35381号パンフレット、国際公開第95/22615号パンフレット、国際公開第96/00292号パンフレット、国際公開第97/04079号パンフレット、国際公開第97/07202号パンフレット、国際公開第00/34450号パンフレット、国際公開第00/60063号パンフレット、国際公開第01/92502号パンフレット、国際公開第07/87508号パンフレット及び国際公開第09/109500号パンフレットに記載されているものなどのリパーゼ変異型がある。
【0309】
好ましい市販のリパーゼ製品としては、Lipolase(商標)、Lipex(商標);Lipolex(商標)及びLipoclean(商標)(Novozymes A/S)、Lumafast(元々、Genencorから)及びLipomax(元々、Gist−Brocadesから)がある。
【0310】
さらに別の例として、以下のものがある:場合によっては、アシルトランスフェラーゼ又はペルヒドロラーゼと呼ばれるリパーゼ、例えば、カンジダ・アンタルクチカ(Candida antarctica)リパーゼAとの相同性を有するアシルトランスフェラーゼ(国際公開第10/111143号パンフレット)、マイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)由来のアシルトランスフェラーゼ(国際公開第05/56782号パンフレット)、CE7ファミリー由来のペルヒドロラーゼ(国際公開第09/67279号パンフレット)、並びにマイコバクテリウム・スメグマチス(M.smegmatis)ペルヒドロラーゼの変異型、特に、Huntsman Textile Effects Pte Ltdの商品Gentle Power Bleachで用いられているS54V変異型(国際公開第10/100028号パンフレット)。
【0311】
アミラーゼ:
本発明の酵素と一緒に用いることができる好適なアミラーゼは、α−アミラーゼ又はグルコアミラーゼであってよく、細菌又は真菌起源のいずれであってもよい。化学的に改変されているか、又はタンパク質が操作された突然変異型も含まれる。アミラーゼとしては、例えば、バチルス(Bacillus)属、例えばバチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)の特定の株から得られるα−アミラーゼがあり、これについては、英国特許第1,296,839号明細書に、より詳細に記載されている。
【0312】
好適なアミラーゼとしては、国際公開第95/10603号パンフレットに記載の配列番号2を有するアミラーゼ又はその配列番号3と90%の配列同一性を有する変異型がある。好ましい変異型は、国際公開第94/02597号パンフレット、国際公開第94/18314号パンフレット、国際公開第97/43424号パンフレットに記載れているもの、及び国際公開第99/019467号パンフレットの配列番号4であり、例えば、以下の位置の1つ又は複数に置換を有する変異型である:15、23、105、106、124、128、133、154、156、178、179、181、188、190、197、201、202、207、208、209、211、243、264、304、305、391、408、及び444。
【0313】
様々な好適なアミラーゼが、国際公開第02/010355号パンフレットに記載の配列番号6を有するアミラーゼ又は配列番号6と90%の配列同一性を有するその変異型を含む。配列番号6の好ましい変異型は、181位及び182位の欠失と、193位の置換を有するものである。
【0314】
好適な他のアミラーゼは、国際公開第2006/066594号パンフレットの配列番号6に示されるバチルス・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)から得られるα−アミラーゼの残基1〜33、及び国際公開第2006/066594号パンフレットの配列番号4に示されるバチルス・リケニホルミス(B.licheniformis)α−アミラーゼの残基36〜483を含むハイブリッドα−アミラーゼである。このハイブリッドα−アミラーゼの好ましい変異型は、以下の位置の1つ又は複数に置換、欠失又は挿入を有する変異型である:G48、T49、G107、H156、A181、N190、M197、I201、A209及びQ264。国際公開第2006/066594号パンフレットの配列番号6に示されるバチルス・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)から得られるα−アミラーゼの残基1〜33、及び配列番号4の残基36〜483を含むハイブリッドα−アミラーゼの最も好ましい変異型は、以下の置換を有するものである:
M197T;
H156Y+A181T+N190F+A209V+Q264S;又は
G48A+T49I+G107A+H156Y+A181T+N190F+I201F+A209V+Q264S。
【0315】
好適な別のアミラーゼは、国際公開第99/019467号パンフレットの配列番号6を有するアミラーゼ、又は配列番号6と90%の配列同一性を有するその変異型である。配列番号6の好ましい変異型は、以下の位置の1つ又は複数に置換、欠失又は挿入を有するものである:R181、G182、H183、G184、N195、I206、E212、E216及びK269。特に好ましいアミラーゼは、R181位及びG182位、又はH183位及びG184位に欠失を有するものである。
【0316】
用いることができる別のアミラーゼは、国際公開第96/023873号パンフレットの配列番号1、配列番号3、配列番号2若しくは配列番号7を有するもの、又は配列番号1、配列番号2、配列番号3若しくは配列番号7と90%の配列同一性を有するその変異型である。配列番号1、配列番号2、配列番号3若しくは配列番号7の好ましい変異型は、以下の位置の1つ又は複数に置換、欠失又は挿入を有するものである:140、181、182、183、184、195、206、212、243、260、269、304及び476(番号付けには国際公開第96/023873号パンフレットの配列番号2を用いる)。より好ましい変異型は、181、182、183及び184から選択される2つの位置、例えば、181位と182位、182位と183位、又は183位と184位に欠失を有するものである。配列番号1、配列番号2若しくは配列番号7の最も好ましいアミラーゼ変異型は、183位及び184位での欠失と、140、195、206、243、260、304及び476の1つ又は複数の位置に置換を有するものである。
【0317】
用いることができる他のアミラーゼは、国際公開第08/153815号パンフレットの配列番号2、国際公開第01/66712号パンフレットの配列番号10を有するアミラーゼ、又は国際公開第08/153815号パンフレットの配列番号2と90%の配列同一性、若しくは国際公開第01/66712号パンフレットの配列番号10と90%の配列同一性を有するその変異型である。国際公開第01/66712号パンフレットの配列番号10の好ましい変異型は、以下の位置の1つ又は複数に置換、欠失又は挿入を有するものである:176、177、178、179、190、201、207、211及び264。
【0318】
さらに別の好適なアミラーゼは、国際公開第09/061380号パンフレットの配列番号2を有するアミラーゼ、又は配列番号2と90%の配列同一性を有するその変異型である。配列番号2の好ましい変異型は、以下の位置の1つ又は複数に置換、欠失又は挿入を有するものである:Q87、Q98、S125、N128、T131、T165、K178、R180、S181、T182、G183、M201、F202、N225、S243、N272、N282、Y305、R309、D319、Q320、Q359、K444及びG475。配列番号2のより好ましい変異型は、以下の位置:Q87E,R、Q98R、S125A、N128C、T131I、T165I、K178L、T182G、M201L、F202Y、N225E,R、N272E,R、S243Q,A,E,D、Y305R、R309A、Q320R、Q359E、K444E及びG475Kの1つ又は複数に置換を、及び/又は以下の位置:R180及び/若しくはS181又はT182及び/若しくはG183に欠失を有するものである。配列番号2の最も好ましいアミラーゼ変異型は、以下の置換:
N128C+K178L+T182G+Y305R+G475K;
N128C+K178L+T182G+F202Y+Y305R+D319T+G475K;
S125A+N128C+K178L+T182G+Y305R+G475K;又は
S125A+N128C+T131I+T165I+K178L+T182G+Y305R+G475K
を有するものであり、ここで、前記変異型は、C末端で切断されており、任意選択で、243位に置換並びに/又は180位及び/若しくは181位に欠失をさらに含む。
【0319】
その他の好適なアミラーゼは、国際公開第01/66712号パンフレットの配列番号12を有するα−アミラーゼ、又は配列番号12と少なくとも90%の配列同一性を有するその変異型である。好ましいアミラーゼ変異型は、国際公開第01/66712号パンフレットにおける配列番号12の以下の位置の1つ又は複数に置換、欠失又は挿入を有するものである:R28、R118、N174;R181、G182、D183、G184、G186、W189、N195、M202、Y298、N299、K302、S303、N306、R310、N314;R320、H324、E345、Y396、R400、W439、R444、N445、K446、Q449、R458、N471、N484。特に好ましいアミラーゼは、D183及びG184の欠失を有し、かつ置換R118K、N195F、R320K及びR458Kを有する変異型、並びにM9、G149、G182、G186、M202、T257、Y295、N299、M323、E345及びA339の群から選択される1つ又は複数の位置に置換をさらに有する変異型であり、最も好ましいのは、これらの位置全てに置換をさらに有する変異型である。
【0320】
その他の例としては、国際公開第2011/098531号パンフレット、国際公開第2013/001078号パンフレット及び国際公開第2013/001087号パンフレットに記載されるものなどのアミラーゼ変異型がある。
【0321】
市販されているアミラーゼには、Duramyl(商標)、Termamyl(商標)、Fungamyl(商標)、Stainzyme(商標)、Stainzyme Plus(商標)、Natalase(商標)、Liquozyme X及びBAN(商標)(Novozymes A/S製)、並びにRapidase(商標)、Purastar(商標)/Effectenz(商標)、Powerase及びPreferenz S100(Genencor International Inc./DuPont製)がある。
【0322】
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ
本発明のペルオキシダーゼは、国際生化学分子生物学連合(International Union of Biochemistry and Molecular Biology)(IUBMB)の命名委員会(Nomenclature Committee)により記載されている酵素分類EC1.11.1.7に含まれるペルオキシダーゼ酵素、又はそれから得られる、ペルオキシダーゼ活性を呈示するいずれかの断片である。
【0323】
好適なペルオキシダーゼは、植物、細菌又は真菌由来のものを含む。化学的に修飾されたミュータント又はタンパク質改変ミュータントが含まれる。有用なペルオキシダーゼの例としては、例えば、ウシグソヒトヨタケ(C.cinerea)といったヒトヨタケ属(Coprinopsis)由来のペルオキシダーゼ(欧州特許第179,486号明細書)、並びに国際公開第93/24618号パンフレット、国際公開第95/10602号パンフレット、及び国際公開第98/15257号パンフレットに記載されているものなどのその変異体が挙げられる。
【0324】
本発明のペルオキシダーゼはまた、クロロペルオキシダーゼ、ブロモペルオキシダーゼなどのハロペルオキシダーゼ酵素、及びクロロペルオキシダーゼ又はブロモペルオキシダーゼ活性を呈示する化合物も含む。ハロペルオキシダーゼは、ハロゲン化物イオンに対するその特異性に従って分類される。クロロペルオキシダーゼ(E.C.1.11.1.10)は、塩化物イオンからの次亜塩素酸塩の形成を触媒する。
【0325】
一実施形態では、本発明のハロペルオキシダーゼは、クロロペルオキシダーゼである。好ましくは、ハロペルオキシダーゼは、バナジウムハロペルオキシダーゼ、すなわち、バナジン酸塩含有ハロペルオキシダーゼである。本発明の好ましい方法において、バナジン酸塩含有ハロペルオキシダーゼを塩化物イオンの供給源と組み合わせる。
【0326】
ハロペルオキシダーゼは、多種の真菌、特に、暗色線菌科(dematiaceous hyphomycetes)の真菌群、例えば、C.フマゴ(C.fumago)などのカルダリオマイセス属(Caldariomyces)、アルテルナリア属(Alternaria)、例えば、C.ベルクローサ(C.verruculosa)及びC.イナエクアリス(C.inaequalis)などのクルブラリア属(Curvularia)、ドレクスレラ属(Drechslera)、ウロクラジウム属(Ulocladium)及びボトリチス属(Botrytis)から単離されている。
【0327】
ハロペルオキシダーゼはまた、シュードモナス属(Pseudomonas)、例えば、P.ピロシニア(P.pyrrocinia)及びストレプトマイセス属(Streptomyces)、例えば、S.オーレオファシエンス(S.aureofaciens)などの細菌からも単離されている。
【0328】
好ましい実施形態では、ハロペルオキシダーゼは、クルブラリア属(Curvularia sp.)、特に、クルブラリア・ベルクローサ(Curvularia verruculosa)若しくはクルブラリア・イナエクアリス(Curvularia inaequalis)、例えば、国際公開第95/27046号パンフレットに記載のC.イナエクアリス(C.inaequalis)CBS102.42;又は国際公開第97/04102号パンフレットに記載のC.ベルクローサ(C.verruculosa)CBS147.63若しくはC.ベルクローサ(C.verruculosa)CBS444.70;又は国際公開第01/79459号パンフレットに記載のドレクスレラ・ハルトレビイ(Drechslera hartlebii)、国際公開第01/79458号パンフレットに記載のデンドリフィエラ・サリナ(Dendryphiella salina)、国際公開第01/79461号パンフレットに記載のファエオトリココニス・クロタラリエ(Phaeotrichoconis crotalarie)、又は国際公開第01/79460号パンフレットに記載のジェニクロスポリウム属(Geniculosporium sp.)から得ることができる。
【0329】
本発明のオキシダーゼは、特に、酵素分類EC1.10.3.2に含まれるいずれかのラッカーゼ酵素、又はそれから得られる、ラッカーゼ活性を呈示するいずれかの断片、又は類似の活性を呈示する化合物、例えば、カテコールオキシダーゼ(EC1.10.3.1)、o−アミノフェノールオキシダーゼ(EC1.10.3.4)、又はビリルビンオキシダーゼ(EC1.3.3.5)である。
【0330】
好ましいラッカーゼ酵素は、微生物由来の酵素である。酵素は、植物、細菌又は真菌(糸状真菌及び酵母を含む)から得ることができる。
【0331】
真菌由来の好適な例としては、以下の株:アスペルギルス属(Aspergillus)、ニューロスポラ属(Neurospora)、例えば、N.クラッサ(N.crassa)、ポドスポラ属(Podospora)、ボトリチス属(Botrytis)、コリビア属(Collybia)、ツリガネタケ属(Fomes)、レンチヌス属(Lentinus)、ヒラタケ属(Pleurotus)、カワラタケ属(Trametes)、例えば、フルイカワラタケ(T.villosa)及びカワラタケ(T.versicolor)、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、例えば、R.ソラニ(R.solani)、ヒヨタケ属(Coprinopsis)、例えば、ウシグソヒトヨタケ(C.cinerea)、ササクレヒトヨタケ(C.comatus)、ヒメヒトヨタケ(C.friesii)、及びヒメヒガサヒトヨタケ(C.plicatilis)、ナヨタケ属(Psathyrella)、例えば、イタチタケ(P.condelleana)、ヒカゲタケ属(Panaeolus)、例えば、ワライタケ(P.papilionaceus)、ミセリオフトラ属(Myceliophthora)、例えば、M.サーモフィラ(M.thermophila)、シタリジウム属(Schytalidium)、例えば、S.サーモフィルム(S.thermophilum)、ポリポルス属(Polyporus)、例えばP.ピンシツス(P.pinsitus)、フレビア属(Phlebia)、例えば、P.ラジアータ(P.radiata)(国際公開第92/01046号パンフレット)、又はコリオルス属(Coriolus)、例えば、C.ヒルスツス(C.hirsutus)(日本特許第2238885号公報)から得られるラッカーゼが挙げられる。
【0332】
細菌由来の好適な例としては、バチルス属(Bacillus)の株から得られるラッカーゼが挙げられる。
【0333】
ヒヨタケ属(Coprinopsis)又はミセリオフトラ属(Myceliophthora)から得られるラッカーゼ;特に、国際公開第97/08325号パンフレットに開示のウシグソヒトヨタケ(Coprinopsis cinerea)から得られるラッカーゼ;又は国際公開第95/33836号パンフレットに開示のミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)から得られるラッカーゼが好ましい。
【0334】
洗剤酵素は、1種又は複数の酵素を含有する個別の添加剤を添加することによって、又はこれらの酵素を全て含む併用添加剤を添加することによって、洗剤組成物に含有させてよい。本発明の洗剤添加剤、すなわち、個別の添加剤又は併用添加剤は、例えば、顆粒、液体、スラリーなどとして調製することができる。好ましい洗剤添加剤調製物は、顆粒、特に非飛散性顆粒、液体、とりわけ安定化された液体、又はスラリーである。
【0335】
非飛散性顆粒は、例えば、米国特許第4,106,991号明細書及び米国特許第4,661,452号明細書に開示されているように製造することができ、任意選択で、当技術分野では公知の方法によりコーティングしてもよい。ワックスコーティング材料の例としては、平均モル量が1000〜20000のポリ(エチレンオキシド)製品(ポリエチレングリコール、PEG);16〜50エチレンオキシド単位を有するエトキシル化ノニルフェノール;アルコールが12〜20個の炭素原子を含み、かつ15〜80エチレンオキシド単位が存在するエトキシル化脂肪アルコール;脂肪アルコール;脂肪酸;並びに脂肪酸のモノ−及びジ−及びトリグリセリドが挙げられる。流動層技術による用途に好適な膜形成コーティング材料の例は、英国特許第1483591号明細書に記載されている。液体酵素調製物は、例えば、確立された方法に従い、プロピレングリコールなどのポリオール、糖又は糖アルコール、乳酸又はホウ酸を添加することにより安定化させることができる。保護酵素は、欧州特許第238,216号明細書に開示されている方法に従い調製することもできる。
【0336】
その他の材料
また、ランドリー洗剤で使用するための、当技術分野において公知のいずれの洗剤成分を使用してもよい。他の任意選択の洗剤成分としては、単独若しくは組み合わせのいずれかで、耐食剤、収縮防止剤、再付着防止剤、しわ防止剤、殺菌剤、結合剤、腐食抑制剤、崩壊剤/分解剤、染料、酵素安定化剤(ホウ酸、ホウ酸塩、CMC、及び/又は、プロピレングリコールなどのポリオールを含む)、クレイを含む布地コンディショナ、充填材/加工助剤、蛍光性白色化剤/光学増白剤、起泡増進剤、起泡(石鹸泡)調節剤、香料、汚れ懸濁剤、軟化剤、石鹸泡抑制剤、色あせ防止剤、及びウィッキング剤が挙げられる。洗剤で使用するための、当技術分野において公知のいずれの成分を使用してもよい。このような成分の選択は十分に当業者の技能の範囲内である。
【0337】
分散剤
本発明の洗剤組成物はまた、分散剤も含有することができる。特に、粉末洗剤は、分散剤を含んでいてもよい。好適な水溶性有機材料としては、ホモ−若しくはコポリマー酸又はそれらの塩が挙げられ、ここで、ポリカルボン酸は、2個以下の炭素原子によって相互に分離された少なくとも2つのカルボキシルラジカルを含む。好適な分散剤は、例えば、Powdered Detergents,Surfactant science series volume 71,Marcel Dekker,Inc.に記載されている。
【0338】
移染防止剤
本発明の洗剤組成物はまた、1種又は複数種の移染防止剤を含んでもよい。好適な高分子移染防止剤としては、これらに限定されないが、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はこれらの混合物が挙げられる。主題の組成物中に存在する場合、移染防止剤は、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%のレベルで、又は約0.1重量%〜約3重量%のレベルでも存在し得る。
【0339】
蛍光性白色化剤
本発明の洗剤組成物はまた、蛍光性白色化剤又は光学増白剤などのクリーニングされる物品に色合いを付与し得る追加の成分を含有するのが好ましい。存在する場合、増白剤は、約0.01%〜約0.5%のレベルであることが好ましい。ランドリー洗剤組成物での使用に好適であれば、どんな蛍光性白色化剤を本発明の組成物に用いてもよい。最も一般的に用いられる蛍光性白色化剤は、ジアミノスチルベン−スルホン酸誘導体、ジアリールピラゾリン誘導体及びビスフェニル−ジスチリル誘導体のクラスに属するものである。ジアミノスチルベン−スルホン酸誘導体タイプの蛍光性白色化剤の例として、以下に挙げるもののナトリウム塩が挙げられる:4,4’−ビス−(2−ジエタノールアミノ−4−アニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホネート、4,4’−ビス−(2,4−ジアニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2.2’−ジスルホネート、4,4’−ビス−(2−アニリノ−4(N−メチル−N−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホネート、4,4’−ビス−(4−フェニル−1,2,3−トリアゾール−2−イル)スチルベン−2,2’−ジスルホネート、及びナトリウム5−(2H−ナフト[1,2−d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−2−[(E)−2−フェニルビニル]ベンゼンスルホネート。好ましい蛍光性白色化剤は、Ciba−Geigy AG,Basel,Switzerlandから市販されているTinopal DMS及びTinopal CBSである。Tinopal DMSは、4,4’−ビス−(2−モルホリノ−4−アニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホネートのジナトリウム塩である。Tinopal CBSは、2,2’−ビス−(フェニル−スチリル)−ジスルホネートのジナトリウム塩である。また、好ましい蛍光性白色化剤は、Paramount Minerals and Chemicals,Mumbai,India製の市販のParawhite KXである。本発明における使用に好適な他の蛍光剤としては、1−3−ジアリールピラゾリン及び7−アルキルアミノクマリンが挙げられる。
【0340】
好適な蛍光性増白剤レベルは、約0.01、0.05、約0.1、又は、さらには約0.2重量%の下限レベルから、0.5又はさらには0.75重量%の上限レベルまでを含む。
【0341】
汚れ遊離ポリマー
本発明の洗剤組成物はまた、綿及びポリエステル系布地などの布地からの汚れの除去、特にポリエステル系布地からの疎水性汚れの除去を補助する1種又は複数種の汚れ遊離ポリマーを含んでもよい。汚れ遊離ポリマーは、例えば、ノニオン性又はアニオン性テレフタレート系ポリマー、ポリビニルカプロラクタム及び関連するコポリマー、ビニルグラフトコポリマー、ポリエステルポリアミドであってよい(例えば、Chapter 7,Powdered Detergents,Surfactant science series volume 71,Marcel Dekker,Inc.を参照のこと)。別のタイプの汚れ遊離ポリマーは、コア構造と、このコア構造に結合した複数のアルコキシレート基とを含む両親媒性アルコキシル化油脂クリーニングポリマーである。コア構造は、国際公開第2009/087523号パンフレット(本明細書において参照により援用されている)に詳述されているように、ポリアルキレンイミン構造又はポリアルカノールアミン構造を含み得る。さらに、ランダムグラフトコポリマーは、好適な汚れ遊離ポリマーである。好適なグラフトコポリマーは、国際公開第2007/138054号パンフレット、国際公開第2006/108856号パンフレット及び国際公開第2006/113314号パンフレット(本明細書において参照により援用されている)において、より詳細に記載されている。他の汚れ遊離ポリマーは、欧州特許第1867808号明細書又は国際公開第2003/040279号パンフレット(共に本明細書において参照により援用されている)に記載されているものなどの変性セルロース誘導体などの特に置換セルロース系構造といった置換多糖類構造である。好適なセルロース系ポリマーとしては、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド及びこれらの混合物が挙げられる。好適なセルロース系ポリマーとしては、アニオン性変性セルロース、ノニオン性変性セルロース、カチオン性変性セルロース、双性イオン性変性セルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。好適なセルロース系ポリマーとしては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、エステルカルボキシメチルセルロース及びこれらの混合物が挙げられる。汚れ遊離ポリマーは、DNaseとは異なる。
【0342】
再付着防止剤
本発明の洗剤組成物としてはまた、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリオキシエチレン及び/又はポリエチレングリコール(PEG)、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマー、並びにエトキシル化ポリエチレンイミンなどの1種又は複数種の再付着防止剤が挙げられる。前述の汚染物遊離ポリマーの下で、上記セルロース系ポリマーは、再付着防止剤としても機能し得る。再付着防止ポリマーは、DNaseとは異なる。
【0343】
レオロジー改質剤
本発明の洗剤組成物は、粘度降下剤とは異なる、1種又は複数種のレオロジー改質剤、構造化剤(structurant)又は増粘剤を含んでもよい。レオロジー改質剤は、液体洗剤組成物の水性液体マトリックスにせん断減粘性を付与する、非ポリマー性結晶、ヒドロキシ−機能材料、ポリマー性レオロジー改質剤からなる群から選択される。洗剤のレオロジー及び粘性は、例えば、欧州特許第2169040号明細書に示されるように、当技術分野で公知の方法により、改変及び調節することができる。
【0344】
その他の好適な補助材としては、これらに限定されないが、収縮防止剤、しわ防止剤、殺菌剤、バインダ、キャリア、染料、酵素安定化剤、布地軟化剤、充填材、起泡調節剤、ヒドロトロープ、香料、顔料、石鹸泡抑制剤、溶剤、並びに液体洗剤用構造化剤及び/又は構造弾性化剤が挙げられる。
【0345】
洗剤物質の配合
本発明の洗剤組成物は、例えば、バー、均質錠剤、2層以上を有する錠剤、1つ又は複数のコンパートメントを有するパウチ、通常又はコンパクト粉末、顆粒、ペースト、ジェル、又は通常、コンパクト若しくは濃縮液体など、任意の好都合な形態であってよい。
【0346】
パウチは、単一又は複数のコンパートメントとして構成することができる。これは、組成物を保持するのに好適な任意の形態、形状及び材料であってよく、例えば、水との接触前に、パウチから組成物が放出できないようにしてもよい。パウチは、内容積を収容する水溶性フィルムから製造される。前記内容積は、パウチのコンパートメントに分割することができる。好ましいフィルムは、ポリマー材料、好ましくは、フィルム又はシートに形成されるポリマーである。好ましいポリマー、コポリマー又はその誘導体は、選択されるポリアクリレート、及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムデキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートであり、最も好ましくは、ポリビニルアルコールコポリマー及び、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。好ましくは、フィルム中のポリマー、例えば、PVAの割合は、少なくとも約60%である。好ましい平均分子量は、典型的に、約20,000〜約150,000である。フィルムはまた、加水分解により分解可能で、水溶性のポリマーブレンド、例えば、ポリラクチド及びポリビニルアルコール(MonoSol LLC,Indiana,USAから販売される商品名M8630で知られる)と、グリセロール、エチレングリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール及びこれらの混合物のような可塑剤などを含むブレンドされた組成物であってもよい。パウチは、水溶性フィルムによって分離された固体洗濯洗浄組成物若しくは構成成分及び/又は液体洗浄組成物若しくは構成成分を含むことができる。液体成分用のコンパートメントは、固体を含むコンパートメントとは、組成が異なり得る:米国特許出願公開第2009/0011970A1号明細書。
【0347】
洗剤成分は、水溶解性パウチ内のコンパートメントによって又は錠剤の様々な層で、互いに物理的に分離することができる。これにより、成分同士のマイナスの貯蔵相互作用を回避することができる。コンパートメント各々の様々な溶解プロフィールによって、洗浄溶液中の選択した成分の遅延溶解を起こすことも可能である。
【0348】
単位用量ではない液体又はジェル洗剤は、水性であってよく、典型的に、少なくとも20重量%、及び95%以下の水、例えば、約70%以下の水、約65%以下の水、約55%以下の水、約45%以下の水、約35%以下の水を含有する。限定しないが、アルカノール、アミン、ジオール、エーテル及びポリオールなどの他のタイプの液体を、水性液体又はゲルに含有させてもよい。水性液体又はゲル洗浄剤は、0〜30%の有機溶剤を含有し得る。
【0349】
水性液体又はゲル洗剤は、非水性であってもよい。
【0350】
固形洗濯石鹸
本発明のDNaseは、固形洗濯石鹸に添加して、ランドリー、布地及び/又は生地の手洗いのために用いることができる。「固形洗濯石鹸」と言う用語は、洗濯石鹸、固形石鹸、複合化粧石鹸、合成化粧石鹸及び固形洗剤石鹸を含む。固形石鹸の種類は一般に、それらが含有する界面活性剤の種類が異なり、固形洗濯石鹸と言う用語は、脂肪酸由来の石鹸及び/又は合成石鹸を含むものを包含する。固形洗濯石鹸は、室温で固体の物理的形態をしており、液体、ゲル又は粉末ではない。「固形」と言う用語は、時間が経過しても有意に変化しない物理的形態として定義される。すなわち、固形物(例えば、固形洗濯石鹸)が容器内に配置されている場合、固形物が変化して、それが配置されている容器を充填することはない。固形洗濯石鹸は、典型的に、棒状であるが、円形又は楕円形などの別の形状をしていてもよい。
【0351】
固形洗濯石鹸は、1つ又は複数の酵素、ペプチドアルデヒド(又はハイドロサルファイト付加物若しくはヘミアセタール付加物)などのプロテアーゼ阻害剤、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂及び/又はフェニルボロン酸誘導体、例えば、4−ホルミルフェニルホウ酸、1種又は複数種の石鹸若しくは合成界面活性剤、グリセリンなどのポリオール、脂肪酸、クエン酸、酢酸及び/若しくはギ酸などのpH制御化合物、並びに/又は一価カチオン及び有機アニオンの塩を含み得るが、ここで、一価カチオンは、例えば、Na+、K+若しくはNH4+であってよく、また、有機アニオンは、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩若しくは乳酸塩であってよく、従って、一価カチオンと有機アニオンの塩は、例えば、ギ酸ナトリウムであってよい。
【0352】
固形洗濯石鹸はまた、EDTA及びHEDPのような錯化剤、香料及び/又は別の種類の充填材、界面活性剤、例えば、アニオン系合成界面活性剤、ビルダー、ポリマー系汚れ放出剤、洗剤キレート剤、安定剤、充填材、染料、着色剤、移染防止剤、アルコキシル化ポリカーボネート、泡抑制剤、構造化剤、結合剤、浸出剤、漂白活性化剤、泥汚れ除去剤、再付着防止剤、ポリマー系分散剤、増白剤、布地柔軟剤、香料及び/又は当技術分野では公知のその他の化合物を含んでもよい。
【0353】
固形洗濯石鹸は、限定するものではないが、ミキサー、プロッダー(plodder)(例えば、2段式真空プロッダー)、押出機、カッター、ロゴスタンパー、冷却トンネル及びラッピング装置などの従来の固形洗濯石鹸製造設備において製造することができる。本発明は、いずれかの単一の方法で固形洗濯石鹸を製造することに限定されない。本発明のプレミックスを工程の様々な段階で石鹸に添加してもよい。例えば、石鹸、DNase、任意選択で1種又は複数種の別の酵素、プロテアーゼ阻害剤、並びに一価カチオンと有機アニオンの塩を含有するプレミックスを調製した後、混合物をプロッド(plod)する。DNaseと任意選択の別の酵素は、例えば、液状で、プロテアーゼ阻害剤と同時に添加してもよい。混合ステップ及びプロッドステップ以外に、この方法は、粉砕、押出、切断、スタンピング、冷却及び/又はラッピングのステップをさらに含んでもよい。
【0354】
複合顆粒(co−granule)状の酵素の配合物
DNaseは、顆粒として、例えば1種又は複数種の酵素を組み合わせた複合顆粒として配合してもよい。その場合、各酵素は、より多くの顆粒中に存在して、洗剤中への酵素のより均質な分布を確実にするであろう。これはまた、様々な粒径に起因する異種酵素の物理的分離も抑制する。洗剤業界用の多酵素複合顆粒を製造する方法は、IP.com開示IPCOM000200739Dに開示されている。
【0355】
複合顆粒の使用による酵素の配合の別の例が、国際公開第2013/188331号パンフレットに開示されており、これは、(a)多酵素複合顆粒;(b)10wt未満のゼオライト(無水物基準);及び(c)10wt未満のリン酸塩(無水物基準)を含む洗剤組成物に関し、ここで、前記酵素複合顆粒は、10〜98重量%の水分シンク(moisture sink)成分を含み、組成物は、さらに、20〜80重量%の洗剤水分シンク(moisture sink)成分を含む。国際公開第2013/188331号パンフレットはまた、表面、好ましくは布地表面を処理及び/又はクリーニングする方法にも関し、この方法は、(i)特許請求の範囲に記載され、また、本明細書に記載される水性洗浄液中の洗剤組成物と、前記表面を接触させるステップ、(ii)表面をすすぎ、及び/又は乾燥させるステップを含む。
【0356】
多酵素複合顆粒は、DNaseと、(a)第1洗浄用リパーゼ、クリーニング用セルラーゼ、キシログルカナーゼ、ペルヒドロラーゼ、ペルオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、ラッカーゼ及びこれらの混合物からなる群から選択される1種又は複数種の酵素;並びに(b)ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、ケア用セルラーゼ、セロビオースデヒドロゲナーゼ、キシラナーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、リケナーゼ、グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、アミラーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種又は複数種の酵素を含んでもよい。
【0357】
さらに、本発明を以下のパラグラフにまとめて示す:
1.後のクリーニング又は洗濯工程中に品目の汚れ及び/若しくは臭いの再付着を防止又は低減するためのDNase活性を有するポリペプチドの使用。
【0358】
2.後のクリーニング又は洗濯工程中に、DNase活性を有するポリペプチドが存在しない、パラグラフ1に記載の使用。
【0359】
3.品目が、生地又は硬質表面である、パラグラフ1〜2のいずれかに記載の使用。
【0360】
4.品目への汚れの付着を防止又は低減するための先行するパラグラフのいずれかに記載の使用。
【0361】
5.品目の白色度を維持又は改善するための先行するパラグラフのいずれかに記載の使用。
【0362】
6.品目から悪臭を低減又は除去する、先行するパラグラフのいずれかに記載の使用。
【0363】
7.悪臭が、E−2ノネナールを原因とする、パラグラフ6に記載の使用。
【0364】
8.濡れた品目に存在するE−2ノネナールを防止、その量を低減又は除去する、先行するパラグラフ6〜7のいずれかに記載の使用。
【0365】
9.乾いた品目に存在するE−2ノネナールを防止、その量を低減又は除去する、先行するパラグラフ6〜7のいずれかに記載の使用。
【0366】
10.DNase活性を有するポリペプチドを含む液体溶液と品目を接触させる、先行するパラグラフのいずれかに記載の使用。
【0367】
11.DNase活性を有するポリペプチドを品目に噴霧する、先行するパラグラフのいずれかに記載の使用。
【0368】
12.液体溶液が洗浄液である、パラグラフ10に記載の使用。
【0369】
13.DNase活性を有するポリペプチドが、品目に含浸させるために使用される、先行するパラグラフのいずれかに記載の使用。
【0370】
14.DNase活性を有するポリペプチドが、後のクリーニング又は洗濯工程の前に、品目をクリーニング又は洗濯するために、少なくとも1回使用される、先行するパラグラフのいずれかに記載の使用。
【0371】
15.DNase活性を有するポリペプチドが、後のクリーニング又は洗濯工程の前に、品目をクリーニング又は洗濯するために、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回若しくは10回使用される、先行するパラグラフのいずれかに記載の使用。
【0372】
16.DNase活性を有するポリペプチドが、動物、植物又は微生物起源のものである先行するパラグラフのいずれかに記載の使用。
【0373】
17.ポリペプチドが、ヒト又は動物起源のものである、パラグラフ16に記載の使用。
【0374】
18.ポリペプチドが、リョクトウから得られる、パラグラフ16に記載の使用。
【0375】
19.ポリペプチドが、細菌又は真菌起源のものである、パラグラフ16に記載の使用。
【0376】
20.ポリペプチドが、真菌起源のものであり、ポリペプチドは、以下のものからなる群:
a)配列番号2の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、配列番号3の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、配列番号5の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド又は配列番号8の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド;
b)低度の緊縮条件下で、
i.配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列若しくは配列番号4の成熟ポリペプチドコード配列
ii.そのcDNA配列、又は
iii.(i)若しくは(ii)の完全長補体
とハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
c)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列若しくはそのcDNA配列に対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、又は配列番号4の成熟ポリペプチドコード配列若しくはそのcDNA配列に対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
d)1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号2の成熟ポリペプチドの変異体、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号3の成熟ポリペプチドの変異体、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号5の成熟ポリペプチドの変異体、又は1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号8の成熟ポリペプチドの変異体;並びに
e)DNase活性を有する(a)、(b)、(c)若しくは(d)のポリペプチドの断片
から選択される、パラグラフ19に記載の使用。
【0377】
21.ポリペプチドが、細菌起源のものであり、ポリペプチドは、以下のものからなる群:
a)配列番号6の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、配列番号7の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド;
b)1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号6の成熟ポリペプチドの変異体、又は1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号7の成熟ポリペプチドの変異体;並びに
c)DNase活性を有する(a)若しくは(b)のポリペプチドの断片
から選択される、パラグラフ19に記載の使用。
【0378】
22.ポリペプチドが、配列番号2の成熟ポリペプチド、配列番号3の成熟ポリペプチド、配列番号5の成熟ポリペプチド、配列番号6の成熟ポリペプチド、配列番号7の成熟ポリペプチド、又は配列番号8の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する、パラグラフ19〜21のいずれかに記載の使用。
【0379】
23.ポリペプチドが、配列番号2若しくは配列番号2の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドが、配列番号3若しくは配列番号3の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドが、配列番号5若しくは配列番号5の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドが、配列番号6若しくは配列番号6の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドが、配列番号7若しくは配列番号7の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、あるいは、ポリペプチドが、配列番号8若しくは配列番号8の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成される、パラグラフ19〜22のいずれかに記載の使用。
【0380】
24.成熟ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸1〜206、配列番号3のアミノ酸1〜206、配列番号5のアミノ酸1〜188、配列番号6のアミノ酸1〜110、配列番号7のアミノ酸1〜109、又は配列番号8のアミノ酸1〜206である、パラグラフ19〜23のいずれかに記載の使用。
【0381】
25.ポリペプチドが、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6又は配列番号7の成熟ポリペプチドの変異体(変異体は、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む)、あるいは、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8の成熟ポリペプチドの変異体である、パラグラフ19〜24のいずれかに記載の使用。
【0382】
26.ポリペプチドが、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8の断片であり、ここで、断片はDNase活性を有する、パラグラフ19〜25のいずれかに記載の使用。
【0383】
27.デオキシヌクレオチド(DNase)活性を有するポリペプチドと界面活性剤とを含む洗剤組成物であって、組成物が、a)又はb):
a)組成物は、臭気抑制剤をさらに含む;及び/又は
b)界面活性剤は、カチオン界面活性剤ではない
の少なくとも1つを満たす、洗剤組成物。
【0384】
28.臭気抑制剤が、シクロデキストリン及びその混合物、防臭剤、活性アルデヒド、フラバノイド(flavanoid)、金属塩、ゼオライト、活性炭、疎水性修飾悪臭抑制ポリマー(HPM)、ベンズイソチアゾリノンなどのイソチアゾリノンの誘導体、及び/又は揮発性アルデヒドからなる群から選択される、パラグラフ27に記載の組成物。
【0385】
29.界面活性剤が、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、双性イオン界面活性剤又は半極性界面活性剤である、パラグラフ27〜28のいずれかに記載の組成物。
【0386】
30.界面活性剤が、硫酸塩及びスルホン酸塩、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、LASの異性体、分岐アルキルベンゼンスルホン酸塩(BABS)、フェニルアルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、オレフィンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、アルカン−2,3−ジイルビス(硫酸塩)、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩及びジスルホン酸塩、アルキル硫酸塩(AS)、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、脂肪アルコール硫酸塩(FAS)、第一級アルコール硫酸塩(PAS)、アルコールエーテル硫酸塩(AES若しくはAEOS若しくはFES、アルコールエトキシレート若しくは脂肪アルコールエーテル硫酸塩としても知られる)、第二級アルカンスルホン酸塩(SAS)、パラフィンスルホン酸塩(PS)、エステルスルホン酸塩、スルホン化脂肪酸グリセロールエステル、メチルエステルスルホン酸塩(MES)などのα−スルホ脂肪酸メチルエステル(α−SFMe若しくはSES)、アルキル−若しくはアルケニルコハク酸、ドデセニル/テトラデセニルコハク酸(DTSA)、アミノ酸の脂肪酸誘導体、スルホ−コハク酸のジエステル及びモノエステル又は脂肪酸の塩(石鹸)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるアニオン界面活性剤である、パラグラフ29に記載の組成物。
【0387】
31.アニオン界面活性剤の量が、約1重量%〜約40重量%、例えば、約5%〜約30%であり、約5%〜約15%、又は約15%〜約20%、又は約20%〜約25%の範囲である、パラグラフ30に記載の組成物。
【0388】
32.界面活性剤が、アルコールエトキシレート(AE若しくはAEO)、アルコールプロポキシレート、プロポキシル化脂肪アルコール(PFA)、エトキシル化及び/又はプロポキシル化脂肪酸アルキルエステルなどのアルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、アルキルフェノールエトキシレート(APE)、ノニルフェノールエトキシレート(NPE)、アルキルポリグリコシド(APG)、アルコキシル化アミン、脂肪酸モノエタノールアミド(FAM)、脂肪酸ジエタノールアミド(FADA)、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(EFAM)、プロポキシル化脂肪酸モノエタノールアミド(PFAM)、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(グルカミド、GA、又は脂肪酸グルカミド、FAGA)、SPAN(商標)、TWEEN(商標)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるノニオン界面活性剤である、パラグラフ27〜29に記載の組成物。
【0389】
33.ノニオン界面活性剤の量が、約0.2重量%〜40重量%のノニオン界面活性剤、例えば約0.5%〜約30%、とりわけ、約1%〜約20%、約3%〜約10%、例えば、約3%〜約5%、約8%〜約12%、又は約10%〜約12%である、パラグラフ32に記載の組成物。
【0390】
34.界面活性剤が、アミンオキシド(AO)、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド、N−(ココアルキル)−N,N−ジメチルアミンオキシド及びN−(獣脂−アルキル)−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される半極性界面活性剤である、パラグラフ29に記載の組成物。
【0391】
35.界面活性剤が、アルキルジメチルベタイン、スルホベタインなどのベタインからなる群から選択される双性イオン界面活性剤である、パラグラフ29に記載の組成物。
【0392】
36.界面活性剤が、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム脂肪酸、アルキル硫酸ナトリウム、ラウラミンオキシド、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(MEA塩)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(ナトリウム塩)、アルコールエトキシレートからなる群から選択される、先行するパラグラフのいずれかに記載の組成物。
【0393】
37.後のクリーニング又は洗濯工程中の品目への汚れ及び/若しくは臭いの再付着を防止又は低減するための、先行する組成物パラグラフのいずれかに記載の組成物。
【0394】
38.後のクリーニング又は洗濯工程中の品目への汚れ及び/又は臭いの再付着を防止又は低減するための、先行する組成物パラグラフのいずれかに記載の組成物であって、後のクリーニング又は洗濯工程において、DNase活性を有するポリペプチドが使用されない、組成物。
【0395】
39.悪臭を防止又は低減するための先行する組成物パラグラフのいずれかに記載の組成物。
【0396】
40.組成物が、ビルダー、凝集助剤、キレート化剤、移染防止剤、酵素、酵素安定剤、酵素阻害剤、触媒材料、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、事前形成された過酸(preformed peracid)、ポリマー分散剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、石鹸泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、ビルダー及びコビルダー、布地色相剤、消泡剤、分散剤、加工助剤、及び/又は顔料をさらに含む、先行する組成物パラグラフのいずれかに記載の組成物。
【0397】
41.組成物が、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ及びオキシダーゼからなる群から選択される1種又は複数種の酵素をさらに含む、先行する組成物パラグラフのいずれかに記載の組成物。
【0398】
42.DNase活性を有するポリペプチドが、動物、植物又は微生物起源のものである、先行する組成物パラグラフのいずれかに記載の組成物。
【0399】
43.ポリペプチドが、ヒト起源のものである、先行する組成物パラグラフのいずれかに記載の組成物。
【0400】
44.ポリペプチドが、リョクトウから得られる、先行する組成物パラグラフのいずれかに記載の組成物。
【0401】
45.ポリペプチドが、細菌又は真菌起源のものである、先行する組成物パラグラフのいずれかに記載の組成物。
【0402】
46.ポリペプチドが、真菌起源のものであり、ポリペプチドは、
a)配列番号2の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、配列番号3の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、配列番号5の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド又は配列番号8の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド;
b)低度の緊縮条件下で、
i.配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列若しくは配列番号4の成熟ポリペプチドコード配列
ii.そのcDNA配列、又は
iii.(i)若しくは(ii)の完全長補体
とハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
c)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列若しくはそのcDNA配列に対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、又は配列番号4の成熟ポリペプチドコード配列若しくはそのcDNA配列に対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
d)1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号2の成熟ポリペプチドの変異体、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号3の成熟ポリペプチドの変異体、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号5の成熟ポリペプチドの変異体、又は1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号8の成熟ポリペプチドの変異体;並びに
e)DNase活性を有する(a)、(b)、(c)若しくは(d)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、パラグラフ45に記載の組成物。
【0403】
47.ポリペプチドが、細菌起源のものであり、ポリペプチドは、
a)配列番号6の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、又は配列番号7の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド;
b)1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号6の成熟ポリペプチドの変異体、又は1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号7の成熟ポリペプチドの変異体;並びに
c)DNase活性を有する(a)若しくは(b)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、パラグラフ45に記載の組成物。
【0404】
48.ポリペプチドが、配列番号2の成熟ポリペプチド、配列番号3の成熟ポリペプチド、又は配列番号5の成熟ポリペプチド、又は配列番号6の成熟ポリペプチド、配列番号7の成熟ポリペプチド、又は配列番号8の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する、パラグラフ46〜47のいずれかに記載の組成物。
【0405】
49.ポリペプチドが、配列番号2若しくは配列番号2の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、配列番号3若しくは配列番号3の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、配列番号5若しくは配列番号5の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、配列番号6若しくは配列番号6の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、配列番号7若しくは配列番号7の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、あるいは、配列番号8若しくは配列番号8の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成される、パラグラフ46〜48のいずれかに記載の組成物。
【0406】
50.成熟ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸1〜206、配列番号3のアミノ酸1〜206、配列番号5のアミノ酸1〜188、配列番号6のアミノ酸1〜110、配列番号7のアミノ酸1〜109、又は配列番号8のアミノ酸1〜206である、パラグラフ46〜49のいずれかに記載の組成物。
【0407】
51.ポリペプチドが、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8の成熟ポリペプチドの変異体(変異体は、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む)、又は1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6又は配列番号7又は配列番号8の成熟ポリペプチドの変異体である、パラグラフ46〜50のいずれかに記載の組成物。
【0408】
52.ポリペプチドが、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8の断片であり、ここで、断片はDNase活性を有する、パラグラフ46〜51のいずれかに記載の組成物。
【0409】
53.組成物が、固形石鹸、均質な錠剤、2つ以上の層を有する錠剤、1つ又は複数のコンパートメントを有するパウチ、通常の若しくは圧縮粉末、顆粒、ペースト、ゲル、又は、通常の、圧縮若しくは濃縮液体である、先行する組成物パラグラフのいずれかに記載の組成物。
【0410】
54.組成物が、液体洗剤、粉末洗剤又は顆粒洗剤である、先行する組成物パラグラフのいずれかに記載の組成物。
【0411】
55.後のクリーニング又は洗濯工程中に品目への汚れの再付着を防止又は低減するための方法であって、
a)パラグラフ27〜54及び82〜96のいずれかに記載の組成物又はDNase活性を有するポリペプチドを含む液体溶液と、品目を接触させるステップ;
b)任意選択で品目をすすぐステップ
を含み、
ここで、上記品目は、生地又は硬質表面である、方法。
【0412】
56.後のクリーニング又は洗濯工程が、DNase活性を有するポリペプチドの使用を含まない、パラグラフ55に記載の方法。
【0413】
57.ステップa)での接触が、品目の含浸により、又は品目の洗浄時に実施される、パラグラフ555〜56のいずれかに記載の方法。
【0414】
58.液体溶液が、品目を含浸させるための洗浄液又は溶液である、パラグラフ55に記載の方法。
【0415】
59.ステップa)での接触が、品目に組成物を噴霧することにより実施される、先行する方法パラグラフのいずれかに記載の方法。
【0416】
60.ステップa)での組成物又はポリペプチドが、後のクリーニング又は洗濯工程の前に、品目をクリーニング又は洗濯するために少なくとも1回使用される、先行するパラグラフのいずれかに記載の方法。
【0417】
61.ステップa)での組成物又はポリペプチドが、後のクリーニング又は洗濯工程の前に、品目をクリーニング又は洗濯するために、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回若しくは10回使用される、パラグラフ60に記載の使用。
【0418】
62.液体溶液が、界面活性剤、ビルダー、凝集助剤、キレート化剤、移染防止剤、酵素、酵素安定剤、酵素阻害剤、触媒材料、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、事前形成された過酸(preformed peracid)、ポリマー分散剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、石鹸泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、ビルダー及びコビルダー、布地色相剤、消泡剤、分散剤、加工助剤、及び/又は顔料をさらに含む、先行する方法パラグラフのいずれかに記載の方法。
【0419】
63.液体溶液が、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ及びオキシダーゼからなる群から選択される1種又は複数種の酵素をさらに含む、先行する方法パラグラフのいずれかに記載の方法。
【0420】
64.液体溶液のpHが、1〜11の範囲である、先行する方法パラグラフのいずれかに記載の方法。
【0421】
65.液体溶液のpHが、5.5〜11の範囲、例えば、7〜9の範囲、7〜8の範囲又は7〜8.5の範囲である、先行する方法パラグラフのいずれかに記載の方法。
【0422】
66.液体溶液の温度が、5℃〜95℃の範囲、又は10℃〜80℃の範囲、10℃〜70℃の範囲、10℃〜60℃の範囲、10℃〜50℃の範囲、15℃〜40℃の範囲又は20℃〜30℃の範囲である、先行する方法パラグラフのいずれかに記載の方法。
【0423】
67.液体溶液の温度が、30℃である、先行する方法パラグラフのいずれかに記載の方法。
【0424】
68.ステップa)で組成物又はポリペプチドと接触させた後、品目をすすぐ、先行する方法パラグラフのいずれかに記載の方法。
【0425】
69.水又はコンディショナを含む水で品目をすすぐ、先行する方法パラグラフのいずれかに記載の方法。
【0426】
70.DNase活性を有するポリペプチドが、動物、植物又は微生物起源のものである、先行する方法パラグラフのいずれかに記載の方法。
【0427】
71.ポリペプチドが、ヒト起源のものである、パラグラフ70に記載の方法。
【0428】
72.ポリペプチドが、リョクトウから得られる、パラグラフ70に記載の方法。
【0429】
73.ポリペプチドが、細菌又は真菌起源のものである、パラグラフ70に記載の方法。
【0430】
74.ポリペプチドが、真菌起源のものであり、ポリペプチドは、
a)配列番号2の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、配列番号3の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、配列番号5の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド又は配列番号8の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド;
b)低度の緊縮条件下で、
i.配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列若しくは配列番号4の成熟ポリペプチドコード配列
ii.そのcDNA配列、又は
iii.(i)若しくは(ii)の完全長補体
とハイブリーダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
c)配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列若しくはそのcDNA配列に対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、又は配列番号4の成熟ポリペプチドコード配列若しくはそのcDNA配列に対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
d)1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号2の成熟ポリペプチドの変異体、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号3の成熟ポリペプチドの変異体、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号5の成熟ポリペプチドの変異体、又は1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号8の成熟ポリペプチドの変異体;並びに
e)DNase活性を有する(a)、(b)、(c)若しくは(d)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、パラグラフ73に記載の方法。
【0431】
75.ポリペプチドが、細菌起源のものであり、ポリペプチドは、
a)配列番号6の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、配列番号7の成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド;
b)1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号6の成熟ポリペプチドの変異体、又は1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号7の成熟ポリペプチドの変異体;並びに
c)DNase活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、パラグラフ73に記載の方法。
【0432】
76.ポリペプチドが、配列番号2の成熟ポリペプチド、配列番号3の成熟ポリペプチド、配列番号5の成熟ポリペプチド、又は配列番号6の成熟ポリペプチド、配列番号7の成熟ポリペプチド、又は配列番号8の成熟ポリペプチドに対して、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する、パラグラフ74〜75のいずれかに記載の方法。
【0433】
77.ポリペプチドが、配列番号2若しくは配列番号2の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドが、配列番号3若しくは配列番号3の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドが、配列番号5若しくは配列番号5の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドが、配列番号6若しくは配列番号6の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、ポリペプチドが、配列番号7若しくは配列番号7の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成され、あるいは、配列番号8若しくは配列番号8の成熟ポリペプチドを含むか、又はこれから構成される、パラグラフ74〜76のいずれかに記載の方法。
【0434】
78.成熟ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸1〜206、配列番号3のアミノ酸1〜206、配列番号5のアミノ酸1〜188、配列番号6のアミノ酸1〜110、配列番号7のアミノ酸1〜109、又は配列番号8のアミノ酸1〜206である、パラグラフ74〜77のいずれかに記載の方法。
【0435】
79.ポリペプチドが、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、又は配列番号8の成熟ポリペプチドの変異体(変異体は、1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む)、又は1つ又は複数の位置に置換、欠失、及び/若しくは挿入を含む配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8の成熟ポリペプチドの変異体である、パラグラフ74〜78のいずれかに記載の方法。
【0436】
80.ポリペプチドが、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7又は配列番号8の断片であり、ここで、断片はDNase活性を有する、パラグラフ74〜79のいずれかに記載の方法。
【0437】
81.洗剤液中のポリペプチドの濃度が、0.00004〜100ppm酵素タンパク質の範囲、例えば、0.00008〜100の範囲、0.0001〜100の範囲、0.0002〜100の範囲、0.0004〜100の範囲、0.0008〜100の範囲、0.001〜100ppm酵素タンパク質の範囲、0.01〜100ppm酵素タンパク質の範囲、0.05〜50ppm酵素タンパク質の範囲、0.1〜50ppm酵素タンパク質の範囲、0.1〜30ppm酵素タンパク質の範囲、0.5〜20ppm酵素タンパク質の範囲、又は0.5〜10ppm酵素タンパク質での範囲である、先行する方法パラグラフのいずれかに記載の方法。
【0438】
82.組成物が、少なくとも3重量%の合計濃度の界面活性剤及び洗剤ビルダーと、洗剤酵素含有マイクロカプセルとを含む液体洗剤組成物であって、ここで、マイクロカプセルの膜は、1kDa超の分子量を有する多分岐ポリアミンの架橋によって生成される、パラグラフ27に記載の洗剤組成物。
【0439】
83.多分岐ポリアミンの活性アミノ基が、分子量の少なくとも15%を占める、パラグラフ82に記載の洗剤組成物。
【0440】
84.マイクロカプセルが、架橋剤として酸塩化物を使用することにより生成される、パラグラフ82〜83のいずれかに記載の洗剤組成物。
【0441】
85.マイクロカプセルの直径が、50マイクロメートル以上である、パラグラフ82〜84のいずれかに記載の洗剤組成物。
【0442】
86.マイクロカプセルが、少なくとも1重量%の活性酵素を含有する、パラグラフ82〜85のいずれかに記載の洗剤組成物。
【0443】
87.ポリオールなどのアルコールをさらに含む、パラグラフ82〜86のいずれかに記載の洗剤組成物。
【0444】
88.界面活性剤が、アニオン界面活性剤である、パラグラフ82〜87のいずれかに記載の洗剤組成物。
【0445】
89.液体洗濯又は自動食器洗剤組成物である、パラグラフ82〜88のいずれかに記載の洗剤組成物。
【0446】
90.90重量%未満の水を含有する、パラグラフ82〜89いずれかに記載の洗剤組成物。
【0447】
91.洗剤酵素が、DNase活性を有するポリペプチド、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ、又はオキシドレダクターゼである、パラグラフ82〜90いずれかに記載の洗剤組成物。
【0448】
92.プロテアーゼが、メタロプロテアーゼ又はアルカリセリンプロテアーゼ、例えば、スブチリシンである、パラグラフ82〜91のいずれかに記載の洗剤組成物。
【0449】
93.DNase活性を有するポリペプチドが、配列番号2に対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、配列番号3のポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド、配列番号5のポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチド又は配列番号8のポリペプチドに対して少なくとも60%の配列同一性を有するポリペプチドである、パラグラフ82〜92のいずれかに記載の洗剤組成物。
【0450】
94.マイクロカプセルが、架橋剤として酸塩化物を使用することにより生成される、パラグラフ82〜93のいずれかに記載の洗剤組成物。
【0451】
95.多分岐ポリアミンが、ポリエチレンイミンである、パラグラフ82〜94のいずれかに記載の洗剤組成物。
【0452】
96.マイクロカプセルが、Mg2+、Ca2+、又はZn2+イオンの供給源、例えば、Mg2+、Ca2+、又はZn2+の難溶性塩を含む、パラグラフ82〜95のいずれかに記載の洗剤組成物。
【0453】
97.DNase活性を有するポリペプチドで処理した、又はこれを含浸させた品目。
【0454】
98.品目が生地である、パラグラフ97に記載の品目。
【0455】
アッセイ及び洗剤組成物
洗剤組成物
以下に挙げる洗剤組成物は、静電気を防止又は低減するために本発明のポリペプチドと組み合わせて使用することができる。
【0456】
Biotex black(液体)
5〜15%アニオン界面活性剤、<5%ノニオン界面活性剤、香料、酵素、DMDM及びヒダントイン。
【0457】
Ariel Sensitive White&Colorの組成物(液体洗剤組成物):
水、アルコールエトキシ硫酸塩、アルコールエトキシレート、アミノオキシド、クエン酸、C12〜18抜頭(topped)パーム核脂肪酸、プロテアーゼ、グリコシダーゼ、アミラーゼ、エタノール、1,2−プロパンジオール、ギ酸ナトリウム、塩化カルシウム、水酸化ナトリウム、シリコーン乳剤、トランス−硫酸化EHDQ(成分は、降順で記載する)。
【0458】
WFK IEC−Aモデル洗剤の組成物(粉末)
成分:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム8.8%、エトキシル化脂肪族アルコールC12〜18(7 EO)4.7%、ナトリウム石鹸3.2%、消泡DC2−4248S3.9%、ケイ酸ナトリウムアルミニウムゼオライト4A 28.3%、炭酸ナトリウム11.6%、アクリル酸及びマレイン酸からのコポリマーのナトリウム塩(Sokalan CP5)、ケイ酸ナトリウム3.0%、カルボキシメチルセルロース1.2%、Dequest 2066 2.8%、光学増白剤0.2%、硫酸ナトリウム6.5%、プロテアーゼ0.4%。
【0459】
モデル洗剤Aの組成物(液体)
成分:12%LAS、11%AEO Biosoft N25−7(NI)、7%AEOS(SLES)、6%MPG(モノプロピレングリコール)、3%エタノール、3%TEA、2.75%ココア石鹸、2.75%ダイズ石鹸、2%グリセロール、2%水酸化ナトリウム、2%クエン酸ナトリウム、1%ナトリウムホルミエート(formiate)、0.2%DTMPA及び0.2%PCA(パーセンテージは全てw/wである)。
【0460】
Ariel Actiliftの組成物(液体)
成分:5〜15%アニオン界面活性剤;<5%ノニオン界面活性剤、ホスホン酸塩、石鹸;酵素、光学増白剤、ベンズイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、香料、α−イソメチルイオノン、シトロネロール、ゲラニオール、リナロール。
【0461】
Ariel Actilift Colour&Styleの組成物(液体)
成分:5〜15%アニオン界面活性剤;<5%ノニオン界面活性剤、ホスホン酸塩、石鹸;酵素、香料、ベンズイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、α−イソメチルイオノン、ブチルフェニルメチルプロピオナール、シトロネロール、ゲラニオール、リナロール。
【0462】
Ariel Actilift Colour&Styleの組成物
水、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、C14〜C15パレス(Pareth)−7、クエン酸ナトリウム、プロピレングリコール、パーム核脂肪酸ナトリウム、レウレス硫酸ナトリウム、MEAドデシルベンゼンスルホナージ(Dodecylbenzenesulfonage)、4級化硫酸化エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、クメンスルホン酸ナトリウム、香料、PEG/酢酸ビニルのコポリマー、ギ酸ナトリウム、水添ヒマシ油、ジエチレントリアミンペンタメチレンリン酸ナトリウム、PEG/PPG−10/2プロピルヘプチルエーテル、ブチオフェニルメチルプロピオナール、ポリビニルピリジン−N−オキシド、ソルビトール、グリセリン、エタノールアミン、水酸化ナトリウム、α−イソメチルイオノン、プロテアーゼ、塩化カルシウム、ゲラニオール、リナロール、シトロネロール、トリプロピレングリコール、グリコシダーゼ、ベンズイソチアゾリノン、ジメチコン、グリコシダーゼ、酢酸ナトリウム、セルラーゼ、着色剤、ステアリン酸グリセリル、ヒドロキシエチルセルロース、シリカ。
【0463】
Ariel Actilift Colour&Styleの組成物、新パック
成分:水、ラウレス硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、C14〜C15パレス(Pareth)−7、クエン酸ナトリウム、パーム核脂肪酸ナトリウム、アルコール、ギ酸ナトリウム、4級化硫酸化エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、水酸化ナトリウム、香料、ポリビニルピリジン−N−オキシド、ソルビトール、塩化カルシウム、プロテアーゼ、グリセリン、グルコシダーゼ、グリコシダーゼ、酢酸ナトリウム、着色剤、セルロース。
【0464】
Ariel Actilift Whites&Colours Coolcleanの組成物、新パック
成分:水、ラウレス硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、C14〜C15パレス(Pareth)−7、クエン酸ナトリウム、パーム核脂肪酸ナトリウム、アルコール、ギ酸ナトリウム、4級化硫酸化エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、水酸化ナトリウム、香料、ソルビトール、塩化カルシウム、プロテアーゼ、グリセリン、グルコシダーゼ、グリコシダーゼ、酢酸ナトリウム、着色剤、セルロース。
【0465】
Ariel Sensitive Whites&Colorの組成物
成分:水、ラウレス硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、C14〜C15パレス(Pareth)−7、クエン酸ナトリウム、パーム核脂肪酸ナトリウム、アルコール、ギ酸ナトリウム、4級化硫酸化エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、水酸化ナトリウム、ソルビトール、塩化カルシウム、プロテアーゼ、グリセリン、グリコシダーゼ、酢酸ナトリウム、セルロース、シリカ。
【0466】
Ariel Actiliftの組成物、標準
水、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、C14〜C15パレス(Pareth)−7、クエン酸ナトリウム、プロピレングリコール、パーム核脂肪酸ナトリウム、ラウレス(Laureth)硫酸ナトリウム、MEAドデシルベンゼンスルホナージ(Dodecylbenzenesulfonage)、4級化硫酸化エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、クメンスルホン酸ナトリウム、香料、PEG/酢酸ビニルのコポリマー、ギ酸ナトリウム、C12〜C14パレス(Pareth)−7、水添ヒマシ油、ジエチレントリアミンペンタメチレンリン酸ナトリウム、PEG/PPG−10/2プロピルヘプチルエーテル、ブチオフェニルメチルプロピオナール、蛍光性増白剤9、ソルビトール、グリセリン、エタノールアミン、水酸化ナトリウム、α−イソメチルイオノン、プロテアーゼ、塩化カルシウム、ゲラニオール、リナロール、シトロネロール、トリプロピレングリコール、塩化ナトリウム、グリコシダーゼ、ベンズイソチアゾリノン、ジメチコン、グリコシダーゼ、酢酸ナトリウム、セルラーゼ、着色剤、ステアリン酸グリセリル、ヒドロキシエチルセルロース、シリカ。
【0467】
Persil Small&Mightyの組成物(液体)
成分:15〜30%のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、5〜15%の石鹸、<5%のポリカルボキシレート、香料、リン酸塩、光学増白剤。
【0468】
Persil 2 in 1 with Comfort Passion Flower Powder
硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベントナイト、炭酸ナトリウム過酸化物、ケイ酸ナトリウム、ゼオライト、水、クエン酸、TAED、C12〜15パレス(Pareth)−7、ステアリン酸、香料、ナトリウムアクリル酸/MAコポリマー、セルロースゴム、加工トウモロコシデンプン、塩化ナトリウム、エチドロン酸四ナトリウム、カルシウムナトリウムEDTMP、アニリノモルホリノトリアジニルアミノスチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、重炭酸ナトリウム、フェニルプロピルエチルメチコン、ブチルフェニルメチルプロピオナール、ステアリン酸グリセリル、炭酸カルシウム、ポリアクリル酸ナトリウム、α−イソメチルイオノン、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、セルロース、プロテアーゼ、リモネン、PEG−75、二酸化チタン、デキストリン、スクロース、ポリアリールスルホン酸ナトリウム、CI12490、CI45100、CI42090、チオ硫酸ナトリウム、CI61585。
【0469】
Persil Biological Powder
スクロース、ソルビトール、ケイ酸アルミニウム、ポリオキシメチレンメラミン、ポリアリールスルホン酸ナトリウム、CI61585、CI45100、リパーゼ、アミラーゼ、キサンタンゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、CI12490、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、CI42090、マンナナーゼ、CI11680、エチドロン酸、四ナトリウムEDTA。
【0470】
Persil Biological Tablets
炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、重炭酸ナトリウム、ゼオライト、水、ケイ酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、セルロース、TAED、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘミセルロース、リグニン、ラウリルグルコシド、ナトリウムアクリル酸/MAコポリマー、ベントナイト、塩化ナトリウム、香料、エチドロン酸四ナトリウム、硫酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ジメチコン、アニリノモルホリノトリアジニルアミノスチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリメチルシロキシケイ酸塩、炭酸カルシウム、セルロース、PEG−75、二酸化チタン、デキストリン、プロテアーゼ、加工トウモロコシデンプン、スクロース、CI12490、ポリアリールスルホン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アミラーゼ、カオリン。
【0471】
Persil Colour Care Biological Powder
スブチリシン、イミダゾリジノン、ヘキシルシンナマル、スクロース、ソルビトール、ケイ酸アルミニウム、ポリオキシメチレンメラミン、CI61585、CI45100、リパーゼ、アミラーゼ、キサンタンゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、CI12490、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、CI42090、マンナナーゼ、CI11680、エチドロン酸、四ナトリウムEDTA。
【0472】
Persil Colour Care Biological Tablets
重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ゼオライト、水、ケイ酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、セルロースゴム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルグルコシド、塩化ナトリウム、ナトリウムアクリル酸/MAコポリマー、香料、チオグリコール酸ナトリウム、PVP、硫酸ナトリウム、エチドロン酸四ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ジメチコン、ベントナイト、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリメチルシロキシケイ酸塩、炭酸カルシウム、セルロース、PEG−75、二酸化チタン、デキストリン、プロテアーゼ、加工トウモロコシデンプン、スクロース、チオ硫酸ナトリウム、アミラーゼ、CI74160、カオリン。
【0473】
Persil Dual Action Capsules Bio
MEA−ドデシルベンゼンスルホン酸塩、MEA−水添ヤシ脂肪酸塩、C12〜15パレス(Pareth)−7、ジプロピレングリコール、水、エチドロン酸四ナトリウム、ポリビニルアルコール、グリセリン、アジリジン、エトキシル化ホモポリマー、プロピレングリコール、香料、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸ナトリウム、ソルビトール、MEA−硫酸塩、エタノールアミン、スブチリシン、グリコール、ブチルフェニルメチルプロピオナール、ボロン酸、(4−ホルミルフェニル)、ヘキシルシンナマル、リモネン、リナルール、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、α−イソメチルイオノン、ゲラニオール、アミラーゼ、ポリマーブルー着色剤(Polymeric Blue Colourant)、ポリマーイエロー着色剤(Polymeric Yellow Colourant)、タルク、塩化ナトリウム、ベンズイソチアゾリノン、マンナナーゼ、安息香酸デナトニウム。
【0474】
Persil 2 in 1 with Comfort Sunshiny Days Powder
硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベントナイト、炭酸ナトリウム過酸化水物、ケイ酸ナトリウム、ゼオライト、水、クエン酸、TAED、C12〜15パレス(Pareth)−7、香料、ステアリン酸、ナトリウムアクリル酸/MAコポリマー、セルロースゴム、加工トウモロコシデンプン、塩化ナトリウム、エチドロン酸四ナトリウム、カルシウムナトリウムEDTMP、アニリノモルホリノトリアジニルアミノスチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、重炭酸ナトリウム、フェニルプロピルエチルメチコン、ブチルフェニルメチルプロピオナール、ステアリン酸グリセリル、炭酸カルシウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ゲラニオール、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、セルロース、プロテアーゼ、PEG−75、二酸化チタン、デキストリン、スクロース、ポリアリールスルホン酸ナトリウム、CI12490、CI45100、CI42090、チオ硫酸ナトリウム、CI61585。
【0475】
Persil Small&Mighty 2 in 1 with Comfort Sunshiny Days
水、C12〜15パレス−7、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、プロピレングリコール、水添ヤシ脂肪酸ナトリウム、トリエタノールアミン、グリセリン、TEA−水添ヤシ脂肪酸ナトリウム、香料、塩化ナトリウム、ポリクオタニウム−10、PVP、ポリマーピンク着色剤(Polymeric Pink Colourant)、硫酸ナトリウム、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、ブチルフェニルメチルプロピオナール、スチレン/アクリレートコポリマー、ヘキシルシンナマル、シトロネロール、オイゲノール、ポリビニルアルコール、酢酸ナトリウム、イソプロピルアルコール、ポリマーイエロー着色剤(Polymeric Yellow Colourant)、ラウリル硫酸ナトリウム。
【0476】
Persil Small&Mighty Bio
水、MEA−ドデシルベンゼンスルホン酸塩、プロピレングリコール、ラウレス硫酸ナトリウム、C12〜15パレス(Pareth)−7、TEA−水添ヤシ脂肪酸塩、MEA−クエン酸塩、エトキシル化アジリジンホモポリマー、MEA−エチドロン酸塩、トリエタノールアミン、香料、アクリレートコポリマー、ソルビトール、MEA−硫酸塩、亜硫酸ナトリウム、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、ブチルフェニルメチルプロピオナール、スチレン/アクリレートコポリマー、シトロネロール、硫酸ナトリウム、ペプチド、塩、発酵(工程)からの糖、スブチリシン、グリセリン、ボロン酸、(4−ホルミルフェニル)、ゲラニオール、ペクチン酸リアーゼ、アミラーゼ、ラウリル硫酸ナトリウム、マンナナーゼ、CI42051。
【0477】
Persil Small&Mighty Capsules Biological
MEA−ドデシルベンゼンスルホン酸塩、MEA−水添ヤシ脂肪酸塩、C12〜15パレス(Pareth)−7、ジプロピレングリコール、水、グリセリン、ポリビニルアルコール、香料、エトキシル化アジリジンホモポリマー、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸ナトリウム、プロピレングリコール、ソルビトール、MEA−硫酸塩、エタノールアミン、スブチリシン、グリコール、ブチルフェニルメチルプロピオナール、ヘキシルシンナマル、デンプン、ボロン酸、(4−ホルミルフェニル)、リモネン、リナルール、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、α−イソメチルイオノン、ゲラニオール、アミラーゼ、タルク、ポリマーブルー着色剤(Polymeric Blue Colourant)、塩化ナトリウム、ベンズイソチアゾリノン、安息香酸デナトニウム、ポリマーイエロー着色剤(Polymeric Yellow Colourant)、マンナナーゼ。
【0478】
Persil Small&Mighty Capsules Colour Care
MEA−ドデシルベンゼンスルホン酸塩、MEA−水添ヤシ脂肪酸塩、C12〜15パレス(Pareth)−7、ジプロピレングリコール、水、グリセリン、ポリビニルアルコール、香料、エトキシル化アジリジンホモポリマー、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸ナトリウム、プロピレングリコール、MEA−硫酸塩、エタノールアミン、PVP、ソルビトール、ブチルフェニルメチルプロピオナール、スブチリシン、ヘキシルシンナマル、デンプン、リモネン、リナルール、ボロン酸、(4−ホルミルフェニル)、α−イソメチルイオノン、ゲラニオール、タルク、ポリマーブルー着色剤(Polymeric Blue Colourant)、安息香酸デナトニウム、ポリマーイエロー着色剤(Polymeric Yellow Colourant)。
【0479】
Persil Small&Mighty Colour Care
水、MEA−ドデシルベンゼンスルホン酸塩、プロピレングリコール、ラウレス硫酸ナトリウム、C12〜15パレス(Pareth)−7、TEA−水添ヤシ脂肪酸塩、MEA−クエン酸塩、エトキシル化アジリジンホモポリマー、MEA−エチドロン酸塩、トリエタノールアミン、香料、アクリレートコポリマー、ソルビトール、MEA−硫酸塩、亜硫酸ナトリウム、グリセリン、ブチルフェニルメチルプロピオナール、シトロネロール、硫酸ナトリウム、ペプチド、塩、発酵(工程)からの糖、スチレン/アクリレートコポリマー、スブチリシン、ボロン酸、(4−ホルミルフェニル)、ゲラニオール、ペクチン酸リアーゼ、アミラーゼ、ラウリル硫酸ナトリウム、マンナナーゼ、CI61585、CI45100。
【0480】
Fairy Non Bioの組成物(液体)
成分:15〜30%アニオン界面活性剤、5〜15%ノニオン界面活性剤、石鹸、ベンズイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、香料。
【0481】
モデル洗剤Tの組成物(粉末)
成分:11%LAS、2%AS/AEO、2%石鹸、3%AEO、15.15%炭酸ナトリウム、3%ケイ酸ナトリウム、18.75%ゼオライト、0.15%キレート剤、2%クエン酸ナトリウム、1.65%AA/MAコポリマー、2.5%CMC及び0.5%SRP(パーセンテージは全てw/w)。
【0482】
モデル洗剤Xの組成物(粉末)
成分:16.5%LAS、15%ゼオライト、12%二ケイ酸ナトリウム、20%炭酸ナトリウム、1%ソカラン、35.5%硫酸ナトリウム(パーセンテージは全てw/w)。
【0483】
Ariel Actilift Colour&Styleの組成物(粉末)
成分:15〜30%アニオン界面活性剤、<5%ノニオン界面活性剤、ホスホン酸塩、ポリカルボキシレート、ゼオライト;酵素、香料、ヘキシルシンナマル。
【0484】
Ariel Actiliftの組成物(粉末)
成分:5〜15%アニオン界面活性剤、酸素系漂白剤、<5%ノニオン界面活性剤、ホスホン酸塩、ポリカルボキシレート、ゼオライト、光学増白剤、酵素、香料、ブチルフェニルメチルプロピオナール、クーマリン、ヘキシルシンナマル。
【0485】
Persil Megaperlsの組成物(粉末)
成分:15〜30%の下記成分:アニオン界面活性剤、酸素系漂白剤及びゼオライト、5%未満の下記成分:ノニオン界面活性剤、ホスホン酸塩、ポリカルボキシレート、石鹸、その他の成分:香料、ヘキシルシンナマル、サリチル酸ベンジル、リナロール、光学増白剤、酵素及びシトロネロール。
【0486】
Grain Liquid,Original:
成分:水、アルコールエトキシ硫酸塩、ジエチレングリコール、アルコールエトキシレート、エタノールアミン、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム脂肪酸、ポリエチレンイミンエトキシレート、クエン酸、ホウ砂(Borax)、クメンスルホン酸ナトリウム、プロピレングリコール、DTPA、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジプロピルエチルテトラミン、水酸化ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ジメチコン、アミラーゼ、プロテアーゼ、Liquitint(商標)、水添ヒマシ油、芳香剤。
【0487】
Tide Liquid,Original:
成分:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、プロピレングリコール、クエン酸、水酸化ナトリウム、ホウ砂、エタノールアミン、エタノール、アルコール硫酸塩、ポリエチレンイミンエトキシレート、ナトリウム脂肪酸、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、プロテアーゼ、ジエチレングリコール、ラウレス−9、アルキルジメチルアミンオキシド、芳香剤、アミラーゼ、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、DTPA、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ポリエチレングリコール4000、マンナナーゼ、Liquitint(商標)Blue、ジメチコン。
【0488】
Liquid Tide,Free and Gentle:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ホウ砂、エタノール、直鎖アルキルベンゼンスルホネートナトリウム、塩、ポリエチレンイミンエトキシレート、ジエチレングリコール、トランス硫酸化及びエトキシル化ヘキサメチレンジアミン、アルコールエトキシレート、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、MEA塩、ギ酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、DTPA、アミンオキシド、ギ酸カルシウム、二ナトリウムジアミノスチルベン、ジスルホン酸塩、アミラーゼ、プロテアーゼ、ジメチコン、ベンズイソチアゾリノン。
【0489】
Tide Coldwater Liquid,Fresh Scent:
水、アルコールエトキシ硫酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノールアミン、クエン酸、ホウ砂(Borax)、硫酸アルコール、水酸化ナトリウム、ポリエチレンイミン、エトキシレート、ナトリウム脂肪酸、エタノール、プロテアーゼ、ラウレス−9、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、ラウラミンオキシド、ナトリウムクメン、スルホン酸塩、芳香剤、DTPA、アミラーゼ、二ナトリウム、ジアミノスチルベン、ジスルホン酸塩、ギ酸ナトリウム、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、ギ酸カルシウム、ポリエチレングリコール4000、マンナナーゼ、ペクチナーゼ、Liquitint(商標)Blue、ジメチコン。
【0490】
Tide TOTALCARE(商標)Liquid,Cool Cotton:
水、アルコールエトキシ硫酸塩、プロピレングリコール、ナトリウム脂肪酸、塩化ラウトリモニウム、エタノール、水酸化ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クエン酸、エタノールアミン、ジエチレングリコール、シリコーンポリエーテル、ホウ砂、芳香剤、ポリエチレンイミンエトキシレート、プロテアーゼ、ラウレス−9、DTPA、ポリアクリルアミドクオタニウム塩化物、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ギ酸ナトリウム、Liquitint(商標)Orange、ジプロピルエチルテトラアミン、ジメチコン、セルラーゼ。
【0491】
Liquid Tide Plus Bleach Alternative(商標),Vivid White and Bright,Original and Clean Breeze:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、MEAクエン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、MEA塩、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレンイミンエトキシレート、エタノール、ナトリウム脂肪酸、エタノールアミン、ラウラミンオキシド、ホウ砂、ラウレス−9、DTPA、クメンスルホン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩、硫酸アルコール、水酸化ナトリウム、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、芳香剤、アミラーゼ、プロテアーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ベンズイソチアゾリノン、Liquitint(商標)Blue、ジメチコン、ジプロピルエチルテトラアミン。
【0492】
Liquid Tide HE,Original Scent:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、MEAクエン酸塩、アルキル硫酸ナトリウム、アルコールエトキシレート、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、MEA塩、ナトリウム脂肪酸、ポリエチレンイミンエトキシレート、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、ホウ砂、ポリエチレンイミン、エトキシレートプロポキシレート、エタノール、クメンスルホン酸ナトリウム、芳香剤、DTPA、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、マンナナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ラウラミンオキシド、Liquitint(商標)Blue、ジメチコン/ポリジメチルシリコーン。
【0493】
Tide TOTALCARE HE Liquid,renewing Rain:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルコールエトキシレート、クエン酸、エタノールアミン、ナトリウム脂肪酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、水酸化ナトリウム、ホウ砂、ポリエチレンイミンエトキシレート、シリコーンポリエーテル、エタノール、プロテアーゼ、クメンスルホン酸ナトリウム、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、ラウレス−9、芳香剤、アミラーゼ、DTPA、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジスチルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、マンナナーゼ、Liquitint(商標)Orange、ジメチコン、ポリアクリルアミドクオタニウム塩化物、セルラーゼ、ジプロピルエチルテトラアミン。
【0494】
Tide Liquid HE Free:
水、アルコールエトキシ硫酸塩、ジエチレングリコール、クエン酸モノエタノールアミン、ギ酸ナトリウム、プロピレングリコール、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、エタノールアミン、エタノール、ポリエチレンイミンエトキシレート、アミラーゼ、ベンズイソチアゾリン、ホウ砂、ギ酸カルシウム、クエン酸、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ジメチコン、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ラウレス−9、マンナナーゼ、プロテアーゼ、クメンスルホン酸ナトリウム、ナトリウム脂肪酸。
【0495】
Tide Coldwater HE Liquid,Fresh Scent:
水、アルコールエトキシ硫酸塩、MEAクエン酸塩、硫酸アルコール、アルコールエトキシレート、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩MEA、ナトリウム脂肪酸、ポリエチレンイミンエトキシレート、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、ホウ砂、ポリエチレンイミンエトキシレートプロポキシレート、エタノール、クメンスルホン酸ナトリウム、芳香剤、DTPA、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、プロテアーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ラウラミンオキシド、Liquitint(商標)Blue、ジメチコン。
【0496】
Tide for Coldwater HE Free Liquid:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、MEAクエン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩:ナトリウム塩、アルコールエトキシレート、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩:MEA塩、ナトリウム脂肪酸、ポリエチレンイミンエトキシレート、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、ホウ砂(Borax)、プロテアーゼ、ポリエチレンイミンエトキシレートプロポキシレート、エタノール、クメンスルホン酸ナトリウム、アミラーゼ、クエン酸、DTPA、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ジメチコン。
【0497】
Tide Simply Clean&Fresh:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホネートナトリウム/MEA塩、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ギ酸ナトリウム、エタノール、ホウ砂、ナトリウム脂肪酸、芳香剤、ラウラミンオキシド、DTPA、ポリエチレンアミンエトキシレート、ギ酸カルシウム、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジメチコン、テトラミン、Liquitint(商標)Blue。
【0498】
Tide Pods,Ocean Mist,Mystic Forest,Spring Meadow:
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、C12〜16パレス(Pareth)−9、プロピレングリコール、アルコールエトキシ硫酸塩、水、ポリエチレンイミンエトキシレート、グリセリン、脂肪酸塩、PEG−136ポリ酢酸ビニル、エチレンジアミンジコハク酸塩、モノエタノールアミンクエン酸塩、亜硫酸水素ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、ギ酸カルシウム、マンナナーゼ、エキシログルカナーゼ、ギ酸ナトリウム、水添ヒマシ油、ナタラーゼ、色素、テルマミル、スブチリシン、ベンズイソチアゾリン、香料。
【0499】
Tide to Go:
脱イオン水、ジプロピレングリコールブチルエーテル、アルキル硫酸ナトリウム、過酸化水素、エタノール、硫酸マグネシウム、アルキルジメチルアミンオキシド、クエン酸、水酸化ナトリウム、トリメトキシ安息香酸、芳香剤。
【0500】
Tide Stain Release Liquid:
水、アルキルエトキシレート、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、過酸化水素、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、エタノールアミン、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、テトラブチルエチリジンビスフェノール、F&DC Yellow 3、芳香剤。
【0501】
Tide Stain Release Powder:
過炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム、水、アルキルベンゼンスルホン酸塩、DTPA、ポリエチレングリコール、パルミチン酸ナトリウム、アミラーゼ、プロテアーゼ、加工デンプン、FD&C Blue 1、芳香剤。
【0502】
Tide Stain Release,Pre Treater Spray:
水、アルキルエトキシレート、MEAホウ酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリピレングリコール、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、塩化カルシウム酵素、プロテアーゼ、エタノールアミン、ベンゾイソチアゾリノン、アミラーゼ、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、芳香剤。
【0503】
Tide to Go Stain Eraser:
水、アルキルアミンオキシド、ジプロピレングリコールフェニルエーテル、過酸化水素、クエン酸、エチレンジアミンジコハク酸ナトリウム塩、アルキル硫酸ナトリウム、芳香剤。
【0504】
Tide boost with Oxi:
重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、アルコールエトキシレート、塩化ナトリウム、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、硫酸ナトリウム、着色剤、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩、水和アルミノケイ酸塩(ゼオライト)、ポリエチレングリコール、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、デンプン、水、芳香剤。
【0505】
Tide Strain Release boost Duo Pac:
液体部分と粉末部分が充填されている、ポリビニルアルコールパウチフィルム:
【0506】
液体成分:ジプロピレングリコール、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、水、グリセリン、Liquitint(商標)Orange、粉末成分:過炭酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アミノケイ酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、水、アミラーゼ、ポリエチレングリコール、パルミチン酸ナトリウム、加工デンプン、プロテアーゼ、グリセリン、DTPA、芳香剤。
【0507】
Tide Ultra Stain Release:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム/MEA塩、MEAクエン酸塩、ポリピレングリコール、ポリエチレンイミンエトキシレート、エタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレンイミンプロポキシエトキシレート、ナトリウム脂肪酸、プロテアーゼ、ホウ砂、クメンスルホン酸ナトリウム、DTPA、芳香剤、アミラーゼ、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ギ酸カルシウム、ギ酸ナトリウム、グルコナーゼ、ジメチコン、Liquitint(商標)Blue、マンナナーゼ。
【0508】
Ultra Tide with a Touch of Downy(登録商標)Powdered Detergent,April Fresh/Clean Breeze/April Essence:
炭酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ベントナイト、水、過炭酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ケイ酸塩、アルキル硫酸塩、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、DTPA、ポリエチレングリコール4000、シリコーン、エトキシレート、芳香剤、ポリエチレンオキシド、パルミチン酸、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、プロテアーゼ、Liquitint(商標)Red、FD&C Blue 1、セルラーゼ。
【0509】
Ultra Tide with a Touch of Downy Clean Breeze:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、MEAクエン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩:ナトリウム/MEA塩、ポリピレングリコール、ポリエチレンイミンエトキシレート、エタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレンイミン、プロポキシエトキシレート、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、硫酸アルコール、ジメチコン、芳香剤、ホウ砂、ナトリウム脂肪酸、DTPA、プロテアーゼ、亜硫酸水素ナトリウム、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、アミラーゼ、グルコナーゼ、ヒマシ油、ギ酸カルシウム、MEA、スチレンアクリレートコポリマー、ギ酸ナトリウム、Liquitint(商標)Blue。
【0510】
Ultra Tide with Downy Sun Blossom:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、MEAクエン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩:ナトリウム/MEA塩、ポリピレングリコール、エタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレンイミンプロポキシエトキシレート、ポリエチレンイミンエトキシレート、硫酸アルコール、ジメチコン、芳香剤、ホウ砂、ナトリウム脂肪酸、DTPA、プロテアーゼ、亜硫酸水素ナトリウム、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、アミラーゼ、ヒマシ油、ギ酸カルシウム、MEA、スチレンアクリレートコポリマー、プロパンアミニウムプロパンアミド、グルコナーゼ、ギ酸ナトリウム、Liquitint(商標)Blue。
【0511】
Ultra Tide with Downy April Fresh/Sweet Dreams:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、MEAクエン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩:ナトリウム/MEA塩、ポリピレングリコール、ポリエチレンイミンエトキシレート、エタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレンイミンプロポキシエトキシレート、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、硫酸アルコール、ジメチコン、芳香剤、ホウ砂、ナトリウム脂肪酸、DTPA、プロテアーゼ、亜硫酸水素ナトリウム、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、アミラーゼ、グルコナーゼ、ヒマシ油、ギ酸カルシウム、MEA、スチレンアクリレートコポリマー、プロパンアミニウムプロパンアミド、ギ酸ナトリウム、Liquitint(商標)Blue。
【0512】
Ultra Tide Free Powdered Detergent:
炭酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、水、ポリアクリル酸ナトリウム、ケイ酸塩、エトキシレート、過炭酸ナトリウム、ポリエチレングリコール4000、プロテアーゼ、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、シリコーン、セルラーゼ。
【0513】
Ultra Tide Powdered Detergent,Clean Breeze/Spring Lavender/mountain Spring:
炭酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、過炭酸ナトリウム、水、ポリアクリル酸ナトリウム、ケイ酸塩、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、エトキシレート、ポリエチレングリコール4000、芳香剤、DTPA、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、パルミチン酸、プロテアーゼ、シリコーン、セルラーゼ。
【0514】
Ultra Tide HE(high Efficiency)Pwdered Detergent,Clean Breeze:
炭酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、水、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ケイ酸塩、過炭酸ナトリウム、エトキシレート、ポリエチレングリコール4000、芳香剤、DTPA、パルミチン酸、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、プロテアーゼ、シリコーン、セルラーゼ。
【0515】
Ultra Tide Coldwater Powdered Detergent,Fresh Scent:
炭酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、水、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ケイ酸塩、エトキシレート、ポリエチレングリコール4000、DTPA、芳香剤、ナタラーゼ、パルミチン酸、プロテアーゼ、二ナトリウム、ジアミノスチルベンジスルホン酸塩、FD&C Blue 1、シリコーン、セルラーゼ、アルキルエーテル硫酸塩。
【0516】
Ultra Tide with bleach Powdered Detergent,Clean Breeze:
炭酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、過炭酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、水、ケイ酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム、エトキシレート、ポリエチレングリコール4000、芳香剤、DTPA、パルミチン酸、プロテアーゼ、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、シリコーン、FD&C Blue 1、セルラーゼ、アルキルエーテル硫酸塩。
【0517】
Ultra Tide with Febreeze Freshness(商標)Powdered Detergent,Spring Renewal:
炭酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、過炭酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、水、ポリアクリル酸ナトリウム、ケイ酸塩、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、エトキシレート、ポリエチレングリコール4000、DTPA、芳香剤、セルラーゼ、プロテアーゼ、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、シリコーン、FD&C Blue 1。
【0518】
Liquid Tide Plus with Febreeze Freshness−Sport HE Fresh:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、MEAクエン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩:MEA塩、アルコールエトキシレート、ナトリウム脂肪酸、ポリピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレンイミンエトキシレートプロポキシレート、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、エタノール、クメンスルホン酸ナトリウム、ホウ砂、芳香剤、DTPA、亜硫酸水素ナトリウム、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、マンナナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ラウラミンオキシド、Liquitint(商標)Blue、ジメチコン/ポリジメチルシリコーン。
【0519】
Tide Plus Febreeze Freshness Spring&Renewal:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩:ナトリウム/MEA塩、MEAクエン酸塩、ポリピレングリコール、ポリエチレンイミンエトキシレート、芳香剤、エタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレンイミンプロポキシエトキシレート、プロテアーゼ、硫酸アルコール、ホウ砂、ナトリウム脂肪酸、DTPA、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、MEA、マンナナーゼ、グルコナーゼ、ギ酸ナトリウム、ジメチコン、Liquitint(商標)Blue、テトラミン。
【0520】
Liquid Tide Plus with Febreeze Freshness,Sport HE Victory Fresh:
水、アルコールエトキシ硫酸ナトリウム、MEAクエン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩:MEA塩、アルコールエトキシレート、ナトリウム脂肪酸、ポリピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレンイミンエトキシレートプロポキシレート、ジクオタニウムエトキシ硫酸塩、エタノール、クメンスルホン酸ナトリウム、ホウ砂、芳香剤、DTPA、亜硫酸水素ナトリウム、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、マンナナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ラウラミンオキシド、Liquitint(商標)Blue、ジメチコン/ポリジメチルシリコーン。
【0521】
Tide Vivid White+Bright Powder,Original:
炭酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、過炭酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、水、ケイ酸塩、ポリアクリル酸ナトリウムエトキシレート、ポリエチレングリコール4000、芳香剤、DTPA、パルミチン酸、プロテアーゼ、ジアミノスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、シリコーン、FD&C Blue 1、セルラーゼ、アルキルエーテル硫酸塩。
【0522】
HEY SPORT TEX WASH Detergent
水、ドデシルベンゼンスルホンサウーレ(dodecylbenzenesulfonsaeure)、ラウレス−11、peg−75ラノリン、プロピレングリコール、変性アルコール、ダイズカリウム(potassium soyate)、水酸化カリウム、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン三酢酸ココサルキル(cocosalkyl)アセトアミド、香料、リシノール酸亜鉛、塩化ナトリウム、ベンズイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、ci16255、ベンジルアルコール。
【0523】
Tide、Ariel、Gain及びFairyと称する製品は、Procter&Gambleにより供給される市販の製品である。Persilと称する製品は、Unilever and Henkelにより供給される市販の製品である。Hey Sportと称する製品は、Hey Sportにより供給される市販の製品である。
【0524】
【表1】
【0525】
【表2】
【0526】
【表3】
【0527】
【表4】
【0528】
【表5】
【0529】
【表6】
【0530】
酵素レベルは全て、洗剤組成物100g当たりのrug活性酵素タンパク質として表される。界面活性剤成分は、BASF,Ludwigshafen,Germany(Lutensol(登録商標));Shell Chemicals,London,UK;Stepan,Northfield,III,USA;Huntsman,Huntsman,Salt Lake City,Utah,USA;Clariant,Sulzbach,Germany(Praepagen(登録商標))から入手することができる。
【0531】
トリポリリン酸ナトリウムは、Rhodia,Paris,Franceから入手することができる。ゼオライトは、Industrial Zeolite(UK)Ltd,Grays,Essex,UKから入手することができる。クエン酸及びクエン酸ナトリウムは、Jungbunzlauer,Basel,Switzerlandから入手することができる。NOBSは、Eastman,Batesville,Ark.,USAにより供給されるノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
【0532】
TAEDは、Peractive(登録商標)という商品名で、Clariant GmbH,Sulzbach,Germanyにより供給されるテトラアセチルエチレンジアミンである。
【0533】
炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムは、Solvay,Brussels,Belgiumから入手することができる。
【0534】
ポリアクリレート、ポリアクリレート/マレエートコポリマーは、BASF,Ludwigshafen,Germanyから入手することができる。
【0535】
Repel−O−Tex(登録商標)は、Rhodia,Paris,Franceから入手することができる。
【0536】
Texcare(登録商標)は、Clariant,Sulzbach,Germanyから入手することができる。過炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムは、Solvay,Houston,Tex.,USAから入手することができる。
【0537】
エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸のナトリウム塩、(S,S)異性体(EDDS)は、Octel,Ellesmere Port,UKにより供給された。
【0538】
ヒドロキシエタンジリン酸塩(HEDP)は、Dow Chemical,Midland,Mich.,USAにより供給された。
【0539】
酵素:Savinase(登録商標)、Savinase(登録商標)Ultra、Stainzyme(登録商標)Plus、Lipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)、Lipoclean(登録商標)、Celluclean(登録商標)、Carezyme(登録商標)、Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Stainzyme(登録商標)Plus、Termamyl(登録商標)、Termamyl(登録商標)ultra、及びMannaway(登録商標)は、Novozymes,Bagsvaerd,Denmarkから入手することができる。
【0540】
酵素:Purafect(登録商標)、FN3、FN4及びOptisizeは、Genencor International Inc.,Palo Alto,California,USから入手することができる。
【0541】
Direct violet 9及び99は、BASF DE,Ludwigshafen,Germanyから入手することができる。Solvent violet 13は、Ningbo Lixing Chemical Co.,Ltd.Ningbo,Zhejiang,Chinaから入手することができる。増白剤は、Ciba Specialty Chemicals,Basel,Switzerlandから入手することができる。別に記載のない限り、パーセンテージ及び比は全て、重量基準で計算する。別に記載のない限り、パーセンテージ及び比は全て、全組成物に基づいて計算する。本明細書全体を通して付与されるあらゆる最大数値限界は、より低い数値限界があたかも本明細書に明記されているのと同様に、こうしたより低い数値限界を全て包含することを理解すべきである。本明細書全体を通して付与されるあらゆる最小数値限界は、より高い数値限界があたかも本明細書に明記されているのと同様に、こうしたより高い数値限界を全て包含することになる。本明細書全体を通して付与されるあらゆる数値範囲は、より狭い数値範囲があたかも本明細書に明記されているのと同様に、こうしたより広い数値範囲に含まれるより狭い数値範囲を全て包含することになる。
【0542】
洗浄アッセイ
Launder−O−Meter(LOM)モデル洗浄システム
Launder−O−Meter(LOM)は、20以下の異なる洗浄条件を同時にテストするために適用することができる中規模モデル洗浄システムである。LOMは、基本的に、大きな温度制御ウォーターバスであり、その内部に、回転する20個の密閉された金属ビーカを備える。各ビーカは、1つの小さな洗浄機を構成し、実験の間、各々が、テストしようとする特定の洗剤/酵素系の溶液を、テスト対象の汚れた布地及び汚れていない布地と一緒に含有する。機械的ストレスは、ウォーターバス内で回転させるビーカにより、並びにビーカ内に金属ボールを導入することにより達成される。
【0543】
LOMモデル洗浄システムは、主に、欧州洗浄条件での洗剤及び酵素の中規模テストで使用されている。LOM実験において、汚れに対するバラストの比や洗浄液に対する布地の比などの係数は、変動し得る。このように、LOMは、AMSA及びミニ洗浄などの小規模実験と、フロントローダ式洗浄機を用い、より多くの時間がかかる実物実験とをつなげる役割を果たす。
【0544】
Mini Launder−O−Meter(MiniLOM)モデル洗浄システム
MiniLOMは、20以下の異なる洗浄条件を同時にテストするために適用することができる中規模モデル洗浄システムである、Launder−O−Meter(LOM)の改良された小型洗浄システムである。LOMは、基本的に、大きな温度制御ウォーターバスであり、その内部に、回転する20個の密閉された金属ビーカを備える。各ビーカは、1つの小さな洗浄機を構成し、実験の間、各々は、テストしようとする特定の洗剤/酵素系の溶液を、テスト対象の汚れた布地及び汚れていない布地と一緒に含有する。機械的ストレスは、ウォーターバス内で回転させるビーカにより、並びにビーカ内に金属ボールを導入することにより達成される。
【0545】
LOMモデル洗浄システムは、主に、欧州洗浄条件での洗剤及び酵素の中規模テストで使用されている。LOM実験において、汚れに対するバラストの比や洗浄液に対する布地の比などの係数は、変動し得る。このように、LOMは、AMSA及びミニ洗浄などの小規模実験と、フロントローダ式洗浄機を用い、より多くの時間がかかる実物実験とをつなげる役割を果たす。
【0546】
miniLOMの場合、洗浄は、Stuartローテータ内に配置した50ml試験チューブ中で実施する。
【0547】
Terg−O−timeter(TOM)洗浄アッセイ
Tergo−To−Meter(TOM)は、12の異なる洗浄条件を同時にテストするために適用することができる中規模モデル洗浄システムである。TOMは、基本的に、大きな温度制御ウォーターバスであり、その中に浸漬させた12個以下の開放金属ビーカを備える。各ビーカは、1つの小さなトップローダ式洗浄機を構成し、実験の間、それらの各々は、特定の洗剤/酵素系の溶液と、その性能をテストする対象の汚れた布地及び汚れていない布地を含有する。機械的ストレスは、回転攪拌アームによって達成され、このアームは、各ビーカ内の液体を攪拌する。TOMビーカには蓋がないので、洗浄中のオンライン情報のために、TOM実験及びアッセイ中にサンプルを抜き取ることが可能である。
【0548】
TOMモデル洗浄システムは、主に、US又はLA/AP洗浄条件での洗剤及び酵素の中規模テストに使用されている。TOM実験において、汚れに対するバラストの比や洗浄液に対する布地の比などの係数は、変動し得る。このように、TOMは、AMSA及びミニ洗浄などの小規模実験と、トップローダ式洗浄機を用い、より多くの時間がかかる実物実験とをつなげる役割を果たす。
【0549】
設備:12個のスチール製ビーカと、洗剤溶液500又は1200mLの容量を有するビーカ毎に1つの回転アームとを備えるウォーターバス。温度範囲は、5〜80℃である。ウォーターバスには、脱イオン水を充填しなければならない。回転速度は、70〜120rpm/分以下に設定することができる。
【0550】
Terg−O−Tometerの温度を設定し、ウォーターバス内の回転を開始する。温度が調節される(誤差は、+/−0.5℃)のを待つ。ビーカは全て清浄であり、微量の以前のテスト材料を含まないものとする。
【0551】
所望の量の洗剤、温度及び水硬度を有する洗浄溶液をバケツ中に調製する。10分間の磁気攪拌の間に洗剤を溶解させる。洗浄溶液は、調製後30〜60分以内に使用するものとする。
【0552】
800mlの洗浄溶液をTOMビーカに添加する。洗浄溶液を120rpmで攪拌した後、任意選択で、1種又は複数種の酵素をビーカに添加する。スワッチ、続いてバラストロード(load)をビーカに導入する。スワッチ及びバラストをビーカに添加したとき、時間測定を開始する。スワッチを20分間洗浄した後、攪拌を停止する。続いて、洗浄ロードをTOMビーカから篩に移して、水道水ですすぐ。汚れたスワッチをバラストロードから分ける。汚れたスワッチは、5分間水を流しながら、常温の水道水を含む5Lビーカに移す。バラストロードは、次の不活性化のために、分けたままにしておく。スワッチの水を手で軽く絞り、紙で覆ったトレイの上に置く。もう1枚の紙をスワッチの上に置く。スワッチを一晩乾燥させた後、実施例7に記載する臭気除去についてのアッセイなどの分析に付す。
【0553】
実物洗浄
これは、EU条件(フロントローダ式洗浄機での洗浄)下での実物洗浄におけるDNAseの洗浄性能をテストするために用いられる試験方法である。
【0554】
実際の品目(Tシャツ)及びバラストを洗剤及び酵素と一緒に各洗浄に付加する。洗浄後、実際の品目(Tシャツ)を乾燥させる。乾燥後、丸いスワッチを切り取り、miniLOMにおいて汚れ添加洗剤(汚れた洗剤)と一緒に洗浄する。MacBeth Color Eye分光光度計を用いて、色差を測定する。
【0555】
酵素は、各洗浄における洗剤投与量の重量%に基づいて添加する。
【0556】
使用する設備
・洗浄機:Miele Softtronic W2445
・水量計及び自動データ収集装置
・MacBeth Color Eye分光光度計
【0557】
水硬度の調製及び調節のために、次の成分が必要である:
・塩化カルシウム(CaCl2・2H2O)
・塩化マグネシウム(MgCL2・6H2O)
・炭酸水素ナトリウム(NaHCO3
【0558】
バラスト
バラストは、光学白色化剤を含まない、綿、ポリエステル又は綿/ポリエステル製の清浄な白色の布から構成される。バラストの構成は、重量基準で65/35の綿/ポリエステル比での様々な品目を混合したものである。バラスト重量、乾燥度及び品目の構成は、各洗浄で同じでななければならない。
【0559】
各洗浄後、バラストは、洗剤なしで、85℃/15分の業務用洗浄機又は95℃洗浄(EU洗浄機)において不活性化する。
【0560】
バラスト例:(標準EUバラスト構成、計3kg)
・Tシャツ(綿100%)3枚
・半袖シャツ(綿55%、ポリエステル45%)10枚
・枕カバー(綿35%、ポリエステル65%)、110×75cm、4枚
・小さなベッドシーツ、サイズ100×75cm(綿100%)1枚
・ティータオル(綿100%)3枚
・ソックス(綿80%、ポリエステル20%)残余
【0561】
洗浄条件
・温度:30℃
・洗浄プログラム:予洗なしの通常の綿洗浄:「綿」
・「水増加」を伴う水量13〜14L
・水硬度:標準的EU条件:15°dH、Ca2+:Mg2+:HCO3=4:1:7.5
・DNAse用量:1ppm
【0562】
実物洗浄試験を実施するための具体的ステップ
1.試験計画にある通りに洗浄プログラムを選択する。
2.洗剤及びDNAseを洗浄ドラム内の「洗浄ボール」(液体及び粉末洗剤の両方)中に導入する。これを底部に配置する。
3.実際の品目(Tシャツ)及びバラストを洗浄ドラムに導入する。
4.デジタル水量計を開始する。
5.スタートボタンを押すことにより、洗浄機を開始する。
6.洗浄後、実際の品目(Tシャツ)及びバラストを取り出し、実際の品目を乾燥室に配置する。
【0563】
乾燥手順
汚れをトレイに載せるか、又は一列に吊るして、室温で乾燥させる。部屋は、乾燥状態を保つように、除湿器を毎日24時間作動させる。
【0564】
測定
Tシャツから丸いスワッチ(脇部分、正面部分、背中部分及び縁部分)を切り取り、汚れを添加した汚れた洗剤と一緒にminiLOMで洗浄した。スワッチを色差(L値)の測定により評価するが、これは、Color Eye(Macbeth Color Eye 7000反射分光光度計)を用いて、色差(L値)を測定した。測定は、入射光においてUVなしで実施し、CIE Lab色空間からのL値を抽出した。
【0565】
酵素アッセイ
アッセイI
DNase活性のテスト
DNase活性をDNase Test Agar with Methyl Green(BD,Franklin Lakes,NJ,USA)で決定したが、これは、供給業者のマニュアルに従って調製した。手短には、21gの寒天を500mlの水に溶解させた後、121℃で15分間オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理した寒天をウォーターバス中で48℃に温度調節した後、20mlの寒天をペトリ皿に注ぎ込み、室温でのインキュベーションo/nにより凝固させた。凝固した寒天プレート上に、5μlの酵素溶液を添加し、班点状の酵素溶液周辺の無色領域としてDNase活性を観察した。
【0566】
アッセイII
エレクトロニックノーズを用いた、生地上のE−2−ノネナールの分析
E−2−ノネナールは洗濯物に関する悪臭に寄与するため、生地上の悪臭の存在を試験する一方法は、この化合物を悪臭のマーカとして用いることによるものである。
5cm×5cmの生地スワッチにE−2−ノネナールの溶液を添加し、GC分析用の20mLガラスバイアル中にスワッチを配置し、バイアルにキャップをした。40℃で20分のインキュベーション後、Heracles II Electronic nose(Alpha M.O.S.(フランス)製)(2つのFID、カラム1:MXT5及びカラム2:MXT1701を有する二重カラムガスクロマトグラフ)で、密閉バイアルからの5mL頭隙を分析した。
【実施例】
【0567】
実施例1
ランニング用Tシャツに対するディープクリーニング効果の検出
100%ポリエステル製の2枚の白色のランニング用Tシャツを、3.33g/Lのモデル洗剤Aを用いて、洗浄機で洗浄した(実物洗浄)。
【0568】
これらの2枚のTシャツを試験者(男性)に、1回1枚ずつ着用させた。試験者は、各々のTシャツを運動中に1時間ずつ着用した。着用後、1枚のTシャツは、配列番号7のDNAse(1ppm)と一緒に3.33g/Lのモデル洗剤Aを用い、洗浄機で洗浄したのに対し、2枚目のTシャツは、DNAseを含まない(0ppm)3.33g/Lのモデル洗剤Aを用い、洗浄機で洗浄した。Tシャツは、前述の実物洗浄で記載したように洗浄し、洗浄のために15Lの水道水を使用した。いずれのTシャツも運動中に着用し、その後洗浄した。この着用及び洗浄サイクルを10回反復した。
【0569】
クリーニング効果(ディープクリーニング効果)の評価のために、Tシャツの脇、背中(肩の間の背中上方)、正面(胸部)及び正面下方縁から5枚の丸いスワッチ(直径2cm)を切り取った。脇、背中、正面及び縁からの5枚のスワッチをそれぞれ5枚の滅菌ポリエステルWFK30Aスワッチと50mL試験チューブ内で混合し、0.7g/Lの汚れ(Pigmentschmutz,09V,wfk,Krefeld,Germany)を添加した、水中3.33g/Lのモデル洗剤Aを添加することにより、調製した10mLの洗浄液を添加した。試験チューブをStuartローテータ(miniLOM)内に30℃で1時間配置し、前述したminiLOMに従って洗浄した。スワッチを10mlの水道水で2回すすいだ後、ろ紙上で一晩乾燥させた。
【0570】
Color Eye(Macbeth Color Eye 7000反射分光光度計)を用いて、色差(L値)を測定した。測定は、入射光においてUVなしで実施し、CIE Lab色空間からのL値を抽出した。高いL値は、白色の生地を表す。従って、ΔLが高いほど、生地の白色度は高い。
【0571】
以下の結果は、10回の洗浄においてDNaseを用いた洗浄が、後の洗濯工程における汚れの付着を防止することを示している。さらに、結果から、10回の洗浄においてDNaseを用いた洗浄が、生地の白色度を向上させることもわかる。
【0572】
【表7】
【0573】
実施例2
2回の洗浄についての液体洗剤中のDNAseのディープクリーニング性能
ランドリーから単離したブレブンディモナス属(Brevundimonas sp.)の1株を本実施例で使用した。ブレブンディモナス属(Brevundimonas sp.)を、30℃のトリプシンダイズ寒天(Tryptone Soya Agar)(TSA)(pH7.3)(CM0131;Oxoid Ltd,Basingstoke,UK)上で2〜5日間事前に増殖させた。単一コロニーから、充満したループ(loop−full)を10mLのTSB(Tryptone Soya broth,Oxoid)に移した後、振盪(240rpm)しながら、30℃で16時間にわたりインキュベートした。増殖後、遠心分離(Sigma Laboratory Centrifuge 6K15)(21℃、3000gで、7分)によりブレブンディモナス属(Brevundimonas sp.)をペレット化してから、milliQ水で2倍希釈した10mLのTSBに再懸濁させた。分光光度計(POLARstar Omega(BMG Labtech,Ortenberg,Germany)を用いて、600nmでの光学密度(OD)を測定した。滅菌milliQ水で2倍希釈した新鮮なTSBにブレブンディモナス属(Brevundimonas sp.)を0.03のOD600nmまで接種してから、1.6mLを12ウェルポリスチレン平底マイクロプレート(3512;Corning Incorporated,Corning,NY,USA)の各ウェルに添加し、そこに、滅菌ポリエステルWFK30Aの丸いスワッチ(直径2cm)を配置した。振盪(100rpm)しながら、15℃でそれぞれ24時間及び72時間のインキュベーション後、培地を除去してから、スワッチを0.9%(w/v)NaClで2回すすいだ。
【0574】
洗浄1では、前述のように調製したブレブンディモナス属(Brevundimonas sp.)の付いた5枚のすすぎ済みスワッチ(ドナースワッチ)を、50mL試験チューブ中で5枚の滅菌ポリエステルWFK30Aスワッチ(トレーサスワッチ)と合わせてから、水中3.33g/Lのモデル洗剤A及び配列番号2のDNAse(0.04ppm)を添加することにより調製した10mLの洗浄液を添加した。DNAseを加えないモデル洗剤Aでの洗浄を並行して行った。試験チューブをStuartローテータ(miniLOM)内に30℃で1時間配置した後、前述したminiLOMに従って洗浄した。スワッチを水道水で2回すすいでから、ろ紙上で一晩乾燥させた。
【0575】
洗浄2では、洗浄1からの5枚の乾燥済みドナースワッチ及びトレーサスワッチを、水中3.33g/Lのモデル洗剤A及び0.7g/Lの汚れ(Pigmentschmutz,09V,wfk,Krefeld,Germany)を添加することにより調製した10mLの洗浄液を添加した50mL試験チューブ中で洗浄した。試験チューブをStuartローテータ内に30℃で1時間配置した後、前述したminiLOMに従って洗浄した。スワッチを水道水で2回すすいでから、ろ紙上で一晩乾燥させた。
【0576】
Color Eye(Macbeth Color Eye 7000反射分光光度計)を用いて、色差(L値)を測定した。測定は、入射光においてUVなしで実施し、CIE Lab色空間からのL値を抽出した。高いL値は、白色の生地を表す。従って、ΔLが高いほど、生地の白色度は高い。
【0577】
以下の表の結果は、洗浄2の後に測定したL値を示す。これらの結果は、洗浄1でDNaseを用いた洗浄が、DNaseが存在しない後の洗濯工程における汚れの付着を防止することを明らかにしている。さらに、結果から、10回の洗浄においてDNaseを用いた洗浄が、生地の白色度を向上させることもわかる。
【0578】
【表8】
【0579】
実施例3
ランニング用Tシャツの汗臭の検出
100%ポリエステル製の2枚の白色のランニング用Tシャツを、3.33g/Lのモデル洗剤Aを用いて、洗浄機で洗浄した(実物洗浄)。
【0580】
これらの2枚のTシャツを試験者(男性)に、1回1枚ずつ着用させた。試験者は、各々のTシャツを運動中に1時間ずつ着用した。着用後、1枚のTシャツは、配列番号7のDNAse(1ppm)と一緒に3.33g/Lのモデル洗剤Aを用い、洗浄機で洗浄したのに対し、2枚目のTシャツは、DNAseを含まない(0ppm)3.33g/Lのモデル洗剤Aを用い、洗浄機で洗浄した。Tシャツは、前述の実物洗浄で記載したように洗浄し、洗浄のために15Lの水道水を使用した。いずれのTシャツも運動中に着用し、その後洗浄した。この着用及び洗浄サイクルを10回反復した。
【0581】
臭いの評価のために、専門の検査員が、Tシャツの臭いを嗅ぐことにより、汗臭(悪臭)について、使用前のTシャツを調べた。汗臭が検出されれば、以下の表にマーク(×)を付けた。以下の観察は、10回の洗浄工程中にDNaseを用いた洗浄が、DNaseを用いない後の洗濯工程における臭いの蓄積を防ぐことを明らかにしている。
【0582】
【表9】
【0583】
実施例4
洗浄実験は、少なくとも50回トレーニング運動で着用されたランニングウエア(スエットシャツ及びランニング用Tシャツ)の収集物に対して行った。トレーニング運動中、ランニングウエアは、汗で湿ってきたが、概して汚れなかった。ランニングウエアは、推奨される標準的用量のBio Tex Black(Unilever)を用いて、Miele Softtronic W5825により30℃で(洗浄機の少量充填)事前に洗浄しておいた。
【0584】
本実験を実施する前に、スエットシャツ及びランニング用Tシャツ(100%ポリエステル)を専門の臭気パネリストが評価したところ、特に、ウエアの脇部分に存在する顕著な汗の酸敗臭(悪臭)を認めた。悪臭は、Bio Tex Blackを用いたウエアの洗浄後も存在し、ランニングウエアを使用する回数と共に悪臭は蓄積した。
【0585】
標準的用量のBio Tex Blackと、特定の用量のA.オリゼー(A.oryzae)DNase(0.4ppm)を用いて、Miele Softtronic W5825により30℃で(洗浄機の少量充填)ランニングウエアを洗浄した。
【0586】
トレーニング運動毎に、臭気パネリストによる、もう1ラウンドの評価にランニングウエアを付した。臭気パネリストは、本発明のA.オリゼー(A.oryzae)DNAseの存在下で1〜3洗浄サイクル後に悪臭が有意に低減し、ほとんど検出不能であることを認めた。延長試験では、ランニングウエアは、ウエアを毎回洗浄する際、本発明のA.オリゼー(A.oryzae)DNAseの存在下で洗浄した。臭気パネリストは、A.オリゼー(A.oryzae)DNAseの存在下でランニングウエアを洗浄しておくと、悪臭が明らかに検出可能となるまで、少なくとも2回のトレーニング運動にウエアを着用可能である(それらのトレーニング運動の間にウエアを洗濯せずに乾かすことができる)と判定した。
【0587】
実施例5
DNaseによる臭いの除去(E−ノーズ)
E−2−ノネナールの付いたDNAスワッチの調製
シュードモナス属(Pseudomonas sp.)からの染色体DNAは、QIAamp DNA Blood Mini Kitにより、製造者の指示(Qiagen,Hilden,Germany)に従って単離した。ポリエステルスワッチ(WFK30A)(直径2cm)を121℃のHolm&Halby Systec DB−23オートクレーブで60分間滅菌した。1ng/μlの最終濃度に希釈した100μlの精製済みシュードモナス属(Pseudomonas sp.)DNAをオートクレーブ処理したスワッチの各々に添加した後、Laminar Air Flow Bench内の連続流の下、2時間にわたってスワッチを乾燥させた。乾燥後、DNAを含む10枚のスワッチを25mL滅菌NUNCチューブ(364238;Thermo Scientific)中に導入し、10mlの0.2mM E−2−ノネナール(255653;Sigma−Aldrich)を添加した(アッセイII)。チューブをStuartローテータ(miniLOM)内に(20rpm、室温で20分間)配置した。10枚のスワッチを50.000MWCO遠心分離チューブ(VS203,Vivaspin 20,Satorius)に移した。チューブを3000g、21℃で1分間遠心分離した後、10枚のスワッチを2つの滅菌NUNCチューブ(364238;Thermo Scientific)に、各チューブにつき5枚ずつ分けた。さらに、DNA及びE−2−ノネナールを含まない5枚の滅菌ポリエステルスワッチ(WFK30A)(直径2cm)をチューブの各々に添加した。DNAなしのスワッチには、DNA/E−2−ノネナールを含むスワッチから識別できるように印を付けた。
【0588】
E−2−ノネナールの付いたDNAスワッチの洗浄手順
Ariel Actilift powder Style&Color及びAriel Actilift powder Whiteの洗浄液は、5.0gの洗剤を1000mlの硬度15°dHの滅菌MilliQ水(EU条件)に溶解させることによって調製した。Tide Podsの洗浄液は、1.8gのホワイトフェーズ(white phase)洗剤を1000mlの硬度6°dHの滅菌MilliQ水に溶解させることによって調製した。洗浄液は、使用前の20分間、マグネチックスターラ上に放置した。
【0589】
E−2−ノネナールの付いた5枚のDNAスワッチ及び5枚の滅菌スワッチを含む2つの同一チューブの各々に、洗浄液(10ml)を添加し、10μlの本発明のアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)DNAse(最終濃度は5ppm)を一方のチューブに添加した。チューブをStuartローテータ内に配置した(20rpm、30℃で60分間)。洗浄液を流し出し、スワッチを20mlの硬度15°dHの滅菌MilliQ水で2回すすいだ。各チューブからのスワッチを50.000MWCO遠心分離管(VS203,Vivaspin 20,Satorius)に移してから、3000g、21℃で1分間遠心分離した。次に、E−2−ノネナールの付いた各スワッチを20mLのGCヘッドスペースバイアルに移してから、清潔な滅菌ピンセットを用いて、各スワッチを1枚ずつ各バイアルに配置した。続いて、HS100自動サンプラー及びFID検出器を用い、Restek MXT−5毛管カラムを備えるAlpha MOS HERACLES Flash Gas Chromatography Electronic Noseで、これらを分析した。
【0590】
【表10】
【0591】
結論:生地上のDNA閉じ込め臭気(DNA−trapped odor)は、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)DNAseによって除去することができ、これにより、臭いの低減が達成される。
【0592】
実施例6
DNaseによる臭いの除去(官能分析)
ポリエステル及び綿スワッチ(直径2cm)をシュードモナス属(Pseudomonas sp.)DNA及び0.5mM E−2−ノネナール(255653;Sigma−Aldrich)で汚した(DNAスワッチの調製について詳しくは、実施例5を参照のこと)後、本発明のアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)DNAse(5ppm)の存在又は非存在下で、モデル洗剤A(1リットルの硬度15°dHのmilliQ水に3.33gを溶解させることによって調製)を用いて、Stuartローテータ(miniLOM)内で、30℃で60分間洗浄した。洗浄後、スワッチを20mlの硬度15°dHのMilliQ水で2回すすいだ。4人の臭気パネリストにより、知覚されるE−2−ノネナールの強度についてスワッチを評価した(サンプルはマスクされている)。評価のために、0から9までの知覚強度等級を用いた。0は、E−2−ノネナールの知覚強度がないことを示すのに対し、9は、E−2−ノネナールの最も高い知覚強度を示した。結果は、4人の臭気パネリスト全員の一致を示したものである。
【0593】
【表11】
【0594】
生地上のDNA閉じ込め臭気(DNA−trapped odor)は、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)DNAseによって除去することができ、これにより、臭いの低減が達成される。
【0595】
実施例7
臭気除去の視覚的測定のためのアッセイ
ブレブンディモナス属(Brevundimonas sp.)を、30℃のトリプシンダイズ寒天(Tryptone Soya Agar)(TSA)(pH7.3)(CM0131;Oxoid Ltd,Basingstoke,UK)上で2〜5日間事前に増殖させた。単一コロニーから、充満したループ(loop−full)を10mLのTSBに移した後、振盪(240rpm)しながら、30℃で20時間にわたってインキュベートした。増殖後、遠心分離(Sigma Laboratory Centrifuge 6K15)(3000g、21℃で7分)によりブレブンディモナス属(Brevundimonas sp.)をペレット化してから、水で2倍希釈した10mLのTSBに再懸濁させた。分光光度計(POLARstar Omega(BMG Labtech,Ortenberg,Germany)を用いて、600nmでの光学密度(OD)を測定した。水で2倍希釈した新鮮なTSBに0.03のOD600nmまで接種し、20mLをペトリ皿に添加し、そこに、滅菌ポリエステルWFK30Aの5cm×5cmスワッチを配置した。インキュベーション(振盪(75rpm)しながら、15℃で24時間)後、スワッチを0.9%(w/v)NaClで2回すすいだ。スワッチは、すすいだ後直接、又はLAFベンチ内で24時間乾燥させた後、TOMで洗浄した。
【0596】
溶液状の視覚的指示薬フェノールレッドは、100mlの99%エタノールに0.1gを溶解させることによって調製した。指示薬溶液(50μL)をろ紙(直径2cm)に添加して、ヒュームフード内で一晩乾燥させることにより、視覚的指示薬(フェノールレッド)を含有する臭気捕捉剤を形成した。4枚の洗浄済みスワッチをガラス容器の底に配置した(スワッチ1枚につき1容器)後、500μLの17%TSBを添加した。対照として、洗浄済みの清浄な生地ポリエステルを別のガラス容器の底に配置して、500μLの17%TSBを添加した。スワッチを含む容器を37℃でインキュベートした。フェノールレッドトレーサの色の変化を検知するために、容器を最大48時間モニターした。
【0597】
【表12】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]