(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の通知装置は、様々な種類の分電盤で使用される場合には、分電盤の種類(受電ランプの発光量、分電盤の周囲環境など)の違いによって光検知部で検知される光の強度が異なると、その影響によって受電ランプの発光状態の変化を適切に判定できない可能性がある。
【0008】
つまり、光の強度を判定する判定値を固定値とした場合、受光ランプが発光状態であるときに検知される光の強度が分電盤の種類によって異なると、分電盤によっては、受光ランプの発光状態を適切に判定できずに誤判定する可能性がある。
【0009】
また、同一の分電盤であっても、周囲環境の変化によって光検知部で検知される光の強度が変動する場合があり、そのような分電盤で上記従来の通知装置を用いる場合、使用環境の変化に起因して受電ランプの発光状態の変化を適切に判定できないことがある。
【0010】
つまり、光の強度を判定する判定値を固定値とした場合、受光ランプの発光状態が変化していないにも関わらず、周囲環境が変化したことにより、受光ランプの発光状態が変化したと誤判定する可能性がある。
【0011】
そこで、本開示では、分電盤の種類の違いや周囲環境の変化の影響を抑制しつつ、受電ランプの発光状態に基づいて分電盤における電力の受電状態を判定する通知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様は、外部から電力を受電する分電盤の受電状態を通知するための通知装置であって、光検知部と、基準設定部と、状態判定部と、報知部と、を備える。
分電盤は、電力の受電状態が通電状態の場合に点灯し、電力の受電状態が停電状態の場合に消灯する受電ランプを備えている。
【0013】
光検知部は、受電ランプから出射される光の強度を検知するように構成されている。基準設定部は、分電盤の受電状態を判定する前段階で光検知部により検出された光の強度を基準強度として設定するように構成されている。状態判定部は、光検知部により検出された光の強度と基準強度との比較結果に基づいて、分電盤の受電状態を判定するように構成されている。報知部は、状態判定部による判定結果に基づいて、分電盤における受電状態を報知するように構成されている。
【0014】
この通知装置は、判定の前段階で検出した光の強度を基準強度として設定することで、様々な種類の分電盤で使用する場合にも、その分電盤の種類(受電ランプの発光量、分電盤の周囲環境など)に応じて基準強度を設定できる。また、この通知装置は、周囲環境(明るさ)が変化する分電盤に使用する場合でも、周囲環境の変化に応じて基準強度を設定できる。
【0015】
よって、この通知装置は、絶対値としての基準値を用いて判定する構成に比べて、分電盤の種類の違いや周囲環境の変化の影響を抑制しつつ、受電ランプの発光状態に基づいて分電盤における電力の受電状態を判定できるため、誤判定の発生を抑制できる。
【0016】
次に、分電盤としては、電力を複数の系統から受電する構成であるとともに、受電ランプとして複数の系統に対応する複数の受電ランプを備えるものがある。上述の通知装置をこのような分電盤で使用する場合には、光検知部は、複数の受電ランプに対応した複数の光検知部を備えて構成されてもよい。そして、状態判定部は、複数の光検知部で検出されたそれぞれの光の強度に基づいて、複数の系統のそれぞれにおける電力の受電状態を判定し、報知部は、複数の系統におけるそれぞれの電力の受電状態を、系統毎に異なる時間帯に異なる報知態様で報知する構成であってもよい。
【0017】
このような通知装置は、複数の電力を受電可能な分電盤においても、各電力の受電状態を個別に判定できるとともに、判定結果を個別に通知できる。
次に、上述の通知装置においては、状態判定部において、電力の受電状態が停電状態から通電状態に変化したと判定されると、報知部は、受電状態の停電状態から通電状態への変化時を起点として予め定められた変化通知期間にわたり、通電状態を報知するための通電時報知態様とは異なる通電開始報知態様で報知を実行する構成であってもよい。
【0018】
このように、報知部が通電時報知態様とは異なる通電開始報知態様で報知を実行することで、電力の受電状態が停電状態から通電状態に変化したことを報知できる。このような通知装置を用いることで、作業者は受電状態の変化を認識し易くなる。
【0019】
次に、上述の通知装置においては、報知部は、発光部および通知音出力部のうち少なくとも一方を備えており、発光部の発光および通知音出力部の通知音出力のうち少なくとも一方により受電状態を報知する構成であってもよい。
【0020】
このような報知部を備えることで、発光部の発光および通知音出力部の通知音出力のうち少なくとも一方の実行により、分電盤から離れた位置からでも作業者が受電状態を判断することが可能となる。
【0021】
なお、報知部による報知態様としては、例えば、発光部の発光のみによる報知態様、通知音出力部の通知音出力のみによる報知態様、発光部の発光および通知音出力をともに実行する報知態様、発光部の発光および通知音出力に加えてさらに他の手段(例えば、メッセージ表示など)を加えた報知態様が挙げられる。
【0022】
次に、上述の通知装置においては、当該通知装置を分電盤に固定するための固定部を備えてもよい。固定部を備えることで、分電盤への通知装置の固定作業(取り付け作業)を容易に実現できる。
【0023】
例えば、分電盤の外面がマグネットで固定可能な材質で構成されている場合には、固定部はマグネットを備える構成であってもよい。また、分電盤の外面が平面状に構成されている場合には、固定部は吸着盤を備える構成であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0026】
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
図1に示すように、第1実施形態の通知装置1は、分電盤3に取付可能に構成されている。
【0027】
分電盤3は、外部(商用電源および予備電源のうち少なくとも一方)から電力を受電するように構成されている。分電盤3は、受電した電力を複数の通電経路に分配する。
分電盤3は、筐体31と、状態表示部32と、を備える。筐体31は、マグネットの取付が可能な材料(例えば、鉄など)で構成されている。状態表示部32は、分電盤3の各種状態を表示するものであり、複数のランプを備えている。
【0028】
状態表示部32は、少なくとも第1受電ランプ33,第2受電ランプ35を備えている。第1受電ランプ33は、商用電源からの電力の受電状態が通電状態の場合に点灯し、商用電源からの電力の受電状態が停電状態の場合に消灯するように構成されている。第2受電ランプ35は、予備電源からの電力の受電状態が通電状態の場合に点灯し、予備電源からの電力の受電状態が停電状態の場合に消灯するように構成されている。
【0029】
通知装置1は、分電盤3の受電状態を通知するための装置である。
図1〜
図3に示すように、通知装置1は、本体部12と、電源スイッチ13と、モード切替スイッチ14と、発光部15と、第1フォトトランジスタ17と、第2フォトトランジスタ19と、固定用マグネット23と、を備えて構成されている。
【0030】
本体部12は、円柱形状であり、一方の端面が正面側となり、他方の端面が背面側となるように構成されている。
図4に示すように、本体部12は、自身の内部に、少なくともマイクロプロセッサ11(以下、MCU11ともいう)、電源21が備えられる。
【0031】
電源スイッチ13およびモード切替スイッチ14は、本体部12の周方向外側部分に備えられる。電源スイッチ13は、通知装置1のON・OFFを切り替えるために備えられる押下型スイッチである。電源スイッチ13が押下操作される毎に、通知装置1の動作状態がON状態またはOFF状態に切り替えられる。モード切替スイッチ14は、ON状態の通知装置1における動作モードを切り替えるために備えられるスライド型スイッチである。モード切替スイッチ14のスライド方向によって、通知装置1の動作モードは「自動モード」と「手動モード」のどちらかに切り替えられる。
【0032】
発光部15は、本体部12よりも径寸法が小さい円柱状であり、本体部12の正面側の円形端面に積層されて備えられる。発光部15は、複数のLED(発光ダイオード)を備えて構成されている。発光部15は、複数のLEDのそれぞれの点灯状態を制御することで、自身の全体の動作パターンとして、少なくとも「点滅点灯状態」、「回転点灯状態」、「消灯状態」を含む複数の動作パターンを実行できるように構成されている。本実施形態では、発光部15は、8個のLEDを備えている。
【0033】
第1フォトトランジスタ17、第2フォトトランジスタ19、固定用マグネット23は、それぞれ本体部12の背面側に備えられる。
第1フォトトランジスタ17および第2フォトトランジスタ19は、いずれも、状態表示部32から射出される光の強度(照度)を検知するために備えられる。特に、第1フォトトランジスタ17は、第1受電ランプ33が点灯状態であるか消灯状態であるかを判定するために備えられる。第2フォトトランジスタ19は、第2受電ランプ35が点灯状態であるか消灯状態であるかを判定するために備えられる。第1フォトトランジスタ17および第2フォトトランジスタ19は、それぞれ、検知した光の強度に応じたアナログ信号としての検知信号をMCU11に送信する。
【0034】
固定用マグネット23は、本体部12の背面のうち、第1フォトトランジスタ17および第2フォトトランジスタ19の配置領域ではない領域に固着されている。固定用マグネット23が分電盤3の筐体31に磁力によって固定されることで、通知装置1を分電盤3に固定することができる。このとき、第1フォトトランジスタ17が第1受電ランプ33に対向する位置に配置され、第2フォトトランジスタ19が第2受電ランプ35に対向する位置に配置されるように、分電盤3における通知装置1の固定位置を調整する。これにより、通知装置1は、第1受電ランプ33および第2受電ランプ35のそれぞれについて、点灯状態であるか消灯状態であるかを判定できる。
【0035】
MCU11は、1つの集積回路にコンピュータシステムが搭載された構成のマイクロプロセッサである。MCU11は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有する。ROM等に記憶されている制御プログラムは、CPUを各種情報の演算を行うための指示部として少なくとも機能させるものであり、入出力インタフェース等を取得部および出力部として機能させるものであり、RAM等を外部から入力された各種情報が記憶される記憶部として機能させるものである。MCU11は、各種プログラムを実行することで、様々な制御処理を実行できる。
【0036】
MCU11は、第1フォトトランジスタ17および第2フォトトランジスタ19のそれぞれから光の強度に関する検出信号(アナログ信号)を受信すると、検出信号をA/D変換(アナログ−デジタル変換)し、デジタル信号としての検出信号に基づいて、光の強度を判定することができる。
【0037】
MCU11は、発光部15に対して指令信号を出力することで、発光部15の動作パターンを制御できる。
電源21は、通知装置1に備えられる電子機器(MCU11、発光部15など)を動作させるための電力を供給する。電源21は、例えば、乾電池などで構成されている。
【0038】
[1−2.通知形態判定処理]
次に、通知装置1のマイクロプロセッサ11(MCU11)が実行する通知形態判定処理について説明する。
【0039】
通知形態判定処理は、通知装置1が実行すべき動作(換言すれば、通知形態)を判定するための処理である。具体的には、通知形態判定処理は、通知形態を判定し、判定結果に応じて発光部15の動作パターンを設定する。通知形態判定処理は、通知装置1がON状態になると、MCU11での処理として実行される。
【0040】
なお、分電盤3の点検作業を行う作業者は、例えば、通知装置1を分電盤3の所定位置に取り付けた後、第1受電ランプ33が点灯状態であり、かつ第2受電ランプ35が消灯状態であることを確認した上で、電源スイッチ13を操作して通知装置1をON状態に設定する。分電盤3は、通常状態では、商用電源からの電力の受電状態が通電状態で、予備電源からの電力の受電状態が停電状態である。作業者は、通知装置1を使用するにあたり、分電盤3が通常状態であることを確認した上で、通知装置1をON状態に設定する。
【0041】
図5に示すように、通知形態判定処理が起動されると、まず、S110(Sはステップを表す)では、第1受電ランプ33の照度(光の強度)を読み込む処理を実行する。そして、読み込んだ照度を、第1受電ランプ33および第2受電ランプ35のそれぞれの照度の判定時における基準強度(初期値Th)として設定する。
【0042】
次のS120では、モード切替スイッチ14の状態を判定し、自動モードの場合にはS140に移行し、手動モードの場合にはS130に移行する。
手動モードであると判定してS130に移行すると、S130では、発光部15の動作パターンを「回転点灯状態」に設定する。具体的には、1回転の回転点灯が実行されるように、発光部15の動作パターンを設定する。S130が終了すると、再びS120に移行する。
【0043】
自動モードであると判定してS140に移行すると、S140では、第1受電ランプ33の照度(光の強度)を読み込み、読み込んだ照度を第1受電ランプ33の照度の検出値である第1照度Xとして設定する。
【0044】
次のS150では、第1照度Xが初期値Th以上であるか否かを判定し、肯定判定する場合(X≧Thの場合)にはS160に移行し、否定判定する場合(X<Thの場合)にはS170に移行する。
【0045】
S150で肯定判定されてS160に移行すると、S160では、発光部15の動作パターンを「回転点灯状態」に設定する。具体的には、1回転の回転点灯が実行されるように、発光部15の動作パターンを設定する。
【0046】
S150で否定判定されるかS160が終了するとS170に移行し、S170では、第2受電ランプ35の照度(光の強度)を読み込み、読み込んだ照度を第2受電ランプ35の照度の検出値である第2照度Yとして設定する。
【0047】
次のS180では、第2照度Yが初期値Th以上であるか否かを判定し、肯定判定する場合(Y≧Thの場合)にはS190に移行し、否定判定する場合(Y<Thの場合)には再びS120に移行する。
【0048】
S180で肯定判定されてS190に移行すると、S190では、発光部15の動作パターンを「点滅点灯状態」に設定する。具体的には、1回の点滅が実行されるように、発光部15の動作パターンを設定する。S190が終了すると、再びS120に移行する。
【0049】
通知形態判定処理は、通知装置1がON状態からOFF状態に切り替わるまで、上記のS120からS190までの処理を繰り返し実行する。このような処理を繰り返し実行することで、モード切替スイッチで選択されたモードや、第1受電ランプ33および第2受電ランプ35のそれぞれの状態(点灯状態・消灯状態)に応じて、発光部15の動作パターンが異なる状態に設定される。
【0050】
具体的には、
図6に示すように、モード切替スイッチが「手動モード」の場合には、発光部15の動作パターンは、回転点灯状態となる。つまり、第1受電ランプ33および第2受電ランプ35の状態に関わらず周囲への注意喚起が必要な場合には、作業者が「手動モード」を選択して発光部15を回転点灯状態に設定することで、周囲への注意喚起が可能となる。
【0051】
また、モード切替スイッチが「自動モード」で、第1受電ランプ33および第2受電ランプ35がいずれも消灯状態の場合には、発光部15の動作パターンは、消灯状態となる。モード切替スイッチが「自動モード」で、第1受電ランプ33が点灯状態で、第2受電ランプ35が消灯状態の場合には、発光部15の動作パターンは、回転点灯状態となる。モード切替スイッチが「自動モード」で、第1受電ランプ33が消灯状態で、第2受電ランプ35が点灯状態の場合には、発光部15の動作パターンは、点滅点灯状態となる。モード切替スイッチが「自動モード」で、受電ランプ33および第2受電ランプ35がいずれも点灯状態の場合には、発光部15の動作パターンは、回転点灯(1回転)と点滅点灯とが交互に繰り返される状態となる。
【0052】
このように、「自動モード」の場合には、第1受電ランプ33および第2受電ランプ35の状態に応じて発光部15の動作パターンが変化することから、作業者は、発光部15の動作パターンに基づいて、分電盤3における受電状態(商用電源および予備電源のそれぞれからの受電状態)を判定することができる。
【0053】
[1−3.効果]
以上説明したように、通知装置1は、分電盤3の受電状態を通知するものであり、マイクロプロセッサ11(MCU11)と、発光部15と、第1フォトトランジスタ17と、第2フォトトランジスタ19と、を備えている。
【0054】
第1フォトトランジスタ17および第2フォトトランジスタ19は、分電盤3の状態表示部32(詳細には、第1受電ランプ33,第2受電ランプ35)から出射される光の強度を検知するように構成されている。
【0055】
通知形態判定処理を実行するMCU11は、分電盤3の受電状態を判定する前段階で第1フォトトランジスタ17により検出された光の強度を基準強度(初期値Th)として設定する(S110)。
【0056】
通知形態判定処理を実行するMCU11は、第1フォトトランジスタ17により検出された第1照度Xと初期値Thとの比較結果に基づいて、分電盤3における商用電源からの受電状態を判定する(S150)。通知形態判定処理を実行するMCU11は、第2フォトトランジスタ19により検出された第2照度Yと初期値Thとの比較結果に基づいて、分電盤3における予備電源からの受電状態を判定する(S180)。
【0057】
発光部15は、MCU11による判定結果に基づいて動作パターン(発光パターン)を変更することで、分電盤3における受電状態を作業者に報知する。
通知装置1は、判定の前段階で検出した光の強度を基準強度(初期値Th)として設定することで、様々な種類の分電盤3で使用する場合にも、その分電盤3の種類(状態表示部32の発光量、分電盤3の周囲環境など)に応じて基準強度を設定できる。また、通知装置1は、周囲環境(明るさ)が変化する分電盤3に使用する場合でも、周囲環境の変化に応じて基準強度(初期値Th)を設定できる。
【0058】
よって、通知装置1は、絶対値としての基準値を用いて判定する構成に比べて、分電盤3の種類の違いや周囲環境の変化の影響を抑制しつつ、状態表示部32(第1受電ランプ33,第2受電ランプ35)の発光状態に基づいて分電盤3における電力の受電状態を判定できるため、誤判定の発生を抑制できる。
【0059】
次に、通知装置1は、複数のフォトトランジスタ(第1フォトトランジスタ17、第2フォトトランジスタ19)を備えている。そして、MCU11は、複数のフォトトランジスタで検出されたそれぞれの光の強度(第1照度X、第2照度Y)に基づいて、複数の系統(商用電源、予備電源)のそれぞれにおける電力の受電状態を判定する。
【0060】
発光部15は、商用電源および予備電源のそれぞれの電力の受電状態を、商用電源および予備電源のそれぞれで異なる時間帯に異なる報知態様で報知する構成である。つまり、発光部15は、商用電源からの受電状態が通電状態である場合には回転点灯状態で報知し、予備電源からの受電状態が通電状態である場合には点滅点灯状態で報知することで、系統毎に異なる報知態様で受電状態を報知する。また、発光部15は、商用電源および予備電源からの受電状態が両方共に通電状態である場合には回転点灯状態と点滅点灯状態とを交互に繰り返すことで、系統毎に異なる時間帯に異なる報知態様で報知する。
【0061】
よって、通知装置1は、複数の電力(商用電源および予備電源からの電力)を受電可能な分電盤3においても、各電力の受電状態を個別に判定できるとともに、判定結果を個別に通知できる。
【0062】
次に、通知装置1においては、発光部15は、LEDを備えており、LEDの発光により分電盤3の受電状態を報知する構成である。このような発光部15を備えることで、LEDの発光により、分電盤3から離れた位置からでも作業者が分電盤3の受電状態を判断することが可能となる。
【0063】
次に、通知装置1においては、通知装置1を分電盤3に固定するための固定用マグネット23を備えている。固定用マグネット23を備えることで、分電盤3への通知装置1の固定作業(取り付け作業)を容易に実現できる。
【0064】
[1−4.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
通知装置1が通知装置の一例に相当し、第1フォトトランジスタ17および第2フォトトランジスタ19がそれぞれ光検知部の一例に相当し、S110を実行するマイクロプロセッサ11(MCU11)が基準設定部の一例に相当し、S150およびS180のそれぞれを実行するマイクロプロセッサ11(MCU11)が状態判定部の一例に相当し、発光部15が報知部の一例に相当し、固定用マグネット23が固定部の一例に相当する。
【0065】
分電盤3が分電盤の一例に相当し、状態表示部32が複数の受電ランプの一例に相当し、第1受電ランプ33および第2受電ランプ35のそれぞれが受電ランプの一例に相当する。
【0066】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0067】
上記実施形態では、報知部として発光部15を備える構成の通知装置1について説明したが、発光部15に代えて通知音出力部を備えてもよい。つまり、通知装置は、発光部15の動作パターンに代えて、通知音によって分電盤3の受電状態を報知する構成であってもよい。この場合、商用電源の受電状態を表す通知音と、予備電源の受電状態を表す通知音とを、それぞれ異なる通知音としてもよい。通知音がこのように設定された通知装置は、商用電源および予備電源のそれぞれからの受電状態を個別に報知することができる。
【0068】
また、通知装置は、報知部として発光部および通知音出力部の両者を備えて、発光部の動作パターンおよび通知音の両者を用いて、分電盤における商用電源および予備電源のそれぞれからの受電状態を個別に報知する構成としてもよい。
【0069】
なお、報知部による報知態様としては、発光部の発光のみによる報知態様、通知音出力部の通知音出力のみによる報知態様、発光部の発光および通知音出力をともに実行する報知態様に限られることはない。例えば、発光部の発光および通知音出力に加えてさらに他の手段(例えば、メッセージ表示など)を加えた報知態様であってもよい。
【0070】
次に、上記実施形態では、受電状態の変化直後における報知部(発光部15)の動作パターンが、その後の動作パターンと同一パターンとなる形態の通知装置1について説明したが、このような構成に限られることはない。
【0071】
例えば、マイクロプロセッサ11(MCU11)において、電力の受電状態が停電状態から通電状態に変化したか否かを判定し、受電状態が変化したと判定されると、MCU11が、受電状態の変化時を起点として予め定められた変化通知期間にわたり、報知部(発光部15)の動作パターンを通電開始報知態様に制御する構成であってもよい。この通電開始報知態様は、通電状態を報知するための通電時報知態様とは異なる報知態様である。例えば、通電時報知態様が1回点滅点灯状態である場合には、通電開始報知態様は2回点滅点灯状態に設定してもよい。
【0072】
つまり、このような通知装置は、状態判定部において電力の受電状態が変化したと判定されると、報知部は、受電状態の変化時を起点として変化通知期間にわたり、通電時報知態様とは異なる通電開始報知態様で報知を実行する構成である。この通知装置によれば、電力の受電状態が停電状態から通電状態に変化したことを報知することができ、作業者は受電状態の変化を認識し易くなる。
【0073】
次に、上記実施形態では、分電盤の受電系統が2系統(商用電源、予備電源)である形態について説明したが、分電盤の受電系統は1系統のみ(商用電源のみ)であってもよい。この場合、通知装置は、フォトトランジスタを1個のみ備える構成であってもよい。また、分電盤の受電系統は3系統以上であってもよく、この場合、通知装置は、受電系統の数に応じた個数のフォトトランジスタを備える構成であってもよい。
【0074】
次に、上記実施形態では、固定部として固定用マグネットを備える通知装置について説明したが、固定部は他の形態であってもよい。例えば、分電盤の外面のうち状態表示部(受電ランプ)の隣接領域が平面状に構成されている場合には、固定部は吸着盤を備える構成であってもよい。
【0075】
次に、上記実施形態では、通知装置1の使用開始時における分電盤3の状態は、少なくとも第1受電ランプ33が点灯状態であればよく、第2受電ランプ35は点灯状態および消灯状態のどちらの状態であっても良い。つまり、少なくとも第1受電ランプ33が点灯状態であれば、その状況で第1フォトトランジスタ17が検知した光強度を判定基準(初期値Th)として利用することができる。
【0076】
次に、上述したコンピュータシステムの他、当該コンピュータシステムを構成要素とする上位システム、当該コンピュータシステムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、濃度算出方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【0077】
次に、上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。