(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
入力装置、注文管理装置、無線印字装置、無線表示装置等を無線LANで接続する場合、どの機器をアクセスポイントとし、どの機器をリピータとして用いるかは、システム全体として安定した通信を可能にするために、重要なことである。無線接続の通信機器によるシステムでは、通常、新たにシステムに接続する通信機器は、LQ(Link Quality)値が最大となるアクセスポイントの機器を選択して接続している。なお、LQとは、電波通信品質を示す値である。しかしながら、この場合、以下のような課題が生じてくる。
【0006】
図19は、無線ネットワークの一例を示す図である。
図19において、通信機器A1〜A3は、注文管理システムにおける注文管理装置、無線印字装置、無線表示装置等に相当する。
【0007】
図19(A)に示すように、通信機器A1と通信機器A2とからなるネットワークが構成されており、このネットワークに、
図19(B)に示すように、通信機器A3を新たに無線で接続するとする。通信機器A1は、有線LANに接続されており、アクセスポイントの機能とリピータの機能を有している。通信機器A2は、アクセスポイントの機能とリピータの機能を有している。通信機器A3は、クライアントとして接続される。この場合、通信機器A3は、通信機器A1と通信機器A2との2つの接続先の何れかを選択する。2つの接続先のうちのどちらを選択するかは、通常、通信機器A3と通信機器A1との間のLQ値と、通信機器A3と通信機器A2との間のLQ値とを比較して決定している。LQ値は通信品質で、LQ値が大きいほど、通信品質が高い。
【0008】
ここでは、例えば、通信機器A3と通信機器A1との間のLQ値が(LQ=3)であり、通信機器A3と通信機器A2との間のLQ値が(LQ=3.3)であるとする。この場合、通信機器A3と通信機器A2との間のLQ値の方が、通信機器A3と通信機器A1との間のLQ値より大きいので、通信機器A2が選択されることになる。
【0009】
しかしながら、通信機器A2を選択した場合、通信機器A3は無線リピータとなる通信機器A2を介して通信機器A1と通信を行うことになり、通信が安定しない可能性が高い。これに対して、通信機器A1を選択すれば、通信機器A3は、無線リピータを介在させずに、有線接続の通信機器A1と直接通信を行うことができ、通信が安定する。通信機器A3と通信機器A2との間のLQ値(LQ=3)は、通信機器A3と通信機器A2との間のLQ値(LQ=3.3)より小さいが、安定した通信を行うのに十分なLQ値である。
【0010】
以上のように、新たに通信機器A3を接続した場合、直前の経路のLQ値だけから接続先を決めると、通信機器A3の接続先は、通信機器A2となり、無線リピータが介在されることになる。しかしながら、通信の安定性を考慮すると、通信機器A3の接続先は、有線LANの通信機器A1の方が好ましいと考えられる。
【0011】
図20は、無線ネットワークの他の例を示す図である。
図20(A)に示すように、通信機器A1と通信機器A2と通信機器A3からネットワークが構成されているとする。
図20(B)に示すように、このネットワークに、新たに通信機器A4を接続するとする。通信機器A1は、有線LANに接続されており、アクセスポイントの機能を有している。通信機器A2及び通信機器A3は、アクセスポイントの機能とリピータ機能を有している。通信機器A4は、クライアントの無線接続の機器である。この場合、新たに接続する通信機器A4は、通信機器A1と、通信機器A2と、通信機器A3との3つの接続先の何れかを選択する。
【0012】
この3つの接続先のどちらを選択するかは、通常、通信機器A4と通信機器A1との間のLQ値と、通信機器A4と通信機器A2との間のLQ値と、通信機器A4と通信機器A3との間のLQ値とを比較して決定される。ここでは、例えば、通信機器A4と通信機器A1との間のLQ値が(LQ=1.5)であり、通信機器A4と通信機器A2との間のLQ値が(LQ=1)であり、通信機器A4と通信機器A3との間のLQ値が(LQ=3)であるとする。この場合、通信機器A4と通信機器A3との間のLQ値が最大なので、通信機器A3が選択されることになる。
【0013】
なお、このとき、通信機器A3では、通信機器A3と通信機器A1との間のLQ値と、通信機器A3と通信機器A2との間のLQ値とを比較して、接続先が選択されている。この場合、通信機器A3と通信機器A2との間のLQ値(LQ=4)の方が、通信機器A3と通信機器A1との間のLQ値(LQ=3)より大きいので、通信機器A2が選択されることになる。そして、通信機器A3と通信機器A1との間で、通信機器A2を介して通信が行われることになる。
【0014】
よって、通信機器A4が通信機器A3を選択した場合、通信機器A4は、無線リピータとなる通信機器A3及び通信機器A2を介して、通信機器A1と接続することになる。しかしながら、この経路中には、LQ値の低いボトルネックとなる経路が介在されることになる。すなわち、通信機器A2と通信機器A1との間のLQ値は(LQ=2)であり、通信機器A2と通信機器A1との間がボトルネックとなり、安定した通信が行えない。この場合、通信機器A4、通信機器A3、通信機器A1の経路が選択できれば、ボトルネックとなる経路がなくなり、安定した通信が行える。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、最適な通信機器との接続が行え、安定した通信を行えるように通信機器を選択できる通信方法、通信機器、及び通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る通信方法は、有線接続の通信機器と無線接続の通信機器とからなる通信システムにおける通信方法であって、接続候補の通信機器が、接続先の選択のための情報を含む信号を送信する工程と、接続先を検索する通信機器が、各
前記接続候補の通信機器からの接続先の選択のための情報を含む信号を受信する工程と、前記接続先を検索する通信機器が、各
前記接続候補の通信機器との間の受信リンククォリティー値を取得し、当該受信リンククォリティー値と前記接続先の選択のための情報とを用いて、接続する通信機器を決定する工程と、を含
み、前記接続先の選択のための情報は、有線接続か無線接続かを示す接続種別情報、及び、前記接続候補の通信機器とその上位の通信機器との間のリンククォリティー値を含み、前記接続する通信機器を決定する工程は、前記接続先を検索する通信機器が、取得された前記受信リンククォリティー値と、前記接続先の選択のための情報とに基づいて、前記接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器があるか否かを判別し、前記接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器がある場合に第1のアルゴリズムを用いて接続する通信機器を決定し、前記接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器がない場合に第2のアルゴリズムを用いて接続する通信機器を決定す
る。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る通信方法
は、
有線接続の通信機器と無線接続の通信機器とからなる通信システムにおける通信方法であって、接続候補の通信機器が、接続先の選択のための情報を含む信号を送信する工程と、接続先を検索する通信機器が、各前記接続候補の通信機器からの接続先の選択のための情報を含む信号を受信する工程と、前記接続先を検索する通信機器が、各前記接続候補の通信機器との間の受信リンククォリティー値を取得し、当該受信リンククォリティー値と前記接続先の選択のための情報とを用いて、接続する通信機器を決定する工程と、を含み、前記接続先の選択のための情報は、有線接続か無線接続かを示す接続種別情報、及び、前記接続候補の通信機器とその上位の通信機器との間のリンククォリティー値を含み、前記接続する通信機器を決定する工程は、前記接続先を検索する通信機器が、前記接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器がない場合に、各前記接続候補の通信機器との間の受信リンククォリティー値と、前記接続候補の通信機器とその上位の通信機器との間のリンククォリティー値とのうちの小さい方のリンククォリティー値を比較し、当該小さい方のリンククォリティー値が最大となるものを接続先として決定する。
【0018】
また、本発明の一態様に係る通信方法であって、
前記接続先を検索する通信機器は、接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器がある場合、当該接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器の中でリンククォリティー値が最大となるものを接続先として決定するようにしてもよい。
【0019】
また、本発明の一態様に係る通信方法であって、
前記第1のアルゴリズムは、前記接続先を検索する通信機器
が、
前記接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器があれば、当該接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器の中でリンククォリティー値が最大となるものを接続先として決定するようにしてもよい。
【0020】
また、本発明の一態様に係る通信方法であって、
前記第2のアルゴリズムは、前記接続先を検索する通信機器
が、
前記接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器がない場合には、各
前記接続候補の通信機器との間の受信リンククォリティー値と、
前記接続候補の通信機器とその上位の通信機器との間のリンククォリティー値とのうちの小さい方のリンククォリティー値を比較し、当該小さい方のリンククォリティー値が最大となるものを接続先として決定するようにしてもよい。
【0021】
また、本発明の一態様に係る通信方法であって、前記上位の通信機器との間のリンククォリティー値は、
前記接続候補の通信機器が有線接続の場合には、最大値となる仮値に設定するようにしてもよい。
【0022】
また、本発明の一態様に係る通信方法であって、前記受信リンククォリティー値は、
前記接続候補の通信機器が有線接続の場合には、補正値を加算するようにしてもよい。
【0023】
また、本発明の一態様に係る通信方法であって、前記接続先の選択のための情報を含む信号は、プローブ要求に応答して各
前記接続候補の通信機器から送られてくるプローブ応答であるようにしてもよい。
【0024】
また、本発明の一態様に係る通信方法であって、前記接続先の選択のための情報を含む信号は、各
前記接続候補の通信機器から送られてくるビーコンであるようにしてもよい。
【0025】
本発明の一態様に係る通信機器は、有線接続の通信機器と無線接続の通信機器とからなる通信システムにおける通信機器であって、
有線接続か無線接続かを示す接続種別情報、及び、接続候補の通信機器とその上位の通信機器との間のリンククォリティー値を含む接続先の選択のための情報であって、各接続候補の通信機器から
前記接続先の選択のための情報を含む信号を受信し、当該信号の信号レベルから受信リンククォリティー値を取得する受信リンククォリティー値取得部と、前記取得した受信リンククォリティー値と、前記接続先の選択のための情報を用いて、
接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器があるか否かを判別し、接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器がある場合に第1のアルゴリズムを用いて接続先として決定し、接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器がない場合に第2のアルゴリズムを用いて接続する通信機器を決定する通信制御部と、を備える。
【0026】
また、本発明の一態様に係る通信機器
であって、
前記接続先を選択するための情報を保持する記憶部と、接続先を検索している通信機器に、前記接続先の選択のための情報を付加して信号を送信する通信部と、を
さらに備える
ようにしてもよい。
【0027】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る通信システムは、有線接続の通信機器と無線接続の通信機器とからなる通信システムであって、接続候補の通信機器が、
有線接続か無線接続かを示す接続種別情報、及び、接続候補の通信機器とその上位の通信機器との間のリンククォリティー値を含む接続先の選択のための情報を含む信号を送信し、接続先を検索する通信機器が、各接続候補の通信機器からの
前記接続先の選択のための情報を含む信号を受信し、前記接続先を検索する通信機器が、各接続候補の通信機器との間の受信リンククォリティー値を取得し、前記受信リンククォリティー値と、前記接続先の選択のための情報とを用いて、
接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器があるか否かを判別し、接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器がある場合に第1のアルゴリズムを用いて接続先として決定し、接続候補の通信機器との間のリンククォリティー値が所定の閾値以上の有線接続の通信機器がない場合に第2のアルゴリズムを用いて接続する通信機器を決定する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、通信機器をネットワークに接続した際に、有線の通信機器に優先的に接続される。また、本発明によれば、上位の通信機器との上位LQ値を参照して接続する通信機器を決定しているので、ボトルネックとなる経路がなくなり、安定した通信が行える。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る注文管理システム1の概略構成図である。
図1に示すように、注文管理システム1は、入力装置10と、注文管理装置11と、有線印字装置12と、第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2と、第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2と、会計端末15とを備えている。なお、第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2を特定しない場合には、無線印字装置13という。第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2を特定しない場合には、無線表示装置14という。
【0031】
注文管理装置11、有線印字装置12、及び会計端末15は、有線LAN(Local Area Network)により接続されている。また、注文管理装置11は、入力装置10、第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2、第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2に、無線LANにより接続されている。
【0032】
なお、ここでは、1台の入力装置10と、1台の注文管理装置11と、1台の有線印字装置12と、2台の第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2と、2台の第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2と、1台の会計端末15を図示しているが、これらの数は限定されるものではない。
【0033】
入力装置10は、レストランや居酒屋等の飲食店の接客スタッフが携帯する注文用の端末である。入力装置10は、接客スタッフが顧客の注文を聞いて飲み物や料理等を入力したり、テーブル番号や人数を入力したりするのに用いられる。
【0034】
注文管理装置11は、注文処理や会計処理等、飲食店での各種の業務の処理を行っている。注文管理装置11は、有線LANを介して、有線印字装置12、会計端末15と接続可能である。また、注文管理装置11は、無線LANのアクセスポイント機能を有している。注文管理装置11は、無線LANを介して、入力装置10、有線印字装置12、第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2、第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2と接続可能である。
【0035】
有線印字装置12は、注文伝票の印字や会計伝票の印字等を行う。有線印字装置12は、有線LANを介して、注文管理装置11、会計端末15と接続可能である。また、有線印字装置12は、無線LANのアクセスポイント機能を有している。有線印字装置12は、無線LANを介して、入力装置10、注文管理装置11、第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2、第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2と接続可能である。
【0036】
第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2は、注文伝票の印字や会計伝票の印字等を行う。第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2は、無線LANのアクセスポイント機能としてのリピータ機能を有している。第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2は、無線LANにより、入力装置10、注文管理装置11、有線印字装置12、第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2と接続可能である。また、第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2は、無線LANを介して、互いに接続可能である。
【0037】
第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2は、オーダーの状況等の情報を表示する。第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2は、無線LANのアクセスポイント機能としてのリピータ機能を有している。第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2は、無線LANにより、入力装置10、注文管理装置11、有線印字装置12、第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2と接続可能である。また、第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2は、無線LANを介して、互いに接続可能である。
【0038】
会計端末15は、POS(Point Of Sales System)の端末である。売上情報や会計情報は、会計端末15により、管理される。会計端末15は、有線LANを介して、注文管理装置11、有線印字装置12と接続可能である。
【0039】
本実施形態に係る注文管理システム1では、接客時、接客スタッフは入力装置10を携帯して顧客の着席したテーブルに行き、テーブル番号や人数、オーダーされた料理や飲み物の情報を入力装置10に入力する。入力装置10からの注文情報は、注文管理装置11に送信される。注文管理装置11は、入力装置10からの注文情報を受信すると、注文処理を行い、処理した情報を有線印字装置12や第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2、並びに、第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2に送る。有線印字装置12や第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2は、注文管理装置11から送られてきた情報に基いて、注文伝票の印字やレシートの印字等を行う。第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2は、注文管理装置11から送られてきた情報に基いて、オーダーの受付状況や、オーダーを受付してからの経過時間等を表示する。
【0040】
図2は、本実施形態に係る入力装置10の概略ブロック図である。
図2に示すように、入力装置10は、処理部101、データ記憶部102、無線通信部103、表示部105、入力キー106、タッチパネル108、タッチパネル制御部109を備えている。
【0041】
処理部101は、データ記憶部102に記憶されているプログラムに基づいて各部の制御を行う。また、処理部101は、必要な情報をデータ記憶部102に記憶させる。
【0042】
データ記憶部102は、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等で構成される。データ記憶部102は、各種のプログラムや各種のデータを記憶する。
【0043】
無線通信部103は、無線LANの送受信制御を行う。なお、入力装置10の無線通信部103は、無線LANのクライアント機能のみを有する。
【0044】
表示部105は、処理部101の制御に応じて各種情報を表示する。表示部105は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイからなる。
【0045】
入力キー106は、各種の入力を行うキーである。入力キー106としては、注文を選択するメニューキー、テーブル番号や個数を入力するテンキー等からなる。
【0046】
タッチパネル108は、表示部105上に積層配置されている。タッチパネル制御部109は、タッチパネル108が操作された座標位置を検出し、入力情報として、処理部101に送出する。
【0047】
図3は、本実施形態に係る注文管理装置11の概略ブロック図である。
図3に示すように、注文管理装置11は、処理部201、データ記憶部202、有線通信部203、及び無線通信部204を備えている。
【0048】
処理部201は、データ記憶部202に記憶されているプログラムに基づいて各部の制御を行う。
【0049】
データ記憶部202は、RAM、ROM、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で構成される。データ記憶部202は、プログラムや各種のデータを記憶する。本実施形態では、データ記憶部202には、無線接続先の選択のための情報として、上位の通信機器との上位LQ値と、有線接続か無線接続かを示す接続種別の情報が記憶されている。また、本実施形態では、データ記憶部202には、LQ閾値と、仮値と、加算LQ値とを含む設定ファイルが保存されている。この設定ファイルについては後に説明する。なお、LQ(Link Quality;リンククォリティー)値とは、RSSI(Received Signal Strength Indicator)値とノイズの値との差から求められる電波通信品質を示す値である。
【0050】
有線通信部203は、有線LANによる通信制御を行う。有線LANで通信される機器は、上位機は注文管理装置11となる。無線通信部204は、無線LANのアクセスポイントの機能を有している。また、本実施形態では、無線通信部204は、近隣の通信機器からのプローブ要求に対して、プローブ応答を返信する。また、近隣の通信機器からのプローブ応答やビーコンの信号を受信し、各通信機器との間の受信LQ値を取得するLQ値取得部211と、各通信機器からのプローブ応答やビーコンの信号に含まれる情報を解析し、取得した受信LQ値と、各接続候補の通信機器からの信号に含まれる情報を保持する通信制御部212とを含んでいる。また、無線通信部204は、ビーコンやプローブ応答に、有線接続か無線接続かの種別の情報や上位LQ値の情報を、接続先の選択のための情報として送信する機能を有する。
【0051】
図4は、本実施形態に係る有線印字装置12の概略ブロック図である。
図4に示すように、有線印字装置12は、処理部301、データ記憶部302、有線通信部303、無線通信部304、及び印字部305を備えている。
【0052】
処理部301は、データ記憶部302に記憶されているプログラムに基づいて各部の制御を行う。
【0053】
データ記憶部302は、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ等で構成される。データ記憶部302は、プログラムや各種のデータを記憶する。また、本実施形態では、データ記憶部302には、接続先の選択のための情報として、上位の通信機器とのLQ値と、有線接続か無線接続かを示す接続種別の情報が記憶されている。また、本実施形態では、データ記憶部302には、LQ閾値と、仮値と、加算LQ値とを含む設定ファイルが保存されている。
【0054】
有線通信部303は、有線LANによる通信制御を行う。有線LANで通信される機器は、上位機は注文管理装置11となる。無線通信部304は、無線LANによる通信制御を行う。無線通信部304は、無線LANのアクセスポイントの機能を有している。近隣の通信機器からのプローブ要求に対して、プローブ応答を返信する。また、本実施形態では、無線通信部304は、近隣の通信機器からのプローブ応答やビーコンの信号を受信し、各通信機器との間の受信LQ値を取得するLQ値取得部311と、各通信機器からのプローブ応答やビーコンの信号に含まれる情報を解析し、取得した受信LQ値と、各接続候補の通信機器からの信号に含まれる情報を保持する通信制御部312とを含んでいる。また、無線通信部304は、ビーコンやプローブ応答に、有線接続か無線接続かの種別の情報や上位LQ値の情報を、接続先の選択のための情報として含めて送信する機能を有する。なお、無線接続として動作する場合に、無線通信部304は、クライアントとして接続処理するため、近隣の接続候補へのプローブ要求を送信し、プローブ応答を受信する。
【0055】
印字部305は、各種の注文情報や会計情報を用紙に印字する。印字方式としては、サーマル無線印字装置方式、インク転写方式、インクジェット方式、レーザー方式等、種々のものを用いることができる。
【0056】
なお、無線印字装置13は、上述の有線印字装置12と同様に構成できる。なお、無線印字装置13の場合には、有線通信部303を無くし、無線通信部304のみ備えていても良い。その場合、無線通信部304は、無線LANのアクセスポイントの機能としてのリピータの機能を有するものとする。なお、この機能については、無線表示装置14の説明において詳細に説明する。
【0057】
図5は、本実施形態に係る無線表示装置14の概略ブロック図である。
図5に示すように、無線表示装置14は、処理部401、データ記憶部402、無線通信部404、及び表示部405を備えている。
【0058】
処理部401は、データ記憶部402に記憶されているプログラムに基づいて各部の制御を行う。
【0059】
データ記憶部402は、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ等で構成される。データ記憶部402は、プログラムや各種のデータを記憶する。また、本実施形態では、データ記憶部402には、接続先の選択のための情報として、上位の通信機器とのLQ値と、有線接続か無線接続かを示す接続種別の情報が記憶されている。また、本実施形態では、データ記憶部402には、LQ閾値と、仮値と、加算LQ値とを含む設定ファイルが保存されている。
【0060】
無線通信部404は、無線LANのアクセスポイントの機能としての、リピータの機能を有している。この「無線LANのアクセスポイントの機能としての、リピータの機能」とは、下位の通信機器に対してはアクセスポイントとして、上位の通信機器に対してはクライアントとして動作させる機能である。この機能を実現することで、下位の通信機器と上位の通信機器との間で通信の中継を行うことができる。また、本実施形態では、無線通信部404は、近隣の接続候補の通信機器からのプローブ応答やビーコンの信号を受信し、各接続候補の通信機器との間の受信LQ値を取得するLQ値取得部411と、各接続候補の通信機器からのプローブ応答やビーコンの信号に含まれる情報を解析し、取得した受信LQ値と、各接続候補の通信機器からの信号に含まれる情報とを用いて、接続する通信機器を決定する通信制御部412とを含んでいる。また、無線通信部404は、ビーコンやプローブ応答に、有線接続か無線接続かの種別の情報や上位LQ値の情報を、接続先の選択のための情報として送信する機能を有する。なお、無線接続として動作する場合、無線通信部404は、クライアントとして接続処理するため、近隣の接続候補へのプローブ要求を送信し、プローブ応答を受信する。
【0061】
表示部405は、各種の情報を表示する。表示部405としては、例えばLCD(Liquid Crystal Display)が用いられる。
【0062】
図1に示す注文管理システム1では、有線LAN及び無線LANにより、入力装置10、注文管理装置11、有線印字装置12、第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2、第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2、会計端末15によりネットワークを構築し、各装置間でデータを転送して、注文管理を行っている。
【0063】
ここで、注文管理装置11、有線印字装置12、第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2、第1及び第2の無線表示装置14−1及び14−2等、各装置の数や配置は、店舗の規模や形態に応じて変わってくる。例えば、カウンターだけで店舗を経営するような店では、有線印字装置12や無線印字装置13、無線表示装置14は、1台でも運用でき、これらは物理的に近接した位置に配置できる。これに対して、広いフロアーにテーブルが並んでいるような店舗では、有線印字装置12や無線印字装置13、無線表示装置14が複数台必要であり、これらは離れた場所に置かれることもある。
【0064】
本実施形態では、注文管理装置11及び有線印字装置12は、有線LANの通信機能と、無線LANのアクセスポイントの機能を有している。また、無線印字装置13、無線表示装置14は、無線LANのアクセスポイントの機能としてリピータの機能を有している。これにより、注文管理装置11、有線印字装置12、無線印字装置13、及び無線表示装置14を、必要な数だけ、自在な位置に配置でき、各種の規模や形態の店舗に対応できる。
【0065】
次に、本発明の第1の実施形態における通信接続処理について説明する。注文管理装置11、有線印字装置12、無線印字装置13、及び無線表示装置14は、その装置本来の動作には差異はあるが、通信接続処理の動作上では、全て、通信機器として同様に扱える。このことから、以下では、注文管理装置11、有線印字装置12、無線印字装置13、及び無線表示装置14を、通信機器と呼ぶ場合がある。
【0066】
先ず、通信機器を新たに設置する場合について説明する。新たな通信機器を設置する場合、この通信機器は、プローブ要求をブロードキャスト送信し、近隣の接続候補となる通信機器を検索する。例えば、
図1に示すようにシステムが構成されており、第2の無線表示装置14−2が新たに設置される通信機器であるとする。この場合、接続候補となる通信機器は、第2の無線表示装置14−2の近隣にある注文管理装置11、有線印字装置12、第1及び第2の無線印字装置13−1及び13−2、第1の無線表示装置14−1である。接続候補となる通信機器は、プローブ要求を受信すると、新たに設置される通信機器にプローブ応答を返す。
【0067】
本実施形態では、このプローブ応答に、接続先の選択のための情報として、無線か有線かの接続種別の情報と、接続候補の通信機器とその上位の通信機器との間のLQ(Link Quality)値が含まれている。
【0068】
すなわち、
図6は、本実施形態でのプローブ応答及びビーコンのデータの説明図である。
図6に示すように、プローブ応答及びビーコンは、MAC(Media Access Control)アドレスと、BSSID(Basic Service Set Identifier)と、SSID(Service Set Identifie)と、有線・無線接続種別と、上位LQ値とを有している。MACアドレスは、応答を返したアクセスポイントのMACアドレスである。BSSIDは、無線LANのグループ固有IDである。SSIDは、システムを特定するIDである。有線・無線接続種別は、例えば「0」なら有線であり、それ以外なら無線接続の段数を示す。上位LQ値は、上位の通信機器との間のLQ値である。また、
図7は、通信機器の識別子の説明図である。
図7に示すように、通信機器の識別子は、システム固有のSSIDであるシステムIDと、通信機器の番号を特定するための固有のIDであるStation IDとからなる。
【0069】
新たに設置される通信機器は、プローブ応答を受信することで、無線か有線かの接続種別の情報と、接続候補の通信機器とその上位の通信機器との間のLQ値を取得する。また、新たに設置される通信機器は、接続候補となる各通信機器からのプローブ応答のRSSI値、ノイズの値から、各接続候補の通信機器と新たに設置される通信機器との受信LQ値を取得する。そして、新たに設置される通信機器は、各接続候補の通信機器と新たに設置される通信機器との受信LQ値と、無線か有線かの接続種別の情報と、各接続候補の通信機器とその上位の通信機器との間のLQ値とから、以下のアルゴリズムにより、選択する通信機器を決定する。なお、本実施形態では、2段以上のリピータ接続は、考慮しないものとする。
【0070】
(A)接続先の候補の中に、有線接続で受信LQ値が所定の閾値以上のものがあれば、受信LQ値が所定値以上の通信機器の中で最もLQ値の高いものを選択する。
【0071】
(B)
(B−1)接続先の候補の中に有線接続で受信LQ値が所定の閾値以上のものがなければ、接続先の接続候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値とのうちの小さい方のLQ値を上位から順に並べ、最大となる通信機器を選択する。
(B−2)但し、接続先の候補が有線接続であった場合には、接続先の候補の受信LQ値に補正値として加算LQ値を加える。
(B−3)また、接続先の候補が有線接続であった場合には、接続先の上位のLQ値は仮値(最大のLQ値以上の値)に設定する。
【0072】
なお、上述のアルゴリズムにおいて、接続先の候補の受信LQ値は、各接続候補の通信機器からの受信信号のRSSI値、ノイズの値により取得することができる。また、接続先の候補の上位のLQ値は、
図6に示したプローブ応答のデータから取得できる。また、無線か有線かの接続種別の情報は、
図6に示したプローブ応答のデータから取得できる。
【0073】
また、上述のアルゴリズムにおいて、閾値、加算LQ値、及び仮値については、各通信機器に設定されたファイルから取得できる。つまり、
図8は、設定ファイルの一例の説明図である。
図8に示すように、設定ファイルには、LQ閾値と、仮値と、加算LQ値とが含まれる。LQ閾値は例えば「LQ=5」である。仮値は、LQ値の最大値以上の値であり、例えば「LQ=10」である。加算LQ値は、例えば「LQ=1」である。
【0074】
このアルゴリズムでは、有線LANは無線LANに比べて安定して通信を行えることを考慮して、有線LANに優先して接続されるようにしている。また、リピータを介して通信が行われる際には、その経路中に通信品質が悪いボトルネックとなるような経路が含まれないようにしている。以下、本実施形態における接続先の決定処理について、具体的に説明する。
【0075】
図9は、本実施形態での各通信機器(注文管理装置11、有線印字装置12、第1の無線印字装置13−1、第2の無線印字装置13−2、第1の無線表示装置14−1、第2の無線表示装置14−2)との間のLQ値の説明図である。
図10は、本実施形態での各通信機器の間のLQ値の一例の説明図である。例えば、注文管理装置11では、
図10(A)に示すように、有線印字装置12、第1の無線印字装置13−1、第2の無線印字装置13−2からのプローブ応答やビーコンを受信することで、そのRSSI値、ノイズの値から、有線印字装置12、第1の無線印字装置13−1、第2の無線印字装置13−2との間の受信LQ値を取得できる。この例では、
図10(A)に示すように、有線印字装置12の受信LQ値は「LQ=8」、第1の無線印字装置13−1の受信LQ値は「LQ=4」、第2の無線印字装置13−2の受信LQ値は「LQ=1」である。同様にして、有線印字装置12、第1の無線印字装置13−1、第2の無線印字装置13−2、第1の無線表示装置14−1、第2の無線表示装置14−2は、受信LQ値を取得できる。なお、空欄となっているのは、プローブ応答やビーコンを受信できなかった等により、LQ値を取得できない場合である。
【0076】
このようなネットワークにおいて、第1の無線印字装置13−1をネットワークに新たに設置するとする。
【0077】
図11、
図12、及び
図13は、通信機器の決定処理の説明図である。第1の無線印字装置13−1に対する接続候補となる通信機器は、
図11に示すように、有線印字装置12、第2の無線印字装置13−2、第2の無線表示装置14−2、注文管理装置11である。これらの接続候補となる通信機器の中で、有線接続の通信機器は、注文管理装置11と有線印字装置12である。注文管理装置11の受信LQ値は、「LQ=4」であり、所定の閾値「LQ5」より小さい。有線印字装置12の受信LQ値は、「LQ=5」であり、所定の閾値「LQ5」以上である。このため、上述のアルゴリズムの条件(A)から、第1の無線印字装置13−1は、接続先として、有線印字装置12を選択する。
【0078】
次に、第2の無線印字装置13−2をネットワークに新たに設置するとする。第2の無線印字装置13−2の接続候補となる通信機器は、
図12(A)に示すように、第1の無線印字装置13−1、第2の無線表示装置14−2、注文管理装置11である。これらの候補となる機器の中で、有線接続の機器は、注文管理装置11である。注文管理装置11の受信LQ値は、「LQ=1」であり、所定の閾値「LQ5」より小さく、上述のアルゴリズムの条件(A)は成立しない。
【0079】
この場合、上述のアルゴリズムの条件(B)から、接続先の接続候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値とのうちの小さい方のLQ値を上位から順に並べ、最大となる通信機器を選択する。
【0080】
第2の無線印字装置13−2の接続候補となる通信機器は、第1の無線印字装置13−1、第2の無線表示装置14−2、注文管理装置11である。
図12(A)に示すように、第1の無線印字装置13−1の受信LQ値は、「LQ=4」である。第1の無線印字装置13−1の上位の通信機器は有線印字装置12である。有線印字装置12のLQ値は、
図9及び
図10に示すように、「LQ=5」となる。よって、
図12(B)に示すように、接続先の候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値との小さい方のLQ値は、「LQ=4」である。
【0081】
図12(A)に示すように、第2の無線表示装置14−2の受信LQ値は、「LQ=2」である。第2の無線表示装置14−2の上位の通信機器は第1の無線印字装置13−1であり、第2の無線表示装置14−2と第1の無線印字装置13−1との間のLQ値は、
図9及び
図10より、「LQ=6」である。よって、
図12(B)に示すように、接続先の候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値との小さい方のLQ値は、「LQ=2」である。
【0082】
図12(A)に示すように、第2の無線印字装置13−2と注文管理装置11との間の受信LQ値は、「LQ=1」である。注文管理装置11は有線接続である。有線接続の場合、上述のアルゴリズムの条件(B−2)から、加算LQ値が加算されるので、
図12(B)に示すように、注文管理装置11の受信LQ値は、「LQ=1+1=2」となる。また、有線接続の通信機器の場合、その上位のLQ値は仮値(LQ=10)である。よって、
図12(B)に示すように、接続先の候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値との小さい方のLQ値は、「LQ=2」である。
【0083】
このように、接続候補を第1の無線印字装置13−1とした場合の小さい方のLQ値は「LQ=4」であり、接続候補を第2の無線表示装置14−2とした場合の小さい方のLQ値は「LQ=2」であり、接続候補を注文管理装置11とした場合の小さい方のLQ値は「LQ=2」である。よって、この場合、第2の無線印字装置13−2は、第1の無線印字装置13−1を接続先として選択する。
【0084】
次に、第2の無線表示装置14−2をネットワークに新たに設置するとする。第2の無線表示装置14−2の接続候補となる通信機器は、
図13(A)に示すように、有線印字装置12、第1の無線印字装置13−1、第2の無線印字装置13−2である。これらの候補となる機器の中で、有線接続の機器は、有線印字装置12である。有線印字装置12の受信LQ値は「LQ=3」であり、所定の閾値「LQ=5」より小さい。よって、上述のアルゴリズムの条件(A)が成立しない。
【0085】
この場合、上述のアルゴリズムの条件(B)から、接続先の候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値とのうちの小さい方のLQ値を上位から順に並べ、最大となる通信機器を選択する。
【0086】
第2の無線表示装置14−2の接続候補となる通信機器は、有線印字装置12、第1の無線印字装置13−1、第2の無線印字装置13−2である。有線印字装置12の受信LQ値は、
図13(A)に示すように、「LQ=3」である。有線印字装置12は有線接続であるから、有線接続の場合、上述のアルゴリズムの条件(B−2)により、加算LQ値が加算される。よって、
図13(B)に示すように、有線印字装置12の受信LQ値は、「LQ=3+1=4」となる。また、有線接続の通信機器の場合、上述のアルゴリズムの条件(B−3)より、その上位のLQ値は仮値(LQ=10)である。よって、
図13(B)に示すように、接続先の候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値との小さい方のLQ値となるLQ値は「LQ=4」である。
【0087】
図13(A)に示すように、第1の無線印字装置13−1の受信LQ値は、「LQ=6」である。第1の無線印字装置13−1の上位の通信機器は有線印字装置12である。有線印字装置12のLQ値は、
図9及び
図10に示すように、「LQ=5」である。よって、
図13(B)に示すように、接続先の候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値との小さい方のLQ値は、「LQ=5」である。
【0088】
図13(A)に示すように、第2の無線印字装置13−2の受信LQ値は、「LQ=2」である。第2の無線印字装置13−2の上位の通信機器は第1の無線印字装置13−1であり、第2の無線印字装置13−2と第1の無線印字装置13−1とのLQ値は、
図9及び
図10に示すように、「LQ=4」である。よって、
図13(B)に示すように、接続先の候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値との小さい方のLQ値は、「LQ=2」である。
【0089】
このように、接続先を有線印字装置12とした場合の小さい方のLQ値は「LQ=4」であり、接続先を第1の無線印字装置13−1としたときの小さい方のLQ値は「LQ=5」であり、接続先を第2の無線印字装置13−2としたときの小さい方のLQ値は「LQ=2」である。よって、この場合、第2の無線表示装置14−2の接続先として、第1の無線印字装置13−1が選択される。
【0090】
このように、本実施形態では、有線LANは無線LANに比べて安定して通信を行えることを考慮して、接続先として有線LANが優先される。また、本実施形態では、接続候補となる通信機器との間の受信LQ値と、その接続候補となる通信機器とその上位の通信機との間のLQ値とのうちの小さい方のLQ値を用いて、接続先を決定している。このため、リピータを介して通信が行われる際には、ボトルネックとなる経路がなくなり、安定した通信が行える。
【0091】
図14〜
図17は、本実施形態に係る通信処理を示すフローチャートである。
図14は、全体の接続処理を示している。
【0092】
(ステップS1)
図14において、通信機器が新たに設置されると、この通信機器は、ネットワークへの接続処理を行う。なお、接続処理の詳細は、
図15を用いて、後に説明する。
【0093】
(ステップS2)新たに設置される通信機器は、接続が完了したか否かを判定する。接続が未完了なら(ステップS2;NO)、処理をステップS1にリターンする。接続が完了したら(ステップS2;YES)、処理をステップS3に進める。
【0094】
(ステップS3)システムに接続中の通信機器は、接続先の再接続処理を行う。なお、接続先の再接続処理は、
図17を用いて、後に説明する。
【0095】
(ステップS4)接続先の再接続処理を行う通信機器は、接続が完了しているか否かを判定する。接続が未完了なら(ステップS4;NO)、処理をステップS1にリターンする。接続が完了したら(ステップS4;YES)、処理をステップS3にリターンする。
【0096】
新たに設置される通信機器は、接続が完了するまで、ステップS1の処理を繰り返すことで、システムに接続することができる。そして、システムに接続中の通信機器は、接続が完了していればステップS3を繰り返し、接続が完了していなければステップS1にリターンして新たな接続先に再接続することで、安定した接続が保たれる。
【0097】
図15は、
図14におけるステップS1での接続処理を示している。
(ステップS101)新たに設置される通信機器は、近隣の通信機器にプローブ要求をブロードキャスト送信する。近隣の各通信機器は、プローブ要求を受信すると、プローブ応答を返信する。
【0098】
(ステップS102)新たに設置される通信機器は、タイムアウト又は受信完了になる前に、データを受信したか否かを判定する。タイムアウトにならずにデータが受信できたら(ステップS102;NO)、処理をステップS103に進める。タイムアウト又は受信完了になったら(ステップS102;YES)、処理をステップS106に進める。
【0099】
(ステップS103)タイムアウト又は受信完了でなければ(ステップS102;NO)、新たに設置される通信機器は、近隣の各通信機器からのプローブ応答を受信する。プローブ応答には、
図6に示したように、MACアドレスと、BSSIDと、SSIDと、有線接続であるか無線接続であるかの種別を示す有線/無線接続種別と、上位LQ値が含まれている。
【0100】
(ステップS104)新たに設置される通信機器は、RSSI値、ノイズの値から近隣の各接続候補の通信機器との受信LQ値を取得する。
(ステップS105)また、新たに設置される通信機器は、受信したプローブ応答を保存する。そして、ステップS102にリターンする。
【0101】
(ステップS106)ステップS102でタイムアウト又は受信完了になったら(ステップS102;YES)、新たに設置される通信機器は、受信データがあるか否かを判定する。受信データがあれば(ステップS106;YES)、ステップS107に処理を進める。受信データがなければ(ステップS106;NO)、ステップS112に処理を進める。
【0102】
(ステップS107)新たに設置される通信機器は、無線接続先機器の選択処理を行う。無線接続先機器の選択処理については、
図16を用いて、後に説明する。
【0103】
(ステップS108)新たに設置される通信機器は、選択された通信機器に装置情報要求を送信する。選択された接続先の通信機器は、装置情報要求に応答して、装置情報応答を送信する。
【0104】
(ステップS109)新たに設置される通信機器は、タイムアウトになる前に、選択した接続先からのデータを受信したか否かを判定する。タイムアウトにならずに、選択した接続先からのデータが受信できれば(ステップS109;NO)、ステップS110に処理を進める。タイムアウトになったら(ステップS109;YES)、処理をステップS112に進める。
【0105】
(ステップS110)新たに設置される通信機器は、選択された接続先の通信機器からの装置情報応答を受信し、処理をステップS111に進める。
【0106】
(ステップS111)新たに設置される通信機器は、選択された接続先の通信機器からの装置情報応答を受信したら、接続完了の状態を保存して、処理を終了する。
【0107】
(ステップS112)ステップS106で受信データが無い場合(ステップS106;NO)、ステップS109でタイムアウトになった場合(ステップS109;YES)には、新たに設置される通信機器は、接続未完了の状態を保存して、内部処理として接続未完了を通知して、処理を終了する。
【0108】
図16は、
図15におけるステップS107の接続先の選択処理を示している。
(ステップS201)接続先の選択処理を行う通信機器は、接続先の決定を行う際に、接続候補となる近隣の通信機器から受信したプローブ応答又はビーコンのデータ解析を行う。そして、無線か有線かの接続種別の情報と、各接続候補の通信機器とその上位の通信機器との間のLQ値を解析する。
【0109】
(ステップS202)接続先の選択処理を行う通信機器は、接続先の候補となる通信機器の中に、受信LQ値が所定の閾値以上の有線LAN接続の通信機器があるか否かを判定する。受信LQ値が所定の閾値以上の有線LAN接続の通信機器があれば(ステップS202;YES)、処理をステップS203に進める。受信LQ値が所定の閾値以上の有線LAN接続の通信機器がなければ(ステップS202;NO)、処理をステップS204に進める。
【0110】
(ステップS203)受信LQ値が所定の閾値以上の有線LAN接続の通信機器があれば(ステップS202;YES)、接続先の選択処理を行う通信機器は、受信LQ値が所定の閾値以上の有線LAN接続の通信機器の中で、受信LQ値が最大の機器を選択して、処理を終了する。
【0111】
(ステップS204)受信LQ値が所定の閾値以上の有線LAN接続の通信機器がなければ(ステップS202;NO)、接続先の選択処理を行う通信機器は、接続先の候補が有線LAN接続であった場合には、接続先の上位のLQ値は仮値(最大のLQ値以上の値に)に設定する。
【0112】
(ステップS205)そして、接続先の選択処理を行う通信機器は、接続先の候補が有線LAN接続であった場合には、接続先の候補の受信LQ値に加算LQ値を加えて、処理をステップS206に進める。
【0113】
(ステップS206)接続先の選択処理を行う通信機器は、接続先の接続候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値とのうちの小さい方のLQ値を抽出する。
【0114】
(ステップS207)そして、接続先の選択処理を行う通信機器は、接続先の接続候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値とのうちの小さい方のLQ値を、LQ値の大きい順に並べて、処理をステップS208に進める。
【0115】
(ステップS208)接続先の選択処理を行う通信機器は、接続先の接続候補の受信LQ値と接続先の候補の上位のLQ値とのうちの小さい方のLQ値が最大となる通信機器を接続先として選択して、処理を終了する。
【0116】
図17は、
図14におけるステップS3の接続先の再接続処理を示している。
【0117】
(ステップS301)ネットワークに接続中の通信機器は、タイマ計測を開始する。
【0118】
(ステップS302)ネットワークに接続中の通信機器は、タイムアウト前に、データを受信したか否かを判定する。タイムアウトにならずに、データが受信できたら(ステップS302;NO)、処理をステップS303に進める。タイムアウトになったら(ステップS302;YES)、処理をステップS306に進める。
【0119】
(ステップS303)タイムアウトにならなければ(ステップS302;NO)、ネットワークに接続中の通信機器は、アクセスポイントとなる近隣の各通信機器からのビーコンを受信する。ビーコンには、
図6に示したように、MACアドレスと、BSSIDと、SSIDと、有線/無線接続種別と、上位LQ値が含まれている。
【0120】
(ステップS304)ネットワークに接続中の通信機器は、RSSI値、ノイズの値から近隣の各接続候補の通信機器との受信LQ値を取得する。
(ステップS305)また、ネットワークに接続中の通信機器は、受信したビーコンを保存する。そして、ステップS302にリターンする。
【0121】
(ステップS306)ステップS302でタイムアウトになったら(ステップS302;YES)、ネットワークに接続中の通信機器は、受信データ履歴を解析し、処理をステップS307に進める。
【0122】
(ステップS307)ネットワークに接続中の通信機器は、無線接続先機器の選択処理を行う。無線接続先機器の選択処理については、
図16に示した通りである。
【0123】
(ステップS308)ネットワークに接続中の通信機器は、接続先があるか否かを判定する。接続先があれば(ステップS308;YES)、処理をステップS309に進める。接続先がなければ(ステップS308;NO)、処理をステップS316に進める。
【0124】
(ステップS309)ネットワークに接続中の通信機器は、接続先を選択したら、前回までの接続先との比較を行い、処理をステップS310に進める。
【0125】
(ステップS310)そして、ネットワークに接続中の通信機器は、接続先の比較の結果から、接続先の変更があったか否かを判定する。接続先の変更がなければ(ステップS310;NO)、処理をステップS301にリターンする。接続先の変更があったら(ステップS310;YES)、処理をステップS311に進める。
【0126】
(ステップS311)ステップS310で、接続先の変更があれば、ネットワークに接続中の通信機器は、接続先のデータを保存して、ステップS312に処理を進める。
【0127】
(ステップS312)ネットワークに接続中の通信機器は、選択された通信機器に装置情報要求を送信する。選択された接続先の通信機器は、装置情報要求に応答して、装置情報応答を送信する。
【0128】
(ステップS313)ネットワークに接続中の通信機器は、タイムアウトになる前に、新たに選択した接続先からのデータを受信したか否かを判定する。タイムアウトにならずに、新たに選択した接続先からのデータが受信できれば(ステップS313;NO)、ステップS314に処理を進める。タイムアウトになれば(ステップS313;YES)、処理をステップS317に進める。
【0129】
(ステップS314)ネットワークに接続中の通信機器は、新たに選択された接続先の通信機器からの装置情報応答を受信し、処理をステップS315に進める。
【0130】
(ステップS315)ネットワークに接続中の通信機器は、新たに選択された接続先の通信機器からの装置情報応答を受信したら、新たに選択された接続先に接続先を変更し、接続処理完了の状態を保存して、処理を終了する。
【0131】
(ステップS316)ステップS308で、接続先がない場合には(ステップS308;NO)、ネットワークに接続中の通信機器は、接続先のデータをクリアして、処理をステップS317に進める。また、ステップS313で、タイムアウトになったら(ステップS313;YES)、処理をステップS317に進める。
【0132】
(ステップS317)ネットワークに接続中の通信機器は、ネットワーク接続を解除し、接続処理完了の状態を保存して、内部処理として接続未完了を通知して、処理を終了する。
【0133】
図18は、新たに設置される通信機器のネットワークへの接続処理を示すシーケンス図である。
【0134】
ここでは、第2の無線表示装置14−2の近接には、アクセスポイント、もしくはリピータの通信機器として、第1の無線印字装置13−1、有線印字装置12、注文管理装置11、第2の無線印字装置13−2、第1の無線表示装置14−1がある。
【0135】
(ステップS501)第2の無線表示装置14−2は、近接の各通信機器にブロードキャストでプローブ要求を送信し、近隣検索を行う。
【0136】
(ステップS502a〜502e)近隣の各通信機器(第1の無線印字装置13−1、有線印字装置12、注文管理装置11、第2の無線印字装置13−2、第1の無線表示装置14−1)は、プローブ要求を受信すると、プローブ応答を返送する。このプローブ応答には、有線・無線接続種別の情報と、上位の通信機器との間のLQ値が含まれている。また、第2の無線表示装置14−2は、プローブ応答を受信することで、RSSI値、ノイズの値より、第1の無線印字装置13−1、有線印字装置12、注文管理装置11、第2の無線印字装置13−2、第1の無線表示装置14−1の受信LQ値を取得する。
【0137】
(ステップS503)第2の無線表示装置14−2は、第1の無線印字装置13−1、有線印字装置12、注文管理装置11、第2の無線印字装置13−2、第1の無線表示装置14−1からのプローブ応答を受信すると、接続先の選択処理を行う。接続先の選択処理は、
図16で説明した通りである。ここでは、第1の無線印字装置13−1が選択されたとする。
【0138】
(ステップS504)第2の無線表示装置14−2は、選択された通信機器(第1の無線印字装置13−1)に、装置情報要求を送信する。
(ステップS505)第1の無線印字装置13−1は、第2の無線表示装置14−2から装置情報要求を受信すると、受信した装置情報要求を、有線印字装置12を経由して注文管理装置11へ転送する。
【0139】
(ステップS506)注文管理装置11は、第1の無線印字装置13−1から装置情報要求を受信すると、受信した装置情報要求を、有線印字装置12を経由して第1の無線印字装置13−1に返信する。
(ステップS507)第1の無線印字装置13−1は、注文管理装置11から装置情報応答を受信すると、受信した装置情報応答を第2の無線表示装置14−2に転送する。第2の無線表示装置14−2が装置情報応答を受信すると、接続処理が完了する。
これにより、無線表示装置14−2は、注文管理装置11と通信することが可能となる。
【0140】
以上のように、本実施形態によれば、アクセスポイント、リピータが送信する制御情報に一部データを追加し、最適な中継経路を構築できるので、通信品質を安定化させることができる。
【0141】
また、本実施形態によれば、接続候補の通信機器からの信号に情報を付加し、接続候補の通信機器からの信号に含まれる情報を解析し、前記取得した受信リンククォリティー値と、前記各接続候補の通信機器からの信号に含まれる情報とを用いて、接続する通信機器を決定することで、最適な通信機器との接続が行える。
【0142】
また、本実施形態によれば、各接続候補の通信機器からの信号に、有線接続が無線接続かを示す接続種別情報を含めることで、有線接続の通信機器を優先的に接続先として決定できる。
また、本実施形態によれば、各接続候補の通信機器からの信号に、前記接続候補の通信機器とその上位の通信機器との間のリンククォリティー値を含めることで、ボトルネックとなる経路がなくなり、安定した通信が行える。
【0143】
また、本実施形態によれば、有線接続の通信機器を優先的に接続先として決定できる。
また、本実施形態によれば、ボトルネックとなる経路がなくなり、安定した通信が行える。
また、本実施形態によれば、上位の機器が有線接続の通信機器であった場合に、上位の通信機器との間のリンククォリティー値を無効な値にして、最適な接続先を確実に選択できる。
【0144】
また、本実施形態によれば、有線接続の通信機器を優先的に接続先として決定できる。
また、本実施形態によれば、プローブ応答に接続先の選択のための情報を含めることで、新たな通信機器をネットワークに接続する際に、最適な通信機器を接続先として決定できる。
また、本実施形態によれば、ビーコンに接続先の選択のための情報を含めることで、ネットワーク接続中の通信機器が新たな通信機器に再接続する際に、最適な通信機器を接続先として決定できる。
【0145】
なお、本発明における注文管理システム1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより注文管理システム1を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0146】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。