特許第6809953号(P6809953)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 高砂熱学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6809953-供給システム、供給方法及び課金装置 図000002
  • 特許6809953-供給システム、供給方法及び課金装置 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6809953
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】供給システム、供給方法及び課金装置
(51)【国際特許分類】
   F25C 5/20 20180101AFI20201221BHJP
【FI】
   F25C5/20 Z
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-58929(P2017-58929)
(22)【出願日】2017年3月24日
(65)【公開番号】特開2018-162895(P2018-162895A)
(43)【公開日】2018年10月18日
【審査請求日】2020年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000169499
【氏名又は名称】高砂熱学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175190
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 裕明
(72)【発明者】
【氏名】万尾 達徳
(72)【発明者】
【氏名】松平 章宏
【審査官】 森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06012298(US,A)
【文献】 特開2006−010129(JP,A)
【文献】 特開2007−278667(JP,A)
【文献】 特開2002−333171(JP,A)
【文献】 実開平03−042932(JP,U)
【文献】 特開2015−114025(JP,A)
【文献】 実開昭49−126943(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 5/00
B65G 53/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固液二相流体を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクに接続され、前記貯留タンクから前記固液二相流体が流入する配管と、
前記配管を流れる流体の温度を測定する測定部と、
前記配管内の前記固液二相流体を外部に供給する供給手段と、
前記外部への前記固液二相流体の供給が開始された後、前記測定部が所定温度より低い温度を検知した場合、前記外部に供給される前記固液二相流体の供給量の計測を開始する計測部と、を備える、
供給システム。
【請求項2】
前記配管は少なくとも一部が鉛直方向に配置され、
前記測定部は、前記鉛直方向に配置された前記配管を流れる前記流体の温度を測定する、
請求項1に記載の供給システム。
【請求項3】
前記配管は、第1配管及び金属製の第2配管を有し、
前記貯留タンクに前記第1配管が接続され、
前記第1配管に前記第2配管が接続され、
前記測定部は、前記第2配管の表面温度を測定することで前記配管を流れる前記流体の温度を測定する、
請求項1又は2に記載の供給システム。
【請求項4】
前記第2配管及び前記測定部を覆っている断熱材を備え、
前記計測部は、前記外部への前記固液二相流体の供給が開始されてから所定時間経過後、前記測定部が前記所定温度より低い温度を検知した場合、前記外部に供給される前記固液二相流体の供給量の計測を開始する、
請求項3に記載の供給システム。
【請求項5】
前記第2配管及び前記測定部を覆っている断熱材を備え、
前記計測部は、前記外部への前記固液二相流体の供給が開始された後、前記測定部が前記所定温度より低い温度を検知し、その後に前記測定部が前記所定温度以上の温度を検知し、その後に前記測定部が前記所定温度より低い温度を検知した場合、前記外部に供給される前記固液二相流体の供給量の計測を開始する、
請求項3に記載の供給システム。
【請求項6】
固液二相流体を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに接続され、前記貯留タンクから前記固液二相流体が流入する配管と、前記配管を流れる流体の温度を測定する測定部と、を備える供給システムにおける供給方法であって、
前記配管内の前記固液二相流体を外部に供給する供給ステップと、
前記外部への前記固液二相流体の供給が開始された後、前記測定部が所定温度より低い温度を検知した場合、前記外部に供給される前記固液二相流体の供給量の計測を開始する計測ステップと、
を備える供給方法。
【請求項7】
固液二相流体を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクに接続され、前記貯留タンクから前記固液二相流体が流入する配管と、
前記配管を流れる流体の温度を測定する測定部と、
前記配管内の前記固液二相流体を外部に供給する供給手段と、
前記外部への前記固液二相流体の供給が開始された後、前記測定部が所定温度より低い
温度を検知した場合、前記外部に供給される前記固液二相流体の供給量の計測を開始する計測部と、
前記固液二相流体の供給量に応じて課金を行う課金部と、
を備える課金装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給システム、供給方法及び課金装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水産物などの鮮度保持に用いるシャーベット氷(氷スラリー)を製氷する技術がある。例えば、特許文献1には、海水のシャーベット氷を製氷し、貯留する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−278667号公報
【特許文献2】特開2008−57927号公報
【特許文献3】特開2010−169322号公報
【特許文献4】特開2015−224815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
氷を購入者に供給して、代金を請求するためには、供給した氷の量を正確に把握する必要がある。角状氷を粉砕し、粉砕された氷を購入者に供給する場合には、角状氷1個当たりの重量が予め分かっているため、粉砕した角状氷の個数を数えることにより、氷の供給量を正確に把握できる。一方、シャーベット氷の場合、その流動性を利用して供給配管を介してポンプ圧送することが望ましい。しかし、供給配管を流れるシャーベット氷は、固体(氷粒子)と液体(水)が混合した固液二相流体のため、電磁式、羽根車式、容積式、渦式等の汎用の流量計では、固液二相流体の流量の計測が困難である。固液二相流体の流量の計測が可能な一部の電磁式流量計や容積式流量計が上市されているが、特に大流量に対応できるものは高価なため、導入コストの観点からは実用には供し難い。
【0005】
また、シャーベット氷の供給が長時間行われない場合、供給配管内のシャーベット氷が融けてしまう。この場合、シャーベット氷の供給ポンプを起動した直後では、供給口からは水(氷粒子が融けた海水)が流出する。そのため、シャーベット氷の供給ポンプを起動した直後からのシャーベット氷の供給量の計測では、供給口から初期に流出される水量もシャーベット氷の供給量として計測されてしまい、シャーベット氷の正確な量を購入者に供給することができない。
【0006】
そこで、本発明は、固液二相流体の供給量の計測の精度を向上する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。すなわち、本発明の供給システムは、固液二相流体を貯留する貯留タンクと、貯留タンクに接続され、貯留タンクから固液二相流体が流入する配管と、配管を流れる流体の温度を測定する測定部と、配管内の固液二相流体を外部に供給する供給手段と、外部への固液二相流体の供給が開始された後、測定部が所定温度より低い温度を検知した場合、外部に供給される固液二相流体の供給量の計測を開始する計測部と、を備える。本発明の供給システムによれば、外部への固液二相流体の供給が開始された後、測定部が所定温度より低い温度を検知した時点で、固液二相流体の供給量の計測を開始することにより、固液二相流体の供給量に融けた液体の量が含まれることが回避される。したがって、固液二相流体の供給量の計測の精度を向上すること
ができる。
【0008】
本発明の供給システムにおいて、配管は少なくとも一部が鉛直方向に配置され、測定部は、鉛直方向に配置された配管を流れる流体の温度を測定してもよい。本発明の供給システムによれば、流体が配管内を鉛直方向に流れるため、配管を流れる流体の固体濃度分布が一定になり、配管を流れる流体の温度を正確に測定することができる。
【0009】
本発明の供給システムにおいて、配管は、第1配管及び金属製の第2配管を有し、貯留タンクに第1配管が接続され、第1配管に第2配管が接続され、測定部は、第2配管の表面温度を測定することで配管を流れる流体の温度を測定してもよい。本発明の供給システムによれば、外部への固液二相流体の供給が開始された後、第2配管の表面温度が所定温度より低い温度である時点で、固液二相流体の供給量の計測を開始することができる。
【0010】
本発明の供給システムは、第2配管及び測定部を覆っている断熱材を備え、計測部は、外部への固液二相流体の供給が開始されてから所定時間経過後、測定部が所定温度より低い温度を検知した場合、外部に供給される固液二相流体の供給量の計測を開始してもよい。本発明の供給システムは、第2配管及び測定部を覆っている断熱材を備え、計測部は、外部への固液二相流体の供給が開始された後、測定部が所定温度より低い温度を検知し、その後に測定部が所定温度以上の温度を検知し、その後に測定部が所定温度より低い温度を検知した場合、外部に供給される固液二相流体の供給量の計測を開始してもよい。本発明の供給システムによれば、固液二相流体の供給を開始する前から第2配管内に残存していた固液二相流体の影響を受けずに、固液二相流体の供給量の計測を開始することができる。
【0011】
本発明は、供給方法として特定することもできる。すなわち、本発明は、固液二相流体を貯留する貯留タンクと、貯留タンクに接続され、貯留タンクから固液二相流体が流入する配管と、配管を流れる流体の温度を測定する測定部と、を備える供給システムにおける供給方法であって、配管内の固液二相流体を外部に供給する供給ステップと、外部への固液二相流体の供給が開始された後、測定部が所定温度より低い温度を検知した場合、外部に供給される固液二相流体の供給量の計測を開始する計測ステップと、を備える。本発明の供給方法によれば、外部への固液二相流体の供給が開始された後、測定部が所定温度より低い温度を検知した時点で、固液二相流体の供給量の計測を開始することにより、固液二相流体の供給量に融けた液体の量が含まれることが回避される。したがって、固液二相流体の供給量の計測の精度を向上することができる。また、本発明は、課金装置として特定することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、固液二相流体の供給量の計測の精度を向上する技術の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る供給システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るシャーベット氷の供給システムの動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本実施形態に係るシャーベット氷の供給システムについて説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本願の供給システムは、実施形態の構成には限定されない。
【0015】
《供給システム》
図1は、本実施形態に係るシャーベット氷の供給システム1の概略構成を示す図である。実施形態の供給システム1は、貯留タンク(供給タンク)2と、差圧計3と、供給配管4と、供給ポンプ5と、金属配管6と、供給弁7と、供給口8と、表面温度計9と、制御装置10と、購入課金装置11と、を備える。供給システム1は、供給装置として構成されてもよい。また、貯留タンク2、差圧計3、供給配管4、供給ポンプ5、金属配管6、供給弁7、供給口8、表面温度計9及び制御装置10を供給装置として構成してもよい。この場合、供給システム1は、貯留タンク2、差圧計3、供給配管4、供給ポンプ5、金属配管6、供給弁7、供給口8、表面温度計9及び制御装置10を有する供給装置と、購入課金装置11とを備える。更に、供給システム1は、課金装置として構成されてもよい。
【0016】
貯留タンク2は、開放タンクであり、製氷装置によって製氷されたシャーベット氷を貯留する。シャーベット氷は、真水及び海水の少なくとも一方、または真水で希釈した海水を用いて製氷されている。シャーベット氷は、固液二相流体の一例である。差圧計3は、貯留タンク2内の圧力(水圧)と外部の圧力(大気圧)との差圧を測定する。貯留タンク2に供給配管4が接続されており、貯留タンク2から供給配管4にシャーベット氷が流れ込む。供給配管4は、例えば、塩化ビニルなどの樹脂製の配管である。供給配管4は、第1配管の一例である。
【0017】
供給配管4に供給ポンプ5、金属配管6、供給弁7及び供給口8が設けられている。図1に示す供給システム1の構成例では、供給配管4の一端が貯留タンク2に接続され、供給配管4の他端に供給口8が設けられている。供給配管4の両端の間に金属配管6が配置され、金属配管6は、供給配管4に接続されている。金属配管6は、金属製の配管である。金属配管6は、第2配管の一例である。本実施形態は、図1に示す供給システム1の構成例に限定されず、供給配管4の他端に金属配管6が接続され、金属配管6に供給口8が設けられていてもよい。供給配管4及び金属配管6に対して、耐海水性の表面処理を行ってもよい。図1では、金属配管6の径が供給配管4の径よりも大きく示されているが、供給配管4の径と金属配管6の径とは同一である。シャーベット氷やシャーベット氷が融けた水が、供給配管4及び金属配管6を流れる。シャーベット氷及びシャーベット氷が融けた水は、流体の一例である。シャーベット氷が融けた水は、真水及び海水の少なくとも一方、または真水で希釈した海水を含む。以下では、供給配管4及び金属配管6を流れるシャーベット氷は、シャーベット氷が融けた水を含むものとする。
【0018】
図1に示すように、供給配管4のうち貯留タンク2に接続された部分が水平方向に伸びており、水平方向に伸びた供給配管4は折れ曲がって鉛直方向に伸びた後、折れ曲がって水平方向に伸びた後、折れ曲がって再び鉛直方向に伸びている。このように、供給配管4の一部が水平方向に配置され、供給配管4の一部が鉛直方向に配置されている。供給ポンプ5は、水平方向に配置された供給配管4に設けられているが、鉛直方向に配置された供給配管4に供給ポンプ5が設けられてもよい。
【0019】
供給ポンプ5が起動し、供給弁7が開かれることで、貯留タンク2内に貯留されているシャーベット氷が供給配管4内及び金属配管6内を流れ、シャーベット氷が供給口8から外部に供給(排出)される。貯留タンク2内のシャーベット氷が減少した場合、製氷装置から貯留タンク2にシャーベット氷が補充される。供給ポンプ5及び供給弁7は、供給手段の一例である。
【0020】
制御装置10は、供給ポンプ5、供給弁7及び購入課金装置11を制御する。また、制御装置10は、シャーベット氷の供給装置(システム)の各種装置、機器類を制御する。制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、操作部、表示部等を備
え、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することで、各種装置、機器類を制御する。制御装置10の一例として、PLC(Programmable Logic Controller)を用
いてもよい。
【0021】
供給ポンプ5は、制御装置10からの起動指令を受け付けることで起動状態となり、供給配管4内のシャーベット氷を供給配管4の下流側(供給口8側)に圧送する。供給ポンプ5は、制御装置10からの停止指令を受け付けることで停止状態となり、供給配管4内のシャーベット氷の圧送を停止する。供給弁7は、制御装置10から開指令を受け付けることで開状態となり、制御装置10から閉指令を受け付けることで閉状態となる。
【0022】
表面温度計9は、金属配管6の表面温度を測定することで、金属配管6を流れるシャーベット氷の温度を測定する。換言すれば、表面温度計9は、金属配管6を流れるシャーベット氷の温度の上昇又は下降を検知する。表面温度計9は、測定部の一例である。供給配管4内又は金属配管6内に温度計を設けて、シャーベット氷の温度を測定しようとすると、供給配管4内及び金属配管6内を流れるシャーベット氷によって温度計が破壊されてしまう。そのため、金属配管6の表面に表面温度計9が貼り付けられている。金属は樹脂よりも熱伝導率が高い。そのため、配管の表面から配管内を流れるシャーベット氷の温度を測定する場合、金属配管6の表面に表面温度計9を貼り付ける方が、樹脂製の供給配管4の表面に表面温度計9を貼り付けるよりも、計測箇所を流れるシャーベット氷の温度により近い温度を測定できる。また、金属配管6の表面に表面温度計9を貼り付ける場合、表面温度計9を設置した箇所を流れるシャーベット氷の温度を、即時的に検知することができる。例えば、供給配管4に表面温度計9を設置した場合、供給配管4の熱伝導率が低いと、供給配管4内を流れるシャーベット氷の温度が変化したとき、表面温度計9が供給配管4を流れるシャーベット氷の温度を検知するまでにタイムラグが生じる。したがって、金属配管6の表面に表面温度計9を貼り付けることが好ましい。シャーベット氷が流れる配管について、表面温度計9を設置する部分を金属配管6とし、他の部分を供給配管4としている。すなわち、シャーベット氷が流れる配管のうちシャーベット氷の温度が計測される部分のみを金属製とし、他の部分を樹脂製とすることで、配管の全部を金属製とするよりも、配管を安価で形成することができる。金属配管6及び表面温度計9の周囲に銅テープ等の熱伝導率の高いテープを巻き付けることにより、金属配管6と表面温度計9との密着性を高めてもよい。また、金属配管6と表面温度計9との間に粘着性の熱伝導シリコンを挟むことにより、金属配管6と表面温度計9との密着性を高めてもよい。金属配管6と表面温度計9との密着性を高めることで、金属配管6の温度をより正確に測定することができる。
【0023】
例えば、金属配管6が水平方向に配置されている場合、シャーベット氷が金属配管6内を水平方向に流れるため、金属配管6内のシャーベット氷の氷濃度(IPF)が一定にならない。そのため、金属配管6の上部と金属配管6の下部とで温度が異なり、金属配管6の温度を正確に測定することができない。図1に示すように、金属配管6内を流れるシャーベット氷の流れ方向が鉛直方向となるように、金属配管6が鉛直方向に配置されている。したがって、表面温度計9は、鉛直方向に配置された金属配管6の温度を測定する。シャーベット氷が金属配管6内を鉛直方向に流れるため、金属配管6内のシャーベット氷の氷濃度(IPF)が一定になり、表面温度計9は、金属配管6の温度を正確に測定することができる。
【0024】
金属配管6内のシャーベット氷の温度に応じて、金属配管6の温度が変化する。金属配管6内のシャーベット氷が融けている場合と金属配管6内のシャーベット氷が融けていない場合とでは、金属配管6の温度が異なる。したがって、金属配管6の温度を測定することにより、金属配管6内のシャーベット氷が融けているか否かを判定することが可能である。制御装置10は、表面温度計9によって測定された温度に応じて、外部に供給される
シャーベット氷の供給量の計測を開始する。制御装置10は、計測部の一例である。
【0025】
制御装置10は、差圧計3から貯留タンク2に加わる水圧の値と大気圧の値とを取得する。制御装置10は、貯留タンク2に加わる水圧の値と大気圧の値との差から貯留タンク2内のシャーベット氷の残量を算出する。制御装置10は、シャーベット氷の供給量の計測開始時における貯留タンク2内のシャーベット氷の残量(質量)と、任意の時点における貯留タンク2内のシャーベット氷の残量(質量)との差に基づいて、シャーベット氷の供給量(質量)を算出する。
【0026】
購入課金装置11は、操作部、記録部、表示部等を備えている。購入課金装置11は、シャーベット氷の購入者(以下、「購入者」と表記する。)からシャーベット氷の購入量(要求量)を受け付けて、制御装置10にシャーベット氷の購入量を伝送(送信)する。シャーベット氷の購入量は、購入者が購入するシャーベット氷の質量である。購入課金装置11は、制御装置10からシャーベット氷の供給量を受け付けて、購入課金装置11の内部の記録部にシャーベット氷の供給量を記録する。購入課金装置11は、購入者のシャーベット氷の購入量又は供給量に応じて、購入者に課金を行う。購入者は、シャーベット氷の購入量又は供給量に応じて、コインや紙幣等の貨幣の支払い、非接触式のICカード、プリペイドカード、クレジットカード等による支払いを行う。購入課金装置11は、課金部の一例である。
【0027】
図1に示すように、供給配管4のうち貯留タンク2に接続された部分が水平方向に伸びており、水平方向に伸びた供給配管4は折れ曲がって鉛直方向に伸びた後、折れ曲がって水平方向に伸びた後、折れ曲がって再び鉛直方向に伸びている。このように、供給配管4の一部が水平方向に配置され、供給配管4の一部が鉛直方向に配置されている。供給ポンプ5は、水平方向に配置された供給配管4に設けられているが、鉛直方向に配置された供給配管4に供給ポンプ5が設けられてもよい。
【0028】
例えば、金属配管6が水平方向に配置されている場合、シャーベット氷が金属配管6内を水平方向に流れるため、金属配管6内のシャーベット氷の氷濃度(IPF)の分布が一定にならない。そのため、金属配管6の上部と金属配管6の下部とで温度が異なり、金属配管6の温度を正確に測定することができない。図1に示すように、金属配管6内を流れるシャーベット氷の流れ方向が鉛直方向となるように、金属配管6が鉛直方向に配置されている。したがって、表面温度計9は、鉛直方向に配置された金属配管6の温度を測定する。シャーベット氷が金属配管6内を鉛直方向に流れるため、金属配管6内のシャーベット氷の氷濃度(IPF)の分布が一定になり、表面温度計9は、金属配管6の温度を正確に測定することができる。
【0029】
<動作>
次に、実施形態に係るシャーベット氷の供給システム1の動作について説明する。図2は、実施形態に係るシャーベット氷の供給システム1の動作フローを示す図である。
【0030】
ステップS1では、購入者により購入課金装置11の操作部が操作されて、シャーベット氷の購入量が選択される。購入課金装置11の操作部は、購入者からの操作指示を受け付ける。例えば、購入者により購入課金装置11の操作部に数値が入力されることで、シャーベット氷の購入量が選択されてもよい。例えば、購入者により購入課金装置11の操作部の選択肢が選択されることで、シャーベット氷の購入量が選択されてもよい。
【0031】
購入課金装置11の操作部は、タッチパネルであってもよい。購入者が、タッチパネルを接触操作し、タッチパネルと重なるようにして配置されたディスプレイに表示されたアイコン等の表示項目の選択を行うことにより、シャーベット氷の購入量が選択されてもよ
い。購入者が、タッチパネルを接触操作し、タッチパネルに数値を入力することにより、シャーベット氷の購入量が選択されてもよい。購入課金装置11の操作部は、入力ボタンや選択ボタンであってもよい。購入者が、入力ボタンを用いて数値を入力することにより、シャーベット氷の購入量が選択されてもよい。購入者が、選択ボタンを用いて数値を選択することにより、シャーベット氷の購入量が選択されてもよい。
【0032】
また、ステップS1では、購入課金装置11は、シャーベット氷の購入量を制御装置10に伝送する。伝送方式は、DC4〜20mmAなどのアナログ信号であってもよいし、パルス信号であってもよい。例えば、1パルスあたりのシャーベット氷の購入量を購入課金装置11に予め設定した上で、シャーベット氷の購入量に応じたパルスが、購入課金装置11から制御装置10に伝送されてもよい。
【0033】
ステップS2では、制御装置10は、購入課金装置11から伝送されたシャーベット氷の購入量と貯留タンク2内のシャーベット氷の残量とを比較し、貯留タンク2内のシャーベット氷の残量がシャーベット氷の購入量以上であるか否かを判定する。貯留タンク2内のシャーベット氷の残量がシャーベット氷の購入量以上である場合(ステップS2:YES)、フローの処理がステップS3に進む。
【0034】
一方、貯留タンク2内のシャーベット氷の残量がシャーベット氷の購入量未満である場合(ステップS2:NO)、フローの処理がステップS1に戻る。この場合、制御装置10は、シャーベット氷の供給不可の信号を購入課金装置11に送信する。購入課金装置11は、シャーベット氷の供給が不可能であることを示すメッセージを表示部に表示する。購入課金装置11は、表示部に貯留タンク2内のシャーベット氷の残量を表示してもよい。ステップS1において、購入者は、貯留タンク2内のシャーベット氷の残量を確認して、シャーベット氷の購入量を選択することができる。また、製氷装置から貯留タンク2にシャーベット氷が補充された後、フローの処理がステップS1に戻ってもよい。
【0035】
<シャーベット氷の残量の算出>
差圧計3の高圧検出部が貯留タンク2の最下部(底部)に接続され、差圧計3の低圧検出部が大気開放されている。貯留タンク2の最下部に加わる水圧Pは、貯留タンク2の水位h、水(海水)の密度ρ、重力加速度g(=9.81[m/s])及び大気圧Paから、P=ρ・g・h+Paで求まる。したがって、水圧Pと大気圧Paとの差圧を計測することにより、貯留タンク2の水位hが求まる。任意の時点における貯留タンク2の水量(=シャーベット氷の残量GSi)は、貯留タンク2の水位h、貯留タンク2の内断面積At及びシャーベット氷の密度ρsiから、GSi=h・At・ρsiで求まる。制御装置10は、水圧Pと大気圧Paとの差圧を差圧計3から取得し、シャーベット氷の残量GSiを算出する。差圧計3の高圧検出部にシャーベット氷が詰まらないようにするため、差圧計3の高圧検出部の周囲に網目状の部材を設けるようにしてもよい。なお、上記では、貯留タンク2が開放タンクである場合について説明したが、実施形態に係る貯留タンク2は、密閉タンクであってもよく、他の方法により、シャーベット氷の残量を算出してもよい。
【0036】
ステップS3では、制御装置10は、シャーベット氷の供給可の信号を購入課金装置11に送信する。購入課金装置11は、シャーベット氷の供給が可能であることを示すメッセージを表示部に表示する。また、ステップS3において、制御装置10は、供給弁7に開指令の信号を送信すると共に、供給ポンプ5に起動指令の信号を送信する。これにより、供給弁7が開かれ、供給ポンプ5が起動して、シャーベット氷の供給が開始される。
【0037】
ステップS4では、制御装置10は、表面温度計9によって測定された温度T(以下、「測定温度T」と表記する。)が所定温度Tsより低い温度であるか否かを判定する。測
定温度Tが所定温度Tsより低い温度である場合(ステップS4:YES)、フローの処理がステップS5に進む。一方、測定温度Tが所定温度Ts以上である場合(ステップS4:NO)、ステップS4の処理が再度行われる。制御装置10は、表面温度計9から測定温度Tを取得し、測定温度Tが所定温度Tsより低い温度であるか否かを判定してもよい。また、制御装置10は、測定温度Tをモニターし、測定温度Tが所定温度Tsよりも低い温度であるか否かを判定してもよい。
【0038】
<シャーベット氷の供給量の計測開始条件の判定>
シャーベット氷の供給が開始された時点において、供給配管4内にシャーベット氷が満たされているとは限らない。例えば、シャーベット氷の供給が長時間行われていない場合、供給配管4内のシャーベット氷が融けて水に変わってしまう。そのため、貯留タンク2内のシャーベット氷で供給配管4内の水が置換されたことを検知した上で、シャーベット氷の供給量の計測を開始する必要がある。実施形態に係る供給システム1では、供給弁7の上流側又は下流側(図1では、上流側)に金属配管6を設置し、金属配管6の表面に表面温度計9が貼り付けられている。シャーベット氷の供給が開始された後に、測定温度Tが所定温度Tより低い温度である時点で、供給配管4内の融けた水がシャーベット氷で置換されたと判定して、その時点からシャーベット氷の供給量の計測が開始される。
【0039】
上記のように、シャーベット氷の供給が開始された後に、測定温度Tが所定温度Tより低い温度である時点からシャーベット氷の供給量の計測を開始する。金属配管6と供給口8との間の距離が大きい場合、シャーベット氷の供給量の計測が開始されてから暫くの間、供給口8から水が外部に供給される可能性がある。一方、金属配管6と供給口8との間の距離が小さい場合、シャーベット氷の供給量の計測が開始された直後に供給口8からシャーベット氷が供給される。したがって、金属配管6は、供給口8の近傍に配置されていることが好ましい。また、金属配管6は、供給ポンプ5の上流側又は下流側の何れに配置されていても構わない。
【0040】
所定温度Tは、シャーベット氷の氷濃度(IPF)及びシャーベット氷の製氷原水の塩分濃度によって変動するため、次の式1〜式3を用いて算出される。
=TSI+C・・・(式1)
SI=‐0.131×(C−0.5418×C・・・(式2)
=(C/100)/(1‐IPF/100)・・・(式3)
SI:シャーベット氷の実温度(凍結温度)[℃]
:シャーベット氷の塩分濃度[%]
:シャーベット氷の製氷原水の塩分濃度[%]
IPF:シャーベット氷の氷濃度[%]
C:試運転調整で決定される定数[℃]
【0041】
試運転調整で決定される定数(C)は、供給システム1を試運転した際の調整によって決定される値である。例えば、金属配管6の熱伝導率や金属配管6と表面温度計9との密着度などの要因によって、金属配管6内のシャーベット氷の温度よりも測定温度Tが高い場合がある。そのため、シャーベット氷の実温度(TSI)に対して試運転調整で決定される定数(C)を加えている。ここでは、式1〜式3を用いて、所定温度Tを算出する一例を説明したが、所定温度Tを他の方法により算出してもよい。
【0042】
<シャーベット氷の供給量の計測方法>
実施形態に係る供給システム1では、貯留タンク2の水位変化を検出することで、外部に供給されるシャーベット氷の供給量を計測する。貯留タンク2の水位hは、上記のように、水圧Pと大気圧Paとの差圧を計測することにより求めることが可能である。また、任意の時点における貯留タンク2の水量(=シャーベット氷の残量GSi)は、貯留タン
ク2の水位h、貯留タンク2の内断面積At及びシャーベット氷の密度ρsiから、GSi=h・At・ρsiで求めることが可能である。制御装置10は、シャーベット氷の供給量の計測が開始された時点のシャーベット氷の残量(GSi‐0)をメモリに記憶する。シャーベット氷の供給中におけるシャーベット氷の供給量(ΔGSi)は、GSi‐0から任意の時点におけるシャーベット氷の残量(GSi)を減算することにより求められる。また、固液二相流体の流量の計測が可能な電磁式流量計や容積式流量計を用いて、外部に供給されるシャーベット氷の供給量を計測してもよい。
【0043】
ステップS5では、制御装置10は、シャーベット氷の供給量の計測を開始する。ステップS6では、制御装置10は、シャーベット氷の供給量がシャーベット氷の購入量以上であるか否かを判定する。シャーベット氷の供給量がシャーベット氷の購入量以上である場合(ステップS6:YES)、フローの処理がステップS7に進む。一方、シャーベット氷の供給量がシャーベット氷の購入量未満である場合(ステップS6:NO)、ステップS6の処理が再度行われる。
【0044】
ステップS7では、制御装置10は、供給弁7に閉指令の信号を送信すると共に、供給ポンプ5に停止指令の信号を送信する。これにより、供給弁7が閉じられ、供給ポンプ5が停止して、外部へのシャーベット氷の供給が終了する。また、ステップS7において、制御装置10は、シャーベット氷の供給に関する正常終了の信号及びシャーベット氷の供給量を購入課金装置11に送信する。
【0045】
ステップS8では、購入課金装置11は、シャーベット氷の供給量及び購入情報を購入課金装置11の内部の記録部に記録する。購入情報は、購入者の氏名、名称や購入日時等の情報を含む。また、ステップS8において、購入課金装置11は、シャーベット氷の供給が終了したことを示すメッセージを表示部に表示してもよい。
【0046】
シャーベット氷の供給が終了すると、購入課金装置11は、購入者のシャーベット氷の購入量又は供給量に応じて、購入者に課金を行う。また、ステップS3において、シャーベット氷の供給が開始される前に、購入課金装置11は、購入者のシャーベット氷の購入量に応じて、購入者に課金を行ってもよい。この場合、購入課金装置11は、シャーベット氷の購入量に対する課金完了の信号を制御装置10に伝送してもよい。制御装置10は、シャーベット氷の購入量に対する課金完了の信号を受信した場合、シャーベット氷の供給を開始してもよい。
【0047】
実施形態に係る供給システム1は、シャーベット氷の供給が開始された後、測定温度Tが所定温度Tより低い温度である場合、シャーベット氷の供給量の計測を開始する。測定温度Tが所定温度Tより低い温度である場合、供給配管4内の融けた水がシャーベット氷で置換されている。そのため、測定温度Tが所定温度Tより低い温度である時点で、シャーベット氷の供給量の計測を開始することにより、シャーベット氷の供給量に供給配管4内の融けた水の量が含まれることが回避される。このように、実施形態に係る供給システム1によれば、シャーベット氷の供給量の計測の精度を向上することができる。その結果、シャーベット氷を供給して販売する際、シャーベット氷の供給量を正確に計測して、購入者の要求量と等しい量のシャーベット氷を供給することができる。
【0048】
金属配管6及び表面温度計9を覆うように断熱材を設けてもよい。断熱材が、金属配管6及び表面温度計9を覆うことにより、金属配管6及び表面温度計9が外気温の影響を受けないようにすることができる。したがって、表面温度計9が、金属配管6の温度をより正確に測定することができる。しかし、断熱材が、金属配管6及び表面温度計9を覆うことにより、シャーベット氷の供給が開始された時点において、供給配管4内のシャーベット氷が融けているが、金属配管6内のシャーベット氷が融けていない場合がある。この場
合、金属配管6内の融けていないシャーベット氷の影響により測定温度Tが所定温度Tより低くなった後、供給配管4内の融けた水の影響により測定温度Tが所定温度Tより高くなる。したがって、金属配管6内の融けていないシャーベット氷の影響により測定温度Tが所定温度Tより低くなった時点でシャーベット氷の供給量の計測を開始すると、シャーベット氷の供給量が正確に計測できない。実施形態に係る供給システム1では、下記の計測開始条件1、2に基づいて、制御装置10は、シャーベット氷の供給量の計測を開始する。
【0049】
<計測開始条件1>
外部へのシャーベット氷の供給が開始されてから所定時間経過後、測定温度Tが所定温度Tより低い温度である場合、制御装置10は、外部に供給されるシャーベット氷の供給量の計測を開始する。
【0050】
シャーベット氷の供給が開始されてから所定時間経過することにより、シャーベット氷の供給が開始される前から残存していた金属配管6内のシャーベット氷は供給口8から外部に供給される(換言すると、金属配管6内に残存していたシャーベット氷が全て金属配管6から流出しうる程度(例えば1〜5秒程度)に所定時間を設定する)。シャーベット氷の供給が開始されてから所定時間経過後に、測定温度Tが所定温度Tより低い温度である時点で、供給配管4内の融けた水がシャーベット氷で置換されたと判定して、その時点からシャーベット氷の供給量の計測を開始する。このように、シャーベット氷の供給が開始される前から残存していた金属配管6内のシャーベット氷の影響を受けずに、シャーベット氷の供給量の計測を開始することができる。
【0051】
計測開始条件1の場合、ステップS4において、制御装置10は、シャーベット氷の供給が開始されてから所定時間経過後に、表面温度計9から測定温度Tを取得し、測定温度Tが所定温度Tsより低い温度であるか否かを判定してもよい。また、ステップS4において、制御装置10は、測定温度Tをモニターし、シャーベット氷の供給が開始されてから所定時間経過後に測定温度Tが所定温度Tsよりも低い温度であるか否かを判定してもよい。所定時間は、供給システム1を試運転した際の調整によって決定してもよいし、金属配管6の長さ、供給ポンプ5の駆動量、シャーベット氷の流量などに基づいて決定してもよい。
【0052】
<計測開始条件2>
シャーベット氷の供給が開始された後、測定温度Tが所定温度Tより低い温度であり、その後に測定温度Tが所定温度T以上であり、その後に測定温度Tが所定温度Tより低い温度である場合、制御装置10は、シャーベット氷の供給量の計測を開始する。
【0053】
シャーベット氷の供給が開始される前から金属配管6内に融けていないシャーベット氷が残存していた場合、シャーベット氷の供給が開始された時点の測定温度Tは所定温度Tより低い温度である。シャーベット氷の供給が開始されることにより、シャーベット氷の供給が開始される前から残存していた金属配管6内のシャーベット氷は供給口8から外部に供給され、供給配管4内の融けた水が金属配管6内を流れる。このため、測定温度Tが所定温度Tより低い温度から所定温度T以上に上昇する。その後に測定温度Tが所定温度Tより低くなった時点で、供給配管4内の融けた水がシャーベット氷で置換されたと判定して、その時点からシャーベット氷の供給量の計測を開始する。このように、シャーベット氷の供給が開始される前から残存していた金属配管6内のシャーベット氷の影響を受けずに、シャーベット氷の供給量の計測を開始することができる。
【0054】
計測開始条件2の場合、ステップS4において、制御装置10は、表面温度計9から測定温度Tを所定間隔で取得し、測定温度Tが所定温度Tより低い温度であり、その後に
測定温度Tが所定温度T以上であり、その後に測定温度Tが所定温度Tより低い温度であるか否かを判定してもよい。また、ステップS4において、制御装置10は、測定温度Tをモニターし、測定温度Tが所定温度Tより低い温度であり、その後に測定温度Tが所定温度T以上であり、その後に測定温度Tが所定温度Tより低い温度であるか否かを判定してもよい。
【0055】
実施形態に係る供給システム1については、供給方法として特定することもできる。また、実施形態に係る供給システム1では、シャーベット氷を供給する場合について説明したが、実施形態に係る供給システム1は、シャーベット氷に限らず、他の流体を供給する場合に適用することが可能である。例えば、実施形態に係る供給システム1は、固体の濃度によって流体の温度が変化する固液二相流体を供給する場合に適用することが可能である。
【0056】
実施形態に係る供給システム1において、供給配管4は金属製であってもよい。すなわち、供給配管4を金属配管としてもよい。この場合、供給配管4及び金属配管6を同一種類の金属材料で形成することにより、供給配管4と金属配管6とを一体としてもよい。また、供給配管4と金属配管6とを異なる種類の金属材料で形成してもよい。例えば、金属配管6の熱伝導率が、供給配管4の熱伝導率よりも高くなるように、供給配管4及び金属配管6の金属材料を選定してもよい。
【0057】
実施形態に係る供給システム1において、供給配管4に供給ポンプ5を設けないようにしてもよい。例えば、貯留タンク2を、供給口8よりも高い場所に設置することにより、供給弁7が開かれることで、貯留タンク2内に貯留されているシャーベット氷が供給配管4内及び金属配管6内を流れ、シャーベット氷が供給口8から外部に供給される。供給ポンプ5は、供給手段の一例である。
【符号の説明】
【0058】
1 供給システム
2 貯留タンク
3 差圧計
4 供給配管
5 供給ポンプ
6 金属配管
7 供給弁
8 供給口
9 表面温度計
10 制御装置
11 購入課金装置
図1
図2