特許第6809982号(P6809982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6809982薬物移送アセンブリおよびアダプタキャップ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6809982
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】薬物移送アセンブリおよびアダプタキャップ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/14 20060101AFI20201221BHJP
   A61M 39/20 20060101ALI20201221BHJP
   A61M 39/26 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   A61M5/14 582
   A61M39/20
   A61M39/26
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-108207(P2017-108207)
(22)【出願日】2017年5月31日
(62)【分割の表示】特願2015-532011(P2015-532011)の分割
【原出願日】2013年9月11日
(65)【公開番号】特開2017-144300(P2017-144300A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2017年6月13日
【審判番号】不服2019-9400(P2019-9400/J1)
【審判請求日】2019年7月12日
(31)【優先権主張番号】61/699,457
(32)【優先日】2012年9月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514221366
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン アンド カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミラン イボセヴィク
【合議体】
【審判長】 林 茂樹
【審判官】 倉橋 紀夫
【審判官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0112333号明細書(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0130329号明細書(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0105665号明細書(US,A1)
【文献】 特開2010−22511号公報(JP,A)
【文献】 米国特許第5908048号明細書(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/00 - 39/28
A61M 5/14 - 5/175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血流に接続するのに適合した静脈注射ラインと、
該静脈注射ラインの部分に接続可能で、コネクタ材料硬度を有するとともに、第1のコネクタ直径をもつ第1のコネクタ円筒形状部分と、第2のコネクタ直径をもつ第2のコネクタ円筒形状部分と、を有し、前記第1のコネクタ直径が前記第2のコネクタ直径より大である、コネクタであって、第2のコネクタ円筒形状部分が、前記第2のコネクタ直径より小さい直径を有する前記静脈注射ラインの部分に接続可能である、コネクタと、
該コネクタに取り外し可能に接続可能な、薬剤を収容した注入器と、
前記コネクタに取り外し可能に接続可能なアダプタキャップであって、前記コネクタ材料硬度より小さいアダプタキャップ材料硬度を有するとともに、円錐台状のテーパ部分、第1の直径をもつ第1の円筒形状部分、および第2の直径をもつ第2の円筒形状部分を有し、前記第1の直径が前記第2の直径より大である、アダプタキャップと、
を備え、
前記注入器を前記コネクタに接続すると、前記コネクタは前記注入器および前記静脈注射ラインに対して閉鎖接続を提供し、前記注入器が前記コネクタを介して前記静脈注射ラインと流体連通することによって、前記患者の血流に前記薬剤を注入することが可能となるとともに、
前記アダプタキャップが前記コネクタに接続されることで、前記コネクタと患者との接触を防止するために前記アダプタキャップが前記コネクタを保護するように包囲および遮蔽し、前記第1のコネクタ円筒形状部分が前記第1の円筒形状部分に受容され、前記第2のコネクタ円筒形状部分が前記第2の円筒形状部分に受容される、
薬物移送アセンブリ。
【請求項2】
前記コネクタは硬質の材料を含み、前記アダプタキャップは柔軟な材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項3】
前記静脈注射ラインは可撓性チューブを含むことを特徴とする請求項1に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項4】
前記注入器はシリンジアセンブリを含むことを特徴とする請求項1に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項5】
前記静脈注射ラインの第2部分に接続される第2コネクタをさらに含み、該第2コネクタは第2の薬剤を収容する静脈注射バッグを受容するのに適合していることを特徴とする請求項1に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項6】
前記アダプタキャップは熱可塑性エラストマを含むことを特徴とする請求項1に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項7】
前記アダプタキャップは熱硬化性エラストマを含むことを特徴とする請求項1に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項8】
前記アダプタキャップはショアA5からショアA50の範囲の硬度を有することを特徴とする請求項1に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項9】
前記アダプタキャップはショアA20からショアA40の範囲の硬度を有することを特徴とする請求項1に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項10】
患者の血流に接続するのに適合した静脈注射ラインと、
該静脈注射ラインの部分に接続可能で、コネクタ材料硬度を有するとともに、第1のコネクタ直径をもつ第1のコネクタ円筒形状部分と、第2のコネクタ直径をもつ第2のコネクタ円筒形状部分と、を有し、前記第1のコネクタ直径が前記第2のコネクタ直径より大である、コネクタであって、第2のコネクタ円筒形状部分が、前記第2のコネクタ直径より小さい直径を有する前記静脈注射ラインの部分に接続可能である、コネクタと、
該コネクタに取り外し可能に接続可能なアダプタキャップであって、前記コネクタ材料硬度より小さいアダプタキャップ材料硬度を有するとともに、円錐台状のテーパ部分、第1の直径をもつ第1の円筒形状部分、および第2の直径をもつ第2の円筒形状部分を有し、前記第1の直径が前記第2の直径より大である、アダプタキャップと、
を備え、
前記第1のコネクタ円筒形状部分が前記第1の円筒形状部分に受容され、前記第2のコネクタ円筒形状部分が前記第2の円筒形状部分に受容される、薬物移送アセンブリ。
【請求項11】
前記コネクタに取り外し可能に接続可能な、薬剤を収容した注入器をさらに備えたことを特徴とする請求項10に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項12】
前記注入器を前記コネクタに接続すると、前記コネクタは前記注入器および前記静脈注射ラインに対して閉鎖接続を提供し、前記注入器が前記コネクタを介して前記静脈注射ラインと流体連通することによって、前記患者の血流に前記薬剤を注入することが可能となるとともに、前記アダプタキャップが前記コネクタと患者との接触を防止するために前記コネクタを保護するように包囲および遮蔽する、ことを特徴とする請求項11に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項13】
前記注入器はシリンジアセンブリを含むことを特徴とする請求項12に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項14】
前記コネクタは硬質の材料を含み、前記アダプタキャップは柔軟な材料を含むことを特徴とする請求項10に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項15】
前記静脈注射ラインは可撓性チューブを含むことを特徴とする請求項10に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項16】
前記アダプタキャップが、汚染から保護するために前記コネクタを遮蔽することを特徴とする請求項1に記載の薬物移送アセンブリ。
【請求項17】
前記アダプタキャップは、前記コネクタと患者との接触を防止するために前記コネクタを保護するように包囲および遮蔽するとともに、汚染から保護するために前記コネクタを遮蔽することを特徴とする請求項10に記載の薬物移送アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して薬物移送アセンブリに関するものである。特に、本開示は、薬物移送処置の全体を通じて漏洩防止シールを提供するコネクタを保護するように包囲および遮蔽するアダプタキャップに関連する。
【0002】
パーソナル経静脈療法(personal intravenous therapy)の適用によって、患者は家庭で注入および薬剤治療を受けることができる。例えば、家庭療法には、静脈および皮下または皮下組織の経路を用いるIVによって薬剤を投与すること、すなわち血流中および皮膚の下に投与を行うことが含まれ得る。パーソナル経静脈療法の適用が患者に提供し得る薬剤治療には、抗生物質類、疼痛処理薬剤類、ガン治療薬および同様の薬剤類が含まれる。パーソナル経静脈療法の適用によって、より費用効果のある医療が可能となり、入院期間(duration of an in-patient hospital stay)を短縮することが可能となる。加えて、患者を家庭および家族の元に戻すことは、より早い回復を促進し、患者の生活の質を改善することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる適用において、薬物送達デバイスは、薬物がユーザに必要とされるまでの間、薬物を貯蔵する。例えば、シリンジはユーザが必要とする薬剤を収容し得る。患者は、静脈チューブと、所要の薬剤を収容している注入器および/またはシリンジを受容するのに適合したコネクタとを含み得るパーソナル経静脈システムを準備する。この方法において、治療が必要となると、ユーザは、シリンジアセンブリをコネクタに接続した後に、注入器および/またはシリンジアセンブリ、コネクタおよび静脈チューブを介して薬剤の静注を行うことができる。しかしながら、患者により実行されるパーソナル経静脈システムのコネクタは、その硬い材質および/または尖鋭端に起因して、患者の皮膚に炎症(irritation)を引き起こすことがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、患者の血流に接続するのに適合した静脈注射ライン(intravenous line)の部分に接続されるコネクタと、そのコネクタに取り外し可能に接続可能なアダプタキャップと、を含む薬物移送アセンブリを提示する。コネクタは硬質の(rigid)材料で形成され、アダプタキャップは柔軟な(pliable)材料で形成される。コネクタにアダプタキャップを接続することによって、アダプタキャップはコネクタを保護するように包囲し、遮蔽する。アダプタキャップは、患者の皮膚に対するコネクタの擦れを防止する緩衝面を提供する。これによって、アダプタキャップは、薬物移送アセンブリのコネクタが患者の皮膚に炎症および/または感染症を引き起こすのを防止することができる。さらに、アダプタキャップは、好ましくない物質によって薬物移送アセンブリのコネクタが汚染されることを防止する保護シールドを提供する。
【0005】
本発明の実施形態では、薬物移送アセンブリは、患者の血流に接続するのに適合した静脈注射ラインと、その静脈注射ラインの部分に接続され、あるコネクタ材料硬度を有しているコネクタと、を含む。薬物移送アセンブリは、コネクタに取り外し可能に接続可能な、薬剤を収容した注入器と、コネクタに取り外し可能に接続可能なアダプタキャップと、を含み、アダプタキャップは、あるアダプタキャップ材料硬度を有し、それはコネクタ材料硬度より小である。注入器をコネクタに接続すると、コネクタは注入器および静脈注射ラインに対して閉鎖接続を提供し、注入器がコネクタを介して静脈注射ラインと流体連通することによって、患者の血流に薬剤を注入することが可能となるとともに、アダプタキャップがコネクタに接続されることで、アダプタキャップがコネクタを保護するように包囲する。
【0006】
一構成において、コネクタは硬質の材料を含み、アダプタキャップは柔軟な材料を含む。一構成において、静脈注射ラインは可撓性チューブを含む。他の構成において、注入器はシリンジアセンブリを含む。一構成において、薬物移送システムは静脈注射ラインの第2部分に接続される第2コネクタをさらに含み、この第2コネクタは第2の薬剤を収容する静脈注射バッグを受容するのに適したものである。他の構成において、アダプタキャップは熱可塑性エラストマを含む。また別の構成では、アダプタキャップは熱硬化性エラストマを含む。一構成において、アダプタキャップはショアA5からショアA50の範囲の硬度を有したものとすることができる。他の構成において、アダプタキャップはショアA20からショアA40の範囲の硬度を有したものとすることができる。
【0007】
本発明の他の実施形態では、薬物移送アセンブリは、患者の血流に接続するのに適合した静脈注射ラインと、その静脈注射ラインの部分に接続され、あるコネクタ材料硬度を有しているコネクタと、を含む。薬物移送アセンブリは、コネクタに取り外し可能に接続可能なアダプタキャップを含み、アダプタキャップは、あるアダプタキャップ材料硬度を有し、それはコネクタ材料硬度より小である。
【0008】
一構成では、薬物移送アセンブリは、コネクタに取り外し可能に接続可能な、薬剤を収容した注入器を含む。他の構成では、注入器をコネクタに接続すると、コネクタは注入器および静脈注射ラインに対して閉鎖接続を提供し、注入器がコネクタを介して静脈注射ラインと流体連通することによって、患者の血流に薬剤を注入することが可能となるとともに、アダプタキャップがコネクタに接続されることで、アダプタキャップがコネクタの少なくとも一部分を保護するように包囲する。さらなる構成では、コネクタは硬質の材料を含み、アダプタキャップは柔軟な材料を含む。一構成において、静脈注射ラインは可撓性チューブを含む。
【0009】
アダプタキャップがコネクタに接続されることで、アダプタキャップがコネクタの少なくとも一部分を保護するように包囲する。他の構成では、コネクタは硬質の材料を含み、アダプタキャップは柔軟な材料を含む。さらなる構成において、アダプタキャップはショアA5からショアA50の範囲の硬度を有したものとすることができる。一構成において、アダプタキャップはショアA20からショアA40の範囲の硬度を有したものとすることができる。
【0010】
添付の図面とともに本開示の実施形態に係る以下の説明を参照することによって、本開示の上述および他の特徴および利点、並びにそれらを実現する態様がより明らかとなり、本開示自体もよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る薬物移送アセンブリを組み立てた状態で示す斜視図である。
図2A】本発明の一実施形態に係る薬物移送アセンブリのコネクタおよびアダプタキャップの分解斜視図である。
図2B図2Aに対し、本発明の一実施形態に係るコネクタにアダプタキャップを接続し、組み立てた状態で示す斜視図である。
図3図1の薬物移送アセンブリの斜視図であり、本発明の一実施形態に従って患者に薬物移送アセンブリを提供した状態を示している。
図4図3の薬物移送アセンブリの分解斜視図であり、薬物移送アセンブリのコネクタに接続されているアダプタキャップを、本発明の一実施形態に従って取り外した状態を示している。
図5図3の薬物移送アセンブリの斜視図であり、本発明の一実施形態に従って薬物移送アセンブリのコネクタに注入器を接続した状態を示している。
図6A】本発明の一実施形態に係る薬物移送アセンブリのアダプタキャップの斜視図である。
図6B】本発明の一実施形態に係る図6Aに示した薬物移送アセンブリのアダプタキャップの平面図である。
図6C】本発明の一実施形態に係る図6Aに示した薬物移送アセンブリのアダプタキャップの正面図である。
図6D】本発明の一実施形態に係る図6Aに示した薬物移送アセンブリのアダプタキャップの側面図である。
図6E】本発明の一実施形態に係る図6Aに示した薬物移送アセンブリのアダプタキャップの底面図である。
図6F】本発明の一実施形態に係る図6Bに示した薬物移送アセンブリのアダプタキャップの線6F−6Fに沿った断面図である。
図7A】本発明の一実施形態に係る薬物移送アセンブリのアダプタキャップの斜視図である。
図7B】本発明の一実施形態に係る図7Aに示した薬物移送アセンブリのアダプタキャップの底面図である。
図7C】本発明の一実施形態に係る図6Aに示した薬物移送アセンブリのアダプタキャップの側面図である。
図7D】本発明の一実施形態に係る図7Aに示した薬物移送アセンブリのアダプタキャップの平面図である。
図7E】本発明の一実施形態に係る図7Bに示した薬物移送アセンブリのアダプタキャップの線7E−7Eに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
いくつかの図面を通じて、対応する参照符号は対応する部分を示している。ここで説明される例示物は本開示の例示的実施形態であり、かかる例示物は、いかなる態様においても、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0013】
以下の説明は、当業者が、本発明を実施するために考慮されるべく記載された実施形態を作製および使用できるようにするために提供される。しかし当業者であれば、種々の修正、等価物、変更および代替が可能であることは容易に理解される。かかる修正、等価物、変更および代替のいずれもが、およびすべてが、本発明の精神および範囲に含まれることを企図している。
【0014】
以下、説明の目的で、「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「横」、「長手」という用語およびそれらの派生語が、図面における向きとして本発明に関連付けられる。しかしながら、本発明は、反対に明確に特定される場合を除いては、種々の代替的変更を想定している。添付の図面に例示され、以下の記載で説明される特定のデバイスが単なる例示的な実施形態であることも理解されるべきである。よって、ここに開示される実施形態に関連した特定の寸法およびその他の物理的特性も、限定のためのものとして考察されるべきではない。
【0015】
図1図5を参照するに、薬物移送アセンブリ10は、患者Pの血流に接続するのに適合した静脈注射ライン12を含む。薬物移送アセンブリ10はさらに、静脈注射ライン12の患者側部分13と、静脈注射ライン12の第1部分16に接続される第1コネクタ14と、静脈注射ライン12の第2部分20に接続される第2コネクタ18と、静脈注射ライン12の患者側部分13を静脈注射ライン12の第1部分16と第2部分20とに流体連通させた状態で接続する静脈注射ラインコネクタ22と、静脈注射ライン12の患者側端部26に配置された患者側コネクタ24と、第1コネクタ14に取り外し可能に接続可能なアダプタキャップ30と、を含む。
【0016】
図1図5を参照するに、一実施形態において、静脈注射ライン12は可撓性のプラスチックチューブの領域を備えることができる。プラスチックチューブの領域は、静脈注射ラインコネクタ22によって、流体連通した状態で接続することができる。一実施形態において、静脈注射ラインコネクタ22は、図1に示すように、Y形状を有することができる。他の実施形態では、静脈注射ラインコネクタ22は、図3図5に示すように、T形状を有していてもよい。さらに、静脈注射ラインコネクタ22を、プラスチックチューブの領域を収納するのに利用される種々の形状および寸法に作製し、第1コネクタ16および第2コネクタ18が互いにある距離を置いて配置されるようにすることも想定される。
【0017】
一実施形態において、第1コネクタ14は、ニュージャージー州Franklin LakesのBecton, Dickinson and Company(本発明の譲受人)から入手可能なBecton Dickinson (”BD”) PhaSealTM Systemと互換性のあるPhaSeal connectorを備える。他の実施形態では、第1コネクタ14は、他の閉塞系薬物移送デバイスと互換性のあるコネクタを備える。
【0018】
一実施形態において、第2コネクタ18は、第2の薬剤を収容する静脈注射バッグを受容するのに適した静脈注射バッグコネクタを備える。一実施形態において、第2コネクタ18は、ニュージャージー州Franklin LakesのBecton, Dickinson and Companyから入手可能なBecton Dickinson (”BD”) PhaSealTM Systemと互換性のあるPhaSeal connectorを備える。他の実施形態では、第2コネクタ18は、他の閉塞系薬物移送デバイスと互換性のあるコネクタを備える。
【0019】
本開示の薬物移送アセンブリ10はパーソナル経静脈療法の適用に関して用いることができ、これによって患者は家庭で注入および薬剤治療を受けることができる。しかし薬物移送アセンブリ10は他の状況で用いることも可能である。家庭療法には、静脈および皮下または皮下組織の経路を用いるIVによって薬剤を投与すること、すなわち血流中および皮膚の下に投与を行うことが含まれ得る。パーソナル経静脈療法の適用が患者に提供し得る治療薬の例としては、抗生物質類、疼痛処理薬剤類、ガン治療薬および同様の薬剤類が含まれる。
【0020】
薬剤は「予充填(pre-filled)」デバイスとしてパッケージ化されていてもよい。ここで、シリンジアセンブリはパッケージ化および患者への供給に先立って薬剤が予充填される。「予充填」デバイスは、注入に先立ちユーザがデバイスに充填を行う必要性を排除する。
【0021】
特定の薬物または薬剤は、粉末または乾燥物の形態(凍結乾燥物の形態など)で提供されることが好ましいので、投与に先立ち再構成する必要がある。凍結乾燥薬剤は、例えば、一般的に凍結乾燥した形態で供給されるので、希釈剤と混合し、注入に適した形態に物質を再構成しなければならない。加えて、薬剤は、投与に先立ち混合を要するマルチパート系(multipart systems)として提供され得る。例えば、流動性のあるスラリなどの1以上の液体成分と、粉末状または粒状成分などの1以上の乾燥物成分とが別体の容器で提供されると、投与に先立って混合しなければならない。
【0022】
図5を参照するに、薬剤供給アセンブリ10は、第1コネクタ14に取り外し可能に接続可能な注入器40と、薬剤すなわち流体44を収容したシリンジアセンブリ42と、を含む。薬剤44は「予充填」デバイスとしてのシリンジアセンブリ42にパッケージ化されたものとすることもできるし、薬剤44は上述のように再構成された薬剤であってもよい。薬剤44がシリンジアセンブリ42に収容されると、患者Pなどの患者の血流に投与する準備が整う(図3図5)。患者が薬剤投与を受ける準備が整うと、後に詳述するように、患者は第1コネクタ14からアダプタキャップ30(図4)を取り外す。
【0023】
図5を参照するに、次に患者Pは、薬物移送アセンブリ10の静脈注射ライン12の第1部分16に接続されているに第1コネクタ14に注入器40を接続することができる。そしてシリンジアセンブリ42を注入器40に接続することができる。一実施形態では、注入器40およびシリンジアセンブリ42を、第1コネクタ14に接続される単一のコンポーネントとすることもできる。注入器40を第1コネクタ14に接続することで、第1コネクタ14は、しっかりとした閉鎖接続を注入器40およびシリンジアセンブリ42に提供し、これによって薬物移送処置を通じて漏洩防止シールが提供される。さらに、第1コネクタ14は、図5に示すように、注入器40およびシリンジアセンブリ42を静脈注射ライン12に流体連通した状態で接続する。このようにして、患者Pはその血流中に薬剤44を注入することができる。かかる実施形態において、薬剤44は、シリンジアセンブリ42から注入器40を通って第1コネクタ14へと、そして静脈注射ライン12の第1部分16から静脈注射ラインコネクタ22を通って患者側部分13へと、さらに静脈注射ライン12の患者側端部26にある患者側コネクタ24を通って患者Pの血流へと、しっかりとした、漏洩のない閉鎖接続状態にて、すなわち、薬物移送アセンブリ10への外部の汚染物質の進入がなく、且つ、上記流路を通る移動の間に薬剤の漏洩も生じ得ない態様にて、注入されることができる。
【0024】
ある用量の薬剤が投与されると、注入器40およびシリンジアセンブリ42は第1コネクタ14から取り外される。この構成においては、図3に示すように、第1コネクタ14は静脈注射ライン12第1部分16に接続されている。薬物移送アセンブリを用いる患者は、第1コネクタ14とともに薬物移送アセンブリ10を身体に担持させていなければならないことがある。これは、第1コネクタ材料硬度を有する硬質材料で形成された第1コネクタ14が患者の皮膚の領域に接触し、患者に炎症および/または感染症をもたらし得る。一つの例示的実施形態では、第1コネクタ14は、アダプタキャップ材料の硬度よりも大きい第1コネクタ材料硬度を有する材料で作製される。例えば、第1コネクタ14は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂類、ナイロン類または同様の材料などの、熱硬化性ポリマー類または熱可塑性ポリマー類で作製することができる。さらに、第1コネクタ14は尖鋭なエッジを含み得るが、これが患者の皮膚の領域に接触することによっても患者に炎症および/または感染症をもたらし得る。加えて、第1コネクタ14が環境に曝露されていると、第1コネクタ14が好ましくない物質によって汚染されるようにもなり得る。
【0025】
薬物移送アセンブリの上述の不都合を排除するために、図3に示すように、患者がある用量の薬剤の投与を終えたとき、本開示のアダプタキャップ30が第1コネクタ14に接続される。このようにすると、アダプタキャップ30が第1コネクタ14を保護するように包囲および遮蔽し、第1コネクタ14と患者の皮膚との接触が防止されるとともに、薬物移送アセンブリ10の第1コネクタ14の汚染が防止される。
【0026】
図6A図6Fは、本開示の例示的実施形態に係るアダプタキャップ30Aを示す。アダプタキャップ30Aは、概して、アダプタキャップ30Aの外側輪郭および内側輪郭にそれぞれ対応したアダプタ外壁52およびアダプタ内壁54を画成するアダプタ本体50を含んでいる。図6Fを参照するに、内壁54は空洞56を画成しており、この空洞56は、後述するように締り嵌め接続を介して第1コネクタ14を受容する寸法および形状とされている。アダプタ本体50は、概して、円錐台状のテーパ部分58と、第1の円筒状部分60と、第2の円筒状部分62と、円弧状ないしは曲線状エッジ64と、を含んでいる。このようにすると、アダプタキャップ30Aはいかなる尖鋭エッジも持たないものとなる。
【0027】
例示的実施形態のアダプタ本体50は、例えば軟質ゴムや柔軟なプラスチックなどの柔軟な材料で好ましく作製される。一つの例示的実施形態では、アダプタ本体50は、スチレンブロック共重合体類、ポリオレフィンブレンドないしアロイ(polyolefm blends & alloys)、熱可塑性ポリウレタン類、熱可塑性コポリエステル類、熱可塑性ポリアミド類または類似の材料などの、熱可塑性エラストマで作製される。他の実施形態では、アダプタ本体50は、シリコーン、ポリイソプレン、ネオプレンまたは類似の材料などの、熱硬化性エラストマ(ゴム類)で作製される。アダプタ本体50は、TPEエラストマ類または液状ゴムを用いて射出成形されたもの、またはシリコーン類を用いて射出または鋳造されたものとすることができる。アダプタキャップ30Aを形成する柔軟な材料の硬度、すなわちアダプタキャップ材料硬度は、例えばアダプタ外壁52に緩衝面を提供して、患者が薬物移送アセンブリを担持している間に患者の皮膚に炎症が生じないようにするのに十分なものとされる。さらに、アダプタキャップ材料硬度は、第1コネクタ14を形成している材料の第1コネクタ材料硬度よりも小とされる。
【0028】
一実施形態において、アダプタキャップ30Aを形成している材料のアダプタキャップ材料硬度は、ゴム類および比較的軟質(softer)のプラスチック類に対するタイプAレンジのショアデュロメータ・スケールの硬度値を有し得る。一つの例示的実施形態において、アダプタキャップ30AはショアA5からショアA50の範囲の硬度を有したものとすることができる。他の例示的実施形態においては、アダプタキャップ30AはショアA20からショアA40の範囲の硬度を有したものとすることができる。
【0029】
一実施形態において、第1コネクタ14を形成している材料の第1コネクタ材料硬度は、比較的硬質のプラスチック類に対するタイプDレンジのショアデュロメータ・スケールの硬度値を有し得る。一つの例示的実施形態において、第1コネクタ14はショアD40からショアD100の範囲の硬度を有したものとすることができる。他の例示的実施形態においては、第1コネクタ14はショアD50からショアD80の範囲の硬度を有したものとすることができる。
【0030】
一実施形態において、アダプタキャップ30Aは、本発明の譲受人である、ニュージャージー州Franklin LakesのBecton, Dickinson and Companyから入手可能なBecton Dickinson (”BD”) PhaSealTM Systemと互換性がある。他の実施形態では、アダプタキャップ30Aは、他の閉鎖系薬物移送デバイスと互換性がある。
【0031】
図2Aおよび図2Bを参照するに、例示的実施形態において、アダプタキャップ30および第1コネクタ14は、それらの間のしっかりとした嵌合を提供するために、締り嵌め接続により互いに固着される。これにより、アダプタキャップ30が第1コネクタ14を保護するように包囲および遮蔽し、第1コネクタ14と患者の皮膚との接触が防止されるとともに、薬物移送アセンブリ10の第1コネクタ14の汚染が防止される。図2Aおよび図2Bに示されたようなアダプタキャップ30は、図7A図7Eに示されたようなアダプタキャップ30Bと類似しているが、アダプタキャップ30Aは同様の方法で第1コネクタ14に固着することができる。
【0032】
図2A図2B図6A図6Fおよび図7A図7Eを参照するに、アダプタキャップ30Aのアダプタ本体50およびアダプタキャップ30Bのアダプタ本体70はそれぞれ、第1コネクタ14の外側輪郭15と対応するように寸法および形状が定められる。アダプタキャップ30A,30Bおよび第1コネクタ14間の締り嵌めは、2つの結合部分、すなわち、アダプタキャップ30Aのアダプタ本体50の内側輪郭(またはアダプタキャップ30Bのアダプタ本体70の内側輪郭)および第1コネクタ14の外側輪郭15の寸法付けおよび形状規定を行い、アダプタキャップ30Aのアダプタ本体50の内側輪郭が第1コネクタ14の外側輪郭15から僅かに寸法的にずれるようにすることで実現される。これにより締り嵌めが確実なものとなり、アダプタキャップ30Aのアダプタ本体50(またはアダプタキャップ30Bのアダプタ本体70)と第1コネクタ14とは、選択したアダプタキャップ30に第1コネクタ14を挿入した後、摩擦力によって互いに固着される。
【0033】
図7A図7Eは、本開示の他の例示的実施形態に係るアダプタキャップ30Bを示している。アダプタキャップ30Bは、概して、アダプタキャップ30Bの外側輪郭および内側輪郭にそれぞれ対応したアダプタ外壁72およびアダプタ内壁74を画成するアダプタ本体70を含んでいる。図7Eを参照するに、内壁74は空洞76を画成しており、この空洞76は、上述したような締り嵌め接続を介して第1コネクタ14を受容する寸法および形状とされている。アダプタ本体70は、概して、弧状部分78と、第1の円筒状部分80と、第2の円筒状部分82と、弧状ないしは曲線状エッジ84と、を含んでいる。このようにすると、アダプタキャップ30Bはいかなる尖鋭エッジも持たないものとなる。
【0034】
例示的実施形態のアダプタ本体70は、例えば軟質ゴムや柔軟なプラスチックなどの柔軟な材料で好ましく作製される。一つの例示的実施形態では、アダプタ本体50は、スチレンブロック共重合体類、ポリオレフィンブレンドないしアロイ、熱可塑性ポリウレタン類、熱可塑性コポリエステル類、熱可塑性ポリアミド類または類似の材料などの、熱可塑性エラストマで作製される。他の実施形態では、アダプタ本体70は、シリコーン、ポリイソプレン、ネオプレンまたは類似の材料などの、熱硬化性エラストマ(ゴム類)で作製される。アダプタ本体70は、TPEエラストマ類または液状ゴムを用いて射出成形されたもの、またはシリコーン類を用いて射出または鋳造されたものとすることができる。アダプタキャップ30Bを形成する柔軟な材料の硬度、すなわちアダプタキャップ材料硬度は、例えばアダプタ外壁72に緩衝面を提供して、患者が薬物移送アセンブリを担持している間に患者の皮膚に炎症が生じないようにするのに十分なものとされる。さらに、アダプタキャップ材料硬度は、第1コネクタ14を形成している材料の第1コネクタ材料硬度よりも小とされる。
【0035】
一実施形態において、アダプタキャップ30Bを形成している材料のアダプタキャップ材料硬度は、ゴム類および比較的軟質のプラスチック類に対するタイプAレンジのショアデュロメータ・スケールの硬度値を有し得る。一つの例示的実施形態において、アダプタキャップ30BはショアA5からショアA50の範囲の硬度を有したものとすることができる。他の例示的実施形態においては、アダプタキャップ30BはショアA20からショアA40の範囲の硬度を有したものとすることができる。
【0036】
一実施形態において、第1コネクタ14を形成している材料の第1コネクタ材料硬度は、比較的硬質(harder)のプラスチック類に対するタイプDレンジのショアデュロメータ・スケールの硬度値を有し得る。一つの例示的実施形態において、第1コネクタ14はショアD40からショアD100の範囲の硬度を有したものとすることができる。他の例示的実施形態においては、第1コネクタ14はショアD50からショアD80の範囲の硬度を有したものとすることができる。
【0037】
一実施形態において、アダプタキャップ30Bは、本発明の譲受人である、ニュージャージー州Franklin LakesのBecton, Dickinson and Companyから入手可能なBecton Dickinson (”BD”) PhaSealTM Systemと互換性がある。他の実施形態では、アダプタキャップ30Aは、他の閉鎖系薬物移送デバイスと互換性がある。
【0038】
アダプタキャップ30A,30Bは、薬物移送アセンブリ10の他のコンポーネントとは独立してパッケージ化され得る。他の実施形態では、アダプタキャップ30A,30Bが「パッケージ化」され、薬物移送アセンブリの第1コネクタ14に予め取り付けられたものとなるようにされていてもよい。
【0039】
例示的な設計を有するものとして本開示を説明してきたが、本開示の精神および範囲内において、本開示をさらに修正することができる。従って、本願は、その一般原理を用いている、開示のいかなる変更、使用および適応をもカバーすることを企図している。さらに、本願は、本開示が関連し且つ添付の特許請求の範囲の限定に含まれる、技術分野における公知または慣行の範囲にあるような、本開示からの当該展開もカバーすることを企図している。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E