(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6809989
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】気密端子及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01R 9/16 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
H01R9/16 101
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-120070(P2017-120070)
(22)【出願日】2017年6月20日
(65)【公開番号】特開2019-3910(P2019-3910A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2019年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】300078431
【氏名又は名称】ショット日本株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山本 英文
【審査官】
内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−164978(JP,A)
【文献】
特開2005−135786(JP,A)
【文献】
特開昭61−092847(JP,A)
【文献】
特開2010−221244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/00
H01R 9/15 − 9/28
H01R 43/027− 43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)金属外環と、この金属外環に挿通するパイプリードと、前記金属外環の内径と前記パイプリードの外径との間に装着するガラス・タブレットとを用意する準備工程と、
(2)前記金属外環に前記パイプリードを挿通すると共に、前記金属外環の内径と前記パイプリードの外径との間に前記ガラス・タブレットを装着して端子に仮組みする組立工程と、
(3)仮組した前記端子を炉中に通して前記ガラス・タブレットを軟化させ、前記金属外環の内壁と前記パイプリードの外径とを気密にガラス封着する封着工程と、
(4)前記封着工程により、前記金属外環とガラス封着した前記パイプリードの内径に、回転する低電気抵抗金属の芯材を接触させながら挿入することで前記パイプリードの内径壁面と前記芯材の円周壁面とを固溶拡散接合する回転挿入接合工程と、
からなる気密端子の製造方法。
【請求項2】
前記芯材が前記パイプリードを押し広げながら圧入させることで、前記パイプリードの封着後に前記ガラスにコンプレッションを掛けることを特徴とする請求項1に記載の気密端子の製造方法。
【請求項3】
前記パイプリードの内径と芯材の外径は、少なくとも界面円周の所望部位において360°周回した表面が途切れることなく固溶拡散接合したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気密端子の製造方法。
【請求項4】
前記回転挿入接合工程は、余剰の芯材をリード端から切り離す操作をさらに有したことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の気密端子の製造方法。
【請求項5】
前記低電気抵抗金属は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の気密端子の製造方法。
【請求項6】
前記パイプリードは、少なくともパイプリードの内径に補助拡散層を施したことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1つに記載の気密端子の製造方法。
【請求項7】
前記補助拡散層は、ニッケルめっきからなることを特徴とする請求項6に記載の気密端子の製造方法。
【請求項8】
前記回転挿入接合工程は、作業温度が芯材の溶融温度未満であることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れか1つに記載の気密端子の製造方法。
【請求項9】
金属外環と、前記金属外環に挿通したパイプリードと、前記金属外環の内壁と前記パイプリードの外径とを気密に封着する絶縁ガラスと、前記パイプリードの内径と気密に固溶拡散接合した低電気抵抗金属の芯材とを備えた気密端子。
【請求項10】
前記低電気抵抗金属は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする請求項9に記載の気密端子。
【請求項11】
前記パイプリードは、少なくとも前記パイプリード内径と前記芯材との間に補助拡散層を有することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の気密端子。
【請求項12】
前記補助拡散層は、ニッケルめっきからなることを特徴とする請求項11に記載の気密端子。
【請求項13】
前記パイプリードは、縮径部を有し、この縮径部の内径を前記芯材と固溶拡散接合した請求項9ないし請求項12の何れか1つに記載の気密端子。
【請求項14】
前記芯材は、大径部を有し、この大径部の外径を前記パイプリードと固溶拡散接合した請求項9ないし請求項12の何れか1つに記載の気密端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大電力用途に使用でき、かつ高い気密信頼性を有する気密端子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気密端子は、金属外環または金属外環の挿通孔に絶縁材を介してリードを気密に封着したもので、気密容器内に収容された電気機器や素子に電流を供給したり、電気機器や素子から信号を外部に導出したりする場合に用いられる。特に金属外環とリードを絶縁ガラスで封着するGTMS(Glass−to−Metal−Seal)タイプの気密端子は、整合封止型と圧縮封止型の2種類に大別される。信頼性の高い気密封止を確立するには、外環およびリードの金属材と絶縁ガラスの熱膨張係数を適正に選択することが重要となる。封止用の絶縁ガラスは、金属外環とリードの素材、要求温度プロファイルおよびその熱膨張係数によって決定されている。 整合封止の場合、金属材と絶縁ガラスの熱膨張係数が可能な限り一致するように封止素材を選定する。一方、圧縮封止は、金属外環が絶縁ガラスおよびリードを圧縮するように意図的に異なる熱膨張係数の金属材と絶縁ガラスの材料が選択されている。
【0003】
従来の気密端子は高い気密信頼性ならびに電気絶縁性を確保するため、整合封止型気密端子においては、金属外環およびリード材に広い温度範囲でガラス材と熱膨張係数が一致しているコバール合金(Fe54%、Ni28%、Co18%)を使用して、両者をホウケイ酸ガラスからなる絶縁ガラスで封着し、圧縮封止型気密端子においては、使用温度範囲においてガラスに同心円状の圧縮応力が加わるように、炭素鋼またはステンレス鋼などの鋼製の金属外環と、鉄ニッケル合金(Fe50%、Ni50%)や鉄クロム合金(Fe72%、Cr28%)などの鉄合金のリード材を使用して、両者をソーダバリウムガラスからなる絶縁ガラスで封着していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−260560号公報
【特許文献2】実開平02−039472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、パワー・デバイスや2次電池などの所謂ハイレート電力デバイス用に気密端子の大電力対応が求められるようになっている。リード材に鉄合金などの高抵抗金属を使用した従来の気密端子は、過大な負荷をかけるとリード材の自己発熱により絶縁ガラスが溶融し気密性が確保できなくなり、ついにはリード材が抜け落ちるなどの危険があった。気密端子のリード材を、従来の鉄合金から銅やアルミニウム合金などの低抵抗金属に変更できれば大電力への対応や省電力化など電気エネルギーの効率利用の観点からより好ましいが、封止に利用する絶縁ガラスは概して低熱膨張係数材料のため、銀、銅、アルミニウムや銀合金、銅合金、アルミニウム合金などの低抵抗金属をリード材に用いると整合封止は原理上使用できない。さらに、圧縮封止においても、上記例示の低抵抗金属は熱膨張係数が鋼材などの鉄合金に比べてより大きく、これをリード材に用いると絶縁ガラスに適切な圧縮応力を加えることができず、気密性の確保が難しくなるという課題があった。また、金属外環とリード材をともに銀、銅、アルミニウムやその合金などの高熱膨張係数材料に変更すると絶縁ガラスに加わる圧縮応力が大きくなりすぎ、ガラス割れが生じたりするので使用することが難しくなる。
【0006】
従来、銅芯リードを使った気密端子には、特許文献1に示されるような銅芯の表面を合金鋼で被覆した複合リード材を用いた気密端子がある。しかしながら、特許文献1の気密端子のリード材は、銅のインナコア表面に合金鋼のアウタジャケットを固着被覆してある。このためリードの電気抵抗を小さくするためには、なるべく銅のインナコア径は大径のものであるほど好ましい。しかし、従来の銅芯複合リードは、アウタジャケットにインナコアを挿入した母線材を伸線加工し、順次縮径させることで両界面の気密が確保できるまで圧着して製造する必要があった。しかしながら伸線工程に掛けることができる線径の大きさには限界があり、かつ母線材径よりも縮径されてしまうため、大線径の複合リードを製造することが難しいという欠点があった。
【0007】
一方、パイプリードを使用した気密端子には、従来、特許文献2に示されるように、リチウム電池等の非水型電池に用いられる気密端子として、ステンレス鋼の金属外環の筒状部にガラスを介して鉄クロム合金製のパイプリードを気密に封着するとともに、パイプリードにニッケル製の導出リードを挿通し、パイプリードと導出リードとを接続固着封止した電池ケース用気密端子がある。しかし、この考案は、電池内の短絡などで発生したガスにより電池内圧が異常上昇した際に、封止ガラスがガス抜きの安全弁を兼ねるように設計されており、気密信頼性の向上を目論んだものではなく、むしろパイプリードと絶縁ガラスのシール面が破壊されることを前提にした構成となっている。また、気密端子に用いる金属材の熱膨張係数値も互いに近い値に整合するように設計されており、金属外環とパイプリードに近い熱膨張係数を有するニッケル材を導出リードに使用しているので、導出リード材の電気抵抗を犠牲にした構成となっている。このため、気密端子の導出リードに熱膨張係数が大きい銀、銅、アルミニウムや該元素を主成分とする合金などの低抵抗金属を使用するための手段については、何ら記載されておらず上述の課題を解決するものではなかった。
【0008】
本発明の目的は、大電力用途に使用できかつ高い気密信頼性を有する気密端子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、(1)金属外環と、この金属外環に挿通するパイプリードと、金属外環の内径とパイプリードの外径との間に装着するガラス・タブレットとを用意する準備工程と、(2)金属外環にパイプリードを挿通すると共に、金属外環の内径とパイプリードの外径との間にガラス・タブレットを装着して端子に仮組みする組立工程と、(3)仮組した端子を炉中に通してガラス・タブレットを軟化させ、金属外環の内壁とパイプリードの外径とを気密にガラス封着する封着工程と、(4)封着工程により、金属外環とガラス封着したパイプリードの内径に、回転する低抵抗金属の芯材を接触させながら挿入することでパイプリードの内径壁面と芯材の円周壁面とを固溶拡散接合する回転挿入接合工程と、からなる気密端子の製造方法が提供される。本発明の気密端子の製造方法によると、パイプリードと芯材とはロウ材を介在せずに互いに直に固溶拡散接合される。
【0010】
本発明の第二の観点によれば、前記気密端子の製造方法により製造され、金属外環と、金属外環に挿通したパイプリードと、金属外環の内壁とパイプリードの外径とを気密に封着する絶縁ガラスと、パイプリードの内径と気密に固溶拡散接合された低電気抵抗金属の芯材とを備えた気密端子が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る気密端子の製造方法は、回転挿入接合工程により、芯材とパイプリードの表面のみ摩擦させながら室温で回転させながら圧入するため、芯材全体が熱膨張することなく固溶拡散接合を完了することができる。従って、電気抵抗値が小さく熱膨張率が大きいアルミニウム材を用いながら絶縁ガラスに過度の応力負荷が加わることなく、芯材とパイプリードを気密接合でき絶縁ガラスの割れを防止する。しかも、芯材がパイプリードをわずかに押し広げながら圧入させることができるため、絶縁ガラスに適度なコンプレッションをパイプリードの封着後に芯材側から掛けることができるという従来にない利点もある。さらにリード母材を伸線加工する必要が無いので、直接目的の線径に仕上げることができリードの大径化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る気密端子の製造方法10を示したフロー図である。
【
図3】本発明に係る気密端子20の正面部分断面図を示す。
【
図4】本発明に係る気密端子30の正面部分断面図を示す。
【
図5】本発明に係る気密端子40の正面部分断面図を示す。なお、気密端子30および気密端子40の平面図は
図2と共通のため省略する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の気密端子の製造方法10は、
図1のフロー図に示すように(1)鉄または鉄合金の金属外環と、この金属外環に挿通する鉄または鉄合金のパイプリードと、金属外環の内径とパイプリードの外径との間に装着するガラス・タブレットとを用意する準備工程11と、(2)金属外環にパイプリードを挿通すると共に、金属外環の内径とパイプリードの外径との間にガラス・タブレットを装着して端子に仮組みする組立工程12と、(3)仮組した端子を炉中に通してガラス・タブレットを軟化させ、金属外環の内壁とパイプリードの外径とを気密にガラス封着する封着工程13と、(4)封着工程13により、金属外環とガラス封着したパイプリードの内径に、回転させた低電気抵抗金属の芯材、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金の芯材を接触させながら挿入することでパイプリードの内径壁面と芯材の円周壁面とを固溶拡散接合する回転挿入接合工程14と、からなる。
【0014】
本発明の気密端子の製造方法10は、回転挿入接合工程14により、芯材とパイプリードの表面のみを接触させ摩擦させながら室温で圧入するため、芯材全体が熱膨張することなく、界面の固体拡散によって接合を完了することができる。従って、電気抵抗値が小さく熱膨張率が大きいアルミニウム材を用いながら絶縁ガラスに過度の応力負荷が加わることなく絶縁ガラスの割れを防止でき、芯材とパイプリードとを気密に接合できる。しかも、芯材がパイプリードをわずかに押し広げながら圧入させることができるため、絶縁ガラスに適度なコンプレッションをパイプリードの封着後に掛けることができるという利点がある。また、リード母材を伸線加工する必要が無く、直接目的の線径に仕上げることができるのでリードの大径化が容易となる。
【0015】
気密端子の製造方法10の回転挿入接合工程14の作業温度は、固溶拡散を促進させる目的で芯材の溶融温度未満に加熱してもよい。アルミニウムの芯材を用いた場合は、660℃未満の温度まで加熱でき、例えば300℃に加熱した端子に芯材を回転挿入させて接合してもよい。
【0016】
本発明の気密端子の製造方法10において、使用するパイプリードまたは芯材は、全通同径のものを用いても、所望部位で径が異なっているもの(すなわち、パイプリードに縮径部を有するか、あるいは芯材に大径部を有する)を用いてもよい。パイプリードの内径と芯材の外径は、少なくとも界面円周の所望部位において360°周回した表面が途切れることなく固溶拡散接合されていれば、気密端子の気密性を確保することができるので、パイプリードは、パイプ内径全体すなわちパイプ内を全通して芯材を固溶拡散接合しても、パイプリードの一部に設けた縮径部で芯材に接触させて接触面同士を固溶拡散接合させるか、または芯材の一部に設けた大径部でパイプリードに接触させて接触面同士を固溶拡散接合させてもよい。
【0017】
本発明の気密端子20は、上述の製造方法10により製造されたものであり、
図2および
図3に示すように、鉄または鉄合金の金属外環21と、金属外環21に挿通した鉄または鉄合金のパイプリード22と、金属外環21の内壁とパイプリード22の外径とを気密に封着する絶縁ガラス23と、パイプリード22の内径と気密に固溶拡散接合された低電気抵抗金属の芯材24とを備える。パイプリード22の内径と芯材24の外径は、少なくとも界面円周の一部において360°周回した表面が固溶拡散接合されていれば、気密端子の気密性を確保することができるので、パイプリード22の内径と芯材24の外径との界面は、全体を固溶拡散接合しても、一部の円周表面を固溶拡散接合しても何れでもよい。例えば、
図4に示す気密端子30ようにパイプリード32に縮径部35を設け、縮径部35の内径面を芯材34と固溶拡散接合した形態に変形してもよい。またこれと逆に、
図5に示す気密端子40ように芯材44に大径部46を設け、大径部46の外径面をパイプリード42と固溶拡散接合した形態に変形してもよい。図示しないが、縮径部35および大径部46は、パイプリード封着面の外側(パイプリード外径がガラス封着されていない部位)に設けてもよい。
【0018】
本発明の実施形態において、金属外環は、鉄または鉄合金であれば何れの材料を用いてもよく特に限定されないが、例えば冷間圧延鋼(JIS SS400相当)、オーステナイト系ステンレス鋼SUS304、42アロイ(Fe58%,Ni42%)などが好適に利用できる。同様にパイプリードは、鉄または鉄合金であれば何れの材料を用いてもよく特に限定されないが、例えばコバール合金(Fe54%,Ni28%,Co18%)、鉄ニッケル合金(Fe50%,Ni50%)などが好適に利用できる。また、ガラス・タブレットまたは絶縁ガラスは、金属封着できるガラスであれば何れの材料を用いてもよく特に限定されないが、例えばボロンシリケートガラス、ソーダバリウムガラスなどが好適に利用できる。芯材は、低電気抵抗金属のアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。
【0019】
さらに上記発明の実施形態において、少なくともパイプリードの内径に補助拡散層を施すと好ましい。鉄または鉄合金のパイプリードにアルミニウムを拡散させると、脆い金属間化合物のAl
3−Fe,Al
5−Fe
2が生成することがあるが、予めパイプリードに補助拡散層(例えばニッケルめっき)を施して置くことで、補助拡散層を構成する元素と芯材を構成する低電気抵抗金属とが化合し、より強靭な金属間化合物(例えば、ニッケルめっきのときはAl−Ni金属間化合物)とすることができる。
【実施例】
【0020】
本発明に係る実施例1の製造方法10は、
図1に示すように(1)冷間圧延鋼(JIS SS400相当)の金属外環と、この金属外環に挿通する鉄ニッケル合金(Fe50%,Ni50%)のパイプリードと、金属外環の内径とパイプリードの外径との間に装着するソーダバリウムガラスのガラス・タブレットとを用意する準備工程11と、(2)金属外環にパイプリードを挿通すると共に、金属外環の内径とパイプリードの外径との間にガラス・タブレットを装着してカーボン製耐熱治具に端子を仮組みする組立工程12と、(3)仮組した端子を950℃に調温した炉中に通しガラス・タブレットを軟化流動させて、金属外環の内壁とパイプリードの外径とを気密にガラス封着する封着工程13と、(4)封着工程の後、室温に冷却した金属外環とガラス封着したパイプリードからなる端子のパイプリード部を固定し、パイプリードの内径に、高速回転させたアルミニウムの長尺線からなる芯材をパイプリードの内径面に接触させながら、パイプリードに挿入してパイプリードの内径面と芯材の外径面とを固相で直に固溶拡散接合した後、余剰の芯材をリード端から切り離してパイプリードと芯材の接合体を形成させる回転挿入接合工程14とで構成される。回転挿入接合工程14において芯材端部の切り離し操作は、パイプリードに接合した芯材の長さに余剰が生じるときに実施するが、芯材の長さが目的の寸法範囲にある場合には実施しなくてよい。これにより、一本の長尺線からなる芯材を、順次切断しながら複数のパイプリードに連続して回転挿入させて行くことができる。回転挿入接合工程14は作業温度300℃で行うこともできる。
【0021】
本発明に係る実施例2の気密端子20は、前記製造方法により製造されたものであり、
図2および
図3に示すように冷間圧延鋼(JIS SS400相当)の金属外環21と、金属外環21に挿通した鉄ニッケル合金(Fe50%,Ni50%)の表面に補助拡散層のニッケルめっきを施したパイプリード22と、金属外環21の内壁とパイプリード22の外径とを気密封着したソーダバリウムガラスの絶縁ガラス23と、パイプリード22の内径全面を固溶拡散接合したアルミニウムの芯材24とを備える。図示しないが実施例2において、気密端子20の芯材34は、ニッケルめっきの補助拡散層を間に挟んでパイプリード22と接合されている。この気密端子20は、
図4に示す変形例1の気密端子30ようにパイプリード32に縮径部35を設け、縮径部35の内径面を芯材34と固溶拡散接合してもよい。またこれと逆に、
図5に示す変形例2の気密端子40ように芯材44に大径部46を設け、大径部46の外径面をパイプリード42と固溶拡散接合してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、高電圧・高電流に耐久し、高絶縁性が要求される気密端子に利用できる。
【符号の説明】
【0023】
10・・・気密端子の製造方法、
11・・・準備工程、
12・・・組立工程、
13・・・封着工程、
14・・・回転挿入接合工程、
20,30,40・・・気密端子、
21,31,41・・・金属外環、
22,32,42・・・パイプリード、
23,33,43・・・絶縁ガラス、
24,34,44・・・芯材、
35・・・縮径部、
46・・・大径部。