(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無給電素子は、矩形の形状を有し、前記無給電素子の長手方向は、共振周波数に対する波長をλ1とした場合に、0.15λ1から0.25λ1の長さを有する、請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0011】
[第1の実施形態]
(アンテナ装置の構成)
図1は、第1の実施形態のアンテナ装置を示す図である。
図1において、(a)は、第1の実施形態のアンテナ装置100の斜視図を示す。
アンテナ装置100は、アンテナ素子102−1と、グランド部104−1と、無給電素子106−1と、フィルム108−1と、アンテナ素子102−2と、グランド部104−2と、無給電素子106−2と、フィルム108−2と、アンテナ素子102−3と、グランド部104−3と、無給電素子106−3と、フィルム108−3と、アンテナ素子102−4と、グランド部104−4と、無給電素子106−4と、フィルム108−4とを備える。
【0012】
アンテナ素子102−1と、アンテナ素子102−2と、アンテナ素子102−3と、アンテナ素子102−4とは、光透過性の高い透明導電材で構成される。アンテナ素子102−1はフィルム108−1に形成され、アンテナ素子102−2はフィルム108−2に形成され、アンテナ素子102−3はフィルム108−3に形成され、アンテナ素子102−4はフィルム108−4に形成される。
図1では、フィルム108−1と、フィルム108−2と、フィルム108−3と、フィルム108−4とに分けられているが、フィルム108−1と、フィルム108−2とは一体成型される。フィルム108−1と、フィルム108−2とが一体成型されたフィルムをフィルム108−aという。また、フィルム108−3と、フィルム108−4とは一体成型される。フィルム108−3と、フィルム108−4とが一体成型されたフィルムをフィルム108−bという。
アンテナ素子102−1と、アンテナ素子102−2とは、それらの長手方向が、平行で、且つ対向して配置される。アンテナ素子102−3と、アンテナ素子102−4とは、それらの長手方向が、平行で、且つ対向して配置される。
【0013】
図1おいて、アンテナ素子102−1とグランド部104−1と無給電素子106−1とが形成されるフィルム108−1と、アンテナ素子102−2とグランド部104−2と無給電素子106−2とが形成されるフィルム108−2とによって、xy平面が構成される。アンテナ素子102−1及びアンテナ素子102−2の長手方向をy軸とし、y軸に直交するxy平面における方向をx軸とする。
また、アンテナ素子102−3とグランド部104−3と無給電素子106−3とが形成されるフィルム108−3と、アンテナ素子102−4とグランド部104−4と無給電素子106−4とが形成されるフィルム108−4とによって、yz平面が構成される。アンテナ素子102−3及びアンテナ素子102−4の長手方向を、y軸とし、y軸及びx軸とに直交するyz平面における方向をz軸とする。
【0014】
無給電素子106−1と、無給電素子106−2と、無給電素子106−3と、無給電素子106−4とは、矩形の形状を有し、導電性を有する材料で構成される。無給電素子106−1は、フィルム108−1において、アンテナ素子102−1に対して、プラスx側に形成される。無給電素子106−2は、フィルム108−2において、アンテナ素子102−2に対して、マイナスx側に形成される。つまり、無給電素子106−1と、無給電素子106−2とは、アンテナ素子102−1と、アンテナ素子102−2との間に形成される。
無給電素子106−3は、フィルム108−3において、アンテナ素子102−3に対して、マイナスz側に形成される。無給電素子106−4は、フィルム108−4において、アンテナ素子102−4に対して、プラスz側に形成される。つまり、無給電素子106−3と、無給電素子106−4とは、アンテナ素子102−3と、アンテナ素子102−4との間に形成される。
【0015】
以下、アンテナ素子102−1と、アンテナ素子102−2と、アンテナ素子102−3と、アンテナ素子102−4とのうち、任意のアンテナ素子を、アンテナ素子102と記載する。
また、グランド部104−1と、グランド部104−2と、グランド部104−3と、グランド部104−4とのうち、任意のグランド部を、グランド部104と記載する。
また、無給電素子106−1と、無給電素子106−2と、無給電素子106−3と、無給電素子106−4とのうち、任意の無給電素子を、無給電素子106と記載する。
また、フィルム108−1と、フィルム108−2と、フィルム108−3と、フィルム108−4とのうち、任意のフィルムを、フィルム108と記載する。
【0016】
アンテナ素子102は、例えば800MHz帯と、2.1GHz帯との二周波を共用する二周波共用アンテナ(デュアルバンドアンテナ)である。
グランド部104は、グランド(GND)に接続される。
フィルム108は、PET(Poly Ethylene Terephthalate)樹脂などの光透過性の高い透明な樹脂製素材によって作製される。
図1において、給電点は省略される。実際には、給電点は反射板(図示なし)において、アンテナ素子102を配置した面とは反対の裏面に設けられる。給電回路が給電点に供給した電流は、アンテナ素子102に給電される。
【0017】
図1において、(b)は、(a)のプラスy方向から、マイナスy方向を見た図である。
図1の(b)によれば、フィルム108−1に形成されるアンテナ素子102−1と、フィルム108−2に形成されるアンテナ素子102−2とを結んだ線分の中心と、フィルム108−3に形成されるアンテナ素子102−3と、フィルム108−4に形成されるアンテナ素子102−4とを結んだ線分の中心とが直角に交わることが分かる。
ここで、フィルム108−aに形成されたアンテナ素子102−1の長手方向と、アンテナ素子102−2の長手方向と平行な中心軸を考える。また、フィルム108−bに形成されたアンテナ素子102−3の長手方向と、アンテナ素子102−4の長手方向と平行な中心軸を考える。この場合、フィルム108−aの中心軸と、フィルム108−bの中心軸とが直角に交差する。
【0018】
図1において、(c)は、(a)のプラスx方向から、マイナスx方向を見た図である。
図1の(c)によれば、無給電素子106−3と、無給電素子106−4とは、隣接して、アンテナ素子102−3と、アンテナ素子102−4との間に形成される。無給電素子106−1と、無給電素子106−2についても同様に、隣接して、アンテナ素子102−1と、アンテナ素子102−2との間に形成される。
グランド部104−3は、アンテナ素子102−3の下方(マイナスy側)に形成される。アンテナ素子102−3の下方に形成されるグランド部104−3は、マイナスz方向に延長される。ただし、無給電素子106−3の下方(マイナスy側)にはグランド部104−3が形成されない。同様に、グランド部104−4は、アンテナ素子102−4の下方(マイナスy側)に形成される。アンテナ素子102−4の下方に形成されるグランド部104−4は、プラスz方向に延長される。ただし、無給電素子106−4の下方(マイナスy側)にはグランド部104−3が形成されない。
グランド部104−1と、グランド部104−2についても同様である。
【0019】
図2は、第1の実施形態のアンテナ装置の特性の一例を示す図である。
図2に示される例では、アンテナ装置の特性として、相関係数(Correlation)と、多重効率(Multiple Efficiency)とが示される。
相関係数と、多重効率とを示すに当たり、アンテナ素子102−1のアンテナポートをポート(Port)1と呼び、アンテナ素子102−2のアンテナポートをポート2と呼び、アンテナ素子102−3のアンテナポートをポート3と呼び、アンテナ素子102−4のアンテナポートをポート4と呼ぶ。
アンテナ素子102−1、アンテナ素子102−2、アンテナ素子102−3、及びアンテナ素子102−4の組み合わせの全てについて、相関係数を求めることによって、各アンテナ素子から放射される電波の相関を見ることができる。
ポート1とポート2との相関係数(P1−P2)と、ポート3とポート4との相関係数(P3−P4)とは同じ値である。このため、
図2には、代表して、ポート1とポート2との相関係数(P1−P2)を示す。
また、ポート1とポート3との相関係数(P1−P3)と、ポート2とポート3との相関係数(P2−P3)と、ポート2とポート4との相関係数(P2−P4)と、ポート1とポート4(P1−P4)との相関係数は同じ値である。このため、
図2には、代表して、ポート1とポート3との相関係数(P1−P3)を示す。
【0020】
MIMO効果を高めるには、各アンテナ素子から放射される電波の相関が低いことが好ましい。しかし、各アンテナ素子から放射される電波の相関が低い場合であっても、各アンテナ素子の指向性利得が低いと、MIMO効果を高めることができない。このため、第1の実施形態では、相関係数に加えて、MIMO効果を表す指標である多重効率を求めた。後述する第2の実施形態、及び第3の実施形態についても同様である。アンテナ素子1と、アンテナ素子2との間の多重効率ME[dB]は、式(1)で表される。
【0021】
ME=√(G1×G2(1−ρ
env)) (1)
【0022】
式(1)において、G1はアンテナ素子1の指向性利得であり、G2はアンテナ素子2の指向性利得である。ρ
envは、アンテナ素子1とアンテナ素子2との指向性の差による相関係数であり、0から1の値をとる。ρ
envが0である場合には、無相関で、独立して電波を送受信できることを示す。ρ
envが1である場合には、MIMO効果がないことを示す。
ポート1とポート2との多重効率(P1−P2)と、ポート3とポート4との多重効率(P3−P4)とは同じ値である。このため、
図2には、代表して、ポート1とポート2との多重効率(P1−P2)を示す。
また、ポート1とポート3との多重効率(P1−P3)と、ポート2とポート3との多重効率(P2−P3)と、ポート2とポート4との多重効率(P2−P4)と、ポート1とポート4(P1−P4)との多重効率とは同じ値である。このため、
図2には、代表して、ポート1とポート3との多重効率(P1−P3)を示す。
【0023】
共振周波数が868MHzなどの800MHz帯の場合について説明する。
この場合、
図2に示されるように、P1−P2の相関係数は0.47であり、P1−P3の相関係数は0である。P1−P2の多重効率は−2.47であり、P1−P3の多重効率は−1.1である。
仮に、800MHz帯の場合の4MIMOにおける相関係数の目標値を0.5以下、多重効率の目標値を−2.5dB以上とした場合、相関係数、及び多重効率の両方において、目標値を満たしていることが分かる。
【0024】
共振周波数が2120MHzなどの2GHz帯の場合について説明する。この場合、
図2に示されるように、P1−P2の相関係数は0.12であり、P1−P3の相関係数は0である。P1−P2の多重効率は−1であり、P1−P3の多重効率は−0.75である。
仮に、2GHz帯の場合の4MIMOにおける相関係数の目標値を0.5以下、多重効率の目標値を−1.0dB以上とした場合、相関係数、及び多重効率の両方において、目標値を満たしていることが分かる。
【0025】
ここで、第1の実施形態のアンテナ装置100の効果について説明するために、従来の2MIMOに対応するアンテナ装置を使用して、4MIMOのアンテナ装置を構成することを考える。
図3は、4MIMOアンテナ装置の一例(その1)を示す図である。
図3に示される例では、アンテナ装置10は、アンテナ素子12−1と、グランド部14−1と、アンテナ素子12−2と、グランド部14−2と、フィルム18−aと、アンテナ素子12−3と、グランド部14−3と、アンテナ素子12−4と、グランド部14−4と、フィルム18−bとを備える。
アンテナ素子12−1と、アンテナ素子12−2と、グランド部14−1と、グランド部14−2とは、フィルム18−aに形成される。アンテナ素子12−3と、アンテナ素子12−4と、グランド部14−3と、グランド部14−4とは、フィルム18−bに形成される。フィルム18−aと、フィルム18−bとは、並行に配置される。
アンテナ装置10は、フィルム18−aと、フィルム18−bとの間の距離を離すことによって、MIMO効果を向上させる。しかし、前述した相関係数の目標値や、多重効率の目標値を達成しようとした場合には、フィルム18−aと、フィルム18−bとの間の距離が長くなり、アンテナ装置100と比較して、設置面積が増大する。したがって、第1の実施形態のアンテナ装置100は、アンテナ装置10や、アンテナ装置20と比較して、MIMO効果を改善できるとともに、設置面積を狭くできる。
【0026】
図4は、4MIMOアンテナ装置の一例(その2)を示す図である。
図4に示される例では、
図3に示したフィルム18−aと、フィルム18−bとが、一方向に並べて配置される。
この例においても、アンテナ装置20は、フィルム18−aと、フィルム18−bとの間の距離を離すことによって、MIMO効果を向上させる。しかし、前述した相関係数の目標値や、多重効率の目標値を達成しようとした場合には、フィルム18−aと、フィルム18−bとの間の距離が長くなり、アンテナ装置10や、アンテナ装置20と比較して、設置面積が増大する。したがって、第1の実施形態のアンテナ装置100は、アンテナ装置10や、アンテナ装置20と比較して、MIMO効果を改善できるとともに、設置面積を狭くできる。
【0027】
ここで、第1の実施形態のアンテナ装置100が備える無給電素子106のサイズについて検討する。
図5は、第1の実施形態のアンテナ装置のパラメータの一例を示す図である。ここでは、無給電素子106が長方形であり、無給電素子106の長手方向が、アンテナ素子102の長手方向と平行である場合について説明する。
図5に示される例では、無給電素子106−1と、無給電素子106−2のz軸方向の長さを、xminとする。xminは、無給電素子106−2の短辺方向の長さである。また、y軸方向において、グランド部104の最低部分から無給電素子106の最低部分までの長さをyminとし、無給電素子106の最高部分までの長さをymaxとする。ここでは、一例として、xmin=3.30mm、ymin=9.42mm、ymax=78.6mmとした。そして、xmin×r0、ymin×r1、ymax×r2について、r0、r1、及びr2の各々について、0(零)より大きい値から2の範囲で変化させた場合について、多重効率を比較した。
【0028】
図6は、第1の実施形態のアンテナ装置の特性の比較例を示す図である。
図6に示される比較例では、
図1に示されるアンテナ装置100の多重効率が示される。
図6において、868MHz(P1−P2)は、共振周波数が868MHzでのポートP1と、ポートP2との間の多重効果を示す。868MHz(P1−P3)は、共振周波数が868MHzでのポートP1と、ポートP3との間の多重効果を示す。2120MHz(P1−P2)は、共振周波数が2120MHzでのポートP1と、ポートP2との間の多重効果を示す。2120MHz(P1−P3)は、共振周波数が2120MHzでのポートP1と、ポートP3との間の多重効果を示す。
r0を、0.5、1.5と変化させた場合について説明する。
共振周波数が868MHzの場合、r0=0.5の場合には、P1−P2の多重効率は−2.5であり、P1−P3の多重効率は−1.12である。r0=1.0の場合、P1−P2の多重効率は−2.5であり、P1−P3の多重効率は−1.13である。r0=1.5の場合、P1−P2の多重効率は−2.5であり、P1−P3の多重効率は−1.16である。
共振周波数が2120MHzの場合、r0=0.5の場合には、P1−P2の多重効率は−1であり、P1−P3の多重効率は−0.75である。r0=1.0の場合、P1−P2の多重効率は−1であり、P1−P3の多重効率は−0.74である。r0=1.5の場合、P1−P2の多重効率は−0.9であり、P1−P3の多重効率は−0.72である。
これらの結果から、r0が0.5から1.5の範囲で、多重効率の目標値を達成できることが分かる。
【0029】
r1を変化させた場合について説明する。
共振周波数が868MHzの場合、r1=0.8の場合には、P1−P2の多重効率は−2.5であり、P1−P3の多重効率は−1.2である。r1=1.0の場合、P1−P2の多重効率は−2.5であり、P1−P3の多重効率は−1.13である。r1=1.5の場合、P1−P2の多重効率は−2.6であり、P1−P3の多重効率は−1.24である。
共振周波数が2120MHzの場合、r1=0.8の場合には、P1−P2の多重効率は−1であり、P1−P3の多重効率は−0.75である。r1=1.0の場合、P1−P2の多重効率は−1であり、P1−P3の多重効率は−0.74である。r1=1.5の場合、P1−P2の多重効率は−0.97であり、P1−P3の多重効率は−0.72である。
これらの結果から、r1が0.8から1.5の範囲で、多重効率の目標値を達成できることが分かる。
【0030】
r2を変化させた場合について説明する。
共振周波数が868MHzの場合、r2=0.8の場合には、P1−P2の多重効率は−2.75であり、P1−P3の多重効率は−1.3である。r2=1.0の場合、P1−P2の多重効率は−2.5であり、P1−P3の多重効率は−1.13である。r2=1.5の場合、P1−P2の多重効率は−2.7であり、P1−P3の多重効率は−0.75である。
共振周波数が2120MHzの場合、r2=0.8の場合には、P1−P2の多重効率は−0.5であり、P1−P3の多重効率は−0.4である。r2=1.0の場合、P1−P2の多重効率は−1であり、P1−P3の多重効率は−0.74である。r2=1.5の場合、P1−P2の多重効率は−0.9であり、P1−P3の多重効率は−0.75である。
これらの結果から、r2が0.8から1.5の範囲で、前述した多重効率の目標値を達成できることが分かる。
【0031】
図7は、無給電素子のサイズの一例を示す図である。
図7に示される例では、共振周波数に対応する波長で、xmin、ymin、及びymax=78を規格化した結果を示す。
共振周波数が800MHz帯の場合には、一例として、共振周波数868MHzに対応する波長をλ
1とした場合、xminは0.10λ
1となり、yminは0.99λ
1となり、ymaxは0.80λ
1となる。
一方で、共振周波数が2GHz帯の場合には、一例として、共振周波数2120MHzに対応する波長をλ
2とした場合、xminは0.01λ
2となり、yminは1.46λ
2となり、ymaxは0.01λ
2となる。
【0032】
前述したように、0.5xminから1.5xminの範囲で、多重効率が目標値を満たすため、xminの代わりに0.10λ
1又は0.01λ
2を用いることによって、共振周波数の波長で、xminを表すことができる。xminの代わりに0.10λ
1を用いた場合には、0.05λ
1から0.15λ
1の範囲で、多重効率が目標値を満たす。xminの代わりに0.01λ
2を用いた場合には、0.005λ
2から0.015λ
2の範囲で、多重効率が目標値を満たす。
また、前述したように、0.8yminから1.5yminの範囲で、多重効率が目標値を満たすため、yminの代わりに0.99λ
1又は1.46λ
2を用いることによって、共振周波数の波長で、yminを表すことができる。yminの代わりに0.99λ
1を用いた場合には、0.79λ
1から1.45λ
1の範囲で、多重効率が目標値を満たす。yminの代わりに1.46λ
2を用いた場合には、1.17λ
2から2.19λ
2の範囲で、多重効率が目標値を満たす。
また、前述したように、0.8ymaxから1.5ymaxの範囲で、多重効率が目標値を満たすため、ymaxの代わりに0.80λ
1又は0.01λ
2を用いることによって、共振周波数の波長で、ymaxを表すことができる。ymaxの代わりに0.80λ
1を用いた場合には、0.64λ
1から1.2λ
1の範囲で、多重効率が目標値を満たす。ymaxの代わりに0.01λ
2を用いた場合には、0.08λ
2から0.15λ
2の範囲で、多重効率が目標値を満たす。
以上から、無給電素子106の長手方向のサイズは、yminの代わりに0.99λ
1を用い、ymaxの代わりに0.80λ
1を用いた場合に、0.15λ
1から0.25λ
1で表される。また、無給電素子106の長手方向のサイズは、yminの代わりに1.46λ
2を用い、ymaxの代わりに0.01λ
2を用いた場合に、1.09λ
2から2.04λ
2で表される。
【0033】
図8は、第1の実施形態のアンテナ装置の電流分布を示す図である。
図8は、アンテナ素子102−1に給電し、アンテナ素子102−2、アンテナ素子102−3、及びアンテナ素子102−4には給電しない場合を示す。
図8によれば、アンテナ素子102−1から、アンテナ素子102−2、アンテナ素子102−3、及びアンテナ素子102−4へ流れる電流が小さいことが分かる。このため、アンテナ素子102−1から、アンテナ素子102−2、アンテナ素子102−3、及びアンテナ素子102−4への電流の励起を抑制できることが分かる。
アンテナ素子102−2、アンテナ素子102−3、及びアンテナ素子102−4への電流の励起を抑制できることによって、各アンテナ間の相互結合を弱くすることができるため、MIMO効果を高めることができる。これは、アンテナ素子102−2、アンテナ素子102−3、及びアンテナ素子102−4の各々に給電し、給電したアンテナ素子以外のアンテナ素子には給電しない場合でも同様である。
【0034】
前述した第1の実施形態では、アンテナ装置100が、二周波共用アンテナを備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、アンテナ装置100が、モノポールアンテナを備えるようにしてもよいし、ダイポールアンテナを備えるようにしてもよい。
前述した第1の実施形態では、アンテナ装置100が、四本のアンテナ素子102を備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、アンテナ装置100が、四本以上のアンテナ素子を備えるようにしてもよい。この場合、アンテナ装置100は、アンテナ素子102−1と、グランド部104−1と、無給電素子106−1と、アンテナ素子102−2と、グランド部104−2と、無給電素子106−2とが形成されたフィルム108−aを複数備えるようにしてもよい。そして、各フィルム108−aが、アンテナ素子102−1と、アンテナ素子102−2と平行な中心軸で、同じ角度で交差するようにしてもよい。
【0035】
一般的な無給電素子は、高利得化を図ったり、広帯域化を図ったりする場合に使用されることが多い。広義で、八木宇田アンテナの導波器も無給電素子ということができる。例えば、導波器は、高利得化を図る効果がある。一方、低姿勢ではあるが狭帯域なパッチアンテナは、パッチの上面に無給電素子を配置することによって、広帯域化を図る効果がある。
第1の実施形態では、無給電素子は、MIMO効果を高めるために使用される。無給電素子は、カップリング低減のために素子間を遮蔽するという効果もある。しかし、遮蔽を完璧にするのであれば、大きな導体板を使うほうが効果は高い。前述した実施形態によれば、アンテナ装置100は、無給電素子を備えることによって、遮蔽効果も得られ、かつMIMO効果も高めることができる。
【0036】
第1の実施形態のアンテナ装置によれば、フィルム108−aに形成されるアンテナ素子102−1と、アンテナ素子102−2との間に、無給電素子106−1及び106−2を配置する。さらに、フィルム108−bに形成されるアンテナ素子102−3と、アンテナ素子102−4との間に、無給電素子106−3及び106−4を配置する。そして、フィルム108−aのアンテナ素子102−1の長手方向とアンテナ素子102−2の長手方向と平行な中心軸同士を90度で交差させる。このように構成することによって、アンテナ装置100は、MIMO効果を向上させることができる。このため、特に屋内エリアの通信スループットを改善することができる。
【0037】
[第2の実施形態]
(アンテナ装置の構成)
図9は、第2の実施形態のアンテナ装置を示す図である。第2の実施形態のアンテナ装置200は、第1の実施形態のアンテナ装置100において、無給電素子106を無くしたものである。
アンテナ装置200は、アンテナ素子202−1と、グランド部204−1と、フィルム208−1と、アンテナ素子202−2と、グランド部204−2と、フィルム208−2と、アンテナ素子202−3と、グランド部204−3と、フィルム208−3と、アンテナ素子202−4と、グランド部204−4と、フィルム208−4とを備える。
アンテナ素子202−1と、アンテナ素子202−2と、アンテナ素子202−3と、アンテナ素子202−4とは、光透過性の高い透明導電材で構成される。アンテナ素子202−1はフィルム208−1に形成され、アンテナ素子202−2はフィルム208−2に形成され、アンテナ素子202−3はフィルム208−3に形成され、アンテナ素子202−4はフィルム208−4に形成される。
フィルム208−1と、フィルム208−2とが一体成型されたフィルムをフィルム208−aと呼ぶ。フィルム208−3と、フィルム208−4とが一体成型されたフィルムをフィルム208−bと呼ぶ。
【0038】
アンテナ素子202−1と、アンテナ素子202−2とは、それらの長手方向が、平行で、且つ対向して配置される。アンテナ素子202−3と、アンテナ素子202−4とは、それらの長手方向が、平行で、且つ対向して配置される。
アンテナ素子202−1、アンテナ素子202−2、アンテナ素子202−3、及びアンテナ素子202−4は、前述したアンテナ素子102−1、アンテナ素子102−2、アンテナ素子102−3、及びアンテナ素子102−4を、それぞれ適用できる。
グランド部204−1、グランド部204−2、グランド部204−3、及びグランド部204−4は、前述したグランド部104−1、グランド部104−2、グランド部104−3、及びグランド部104−4を、それぞれ適用できる。
フィルム208−1、フィルム208−2、フィルム208−3、及びグランド部204−4は、前述したフィルム108−1、フィルム108−2、フィルム108−3、及びグランド部104−4を、それぞれ適用できる。
【0039】
図10は、第2の実施形態のアンテナ装置の特性の一例を示す図である。
図9に示される例では、アンテナ装置の特性として、第1の実施形態と同様に、相関係数と、多重効率とが示される。
相関係数と、多重効率とを示すに当たり、アンテナ素子202−1のアンテナポートをポート1と呼び、アンテナ素子202−2のアンテナポートをポート2と呼び、アンテナ素子202−3のアンテナポートをポート3と呼び、アンテナ素子202−4のアンテナポートをポート4と呼ぶ。
ポート1とポート2との相関係数(P1−P2)と、ポート3とポート4との相関係数(P3−P4)は同じ値である。このため、
図10には、代表して、ポート1とポート2との相関係数(P1−P2)を示す。
また、ポート1とポート3との相関係数(P1−P3)と、ポート2とポート3との相関係数(P2−P3)と、ポート2とポート4との相関係数(P2−P4)と、ポート1とポート4(P1−P4)との相関係数は同じ値である。このため、
図10には、代表して、ポート1とポート3との相関係数(P1−P3)を示す。
【0040】
ポート1とポート2との多重効率(P1−P2)と、ポート3とポート4との多重効率(P3−P4)は同じ値である。このため、
図10には、代表して、ポート1とポート2との多重効率(P1−P2)を示す。
また、ポート1とポート3との多重効率(P1−P3)と、ポート2とポート3との多重効率(P2−P3)と、ポート2とポート4との多重効率(P2−P4)と、ポート1とポート4(P1−P4)との多重効率は同じ値である。このため、
図10には、代表して、ポート1とポート3との多重効率(P1−P3)を示す。
【0041】
共振周波数が800MHz帯の場合について説明する。
この場合、
図10に示されるように、P1−P2の相関係数は0.51であり、P1−P3の相関係数は0である。P1−P2の多重効率は−2.9であり、P1−P3の多重効率は−1.325である。これらの値は、
図3を参照して説明したアンテナ装置10の多重効率と、
図4を参照して説明したアンテナ装置20の多重効率と比較して、特性が改善している。
【0042】
共振周波数が2GHz帯の場合について説明する。
この場合、
図10に示されるように、P1−P2の相関係数は0.14であり、P1−P3の相関係数は0.039である。P1−P2の多重効率は−1.18であり、P1−P3の多重効率は−0.925である。これらの値は、
図3を参照して説明したアンテナ装置10の多重効率と、
図4を参照して説明したアンテナ装置20の多重効率と比較して、特性が改善している。
【0043】
図11は、第2の実施形態のアンテナ装置の電流分布を示す図である。
図11は、アンテナ素子202−1に給電し、アンテナ素子202−2、アンテナ素子202−3、及びアンテナ素子202−4には給電しない場合を示す。
図11によれば、アンテナ素子202−1から、アンテナ素子202−2、アンテナ素子202−3、及びアンテナ素子202−4へ電流が流れるものの、その電流の値が、前述したアンテナ装置10や、アンテナ装置20と比較して、小さいことが分かる。このため、アンテナ素子202−1から、アンテナ素子202−2、アンテナ素子202−3、及びアンテナ素子202−4への電流の励起を抑制できることが分かる。
アンテナ素子202−2、アンテナ素子202−3、及びアンテナ素子202−4への電流の励起を抑制できることによって、各アンテナ素子間の相互結合を弱くすることができるため、MIMO効果を高めることができる。これは、アンテナ素子202−2、アンテナ素子202−3、及びアンテナ素子202−4の各々に給電し、給電したアンテナ素子以外のアンテナ素子には給電しない場合でも同様である。
【0044】
前述した第2の実施形態では、アンテナ装置200が、二周波共用アンテナを備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、アンテナ装置200が、モノポールアンテナを備えるようにしてもよいし、ダイポールアンテナを備えるようにしてもよい。
前述した第2の実施形態では、アンテナ装置200が、四本のアンテナ素子202を備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、アンテナ装置200が、四本以上のアンテナ素子を備えるようにしてもよい。この場合、アンテナ装置200は、アンテナ素子202−1と、グランド部204−1と、アンテナ素子202−2と、グランド部204−2とが形成されたフィルム208−aを複数備えるようにしてもよい。そして、各フィルム208−aが、アンテナ素子202−1と、アンテナ素子202−2と平行な中心軸で、同じ角度で交差するようにしてもよい。
【0045】
第2の実施形態のアンテナ装置によれば、フィルム108−aに、アンテナ素子102−1とアンテナ素子102−2とを形成する。フィルム108−bに、アンテナ素子102−3とアンテナ素子102−4とを形成する。そして、フィルム108−aのアンテナ素子102−1の長手方向とアンテナ素子102−2の長手方向と平行な中心軸同士を90度で交差させる。このように構成することによって、アンテナ装置100の特性を改善できる。
【0046】
[第3の実施形態]
(アンテナ装置の構成)
図12は、第3の実施形態のアンテナ装置を示す図である。第3の実施形態のアンテナ装置300は、第1の実施形態のアンテナ装置100において、アンテナ素子102−1と、アンテナ素子102−2との間に、無給電素子を一つ備え、アンテナ素子102−3と、アンテナ素子102−4との間に、無給電素子を一つ備えるようにしたものである。
アンテナ装置300は、アンテナ素子302−1と、グランド部304−1と、フィルム308−1と、アンテナ素子302−2と、グランド部304−2と、無給電素子306−2と、フィルム308−2と、アンテナ素子302−3と、グランド部304−3と、無給電素子306−3と、フィルム308−3と、アンテナ素子302−4と、グランド部304−4と、フィルム308−4とを備える。
【0047】
アンテナ素子302−1と、アンテナ素子302−2と、アンテナ素子302−3と、アンテナ素子302−4とは、光透過性の高い透明導電材で構成される。アンテナ素子302−1はフィルム308−1に形成され、アンテナ素子302−2はフィルム308−2に形成され、アンテナ素子302−3はフィルム308−3に形成され、アンテナ素子302−4はフィルム308−4に形成される。
フィルム308−1と、フィルム308−2とが一体成型されたフィルムをフィルム308−aという。フィルム308−3と、フィルム308−4とが一体成型されたフィルムをフィルム308−bという。
【0048】
アンテナ素子302−1と、アンテナ素子302−2とは、それらの長手方向が、平行で、且つ対向して配置される。アンテナ素子302−3と、アンテナ素子302−4とは、それらの長手方向が、平行で、且つ対向して配置される。
無給電素子306−2と、無給電素子306−3とは、矩形の形状を有し、導電材で構成される。無給電素子306−2のサイズと、無給電素子306−3のサイズは、前述した第1の実施形態を適用できる。
無給電素子306−2は、フィルム308−2に、アンテナ素子302−2に対して、マイナスx側に形成される。無給電素子306−3は、フィルム308−3に、アンテナ素子302−3に対して、マイナスz側に形成される。
【0049】
アンテナ素子302−1、アンテナ素子302−2、アンテナ素子302−3、及びアンテナ素子302−4は、前述したアンテナ素子102−1、アンテナ素子102−2、アンテナ素子102−3、及びアンテナ素子102−4を、それぞれ適用できる。
グランド部304−1、グランド部304−2、グランド部304−3、及びグランド部304−4は、前述したグランド部104−1、グランド部104−2、グランド部104−3、及びグランド部104−4を、それぞれ適用できる。
フィルム308−1、フィルム308−2、フィルム308−3、及びフィルム308−4は、前述したフィルム108−1、フィルム108−2、フィルム108−3、及びグランド部104−4を、それぞれ適用できる。
【0050】
図13は、第3の実施形態のアンテナ装置の側面図である。
図13に示される例は、
図12を参照して説明したアンテナ装置300を、プラスz側からマイナスz側を見た図である。アンテナ素子302−1と、アンテナ素子302−2との間に、一つの無給電素子306−2が、フィルム302−aに形成される。
無給電素子306−3についても同様に、アンテナ素子302−3と、アンテナ素子302−4との間に、一つの無給電素子306−3が、フィルム302−aに形成される。
【0051】
図14は、第3の実施形態のアンテナ装置の特性の一例を示す図である。
図14に示される例では、アンテナ装置の特性として、第1の実施形態と同様に、相関係数と、多重効率とが示される。
相関係数と、多重効率とを示すに当たり、アンテナ素子302−1のアンテナポートをポート1と呼び、アンテナ素子302−2のアンテナポートをポート2と呼び、アンテナ素子302−3のアンテナポートをポート3と呼び、アンテナ素子302−4のアンテナポートをポート4と呼ぶ。
ポート1とポート2との相関係数(P1−P2)と、ポート3とポート4との相関係数(P3−P4)は同じ値である。このため、
図14には、代表して、ポート1とポート2との相関係数(P1−P2)を示す。
また、ポート1とポート3との相関係数(P1−P3)と、ポート2とポート3との相関係数(P2−P3)と、ポート2とポート4との相関係数(P2−P4)と、ポート1とポート4(P1−P4)との相関係数は同じ値である。このため、
図14には、代表して、ポート1とポート3との相関係数(P1−P3)を示す。
【0052】
ポート1とポート2との多重効率(P1−P2)と、ポート3とポート4との多重効率(P3−P4)は同じ値である。このため、
図14には、代表して、ポート1とポート2との多重効率(P1−P2)を示す。
また、ポート1とポート3との多重効率(P1−P3)と、ポート2とポート3との多重効率(P2−P3)と、ポート2とポート4との多重効率(P2−P4)と、ポート1とポート4(P1−P4)との多重効率は同じ値である。このため、
図14には、代表して、ポート1とポート3との多重効率(P1−P3)を示す。
【0053】
共振周波数が800MHz帯の場合について説明する。
この場合、
図14に示されるように、P1−P2の相関係数は0.47であり、P1−P3の相関係数は0である。P1−P2の多重効率は−2.6であり、P1−P3の多重効率は−1.28である。これらの値は、
図3を参照して説明したアンテナ装置10の多重効率と、
図4を参照して説明したアンテナ装置20の多重効率と比較して、特性が改善している。仮に、相関係数の目標値を0.5以下、多重効率の目標値を−2.5dB以上とした場合、相関係数、及び多重効率の両方において、目標値を満たしていることが分かる。
【0054】
共振周波数が2GHz帯の場合について説明する。
この場合、
図14に示されるように、P1−P2の相関係数は0.12であり、P1−P3の相関係数は0である。P1−P2の多重効率は−1.2であり、P1−P3の多重効率は−0.94である。これらの値は、
図3を参照して説明したアンテナ装置10の多重効率と、
図4を参照して説明したアンテナ装置20の多重効率と比較して、特性が改善している。しかし、仮に、相関係数の目標値を0.5以下、多重効率の目標値を−1.0dB以上とした場合、相関係数、及び多重効率の両方において、目標値を満たしていないことが分かる。
したがって、アンテナ装置300は、800MHz帯と、2GHzのうち、低周波数帯である800MHz帯で、MIMO効果を向上させることができる。
【0055】
前述した第3の実施形態では、アンテナ装置300が、二周波共用アンテナを備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、アンテナ装置300が、モノポールアンテナを備えるようにしてもよいし、ダイポールアンテナを備えるようにしてもよい。
前述した第3の実施形態では、アンテナ装置300が、四本のアンテナ素子302を備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、アンテナ装置300が、四本以上のアンテナ素子を備えるようにしてもよい。この場合、アンテナ装置300は、アンテナ素子302−1と、グランド部304−1と、アンテナ素子302−2と、グランド部304−2と、無給電素子306−2とが形成されたフィルム308−aを複数備えるようにしてもよい。そして、各フィルム308−aが、アンテナ素子302−1と、アンテナ素子302−2と平行な中心軸で、同じ角度で交差するようにしてもよい。
【0056】
第3の実施形態のアンテナ装置300によれば、フィルム308−aに形成されるアンテナ素子302−1と、アンテナ素子302−2との間に、無給電素子306−2を配置する。さらに、フィルム308−bに形成されるアンテナ素子302−3と、アンテナ素子302−4との間に、無給電素子306−3を配置する。そして、フィルム308−aのアンテナ素子302−1の長手方向とアンテナ素子302−2の長手方向と平行な中心軸同士を90度で交差させる。このように構成することによって、アンテナ装置300は、800MHz帯と、2GHzのうち、低周波数帯である800MHz帯で、MIMO効果を向上させることができる。このため、特に屋内エリアの通信スループットを改善することができる。
【0057】
前述した実施形態では、共振周波数が800MHz帯の一例として、868MHzについて説明したが、この例に限られない。例えば、800MHz帯の868MHz以外の周波数についても同様である。
前述した実施形態では、共振周波数が2GHz帯の一例として、2120MHzについて説明したが、この例に限られない。例えば、2GHz帯の2120MHz以外の周波数についても同様である。
上述した実施形態において、アンテナ素子102−1、アンテナ素子202−1、アンテナ素子302−1、アンテナ素子102−3、アンテナ素子202−3、及びアンテナ素子302−3は第一アンテナ素子の一例である。また、アンテナ素子102−2、アンテナ素子202−2、アンテナ素子302−2、アンテナ素子102−4、アンテナ素子202−4、及びアンテナ素子302−4は第二アンテナ素子の一例である。また、アンテナ素子102−1と、アンテナ素子102−2とのペアと、アンテナ素子102−3と、アンテナ素子102−4とのペアとは、アンテナ素子ペアの一例である。
【0058】
本発明は特定の実施例、変形例を参照しながら説明されてきたが、各実施例、変形例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。