特許第6810008号(P6810008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6810008-無線通信システム及びハンドオーバ方法 図000002
  • 特許6810008-無線通信システム及びハンドオーバ方法 図000003
  • 特許6810008-無線通信システム及びハンドオーバ方法 図000004
  • 特許6810008-無線通信システム及びハンドオーバ方法 図000005
  • 特許6810008-無線通信システム及びハンドオーバ方法 図000006
  • 特許6810008-無線通信システム及びハンドオーバ方法 図000007
  • 特許6810008-無線通信システム及びハンドオーバ方法 図000008
  • 特許6810008-無線通信システム及びハンドオーバ方法 図000009
  • 特許6810008-無線通信システム及びハンドオーバ方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6810008
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】無線通信システム及びハンドオーバ方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/04 20090101AFI20201221BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20201221BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20201221BHJP
【FI】
   H04W36/04
   H04W16/32
   H04W24/10
【請求項の数】2
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-190328(P2017-190328)
(22)【出願日】2017年9月29日
(65)【公開番号】特開2019-68193(P2019-68193A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2019年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】植田 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】井戸上 彰
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 栄二
【審査官】 阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−534743(JP,A)
【文献】 特表2014−507888(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/146285(WO,A1)
【文献】 特開2012−195828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基地局装置と、第2基地局装置と、端末装置とを備え、
前記第1基地局装置のセルは、前記第2基地局装置のセルの全て又は一部を包含し、
前記第2基地局装置は、
前記第1基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置の前記アップリンクの無線信号の自第2基地局装置における第1受信強度の測定を行う測定部と、
前記第1受信強度の測定結果が所定の第1閾値に対して第1閾値未満から第1閾値超過に変化した前記端末装置についての第1測定報告を前記第1基地局装置へ送信する測定報告部と、
前記第1基地局装置から受信する前記端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置へ送信する基地局制御部と、を備え、
前記第1基地局装置は、
前記第2基地局装置から受信する前記端末装置についての前記第1測定報告に応じて当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求を前記第2基地局装置へ送信し、当該アップリンクハンドオーバ要求に対するアップリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を送信する基地局制御部を備え、
前記第1基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置は、
前記第1基地局装置から受信するユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第1基地局装置から前記第2基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了を前記第2基地局装置へ送信する端末制御部を備える、無線通信システムであって、
前記測定部は、自第2基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置の前記アップリンクの無線信号の自第2基地局装置における第2受信強度の測定を行い、
前記測定報告部は、前記第2受信強度の測定結果が前記第1閾値に対して第1閾値超過から第1閾値未満に変化した前記端末装置についての第2測定報告を前記第1基地局装置へ送信し、
前記第2基地局装置の前記基地局制御部は、前記測定報告部が前記第1基地局装置へ送信した前記第2測定報告が報告の対象にする前記端末装置についてのユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求を、前記第1基地局装置へ送信し、当該アップリンクハンドオーバ要求に対するアップリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を送信し、
前記第1基地局装置の前記基地局制御部は、前記第2基地局装置から受信する前記端末装置についての前記第2測定報告及び前記第2基地局装置から受信する当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置へ送信し、
前記第2基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置の前記端末制御部は、前記第2基地局装置から受信するユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第2基地局装置から前記第1基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了を前記第1基地局装置へ送信する、
無線通信システム。
【請求項2】
第1基地局装置と、第2基地局装置と、端末装置とを備え、
前記第1基地局装置のセルは、前記第2基地局装置のセルの全て又は一部を包含する無線通信システムのハンドオーバ方法であり、
前記第2基地局装置が、前記第1基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置の前記アップリンクの無線信号の自第2基地局装置における第1受信強度の測定を行うステップと、
前記第2基地局装置が、前記第1受信強度の測定結果が所定の第1閾値に対して第1閾値未満から第1閾値超過に変化した前記端末装置についての第1測定報告を前記第1基地局装置へ送信するステップと、
前記第1基地局装置が、前記第2基地局装置から受信する前記端末装置についての前記第1測定報告に応じて当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求を前記第2基地局装置へ送信するステップと、
前記第2基地局装置が、前記第1基地局装置から受信する前記端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置へ送信するステップと、
前記第1基地局装置が、前記第2基地局装置へ送信した端末装置のアップリンクハンドオーバ要求に対するアップリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を送信するステップと、
前記第1基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置が、前記第1基地局装置から受信するユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第1基地局装置から前記第2基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了を前記第2基地局装置へ送信するステップと、を含むハンドオーバ方法であって、
前記第2基地局装置が、自第2基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置の前記アップリンクの無線信号の自第2基地局装置における第2受信強度の測定を行うステップと、
前記第2基地局装置が、前記第2受信強度の測定結果が前記第1閾値に対して第1閾値超過から第1閾値未満に変化した前記端末装置についての第2測定報告を前記第1基地局装置へ送信する第2測定報告送信ステップと、
前記第2基地局装置が、前記第2測定報告送信ステップで前記第1基地局装置へ送信した前記第2測定報告が報告の対象にする前記端末装置についてのユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求を、前記第1基地局装置へ送信するステップと、
前記第1基地局装置が、前記第2基地局装置から受信する前記端末装置についての前記第2測定報告及び前記第2基地局装置から受信する当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置へ送信するステップと、
前記第2基地局装置が、前記第1基地局装置へ送信した端末装置のアップリンクハンドオーバ要求に対するアップリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を送信するステップと、
前記第2基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置が、前記第2基地局装置から受信するユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第2基地局装置から前記第1基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了を前記第1基地局装置へ送信するステップと、をさらに含む、
ハンドオーバ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム及びハンドオーバ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、比較的大きいセル(以下、マクロセルと称する)を有する基地局装置(以下、マクロ基地局装置と称する)と、比較的小さいセル(以下、スモールセルと称する)を有する基地局装置(以下、スモール基地局装置と称する)とを備え、マクロセルがスモールセルの全て又は一部を包含するように、マクロセルとスモールセルとを配置する無線通信システムが知られている。このような無線通信システムにおいて、端末装置(user equipment:UE)が、ユーザプレーン(user plane:U-plane)のアップリンク(Uplink)の無線通信をスモールセルにより行い、また、ユーザプレーンのダウンリンク(Downlink)の無線通信をマクロセルにより行う無線通信方法が、例えば非特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Federico Boccardi, Jeffrey Andrews, Hisham Elshaer, Mischa Dohler, Stefan Parkvall, Petar Popovski, Sarabjot Singh、“Why to Decouple the Uplink and Downlink in Cellular Networks and How To Do It”、IEEE Communications Magazine、Volume: 54、Issue: 3、March 2016.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の無線通信方法において、ユーザプレーンのアップリンクとダウンリンクとで別々にハンドオーバを実現させることが一つの課題であった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、ユーザプレーンのアップリンクとダウンリンクとで別々にハンドオーバを実現させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、第1基地局装置と、第2基地局装置と、端末装置とを備え、前記第1基地局装置のセルは、前記第2基地局装置のセルの全て又は一部を包含し、前記第2基地局装置は、前記第1基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置の前記アップリンクの無線信号の自第2基地局装置における第1受信強度の測定を行う測定部と、前記第1受信強度の測定結果が所定の第1閾値に対して第1閾値未満から第1閾値超過に変化した前記端末装置についての第1測定報告を前記第1基地局装置へ送信する測定報告部と、前記第1基地局装置から受信する前記端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置へ送信する基地局制御部と、を備え、前記第1基地局装置は、前記第2基地局装置から受信する前記端末装置についての前記第1測定報告に応じて当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求を前記第2基地局装置へ送信し、当該アップリンクハンドオーバ要求に対するアップリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を送信する基地局制御部を備え、前記第1基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置は、前記第1基地局装置から受信するユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第1基地局装置から前記第2基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了を前記第2基地局装置へ送信する端末制御部を備える、無線通信システムである。
(2)本発明の一態様は、上記(1)の無線通信システムにおいて、前記測定部は、自第2基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置の前記アップリンクの無線信号の自第2基地局装置における第2受信強度の測定を行い、前記測定報告部は、前記第2受信強度の測定結果が前記第1閾値に対して第1閾値超過から第1閾値未満に変化した前記端末装置についての第2測定報告を前記第1基地局装置へ送信し、前記第2基地局装置の前記基地局制御部は、前記第1基地局装置へ送信した前記第2測定報告の対象の前記端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求を、前記第1基地局装置へ送信し、当該アップリンクハンドオーバ要求に対するアップリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を送信し、前記第1基地局装置の前記基地局制御部は、前記第2基地局装置から受信する前記端末装置についての前記第2測定報告及び前記第2基地局装置から受信する当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置へ送信し、前記第2基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置の前記端末制御部は、前記第2基地局装置から受信するユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第2基地局装置から前記第1基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了を前記第1基地局装置へ送信する、無線通信システムである。
【0007】
(3)本発明の一態様は、第1基地局装置と、第2基地局装置と、端末装置とを備え、前記第1基地局装置のセルは、前記第2基地局装置のセルの全て又は一部を包含し、前記第1基地局装置との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行う前記端末装置は、前記第2基地局装置から受信するユーザプレーンのダウンリンクの無線信号の自端末装置における第3受信強度の測定を行う測定部と、前記第3受信強度の測定結果が所定の第2閾値に対して第2閾値未満から第2閾値超過に変化したことの第3測定報告を前記第1基地局装置へ送信する測定報告部と、前記第1基地局装置から受信するユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第1基地局装置から前記第2基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ完了を前記第2基地局装置へ送信する端末制御部と、を備え、前記第1基地局装置は、前記端末装置から受信する前記第3測定報告に応じて当該端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求を前記第2基地局装置へ送信し、当該ダウンリンクハンドオーバ要求に対するダウンリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示を送信する基地局制御部を備え、前記第2基地局装置は、前記第1基地局装置から受信する前記端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置へ送信する基地局制御部を備える、無線通信システムである。
(4)本発明の一態様は、上記(3)の無線通信システムにおいて、前記第2基地局装置との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行う前記端末装置の前記測定部は、前記第2基地局装置から受信するユーザプレーンのダウンリンクの無線信号の自端末装置における第4受信強度の測定を行い、当該端末装置の前記測定報告部は、前記第4受信強度の測定結果が前記第2閾値に対して第2閾値超過から第2閾値未満に変化したことの第4測定報告を前記第2基地局装置へ送信し、当該端末装置の前記端末制御部は、前記第2基地局装置から受信するユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第2基地局装置から前記第1基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ完了を前記第1基地局装置へ送信し、前記第2基地局装置の前記基地局制御部は、前記端末装置から受信する前記第4測定報告に応じて当該端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求を前記第1基地局装置へ送信し、当該ダウンリンクハンドオーバ要求に対するダウンリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示を送信し、前記第1基地局装置の前記基地局制御部は、前記第2基地局装置から受信する前記端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置へ送信する、無線通信システムである。
【0008】
(5)本発明の一態様は、第1基地局装置と、第2基地局装置と、端末装置とを備え、前記第1基地局装置のセルは、前記第2基地局装置のセルの全て又は一部を包含する無線通信システムのハンドオーバ方法であり、前記第2基地局装置が、前記第1基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置の前記アップリンクの無線信号の自第2基地局装置における第1受信強度の測定を行うステップと、前記第2基地局装置が、前記第1受信強度の測定結果が所定の第1閾値に対して第1閾値未満から第1閾値超過に変化した前記端末装置についての第1測定報告を前記第1基地局装置へ送信するステップと、前記第1基地局装置が、前記第2基地局装置から受信する前記端末装置についての前記第1測定報告に応じて当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求を前記第2基地局装置へ送信するステップと、前記第2基地局装置が、前記第1基地局装置から受信する前記端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置へ送信するステップと、前記第1基地局装置が、前記第2基地局装置へ送信した端末装置のアップリンクハンドオーバ要求に対するアップリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を送信するステップと、前記第1基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置が、前記第1基地局装置から受信するユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第1基地局装置から前記第2基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了を前記第2基地局装置へ送信するステップと、を含むハンドオーバ方法である。
(6)本発明の一態様は、上記(5)のハンドオーバ方法において、前記第2基地局装置が、自第2基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置の前記アップリンクの無線信号の自第2基地局装置における第2受信強度の測定を行うステップと、前記第2基地局装置が、前記第2受信強度の測定結果が前記第1閾値に対して第1閾値超過から第1閾値未満に変化した前記端末装置についての第2測定報告を前記第1基地局装置へ送信するステップと、前記第2基地局装置が、前記第1基地局装置へ送信した前記第2測定報告の対象の前記端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求を、前記第1基地局装置へ送信するステップと、前記第1基地局装置が、前記第2基地局装置から受信する前記端末装置についての前記第2測定報告及び前記第2基地局装置から受信する当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置へ送信するステップと、前記第2基地局装置が、前記第1基地局装置へ送信した端末装置のアップリンクハンドオーバ要求に対するアップリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を送信するステップと、前記第2基地局装置との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う前記端末装置が、前記第2基地局装置から受信するユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第2基地局装置から前記第1基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了を前記第1基地局装置へ送信するステップと、をさらに含むハンドオーバ方法である。
【0009】
(7)本発明の一態様は、第1基地局装置と、第2基地局装置と、端末装置とを備え、前記第1基地局装置のセルは、前記第2基地局装置のセルの全て又は一部を包含する無線通信システムのハンドオーバ方法であり、前記端末装置が、前記第1基地局装置との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うステップと、前記端末装置が、前記第2基地局装置から受信するユーザプレーンのダウンリンクの無線信号の自端末装置における第3受信強度の測定を行うステップと、前記端末装置が、前記第3受信強度の測定結果が所定の第2閾値に対して第2閾値未満から第2閾値超過に変化したことの第3測定報告を前記第1基地局装置へ送信するステップと、前記第1基地局装置が、前記端末装置から受信する前記第3測定報告に応じて当該端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求を前記第2基地局装置へ送信するステップと、前記第2基地局装置が、前記第1基地局装置から受信する前記端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置へ送信するステップと、前記第1基地局装置が、前記第2基地局装置へ送信した端末装置のダウンリンクハンドオーバ要求に対するダウンリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示を送信するステップと、前記端末装置が、前記第1基地局装置から受信するユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第1基地局装置から前記第2基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ完了を前記第2基地局装置へ送信するステップと、を含むハンドオーバ方法である。
(8)本発明の一態様は、上記(7)のハンドオーバ方法において、前記端末装置が、前記第2基地局装置との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うステップと、前記端末装置が、前記第2基地局装置から受信するユーザプレーンのダウンリンクの無線信号の自端末装置における第4受信強度の測定を行うステップと、前記端末装置が、前記第4受信強度の測定結果が前記第2閾値に対して第2閾値超過から第2閾値未満に変化したことの第4測定報告を前記第2基地局装置へ送信するステップと、前記第2基地局装置が、前記端末装置から受信する前記第4測定報告に応じて当該端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求を前記第1基地局装置へ送信するステップと、前記第1基地局装置が、前記第2基地局装置から受信する前記端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ応答を前記第2基地局装置へ送信するステップと、前記第2基地局装置が、前記第1基地局装置へ送信した端末装置のダウンリンクハンドオーバ要求に対するダウンリンクハンドオーバ応答を前記第1基地局装置から受信すると、当該端末装置へユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示を送信するステップと、前記端末装置が、前記第2基地局装置から受信するユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行う相手の基地局装置を前記第2基地局装置から前記第1基地局装置へ切り替えるハンドオーバを行い、ユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ完了を前記第1基地局装置へ送信するステップと、をさらに含むハンドオーバ方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザプレーンのアップリンクとダウンリンクとで別々にハンドオーバを実現させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図2】一実施形態に係る端末装置1の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係るマクロ基地局装置3の構成例を示すブロック図である。
図4】一実施形態に係るスモール基地局装置5の構成例を示すブロック図である。
図5】一実施形態に係るハンドオーバ方法の説明図である。
図6】一実施形態に係るアップリンクのハンドオーバ方法の例1を示すシーケンスチャートである。
図7】一実施形態に係るアップリンクのハンドオーバ方法の例2を示すシーケンスチャートである。
図8】一実施形態に係るダウンリンクのハンドオーバ方法の例1を示すシーケンスチャートである。
図9】一実施形態に係るダウンリンクのハンドオーバ方法の例2を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。図1において、無線通信システムは、端末装置1と、複数の基地局装置3,5とを備える。基地局装置(マクロ基地局装置)3は、比較的大きいセル(マクロセル)CELMを有する。基地局装置(スモール基地局装置)5は、比較的小さいセル(スモールセル)CELSを有する。本実施形態の一例として、図1に示すマクロセルCELMは、スモールセルCELSの全てを包含する。なお、マクロセルCELMがスモールセルCELSの一部を包含するようにしてもよい。本実施形態においては、マクロ基地局装置3が第1基地局装置に対応し、スモール基地局装置5が第2基地局装置に対応する。
【0013】
端末装置1は、マクロセルCELMに在圏している場合、マクロ基地局装置3と無線通信を行うことができる。端末装置1は、スモールセルCELSに在圏している場合、スモール基地局装置5と無線通信を行うことができる。以下、マクロ基地局装置3とスモール基地局装置5とを特に区別しないときは基地局装置BSと称する。端末装置1は、自己が接続する基地局装置BSを介して、無線通信ネットワークの他の通信装置との間で通信を行ったり又はインターネット等の他の通信ネットワークにアクセスしたりすることができる。
【0014】
図2は、本実施形態に係る端末装置1の構成例を示すブロック図である。図2において、端末装置1は、無線通信部11と、端末制御部12と、端末記憶部13と、測定部21と、測定報告部22とを備える。無線通信部11は、基地局装置BSとの間で無線通信を行う。端末制御部12は、端末装置1の制御を行う。端末記憶部13は、端末情報14等のデータを記憶する。端末情報14は、自己の端末装置1がサポートする無線通信方式及び無線周波数帯等の無線通信リソースの情報などを含む端末装置1の情報である。測定部21は、基地局装置BSから受信するユーザプレーンのダウンリンクの無線信号の自端末装置1における受信強度の測定を行う。測定報告部22は、測定部21による受信強度の測定結果についての測定報告(Measurement Report)を基地局装置BSへ送信する。
【0015】
端末制御部12、測定部21及び測定報告部22の機能は、端末装置1が備えるCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)がコンピュータプログラムを実行することにより実現される。端末装置1は、例えば、スマートフォンやタブレット型のコンピュータ(タブレットPC)等の携帯通信端末装置であってもよい。
【0016】
図3は、本実施形態に係るマクロ基地局装置3の構成例を示すブロック図である。図3において、マクロ基地局装置3は、無線通信部31と、通信部32と、基地局制御部33と、基地局記憶部34とを備える。無線通信部31は、端末装置1との間で無線通信を行う。通信部32は、他の基地局装置3や無線通信システムの他の装置(図示せず)との間で通信を行う。基地局制御部33は、マクロ基地局装置3の制御を行う。基地局記憶部34は、端末情報35及び基地局情報36等のデータを記憶する。端末情報35は、自マクロ基地局装置3の配下の端末装置1がサポートする無線通信方式及び無線周波数帯等の無線通信リソースの情報などを含む端末装置1の情報である。基地局情報36は、自己のマクロ基地局装置3がサポートする無線通信方式及び無線周波数帯等の無線通信リソースの情報などを含むマクロ基地局装置3の情報である。基地局制御部33の機能は、マクロ基地局装置3が備えるCPUがコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0017】
図4は、本実施形態に係るスモール基地局装置5の構成例を示すブロック図である。図4において、スモール基地局装置5は、無線通信部51と、通信部52と、基地局制御部53と、基地局記憶部54と、測定部61と、測定報告部62とを備える。無線通信部51は、端末装置1との間で無線通信を行う。通信部52は、他の基地局装置3や無線通信システムの他の装置(図示せず)との間で通信を行う。基地局制御部53は、スモール基地局装置5の制御を行う。基地局記憶部54は、端末情報55及び基地局情報56等のデータを記憶する。端末情報55は、マクロ基地局装置3及び自スモール基地局装置5の配下の端末装置1がサポートする無線通信方式及び無線周波数帯等の無線通信リソースの情報などを含む端末装置1の情報である。基地局情報56は、マクロ基地局装置3及び自己のスモール基地局装置5がサポートする無線通信方式及び無線周波数帯等の無線通信リソースの情報などを含む基地局装置3の情報である。
【0018】
測定部61は、端末装置1から受信するユーザプレーンのアップリンクの無線信号の自スモール基地局装置5における受信強度の測定を行う。測定報告部62は、測定部61による受信強度の測定結果についての測定報告をマクロ基地局装置3へ送信する。基地局制御部53、測定部61及び測定報告部62の機能は、スモール基地局装置5が備えるCPUがコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0019】
次に図5及び図6から図9までを参照して本実施形態に係るハンドオーバ方法を説明する。図5は、本実施形態に係るハンドオーバ方法の説明図である。図6から図9までは、本実施形態に係るハンドオーバ方法の例を示すシーケンスチャートである。
【0020】
[アップリンクのハンドオーバ方法の例1]
図5及び図6を参照して本実施形態に係るアップリンクのハンドオーバ方法の例1を説明する。図6は、本実施形態に係るアップリンクのハンドオーバ方法の例1を示すシーケンスチャートである。アップリンクのハンドオーバ方法の例1は、端末装置1がユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行うセルを、マクロセルCELMからスモールセルCELSにハンドオーバする際の方法の一例である。
【0021】
図5において、まず端末装置1は、マクロセルCELM内の位置P1に存在している。位置P1は、マクロセルCELMの範囲内であって、スモールセルCELSの範囲外の位置である。端末装置1は、位置P1において、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行っている。また、端末装置1は、位置P1において、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でコントロールプレーン(control plane:C-plane)の無線通信を行っている。次いで、端末装置1は、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を継続しながら、位置P2に移動する。位置P2は、スモールセルCELSの境界付近に在る。端末装置1は、位置P2において、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でコントロールプレーンの無線通信を行い、且つ、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でコントロールプレーンの無線通信を行う。スモールセルCELSの境界は、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行うセルを切り替える境界(UL境界)に対応する。位置P1から位置P2に移動した端末装置1は、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行うセルをマクロセルCELMからスモールセルCELSにハンドオーバする候補の端末装置1になる。
【0022】
以下、図6を参照して、アップリンクのハンドオーバ方法の例1を説明する。図6において、マクロ基地局装置3は、サービングセルの基地局装置(ハンドオーバ元の基地局装置)である。スモール基地局装置5は、ターゲットセルの基地局装置(ハンドオーバ先の基地局装置)である。また、マクロ基地局装置3とスモール基地局装置5との間の通信は、各通信部32,52により行われる。また、マクロ基地局装置3とスモール基地局装置5とは、各無線通信部31,51により端末装置1の無線通信部11との間で無線通信を行う。
【0023】
(ステップS11) スモール基地局装置5の測定部61は、マクロ基地局装置3の配下の端末装置1について、ユーザプレーンのアップリンクの無線信号の自スモール基地局装置5における受信強度(以下、第1受信強度と称する)の測定を行う。マクロ基地局装置3の配下の端末装置1についての情報は、端末情報55に含まれる。測定報告部62は、測定部61による第1受信強度の測定結果UL_RX1を測定時刻に関連付けて保持する。測定報告部62は、一の端末装置1について、第1受信強度の測定結果UL_RX1が所定の第1閾値TH1に対して第1閾値未満から第1閾値超過に変化したか否かを判断する。測定報告部62は、第1受信強度の測定結果UL_RX1が第1閾値TH1に対して第1閾値未満から第1閾値超過に変化した端末装置1についての測定報告(以下、第1測定報告と称する)をマクロ基地局装置3へ送信する。第1測定報告は、第1受信強度の測定結果UL_RX1が第1閾値TH1に対して第1閾値未満から第1閾値超過に変化した端末装置1を識別する端末識別情報を含む情報である。マクロ基地局装置3は、スモール基地局装置5から端末装置1についての第1測定報告を受信する。
【0024】
(ステップS12) マクロ基地局装置3の基地局制御部33は、スモール基地局装置5から受信した端末装置1についての第1測定報告に応じて、当該端末装置1のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求(UL-HO request)をスモール基地局装置5へ送信する。スモール基地局装置5は、マクロ基地局装置3から端末装置1のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求を受信する。
【0025】
(ステップS13) スモール基地局装置5の基地局制御部53は、マクロ基地局装置3から受信した端末装置1のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置1のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答(UL-HO Response)をマクロ基地局装置3へ返信する。マクロ基地局装置3は、スモール基地局装置5から端末装置1のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答を受信する。
【0026】
(ステップS14) マクロ基地局装置3の基地局制御部33は、スモール基地局装置5へ送信した端末装置1のアップリンクハンドオーバ要求に対するアップリンクハンドオーバ応答を当該スモール基地局装置5から受信すると、当該端末装置1へユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示(UL-HO Command)を送信する。端末装置1は、マクロ基地局装置3からユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を受信する。
【0027】
(ステップS15) 端末装置1は、位置P2において、マクロ基地局装置3との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行っている。次いで、端末装置1の端末制御部12は、マクロ基地局装置3からユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を受信すると、当該ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う相手の基地局装置をマクロ基地局装置3からスモール基地局装置5へ切り替えるハンドオーバを行う。次いで、端末制御部12は、ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了(UL-HO Confirm)をスモール基地局装置5へ送信する。スモール基地局装置5は、端末装置1からユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了を受信する。スモール基地局装置5の基地局制御部53は、端末装置1から受信したユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了に応じて、当該端末装置1との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行うための制御を行う。
【0028】
上述のアップリンクのハンドオーバ方法の例1によれば、位置P1から位置P2に移動した端末装置1について、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行うセルをマクロセルCELMからスモールセルCELSにハンドオーバすることが実現される。
【0029】
[アップリンクのハンドオーバ方法の例2]
図5及び図7を参照して本実施形態に係るアップリンクのハンドオーバ方法の例2を説明する。図7は、本実施形態に係るアップリンクのハンドオーバ方法の例2を示すシーケンスチャートである。アップリンクのハンドオーバ方法の例2は、端末装置1がユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行うセルを、スモールセルCELSからマクロセルCELMにハンドオーバする際の方法の一例である。
【0030】
図5において、まず端末装置1は、スモールセルCELS内の位置P5に存在している。位置P5は、マクロセルCELMの範囲内であり且つスモールセルCELSの範囲内の位置である。端末装置1は、位置P5において、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行っている。また、端末装置1は、位置P5において、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でコントロールプレーンの無線通信を行い、且つ、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でコントロールプレーンの無線通信を行っている。次いで、端末装置1は、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を継続しながら、位置P7に移動する。位置P7は、スモールセルCELSの境界付近に在る。端末装置1は、位置P7において、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でコントロールプレーンの無線通信を行い、且つ、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でコントロールプレーンの無線通信を行う。スモールセルCELSの境界は、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行うセルを切り替える境界(UL境界)に対応する。位置P5から位置P7に移動した端末装置1は、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行うセルをスモールセルCELSからマクロセルCELMにハンドオーバする候補の端末装置1になる。
【0031】
以下、図7を参照して、アップリンクのハンドオーバ方法の例2を説明する。図7において、スモール基地局装置5は、サービングセルの基地局装置(ハンドオーバ元の基地局装置)である。マクロ基地局装置3は、ターゲットセルの基地局装置(ハンドオーバ先の基地局装置)である。また、マクロ基地局装置3とスモール基地局装置5との間の通信は、各通信部32,52により行われる。また、マクロ基地局装置3とスモール基地局装置5とは、各無線通信部31,51により端末装置1の無線通信部11との間で無線通信を行う。
【0032】
(ステップS21) スモール基地局装置5の測定部61は、自スモール基地局装置5の配下の端末装置1について、ユーザプレーンのアップリンクの無線信号の自スモール基地局装置5における受信強度(以下、第2受信強度と称する)の測定を行う。スモール基地局装置5の配下の端末装置1についての情報は、端末情報55に含まれる。測定報告部62は、測定部61による第2受信強度の測定結果UL_RX2を測定時刻に関連付けて保持する。測定報告部62は、一の端末装置1について、第2受信強度の測定結果UL_RX2が所定の第1閾値TH1に対して第1閾値超過から第1閾値未満に変化したか否かを判断する。測定報告部62は、第2受信強度の測定結果UL_RX2が第1閾値TH1に対して第1閾値超過から第1閾値未満に変化した端末装置1についての測定報告(以下、第2測定報告と称する)をマクロ基地局装置3へ送信する。第2測定報告は、第2受信強度の測定結果UL_RX2が第1閾値TH1に対して第1閾値超過から第1閾値未満に変化した端末装置1を識別する端末識別情報を含む情報である。マクロ基地局装置3は、スモール基地局装置5から端末装置1についての第2測定報告を受信する。
【0033】
(ステップS22) スモール基地局装置5の基地局制御部53は、マクロ基地局装置3へ送信した第2測定報告の対象の端末装置1のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求(UL-HO request)を、マクロ基地局装置3へ送信する。マクロ基地局装置3は、スモール基地局装置5から端末装置1のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求を受信する。
【0034】
(ステップS23) マクロ基地局装置3の基地局制御部33は、スモール基地局装置5から受信した端末装置1についての第2測定報告及びスモール基地局装置5から受信した当該端末装置1のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置1のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答(UL-HO Response)をスモール基地局装置5へ返信する。スモール基地局装置5は、マクロ基地局装置3から端末装置1のユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ応答を受信する。
【0035】
(ステップS24) スモール基地局装置5の基地局制御部53は、マクロ基地局装置3へ送信した端末装置1のアップリンクハンドオーバ要求に対するアップリンクハンドオーバ応答を当該マクロ基地局装置3から受信すると、当該端末装置1へユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示(UL-HO Command)を送信する。端末装置1は、スモール基地局装置5からユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を受信する。
【0036】
(ステップS25) 端末装置1は、位置P7において、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行っている。次いで、端末装置1の端末制御部12は、スモール基地局装置5からユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示を受信すると、当該ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行う相手の基地局装置をスモール基地局装置5からマクロ基地局装置3へ切り替えるハンドオーバを行う。次いで、端末制御部12は、ユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了(UL-HO Confirm)をマクロ基地局装置3へ送信する。マクロ基地局装置3は、端末装置1からユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了を受信する。マクロ基地局装置3の基地局制御部33は、端末装置1から受信したユーザプレーンのアップリンクハンドオーバ完了に応じて、当該端末装置1との間でユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行うための制御を行う。
【0037】
上述のアップリンクのハンドオーバ方法の例2によれば、位置P5から位置P7に移動した端末装置1について、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信を行うセルをスモールセルCELSからマクロセルCELMにハンドオーバすることが実現される。
【0038】
[ダウンリンクのハンドオーバ方法の例1]
図5及び図8を参照して本実施形態に係るダウンリンクのハンドオーバ方法の例1を説明する。図8は、本実施形態に係るダウンリンクのハンドオーバ方法の例1を示すシーケンスチャートである。ダウンリンクのハンドオーバ方法の例1は、端末装置1がユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うセルを、マクロセルCELMからスモールセルCELSにハンドオーバする際の方法の一例である。
【0039】
図5において、まず端末装置1は、マクロセルCELM内の位置P1に存在している。位置P1は、マクロセルCELMの範囲内であって、スモールセルCELSの範囲外の位置である。端末装置1は、位置P1において、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行っている。また、端末装置1は、位置P1において、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でコントロールプレーンの無線通信を行っている。次いで、端末装置1は、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を継続しながら、位置P3に移動する。位置P3は、スモールセルCELSの範囲内であって、スモールセルCELSの境界からある程度、スモールセルCELSの中心側の位置である。端末装置1は、位置P3において、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でコントロールプレーンの無線通信を行い、且つ、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でコントロールプレーンの無線通信を行う。位置P3に対応する境界は、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うセルを切り替える境界(DL境界)に対応する。位置P1から位置P3に移動した端末装置1は、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うセルをマクロセルCELMからスモールセルCELSにハンドオーバする候補の端末装置1になる。
【0040】
以下、図8を参照して、ダウンリンクのハンドオーバ方法の例1を説明する。図8において、マクロ基地局装置3は、サービングセルの基地局装置(ハンドオーバ元の基地局装置)である。スモール基地局装置5は、ターゲットセルの基地局装置(ハンドオーバ先の基地局装置)である。また、マクロ基地局装置3とスモール基地局装置5との間の通信は、各通信部32,52により行われる。また、マクロ基地局装置3とスモール基地局装置5とは、各無線通信部31,51により端末装置1の無線通信部11との間で無線通信を行う。
【0041】
(ステップS31) 端末装置1は、位置P3において、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行っている。端末装置1の測定部21は、スモール基地局装置5から受信するユーザプレーンのダウンリンクの無線信号の自端末装置1における受信強度(以下、第3受信強度と称する)の測定を行う。測定報告部22は、測定部21による第3受信強度の測定結果DL_RX3を測定時刻に関連付けて保持する。測定報告部22は、第3受信強度の測定結果DL_RX3が所定の第2閾値TH2に対して第2閾値未満から第2閾値超過に変化したか否かを判断する。測定報告部22は、第3受信強度の測定結果DL_RX3が第2閾値TH2に対して第2閾値未満から第2閾値超過に変化したことの測定報告(以下、第3測定報告と称する)をマクロ基地局装置3へ送信する。第3測定報告は、第3受信強度の測定結果DL_RX3が第2閾値TH2に対して第2閾値未満から第2閾値超過に変化した端末装置1を識別する端末識別情報を含む情報である。マクロ基地局装置3は、端末装置1から第3測定報告を受信する。
【0042】
(ステップS32) マクロ基地局装置3の基地局制御部33は、端末装置1から受信した第3測定報告に応じて、当該端末装置1のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求(DL-HO request)をスモール基地局装置5へ送信する。スモール基地局装置5は、マクロ基地局装置3から端末装置1のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求を受信する。
【0043】
(ステップS33) スモール基地局装置5の基地局制御部53は、マクロ基地局装置3から受信した端末装置1のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置1のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ応答(DL-HO Response)をマクロ基地局装置3へ返信する。マクロ基地局装置3は、スモール基地局装置5から端末装置1のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ応答を受信する。
【0044】
(ステップS34) マクロ基地局装置3の基地局制御部33は、スモール基地局装置5へ送信した端末装置1のダウンリンクハンドオーバ要求に対するダウンリンクハンドオーバ応答を当該スモール基地局装置5から受信すると、当該端末装置1へユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示(DL-HO Command)を送信する。端末装置1は、マクロ基地局装置3からユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示を受信する。
【0045】
(ステップS35) 端末装置1は、位置P3において、マクロ基地局装置3との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行っている。次いで、端末装置1の端末制御部12は、マクロ基地局装置3からユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示を受信すると、当該ユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行う相手の基地局装置をマクロ基地局装置3からスモール基地局装置5へ切り替えるハンドオーバを行う。次いで、端末制御部12は、ユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ完了(DL-HO Confirm)をスモール基地局装置5へ送信する。スモール基地局装置5は、端末装置1からユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ完了を受信する。スモール基地局装置5の基地局制御部53は、端末装置1から受信したユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ完了に応じて、当該端末装置1との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うための制御を行う。
【0046】
上述のダウンリンクのハンドオーバ方法の例1によれば、位置P1から位置P3に移動した端末装置1について、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うセルをマクロセルCELMからスモールセルCELSにハンドオーバすることが実現される。
【0047】
[ダウンリンクのハンドオーバ方法の例2]
図5及び図9を参照して本実施形態に係るダウンリンクのハンドオーバ方法の例2を説明する。図9は、本実施形態に係るダウンリンクのハンドオーバ方法の例2を示すシーケンスチャートである。ダウンリンクのハンドオーバ方法の例2は、端末装置1がユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うセルを、スモールセルCELSからマクロセルCELMにハンドオーバする際の方法の一例である。
【0048】
図5において、まず端末装置1は、スモールセルCELS内の位置P4に存在している。位置P4は、マクロセルCELMの範囲内であり且つスモールセルCELSの範囲内の位置である。端末装置1は、位置P4において、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行っている。また、端末装置1は、位置P4において、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でコントロールプレーンの無線通信を行い、且つ、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でコントロールプレーンの無線通信を行っている。次いで、端末装置1は、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を継続しながら、位置P6に移動する。位置P6は、スモールセルCELSの範囲内であって、スモールセルCELSの境界からある程度、スモールセルCELSの中心側の位置である。端末装置1は、位置P6において、マクロセルCELMによりマクロ基地局装置3との間でコントロールプレーンの無線通信を行い、且つ、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でコントロールプレーンの無線通信を行う。位置P6に対応する境界は、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うセルを切り替える境界(DL境界)に対応する。位置P4から位置P6に移動した端末装置1は、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うセルをスモールセルCELSからマクロセルCELMにハンドオーバする候補の端末装置1になる。
【0049】
以下、図9を参照して、ダウンリンクのハンドオーバ方法の例2を説明する。図9において、スモール基地局装置5は、サービングセルの基地局装置(ハンドオーバ元の基地局装置)である。マクロ基地局装置3は、ターゲットセルの基地局装置(ハンドオーバ先の基地局装置)である。また、マクロ基地局装置3とスモール基地局装置5との間の通信は、各通信部32,52により行われる。また、マクロ基地局装置3とスモール基地局装置5とは、各無線通信部31,51により端末装置1の無線通信部11との間で無線通信を行う。
【0050】
(ステップS41) 端末装置1は、位置P6において、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行っている。端末装置1の測定部21は、スモール基地局装置5から受信するユーザプレーンのダウンリンクの無線信号の自端末装置1における受信強度(以下、第4受信強度と称する)の測定を行う。測定報告部22は、測定部21による第4受信強度の測定結果DL_RX4を測定時刻に関連付けて保持する。測定報告部22は、第4受信強度の測定結果DL_RX4が所定の第2閾値TH2に対して第2閾値超過から第2閾値未満に変化したか否かを判断する。測定報告部22は、第4受信強度の測定結果DL_RX4が第2閾値TH2に対して第2閾値超過から第2閾値未満に変化したことの測定報告(以下、第4測定報告と称する)をスモール基地局装置5へ送信する。第4測定報告は、第4受信強度の測定結果DL_RX4が第2閾値TH2に対して第2閾値超過から第2閾値未満に変化した端末装置1を識別する端末識別情報を含む情報である。スモール基地局装置5は、端末装置1から第4測定報告を受信する。
【0051】
(ステップS42) スモール基地局装置5の基地局制御部53は、端末装置1から受信した第4測定報告に応じて、当該端末装置1のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求(DL-HO request)をマクロ基地局装置3へ送信する。マクロ基地局装置3は、スモール基地局装置5から端末装置1のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求を受信する。
【0052】
(ステップS43) マクロ基地局装置3の基地局制御部33は、スモール基地局装置5から受信した端末装置1のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ要求に応じて、当該端末装置1のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ応答(DL-HO Response)をスモール基地局装置5へ返信する。スモール基地局装置5は、マクロ基地局装置3から端末装置1のユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ応答を受信する。
【0053】
(ステップS44) スモール基地局装置5の基地局制御部53は、マクロ基地局装置3へ送信した端末装置1のダウンリンクハンドオーバ要求に対するダウンリンクハンドオーバ応答を当該マクロ基地局装置3から受信すると、当該端末装置1へユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示(DL-HO Command)を送信する。端末装置1は、スモール基地局装置5からユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示を受信する。
【0054】
(ステップS45) 端末装置1は、位置P6において、スモールセルCELSによりスモール基地局装置5との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行っている。次いで、端末装置1の端末制御部12は、スモール基地局装置5からユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示を受信すると、当該ユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ指示に応じて、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行う相手の基地局装置をスモール基地局装置5からマクロ基地局装置3へ切り替えるハンドオーバを行う。次いで、端末制御部12は、ユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ完了(DL-HO Confirm)をマクロ基地局装置3へ送信する。マクロ基地局装置3は、端末装置1からユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ完了を受信する。マクロ基地局装置3の基地局制御部33は、端末装置1から受信したユーザプレーンのダウンリンクハンドオーバ完了に応じて、当該端末装置1との間でユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うための制御を行う。
【0055】
上述のダウンリンクのハンドオーバ方法の例2によれば、位置P4から位置P6に移動した端末装置1について、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信を行うセルをスモールセルCELSからマクロセルCELMにハンドオーバすることが実現される。
【0056】
上述したように本実施形態によれば、ユーザプレーンのアップリンクとダウンリンクとで別々にハンドオーバを実現させることができる。これにより、例えば、ユーザプレーンのアップリンクの無線通信をスモールセルCELSにより行い、且つ、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信をマクロセルCELMにより行うことができる。ユーザプレーンのアップリンクの無線通信をスモールセルCELSにより行い、且つ、ユーザプレーンのダウンリンクの無線通信をマクロセルCELMにより行うことにより、例えば以下の効果1−3が得られる。
(効果1) アップリンクのSNR(信号対雑音比)を向上させ、端末装置1の送信電力を低減させる効果が得られる。
(効果2) 電波干渉に関する無線環境の改善を図る効果が得られる。
(効果3) アップリンクのデータレートの改善を図る効果が得られる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0058】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0059】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0060】
1…端末装置、3…マクロ基地局装置、5…スモール基地局装置、11,31,51…無線通信部、12…端末制御部、13…端末記憶部、21,61…測定部、22,62…測定報告部、32,52…通信部、33,53…基地局制御部、34,54…基地局記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9