(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、又は配列番号17、及びそれらの組み合わせから選択される配列を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
組換えDNA技術を使用して生成される化合物の出現は、動物、特にヒトの多種多様な疾患状態を治療する可能性を有する無数の治療剤の開発を容易にした。これらの薬剤は事実上、主にタンパク質である。
【0004】
表皮、皮膚の扁平重層上皮は、複数の副層から成り、そして外界に対する体の最も重要なバリアの一つである。角質層は表皮の最外層であり、有核表皮層の細胞からのケラチノサイト分化における最終無核化ステップの結果として生じる。角質層は最も重要な物理的バリアとして認識されるが、有核表皮層もバリア機能に重要である(Proksch、Brandnerら、2008)。ともに、皮膚バリアは、一方向の広範な水分喪失から(内外(inside−outside)バリア)、及び、環境からの有害物質の侵入から保護する(外内(outside−inside)バリア)(Proksch、Brandnerら、2008)。バリアの維持は基底層の平衡増殖及びカルシウムイオン勾配の保持、ひいては適切な表皮分化にも重要である(Lee、Jeongら、2006)。
【0005】
最近の研究は、皮膚片利共生微生物が健康な皮膚を維持し、皮膚バリアを維持するために不可欠であるということを示差する。片利共生微生物はそれらの対象、例えばヒトの宿主に有益なものである。研究は、特定の皮膚疾患(例えば尋常性座瘡及びアトピー性皮膚炎)が正常な細菌叢の乱れと関連付けることができることも示唆する(Lin、Wangら、2007)。それゆえ、皮膚の細菌叢が、健康を増進し又は疾患を抑制するために特定の皮膚片利共生生物を用いて調節され得るという考えはいくらかの注目を集めている(Muizzuddin、Maherら、2012)。多くの皮膚片利共生細菌は病原性であると考えられていないため、それらが治療価値を有する場合、これらの細菌は局所的に使用することができる可能性がある(Nakatsuji及びGallo 2014)。これまでのところ、本分野における限られた量の研究は、従来のプロバイオティック細菌が皮膚に使用される場合に大きな価値があり得ることを示唆する。例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)溶解物の局所適用は「反応性皮膚(reactive skin)」の臨床的改善を誘導することが示されている(Gueniche、Bastienら、2010)。これは、気温などの物理的変化及び局所適用製品に見られるような化学的変化に対してより敏感な皮膚である(Gueniche、Bastienら、2010)。ボランティアの皮膚へのB.ロンガム溶解物の適用は、テープストリッピング後に感受性を減少させ、かつ経表皮水分喪失量(transepidermal water loss)(TEWL)を減少させることを示した。さらに、エクス・ビボの(ex vivo)皮膚への当該溶解物の適用は炎症の兆候、例えば血管拡張、浮腫及びTNF−α放出を減少させることを示した(Gueniche、Bastienら、2010、Nakatsuji and Gallo 2014、Volz、Skabytskaら、2014)。ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)の局所適用はまた、火傷マウスモデルの組織修復を改善し、ヒトの慢性下腿潰瘍及び火傷における感染を予防することを実証した(Peral、Martinezら、2009、Peral、Rachidら、2010、Brachkova、Marquesら、2011)。
【0006】
しかしながら、皮膚の治療には現在多くの制限が存在する。多くの治療、例えば局所コルチコステロイド又は高価な生物製剤は、表皮における不足した内在性タンパク質、又は皮膚における微生物多様性の不均衡の根本的な問題を処理しない。組換えタンパク質は皮膚疾患の治療における治療剤の有望なグループを代表するが、いくつかの問題が文脈においてそれらの使用に付随する。従来の方法は、細菌系から抽出され、精製され、濃縮され、そして送達系に取り込まれる、組換えタンパク質の精製の使用を採用する。組換えタンパク質の精製は多くの場合、タンパク質を得るための非常に高価な方法である。さらに、タンパク質分解、非効率的な送達、及び治療効果を達成するための規定外の反復適用の必要性を含む、多くの問題がこれに付随する。
【0007】
本発明者らの方法は対照的に、細菌を皮膚でコロニー形成(colonize)させ、そして皮膚に有益な治療用ポリペプチドを持続的に分泌させることによって、これらの問題に対処する。このアプローチは、治療用タンパク質に適した送達系を作成することによって複数の局所適用の必要性を低減する。
【0008】
組換えタンパク質の生産のために現在までに使用されている微生物の大半は、生理学的フローラの通常の構成要素ではないか、任意の病原性リスクを欠いているので、ヒト及び動物に安全に投与することができない。このことは特に、多くの場合に病原性とみなされる大腸菌(Escherichia coli)に当てはまる。しかしながら、ここで、本発明者らは、ヒト及び動物に安全に投与することができる微生物、特に表皮ブドウ球菌を用いる組換えタンパク質の生産方法を説明する。
【0009】
組換えタンパク質の生産に既に使用されている他の種も、それらが非病原性及びヒト又は動物の粘膜にコロニー形成する能力の必要条件を満たすならば、使用することができる。例えば、枯草菌(Bacillus subtilis)は、その認識された有利な特性の観点から、多くの真核生物のタンパク質を生産するためにクローニングベクターとして幅広く使用されている(Simonen and Palva 1993)。それゆえ、本発明は、微生物を適切に選択し適応させることによって、ポリペプチドを発現させ、そして、実験室又は産業環境での生産にこれまで使用された発現ベクターを特定の皮膚疾患に対応させる(
図1参照)。それゆえ、本発明は、前記操作された微生物の治療的使用、及びそれを含有する組成物に関し、それによってヒトの皮膚状態を治療するための薬物の治療的送達の分野における長年の要望を満たす。
【0010】
湿疹としても知られているアトピー性皮膚炎(AD)は、通常、皮膚の最も外側の部分を含む保護層である皮膚の角質層に欠陥を伴う、慢性炎症性皮膚疾患である。この欠陥は遺伝的、環境的及び免疫学的要因の集合によって引き起こされ、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の過繁殖と関連する。ADの遺伝的基盤は、AD患者の約50%にみられるフィラグリン遺伝子(FLG)の欠陥を含むようである(McAleer 2013)。アトピー性皮膚炎の罹患率は増加しており、全世界の人口の0.1〜1%、先進国ではより高い割合で影響を与えている。ADは小児でより一般的であり、20%もの子供に影響を与える(McAleer 2013)。これらの子供のうち、25%は回復せず、成人期までアトピー性皮膚炎を患い続ける。多くの場合、ADは「アトピックマーチ(atopic march)」として知られるプロセスによって、喘息を含むより重度のアレルギー症状をもたらし得る。
【0011】
ADの病因は完全には解明されていないが、フィラグリン発現の欠陥はアトピー性皮膚炎の大部分の症例に起因し、その病因は免疫応答に関連している。ADは、乾燥皮膚、平均的な人よりもかゆみを起こしやすい皮膚、細菌、ウイルス、真菌などにより引き起こされる感染、ならびに感情的及び環境的要因の組み合わせによって引き起こされ得ることが示されている。フィラグリンは1q21表皮分化複合体上のFLG遺伝子によってコードされている。フィラグリンはケラチノサイトを分化させることによって産生されるタンパク質であり、そして、ケラチンフィラメントを、他の成分と組み合わせて周辺帯(cornified cell envelope)を含む細胞骨格へと凝集させる役割を果たす(Brown & McLean 2012)。フィラグリン機能喪失突然変異(R501X及び2282del4)は、最も一般的な角化の遺伝性疾患である尋常性魚鱗癬を引き起こす。同様の変異は、AD、刺激性接触皮膚炎、喘息、及び食物アレルギーを含む、他の皮膚及びアレルギー状態にも関連する。いくつかの研究は、皮膚でのフィラグリンの増加がAD表現型を緩和するのを助けることを示している(例えばStoutら、2014、Otsukaら、2014)。
【0012】
現在、ADの主な治療には局所コルチコステロイド及び抗生物質が挙げられ、そのいずれもADのより重症な症例では限られた有効性を有する。抗生物質の主な欠点には抗生物質耐性及びマイクロバイオーム生態系の調節異常の問題が挙げられる。マイクロバイオームは特定の環境に存在する微生物の集合体である。本明細書で言及されるマイクロバイオームは、最大のヒトの器官である皮膚に存在する微生物の全体である。局所コルチコステロイドは、軽度のAD患者に症状からの猶予を与えるが、慢性又は重度の疾患を有する患者の要望には対応していない。AD治療のためのいくつかの標的療法が開発中であるが、この市場における競争状況は、効果的なADのための標的療法に対する大いに満たされていない必要性を特徴とする。1つの生物学的療法であるデュピルマブ(Dupilumab)は、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(Regeneron Pharmaceuticals)及びサノフィ(Sanofi)によって開発されている、ADのための第II相臨床試験中の抗IL4/13受容体モノクローナル抗体である。この薬物は有望な有効性を示しており、今後5年以内に上市されることが期待される。ADの免疫調節のための他の類似の生物学的製剤が開発中である。しかしながら、これらの薬物は高い生産及びR&Dコストのために消費者に数万ドルの費用がかかることが予想され、保険会社は必ずしもそれらの費用をカバーしない可能性がある。これらの薬物は免疫応答を減衰させるが、それらは皮膚バリアの再構築、及び黄色ブドウ球菌(S.aureus)感染を予防するための微生物生態系の正常化に直接影響を及ぼさない。したがって、望ましくない副作用を最小限に抑えながら、ADのような異常な皮膚状態の有効な治療及び予防のための新たな組成物及び方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0013】
発明の概要
本発明は、皮膚状態を治療するために、有効成分として、非ワクチン性の(non−vaccinogenic)、薬理学的に活性な組換え治療用ポリペプチド(すなわちタンパク質、ペプチド、又はアミノ酸)を発現する操作された微生物を含有する、医薬組成物に言及する。このような非ワクチン性のポリペプチドは、ワクチンに用いられるものとは対照的に、一般的に免疫応答を誘発せず、なおかつ治療上有効なものである。
【0014】
本発明は、異常な皮膚状態の治療又は予防を必要とする患者(ヒト又は動物の対象)の当該状態の治療又は予防方法であって、以下、当該患者に、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、ラクトコッカス(Lactococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、(例えば、表皮ブドウ球菌)、ラクトバチルス(Lactobacillus)(例えば、L.アシドフィルス(L.acidophilus))、エンテロコッカス(Enterococcus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、ロイコノストック(Leuconostoc)、又はオエノコッカス(Oenococcus)、及びそれらの混合物から選択される細菌株を含有する細胞培養組成物を投与することを含み、ここで、当該組成物が異常な皮膚状態の治療処置又は予防のための組換えポリペプチドの治療上有効量を産生する少なくとも1つの操作された細菌株を含有する、方法に関する。
【0015】
一態様では、本発明は、該組成物が操作された細菌株を作成するために細菌DNAで組み換えられたヒト標的DNAを含む細菌株を含有する、方法に関する。
【0016】
別の態様では本発明は、該組成物が表皮ブドウ球菌の操作された株を含有する、方法に関する。
【0017】
別の態様では本発明は、該細胞培養組成物が生細胞培養組成物である、方法に関する。
【0018】
別の態様では本発明は、該皮膚状態が、乾癬、ざ瘡、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、表皮剥離性角化症(epidermolytic hyperkeratosis)、脂漏性皮膚炎、湿疹、乾燥皮膚、アレルギー、発疹、UV炎症を起こした皮膚(UV−irritated skin)、洗剤かぶれを起こした皮膚(detergent irritated skin)(洗剤に使用される酵素及び分子ならびにラウリル硫酸ナトリウムによって引き起こされる刺激を含む)、皮膚の菲薄化(thinning skin)(例えば高齢者及び子供の皮膚)、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、膿痂疹、白斑(vitiligio)、脱毛症、及び多毛症から選択される、方法に関する。
【0019】
別の態様では本発明は、該皮膚状態が湿疹である、方法に関する。
【0020】
別の態様では本発明は、該湿疹が軽度の湿疹である、方法に関する。
【0021】
別の態様では本発明は、該湿疹が中等度の湿疹である、方法に関する。
【0022】
別の態様では本発明は、該湿疹が重度の湿疹である、方法に関する。
【0023】
別の態様では本発明は、該皮膚状態が手湿疹である、方法に関する。
【0024】
別の態様では本発明は、異常な皮膚状態の治療又は予防を必要とする患者(ヒト又は動物の対象)の当該状態の治療又は予防方法であって、当該患者に、ビフィドバクテリウム、ブレビバクテリウム、プロピオニバクテリウム、ラクトコッカス、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス(例えば、表皮ブドウ球菌)、ラクトバチルス(例えば、L.アシドフィルス)、エンテロコッカス、ペディオコッカス、ロイコノストック、又はオエノコッカス、及びそれらの混合物から選択される細菌株を含有する細胞培養組成物を投与することを含み、ここで、当該細胞培養組成物が、異常な皮膚状態の治療処置又は予防のための(a)フィラグリンのアミノ酸配列、(b)分泌シグナル、及び(c)細胞膜透過性ペプチド(cell penetrating peptide)を含む組換えポリペプチドの治療上有効量を産生する少なくとも1つの操作された細菌株を含有する、方法に関する。
【0025】
別の態様では本発明は、該細胞培養組成物が表皮ブドウ球菌を含有する、方法に関する。
【0026】
別の態様では本発明は、該細胞培養組成物が生きた培養組成物である、方法に関する。
【0027】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、又は配列番号17、及びそれらの組み合わせから選択される配列を含む、方法に関する。
【0028】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が配列番号1を含む、方法に関する。
【0029】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1と少なくとも約75%の相同性を有する、方法に関する。
【0030】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1と少なくとも約80%の相同性を有する、方法に関する。
【0031】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1と少なくとも約85%の相同性を有する、方法に関する。
【0032】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1と少なくとも約90%の相同性を有する、方法に関する。
【0033】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1と少なくとも約95%の相同性を有する、方法に関する。
【0034】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、又は配列番号17から選択される配列と、少なくとも約75%の相同性、又は80%の相同性、又は85%の相同性、又は90%の相同性、又は95%の相同性を有する、方法に関する。
【0035】
別の態様では本発明は、該皮膚状態が、乾癬、ざ瘡、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、表皮剥離性角化症、脂漏性皮膚炎、湿疹、乾燥皮膚、アレルギー、発疹、UV炎症を起こした皮膚、洗剤かぶれを起こした皮膚(洗剤に使用される酵素及び分子ならびにラウリル硫酸ナトリウムによって引き起こされる刺激を含む)、皮膚の菲薄化(例えば高齢者及び子供の皮膚)、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、膿痂疹、白斑(vitiligio)、脱毛症、及び多毛症から選択される、方法に関する。
【0036】
別の態様では本発明は、該皮膚状態が湿疹である、方法に関する。
【0037】
別の態様では本発明は、異常な皮膚状態の治療又は予防を必要とする患者(ヒト又は動物の対象)の当該状態の治療又は予防用の医薬組成物であって、以下、(a)ビフィドバクテリウム、ブレビバクテリウム、プロピオニバクテリウム、ラクトコッカス、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス(例えば、表皮ブドウ球菌)、ラクトバチルス(例えば、L.アシドフィルス)、エンテロコッカス、ペディオコッカス、ロイコノストック、又はオエノコッカス、及びそれらの混合物から選択される細菌株を含有する細胞培養組成物であって、異常な皮膚状態の治療処置又は予防のための組換えポリペプチドの治療上有効量を産生する少なくとも1つの操作された細菌株を含有する細胞培養組成物、ならびに、(b)薬学的に許容される担体、を含有する、医薬組成物に関する。
【0038】
別の態様では本発明は、該組成物が、細菌DNAで組み換えられたヒト標的DNAを含む細菌株を含有する、医薬組成物に関する。
【0039】
別の態様では本発明は、該組成物が表皮ブドウ球菌の操作された株を含有する、医薬組成物に関する。
【0040】
別の態様では本発明は、該組成物が生細胞培養組成物を含有する、医薬組成物に関する。
【0041】
別の態様では本発明は、該組成物が、0%の水から約90%以下の水を含有する、医薬組成物に関する。
【0042】
別の態様では本発明は、水溶液、エマルジョン、クリーム、ローション、ゲル又は軟膏から選択される薬学的に許容される担体に関する。
【0043】
別の態様では本発明は、異常な皮膚状態の治療又は予防を必要とする患者(ヒト又は動物の対象)の当該状態の治療又は予防用の医薬組成物であって、以下、(I)ビフィドバクテリウム、ブレビバクテリウム、プロピオニバクテリウム、ラクトコッカス、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス(例えば、表皮ブドウ球菌)、ラクトバチルス(例えば、L.アシドフィルス)、エンテロコッカス、ペディオコッカス、ロイコノストック、又はオエノコッカス、及びそれらの混合物から選択される細菌株を含有する細胞培養組成物であって、異常な皮膚状態の治療処置又は予防のための(a)フィラグリンのアミノ酸配列、(b)分泌シグナル、及び(c)細胞膜透過性ペプチドを含む組換えポリペプチドの治療上有効量を産生する少なくとも1つの操作された細菌株を含有する、細胞培養組成物、ならびに、(II)薬学的に許容される担体、を含有する、医薬組成物に関する。
【0044】
別の態様では本発明は、該細胞培養組成物が、細菌DNAで組み換えられたヒト標的DNAを含む細菌株を含有する、医薬組成物に関する。
【0045】
別の態様では本発明は、該細胞培養組成物が表皮ブドウ球菌を含有する、医薬組成物に関する。
【0046】
別の態様では本発明は、該細胞培養組成物が生細胞培養組成物である、医薬組成物に関する。
【0047】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、又は配列番号17、及びそれらの組み合わせから選択される配列を含む、医薬組成物に関する。
【0048】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が配列番号1を含む、医薬組成物に関する。
【0049】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1と少なくとも約75%の相同性を有する、医薬組成物に関する。
【0050】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1と少なくとも約80%の相同性を有する、医薬組成物に関する。
【0051】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1と少なくとも約85%の相同性を有する、医薬組成物に関する。
【0052】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1と少なくとも約90%の相同性を有する、医薬組成物に関する。
【0053】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号1と少なくとも約95%の相同性を有する、医薬組成物に関する。
【0054】
別の態様では本発明は、該フィラグリンのアミノ酸配列が、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、又は配列番号17から選択される配列と、少なくとも約75%の相同性、又は80%の相同性、又は85%の相同性、又は90%の相同性、又は95%の相同性を有する、医薬組成物に関する。
【0055】
別の態様では本発明は、該組成物が、0%の水から約90%以下の水を含有する、医薬組成物に関する。
【0056】
別の態様では本発明は、該薬学的に許容される担体が水溶液、エマルジョン、クリーム、ローション、ゲル又は軟膏である、医薬組成物に関する。
【0057】
別の態様では本発明は、異常な皮膚状態の治療又は予防を必要とする患者(ヒト又は動物の対象)の当該状態の治療又は予防用の医薬の製造のための細胞培養組成物の使用であって、当該細胞培養組成物が、ビフィドバクテリウム、ブレビバクテリウム、プロピオニバクテリウム、ラクトコッカス、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス(例えば、表皮ブドウ球菌)、ラクトバチルス(例えば、L.アシドフィルス)、エンテロコッカス、ペディオコッカス、ロイコノストック、又はオエノコッカス、及びそれらの混合物から選択される細胞株を含有し、異常な皮膚状態を治療し又は予防するための組換えポリペプチドの治療上有効量を産生する少なくとも1つの操作された細菌株を含有する、使用に関する。
【0058】
別の態様では本発明は、異常な皮膚状態の治療又は予防を必要とする患者(ヒト又は動物の対象)の当該状態の治療又は予防用の医薬の製造のための細胞培養組成物の使用であって、当該細胞培養組成物が、ビフィドバクテリウム、ブレビバクテリウム、プロピオニバクテリウム、ラクトコッカス、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス(例えば、表皮ブドウ球菌)、ラクトバチルス(例えば、L.アシドフィルス)、エンテロコッカス、ペディオコッカス、ロイコノストック、又はオエノコッカス、及びそれらの混合物から選択される細胞株を含有し、異常な皮膚状態の治療処置又は予防のための(a)フィラグリンのアミノ酸配列、(b)分泌シグナル、及び(c)細胞膜透過性ペプチドを含む組換えポリペプチドの治療上有効量を産生する少なくとも1つの操作された細菌株を含有する、使用に関する。
【0059】
定義
本明細書で使用される場合、以下の用語は特に断らない限り以下の意味を有する。
【0060】
本明細書で使用される場合、用語「異常な皮膚状態」は、一般的にヒトの皮膚の正常又は基本状態と比較して望ましくない又は有害である皮膚の状態(state)又は状態(condition)を指す。異常な皮膚状態の例には、乾癬、ざ瘡、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、表皮剥離性角化症、脂漏性皮膚炎、湿疹、乾燥皮膚、アレルギー、発疹、UV炎症を起こした皮膚、洗剤かぶれを起こした皮膚(洗剤に使用される酵素及び分子ならびにラウリル硫酸ナトリウムによって引き起こされる刺激を含む)、皮膚の菲薄化(例えば高齢者及び子供の皮膚)、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、膿痂疹、白斑(vitiligio)、脱毛症、及び多毛症が挙げられる。
【0061】
本明細書で使用される場合、用語「患者」又は「対象」は、本発明の治療及び組成物に供されるであろうヒト又は動物(動物の場合、より典型的には家畜哺乳動物などの哺乳動物、又は家禽動物などの動物ならびに魚及び他の魚介類又は淡水食生物(freshwater food creatures))、を指す。このような患者又は対象は、本発明の医薬組成物、あるいは、異常な皮膚状態を治療し、予防し、又はそのリスクを低減する方法の必要があると考えられるであろう。
【0062】
本明細書で使用される場合、用語「治療上有効量」は、薬学的に活性な化合物、又は化合物の組み合わせの量、あるいは、病態又は病状、例えば異常な皮膚状態を治療し、予防し、又はそのリスクを低減するために、単独又は組み合わせて投与される場合に、操作された細菌株又は株(複数)によってもたらされる薬学的に活性な化合物、例えば皮膚治療剤又は剤(複数)、の量を指す。当該用語は、活性化合物又は化合物の組み合わせを含有する医薬組成物、あるいは薬学的に活性な化合物をもたらす操作された細菌株又は株(複数)の量も指す。例えば、有効量は、化合物の量、あるいは、生物学的活性、例えば異常な皮膚状態治療し又は予防するための活性を誘発するのに十分な、レシピエント患者又は対象に与えられる製剤中に存在する操作された細菌株又は株(複数)によってもたらされた化合物の量を指す。
【0063】
本明細書で使用される場合、語句「薬学的に許容される」は、それらの活性化合物、材料、操作された細菌株又は株(複数)、組成物、担体、及び/又は剤形を指し、それは、妥当な医学的判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比に見合った、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題又は合併症なしに、人間及び動物の組織に接触した使用に適している。
【0064】
本明細書で使用される場合、用語「治療する」は、異常な皮膚状態を治癒し又は改善する治療的介入を提供することを指す。
【0065】
本明細書で使用される場合、用語「予防する」は、例えば患者又は対象が異常な皮膚状態になりやすい、又は異常な皮膚状態にかかるリスクがある場合に、異常な皮膚状態が生じるのを完全に又はほぼ完全に阻止することを指す。予防することは、抑制、すなわち異常な皮膚状態の発症を阻止することも含み得る。
【0066】
本明細書で使用される場合、用語「のリスクを低減する」は、例えば患者又は対象が異常な皮膚状態になりやすい、又は異常な皮膚状態にかかるリスクがある場合に、異常な皮膚状態の発生の可能性又は確率を低下させることを意味する。
【0067】
本明細書で使用される場合、用語「操作された細菌株」は、生体外で調製されたDNAの細菌株への導入によって「遺伝子的に改変された」又は「操作された」細菌の株を指す。例えば、新しい遺伝子を含むプラスミドDNAの細菌への導入は、細菌にそれらの遺伝子を発現させるであろう。あるいは、新しい遺伝子を含むDNAを細菌に導入し、その後、細菌がそれらの遺伝子を発現することになる細菌のゲノムに組み込むことができる。
【0068】
本明細書で使用される場合、用語「担体」、「担体系」又は「ビヒクル」は、患者又は対象に局所的に適用される組成物で投与するための薬学的に活性な成分又はその他の物質を送達し、含み、又は「担持する」のに適している相溶性のある物質を指す。本明細書中で有用な担体は薬学的に許容されるべきである。本明細書中で有用な担体及びビヒクルは、非毒性であり、かつ有害な方法で含まれている製剤の他の成分と相互作用しない、当該技術分野で知られている任意のそのような材料を含む。用語「水性」は、水を含有する製剤、あるいは皮膚又は粘膜組織への適用後に水を含有するようになる製剤を指す。「担体」のさらなる例には、水、低級アルコール、高級アルコール、多価アルコール、単糖、二糖、多糖、炭化水素油、油脂、ワックス、脂肪酸、シリコーン油、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ならびにそのような担体の水ベースの混合物及びエマルジョンベースの混合物が挙げられる。
【0069】
本明細書で使用される場合、用語「ポリペプチド」又は「タンパク質」は、鎖中に一緒に結合しているアミノ酸残基から成る生体分子又は巨大分子を指す。本明細書で用いられるポリペプチドの定義は、アミノ酸残基の1又は複数の長鎖から成るタンパク質(一般に高分子量)、及び数個のアミノ酸の小ペプチド(一般に低分子量)を包含することを意図する。他の実施形態では、技術的にはポリペプチドではないが、単一アミノ酸も本発明の範囲内であるとみなされる。
【発明を実施するための形態】
【0071】
発明の詳細な説明
本発明は、皮膚疾患の治療又は予防のための組換え治療用ポリペプチドを発現するように遺伝子組換えが行われている皮膚コロニー形成細菌を提供する(
図1)。遺伝子操作されたタンパク質産生細菌を使用することは、皮膚疾患を治療する先行技術の方法よりもいくつかの利点を有する。治療用タンパク質は皮膚状態に結びつく欠陥の根本的な原因を治療することができる。さらに、細菌は治療用タンパク質を持続的に産生するために挿入された遺伝子を保持しながら、自己複製することができる。
【0072】
本発明は皮膚コロニー形成細菌、例えばヒトフィラグリンを発現するように遺伝子組換えが行われている表皮ブドウ球菌などを提供する。遺伝子操作されたフィラグリン産生細菌を使用することは、フィラグリンの補充を用いるよりもいくつかの利点を有する。第1に、細菌は挿入されたフィラグリン遺伝子を保持しながら自己複製することができる。第2に、表皮ブドウ球菌は皮膚に常在し、ADフレアにおける皮膚フローラを支配する同じジャンルの細菌種である黄色ブドウ球菌の増殖を抑制することが示されている。
【0073】
1.細菌株
細胞培養組成物
広い範囲の細菌が本発明での使用に適している。例としては、非病原性及び片利共生細菌が挙げられるが、これらに限定されない。本発明での使用に適している細菌には、ビフィドバクテリウム、ブレビバクテリウム、プロピオニバクテリウム、ラクトコッカス、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス(例えば、表皮ブドウ球菌)、ラクトバチルス(例えば、L.アシドフィルス)、ペディオコッカス、ロイコノストック、又はオエノコッカスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0074】
特定の実施形態は細菌の表皮ブドウ球菌の使用を含む。使用されることになる表皮ブドウ球菌の株はバイオフィルムを生成することができない。この例は表皮ブドウ球菌株ATCC12228である。
【0075】
しかしながら、皮膚に見られる他の関連又は類似の種を使用することもできる。
【0076】
2.フィラグリン及びフィラグリン遺伝子
本発明の実施形態で選択された有用な遺伝子はフィラグリン(FLG)をコードする哺乳動物遺伝子である。フィラグリンはケラチノサイトを分化させることによって産生されるタンパク質であり、そして、ケラチンフィラメントを他の成分と組み合わせて周辺帯を含む細胞骨格へと凝集させる役割を果たす。FLGは染色体1q21上に位置する大きな遺伝子であり、タンパク質分解されて機能性フィラグリンモノマーを放出する不要性ポリタンパク質であるプロフィラグリンを産生する(Armengot−Carboら、2014)。本発明のための遺伝子は任意の哺乳動物由来のものとすることができる。非限定的な例としては、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ウシ、イヌ、霊長類、またはヒト遺伝子配列が挙げられる。好ましい実施形態では、当該遺伝子配列はヒト遺伝子配列である。フィラグリンタンパク質の非限定的な例は表1に記載され、その配列はさらに対応する配列表に記載される。
【0078】
3.分泌シグナル
分泌シグナル又は輸出シグナルは、タンパク質が分泌経路に向かうことになっており、そのため細胞から分泌されることを示す、タンパク質上のペプチドである。細菌細胞の外にタンパク質、例えばフィラグリン分子の排出を促進する任意の分泌シグナルは、分泌シグナルとして考えられる。分泌シグナルの非限定的な例を表2に記載する。
【0080】
4.細胞膜透過性ペプチド
細胞膜透過性ペプチドは、受容体を使用することなく、そして著しい膜の損傷を引き起こすことなく、イン・ビボでのカーゴ(cargo)の輸送を媒介するために使用することができる。皮膚ケラチノサイトへの侵入を促進する細胞膜透過性ペプチドは本発明の細胞膜透過性ペプチドとして考えられる。非限定的な例を表3に記載する。
【0082】
5.遺伝子コンストラクト
本発明は標準的な分子生物学技術、例えば(Sambrookら、2001)に記載されるものを利用する。本発明に使用される遺伝子コンストラクトの例は、プラスミドベクターpBT−2(
図2)、大腸菌とブドウ球菌(Staphylococcal)種との間の対立遺伝子交換シャトルベクターに基づく(Nakanishi、Oshidaら、1986)。
図3のプラスミドは、治療用タンパク質をコードする遺伝子のcDNAをpBT−2のMCSの制限部位に挿入することによって構築される。インサートはプロモーターによって駆動されるコーディング配列を含む。このようなプロモーターは構成的又は誘導性のいずれかとすることができる。誘導性プロモーターの例としては、化学化合物、例えばアルコール、糖類、金属、又はテトラサイクリンによって、あるいは物理的要因、例えば光又は高温によって活性化されるものが挙げられる。
【0083】
遺伝子コンストラクトはプラスミドベクターpJB38、大腸菌とブドウ球菌種との間の対立遺伝子交換シャトルベクターに基づくことができる。(Cheung ALら、2004)参照。ヒトFLGのmRNA配列はジーンバンクアクセッション番号NM_002016を有し、上記配列番号1として再現される。プラスミドpAZT−01(
図5)は、FLGのcDNAの一部をpJB38の制限部位に挿入することによって構築することができる。インサートは構成的キシロースプロモーターによって駆動されるコーディング配列を含む。当該コンストラクトは分泌シグナル及び細胞膜透過性ペプチドもコードし、したがってフィラグリン融合タンパク質をもたらす。
【0084】
6.組換え細菌株の使用
治療されることになる障害は、皮膚に関連する任意の障害で有り得ることが理解されるであろう。好ましい実施形態では、障害は、乾癬、ざ瘡、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、表皮剥離性角化症、脂漏性皮膚炎、湿疹、乾燥皮膚、アレルギー、発疹、UV炎症を起こした皮膚、洗剤かぶれを起こした皮膚(洗剤に使用される酵素及び化合物ならびにラウリル硫酸ナトリウムによって引き起こされる刺激を含む)、皮膚の菲薄化(例えば高齢者及び子供の皮膚)、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、膿痂疹、白斑(vitiligio)、脱毛症、及び多毛症を含む群から選択される。
【0085】
本発明に従って投与することができるタンパク質の例は主に真核生物のタンパク質である。これらは単一のアミノ酸、小ペプチド、及び大きなタンパク質を含むことができるが、これらに限定されない。より具体的には、組換え治療用タンパク質として本発明において有用なタンパク質をコードする遺伝子には、以下の遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14及びIL−15を含むが、これらに限定されない遺伝子のインターロイキンファミリーのメンバー、ならびにそれらの受容体アンタゴニストをコードする遺伝子。エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、マクロファージコロニー刺激因子、幹細胞因子、白血病抑制因子及びトロンボポエチンを含むがこれらに限定されない、造血成長因子をコードする遺伝子も本発明において企図される。向神経性因子(neurotropic factors)をコードする遺伝子も企図され、神経成長因子、脳由来神経栄養因子および毛様体神経栄養因子を含むがこれらに限定されない。加えて、IFN−アルファ、IFN−ベータ及びIFN−ガンマを含むがこれらに限定されない、インターフェロンをコードする遺伝子が含まれる。さらに本発明に企図されるのは、ケモカインをコードする遺伝子、例えばサイトカインのC−Cファミリー及びC−X−Cファミリー、ホルモンをコードする遺伝子、例えばプロインスリン及び成長ホルモン、ならびに、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ又は他の酵素、例えばトリプシンインヒビターを含む、血栓溶解酵素をコードする遺伝子である。本発明は組織修復因子、成長及び調節因子、例えば、これらに限定されないが、オンコスタチンM(oncostatine M)、血小板由来成長因子、線維芽細胞増殖因子、上皮増殖因子、肝細胞増殖因子、骨形態形成タンパク質、インスリン様成長因子、カルシトニン、トランスフォーミング増殖因子アルファ及びベータをコードする遺伝子をさらに含む。さらに企図される遺伝子は、構造タンパク質、例えばフィラグリン、アクチン、コラーゲン、フィブリン、エラスチン又は硬タンパク質をコードする遺伝子を含む。
【0086】
製剤
本発明に係る使用のための製剤は、治療上有効量の所望のポリペプチドを産生するための任意の薬学的有効量の組換え細菌、例えば、組換え細菌の重量で少なくとも約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.5%、約2.0%、約3.0%、約4.0%、約5.0%、約6.0%、約7.0%、約8.0%、約9.0%、約10.0%、約11.0%、約12.0%、約13.0%、約14.0%、約15.0%、約16.0%、約17.0%、約18.0%、約19.0%、約20.0%、約25.0%、約30.0%、約35.0%、約40.0%、約45.0%、約50.0%又はそれ以上を含むことができ、その上限は組換え細菌の約90.0重量%であることがさらに明らかであろう。
【0087】
代替の実施形態では、本発明に係る使用のための製剤は、例えば、組換え細菌の重量で少なくとも約0.01%から約30%、約0.01%から約20%、約0.01%から約5%、約0.1%から約30%、約0.1%から約20%、約0.1%から約15%、約0.1%から約10%、約0.1%から約5%、約0.2%から約5%、約0.3%から約5%、約0.4%から約5%、約0.5%から約5%、約1%から約5%、又はそれ以上を含むことができる。
【0088】
本発明における使用のための局所製剤は、体表面への適用に適した任意の形態、例えばクリーム、ローション、スプレー、溶液、ゲル、軟膏、ペースト、プラスター、ペイント(paint)、生体接着剤、懸濁剤、エマルジョンなどとすることができ、及び/又は、リポソーム、ミセル及び/又はマイクロスフェアを含むように調製することができる。このような製剤は、体表面から蒸発する水分が体表面への適用時及びその後に製剤中に維持されるように、閉塞性被覆層(occlusive overlayer)と組み合わせて使用することができる。当該製剤は生細胞培養組成物を含むことができ、そして組換えポリペプチドを産生する少なくとも1つの操作された細菌株を含むことができる。この操作された生細胞培養組成物は異常な皮膚状態を治療し又は予防するために、皮膚に直接ポリペプチドを送達することができる。
【0089】
局所製剤は、任意の他の活性成分(複数)が当該技術分野で知られている皮膚科学的ビヒクル(例えば水性又は非水性ゲル、軟膏、油中水型又は水中油型エマルジョン)中に溶解され又は分散されるものを含む。そのようなビヒクルの構成成分は、水、水性緩衝液、非水性溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノラウレート、グリコフロール又はグリセロール)、油(例えば鉱物油、例えば流動パラフィン、天然又は合成トリグリセリド、例えばミグリオール(商標)、あるいはシリコーン油、例えばジメチコン)を含むことができる。とりわけ、製剤の性質ならびに意図される使用及び適用の部位に応じて、用いられる皮膚科学的ビヒクルは、以下のリスト:可溶化剤又は溶媒(例えばβ−シクロデキストリン、例えばヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、あるいはアルコール又はポリオール、例えばエタノール、プロピレングリコール又はグリセロール);増粘剤(例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はカルボマー);ゲル化剤(例えばポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体);保存剤(例えばベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、クロルブトール、安息香酸、ソルビン酸カリウムもしくはEDTA又はそれらの塩);及びpH緩衝剤(複数)(例えば、リン酸二水素塩とリン酸水素塩との混合物、またはクエン酸とリン酸水素塩との混合物)、から選択される1又は複数の成分(例えば、製剤が水性ゲルの場合、水に加えられる成分)を含むことができる。
【0090】
薬学的に許容される担体も本発明の製剤中に組み込むことができ、当該技術分野で従来使用されている任意の担体とすることができる。その例としては水、低級アルコール、高級アルコール、多価アルコール、単糖、二糖、多糖、炭化水素油、油脂、ワックス、脂肪酸、シリコーン油、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ならびにそのような担体の水ベースの混合物及びエマルジョンベースの混合物が挙げられる。用語「薬学的に許容される」又は「薬学的に許容される担体」は、望ましくない生物学的効果又は製剤の他の成分との不要な相互作用なしに医薬製剤に組み込むことができる化合物又は組成物を意味するために本明細書中で使用される。本明細書で使用される「担体」又は「ビヒクル」は、局所適用される組成物への組み込みに適した担体材料を指す。本明細書において有用な担体及びビヒクルは、非毒性であり、かつ有害な方法で含まれている製剤の他の成分と相互作用しない当該技術分野で知られている任意のそのような材料を含む。用語「水性」は、水を含有する製剤、あるいは皮膚又は粘膜組織への適用後に水を含有するようになる製剤を指す。
【0091】
フィルム形成剤(film former)は、それが乾燥している場合、適用の部位を覆う保護フィルムを形成する。フィルムは活性成分の除去を抑制し、治療されている部位と接触して活性成分を維持する。本発明における使用に適したフィルム形成剤の例は弾性コロジオン(Flexible Collodion)、USPである。Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版(Easton、PA: Mack Publishing Co.,1995)、の1530ページに記載されるように、コロジオンは、蒸発してピロキシリンのフィルムを残す、ピロキシリン(ニトロセルロース)を含有するエチルエーテル/エタノール溶液である。フィルム形成剤はさらに担体として作用することができる。乾燥してフィルムを形成する溶液はしばしばペイントと呼ばれる。クリームは、医薬製剤の分野でよく知られているように、水中油型又は油中水型いずれかの粘稠液又は半固体エマルジョンである。
【0092】
クリーム基剤は水洗性であり、そして油相、乳化剤、及び水相を含む。油相は「内部」相とも呼ばれ、一般的にワセリン及び脂肪アルコール、例えばセチル又はステアリルアルコールからなる。水相は通常、必ずではないが、体積で油相を超え、かつ一般的に保湿剤を含有する。クリーム製剤中の乳化剤は一般に、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性界面活性剤である。
【0093】
ローションは摩擦なしに皮膚表面に適用される調製物であり、典型的には、活性剤を含む粒子が水又はアルコール基剤中に存在する液体又は半液体調製物である。ローションは通常、固体の懸濁液であり、好ましくは水中油型の液体油性エマルジョンを含む。ローションは、より流動性の組成物を適用する容易さのために、広い体面積を治療するのに本明細書において好ましい製剤である。一般的にローション中の不溶物が微細化されることが必要である。
【0094】
ローションは典型的に、より良い分散液、ならびに皮膚に接触する活性剤を局在化し及び保持するのに有用な化合物を生成するための懸濁化剤、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどを含有することになる。
【0095】
溶液は、1又は複数の化学物質(溶質)を、溶解される物質の分子が溶媒の分子の中に分散されるような液体中に、溶解することによって調製された均質な混合物である。溶液は、溶質を緩衝し、安定化し又は保存するためのその他の薬学的又は化粧品的に許容される化学物質を含むことができる。溶液の調製に使用される溶媒の一般的な例は、エタノール、水、プロピレングリコール又は任意の他の許容されるビヒクルである。当然よく知られているように、ゲルは半固体の懸濁型系(suspension−type systems)である。単層ゲルは、典型的に水性である担体液全体に実質的に均質に分散した有機高分子を含むだけでなく、好ましくはアルコール、そして場合により油も含む。好ましい「有機高分子」すなわち、ゲル化剤は、架橋アクリル酸ポリマー、例えばポリマーの「カルボマー」ファミリー、例えば、カーボポール(Carbopol)の商標で商業的に得られるカルボキシポリアルキレンである。親水性ポリマー、例えばポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、及びポリビニルアルコール;セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びメチルセルロース;ガム、例えばトラガカント及びキサンタンガム;アルギン酸ナトリウム;ならびにゼラチンも好ましい。均質なゲルを調製するために、分散剤、例えばアルコール又はグリセリンを添加することができ、あるいは、ゲル化剤は粉砕、機械的混合もしくは撹拌、又はそれらの組み合わせによって分散され得る。軟膏は、当該技術分野でもよく知られているように、典型的にワセリン又は他の石油誘導体に基づく半固体の調製物である。使用されることになる特定の軟膏基剤は、当業者に認識されるように、多くの望ましい特性、例えば、軟化性(emolliency)などを提供することになるものである。その他の担体又はビヒクルと同様に、軟膏基剤は不活性、安定、非刺激性、及び非感作性でなければならない。Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版(Easton、PA: Mack Publishing Co.,1995)、1399〜1404ページに記載されているように、軟膏基剤は4つのクラス:油脂性基剤;乳化性(emulsifiable)基剤;エマルジョン基剤;及び水溶性基剤に分類することができる。油脂性軟膏基剤には、例えば、植物油、動物から得られる脂肪、及び石油から得られる半固体の炭化水素が挙げられる。吸収性軟膏基剤としても知られている乳化性軟膏基剤は、水をほとんど又は全く含まず、そして例えばヒドロキシステアリン硫酸(hydroxystearin sulfate)、無水ラノリン、及び親水性ワセリンを含む。
【0096】
エマルジョン軟膏基剤は油中水型(W/O)エマルジョン又は水中油型(O/W)エマルジョンのいずれかであり、例えば、アセチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリン、及びステアリン酸を含む。好ましい水溶性軟膏基剤は様々な分子量のポリエチレングリコールから調製される;詳細についてはRemington:The Science and Practice of Pharmacyを参照のこと。
【0097】
ペーストは活性剤が好適な基剤に懸濁される半固体の剤形である。その基剤の性質に応じて、ペーストは脂肪ペースト又は単相水性ゲルから作られたペーストに分けられる。脂肪ペースト中の基剤は一般にワセリン又は親水性ワセリンなどである。単相水性ゲルから作られたぺーストは一般に、カルボキシメチルセルロースなどを基剤として取り入れる。
【0098】
エンハンサーは、典型的に「可塑化」エンハンサーといわれる親油性コエンハンサー(co−enhancers)、すなわち、約150から1000の範囲の分子量、約1重量%未満、好ましくは約0.5重量%未満、及び最も好ましくは約0.2重量%未満の水溶解度を有するエンハンサーである。可塑化エンハンサーのヒルデブランド(Hildebrand)溶解度パラメータδは、約2.5から約10の範囲、好ましくは約5から約10の範囲である。好ましい親油性エンハンサーは脂肪エステル、脂肪アルコール、及び脂肪エーテルである。特定の最も好ましい脂肪酸エステルの例としては、ラウリン酸メチル、オレイン酸エチル、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールグリセロールジラウレート、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、イソプロピルn−デカノエートおよびオクチルドデシルミリステートが挙げられる。脂肪アルコールには、例えばステアリルアルコール及びオレイルアルコールが挙げられ、脂肪族エーテルはジオール又はトリオール、好ましくはC
2〜C
4アルカンジオール又はトリオールが1又は2つの脂肪族エーテル置換基で置換されている化合物を含む。
【0099】
追加の透過エンハンサーは局所薬物送達の分野における当業者に知られることとなり、及び/又は、関連する文書及び文献に記載されている。例えば、Percutaneous Penetration Enhancers、編集者Smithら(CRC Press、1995)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
【0100】
様々なその他の添加剤が上記で定義されたものに加えて本発明の組成物に含まれ得る。これらには、抗酸化剤、収斂剤、香料、保存剤、皮膚軟化剤、顔料、色素、保湿剤、プロペラントおよび日焼け止め剤、並びに、その存在が薬学的に又は他の点で望ましくなり得る他のクラスの物質が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の製剤に含めるための任意の添加剤の典型的な例は以下の通りである:保存剤、例えばソルベート;溶媒、例えばイソプロパノール及びプロピレングリコール;収斂剤、例えばメントール及びエタノール;皮膚軟化剤、例えばポリアルキレンメチルグルコシド;保湿剤、例えばグリセリン;乳化剤、例えばグリセロールステアレート、PEG−100ステアレート、ポリグリセリル−3ヒドロキシラウリルエーテル、及びポリソルベート60;ソルビトール及び他のポリヒドロキシアルコール、例えばポリエチレングリコール;日焼け止め剤、例えばオクチルメトキシルシンナメート(octyl methoxyl cinnamate)(Parsol MCXとして市販されている)及びブチルメトキシベンゾイルメタン(Parsol 1789の商品名で入手可能);抗酸化剤、例えばアスコルビン酸(ビタミンC)、α−トコフェロール(ビタミンE)、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ε−トコフェロール、ζ
1−トコフェロール、ζ
2−トコフェロール、η−トコフェロール、及びレチノール(ビタミンA);精油、セラミド、必須脂肪酸、鉱油、植物油(例えば、大豆油、ヤシ油、シアバターの液体画分、ヒマワリ油)、動物油(例えば、ペルヒドロスクワレン)、合成油、シリコーン油又はワックス(例えば、シクロメチコン及びジメチコン)、フッ素化油(一般にパーフルオロポリエーテル)、脂肪アルコール(例えば、セチルアルコール)、及びワックス(例えば、蜜蝋、カルナバワックス、及びパラフィンワックス);皮膚感調整剤(skin−feel modifiers);及び増粘剤及び構造剤(structurants)、例えば膨潤粘土、及びCarbopolの商標で商業的に入手することができる架橋カルボキシポリアルキレン。その他の添加剤は、有益な薬剤、例えば皮膚(特に、角質層における皮膚の上層)を調整し、その含水量の減少を抑制することによって皮膚を柔軟に保ち、及び/又は、皮膚を保護する物質を含む。このような調整剤及び保湿剤は、例として、ピロリジンカルボン酸及びアミノ酸;有機抗殺菌剤、例えば2,4,4’−トリクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)及び安息香酸;抗炎症剤、例えばアセチルサリチル酸およびグリシルレチン酸;抗脂漏剤(anti−seborrhoeic agents)、例えばレチノイン酸;血管拡張剤、例えばニコチン酸;メラニン生成の阻害剤、例えばコウジ酸;ならびにそれらの混合物が挙げられる。さらなる追加の活性剤には、例えば、アルファヒドロキシ酸、アルファケト酸、高分子ヒドロキシ酸(polymeric hydroxyacids)、モイスチャライザー、コラーゲン、海洋エキス、及び抗酸化剤、例えばアスコルビン酸(ビタミンC)、α−トコフェロール(ビタミンE)、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ε−トコフェロール、ζ
1−トコフェロール、ζ
2−トコフェロール、η−トコフェロール、及びレチノール(ビタミンA)、及び/又は、それらの薬学的に許容される塩、エステル、アミド、もしくは他の誘導体が挙げられる。好ましいトコフェロール化合物はα−トコフェロールである。追加の薬剤は、例えば、いずれもLancaster Group AGに譲渡された、Grossらの国際公開第94/00098号及びGrossらの国際公開第94/00109号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載された、皮膚組織における酸素供給を改善することができるものを含む。日焼け止め剤及びUV吸収化合物も含めることができる。そのような日焼け止め剤及びUV吸収化合物の非限定的な例には、アミノ安息香酸(PABA)、アボベンゾン、シノキセート、ジオキシベンゾン、ホモサレート、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、メトキシ桂皮酸オクチル、オクチルサリチレート、オキシベンゾン、パディメートO、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、スリソベンゾン、酸化チタン、トロラミンサリチレート、酸化亜鉛、エンスリゾール、メラジメート(meradimate)、オクチノキサート、オクチサラートおよびオクトクリレンが挙げられる。「Sunscreen drug products for over−the−counter human use」パート352、サブチャプターD、チャプター1、タイトル21を参照のこと(その全体が本明細書に組み込まれる)。
【0101】
他の実施形態は本発明の製剤による治療を促進する様々な非発がん性、非刺激性の治癒物質を含むことができる。そのような治癒物質は、栄養素、ミネラル、ビタミン、電解質、酵素、ハーブ、植物抽出物、腺又は動物抽出物、あるいは皮膚疾患の治癒を促進するために製剤に添加することができる安全な治療剤を含むことができる。
【0102】
これら様々な添加剤の量は化粧品分野において従来使用される量であり、例えば、局所製剤の総重量の約0.01%から約20%の範囲である。
【0103】
本発明の製剤は従来の添加剤、例えば乳白剤、芳香剤、着色剤、安定化剤、界面活性剤、などを含むこともできる。特定の実施形態では、その他の薬剤、例えば保存時の腐敗を防止するため、すなわち酵母やカビなどの微生物の増殖を抑制するための、抗菌剤を添加することもできる。好適な抗菌剤は典型的に、p−ヒドロキシ安息香酸のメチル及びプロピルエステル(すなわち、メチル及びプロピルパラベン)、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、イミド尿素、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。他の実施形態では、その他の薬剤、例えばリプレッサー及びインデューサー、すなわち、目的のポリペプチドの生産を阻害し(すなわちグリコース)又は誘導する(すなわちキシロース)薬剤を添加することもできる。このような添加剤は、それらが製剤の機能に適合し、かつ妨げにならない限り、使用することができる。
【0104】
製剤は、投与されることになる化学物質又は組成物の他の成分によって生じる皮膚刺激又は皮膚損傷の可能性を最小化又は排除するための、刺激緩和添加剤を含むこともできる。
【0105】
好適な刺激緩和添加剤には、例えば:α−トコフェロール;モノアミンオキシダーゼ阻害剤、特にフェニルアルコール、例えば2−フェニル−1−エタノール;グリセリン;サリチル酸塩;アスコルビン酸塩;イオノフォア例えばモネンシン;両親媒性アミン;塩化アンモニウム;N−アセチルシステイン;カプサイシン;クロロキンが挙げられる。刺激緩和添加剤は、存在するならば、刺激又は皮膚損傷を緩和するのに効果的な、典型的には製剤の約20重量%以下、より典型的には約5重量%以下を表す濃度で、組成物に組み込むことができる。
【0106】
特定の実施形態において本製剤に組み込まれ、従って活性剤とともに局所的に適用することができるさらに好適な薬理学的に活性な薬剤には、以下:色素性もしくは非色素性のしみ、角化症、及びしわを改善し又は根絶する薬剤;抗菌剤(antimicrobial agents);抗菌剤(antibacterial agents);抗掻痒剤及び抗乾燥症剤(antixerotic agents);抗炎症剤;局所麻酔薬及び鎮痛薬;コルチコステロイド;レチノイド;ビタミン;ホルモン;ならびに代謝拮抗剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
局所の薬理学的に活性な薬剤のいくつかの例としては、アシクロビル、アンフォテリシン、クロルヘキシジン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、ミコナゾール、メトロニダゾール、ミノサイクリン、ナイスタチン、ネオマイシン、カナマイシン、フェニトイン、パラ−アミノ安息香酸エステル、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、トコフェロール、酢酸トコフェロール、硫化セレン、亜鉛ピリチオン、ジフェンヒドラミン、プラモキシン、リドカイン、プロカイン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クリンダマイシン、クロタミトン、ヒドロキノンならびにそのモノメチル及びベンジルエーテル、ナプロキセン、イブプロフェン、クロモリン、レチノール、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、コールタール、グリセオフルビン、エストラジオール、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン21−アセテート、ヒドロコルチゾン17−バレレート、ヒドロコルチゾン17−ブチレート、プロゲステロン、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノニド、プロピオン酸クロベタゾール、ミノキシジル、ジピリダモール、ジフェニルヒダントイン、過酸化ベンゾイル、及び5−フルオロウラシルが挙げられる。
【0108】
クリーム、ローション、ゲル、軟膏、ペーストなどは、患部表面に塗布し、穏やかに塗りこむことができる。溶液は同様に塗布することができるが、より典型的には点滴器(dropper)、綿棒などにより塗布され、そして患部に注意深く塗布されることになる。
【0109】
適用レジメンは容易に決定することができる多くの要因、例えば症状の重篤度及び初期治療へのその応答性に依存することになるが、通常は継続的に1日当たり1又は複数回の適用を含むであろう。当業者は投与されることになる製剤の最適量、投与方法及び反復率(repetition rates)を容易に決定することができる。一般的に、本発明の製剤は1週間に1回又は2回から、1日に1回又は2回までの範囲で適用されるであろうことが検討される。
【0110】
本明細書に記載されるように、組成物のために選択された細菌種は既知の組換え技術を用いて形質転換されて、目的の化合物を発現する。
【実施例】
【0111】
以下の実施例は、本発明の範囲内の実施形態をさらに説明し、実証する。本実施例は例示の目的のためだけに与えられており、本発明の限定として解釈されるべきではなく、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくそれらの多くの変形が可能である。
【0112】
実施例1 ベクターpAZT−01を用いてエレメントのフィラグリンを発現する表皮ブドウ球菌
A.細菌
黄色ブドウ球菌RN4220株の細菌をベクターの調製に使用した(Kreiswirth、BN.ら、1983)。当該株のストック溶液をブレインハートフュージョン培地(brain heart fusion broth)(BHI)中の50%グリセロール中に、−20℃で保存した。
【0113】
表皮ブドウ球菌株ATCC12228の細菌を使用した(Zhang,YQ.ら、2003)。当該株のストック溶液をブレインハートフュージョン培地(BHI)中の50%グリセロール中に、-20℃で保存した。細菌をブレインハートフュージョン培地(BHI)で培養した。16時間のインキュベーション後、細菌を遠心分離により回収し、ブレインハートフュージョン培地(BHI)中で2×10
9細菌/100μlに10倍濃縮した。細菌のストック調製物を、5mLの培養液にスラントからの細胞を接種することによって調製した。細胞を30℃で一晩増殖させた。次いで、3mLの十分に増殖した培養物を1mlの60%グリセロールに添加し、-80℃で保存した。
【0114】
B.ベクターへのゲノムの組込
プラスミドAZT−01は、フィラグリン発現インサートを有するシャトルベクターpJB38からなる(
図5)(Cheung、AL.ら、2004)。pJB38へのインサートはフィラグリンDNA配列(Genbankアクセッション番号NM_002016)についての完全なオペロン、キシロース−誘導性プロモーターを含み、目的の化合物の生産に使用された。pJB38−FLGベクター(
図5)はバイオ・ベーシック・インク(マーカム、ON、カナダ)によって構築され、クローニングされた。
【0115】
C.形質転換
フィラグリン配列を含むベクター、又は異常なヒトの皮膚の治療処置の目的で構築された任意のベクターを以下のステップを含む以下のプロトコルに従って、表皮ブドウ球菌株に形質転換した:黄色ブドウ球菌細菌細胞の調製、黄色ブドウ球菌の形質転換、黄色ブドウ球菌からのプラスミドDNAの単離、表皮ブドウ球菌細菌細胞の調製、表皮ブドウ球菌の形質転換、細菌の増殖、及び形質転換された細菌の保存。代替の中間株も形質転換、及び表皮ブドウ球菌への形質転換のための調製におけるプラスミドDNAの単離に使用することができる。これらの株にはメチル化を欠損した株を含む黄色ブドウ球菌及び大腸菌株が挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
黄色ブドウ球菌の調製及び形質転換:細胞の調製:黄色ブドウ球菌RN4220細胞を、50mlの培養物を37℃、BHI培地中で一晩増殖させ、次いで100mlの新鮮なBHI培地に一晩培養物の10mlを接種することによって、エレクトロコンピテントにした。OD
600が0.2〜0.3に達したら、細胞をペレット化し(pelleted)、1x容量の4℃10%スクロースで再懸濁した。本工程を3回繰り返し、次いで細胞を0.1x容量の4℃10%スクロースで再懸濁し、ペレット化し、そして1mlの10%スクロースで再懸濁した。
【0117】
RN4220の形質転換のために、200〜500mgのpAZT−01を先に調製したエレクトロコンピテントセルと混合し、そしてMicroPulser Electroporator(バイオ−ラッド(Bio−Rad)、ハーキュリーズ、CA)を使用して2.5kVで室温でのエレクトロポレーションを用いて形質転換した。形質転換された細胞を選択BHI培地上に28℃で一晩プレーティングし、選択BHI培地で一晩増殖させ、次いでDNAを単離するために使用した。
【0118】
表皮ブドウ球菌の調製及び形質転換:エレクトロコンピテント表皮ブドウ球菌ATCC12228を以下の方法を使用して作製した。まず、−80℃のストックからのATCC12228の50mlの一晩培養物をB2培地(1.0%トリプトン、2.5%酵母エキス、0.5%グルコース、2.5%NaCl、0.1%K
2PO
4、pH7.5)中で、37℃で増殖させた。一晩培養物の10mlを新鮮な予熱した(pre−warmed)B2培地に希釈し、OD
600が0.5〜0.6に達するまで振とうし、次いで10分間4℃でペレット化した。次に、細胞を1、1/2、1/20、及び1/50容量の冷やした10%グリセロールで洗浄し、洗浄の間に4℃でペレット化した。最終ペレットを700μlの冷やした10%グリセロールに再懸濁した。
【0119】
エレクトロコンピテントATCC12228を、2.5kV、25uF、100Ωでのエレクトロポレーション(Micropulser Electroporator(バイオ−ラッド、ハーキュリーズ、CA)を使用して、通常の読み取りは4.5〜5ミリ秒である)を用いて、黄色ブドウ球菌から単離されたpAZT−01で形質転換した。次いで細胞を28℃で選択BHI培地にプレーティングした。
【0120】
細菌の形質転換は、代替の中間株、バクテリオファージ形質導入、及びヒートショックを含むがこれらに限定されない、形質転換の代替方法によって行うこともできる。
【0121】
D.タンパク質発現の誘導
フィラグリン発現を以下の方法でpAZT−01により形質転換されたATCC12228において誘導した。まず、選択BHI培地中で形質転換されたATCC12228の28℃での一晩培養物の5mlを採取して、抗生物質を含む新鮮なBHIの100mlに接種した。細胞をOD
600が0.5〜0.65に達するまで増殖させ、次いで細胞を最終濃度の1.5%キシロースを用いて4.5時間誘導した。
【0122】
E.タンパク質発現及び分泌の分析
分析のために細胞を分画し、SDS−PAGE電気泳動及びウェスタンブロッティングにより分析した。非誘導試料及び誘導試料からの細菌細胞をペレット化し、CelLytic B細胞溶解試薬(シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)、セントルイス、MO)で溶解した。誘導試料からの上清も回収し、濃縮した。試料を還元試料緩衝液中に再懸濁し、次いでTris−HCLランニングバッファーを用いて4〜15%Trisゲル上で電気泳動した。電気泳動後に、ゲルをPVDF膜に転写し、フィラグリンに対する一次ヤギモノクローナル抗体(sc−25897、サンタ・クルズ・バイオテクノロジー(Santa Cruz Biotechnology,Inc))で順次プローブした。次いで西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ロバ抗ヤギ(anti−goal)抗体(sc−2020)をプローブし、二次抗体を、増強化学発光基質(enhanced chemiluminescence substrate)(SuperSignal West Pico、サーモ・サイエンティフィック(Thermo Scientific))を使用してオートラジオグラフィー(Syngene GeneGnome Bio Imaging System)によって検出した。
【0123】
上清及び細胞溶解物の分析は、目的のタンパク質を含むプラスミドによる形質転換、続くタンパク質発現の誘導にあたり、治療用ポリペプチドの成功した発現及び分泌を実証する。
【0124】
タンパク質発現及び分泌の検出は代替方法を用いても可能であり、現在の実施例は本発明の限定として解釈されるべきではない。
【0125】
F.前述の組成物によるヒト対象の治療
pAZT−01を含む表皮ブドウ球菌の約1x10
9コロニー形成単位(CFU)を薬学的に許容される担体に加えることができる。前述の組成物は、異常な皮膚状態の治療又は予防を必要とする対象、例えば湿疹などの異常な皮膚状態を有するヒト対象の、当該状態の治療又は予防に有用である。当該組成物は、1日当たり少なくとも1回から、例えば1日当たり約3〜4回まで、又は必要に応じてもしくは処方通りに、適用することができる。当該組成物は状態の治療を確実にするため、又は状態を予防し続けるために必要とされる限り使用することができる。治療期間は約1日から約10〜14日まで又はそれ以上に変化させることができる。特定の例では、長期又は慢性治療を施すことができる。
【0126】
実施例2 表皮層にコロニー形成し、かつGFPを発現する表皮ブドウ球菌
A.細菌
大腸菌株DH5α及びDC10Bの細菌をプラスミド構築及び調製に使用した(Sambrook,J.ら、1989;Monk,I.ら、2012)。表皮ブドウ球菌ATCC12228株の細菌をネズミ科のコロニー形成及び発現実験におけるGFPの異種発現に使用した。当該株のストック溶液をブレインハートフュージョン培地(BHI)中の50%グリセロール中に-20℃で保存した。細菌をブレインハートフュージョン培地(BHI)中で培養した。16時間のインキュベーション後、細菌を遠心分離により回収し、BHI中で2×10
9細菌/100μlに10倍濃縮した。細菌のストック調製物を、5mLの培養液にスラントからの細胞を接種することによって調製した。細胞を30℃で一晩増殖させた。次いで、3mLの十分に増殖した培養物を1mlの60%グリセロールに添加し、-80℃で保存した。
【0127】
B.ベクター
プラスミドpCM11はsGFP発現インサートを有するシャトルベクターからなる(Lauderdaleら、2010)。
【0128】
C.形質転換
GFP配列を含むベクター(例えばpCM11(Lauderdaleら、2010))、又は異種発現の目的で構築された任意のベクターを以下のステップを含む以下のプロトコルに従って、表皮ブドウ球菌株ATCC12228に形質転換した:DH5αへの形質転換、DH5αからのプラスミドDNAの単離、DC10Bの形質転換、DC10BからのプラスミドDNAの単離、表皮ブドウ球菌の調製及び形質転換、形質転換された表皮ブドウ球菌の増殖及び適用。
【0129】
大腸菌DH5αをヒートショック法を用いてpCM11で形質転換し、選択LB(ルリア培地)上に一晩37℃でプレーティングした。プラスミドDNAを、ザイモ・リサーチ(Zymo Research)Plasmid Miniprep Kit(アーバイン、CA)を使用してDH5α形質転換体からの選択LB培地での37℃一晩培養物から精製した。次に、200〜500ngのpCM11DNAを、MicroPulser Electroporator(バイオ−ラッド、ハーキュリーズ、CA)を使用して2.5kV、室温でのエレクトロポレーションを用いてDC10Bを形質転換するために使用した。形質転換された細胞を一晩37℃でプレーティングし、次いでDNAを前記方法を用いて精製した。
【0130】
次に、エレクトロコンピテント表皮ブドウ球菌ATCC12228を以下の方法を用いて作製した。まず、ATCC12228の50mlの一晩培養物をB2培地(1.0%トリプトン、2.5%酵母エキス、0.5%グルコース、2.5%NaCl、0.1%K
2PO
4、pH7.5)中で、37℃で増殖させた。一晩培養物の10mlを新鮮な予熱したB2培地に希釈し、OD
600が0.5〜0.6に達するまで振とうし、次いで10分間4℃でペレット化した。次に、細胞を1、1/2、1/20、及び1/50容量の冷やした10%グリセロールで洗浄し、洗浄の間に4℃でペレット化した。最終ペレットを700μlの冷やした10%グリセロールに再懸濁した。
【0131】
エレクトロコンピテントATCC12228を、Micropulser Electroporator(バイオ−ラッド、ハーキュリーズ、CA)を使用して2.5kVでエレクトロポレーションを用いて、DC10Bから単離されたpCM11で形質転換した。次いで細胞を37℃で選択BHI培地上にプレーティングした。
【0132】
GFPインサートの形質転換及び発現を、
図6において形質転換された表皮ブドウ球菌ATCC12228の蛍光によって見られるように顕微鏡を用いて確認した。
【0133】
D.pCM11で形質転換されたATCC12228によるネズミ科の研究
マウス皮膚へのATCC12228のコロニー形成を可視化するために、マウスをGFP発現ATCC12228(pCM11で形質転換されたATCC12228)で処置した。マウスの小さなコホート(n=5)を毛を除去するために刈って、pCM11中のGFPを発現する表皮ブドウ球菌ATCC12228で背部皮膚を処置した。約1x10
9CFUの表皮ブドウ球菌を綿棒(cotton wool tipped stick)で塗布した。処置の開始後、マウスを表皮ブドウ球菌コロニー形成の兆候についてモニターした。
【0134】
皮膚の切片を画像研究のために死後、皮膚から採取した。切片を蛍光顕微鏡を用いて画像化し(
図7)、DAPI及び抗GFPモノクローナル抗体での染色を含んだ(
図8)。追加の画像を二光子顕微鏡法を使用して可視化した(
図8)。
【0135】
図7は、GFPインサートを含むpCM11で形質転換された表皮ブドウ球菌ATCC12228を示し、これを次にマウスの背部皮膚に3日間適用した。次いで、皮膚の切片を死後、光学顕微鏡検査のために採取した(
図7A及び7B)。ここに示された切片をマラカイトグリーン染色を用いて染色し、200x(
図7A)及び
図7Bにおけるさらなる拡大で視覚化した。この図は3日後のマウス皮膚上での表皮ブドウ球菌のコロニー形成を示す。
【0136】
図8は、GFPインサートを含むpCM11で形質転換された表皮ブドウ球菌ATCC12228を示し、これを次にマウスの背部皮膚に3日間適用した。次いで皮膚の切片を死後、光学顕微鏡検査のために採取した(
図8A及び8B)。
図8AはGFPの蛍光を示し、表皮ブドウ球菌が3日後に皮膚にコロニー形成することだけでなく、GFPの発現がその時点で維持されていることを示す。
図8AはGFPからの蛍光を示し、
図8BはDAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール)と抗GFPモノクローナル抗体との両方で染色した皮膚の切片を示す。
図8Cは二光子顕微鏡法を用いて可視化した皮膚の切片を示す。この画像は蛍光によって示された表皮ブドウ球菌のコロニー形成及びGFP発現の程度を示す。
【0137】
多くの例示的な態様及び実施形態が上記で説明されてきたが、当業者はそれらの特定の変更、置換、追加及びサブコンビネーションを認識するであろう。それゆえ、以下の添付の特許請求の範囲及び今後導入される特許請求の範囲は、それらの真の趣旨及び範囲内で、全てのそのような変更、置換、追加及びサブコンビネーションを含むものと解釈されることを意図する。
【0138】
参照による組み込み
本明細書で参照した特許出願書類、科学文献、政府報告書、ウェブサイト、及び他の文献を含む特許文献の各々の開示全体は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。用語が矛盾する場合は、本明細書が調整する。
【0139】
本明細書中に開示された全ての配列リスト、又は配列番号はその全体が本明細書に組み込まれる。
【0140】
等価物
本発明は、その趣旨又は本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具体化することができる。前述の実施形態は本明細書に記載の発明を限定するのではなく全ての点で例示的なものであるとみなされるべきである。本発明の方法及び組成物の様々な実施形態において、用語「含む」が列挙されたステップ又は構成要素に関して使用される場合、方法及び組成物が列挙されたステップ又は構成要素から本質的になるか、あるいはそれらからなることも企図される。さらに、ステップの順序又は特定の動作を行う順序は、本発明が実施可能であり続ける限り重要ではないことを理解すべきである。また、2以上のステップ又は動作は同時に実行することができる。
【0141】
本明細書において、単数形は文脈上別段明確に指示しない限り複数形を含む。別段定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的及び科学的用語は本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合には、本明細書が調整することになる。
【0142】
本明細書で使用される全てのパーセンテージ及び比率は、別段指示されない限り重量による。
【0143】
参考文献
以下の参考文献は、それらが本明細書に記載されたものに補足的な例示的手順又は他の詳細を提供する限り、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
【0144】
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】