(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6810046
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】パルス電子ビームと可動式リフレクタとを用いた熱可塑性材料容器の滅菌装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65B 55/08 20060101AFI20201221BHJP
A61L 2/08 20060101ALI20201221BHJP
B65B 55/04 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
B65B55/08 B
A61L2/08 108
B65B55/04 C
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-539589(P2017-539589)
(86)(22)【出願日】2016年1月20日
(65)【公表番号】特表2018-505101(P2018-505101A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】FR2016050099
(87)【国際公開番号】WO2016120544
(87)【国際公開日】20160804
【審査請求日】2019年1月4日
(31)【優先権主張番号】1550638
(32)【優先日】2015年1月28日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504102770
【氏名又は名称】シデル パルティシパション
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビアンチニ,セドリック
(72)【発明者】
【氏名】フイヨレ,ギー
【審査官】
武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−173114(JP,A)
【文献】
特開昭48−5585(JP,A)
【文献】
米国特許第6517776(US,B1)
【文献】
特開昭48−48263(JP,A)
【文献】
特表2005−519699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 55/00−55/24
A61L 2/08−2/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料からなる容器(12)を滅菌するための滅菌装置(10)であって、前記滅菌装置(10)が、100ns未満の放出時間(d)と1kAを超える強度(i)を各々が有する一連のパルスから形成されるパルス電子ビーム(F)を放出できる、少なくとも1つの放出装置(14)を備え、前記放出装置(14)は、容器の壁(18)を介して前記容器(12)の内部(20)を滅菌するために、前記パルス電子ビーム(F)を用いて、外部から前記容器(12)を照射するように構成されており、前記滅菌装置(10)は、前記容器(12)を照射して前記容器(12)の少なくとも内部(20)を滅菌するために、前記放出装置(14)により容器の壁(18)を介して外部から放出された前記パルス電子ビーム(F)の全部または一部を選択的に反射するために前記容器(12)の内部に少なくとも部分的に軸方向に導入される、組み合わせリフレクタ(16)をさらに備えている、滅菌装置。
【請求項2】
リフレクタ(16)が、容器(12)の外部にリフレクタ(16)が延在する少なくとも第1の位置と、容器の首部(28)が画定する開口部(30)から導入されるリフレクタ(12)が前記容器(12)の内部に少なくとも部分的に軸方向に延在する第2の位置との間で、容器(12)に対して軸方向に可動式に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の滅菌装置。
【請求項3】
リフレクタ(16)が、軸方向に変動する反射率を有し、前記リフレクタ(16)が、少なくとも、反射率(R1)を有する第1の部分と、第1の部分の反射率(R1)よりも低い反射率(R2)を有する第2の部分とを含んでいることを特徴とする、請求項1または2に記載の滅菌装置。
【請求項4】
反射率(R1)を有するリフレクタ(16)の第1の部分と、反射率(R2)を有するリフレクタ(16)の第2の部分とが、それぞれ異なる材料で構成されることを特徴とする、請求項3に記載の滅菌装置。
【請求項5】
リフレクタ(16)が、軸方向の面に延在しない少なくとも1つの反射面(40、42、46)を有する少なくとも1つの特別な部分(38、44)を含んでいることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の滅菌装置。
【請求項6】
リフレクタ(16)が、所定の電荷を有する少なくとも1つの部分を含み、前記電荷が、電子の反発効果を得るために負であるか、または電子の吸収効果を得るために正であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の滅菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス電子ビームを用いて熱可塑性材料からなる容器を滅菌する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、熱可塑性材料からなるプリフォームおよび/または容器の少なくとも内部を滅菌するための様々な滅菌方法が知られている。
【0003】
熱可塑性材料からなる容器の製造は、一般には、あらかじめ容器製造設備の炉内で熱調整された高温プリフォームにより得られ、その後、プリフォームは金型内に導入され、延伸の有無にかかわらず少なくとも1つの加圧流体を用いたブロー成形により加工される。
【0004】
このようにして、限定的ではないが特に農産物加工業の製品の包装に用いるための、中空本体を形成する各種の容器(ボトル、びん、壺など)が製造される。
【0005】
農産物加工業のための容器製造の分野では、あらゆる手段により、病原体すなわち微生物により容器が微生物学的に汚染されるリスクを減らすことが求められている。
【0006】
そのため、本出願人はすでに、このような容器に入れる製品を損なう可能性のある病原微生物(細菌、カビなど)等の病原体を除去するために、様々な操作を実施することを提案してきた。
【0007】
以下、より詳しく参照する従来技術文献は、このような操作を限定的ではない例として示している。
【0008】
特に、容器の少なくとも内部を滅菌するために微生物を消滅することをめざす操作と、それよりも一般的に、このような微生物による容器汚染の予防をめざす操作とを区別することができる。
【0009】
仏国特許出願公開第2,915,127号明細書は、1つのエリアを画定する保護エンクロージャを備え、そのエリア内部に、あらかじめ炉内で熱調整されたプリフォームが搬送手段により供給されるブロー成形タイプの容器成形機が配置される、容器製造設備を記載している。
【0010】
仏国特許出願公開第2,915,127号明細書の開示によれば、上記設備は、特に高圧を設定して、炉の出口にあるプリフォームでも製造された容器でも汚染リスクを制限するようにするために、エンクロージャ内部に濾過空気の送風システムを含んでいる。
【0011】
国際公開第03/084818号は、たとえば、炉内にプリフォームを導入する前に、紫外線(UV)タイプの放射によってプリフォームの首部を照射することによる除染処理を記載している。
【0012】
欧州特許出願公開第2,094,312号明細書は、たとえば、熱調整中にプリフォームの少なくとも外面を除染するために、個別に炉内で実施される紫外線(UV)照射処理を記載している。
【0013】
国際公開第2006/136498号は、たとえば、滅菌剤のほぼ一様な蒸気のフィルムを凝縮によりプリフォームの内壁に堆積することからなるプリフォームの除染処理を記載している。
【0014】
プリフォームの除染は、国際公開第2006/136498号では、炉内へのプリフォームの導入前に介在する処理装置を用いて行われる。
【0015】
このような処理は、将来的な容器のいわゆる「食品」の内面、すなわち充填後に製品と直接接触することになる内面に対応するプリフォームの少なくとも内部を除染するために、病原体または微生物を消滅することを目的としている。
【0016】
微生物の量は、特に洗浄操作、濾過操作および培養操作後のカウントにより1つ1つ数えられることが想起される。
【0017】
それに伴い、たとえば1000単位(10
3)に相当する、いわば約3Log(あるいはまた3D)の微生物数の対数減少が決定される。
【0018】
このような凝縮による除染処理いわば「化学的手段」による除染処理は、6Logまでの除染度が得られるので満足のいくものである。
【0019】
一方では、もっと環境にやさしい解決方法を見つけるために、しかしそうかといって、除染に対して得られる結果をそれほど犠牲にしないように、過酸化水素(H
2O
2)のような滅菌剤を使用しないで済む代替的な解決方法が求められている。
【0020】
過酸化水素等の滅菌剤の使用は、危険にさらされる作業員を保護し、より一般的には環境を保護することをめざして(汚水処理など)、規則に定められた義務を特に満たすために個々の手段の全体を実施することが必要であり、これは、開発コストを跳ね上げる原因になる。
【0021】
当然のことながら、上記の操作の様々な例については、プリフォームの様々な面を処理するために、より一般的には汚染リスクを抜本的に低減するために、有利には同一設備内で組み合わせて活用することができる。
【0022】
ここで問題となっているPET(ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性材料からなる容器は、限定的ではないが特にボトルである。
【0023】
このような中空の容器は、全体として壁により画定されるとともに、半径方向に開口部を画定する首部を含み、該首部は、底部により軸方向に閉じられる本体に延長される。
【0024】
熱可塑性材料からなるこのタイプの容器の内部を滅菌するために直面する課題の1つは、首部の開口部が一般には狭い直径を有することにより容器内面へのアクセス性が制限されることにある。
【0025】
代替的な解決方法の1つは、滅菌すべき面を照射するのに使用される電子ビームから形成されたイオン照射を使用することからなる。
【0026】
容器の外部に電子ビームの放出装置を配置することにより、アクセス性が制限されるという上記の課題を乗り越えることができ、放出装置から放出されるビームの電子は、滅菌すべき容器内部を照射するために、外部から内部に向かって半径方向に本体の壁と上記容器の首部の壁とを通過する。
【0027】
しかし、使用される連続電子ビーム(英語の「continuous e−beam」)が、いわゆる「高エネルギー」すなわち一般には500KeVを超えるエネルギーたとえばMeVオーダーのエネルギーで放出装置から放出される場合、このような連続ビームの電子は、熱可塑性材料の変化を生じさせ、上記電子が容器の壁を通過しながら該材料と相互作用することが確認されている。
【0028】
ところで、こうした変化は、容器の熱可塑性材料の特性を劣化させ、パッケージングのような後段の使用に影響することがある。
【0029】
連続電子ビームと熱可塑性材料との相互作用を制限するために、低エネルギー(500KeV未満)の放出装置を使うことが検討された。
【0030】
しかし、連続ビームの電子エネルギーが低いレベルであると、容器の壁、本体ならびに首部をビームが通過すべき瞬間から不十分な滅菌になってしまい、内面の照射に至らない。
【0031】
したがって、望ましい滅菌度は、低エネルギーの連続電子ビームの透過が弱いことを埋め合わせるために照射時間を長くすることによってしか得られないが、しかし、そうした場合、容器の処理に必要な時間が製造速度と釣り合わない。
【0032】
さらに、連続電子ビームと熱可塑性材料との間の相互作用という課題が残り、熱可塑性材料の劣化は、照射時間が長ければ長いほど重大である。
【0033】
米国特許第8,728,393号明細書の公知の解決方法によれば、上記の課題の一部は、壁を通過せずに首部の開口部から直接内部に連続電子ビームを導入することによって解決可能である。
【0034】
しかし、プリフォーム(または容器)の首部の直径を考慮して、放出装置はプリフォームの外部にとどまり、連続電子ビームは、照射を実現できるようにするために内部まで導かれ、案内されなければならない。
【0035】
このような解決方法は、工業的に利用するにしても、また、高信頼性の滅菌を保証する唯一である内面全体の照射に至るにしても、実行に移すことが複雑である。
【0036】
米国特許第8,728,393号明細書に記載されたプリフォームの内部照射を実施し、このようなプリフォームにより得られた容器の照射を実施しない場合、後段での滅菌時にプリフォームまたは容器の汚染リスクも存在し、その結果、少なくとも、思い切った予防措置をその後に講じて、後段での照射による滅菌時のあらゆる汚染リスクを制限しなければならない。
【0037】
滅菌を実施するために電子ビームの案内手段がプリフォームの内部に軸方向に導入されると、その場合には、プリフォーム内部、将来的な容器内部の汚染リスクが存在する。
【0038】
なぜなら、このような案内手段は滅菌されておらず、微生物による汚染、特に口縁すなわちプリフォームまたは容器の開口部を画定する首部の周縁の汚染を媒介しうるからである。
【0039】
もちろん、従来技術の公知の解決方法は、概して連続電子ビームを使用しており、仏国特許出願公開第2,861,215号明細書は、同様に、ボトル等のパッケージングの滅菌用にパルス型の低エネルギー電子ビームを使うことも開示している。
【0040】
仏国特許出願公開第2,861,215号明細書に記載されているように、パルス型の電子ビームは、特に、ビームの電子の加速を促す電圧を、常時ではなく所定の時間の間だけ印加することによって得られる。
【0041】
仏国特許出願公開第2,861,215号明細書の集束アノードを有する電子銃のような放出装置では、500Hzの繰り返し率で2μs(マイクロ秒)にわたって電圧が印加され、すなわち2ms(ミリ秒)毎に放出が行われ、電流強度は10Aであることが例として示されている。
【0042】
しかし、仏国特許出願公開第2,861,215号明細書に記載された集束アノードを有する電子銃の使用または同様の放出装置は、熱可塑性材料からなる容器内部を滅菌するのに申し分のないものとはいえない。
【0043】
なぜなら、滅菌すべき面を十分な量の電子で照射し、すなわち致死的な線量を得るのに必要な処理時間が長すぎ、その結果、PETボトルの場合にはたとえば毎時50,000本から60,000本に達する現行の容器生産速度と相いれないからである。
【0044】
熱可塑性材料の劣化という問題は、同様に、このようなパルス電子ビームでも存在し、その工業的な用途を検討することはもはや不可能である。
【0045】
その結果、上記の従来技術から公知の様々な代替的解決方法は、熱可塑性材料からなる容器、特にPETボトルの少なくとも内部を滅菌するのに満足のいくものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2,915,127号明細書
【特許文献2】国際公開第03/084818号
【特許文献3】欧州特許出願公開第2,094,312号明細書
【特許文献4】国際公開第2006/136498号
【特許文献5】米国特許第8,728,393号明細書
【特許文献6】仏国特許出願公開第2,861,215号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0047】
本発明の目的は、特に、従来技術の不都合の少なくとも一部を解決し、構成材料を劣化させることなく、熱可塑性材料からなる容器の内部を高い信頼性で迅速に滅菌できる解決方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0048】
このため、本発明は、熱可塑性材料からなる容器の滅菌方法であって、容器の壁を介して上記容器の内部を滅菌するために、100ns未満の放出時間と1kAを超える強度を各々が有する一連のパルスから形成されるパルス電子ビームを用いて、外部から容器を照射することからなる少なくとも1つのステップを含む方法を提案する。
【0049】
有利には、本発明によるパルスタイプの電子ビームは離散的であり、キロアンペア(kA)オーダーの非常に高い強度を有してナノ秒(ns)オーダーのごく短い放出時間の、一連のパルスから形成される。
【0050】
本発明によれば、100ns未満の放出時間と1kAを超える強度を有するパルス電子ビームによって、処理時間が製造速度と相いれるばかりではなく、また特に、パルスビームの電子と熱可塑性材料との間の相互作用が滅菌後の容器の後段での使用に影響せずに、容器内部の滅菌が得られる。
【0051】
仏国特許出願公開第2,861,215号明細書に記載されたパルス電子ビームに比べると、1つのパルスの放出時間は非常に短い。なぜなら、本発明の場合、この時間が100ns未満であって、たとえば数ナノ秒であるのに対し、仏国特許出願公開第2,861,215号明細書の集束アノードを有する電子銃のような放出装置ではマイクロ秒(μs)で表されるからである。
【0052】
本発明によるパルス電子ビームは、たとえば、略号E.E.E(英語でExplosive Electron Emission)によって示されることもある突発的電子放出によって得られる。
【0053】
キロアンペアで表される高いパルス強度と結び合された、ナノ秒オーダーのパルス電子ビームの放出時間の短さによって、効果的な滅菌を可能にする照射を保ちながら熱可塑性材料と電子との相互作用が制限される。
【0054】
本発明により得られる結果は、特に、連続電子ビームにしても、(仏国特許出願公開第2,861,215号明細書に記載された電子銃で生成されるもののような)パルス電子ビームにしても、これまで得られた結果が、電子ビームを用いた容器の内部滅菌の続行を当該技術の専門家に断念させているだけにますます予想外である。
【0055】
それゆえ、当該技術の専門家にしてみれば、一方では、電子ビームを用いて壁を介して容器内部を迅速に滅菌し、他方では、熱可塑性材料を劣化させずにこれを行うことは、考えられない。
【0056】
したがって、電子ビームの使用は、当該技術の専門家の先入観に反したものとなる。なぜなら、当該技術の専門家にとって、電子ビームを用いて壁を介して外部から照射することにより容器内部を滅菌するとすれば、電子ビームによる熱可塑性材料の重大な劣化に遭遇し、致死的な線量を得るための照射時間が工業的な用途と相いれないからである。
【0057】
有利には、上記パルス電子ビームが、連続する2個のパルスの間で、3msを超える時間間隔(T)、たとえば10msで放出される。
【0058】
このような時間間隔は、熱可塑性材料とビームの電子との相互作用を制限するのに有利に働く。
【0059】
パルス電子ビームで得られる照射は、1個のパルスの放出時間に対して実質的な時間間隔がない連続電子ビームで得られる照射とそれほど違わない。
【0060】
従来技術の解決方法で実施されていた照射と比べると、微生物は、本発明の開示によるパルス電子ビームによって予想外に高い効率で消滅される。
【0061】
特に、有利には2個の連続パルス間の所定の時間間隔(T)で、高い強度(i)のきわめて短い一連のパルスで照射が実施されるとき、微生物の消滅はいっそう有効である。
【0062】
有利には、パルス電子ビームは、微生物の「ストレス」モーメントを交互に繰り返し行うことによって微生物を照射し、その間、微生物は、連続する2個の「ストレス」の間に小休止の瞬間を挟んで強い強度で照射される。
【0063】
有利には、パルス電子ビームが500KeV未満、好ましくは400KeVを超えるエネルギー、いわゆる低エネルギーを有する。
【0064】
有利には、この方法が、滅菌すべき容器の内部にリフレクタを軸方向に導入することからなるステップを含む。
【0065】
好ましくは、上記リフレクタの導入ステップが照射ステップの前に実施される。変形実施形態では、リフレクタの導入ステップは、特に容器を滅菌するための照射処理時間全体を短縮するように、照射ステップ中に実施される。
【0066】
有利には、リフレクタは、本発明によるパルス電子ビームにより滅菌され、リフレクタの外面は、リフレクタが容器の内部に軸方向に延在するとき、ビームの電子により少なくとも照射される。
【0067】
有利には、このような滅菌方法の実施は、容器の製造速度と相いれるものであり、したがって、PETボトル等の容器の製造設備内に滅菌装置を組み込むことによって工業的な用途を受け入れることができる。
【0068】
有利には、本発明の方法による容器の滅菌は、好ましくは充填を実施する直前に、空の容器を照射することによって実施される。
【0069】
国際公開第2006/136498号に記載された化学的な手段によるプリフォーム滅菌方法と比べると、本発明は、容器製造設備の設計を大幅に簡素化し、その開発費用を削減することができる。
【0070】
最終的な容器(プリフォームではない)の滅菌により、有利には、プリフォームからの容器製造設備でこれまで実施されていた多数の手段から解放され、存在する微生物は、本発明によるパルス電子ビームを用いた容器の照射時に消滅される。
【0071】
なぜなら、容器を滅菌することによって、また同様に比較によれば、プリフォームの滅菌状態を、その処理後すなわち、熱調整中、ブロー成形または延伸ブロー成形による容器への加工中、また容器の充填および閉鎖まで保持するために、もはや(送風システム等の)特別な手段を用いる必要性が特にないからである。
【0072】
有利には、本発明による滅菌方法は、容器の内部と外部を滅菌することができる。
【0073】
UV放射を用いた照射によるプリフォームの処理装置については、たとえば、送風システム、より一般的には、清浄な製造環境を得ることに寄与する空気の濾過システムと同じ理由で廃止することができる。
【0074】
好ましくは、本発明による滅菌方法は、容器製造設備において、成形(またはブロー成形)ユニットと、充填ユニット等の後続ユニットとの間で用いられる。
【0075】
本発明は、また、容器を照射して上記容器の少なくとも内部を滅菌するために、少なくとも、パルス電子ビームの放出装置と、上記放出装置により容器の壁を介して外部から放出された上記パルス電子ビームの全部または一部を選択的に反射するために上記容器の内部に少なくとも部分的に軸方向に導入される組み合わせリフレクタとを含む、滅菌装置を提案する。
【0076】
有利には、上記滅菌装置が、上記の方法を実施するように構成される。
【0077】
本発明による滅菌装置の他の特徴によれば、
− リフレクタは、少なくとも、容器の外部にリフレクタが延在する第1の位置と、容器の首部が画定する開口部から導入されるリフレクタが上記容器の内部に少なくとも部分的に軸方向に延在する第2の位置との間で、容器に対して軸方向に可動式に取り付けられる。
− リフレクタは、軸方向に変動する反射率を有し、上記リフレクタは、少なくとも、反射率を有する第1の部分と、第1の部分の反射率よりも低い反射率を有する第2の部分とを含んでいる。
− 上記反射率を有するリフレクタの第1の部分と、上記反射率を有するリフレクタの第2の部分とが、それぞれ異なる材料で構成される。
− リフレクタは、軸方向の面に延在しない少なくとも1つの反射面を有する少なくとも1つの特別な部分を含んでいる。
−− 上記の少なくとも1つの特別な反射部分は、リフレクタの軸方向自由端部に配置される。
−− 上記の少なくとも1つの特別な反射部分は、外部に向かって半径方向に突出して延在するリングから形成される。
−− 上記の少なくとも1つの特別な反射部分は、少なくとも1つの円錐台形の反射面を含んでいる。
− リフレクタは、所定の電荷を有する少なくとも1つの部分を含み、上記電荷は、電子反発効果を得るために負であるか、または電子吸収効果を得るために正である。
−− 装置は、パルス電子ビームの放出装置に対して上記容器をそれ自体で回転駆動するための容器の回転駆動手段を含んでいる。
【0078】
本発明の他の特徴および長所は、その理解のために添付図面を参照しながら以下の説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図1】縦座標にキロアンペア(kA)で表される強度(i)を、横座標にミリ秒(ms)で表される時間を示して、連続電子ビームF
0と、本発明によるパルス電子ビームFをそれぞれ示すグラフであって、本発明によるパルス電子ビームFは、パルスの放出時間(t)と、パルスの強度(i)と、2個のパルス間の間隔(T)を伴うパルスの放出周波数とを特徴とする一連のパルスからなる。
【
図2】縦座標にキログレイ(kGy)で表される受信電子線量(D)を、横座標にPET容器の壁のマイクロメートル(μm)で表される厚さ(E)を示し、容器の内面に所定の致死的な線量を得るために壁を介して容器の外面に堆積される線量を示すグラフであり、曲線C1は、連続電子ビームによる容器の照射に対応し、曲線C2は、250KeVのエネルギーレベルを有するパルス電子ビームによる容器の照射に対応し、曲線C3は、430KeVのエネルギーレベルを有するパルス電子ビームによる容器の照射に対応する。
【
図3】本発明による滅菌装置の1つの実施例を示し、滅菌装置による容器の照射を説明する側面図であり、該滅菌装置は、外部から半径方向に放出されるパルス電子ビームの放出装置を備え、該放出装置は、容器内部に軸方向に導入されるリフレクタに組み合わされている。
【
図4】容器と
図3の滅菌装置とを示して、本発明にしたがってビームによる容器滅菌を説明する上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
本発明による熱可塑性材料からなる容器の滅菌方法は、容器の壁を介して上記容器の内部を滅菌するために、100ns未満の放出時間(d)と1kAを超える強度(i)を各々が有する一連のパルスから形成されるパルス電子ビーム(F)を用いて、外部から容器を照射することからなる少なくとも1つの照射ステップを含む。
【0081】
有利には、パルス電子ビーム(F)が、2個の連続パルスの間に、3msを超える時間間隔(T)で放出される。
【0082】
有利には、パルス電子ビーム(F)が、500KeV未満のエネルギー、いわゆる低エネルギーを有する。
【0083】
好ましくは、パルス電子ビーム(F)が、400KeVを超えるエネルギー、たとえば約430〜450KeVのエネルギーを有する。
【0084】
変形実施形態では、パルス電子ビーム(F)が、500KeV未満、たとえば250KeVに等しいエネルギー、いわゆる低エネルギーを有する。
【0085】
図1のグラフでは、一連のパルスから形成される本発明によるパルス電子ビーム(F)を示し、各パルスの放出時間(t)は10nsに等しく、強度は5kAである。
【0086】
図1のパルス電子ビーム(F)は、250KeVのエネルギーレベルを有し、すなわち、「低エネルギー」と高エネルギーとの間で一般に許容される閾値に対応する500KeV未満の値を有する。
【0087】
好ましくは、
図1に示されたパルス電子ビーム(F)は、2個の連続パルスの間に10msに等しい時間間隔(T)で放出される。
【0088】
比較のために、
図1では、連続電子ビーム(F
0)(線影を付けた)を同様に示し、これは、強度(i)が各パルス間でゼロ値に戻る一連のパルスの欠如によって、特にパルス電子ビーム(F)と区別される。
【0089】
図示された連続電子ビーム(F
0)は、200KeVのエネルギー、すなわち低エネルギーを有し、強度は5mAに等しく、照射による滅菌を行うための放出時間は少なくとも1秒オーダーである。
【0090】
この2種類の電子ビームを比較すると、連続電子ビームは、受け取る電子量がいっそう少ないために、照射用ビームの放出時間をより長くすることが必要であることが確認される。
【0091】
実際、ごく短い一連のパルスの繰り返しからなるパルス電子ビームは、より多量の電子によって、滅菌すべき表面を照射可能であり、これは特に、連続電子ビームの強度に比べてパルス電子ビームの各パルスの強度が大きく上回っていることを理由としている。
【0092】
5kAに等しい1個のパルスの強度は、連続電子ビームの強度5mAを著しく上回る。
【0093】
kAオーダーのこの強度によって、容器内部にいる微生物を照射するために容器の壁を通過するパルス電子ビーム(F)の量は、容器の外部でも内部でも、その全高にわたってすなわち首部から底部まで軸方向に滅菌を可能にする。
【0094】
パルス電子ビーム(F)によって得られる照射はまた、たとえば容器の「デザイン」のために複雑な複数の表面を有する容器の部分にも同様に有効である。
【0095】
本発明によるパルス電子ビームによって、パルス電子ビーム(F)が通過する容器の熱可塑性材料に伝えるエネルギーをいっそう少なくしながら、滅菌すべき容器の内面に致死的な線量が付与され、これによって、有利には、滅菌効率を損なわずに材料の劣化リスクが制限される。
【0096】
パルス電子ビーム(F)による微生物の照射は、パルス電子ビーム(F)の時間(t)および強度(i)の特徴を有するパルスの反復から微生物が守られることがまずないので、一段と有効である。
【0097】
有利には、パルス電子ビーム(F)による処理時間は、同等の電子量による照射を得るために連続電子ビーム(F
0)で必要になる時間より短い。
【0098】
図2は、滅菌すべき容器の外面から内部までPET容器の壁の厚さ(E)(単位:μm)に応じた線量(D)(単位:キログレイ(kGy))を示すグラフである。
【0099】
線量D(単位:キログレイ(kGy))は、ジュール毎kg(キログラム)すなわち単位容積当たりのエネルギーに相当し、これは、累積線量に対応して、電子により付与されて容器の材料により吸収されるエネルギーを示している。
【0100】
曲線C1は、連続電子ビーム(F
0)による照射に対応し、曲線C2は、250KeVのエネルギーレベルを有するパルス電子ビーム(F
1)による照射に対応し、曲線C3は、430KeVのエネルギーレベルを有するパルス電子ビーム(F
2)に対応する。
【0101】
250μmの値は、PETボトル等の容器の壁に対する基準値に対応する。
【0102】
図2は、少なくとも14kGyに等しい値の線量を容器内部で得るために、各ビーム(F
0)、(F
1)、(F
2)によりPETの250μmの壁を介して吸収される放射線量を示している。
【0103】
図2に示されているように、深さ250μmで少なくとも14kGyの所望の致死的線量を得るためにPETにより吸収されるエネルギーは、電子ビームが連続電子ビーム(F
0)よりもパルスタイプであるときずっと少なく、また、2つのパルスタイプのビームを比較すると、吸収されるエネルギーは、250KeVのエネルギービーム(F
1)よりも430KeVのエネルギービーム(F
2)の方がさらに少ない。
【0104】
430KeVのエネルギーを有するパルス電子ビーム(F
2)等のビーム(F)では、壁を介した容器、外面および内面で、より一様な照射が得られる。
【0105】
有利には、PETにより吸収されるエネルギーは、このようなビーム(F
2)ではより少なく、これは、熱可塑性材料の劣化リスクを低減する。ビームのエネルギーが大きければ大きいほど、内面を照射するために容器の壁を通る電子量が大きくなることになる。
【0106】
430KeVのエネルギーを有するビーム(F
2)は、250KeVのエネルギービーム(F
1)と比較すると、照射時間全体を著しく短縮することができるので、これは、容器製造設備での利用には特に有利である。
【0107】
好ましくは、ビーム(F)は、400KeVを超えるエネルギーを有する。
【0108】
照射をさらに改善し、処理時間を短縮するために、本発明は、パルス電子ビーム(F)を選択的に反射するために首部の開口部から容器内部に軸方向に導入されるように構成されたリフレクタを放出装置に組み合わせることを提案する。
【0109】
有利には、この方法は、照射ステップの前に、滅菌すべき容器の内部にリフレクタを軸方向に導入することからなるステップを含む。
【0110】
図3と
図4では、上記の滅菌方法を実施されるように構成された容器12の滅菌装置10の1つの実施例を示した。
【0111】
以下の説明では、限定的ではないが便宜上、容器の主軸およびリフレクタの移動方向に関する「軸方向」の向き、ならびに「軸方向」の向きに直交する「半径方向」の向きを用いる。
【0112】
容器12の滅菌装置10は、パルス電子ビーム(F)の少なくとも1つの放出装置14と、組み合わされる1つのリフレクタ16とを含んでいる。
【0113】
リフレクタ16は、上記容器12の内部に少なくとも部分的に軸方向に導入されて、上記容器12を照射するために容器の壁18を介して半径方向に外部から放出装置14により放出される上記パルス電子ビーム(F)の全部または一部を選択的に反射する。
【0114】
拡散性のビーム(電子雲)をよりよく図示するために、電子ビーム(F)は半径方向の向きの矢印の形状で示したが、このような図は少しも限定的なものではなく、ビーム(F)の光線は、必ずしも軸方向に直交しない。
【0115】
容器12の照射は、特に容器の内部すなわち、製品、とりわけ水、牛乳、ジュース等の食用の液体と後で接することになる容器内面20を滅菌するように構成されている。
【0116】
しかし、照射は容器12の外部から壁18を介して実施されるので、外面22も同様に滅菌することになり、その結果、容器12は、パルス電子ビーム(F)により全体的に滅菌される。
【0117】
図3と
図4に示された容器12は、例としてのみ挙げられており、容器12は、底部26と首部28との間に軸方向に延在する円筒形の本体24を含み、上記首部28は開口部30を半径方向に画定している。
【0118】
壁18は、熱可塑性材料たとえばPETの所定の厚さ(E)を有し、「壁」という用語は、底部26から首部28および本体24まで軸方向に、容器12の全体に対して広い意味で理解すべきである。
【0119】
リフレクタ16は、容器12に対して、少なくとも1つの第1の位置(図示せず)と
図3に示された第2の位置との間に軸方向に可動式に取り付けられる。
【0120】
第1の位置は、リフレクタ16が容器12の外部に延在し、容器12から完全に出ている位置に対応する。
【0121】
第1の位置は、特に、容器12の滅菌後、次の容器12の滅菌に待機しながらリフレクタ16により占有されるものである。
【0122】
第2の位置は、容器12の首部28が画定する開口部30から導入されたリフレクタ16が、上記容器12の内部に少なくとも部分的に軸方向に延在する位置に対応する。
【0123】
好ましくは、リフレクタ16は、固定位置を占有する容器12に対して、
図3に示された矢印Aに沿ってリフレクタ16を軸方向移動するように制御される、アクチュエータ等の駆動手段に組み合わされる。
【0124】
変形実施形態では、リフレクタ16が固定され、容器12の内部にこのリフレクタを導入するためにリフレクタ16に対して容器12が軸方向移動するようにしてもよい。
【0125】
リフレクタ16は、好ましくは特に首部28と接触せずに上記容器内部に軸方向に導入可能であるように、容器12の首部の内径よりも小さい最大外径を有する軸方向ロッドの形態で構成される。
【0126】
有利には、リフレクタ16は、考慮されたリフレクタ16の部分に沿って軸方向に変化する反射率を有する。
【0127】
リフレクタ16は、反射率R1を有する少なくとも1つの第1の部分32と、第1の部分32の反射率R1よりも低い反射率R2を有する第2の部分34とを含む。
【0128】
好ましくは、反射率R2を有するリフレクタ16の第2の部分34は、リフレクタ16が上記第2の位置を占有するとき、容器12の首部28および/またはショルダの位置に配置されるように、リフレクタ16に軸方向に配置される。
【0129】
有利には、より小さい反射率R2を有するリフレクタ16の上記少なくとも1つの第2の部分34が、容器12の「デザイン」に応じて決定され、第2の部分34のような、より小さい反射率をもつ1つまたは複数の部分は、首部28の下に延在する容器12のショルダ等の、リフレクタ16に半径方向に近い方の容器12の1つまたは複数の部分に半径方向に向かい合うように、リフレクタ16に軸方向に配置される。
【0130】
リフレクタ16は、有利には、タンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)、または金(Au)等の、比較的高い原子量、好ましくは180を上回る原子量を有する少なくとも1つの材料で全部または一部が構成される。
【0131】
反射率R1を有するリフレクタ16の第1の部分32と、反射率R2を有するリフレクタ16の第2の部分34は、たとえば、各々に対して異なる材料を使用することによって得られる。
【0132】
図3と
図4に示したように、リフレクタ16の反射外面は、容器12の壁18を介して半径方向に放出装置14によりパルス式に放出されるビームFの電子を、所定の入射で反射する円筒面により全部または一部が形成される。
【0133】
本発明によるパルス電子ビームFは、リフレクタ16の円筒面に直交して到達してから、滅菌すべき容器12の内面20に向かって所定の入射で反射される。
【0134】
しかし、PETボトル等の容器12は、一般に独自の「デザイン」を有し、そのため、リフレクタ16の円筒面に対して軸方向に平行に延在する円筒面を有さずに突出および/または中空部分を備えた1つまたは複数のエリア、ここでは波形の特別なエリア36等を有する。
【0135】
このような特別なエリアの照射を改善するために、リフレクタ16は、組み合わされる少なくとも1つの特別なエリア36に向かってパルス電子ビームFを反射させるように、少なくとも1つの特別な部分38を含む。
【0136】
有利には、リフレクタ16の上記特別な部分38は、軸方向の面に延在しない少なくとも1つの反射面を含む。
【0137】
実施例では、上記少なくとも1つの反射面が、壁18の内面に平行ではなく、また、上記放出装置14により容器12の壁18を介して半径方向に放出される電子ビームFにも直交しない。
【0138】
実施例では、上記特別な部分38が、リフレクタ16の他の部分から半径方向に突出して延びる少なくとも1つのリングから構成されており、軸方向の断面の輪郭が横になった「V」字型である。
【0139】
リングの形状の特別な部分38は、それぞれ円錐台形の上部反射面40と下部反射面42とを含んでいる。
【0140】
有利には、リフレクタ16が、このリフレクタ16の軸方向自由端に配置される別の特別な反射部分34を含んでいる。
【0141】
好ましくは、上記の別の特別な反射部分44が、一般にはペタロイド型の底部26に向かって電子ビームFを反射させるための少なくとも1つの円錐台形の反射面46を含んでいる。
【0142】
有利には、リフレクタ16は、所定の電荷を有する少なくとも1つの部分を含み、上記電荷は、ビームFの電子の反発効果を得るために負であり、または、上記ビームの吸収効果を得るために正である。
【0143】
軸方向の位置に沿ってリフレクタの所定の1つの部分が他の部分に対して有する反射率の変動は、異なる電荷を有する部分によって得られる。
【0144】
好ましくは、リフレクタ16は、電気的に接地接続またはアース接続される。
【0145】
有利には、滅菌装置10は、パルス電子ビームFの放出装置14に対してそれ自体を回転駆動するために容器12の回転駆動手段48を含む。
【0146】
上記の滅菌装置10は、高温のプリフォームを起点とする熱可塑性材料の容器12の製造設備の滅菌ユニットの1つまたは複数の滅菌部を構成する。
【0147】
少なくとも1つの滅菌装置10を含むこのような容器12の滅菌ユニットは、たとえば、あらかじめ炉内で熱調整された高温プリフォームが少なくとも1つの加圧流体を用いてブロー成形また延伸ブロー成形により容器12に加工される成形ユニットの下流に配置される。
【0148】
有利には、滅菌ユニットは、熱可塑性材料の容器12の製造設備が備える容器12の充填ユニットの上流に配置される。
【0149】
このタイプの熱可塑性材料容器12の製造設備は従来技術から公知であり、たとえば限定的ではなく例として国際公開第99/03667号を参照されたい。