特許第6810073号(P6810073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6810073
(24)【登録日】2020年12月14日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】ポリマーの使用法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/79 20060101AFI20201221BHJP
   A61P 39/02 20060101ALI20201221BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20201221BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   A61K31/79
   A61P39/02
   A61P1/00
   A61P31/04
【請求項の数】12
【全頁数】47
(21)【出願番号】特願2018-27220(P2018-27220)
(22)【出願日】2018年2月19日
(62)【分割の表示】特願2015-520580(P2015-520580)の分割
【原出願日】2013年6月28日
(65)【公開番号】特開2018-138542(P2018-138542A)
(43)【公開日】2018年9月6日
【審査請求日】2018年3月22日
(31)【優先権主張番号】61/666,626
(32)【優先日】2012年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512254586
【氏名又は名称】サイトソーベンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100098590
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 隆
(72)【発明者】
【氏名】チャン,フィリップ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】カポニ,ヴィンセント・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴロビシュ,トーマス・ディー
(72)【発明者】
【氏名】アリ,フマイラ・ベガム
【審査官】 小堀 麻子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/123767(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体物質における1種以上の毒素による汚染を低減する方法に使用するための収着剤であって、
前記方法は、
a.該生体物質を、該毒素を収着することができる有効量の収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有し、ポリビニルピロリドンにより修飾されている収着剤とex vivoで接触させること;及び
b.該毒素を収着すること、ここで、該毒素が、外因性毒素、または、細菌、ウイルス、真菌及び寄生生物の1またはそれ以上により産生される外毒素を含む、
を含み、
ここで、該収着剤が、
(i) 50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積の100Å〜1,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が3:1より小さい細孔構造を有する;または
(ii) 50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積の1,000Å〜10,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が2:1より小さい細孔構造を有する;または
(iii) 該収着剤が、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積の10,000Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が3:1より小さい細孔構造を有する。
【請求項2】
請求項1に記載の収着剤であって、該収着剤が、ジビニルベンゼンを含む収着剤。
【請求項3】
請求項に記載の収着剤であって、該細菌の種が、黄色ブドウ球菌、溶血性ブドウ球菌、クロストリジウム・パーフリンジェンス、破傷風菌、ボツリヌス菌、腸管出血性大腸菌、腸管毒素原性大腸菌、腸管毒素原性LT大腸菌、病原性大腸菌、腸管侵入性大腸菌、腸管凝集性大腸菌、拡散付着性大腸菌、赤痢菌、フレキシネル赤痢菌、ボイド赤痢菌、ソンネ赤痢菌、コレラ菌、腸炎ビブリオ、ビブリオ・バルニフィカス、セレウス菌、炭疽菌、チフス菌、パラチフス菌、サルモネラ・ダブリン、サルモネラ・エンテリティディス、リステリア・モノサイトゲネス、腸炎エルシニア、仮性結核菌、ストレプトコッカス・ディフィシリス、糞便レンサ球菌、化膿レンサ球菌、マルタ熱菌、ウシ流産菌、ブタ流産菌、カンピロバクター・ジェジュニ、プレジオモナス・シゲロイデス、アエロモナス・ハイドロフィラ、アエロモナス・キャビエ、アエロモナス・ソブリア、トロフェリマ・ホウィッペリ、またはマイコプラズマを含む収着剤。
【請求項4】
請求項に記載の収着剤であって、該ウイルスの種がロタウイルスを含む収着剤。
【請求項5】
請求項に記載の収着剤であって、該真菌の種が、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ性食道炎(C. esophagitis)、シャグマアミガサタケ(Gyromitra esculenta)、アマニタ・テヌイフォリア(Amanita tenuifolia)、アマニタ・ビスポリゲラ(A. bisporigera)、アマニタ・ビローサ(A. virosa)、ガレリナ・オータムナリス(Galerina autumnalis)、レウコアガリクス・ブルネア(Leucoagaricus brunnea)、レピオタ・ヨセランデイ(Lepiota josserandii)、レピオタ・ヘルベオラ(L. helveola)、レピオタ・スビンカルナータ(L. subincarnata)、オオシロカラカサタケ(Chlorophyllum molybdites)、エントローマ・リビダム(Entoloma lividum)、トリコローマ・パルジナム(Tricholoma pardinum)、オムファロス・オレアリウス(Omphalotus olearius)、パキシラス・インボルタス(Paxillus involutus)、アマニタ・ファロイデス(Amanita phalloides)、アマニタ・ブルネセンス(A. brunnescens)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、またはアスペルギルス・パラジチカス(A. parasiticus)を含む収着剤。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項に記載の収着剤であって、該毒素が、大腸菌腸管毒素原性STa、腸管毒素原性STb、ブドウ球菌毒素B、α毒素、または毒素性ショック症候群毒素−1、クロストリジウム・パーフリンジェンス腸毒素またはα毒素、大腸菌志賀様毒素STX−1、志賀様毒素STX−2、ベロ毒素、志賀様志賀毒素、コレラ毒素、腸管毒素原性LT、破傷風毒素、ボツリヌス毒素、クロストリジウム・ディフィシル毒素B、C.ディフィシル毒素A、シアノ毒素、シュードモナス菌外毒素A、及び百日咳毒素である収着剤。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1項に記載の収着剤であって、該毒素による汚染が全身または局所である収着剤。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか1項に記載の収着剤であって、該収着剤が、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積の100Å〜1,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が3:1より小さい細孔構造を有する収着剤。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか1項に記載の収着剤であって、該収着剤が、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積の1,000Å〜10,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が2:1より小さい細孔構造を有する収着剤。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1項に記載の収着剤であって、該収着剤が、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積の10,000Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が3:1より小さい細孔構造を有する収着剤。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の収着剤であって、該収着剤が2種以上の異なる細孔大きさを有する収着剤の混合物である収着剤。
【請求項12】
生体物質における1種以上の毒素による汚染を ex vivo で低減する装置であって、
a.請求項1〜11のいずれか1項に記載の収着剤;及び
b.容器であって、該1種以上の毒素を含む生理液が該容器内に直接導入されることができるように該収着剤が該容器の内部に配置されている容器
を含む装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、2012年6月29に提出された米国仮出願第61/666,626号の利益を主張するものであり、その内容はすべて参照により組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は一般に、毒素汚染を低減する材料、方法、キット、及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]毒素とは、正常な生理機能を妨げ、場合によっては病気を引き起こすことがある外因性または内因性物質である。毒素は、腸や、皮膚、粘膜を含む身体組織と接触する、あるいはそれらによって吸収されることにより病気を引き起こす。毒素として作用し得る物質は、何百万ほどではないが数千くらいは存在する。通常は毒素ではない物質でも、ある条件下では毒素になり得ることがある。毒素によって、その強度や、作用する速度が大きく異なる。毒素に晒された場合の処置が開発されており、毒素との接触を取り除くことや、解毒剤の使用がこれに含まれる。
【0004】
[0004]解毒剤は、毒素の効果を中和することができる物質である。しかしながら、ほとんどの解毒剤は1種の毒素のみ、または1つの科の毒素にのみ特異的である。したがって、病院、診療所、野戦病院、医院、救急車、及びその他の緊急救援者がすべての毒素に対する解毒剤を用意することは不可能である。また、多種類の毒素に対して解毒剤が開発されているわけではなく、いくつかの解毒剤はその量があまりにも少なく、毒素に晒された人の処置に有効に用いることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]よって、毒素汚染を有効かつ効果的に低減し、対象の毒素汚染を処置するための、新規でよりよい材料、方法、キット、及び装置に対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]本発明は、生体物質における1種以上の毒素による汚染を低減する好適な材料及び方法であって、該生体物質を、該毒素を収着することができる有効量の収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する収着剤と接触させること、及び、該毒素を収着することを含む、材料及び方法を提供する。本発明は、また、1種以上の毒素による汚染を処置する好適な方法であって、それを必要としている対象において、該対象の生体物質を、該毒素を収着することができる有効量の収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する収着剤と接触させること、及び、該毒素を収着することと含む方法を提供する。
【0007】
[0007]本発明は、また、毒素を収着することができる収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する収着剤と、使用しない時に該収着剤を該収着剤の包装とともに保存する容器とを含む、生体物質における1種以上の毒素による汚染を低減する好適なキットを提供する。本発明は、また、毒素を収着することができる収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.
05mm〜2cmの大きさを有する収着剤と、容器であって、該生体物質が該容器内に直接導入されることができるように該収着剤が該容器の内部に配置されている容器とを含む、生体物質における1種以上の毒素による汚染を低減する好適な装置も提供する。
【0008】
[0008]本発明は、また、毒素を収着することができる収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する収着剤と、食品または携帯可能な液体とを含む好適な医薬組成物を提供する。
【0009】
[0009]本発明は、生体物質における1種以上の毒素による汚染を低減する方法であって、該生体物質を、1種以上の非毒性サブユニットを収着することができる有効量の収着剤と接触させること、この際、2種以上のそれらサブユニットが結合すると毒素が形成され、そして、該収着剤が、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する、及び、該1種以上の非毒性サブユニットを収着することを含む方法を提供する。本発明は、また、1種以上の毒素による汚染を処置する方法であって、それを必要としている対象において、該対象の生体物質を、1種以上の非毒性サブユニットを収着することができる有効量の収着剤と接触させること、この際、2種以上のそれらサブユニットが結合すると毒素が形成され、そして、該収着剤が、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する、及び、該1種以上の非毒性サブユニットを収着することを含む方法を提供する。
【0010】
[0010]以下の詳細な記述は、添付の図面と併せて読むと、より理解が深まる。本発明を例示する目的で、本発明の例示的な態様を図面に示しているが、本発明は開示されている特定の方法、組成物、及び装置に限定されない。また、図面は必ずしも原寸に比例していない。図面において、
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】収着剤の孔径の関数としてプロットした収着剤の孔体積を対数目盛で示している。
図2】時間の関数としてクロストリジウム・ディフィシル毒素Aの除去を示している。
図3】時間の関数としてクロストリジウム・ディフィシル毒素Bの除去を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0014]本発明は、本開示の一部をなす添付の図面及び例に関連してなされた以下の詳細な記述を参照することによりより容易に理解される。自明であるが、本発明は、本明細書に記載または示す特定の材料、装置、方法、用途、条件、またはパラメータに限定されるものではなく、また本明細書で用いた用語は例によって特定の態様を記述するためのみのものであり、主張する発明を限定することを意図していない。本明細書を通して、用語「複数」は、2以上を意味する。値の範囲を表現する場合、他の態様は一方の特定の値から、及び/または他方の特定の値までを含む。同様に「約」を付けて近似として値を表現する場合、その特定の値は他の態様を形成することは自明である。すべての範囲は、その数値を含み、結合可能である。
【0013】
[0015]自明であるが、明確さのために別々の態様の文脈において本明細書で記載した本発明のある特徴が、1つの態様で組み合わせて示されることがある。逆に、簡潔さのために1つの態様の文脈で記載した本発明の様々な特徴が、別々に、あるいはいずれかの下位の組み合わせで示されることがある。さらに、範囲で述べた値を参照する場合、その範囲
内の各値をすべて含む。
【0014】
[0016]以下の定義は、本発明の理解を助けることを意図している。
[0017]用語「抗微生物剤」は抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、防腐剤などを含む。好適な抗微生物剤としては、イソニアジド、リファンピン、ピラジンアミド、エタンブトール、エリスロマイシン、バンコマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スルホンアミド、ゲンタマイシン、アモキシシリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、p−アミノサリチル酸、クラリスロマイシン、クロファジミン、ミノサイクリン、スルホンアミド、エチオナミド、シクロセリン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、バイオマイシン、チアセタゾン、リファブチン、キノロン(シプロフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシンなど)、リファンピン、オセルタミビル、アシクロビル、ラミブジン、アゾール抗真菌剤、エキノキャンディンなどを含むが、これらに限定されない。抗微生物剤は例えば、カルベニシリン、アンピシリン、クロキサシリン、オキサシリン、ピペラシリン、セファロスポリン、及びその他のセフェム(例えばセファクロル,セファマンドール、セファゾリン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフォキシチン、セフタジジム、セフトリアキソンなどを含む)、カルバペネム(例えばイミペネム、メロペネムなどを含む)などのβ−ラクタム抗菌剤;グリコペプチド;マクロライド;キノロン(例えばナリジクス酸など);テトラサイクリン;及びアミノグリコシド(例えばゲンタマイシン、パロモマイシンなど)などを含むが、これらに限定されない。
【0015】
[0018]用語「生体適合性」の意味は、収着剤が生理液、生体組織、または有機体と接触している間、容認できない臨床変化を起こすことなく収着剤が生理液、生体組織、有機体と接触することができることとして定義される。いくつかの態様では、収着剤が有機体の腸及び消化管で許容されることを意図する。本発明の収着剤は、好ましくは非毒性である。生体適合性収着剤は、生分解性ポリマー、再吸収性ポリマー、またはその両方の特徴を持っていてもよい。
【0016】
[0019]用語「微生物」は、細菌、ウイルス、菌類、寄生生物を含む。
[0020]用語「毒素」は、陰性臨床転帰に結びつけられる病原因子として同定される物質を意味するのに用いる。毒素は、毒素サブユニット、毒素前駆体、病原性因子を含む。毒素は、細菌、ウイルス、菌類、寄生生物、植物、または動物などの生物学的供給源に由来し得る。毒素は予め形成されている場合と、生体物質の存在下に置かれた時点でのみ毒性になる場合がある。例えば、ボツリヌス毒素(7種の型の1種)は、しばしば缶詰製品中などの嫌気条件下で細菌クロストリジウム・ボツリヌスによって産生される。胃の中に入ると、この予め形成されているボツリヌス毒素は知られている毒素の中でも最も強力なものの1つとなり、シナプスでアセチルコリンの放出を阻害して神経筋伝達を妨げ、麻痺及び呼吸不全を引き起こす。トウゴマ由来のリシン毒素は、吸引、注入、摂取した場合、死に至る可能性がある予め形成されている毒素の別の例である。キノコ類由来のアマトキシンや、アスペルギルスという菌類の株によって産生されるマイコトキシンであるアフラトキシンも別の予め形成されている毒素の例である。毒素はしばしば微生物によってまた体内でも産生されることがあるが、ウイルス感染などにより患者自身の細胞によって産生されることもある。
【0017】
さらに例として毒素TcdA及びTcdBが挙げられる。これらはクロストリジウム・ディフィシル細菌によって産生されて腸管腔に放出され、消化管で細胞を殺して、激しい、場合によっては生命を脅かすほどの下痢を引き起こす。他の例として、大腸菌の特定の株で産生される志賀様毒素すなわちベロ毒素が挙げられる。この大腸菌株には、汚染された生焼けの肉、野菜、または果物によって感染することが多く、食品経由の病気を引き起こす。ベロ毒素は腸管腔内の細菌によって産生されるが、血流に吸収されて、そこから血管内皮細胞に取り込まれて、細胞を殺す。ベロ毒素は、優先的に糸球体を標的として腎臓
不全を引き起こす。また死に至らしめる溶血性尿毒症症候群を引き起こす可能性がある。さらに別の例として、NSP4毒素が挙げられる。NSP4は患者自身の細胞で産生されて、胃腸でウイルス、ロタウイルス感染する。ロタウイルスは、幼児が発症する重篤な下痢の原因として最も一般的なもので、年間600,000人超の患者が亡くなっている。NSP4は腸毒素として作用する。結腸上皮でイオンチャンネルを活性化して、いかなる構造的な損傷を起こすことなく激しい分泌性下痢を引き起こす。通常は非毒性の物質であっても、過剰に、すなわち高濃度で存在すると毒素になり得る。そのような例としてサイトカインが挙げられる。サイトカインは、通常は免疫系で産生されるタンパク質である。低レベルでは免疫系の機能にとって重要であるが、高レベルになると炎症性毒素となって細胞死、激しい炎症、及び臓器機能不全を引き起こす。毒素はまた、非毒性の前駆体すなわちプロトキシンの代謝によって形成され得る。そのような一例としてアミロイド前駆体タンパク質が挙げられる。これは、身体で産生される非毒性のタンパク質であるが、セクレターゼという酵素によって開裂すると、断片β−アミロイドタンパク質という毒素を形成し得る。この毒素は、アルツハイマー病の病原の主要因であるアミロイド斑を形成し得る。非毒性サブユニットすなわち前駆体は、互いに結合すると毒素になり得る。このような例として、炭疽病の原因である炭疽菌が産生する致死因子、浮腫因子、及び防御抗原が挙げられる。これら自体は非毒性であるが、結合して細胞に取り込まれると、これらサブユニットは致死の毒素、致死毒素及び浮腫毒素を形成し、細胞死や細胞溶解を引き起こす。他の例として、黄色ブドウ球菌α毒素が挙げられる。この毒素はモノマーでは非毒性であるが、7個のモノマーが結合して孔形成錯体となると強力な溶血性毒素となる。ある物質は、身体のある場所では毒性効果がないが、他の場所では毒素になり得る。このような例として、グラム陰性菌の細菌内毒素であるリポ多糖体が挙げられる。リポ多糖体は腸管腔ではほとんど毒性がないが、血流に逃げ込むと敗血症性ショックを引き起こす。毒素は、リパーゼ、アミラーゼ、トリプシン、ヒアルロニダーゼ、コラーゲナーゼなど一般的な酵素でもあることがある。適切に調整されてない場合、またはこれら酵素の作用に対して保護されてない身体領域で活性である場合、これら酵素は細胞や組織を損傷させる。これらの物質が体内で病原体の蔓延や毒性を促進する場合は、「病原性因子」として分類される。これらは例として示したが、毒素はこれらに限定されない。
【0018】
[0021]用語「胃腸管腔」あるいは「管腔」は消化管内の空間または腔を指す。
[0022]本明細書を通して用語「胃腸疾患」は、胃炎、メネトリエ病、消化管潰瘍、胃腸炎、胃腸の炎症性疾患、腸管感染症、腸粘膜傷害、炎症性腸疾患、セリアック病などを含む。
【0019】
[0023]本明細書を通して用語「収着剤」は吸着剤及び吸収剤を含む。
[0024]本明細書を通して用語「生理液」は身体に由来する液体であり、鼻咽頭、口腔、食道、胃、脾臓、肝臓、胸膜、心膜、腹膜、腸、前立腺、精子、膣の分泌物、涙、唾液、肺や気管支の分泌物、粘液、胆汁、血液、リンパ液、血漿、血清、滑液、脳脊髄液、尿、火傷や傷からにじみ出る液体などの間質液、細胞内液、細胞外液などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0020】
[0025]本明細書を通して用語「液体担体」は体外から投与された液体であり、経口投与された液体、栄養管により投与された液体、腹膜から投与された液体、かん腸や大腸洗浄など直腸から投与された液体などを含むが、これらに限定されない。
【0021】
[0026]本明細書を通して、単数形「a、an、the」は、複数形を含み、特定の数値への参照は、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限り、少なくともその特定の値を含む。値の範囲を表す場合、他の態様は一方の特定の値から、及び/または他方の特定の値までを含む。同様に「約」を付けて近似として値を表現する場合、その特定の値は他の態様を形成することは自明である。すべての範囲は、その数値を含み、結合可能
である。
【0022】
[0027]特にことわらない限り、本明細書を通じてすべての他の技術用語及び科学用語は、記載した方法や組成物に関係する当業者が一般に理解するのと同じ意味を持つ。本明細書を通して、以下の用語及び表現は、それらに与えられた意味を持つ。
【0023】
[0028]また、様々な参照が以下で識別され、そのすべての内容を参照により取り込む。
[0029]本発明は、細孔体積に対する細孔大きさの範囲の比によって規定された細孔構造を設計することにより、毒素、毒素前駆体、毒素サブユニット、または病原性因子(他の物理特性に関わらず広範囲の大きさの「毒素」として総称する)を収着する生体適合性収着剤組成物を調製することができるという発見に一部基づいている。この生体適合性収着剤を用いて、生体物質、一般に哺乳類、特にヒトに導入された1種以上の毒素による汚染を阻害または低減することができる。しかしながら、この生体物質はまた、微生物の増殖または維持を支えるべく製造された物質であることもある。この収着剤組成物は、直接毒素を産生する、あるいは毒素が産生される原因となる微生物の成長を止める、あるいは中断させる抗微生物剤と共に作用しながら、毒素を低減するのに有益である。この収着剤組成物はまた、他の処置が様々な理由から利用できない状況においても有益である。例えば、この収着剤は、毒素がはっきりと同定されていない場合に用いることができる。本発明の生体適合性収着剤及び方法が有益であり得る他の例は、毒素は同定可能であるが、十分に類型化できない、あるいは目的とする処置のために培養できない場合である。他の例としては、微生物が死んでより多くの毒素を放出して、患者の状態を悪化させるおそれがあり抗微生物剤を用いることができない場合である。
【0024】
[0030]本発明の生体適合性収着剤組成物は、複数の細孔を含む。この生体適合性収着剤は、1kDa未満〜1,000kDaの広範囲の毒素を吸収するように設計されている。特定の理論に拘束される意図ではないが、この収着剤は細孔の内部に所定の分子量の分子を隔離することにより作用すると思われる。このポリマーの細孔大きさが大きくなるにつれて、このポリマーによって吸着することができる分子の大きさも大きくなる。逆に、ある分子を吸着するのに最適な細孔大きさを超えて細孔大きさを大きくすると、該タンパク質の吸着は低減する場合または傾向がある。
【0025】
[0031]一態様では、50,000ダルトン(50kDa)以下の小から中の大きさのタンパク質分子を吸着し、大きい血液タンパク質を吸着しない多孔性ポリマーは、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤の範囲である細孔構造を含む。収着剤の50Å〜40,000Åの間の孔径の細孔の体積の100Å〜1,000Åの間の孔径の細孔の体積に対する比が3:1未満の場合、この収着剤は、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きい細孔構造を有する。
【0026】
[0032]他の態様では、約300,000ダルトンの中から大の大きさのタンパク質分子を最適に吸着し、非常に大きい血液タンパク質を吸着しない、あるいはしても最小限に吸着する多孔性ポリマーは、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤の範囲である細孔構造を含む。収着剤の50Å〜40,000Åの間の孔径の細孔の体積の1,000Å〜10,000Åの間の孔径の細孔の体積に対する孔径の比が2:1未満の場合、この収着剤は、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きい細孔構造を有する。
【0027】
[0033]他の態様では、1,000,000ダルトン以下の非常に大きいタンパク質分子を最適に吸着し、非常に大きい血液タンパク質を吸着しない、あるいはしても最小限に吸
着する多孔性ポリマーは、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤の範囲である細孔構造を含む。収着剤の50Å〜40,000Åの間の孔径の細孔の体積の10,000Å〜40,000Åの間の孔径の細孔の体積に対する比が3:1未満の場合、この収着剤は、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きい細孔構造を有する。
【0028】
[0034]この生体適合性収着剤は生体物質に導入される。用語「生体物質」は、一般にイヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、ヤギなどの哺乳類、好ましくはヒトに由来する、in vivo で見出される物質を含む。生体物質としては、例えば、細胞や、唾液、鼻咽頭液、血液、血漿、血清、胃腸液、胆汁、脳脊髄液、心膜液、膣液、精液、前立腺液、腹水、胸膜液、尿、滑液、間質液、細胞内液すなわち細胞質、リンパ液、気管支分泌物、粘液、硝子体液または房水などの生理液が挙げられる。この用語はまた、培地、生体マトリックス、卵など真核細胞、原核細胞、ウイルス、菌類、または生体外の原虫の増殖や維持を支える物質を含む。生体適合性収着剤及び生体物質は導入してもよく、また in vivo あるいは ex vivo で混合してもよい。
【0029】
[0035]毒素は、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質、核酸、及びこれらの組み合わせ(例えば多量体または多数のサブユニットタンパク質、糖タンパク質、糖脂質、リポタンパク質など)など、最も一般的な有機物質である。毒素はまた、有機化合物(例えばアルカロイド)や特定の無機分子(例えばシアニド)も含むことができる。
【0030】
[0036]毒素は広範囲の有機体により産生され得る。例えば、毒素は、細菌、ウイルス、菌類、寄生生物などの微生物によって産生され得る。毒素はまた、昆虫、魚類、甲殻類、貝類、両生類、爬虫類、鳥類、及び哺乳類などのマクロ生物によっても産生され得る。毒素はまた、植物、藻、植物プランクトンなどの植物によっても産生され得る。ウイルスは典型的には、DNAまたはRNA、あるいは他の核酸配列による遺伝暗号を含み、感染した細胞に毒素を含むウイルスタンパク質を作らせる。多くの毒素はまた、天然の過程を経て作られた身の回りに存在する生成物であるかもしれない。毒素は、それ自体が毒性または非毒性のサブユニットの会合、あるいはサブユニットの修飾により形成されるかもしれない。毒素には低濃度では非毒性の物質であるが、高濃度になると毒性になるようなものがある。いくつかの毒素は場所に特異的なものもある。毒素は非毒性の前駆体の代謝の副生物であり得る。毒素はまた、(例えば細菌戦用途など)人工的に製造することもできる。
【0031】
[0037]外因性毒素は頬や口の粘膜、舌下粘膜、鼻粘膜、洞、鼻咽頭、中咽頭、気道、消化管、尿生殖路、目の粘膜など、皮膚や粘膜の表面から摂取、注入、吸引、又は吸収される。内因性毒素は、血液、消化管、気道、尿生殖路、組織内、体腔内など身体のあらゆるところで産生される。しばしば内因性毒素は、局所的な生物学的作用を妨げる、あるいは局所的に病気を引き起こすことにより局所的に作用する可能性がある。あるいは、毒素が全身に作用して、全身性生物学的作用を妨げ、全身性疾患や臓器機能不全を引き起こす可能性がある。非毒性の前駆体もまた、環境から吸収される、あるいは身体で作られる可能性があり、体内で代謝や他の修飾により毒素に変換される。
【0032】
[0038]毒素は多数の異なる反応機構を介して病的状態を引き起こす可能性がある。特定の毒素は、細胞を直接殺す。例えば、ドクイトグモ毒は細胞溶解及び溶血の両方を起こす多数の毒素を含む。これらの毒素は、ヒアルロニダーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、及びリパーゼなどの酵素である。スフィンゴミエリナーゼDは、ドクイトグモ毒の注入によって起こる組織破壊及び溶血の大部分に関与するタンパク質成分と考えられている。アラキドン酸、プロスタグランジン、及び好
中球の走化性浸潤が介在して引き起こす激しい炎症反応は、媒介物質であるC反応性タンパク質及び補体活性化を伴う真性の脈管カスケード反応によりさらに増幅される。これらの因子や、その他の因子が壊死性クモ咬刺症の局所及び全身性反応に寄与する。他の毒素は、正常細胞生理を混乱させることにより作用する。例えば、炭疽病の浮腫因子が防御抗原と結合して、直接細胞死を引き起こす。
【0033】
[0039]最も一般的な毒素源の1つに、クロストリジウム・ディフィシルなどの腸内病原体や、大腸菌OE157:H7、大腸菌O104:H4、コレラ菌、志賀赤痢菌、及びロタウイルスなどの腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic E. coli、EHEC)が挙げられる
。これらの毒素は、胃腸の粘膜の細胞を損傷または死亡させ得る。また、胃腸の恒常性を変化させて、しばしば下痢や嘔吐を引き起こす可能性があり、脱水、吸収不良を起こす。特に若年層、高齢者、免疫不全の対象では場合によっては死に至ることがある。これらの毒素は、大腸炎、出血性下痢、胃腸の出血、免疫系機能低下、中毒性巨大結腸、腸穿孔、ショック、敗血症、死など、より重篤な合併症を引き起こす可能性がある。感染及び毒素による胃腸の粘膜の損傷は、細菌や、内毒素などの毒素を腸管から血液や身体に転位させ得るものであり、それが敗血症を誘発または悪化させる原因となることがある。アメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention, CDC)によると
、2009年には45カ国で221,226例のコレラが発症し、約5,000例が死亡に至っている。これらは主に、大量のコレラ毒素を産生するコレラ血清型O1及びO139の毒素産生株によって引き起こされる。ボツリヌスや志賀様毒素(STX−1)などいくつかの毒素は消化管から吸収されて、血液やリンパ液により身体の異なる部分へ分配され、病気を引き起こし得る。
【0034】
[0040]腸内病原体は一般に身の回りに存在するものであり、細菌、ウイルス、寄生生物、及び植物を含む。発症は有機体と直接関係する場合(例えば腸炎エルシニア、ノーウォークウイルス)、有機体が産生した毒素に関係する場合(例えばクロストリジウム・ディフィシル、腸管毒素原性大腸菌(Enterotoxigenic E. coli, ETEC)、細胞機能の変化が
起きて炎症性サイトカインが放出される場合(例えば、病原性大腸菌(Enteropathogenic
E. coli, EPEC)、カンピロバクター・ジェジュニ)、またはこれら反応機構の組み合わせである(例えばコレラ菌、志賀赤痢菌)場合がある。
【0035】
[0041]本発明の態様は、広範囲にわたる分子量の毒素、予め形成されている毒素、または生体物質の存在下で形成される毒素による汚染を阻害または低減するのに用いることができる。生体物質の存在下で形成される毒素の例としてはリポ多糖体(lipopolysaccharide, LPS)など細菌内毒素が挙げられる。宿主の血流にLPSが存在すると、直接及び間
接的にLPSの毒性を媒介する各種宿主因子を内因的に産生すると考えられている。これら宿主由来の媒介物質は、現在ではよく認識されている多種の炎症性サイトカイン、内分泌性ホルモン、ロイコトリエン、血小板活性化因子などその他の多種の内因性因子を含む。TNF−α、IL−1、IFN−γなどのサイトカインは、各種微生物(細菌、ウイルス、菌類、及び寄生生物を含む)による感染の結果として刺激されたマクロファージ及びTリンパ球から放出される。相互作用する因子は、サイトカイン・カスケード反応を含む。TNF−αは他の種類のサイトカインの産生を刺激することが観察されている。IL−1は、発熱、白血球の増加、リンパ球の活性化、肝臓での急性期タンパク質の生合成の誘発など、炎症一般に観察される反応を誘発する。しかしながら、高レベルになると、これら及びその他のサイトカインは炎症性毒素となって、毛細血管漏出、アポトーシスによる細胞死、不安定な血流、臓器機能不全、悪液質など望ましくない効果を生じることがある。
【0036】
[0042]他の例として、細菌感染ではIL−8などのサイトカインは、好中球などの白血球をサイトカイン発現領域へ引きつける信号として作用する。一般に、好中球による酵素
や超酸化物陰イオンの放出は、感染している細菌を破壊するのに必須である。しかしながら、例えばサイトカイン発現により好中球が肺に侵入すると、好中球酵素及び酸素ラジカルが放出され、死に至る可能性のある成人呼吸窮迫症候群(adult respiratory distress
syndrome, ARDS)が進行することがある。
【0037】
[0043]ある態様では、毒素は1種以上の多用な生体源に由来する。このような生体源は、毒素、毒素サブユニット、及びその代表的な病原体の非排他的なリストである表1に示すような1種以上の細菌、ウイルス、菌類、または寄生生物を含むことができる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
[0045]表2は、本発明の収着剤を用いて生体物質の汚染を低減または阻害することができるウイルス毒素の非排他的リストである。
【0041】
【表3】
【0042】
[0047]表3は、本発明の収着剤を用いて生体物質の汚染を低減または阻害することができる真菌毒素の非排他的リストである。
【0043】
【表4】
【0044】
[0049]表4は本発明の収着剤を用いて生体物質の汚染を低減または阻害することができる植物由来毒素の非排他的リストである。
【0045】
【表5】
【0046】
[0051]表5は、本発明の収着剤を用いて生体物質の汚染を低減または阻害することができる動物由来の毒素の非排他的リストである。
【0047】
【表6】
【0048】
[0053]さらに、生体適合性収着剤の組成は、異なる細孔構造を有する収着剤の混合物を含んでいてもよい。そのような混合物は、例えば病原体がはっきり同定されていない、あるいは汚染された水の摂取など胃腸炎に関連づけられる病原体が複数あると疑われる場合に有益である。
【0049】
[0054]別の例では、本発明の方法及び収着剤は、口または直腸からクロストリジウム・
ディフィシルを摂取した場合の処置に用いることができる。C.ディフィシルは世界中の病院、その他の長期医療現場で一般に採取される。C.ディフィシルはこれら医療機関で激しい下痢の主な原因となっている。病院では、その結果、入院の長期化、再入院の増加、費用の増加が起こる(Glouliouris et al, Clin. Med., 11:75-7
9, 2011)。C.ディフィシルの芽胞は患者から大量に排泄され、汚染は何ヶ月あるいは
何年もの間存続する可能性がある。細菌は一般に、胃腸系の正常細菌叢によって阻害されるが、結腸細菌叢のバランスが崩れたり乱れたりすると、C.ディフィシルが大幅に増殖して毒素を産生する。その結果、下痢や、場合によっては発熱、大腸炎を引き起こす。利用できる処置法はメトロニダゾールとバンコマイシンであるが、完全な回復には正常腸内細菌叢が復元されなければならないので再発することが多い。C.ディフィシルはいずれも病原性の2種類の毒素、毒素A及び毒素Bを産生する(Lyerly et al, Clin. Microbiol. Rev., 1(1):1-18, 1988)。これらのタンパク質はかなり大きく、還元条件下で毒素A、Bとも250,000超である。また毒素Aが400,000〜600,000ダルトン(Krivan and Wilkins, Infect. Immun., 55:1873-1877, 1987; Bano et al, Rev. Infect. Dis. 6:Sll-S20 1984; Bano et al, Biochem. Int. 2:629-635, 1981)、毒素Bが
360,000〜500,000ダルトン(Lyerly et al, Infect. Immun. 54:70-76, 1986)と記載されている。
【0050】
[0055]他の例では、本発明の方法及び収着剤は、体外血液灌流系で血液適合性収着剤により血液中の細菌毒素を処置するのに用いることができる。標準的な血液透析、血液濾過、及び活性炭血液灌流は約10kDaより大きい毒素を取り除くことができない。高分子量遮断濾過器や中分子量収着剤カートリッジは、広く、特に大きい(>60kDa)毒素の除去には理想的ではない。この収着剤系であれば、抗生物質と共に用いて、血液、血漿、または血清から1kDa〜400kDaの範囲で病原体由来の毒素を取り除くことができる。血液感染性毒素も産生する感染としては、α毒素または毒素性ショック症候群毒素−1を産生する黄色ブドウ球菌及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphlococus aureus, MRSA)、全身性志賀様毒素毒血症に関連づけられる腸管出血
性大腸菌腸内感染、壊疽性筋膜炎を引き起こすα毒素の産生を伴うクロストリジウム・パーフリンジェンス感染、アエロリジン毒素の産生を伴うアエロモナス傷口感染などが挙げられる。
【0051】
[0056]いくつかの態様では、収着剤は少なくとも1種の架橋剤と少なくとも1種の分散剤を含む被覆されたポリマーを含む。
[0057]いくつかの好ましい被覆ポリマーは少なくとも1種の架橋剤と少なくとも1種の分散剤を含む。好適な分散剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル、ポリメタクリル酸ヒドロキシプロピル、ポリアクリル酸ヒドロキシプロピル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリメタクリル酸ジエチルアミノエチル、ポリアクリル酸ジエチルアミノエチル、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリジノン、ポリメタクリル酸の塩、ポリアクリル酸の塩、及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0052】
[0058]好適な架橋剤としては、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルシクロヘキサン、ジビニルスルホン、三メタクリル酸トリメチロールプロパン、二メタクリル酸トリメチロールプロパン、三アクリル酸トリメチロールプロパン、二アクリル酸トリメチロールプロパン、二メタクリル酸ペンタエリトリトール、三メタクリル酸ペンタエリトリトール、四メタクリル酸ペンタエリトリトール、二アクリル酸ペンタエリトリトール、三アクリル酸ペンタエリトリトール、四アクリル酸ペンタエリトリトール、二メタクリル酸ジペンタエリトリトール、三メタクリル酸ジペンタエリトリトール、四メタクリル酸ジペンタエリトリトール、二アクリル酸ジペンタエリトリトール、
三アクリル酸ジペンタエリトリトール、四アクリル酸ジペンタエリトリトール、ジビニルホルムアミド、及びこれらの混合物などが挙げられる。好ましくは、このポリマーは、分散剤が化学的にポリマー表面と結合するように、調製と被覆を同時に行う。
【0053】
[0059]細孔形成剤として有機溶媒を用いて、重合中に得られた相を分離して多孔性ポリマーを調製する。いくつかの好ましい細孔形成剤は、ベンジルアルコール、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノール/トルエン混合物、シクロヘキサノン、デカン、デカン/トルエン混合物、ジ−2−エチルヘキシルリン酸、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、2−エチル−1−ヘキサン酸、2−エチル−1−ヘキサノール、2−エチル−1−ヘキサノール/n−ヘプタン混合物、2−エチル−1−ヘキサノール/トルエン混合物、イソアミルアルコール、n−ヘプタン、n−ヘプタン/酢酸エチル、n−ヘプタン/酢酸イソアミル、n−ヘプタン/テトラリン混合物、n−ヘプタン/トルエン混合物、n−ヘキサン/トルエン混合物、ペンタノール、ポリ(スチレン−co−メタクリル酸メチル)/フタル酸ジブチル、ポリスチレン/2−エチル−1−ヘキサノール混合物、ポリスチレン/フタル酸ジブチル、ポリスチレン/n−ヘキサン混合物、ポリスチレン/トルエン混合物、トルエン、リン酸トリ−n−ブチル、1,2,3−トリクロロプロパン/2−エチル−1−ヘキサノール混合物、2,2,4−トリメチルペンタン(イソオクタン)、トリメチルペンタン/トルエン混合物、ポリプロピレングリコール/トルエン混合物、ポリプロピレングリコール/シクロヘキサノール混合物、及びポリプロピレングリコール/2−エチル−1−ヘキサノール混合物である。
【0054】
[0060]好ましい収着剤は、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルシクロヘキサン、ジビニルスルホン、三メタクリル酸トリメチロールプロパン、二メタクリル酸トリメチロールプロパン、三アクリル酸トリメチロールプロパン、二アクリル酸トリメチロールプロパン、二メタクリル酸ペンタエリトリトール、三メタクリル酸ペンタエリトリトール、四メタクリル酸ペンタエリトリトール、二アクリル酸ペンタエリトリトール、三アクリル酸ペンタエリトリトール、四アクリル酸ペンタエリトリトール、二メタクリル酸ジペンタエリトリトール、三メタクリル酸ジペンタエリトリトール、四メタクリル酸ジペンタエリトリトール、二アクリル酸ジペンタエリトリトール、三アクリル酸ジペンタエリトリトール、四アクリル酸ジペンタエリトリトール、ジビニルホルムアミド、及びこれらの混合物から選ばれる1種以上のモノマーから派生するポリマーを含む。
【0055】
[0061]いくつかの好ましいポリマーはイオン交換ポリマーを含む。
[0062]いくつかの好ましいポリマーはセルロース誘導体ポリマーを含む。好適なポリマーとしては、セファデックス(登録商標)などの架橋デキストランが挙げられる。
【0056】
[0063]特定の好ましいポリマーは、多孔性の高架橋スチレンまたはジビニルベンゼン共ポリマーを含む。これらコポリマーのいくつかは、一部クロロメチル化して分子量の7%まで塩素を含有させた、大孔性または中孔性スチレン−ジビニルベンゼン−エチルスチレンコポリマーを含む。これらポリマーの別の例は、架橋スチレンコポリマーを全体にクロロメチル化し、その後膨潤状態でフリーデル・クラフツ触媒にて処理することにより後架橋して調製した高架橋ポリスチレンである。これらポリマーのさらに他の例は、架橋スチレンコポリマーを膨潤状態でモノクロロジメチエーテル及び二塩化p−キシリレンからなる群より選ばれる二官能架橋剤により全体をさらに後架橋することにより調製した高架橋ポリスチレンである。
【0057】
[0064]本発明の実施に有益ないくつかのポリマーは、アミノ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボキシル基などの親水性官能基を含む乾燥粉末として投与することができる親水性自己湿潤ポリマーである。
【0058】
[0065]本発明に有益な特定のポリマーは、以下に示す製造者から入手可能な重合性モノマー、すなわちスチレン、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、及びアクリラート及びメタクリラートモノマーから調製された大孔性ポリマーである。ローム・アンド・ハース(現在ダウケミカルのグループ会社):(i)大孔性ポリマー収着剤、例えばアンバーライト(Amberlite、登録商標)XAD−1、アンバーライト(登録商標)XAD−2
、アンバーライト(登録商標)XAD−4、アンバーライト(登録商標)XAD−7、アンバーライト(登録商標)XAD−7HP、アンバーライト(登録商標)XAD−8、アンバーライト(登録商標)XAD−16、アンバーライト(登録商標)XAD−16HP、アンバーライト(登録商標)XAD−18、アンバーライト(登録商標)XAD−200、アンバーライト(登録商標)XAD−1180、アンバーライト(登録商標)XAD−2000、アンバーライト(登録商標)XAD−2005、アンバーライト(登録商標)XAD−2010、アンバーライト(登録商標)XAD−761、アンバーライト(登録商標)XE−305、及びクロマトグラフ級収着剤、例えばアンバークロム(Amberchrom、登録商標)CG−71、s、m、c、アンバークロム(登録商標)CG−161、s、m、c、アンバークロム(登録商標)CG−300、s、m、c、及びアンバークロム(登録商標)CG−1000、s、m、c。ダウケミカル:ダウエックス(登録商標)オプティポア(Optipore、登録商標)L−493、ダウエックス(登録商標)オプティポア(登録商標)V−493、ダウエックス(登録商標)オプティポア(登録商標)V−502、ダウエックス(登録商標)オプティポア(登録商標)L−285、ダウエックス(登録商標)オプティポア(登録商標)L−323、及びダウエックス(登録商標)オプティポア(登録商標)V−503。ランクセスAG(前バイエル・シブロン):レバチット(Lewatit、登録商標)VPOC 1064MD PH、レバチット(登録商標)VPOC
1163、レバチット(登録商標)OC EP 63、レバチット(登録商標)S 6328A、レバチット(登録商標)OC 1066、及びレバチット(登録商標)60/150 MIBK。三菱化学:ダイヤイオン(Diaion、登録商標)HP10、ダイヤイオン(登録商標)HP20、ダイヤイオン(登録商標)HP21、ダイヤイオン(登録商標)HP30、ダイヤイオン(登録商標)HP40、ダイヤイオン(登録商標)HP50、ダイヤイオン(登録商標)SP70、ダイヤイオン(登録商標)SP205、ダイヤイオン(登録商標)SP206、ダイヤイオン(登録商標)SP207、ダイヤイオン(登録商標)SP700、ダイヤイオン(登録商標)SP800、ダイヤイオン(登録商標)SP825、ダイヤイオン(登録商標)SP850、ダイヤイオン(登録商標)SP875、ダイヤイオン(登録商標)HP1MG、ダイヤイオン(登録商標)HP2MG、ダイヤイオン(登録商標)CHP55A、ダイヤイオン(登録商標)CHP55Y、ダイヤイオン(登録商標)CHP20A、ダイヤイオン(登録商標)CHP20Y、ダイヤイオン(登録商標)CHP2MGY、ダイヤイオン(登録商標)CHP20P、ダイヤイオン(登録商標)HP20SS、ダイヤイオン(登録商標)SP20SS、及びダイヤイオン(登録商標)SP207SS。ピュロライト社:Purosorb(登録商標)AP250及びPurosorb(登録商標)AP400。
【0059】
[0066]本発明は、病原体の毒性を阻害または低減する帯電あるいは配位子−レセプター錯体結合反応には依存していない。ポリマー主鎖に付加された酸官能基によりクロストリジウム・ディフィシル毒素A及び毒素Bを結合するポリマーが、Bacon Kurtz et al.(米国特許第6,890,523号)に記載されている。Kurtzに記載された相互作用はイオ
ン性のものであり、ポリマーに付加された疎水基または親水基が毒素に結合する。Chamotら(米国特許出願第2006/009169号)は、C.ディフィシル毒素A、毒素Bと
結合するオリゴ糖配列を含む毒素結合部位に結合した無機ポリマー粒子の使用について述べている。また、毒素結合表面の孔の大きさが毒素の直径より2倍以上大きいことも述べている。Chamotは、毒素と結合して配位子/レセプター状錯体を形成するオリゴ糖部位について述べている。
【0060】
[0067]収着剤として用いるポリマー材料は一般にヒト及び動物により代謝できないものであるが、生分解性ポリマー、再吸収性ポリマー、またはその両方の特徴を有する材料から製造することができる。特定のポリマーは、0.1マイクロメートル〜2センチメートルの範囲の直径を有する粉末、ビーズ、またはその他の形態などの不規則あるいは規則的な形状の粒子であってもよい。
【0061】
[0068]本発明に用いるポリマーは、好ましくは生体適合性及び血液適合性外表面被膜を有するが、特に経口投与や直腸投与など状況によっては被膜は必ずしも必要ではない。これら被膜の特定のものは、フリーラジカルグラフトによりポリマー粒子(例えばビーズ)に共有結合している。フリーラジカルグラフトは、例えばモノマー液滴をポリマービーズに変換する際に起こる可能性がある。モノマーが重合されてポリマーになる際に、モノマー液滴を安定化させる分散剤被膜は、モノマー滴内でモノマー液滴の表面に共有結合する。生体適合性及び血液適合性外表面被膜は、懸濁重合に用いる分散剤が生体適合性及び血液適合性を付与しない場合には、形成済みのポリマービーズに共有結合によりグラフトすることができる。形成済みのポリマービーズへの、生体適合性及び血液適合性被膜のグラフトは、表面被膜の生体適合性及び血液適合性を付与するモノマーまたはポリマーの低分子量オリゴマーのいずれかの存在下で、遊離基開始剤を活性化することにより行われる。
【0062】
[0069]投与経路は全身でも局所でもよい。ある態様では、組成物を口、直腸、あるいは栄養管から投与してもよい。収着剤は、エチルアルコールまたはイソプロピルアルコールなどの湿潤剤、水や他の液体担体などの携帯可能な液体を用いて、あるいは用いずに、胃腸内環境を含む消化管内で外側または内側を濡らすことが可能な乾燥粉末や他の乾燥粒子として供給することができる。可能な投与経路のとしては、他に皮下供給や経皮供給が挙げられる。いくつかの態様では、投与は局所的である。そのような方法としては、目への投与、皮膚や傷への投与、体腔や関節への直接投与、鼻、口、膣、直腸の粘膜への供給、あるいは消化管へのその他の供給などが挙げられる。いくつかの態様では、処置は体外で行われる。体外投与では、流体を収着剤を含む装置に循環させて体内に戻すことにより血液または生理液から炎症性媒介物質を取り除くことが含まれる。いくつかの態様では、このような方法は非経口投与経路による局所投与または全身投与を含む。非経口投与は、静脈内注射、動脈内注射、皮下注射、腹腔内注射、または筋肉内注射あるいは点滴、または頭蓋内投与(くも膜下投与または心室内投与を含む)を含む。
【0063】
[0070]収着剤は、例えば、粉末、錠剤、カプセル、溶液、スラリー、乳濁液、坐薬として配合されても、あるいは食品物質中に加えられてもよい。収着剤は、携帯瓶、バイアル瓶、ブリスター包装、袋、小袋、または1回もしくは複数回の投与分が入るその他の容器で包装することができる。使用によって、収着剤は殺菌してあってもしてなくてもよい。このポリマーは、標準的な方法で殺菌することができる。そのような方法は当業者には周知である。処置に有効な量を、数時間などの適切な時間間隔を置いて連続投与することができる。本発明の組成物は、当業者に周知の方法で投与することができる。
【0064】
[0071]説明の目的で以下の記述を示すが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。好ましい態様または好ましい方法を参照して本発明を記述したが、本明細書で用いた用語は説明及び例示のための用語であって、限定する用語ではないことは自明である。さらに、本明細書で特定の材料構造、方法、組成物、及び態様を参照して本発明を説明したが、本発明は本明細書で開示する個々の項目に対する限定を意図するもので
はなく、本発明は添付する請求項の範囲内の構造、方法、組成物、及び使用のすべてを含む。さらに、組成物及び方法から生じるいくつかの利点を説明したが、本発明はこれらの利点のいずれか、またはすべてを包含する組成物及び方法に限定されない。本明細書の教示の恩恵を得る生体適合性ポリマー技術の当業者は、本明細書に記載したように本発明に対して様々な修正を行うことができ、添付の請求項に規定した本発明の範囲及び精神を逸脱することなく変更を加えることができる。さらに、記載したある態様のいずれの特徴も、本明細書で記載した他の態様に適用することができる。例えば、特定の毒素吸収の態様について述べた、生体適合性ポリマーの設計に関する特徴または利点はいずれも、本明細書に記載した他の毒素吸収のいかなる態様にも適用することができる。
【0065】
[0072]本発明はさらに以下の実施例によって例示されるが、これらは限定するものではない。
【実施例】
【0066】
実施例1〜18
[0073]18種の多孔性ポリマー吸着剤について、その細孔構造を特性評価し、実施例1〜18においてこれらの合成について説明する。細孔構造の特性評価は実施例19において示される。
【0067】
[0074]合成過程は、(1)水相を調製し、(2)有機相を調製し、(3)懸濁重合を行い、(4)得られた多孔性ポリマー吸着剤生成物を精製(処理)し、(5)血液適合性被膜を形成することからなる。
【0068】
[0075]以下の合成手順は、調製したすべての試料に適合するように一般化されている。合成過程はそれぞれのポリマー試料で異なる。一般化された手順に従い、個々の例の特定の運転条件については表6を参照のこと。
【0069】
[0076]反応器の設定。5Lまたは0.5Lのケトル反応器に頭上撹拌器、水冷却濃縮器、多層撹拌羽根、熱電対、及び泡立て器を取り付けた。0.5Lケトルの場合、ガスケットを上部の蓋と底部のケトルの間に取り付けた。5Lケトルの場合、バッフル板アセンブリと2つの平らなゴムガスケットを上部の蓋と底部のケトルの間に取り付けた。使用しない開口はすべて適切な栓で蓋をした。上記の熱電対に取り付けた温度制御器によって調整された加熱マントルにて、温度を制御した。
【0070】
[0077]重合。ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol, PVA)を水の半量に室温(room temperature, RT)で分散して、70℃まで加熱した。残りの塩、すなわちMSP、DSP、TSP、及び亜硝酸ナトリウムを残りの半量の水に溶解させた。このPVA溶液と塩溶液を反応器に入れて、撹拌しながら所望の反応温度まで加熱した。開始剤を含む予め混合しておいた有機相を反応器の水相の上に注ぎ、適切な大きさの液滴が形成されるように撹拌速度を分間当たりの回転数(「rpm」)で設定した。温度が設定温度に達したら、反応タイマーを16時間に設定して、運転を開始し、反応を進めた。
【0071】
[0078]処理。溶媒の高さのところに印を付けた。冷却後、ビーズの高さ位置まで溶媒をサイフォンで吸い上げた。次いで、50℃〜70℃の水を用いて30分あたり1総容積(bed volume)の速度でビーズを5回洗浄した。ポリマーが修飾されている場合は、処理における以下の工程は省略した(表6を参照)。次いで室温のメタノールを用いて10分あたり1総容積の速度でビーズを3回洗浄した。ポリマーをソックスレー抽出器で一晩かけて抽出した。このポリマーを8時間水蒸気蒸留して脱溶媒した。水蒸気蒸留が完了した後、このポリマーをイソプロピルアルコールで再度湿らせて、精製水とともに篩にかけて、所望の粒径にした。得られたポリマーを100℃のオーブンで乾燥させた。
【0072】
[0079]修飾の設定。ケトル反応器に、頭上撹拌器、多層撹拌羽根、及び熱電対を取り付けた。使用しない開口はすべて適切な栓で蓋をした。1個のホースアダプタを開けて排出口とした。ガスケットを上部の蓋と底部のケトルの間に取り付けた。上記熱電対に取り付けた温度制御器によって調整された加熱マントルで温度を制御した。
【0073】
[0080]修飾反応。イソプロピルアルコールを用いて1時間につき約1総容積でポリマーを10回洗浄し、その後、精製水を用いて1時間につき約1総容積で10回洗浄した。このポリマーを篩にかけて所望の粒径とし、設定した反応器に入れた。反応床の高さの丁度上にくるまでサイフォンで過剰量の水を吸い上げて、荷電水を加えた。温度制御器を40℃に設定して、運転を開始した。頭上撹拌器も運転を開始した。系を40℃の設定温度まで加熱しながら、各試薬を添加した。温度が30℃〜34℃の間にあるとき、過硫酸アンモニウム(ammonium persulfate, AMPS)水溶液を添加した。NNNN−テトラメチルエ
チレンジアミン(tetramethylethylenediamine, TMED)と水を35℃〜36℃の間で添加した。ビニルピロリジノン(vinylpyrrolidinone, VP)と水を39℃〜40℃の間で添加した。温度が40℃に達した時点で、反応タイマーを2時間に設定しスタートさせ、反応を進めた。冷却後、溶媒をビーズの高さまでサイフォンで吸い出した。室温の水を用いて30分につき1総容積の速度でビーズを3回洗浄した。ビーズを6時間水蒸気蒸留して脱溶媒した。ビーズをイソプロピルアルコールで再度湿らせて、精製HOで10回洗浄した。得られたポリマーを100℃のオーブンで乾燥させた。
【0074】
[0081]この過程により、清潔で乾燥した吸着剤を球状の多孔性ポリマービーズとして得た。
【0075】
【表7】
【0076】
【表8】
【0077】
【表9】
【0078】
【表10】
【0079】
実施例19:細孔構造の特性評価
[0083]吸着剤ポリマーの細孔構造をマイクロメリティクス・オートポアIV9500 VI.09、水銀侵入計測計、またはマイクロメリティクスASAP2010装置(N脱着)のいずれかで分析した。結果を図1に示す。図1では、細孔体積を孔径の関数とし
てプロットしている。図1は対数微分による実施例1〜18の細孔構造を示している。
【0080】
実施例20:細孔構造の特性評価
[0084]各収着剤ポリマーについて、細孔体積を細孔の大きさの範囲ごとに分けて、その細孔体積の値を表7及び表8に示している。第1の範囲では、最大細孔体積は、タンパク質の収着に利用でき、かつ直径が100Å超の細孔の体積からなる。有効細孔体積は、約50,000ダルトン未満のタンパク質に選択的に利用可能であり、かつ直径が100〜1000Åの範囲内の細孔からなる。大型細孔体積は、約50,000ダルトン超のタンパク質に利用可能であり、かつ直径が1000Å超の細孔の体積からなる。小型細孔体積は、直径が100Å未満の細孔の体積であり、約10,000ダルトン超のタンパク質には利用できない細孔体積である。
【0081】
[0085]第2の範囲では、最大細孔体積は、タンパク質の収着に利用可能であり、かつ直径が1,000Å超の細孔の体積からなる。有効細孔体積は、約300,000ダルトン未満のタンパク質に選択的に利用可能であり、かつ直径が1000〜10000Åの範囲内の細孔からなる。大型細孔体積は、300,000ダルトン超のタンパク質に利用可能であり、かつ直径が1000Å超の孔の細孔体積からなる。小型細孔体積は、直径が1,000Å未満の細孔の体積であり、約10,000ダルトン超のタンパク質には利用できない。
【0082】
[0086]第3の範囲では、最大細孔体積はタンパク質の収着に利用可能であり、かつ直径が500Å超の孔の細孔体積からなる。有効細孔体積は、1,000,000ダルトン未満のタンパク質に選択的に利用可能であり、かつ直径が10,000〜40,000Åの範囲内の細孔からなる。大型細孔体積は、1,000,000ダルトン超のタンパク質に利用可能であり、直径が40,000Å超の細孔の体積からなる。小型細孔体積は、直径が10,000Å未満の細孔の体積であって、約40,000ダルトン超のタンパク質には利用できない。
【0083】
[0087]表7は、実施例1〜18の細孔体積及び細孔体積の比を示している。
【0084】
【表11】
【0085】
[0089]表8は、実施例1〜18の細孔体積の比を示している。
【0086】
【表12】
【0087】
実施例21:in vitro C.ディフィシル毒素A(rTcdA)
[0091]本研究の主目的は、クロストリジウム・ディフィシルに結合するポリマービーズ(多孔質ビーズID:TDG−057−118、RJR−090−136、RJR−090−091、RJR−090−137、RJR−090−023、及びRJR−090−178、及び非多孔質ビーズID:RT−075−1−14)の能力を評価することである。細孔のあるものとないもの、8種類のビーズを用いた。rTcdAは濃度100μg/mlで評価した。ビーズなし、及び非多孔質ビーズと多孔質ビーズをそれぞれ20μLずつを、2mLのねじ蓋付き試験管内で、最終作業体積を0.3mlの100(理想的には64.65)μg/mlのrTcdAのリン酸緩衝剤生理食塩水溶液とともに、恒温放置した。毒素を添加した直後、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管を0.583時間静置した。これらの試験管から試料を225μl採取した。これらを0.583時間試料として示す。1.5時間試料及び2.5時間試料を採取した後、試験管を試験管回転台に設置した。これらの試験管から試料を225μl取り出した。すべての試料を使用するまでの間−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid, BCA)タンパク質試験(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社、カタログNo
.23225)を用いて評価した。結果を以下に示す。ビーズTDG−057−118及
びRJR−090−136が最もよく毒素を取り除くことが分かった。
【0088】
[0092]表9は実施例21に用いたポリマーの重量を示している。
【0089】
【表13】
【0090】
[0094]C.ディフィシル毒素Aの吸着の結果を表10に示す。
【0091】
【表14】
【0092】
[0096]図2は、C.ディフィシル毒素A除去の経時変化を示す。
実施例22:in vitro C.ディフィシル毒素B(rTcdB)
[0097]この研究の主目的は、毒素濃度が25μg/mL及び100μg/mLであるクロストリジウム・ディフィシルrTcdB毒素を in vitro で結合して取り除くポリマービーズ(多孔質ビーズID:RJR−090−016、及び非多孔質ビーズID:RJR−090−014)の能力を、ビーズを用いない対照と比較して評価することである。すなわち、ビーズなし、または所定の体積(それぞれ46μL)の非多孔性(乾燥ビーズ重量でほぼ37.0μg)または多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ12.1μg)のいずれかを、2mLねじ蓋付き微量遠心管内で、最終作業体積0.3mlの25μg/mlまたは100μg/mlのrTcdBのリン酸緩衝剤生理食塩水溶液と共に恒温放置した。実験は、(ビーズの外側)間隙容量定数を0.3mLに保って行った。多孔質ビーズの重量は、非多孔質ビーズに比べて高い孔隙率の度合いを反映している。毒素を加えた直後
、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管を45分間撹拌することなく放置して、重力によりビーズを静置した。これらの管から試料を225μl採取して、−20℃で保存した。これらを0.75時間試料と表示する。さらにそれぞれ1.75時間及び2.75時間と表示された試料の入った管を試験管回転台に置き連続的に混合した。実験開始から1.0時間後及び2.0時間後に、管を回転台から取り外して、45分間ラックに置きビーズを静置した。これらの管から試料を225μl取り出した。使用するまですべての試料を−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid, BCA
)タンパク質試験(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社、カタログNo.23225)を用いて評価した。表11に示す結果は、分割したそれぞれの試料中のrTcdB毒素の経時濃度を表している。非多孔質ビーズはこの毒素にある程度結合することを示しているが、特に高濃度での多孔質ビーズの寄与がはっきりと示されている。高濃度では非多孔質ビーズは飽和しているが多孔質ビーズでは飽和は観察されない。
【0093】
[0098]C.ディフィシル毒素Bの吸着の結果を表11に示す。
【0094】
【表15】
【0095】
実施例23:in vitro C.ディフィシル毒素B(TcdB)
[0100]本発明の主目的は、クロストリジウム・ディフィシルrTcdBと結合するCytosorbentsのビーズ(多孔質ビーズID:TDG−057−118、RJR−090−136、RJR−090−091、RJR−090−137、RJR−090−023、及びRJR−090−087、及び非多孔質ビーズID:RT−075−1−14)の能力を評価することである。細孔があるものとないもの、7種のビーズとビーズを用いない対照を使用した。rTcdBは100μg/mlの濃度で評価した。ビーズなし、及び20μL(試料の乾燥重量、以下の表11を参照)の非多孔質ビーズ及び多孔質ビーズのそれぞれを、2mLのねじ蓋付き試験管内で、最終作業体積0.3mlの100(理想的には99.76)μg/mlのrTcdBのリン酸緩衝剤生理食塩水溶液とともに恒温放置した。
【0096】
[0101]実施例19で用いたポリマーの重量を表12に示す。
【0097】
【表16】
【0098】
[0103]毒素を添加した直後、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管を0.583時間置いてビーズを静置した。これらの試験管から試料を225μl採取した。これらを0.583時間試料として表示する。1.5時間試料及び2.5時間試料を採取した後、試験管を試験管回転台に設置した。これらの試験管から試料を225μl取り出した。すべての試料を使用するまでの間−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid, BCA)タンパク質試験(サーモフィッシャー・サイエンティフィッ
ク社、カタログNo.23225)を用いて評価した。結果を以下に示す。ビーズRJR−090−136が最もよく、次いでTDG−057−118及び/またはRJR−090−137がよく毒素を取り除くことが分かった。
【0099】
[0104]C.ディフィシル毒素Bの吸着結果を表13に示す。
【0100】
【表17】
【0101】
[0106]図3は、C.ディフィシル毒素B除去の経時変化を示している。
実施例24:in vitro ボツリヌス神経毒素A1型(BoNT/A1)の研究
[0107]本研究の主目的は、ポリマービーズ(多孔質ビーズID:TDG−057−118、及び非多孔質ビーズID:RT−075−14−1)の能力を評価することである。多孔質ビーズ、非多孔質ビーズの2種類を使用した。BoNT/A1は、リン酸緩衝剤生理食塩水中10μg/ml、50μg/ml、及び100μg/mlの濃度で評価した。ビーズなし、または所定の体積40μLの非多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ32.1μg)または多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ5.5μg)を、2mLのねじ蓋付き微量遠心管内で、最終作業体積0.3mlの10μg/ml、50μg/ml、または100μg/mlのBoNT/A1と共に恒温放置した。実験は、(ビーズの外側)間隙容量定数を0.3mLに保って行った。多孔質ビーズの重量は、非多孔質ビーズに比べて高い孔隙率の度合いを反映している。BoNT/A1を加えた直後、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管から試料を225μl採取して、−20℃で保存した。これらを0時間試料として表示する。さらにそれぞれ1時間試料及び2時間試料に対応する試験管を試験管回転台に置き、連続して混合した。室温で1時間または2時間恒温放置した後、各試験管から試料を225μl取り出した。すべての試料を使用するまでの間−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid, BCA)タンパク質試
験(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社、カタログNo.23225)を用いて評価した。表14に示す結果から、ビーズを用いない対照や非多孔質ビーズに比べ、濃度が100μg/mLまでは多孔質ビーズがBoNT/A1毒素の95%超を取り除くことが分かった。
【0102】
[0108]ボツリヌス神経毒素A1型の吸着結果を表14に示す。
【0103】
【表18】
【0104】
実施例25:体外志賀様毒素1の研究
[0110]本研究の主目的は、志賀様毒素1に結合するCytoSorbentsポリマービーズ(多孔質ビーズID:TDG−071−167、大孔ビーズID:RJR−090−013及び非多孔質ビーズID:RT−075−14−1)の能力を評価することである。細孔のあるものとないもの、3種のビーズを使用した。志賀様毒素1は、リン酸緩衝剤生理食塩水中50μg/ml及び100μg/mlの濃度で評価した。ビーズなし、及び42μLの多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ12.5μg)、42μLの大孔ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ9.5μg)、及び42μLの非多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ33.8μg)を、2mLのねじ蓋付き微量遠心管内で、最終作業体積0.3mlの50μg/mlまたは100μg/mlの志賀様毒素1と共に恒温放置した。
【0105】
[0111]志賀様毒素1を加えた直後、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管から試料を225μl採取して、−20℃で保存した。これらを0.25時間試料として表示する。さらにそれぞれ1.25時間試料及び2.25時間試料に対応する試験管を試験管回転台に置き、連続して混合した。室温で1.25時間または2.25時間常温放置した後、各試験管から試料を225μl取り出した。すべての試料を使用するまでの間−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid, BCA)タンパク質
試験(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社、カタログNo.23225)を用いて評価した。非多孔質ビーズに比べて、標準孔及び大孔の多孔質ビーズがより良好な除去動態を有することが分かった。
【0106】
[0112]志賀様毒素1の吸着結果を表15に示す。
【0107】
【表19】
【0108】
実施例26:in vitro 志賀様毒素2の研究
本研究の主目的は、志賀様毒素2に結合するCytoSorbentsポリマービーズ(多孔質ビーズID:TDG−071−167、大孔ビーズID:RJR−090−013、及び非多孔質ビーズID:RT−075−14−1)の能力を評価することである。細孔のあるものとないもの、3種のビーズを使用した。志賀様毒素2は、リン酸緩衝剤生理食塩水中50μg/ml及び100μg/mlの濃度で評価した。ビーズなし、及び42μLの多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ12.5μg)、42μLの大孔ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ9.5μg)、及び42μLの非多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ33.8μg)を、2mLのねじ蓋付き微量遠心管内で、最終作業体積0.3mlの50μg/mlまたは100μg/mlの志賀様毒素2と共に恒温放置した。志賀様毒素2を加えた直後、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管から試料を225μl採取して、−20℃で保存した。これらを0.25時間試料として表示する。さらにそれぞれ1.25時間試料及び2.25時間試料に対応する試験管を試験管回転台に置き、連続して混合した。室温で1.25時間または2.25時間恒温放置した後、各試験管から試料を225μl取り出した。すべての試料を使用するまでの間−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid, BCA)タンパク質試験を用いて評価し
た。非多孔質ビーズに比べて、標準孔及び大孔の多孔質ビーズがより良好な除去動態を有することが分かった。
【0109】
[0114]志賀様毒素2の吸着結果を表16に示す。
【0110】
【表20】
【0111】
実施例27:in vitro リシン毒素の研究
[0116]本研究の主目的は、リシン毒素に結合するCytoSorbentsポリマービーズ(小孔ビーズID:TDG−057−145、修飾、バッチ1、−106/+45、大孔ビーズID:RJR−090−016、及び非多孔質ビーズID:RJR−090−014)の能力を評価することである。細孔のあるものとないもの、3種のビーズを使用した。リシン毒素は、リン酸緩衝剤生理食塩水中100μg/ml及び1000μg/mlの濃度で評価した。ビーズなし、及び43μLの多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ14.6μg)、43μLの大孔ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ11.3μg)、及び44μLの非多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ35.4μg)を、2mLのねじ蓋付き微量遠心管内で、最終作業体積0.3mlの100μg/mlまたは1000μg/mlのリシン毒素と共に恒温放置した。リシン毒素を加えた直後、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管から試料を225μl採取して、−20℃で保存した。これらを0.75時間試料として表示する。さらにそれぞれ1.75時間試料及び2.75時間試料に対応する試験管を試験管回転台に置き、連続して混合した。室温で1.75時間または2.75時間で恒温放置した後、各試験管から試料を225μl取り出した。すべての試料を使用するまでの間−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid, BCA)タンパク質試験(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社、カタロ
グNo.23225)を用いて評価した。大孔ビーズに比べて小孔ビーズはより良好な初期の除去動態を有することが分かった。ビーズを用いない対照は毒素をまったく取り除かなかった。また非多孔質ビーズの毒素除去率は9%以下であった。
【0112】
[0117]リシン毒素の吸着結果を表17に示す。
【0113】
【表21】
【0114】
実施例28:in vitro コレラ毒素の研究
[0119]本研究の主目的は、コレラ毒素に結合するCytoSorbents(登録商標)ポリマービーズ(小孔ビーズID:TDG−057−145、修飾、バッチ1、−106/+45、大孔ビーズID:RJR−090−016、及び非多孔質ビーズID:RJR−090−014)の能力を評価することである。細孔のあるものとないもの、3種のビーズを使用した。コレラ毒素は、リン酸緩衝剤生理食塩水中50μg/ml及び100μg/mlの濃度で評価した。ビーズなし、及び43μLの標準多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ14.6μg)、43μLの大孔ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ11.3μg)、及び44μLの非多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ35.4μg)を、2mLのねじ蓋付き微量遠心管内で、最終作業体積0.3mlの50μg/mlまたは100μg/mlのコレラ毒素とともに恒温放置した。コレラ毒素を加えた直後、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管から試料を225μl採取して、−20℃で保存した。これらを0.75時間試料として表示する。さらにそれぞれ1.75時間試料及び2.75時間試料に対応する試験管を試験管回転台に置き、連続して混合した。室温で1.75時間または2.75時間恒温放置した後、各試験管から試料を225μl取り出した。すべての試料を使用するまでの間−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid, BCA)タンパク質試験(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社
、カタログNo.23225)を用いて評価した。大孔ビーズに比べて小孔ビーズはより良好な除去動態を有することが分かった。ビーズを用いない対照は毒素をまったく取り除かなかった。また非多孔質ビーズの毒素除去率は25%未満であった。
【0115】
[0120]コレラ毒素の吸着結果を表18に示す。
【0116】
【表22】
【0117】
実施例29:in vitro クロストリジウム・パーフリンジェンス腸毒素の研究
[0122]本研究の主目的は、クロストリジウム・パーフリンジェンス腸毒素に結合するCytoSorbentsポリマービーズ(多孔質ビーズID:TDG−071−167、大孔ビーズID:TDG−057−118、及び非多孔質ビーズID:RT−075−14−1)の能力を評価することである。細孔のあるものとないもの、3種のビーズを使用した。クロストリジウム・パーフリンジェンス腸毒素は、リン酸緩衝剤生理食塩水中50及び100(理想的には11.46及び31.42)μg/mlの濃度で評価した。ビーズなし、及び40μLの多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ11.9μg)、40μLの大孔ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ9.0μg)、及び40μLの非多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ32.1μg)を、2mLのねじ蓋付き微量遠心管内で、最終作業体積0.3mlの50または100(理想的には11.46及び31.42)μg/mlのクロストリジウム・パーフリンジェンス腸毒素とともに恒温放置した。クロストリジウム・パーフリンジェンス腸毒素を加えた直後、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管から試料を225μl採取して、−20℃で保存した。これらを0.5時間試料として表示する。さらにそれぞれ1.5時間試料及び2.5時間試料に対応する試験管を試験管回転台に置き、連続して混合した。室温で1.5時間または2.5時間恒温放置した後、各試験管から試料を225μl取り出した。すべての試料を使用するまでの間−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid, BCA)タンパク質試験
(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社、カタログNo.23225)を用いて評価した。標準多孔質ビーズ及び非多孔質ビーズに比べて、大孔ビーズは31.42mg/mLの毒素のより良好な除去動態を有することが分かった。ビーズを用いない対照または非多孔質ビーズは毒素をまったく取り除かなかった。
【0118】
[0123]クロストリジウム・パーフリンジェンス腸毒素の吸着結果を表19に示す。
【0119】
【表23】
【0120】
実施例30:in vitro ブドウ球菌腸毒素Bの研究
[0125]本研究の主目的は、ブドウ球菌腸毒素Bに結合するCytoSorbentsポリマービーズ(小孔ビーズID:TDG−057−145、及び非多孔質ビーズID:RJR−090−014)の能力を評価することである。細孔のあるものとないもの、2種類のビーズを使用した。ブドウ球菌腸毒素Bは、リン酸緩衝剤生理食塩水中50及び100(理想的には43.02及び97.85)μg/mlの濃度で評価した。ビーズなし、及び43μLの多孔性ビーズ(乾燥重量でほぼ14.6μg)、及び44μLの非多孔質ビーズ(乾燥重量でほぼ35.4μg)を、2mLのねじ蓋付き微量遠心管内で、最終作業体積0.3mlの50または100(理想的には43.02及び97.85)μg/mlのブドウ球菌腸毒素と共に恒温放置した。ブドウ球菌腸を加えた直後、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管から試料を225μL採取して、−20℃で保存した。これらを0.75時間試料として表示する。さらにそれぞれ1.75時間試料及び2.75時間試料に対応する試験管を試験管回転台に置き、連続して混合した。室温で1.75時間または2.75時間恒温放置した後、各試験管から試料225μLを取り出した。すべての試料を使用するまでの間−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をBCA(ビシンコニン酸)タンパク質試験にて評価した。非多孔質ビーズに比べて、小孔ビーズはより良好な除去動態(0.75時間までは98%以上)を有することが分かった。ビーズを用いない対照または非多孔質ビーズは毒素を効率的に取り除かなかった。
【0121】
[0126]ブドウ球菌腸毒素Bの吸着結果を表20に示す。
【0122】
【表24】
【0123】
実施例31:in vitro 黄色ブドウ球菌α−溶血素
[0128]本研究の主目的は、黄色ブドウ球菌α−溶血素に結合する異なる2種類のCytoSorbents多孔性ビーズ(小孔ビーズ:RJR−100−144、大孔ビーズ:RJR−100−168)、及び非多孔質ビーズ(RJR−090−158)の能力を評価することである。黄色ブドウ球菌α−溶血素は、リン酸緩衝剤生理食塩水中50μg/ml及び100μg/mlの濃度で評価した。ビーズなし、及び40μLの多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ11.9μg)、40μLの大孔ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ9.0μg)、及び40μLの非多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ32.1μg)を、1.5のmLねじ蓋付き試験管内で、最終作業体積0.3mlの50μg/mlまたは100μg/mlの毒素と共に恒温放置した。黄色ブドウ球菌α−溶血素腸毒素を加えた直後、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管から試料を225μl採取して、ただちに−20℃で保存した。さらにそれぞれ0.5時間試料、1.5時間試料、及び2.5時間試料に対応する試験管を試験管回転台に置き、連続して混合した。室温で0.5時間、1.5時間、または2.5時間恒温放置した後、各試験管から試料を225μl取り出した。すべての試料を使用するまでの間−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid, BCA)タンパク質試験(サーモフィッシャー・サイエンテ
ィフィック社、カタログNo.23225)を用いて評価した。BCA試験において、ビーズを用いない対照及び非多孔質ビーズに比べて、多孔性ポリマーのどちらもより良好な除去動態を示すことが分かった。
【0124】
[0129]BCAタンパク質試験及びNanoDrop測定器による黄色ブドウ球菌α−溶血素の吸着結果を以下の表21に示す。
【0125】
【表25】
【0126】
実施例32:in vitro 大腸菌STa毒素
[0131]本研究の主目的は、大腸菌STa毒素に結合する各種CytoSorbents多孔性ビーズ(ビーズ#1:SFA−102−106、ビーズ#2:CytoSorb Lot 08311、ビーズ#3:TDG−057−118)及び非多孔質ビーズ(RT−075−14−1)の能力を評価することである。大腸菌STa毒素は、リン酸緩衝剤生理食塩水中50μg/mL及び100μg/mLの濃度で評価した。ビーズなし、40μLのSFA−102−106(乾燥ビーズ重量でほぼ9.0μg)、40μLのCytoSorb Lot 083111(乾燥ビーズ重量でほぼ11.9μg)、40μLのTDG−057−118(乾燥ビーズ重量でほぼ9.0μg)、及び40μLの非多孔質ビーズ(乾燥ビーズ重量でほぼ32.1μg)を、1.5mLのねじ蓋付き試験管内で、最終作業体積0.3mlの50μg/mlまたは100μg/mlの大腸菌STa毒素と共に恒温放置した。大腸菌STa毒素を加えた直後、ビーズなし、非多孔質ビーズ、または多孔質ビーズを含む各群のそれぞれの試験管から試料を225μl採取して、ただちに−20℃で保存した。さらにそれぞれ0.5時間試料、1.5時間試料、及び2.5時間
試料に対応する試験管を試験管回転台に置き、連続して混合した。室温で0.5時間、1.5時間、または2.5時間恒温放置した後、各試験管から試料を225μl取り出した。すべての試料を使用するまでの間−20℃で保存した。その後、すべての試料を回収し、各試料に残ったタンパク質の濃度をビシンコニン酸(bicinchoninic acid, BCA)タン
パク質試験(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社、カタログNo.23225)を用いて評価した。BCA試験において、ビーズを用いない対照及び非多孔質ビーズに比べて、これら3種類の多孔性ポリマーはすべて、より良好な除去動態を示すことが分かった。
【0127】
[0132]大腸菌STa毒素の吸着結果を表22に示す。
【0128】
【表26】
【0129】
1.生体物質における1種以上の毒素による汚染を低減する方法であって、
a.該生体物質を、該毒素を収着することができる有効量の収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する収着剤と接触させること;及び
b.該毒素を収着すること
を含む方法。
2.1種以上の毒素による汚染を処置する方法であって、それを必要としている対象において、
a.該対象の生体物質を、該毒素を収着することができる有効量の収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する収着剤と接触させること;及び
b.該毒素を収着すること
を含む方法。
3.1または2に記載の方法であって、該収着剤が生体適合性である方法。
4.1または2に記載の方法であって、該収着剤が非生体適合性である方法。
5.1〜4のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤がポリマーである方法。
6.5に記載の方法であって、該ポリマーが大孔性ポリマー収着剤である方法。
7.上記のいずれか1に記載の方法であって、該収着が in vivo で起こる方法。
8.1〜6のいずれか1に記載の方法であって、該収着が ex vivo で起こる方法。
9.上記のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が予め形成されている方法。
10.1〜8のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が in vivo で、または該生体物質の存在下で形成される方法。
11.上記のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が生物学的供給源に由来する方法。
12.11に記載の方法であって、該生物学的供給源が1種以上の細菌、ウイルス、真菌、植物、または動物を含む方法。
13.12に記載の方法であって、該細菌の種が、黄色ブドウ球菌、溶血性ブドウ球菌、クロストリジウム・パーフリンジェンス、破傷風菌、ボツリヌス菌、腸管出血性大腸菌、腸管毒素原性大腸菌、腸管毒素原性LT大腸菌、病原性大腸菌、腸管侵入性大腸菌、腸管凝集性大腸菌、拡散付着性大腸菌、赤痢菌、フレキシネル赤痢菌、ボイド赤痢菌、ソンネ赤痢菌、コレラ菌、腸炎ビブリオ、ビブリオ・バルニフィカス、セレウス菌、炭疽菌、チフス菌、パラチフス菌、サルモネラ・ダブリン、サルモネラ・エンテリティディス、リステリア・モノサイトゲネス、腸炎エルシニア、仮性結核菌、ストレプトコッカス・ディフィシリス、糞便レンサ球菌、化膿レンサ球菌、マルタ熱菌、ウシ流産菌、ブタ流産菌、カンピロバクター・ジェジュニ、プレジオモナス・シゲロイデス、アエロモナス・ハイドロフィラ、アエロモナス・キャビエ、アエロモナス・ソブリア、トロフェリマ・ホウィッペリ、またはマイコプラズマを含む方法。
14.13に記載の方法であって、該大腸菌が大腸菌の病原体株である方法。
15.14に記載の方法であって、該大腸菌の病原体株が大腸菌OE157:H7または大腸菌O104:H4である方法。
16.12に記載の方法であって、該ウイルスの種がロタウイルスを含む方法。
17.12に記載の方法であって、該真菌の種が、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ性食道炎(C. esophagitis)、シャグマアミガサタケ(Gyromitra esculenta)、アマニタ・テヌイフォリア(Amanita tenuifolia)、アマニタ・ビスポリゲラ(A. bisporigera)、アマニタ・ビローサ(A. virosa)、ガレリナ・オータムナリス(Galerina autumnalis)、レウコアガリクス・ブルネア(Leucoagaricus brunnea)、レピオタ・ヨセランデイ(Lepiota josserandii)、レピオタ・ヘルベオラ(L. helveola)、レピオタ・スビンカルナータ(L. subincarnata)、オオシロカラカサタケ(Chlorophyllum molybdites)、エントローマ・リビダム(Entoloma lividum)、トリコローマ・パルジナム(Tricholoma pardinum)、オムファロス・オレアリウス(Omphalotus olearius)、パキシラス・インボルタス(Paxillus involutus)、アマニタ・ファロイデス(Amanita phalloides)、アマニタ・ブルネセンス(A. brunnescens)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、またはアスペルギルス・パラジチカス(A. parasiticus)を含む方法。
18.12に記載の方法であって、該植物の種が、トウゴマ、マメ、ウシノケグサ、小麦、インゲン豆、または穀類を含む方法。
19.12に記載の方法であって、該動物の種が、ハタ、フエダイ、ブリ、カマス、フグ、マグロ、カツオ、カジキ、サバ、ムール貝、ホタテ貝、エビ、カキ、ヒト、またはニワトリを含む方法。
20.1〜8または11のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が、大腸菌腸管毒素原性STa、腸管毒素原性STb、ブドウ球菌毒素B、α毒素、または毒素性ショック症候群毒素−1、クロストリジウム・パーフリンジェンス腸毒素またはα毒素、大腸菌志賀様毒素STX−1、志賀様毒素STX−2、ベロ毒素、志賀様志賀毒素、コレラ毒素、腸管毒素原性LT、破傷風毒素、ボツリヌス毒素、クロストリジウム・ディフィシル毒素B、C.ディフィシル毒素A、シアノ毒素、シュードモナス菌外毒素A、及び百日咳毒素である方法。
21.11〜20のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が人工毒素である方法。
22.11〜21のいずれか1に記載の方法であって、該毒素または毒素群がさらに修飾されて毒性を強めている方法。
23.1〜8のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が内毒素である方法。
24.1〜8のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が細菌細胞壁の一部である方法。
25.1〜8のいずれか1に記載の方法であって、該毒素がロタウイルスNSP4毒素である方法。
26.1〜8のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が、付着因子、アフラトキシン、またはアマトキシンである方法。
27.1〜8のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が、リシン毒素、ピロリジジンアルカロイド、フィトヘマグルチニン、嘔吐毒素、またはグラヤノトキシンである方法。
28.1〜8のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が、シガテラ毒魚毒素、テトロドトキシン、サバ毒素、貝毒素、炎症性サイトカインまたは細胞断片である方法。
29.28に記載の方法であって、該炎症性サイトカインまたは媒介物質が、通常見られるよりも高レベルで該生体物質に存在する方法。
30.28に記載の方法であって、該炎症性サイトカインが通常見られるよりも高レベルで該生体物質に存在し、ヒトの病気と関係する方法。
31.30に記載の方法であって、該ヒトの病気が自己免疫疾患である方法。
32.28〜31に記載のいずれか1に記載の方法であって、該炎症性サイトカインが、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−8、MCP−1、IL−lra、またはIL−10である方法。
33.1〜8のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が分泌毒液である方法。
34.1〜8または33のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が、ヒアルロニダーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、リパーゼ、アミラーゼ、またはトリプシンを含む酵素または病原性因子である方法。
35.上記のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が有機物質である方法。
36.35に記載の方法であって、該有機物質が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質、核酸、またはこれらの組み合わせである方法。
37.上記のいずれか1に記載の方法であって、該生体物質が、細胞、または唾液、鼻咽頭液、血液、血漿、血清、唾液、胃腸液、胆汁、脳脊髄液、心膜液、膣液、精液、前立腺液、腹水、胸膜液、尿、滑液、間質液、細胞内液、細胞外液、リンパ液、粘液または硝子体液などの生理液を含む方法。
38.1または8に記載の方法であって、該生体物質が卵または細胞培地である方法。
39.38に記載の方法であって、さらにワクチンを製造する工程を含む方法。
40.1または8に記載の方法であって、さらに、血液生成物または生物学的生成物を生成または精製することを含む方法。
41.40に記載の方法であって、該血液生成物が、全血、濃厚赤血球、血小板、血漿、クリオプレシピテート、白血球、多能性幹細胞、T−細胞、B−細胞、または骨髄またはリンパ系由来のその他の細胞及びこれらの前駆細胞である方法。
42.上記のいずれか1に記載の方法であって、該生体物質が哺乳類に由来する方法。
43.42に記載の方法であって、該哺乳類がヒトである方法。
44.42に記載の方法であって、該哺乳類が、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、またはヤギである方法。
45.1〜7のいずれか1に記載の方法であって、該毒素による汚染が全身または局所である方法。
46.1〜7のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤が体腔から導入される方法。
47.46に記載の方法であって、該収着剤が口から導入される方法。
48.46に記載の方法であって、該収着剤が、膣、直腸、または鼻から導入される方法。
49.46に記載の方法であって、該収着剤が栄養管から導入される方法。
50.1〜7のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤が局所的に導入される方法。
51.50に記載の方法であって、該収着剤が炎症性大腸炎を発症した対象に局所的に導入される方法。
52.1〜7に記載のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤が血液灌流により導入される方法。
53.1〜6または8のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤が、唾液、血液、血漿、血清、胃腸液、脳脊髄液、膣液、腹水、胸膜液、尿、滑液、リンパ液、肺胞粘液、または硝子体液を含む生体物質の体外処置に用いられる方法。
54.1〜12のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤が、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積の100Å〜1,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が3:1より小さい細孔構造を有する方法。
55.54に記載の方法であって、該毒素が重量で約50,000ダルトン(50kDa)以下である方法。
56.1〜12のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤が、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積の1,000Å〜10,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が2:1より小さい細孔構造を有する方法。
57.56に記載の方法であって、該毒素が約50,000ダルトン〜約450,000ダルトンの範囲の分子量を有する方法。
58.1〜12のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤が、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積の10,000Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が3:1より小さい細孔構造を有する方法。
59.58に記載の方法であって、該毒素の分子量が約1,000,000ダルトン以下である方法。
60.上記のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤が、少なくとも1種の架橋剤、少なくとも1種のモノマー、少なくとも1種の分散剤、及び少なくとも1種の細孔形成剤を含む複数の細孔を含む方法。
61.60に記載の方法であって、該分散剤が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル、ポリメタクリル酸ヒドロキシプロピル、ポリアクリル酸ヒドロキシプロピル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリメタクリル酸ジエチルアミノエチル、ポリアクリル酸ジエチルアミノエチル、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリジノン、ポリメタクリル酸の塩、またはポリアクリル酸の塩の1種以上である方法。
62.60に記載の方法であって、該架橋剤が、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルシクロヘキサン、ジビニルスルホン、三メタクリル酸トリメチロールプロパン、二メタクリル酸トリメチロールプロパン、三アクリル酸トリメチロールプロパン、二アクリル酸トリメチロールプロパン、二メタクリル酸ペンタエリトリトール、三メタクリル酸ペンタエリトリトール、四メタクリル酸ペンタエリトリトール、二アクリル酸ペンタエリトリトール、三アクリル酸ペンタエリトリトール、四アクリル酸ペンタエリトリトール、二メタクリル酸ジペンタエリトリトール、三メタクリル酸ジペンタエリトリトール、四メタクリル酸ジペンタエリトリトール、二アクリル酸ジペンタエリトリトール、三アクリル酸ジペンタエリトリトール、四アクリル酸ジペンタエリトリトール、またはジビニルホルムアミドの1種以上である方法。
63.54〜62に記載のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤がポリマーである方法。
64.60に記載の方法であって、該モノマーが、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、スチレン、エチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルベンジルアルコール、ビニルホルムアミド、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルシクロヘキサン、ジビニルスルホン、三メタクリル酸トリメチロールプロパン、二メタクリル酸トリメチロールプロパン、三アクリル酸トリメチロールプロパン、二アクリル酸トリメチロールプロパン、二メタクリル酸ペンタエリトリトール、三メタクリル酸ペンタエリトリトール、四メタクリル酸ペンタエリトリトール、二アクリル酸ペンタエリトリトール、三アクリル酸ペンタエリトリトール、四アクリル酸ペンタエリトリトール、二メタクリル酸ジペンタエリトリトール、三メタクリル酸ジペンタエリトリトール、四メタクリル酸ジペンタエリトリトール、二アクリル酸ジペンタエリトリトール、三アクリル酸ジペンタエリトリトール、四アクリル酸ジペンタエリトリトール、ジビニルホルムアミド、及びこれらの混合物の1種以上である方法。
65.60に記載の方法であって、該細孔形成剤が、ベンジルアルコール、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノール/トルエン混合物、シクロヘキサノン、デカン、デカン/トルエン混合物、リン酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−2−エチルへキシ、2−エチル−1−ヘキサン酸、2−エチル−1−ヘキサノール、2−エチル−1−ヘキサノール/n−ヘプタン混合物、2−エチル−1−ヘキサノール/トルエン混合物、イソアミルアルコール、n−ヘプタン、n−ヘプタン/酢酸エチル、n−ヘプタン/酢酸イソアミル、n−ヘプタン/テトラリン混合物、n−ヘプタン/トルエン混合物、n−ヘキサン/トルエン混合物、ペンタノール、ポリ(スチレン−co−メタクリル酸メチル)/フタル酸ジブチル、ポリスチレン/2−エチル−1−ヘキサノール混合物、ポリスチレン/フタル酸ジブチル、ポリスチレン/n−ヘキサン混合物、ポリスチレン/トルエン混合物、トルエン、リン酸トリ−n−ブチル、1,2,3−トリクロロプロパン/2−エチル−1−ヘキサノール混合物、2,2,4−トリメチルペンタン(イソオクタン)、トリメチルペンタン/トルエン混合物、ポリプロピレングリコール/トルエン混合物、ポリプロピレングリコール/シクロヘキサノール混合物、及びポリプロピレングリコール/2−エチル−1−ヘキサノール混合物の1種以上である方法。
66.3に記載の方法であって、該生体適合性収着剤が、生分解性ポリマー、再吸収性ポリマー、または両方の特性を有する方法。
67.1〜53のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤が2種以上の異なる細孔大きさを有する収着剤の混合物である方法。
68.1〜53、67のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤が、粉末、錠剤、カプセル、溶液、ゲル錠、分散体、スラリー、坐薬、または懸濁液として配合される方法。
69.1〜7のいずれか1に記載の方法であって、該収着剤が、食品、流体、またはこれらの任意の組み合わせと混合されている方法。
70.生体物質における1種以上の毒素による汚染を低減するキットであって、
a.毒素を収着することができる収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する収着剤;及び
b.使用しない時に該収着剤を該収着剤の包装とともに保存する容器
を含むキット。
71.70に記載のキットであって、該収着剤が生体適合性であるキット。
72.70に記載のキットであって、該収着剤が非生体適合性であるキット。
73.70〜72のいずれか1に記載のキットであって、さらに、該収着剤の使用についての指示を含むキット。
74.70〜73のいずれか1に記載のキットであって、該収着剤が、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積の100Å〜1,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が3:1より小さい細孔構造を有するキット。
75.70〜73のいずれか1に記載のキットであって、該収着剤が、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の細孔体積の1,000Å〜10,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が2:1より小さい細孔構造を有するキット。
76.70〜73のいずれか1に記載のキットであって、該収着剤が、50Å〜40,000Åの大きさの細孔の合計細孔体積が0.5cc/g〜5.0cc/g乾燥収着剤より大きく、該収着剤の50Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積の10,000Å〜40,000Å(孔径)の間の細孔体積に対する比が3:1より小さい細孔構造を有するキット。
77.生体物質における1種以上の毒素による汚染を低減する装置であって、
a.毒素を収着することができる収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する収着剤;及び
b.容器であって、該生体物質が該容器内に直接導入されることができるように該収着剤が該容器の内部に配置されている容器
を含む装置。
78.68に記載の装置であって、該生体物質が血液である装置。
79.77または78に記載の装置であって、該収着剤が生体適合性である装置。
80.77または78に記載の装置であって、該収着剤が非生体適合性である装置。
81.医薬組成物であって、
a.毒素を収着することができる収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する収着剤;及び
b.食品
を含む組成物。
82.医薬組成物であって、
a.毒素を収着することができる収着剤であって、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する収着剤;及び
b.携帯可能な液体
を含む組成物。
83.81または82に記載の医薬組成物であって、該収着剤が生体適合性である組成物。
84.81または82に記載の医薬組成物であって、該収着剤が非生体適合性である組成物。
85.生体物質における1種以上の毒素による汚染を低減する方法であって、
a.該生体物質を、1種以上の非毒性サブユニットを収着することができる有効量の収着剤と接触させること、この際、2種以上のそれらサブユニットが結合すると毒素が形成されるものとし、そして、該収着剤が、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する;及び
b.該1種以上の非毒性サブユニットを収着すること
を含む方法。
86.1種以上の毒素による汚染を処置する方法であって、それを必要としている対象において、
a.該対象の生体物質を、1種以上の非毒性サブユニットを収着することができる有効量の収着剤と接触させること、この際、2種以上のそれらサブユニットが結合すると毒素が形成されるものとし、そして、該収着剤が、50Å〜40,000Åの複数の細孔を含み0.5cc/g〜5.0cc/gの細孔体積と0.05mm〜2cmの大きさを有する;及び
b.該1種以上の非毒性サブユニットを収着すること
を含む方法。
87.85または86に記載の方法であって、該収着剤が生体適合性である方法。
88.85または86に記載の方法であって、該収着剤が非生体適合性である方法。
89.85〜88のいずれか1に記載の方法であって、該収着が in vivo で起こる方法。
90.85〜88のいずれか1に記載の方法であって、該収着が ex vivo で起こる方法。
91.85〜90のいずれか1に記載の方法であって、該毒素が該生体物質の存在下で形成される方法。
92.85〜91のいずれか1に記載の方法であって、該1種以上の非毒性サブユニットが生物学的供給源由来である方法。
93.92に記載の方法であって、該非毒性サブユニットが、炭疽菌に由来する非毒性の致死因子、浮腫因子及び/または防御抗原を含む方法。
図1
図2
図3