【課題を解決するための手段】
【0010】
ある態様によると、本発明は、内歯を有するワークピースの内歯の少なくとも一方の手前側縁部を面取りするための装置を包含する。この装置は、ワークピースを保持するための、回転可能に支持された少なくとも1つのワークピースホルダと、面取ホブ、特に、面取切削ホブを保持するための、回転可能に支持された少なくとも1つの工具ホルダとを備える。本発明の第1の態様は、工具ホルダが、ワークピースホルダに保持されたワークピースに隣接して配置され及び/又は配置可能であって、工具ホルダに保持された面取ホブは、工具軸によって、内歯が形成するワークピースの中央開口部の領域内に配置され、ワークピースの上側及び/又は下側において前記内歯の縁部と係合可能である。
【0011】
本発明の発明者らは、内歯の面取りのために、面取りを行う装置全体を内歯が形成する中央開口部内に配置する必要はないことを認識した。本発明の発明者らは、さらに、工具ホルダをこの領域内に配置することさえも不要であることを認識した。
【0012】
本発明によれば、工具ホルダをワークピースに隣接して配置し、面取ホブだけを工具軸を使用してワークピースの内部領域に配置する。これにより、わずかな構造変更をするだけで、従来設計のホブ切りヘッドを本発明の装置に使用することができる。中央開口部領域内に配置された面取ホブの複数の歯は、工具軸の径方向に突出している。したがって、工具軸がワークピースの上方又は下方に延びた状態で、面取ホブの歯がワークピースの中央孔部の内部に入り込んで、内歯の縁部を機械加工することができる。
【0013】
内歯縁部の面取時には、工具軸は、工具ホルダから延びて、内歯を有するワークピースの環状領域の上側及び/又は下側を、ワークピースの外側領域から内側領域へと通るのが好ましい。
【0014】
したがって、本発明は、内歯を有するワークピースの環状領域を超えて延びて、面取ホブをワークピースの内部領域に配置する、比較的長い工具軸を必要とするだけである。
【0015】
工具ホルダから、工具軸に配置された少なくとも1つの面取ホブまでの長さは、好ましくは、ワークピースの内歯の内半径の10%以上であることが好ましく、20%よりも大きく、30%以上であることが好ましい。特に好ましい実施形態では、この長さは40%よりも大きい。複数の面取ホブが工具軸に設けられる場合は、好ましくは、これらの寸法仕様は、工具ホルダと工具ホルダに面する第1の面取ホブとの間の工具軸の長さに適用される。さらに、工具軸に配置された2つの面取ホブの間の軸長さは、好ましくは、ワークピースの内歯の内半径の10%以上であることが好ましく、20%よりも大きいことが好ましく、30%以上又は40%以上であることがさらに好ましい。
【0016】
可能な実施形態では、工具ホルダを、ワークピースホルダに隣接させて又はワークピースホルダの上方に配置された機械加工ヘッドに配置して、機械加工ヘッドを介してワークピースホルダに対して移動させてもよい。特に好ましくは、機械スタンドに設けた機械加工ヘッドを、ワークピースホルダに隣接させて又はワークピースホルダの上方に配置する。機械スタンドは、機械台上に配置してもよい。この機械台もまたワークピースホルダを支持している。
【0017】
好ましくは、機械加工ヘッドは、工具ホルダをワークピースホルダの軸方向に動かすための機械軸、及び/又は、ワークピースホルダの回転軸及び/又は工具ホルダの回転軸に直交する方向に工具ホルダを移動させるための機械軸を有する。
【0018】
好ましくは、機械加工ヘッドは、工具ホルダの回転軸及び/又はワークピースホルダの回転軸に直交する旋回軸周りに工具ホルダを旋回させる旋回軸をさらに有していてもよく、及び/又は、工具ホルダ回転軸の方向に工具ホルダを移動させるための機械軸を有していてもよい。
【0019】
工具軸に配置された面取ホブには、上側及び/又は下側からアクセス可能であることが好ましい。
【0020】
本願において、ワークピースの上側又は下側と言うとき、又は、構成要素がワークピースの上方、下方、又はワークピースに隣接して配置されていると言うとき、ワークピースホルダが垂直な回転軸を有していなければならないこと,又は、垂直方向において上側が下側の上方に配置されていること、又は、構成要素が実際に垂直方向におけるワークピースの上方又は下方、若しくは、水平方向にワークピースに隣接して配置されていることを意味するものではない。
【0021】
これらの用語は、むしろ、ワークピースの回転軸により予め定義される方向であって、ワークピースの上側と下側とが規定される方向における相対的配置を示しているだけである。本発明の枠組みにおいて、ワークピースのいずれの側を上側と見なし、いずれの側が下側であるかには意味がない。
【0022】
機械の概念によっては、例えば、機械加工中にワークピースの軸が水平に配置され、これにより、ひいては本発明の装置の水平方向の位置合わせが必要となる配置も想定され得る。
【0023】
その代わりに、あるいはそれに加えて、工具ホルダを、機械加工ヘッドを介して機械スタンドに配置してもよい。機械加工ヘッドは、ワークピースホルダの回転軸及び/又は工具ホルダの回転軸に直交する方向に、機械スタンドから離れるように延びることが好ましい。これにより、工具ホルダの回転軸は、特に、機械スタンドから一定の距離を空けて延びる。
【0024】
さらには、その代わりに、あるいはそれに加えて、ワークピースホルダに面する機械スタンドの前面と平行に工具ホルダが延びるように、工具ホルダを機械加工ヘッドに配置してもよい。
【0025】
本発明の装置は、特に、内歯を有し面取ホブにより面取りされるワークピースの環状領域が、工具軸の上方又は下方において、機械スタンドと工具ホルダの回転軸との間にあるように設計されていてもよい。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の装置は、ワークピースの内歯に面取ホブを進入させる及び/又は噛み合わせるためのセンサを備える。
【0027】
このようなセンサは、特に、本発明の装置が独立設置用に設計される場合に必要である。又は、縁部が面取りされるワークピースが、歯切り工程中には別のワークピースホルダに配置されており、例えば、ワークピース移送部により本発明の装置のワークピースホルダに移送される場合には、必要である。なぜなら、このような場合には、装置に対する内歯の位置がわからないからである。
【0028】
センサとしては、非接触型センサが好ましい。例えば、誘導センサ及び/又は光学センサが使用できる。
【0029】
面取ホブを進入させる及び/又は噛み合わせるためのセンサは、別体として設けられたアームに配置されることが好ましい。このアームにより、センサは内歯内に移動可能である。好ましくは、センサ用のアームは、工具ホルダとともに装置の機械加工ヘッドに配置され、及び/又は、同じ機械軸に沿って移動可能である。例えば、光学センサを使用する場合には、内歯の外側にセンサを配置することもさらに想定される。
【0030】
第2の態様によると、本発明は、内歯を有するワークピースの内歯の少なくとも一方の手前側縁部を面取りするための装置を包含する。この装置は、ワークピースを保持するための、回転可能に支持された第1のワークピースホルダと、少なくとも1つの面取ホブ、特に、面取切削ホブを保持するための、回転可能に支持された少なくとも1つの工具ホルダとを備える。本発明の第2の態様は、装置が、回転可能に支持された、ワークピースを保持するための第2のワークピースホルダを有することを特徴とする。ワークピースを第1のワークピースホルダに保持した状態では、内歯縁部は工具の第1の手前側に接触して面取加工され得る。ワークピースを第2のワークピースホルダに保持した状態では、当該ワークピースの第2の手前側の内歯縁部が面取加工され得る。
【0031】
本発明の発明者らは、内歯を有するワークピースをワークピースホルダに保持して、ワークピースの上側及び下側の両方において内歯縁部を面取加工することは、特にワークピースにおける工具ホルダに面する側での内歯縁部へのアクセスが非常に難しいことが理由で、特に複雑であることを認識した。
【0032】
本発明の第2の態様によると、2つのワークピースホルダが設けられ、ワークピースホルダから遠く、よって容易にアクセスできる側の縁部を面取加工可能であることにより、この問題は解決される。
【0033】
本発明の第2の態様に係る装置は、好ましくは、機械軸に沿って移動可能で、第1の手前側及び第2の手前側の両方の内歯縁部の面取加工を可能とする機械加工ヘッドを有する。したがって、同一の機械加工ヘッドを使用して、第1のワークピースホルダに保持されているワークピースと、第2のワークピースホルダに保持されているワークピースの両方を機械加工できる。特に、同一の機械軸を使用して、面取加工を行ってもよい。
【0034】
本発明の装置の工具ホルダは、好ましくは、機械加工ヘッドに配置され、その機械軸上を移動可能である。
【0035】
その代わりに、あるいはそれに加えて、第1及び第2の手前側の内歯縁部の面取加工は、同一の面取ホブ又は同一の工具ホルダに保持された複数の面取ホブによって行われてもよい。特に好ましくは、ワークピースの第1の手前側及び第2の手前側の内歯縁部の面取加工は、同一の工具軸に把持された2つの別々の面取ホブによって行われる。
【0036】
本発明の装置は、好ましくは、第1のワークピースホルダから第2のワークピースホルダへ、及び/又は、第2のワークピースホルダから第1のワークピースホルダへ、ワークピースの移送を行う装置を備える。したがって、特に、第1のワークピースホルダにワークピースを保持した状態で、第1の手前側の内歯縁部を機械加工した後、ワークピースを第2のワークピースホルダに移送して、第2の手前側の内歯縁部を面取加工してもよい。
【0037】
この移送は、ワークピースを第2のワークピースホルダに保持した状態で、このワークピースの第2の手前側が第1のワークピースホルダに面するように、そして、ワークピースを第1のワークピースホルダに保持した状態で、ワークピースの第1の手前側が第2のワークピースホルダに面するようして行われ、それぞれの場合の他方の手前側がアクセス可能となり機械加工できる。
【0038】
本発明の可能な実施形態では、ワークピースを移送するための装置は、2つのワークピースホルダのうちの1つが移動可能で、他方のワークピースホルダに保持されているワークピースを掴むことができるように構成されていてもよい。
【0039】
その代わりに、あるいはそれに加えて、ワークピース移送部を設けて、ワークピースを一方のワークピースホルダから他方のワークピースホルダに移送してもよい。
【0040】
ワークピース移送時の、ワークピースの回転位置は、第1のワークピースホルダから第2のワークピースホルダへ電子的に伝送され、ワークピースの移送後も回転位置がわかることが好ましい。特に、ワークピースの第2の手前側の内歯の面取りのために面取ホブを正確に位置づけする目的で行われる、面取ホブの再進入プロセスが不要となり得る。
【0041】
本発明の好ましい実施形態では、2つのワークピースホルダが、作業領域における互いに反対の2つの側に配置されているか、配置可能である。好ましくは、どちらのワークピースホルダに保持されているのかによって、ワークピースの第1の手前側又は第2の手前側が作業領域に面する。作業領域に面した手前側の内歯縁部を加工するために、1つ又は複数の面取ホブが、作業領域に配置されているか、配置予定であることが好ましい。
【0042】
本発明の可能な実施形態では、2つのワークピースホルダそれぞれの回転軸が互いに平行である。特に好ましくは、2つのワークピースホルダを同軸上に配置する。この場合、一方のワークピースホルダが、その回転軸方向に他方のワークピースホルダにまで移動して、ワークピースを引き取ることができることが特に好ましい。
【0043】
本発明の第1及び第2の態様は、最初は互いに独立しており、別々に実施できる。
【0044】
ただし、本発明の2つの態様を、1台の装置において組み合わせることが特に好ましい。特に、本発明の第2の態様に係る装置の第1及び/又は第2のワークピースホルダに保持されているワークピースの面取加工を、第1の態様に従って行うことができる。
【0045】
特に好ましくは、ワークピースが第1のワークピースホルダに配置され、ワークピースの上側で内歯縁部を係合させようとする場合、工具ホルダを2つのワークピースホルダに隣接して配置し及び/又は配置可能であり、工具軸を介して、少なくとも1つの面取ホブをワークピースの内歯が形成する中央開口部の上方に配置可能であることが特に好ましい。さらに、ワークピースが第2のワークピースホルダに配置され、ワークピースの下側で内歯縁部を係合させようとする場合、工具軸を介して、面取ホブを内歯が形成する中央開口部の下方に配置することも可能である。同一の工具ホルダを使用して、上側及び下側において内歯縁部を面取加工することが好ましい。
【0046】
本発明の第1の代替的態様では、好ましくは同一の工具軸に配置された別々の面取ホブを使用して、上側及び下側において内歯縁部の面取加工を行う。
【0047】
工具ホルダの回転方向を逆にして、上側及び下側における内歯縁部の機械加工を行い、上側及び下側における内歯縁部の面取りの際に、工具とワークピースとの間で同じ切削方向になるように、作業を行うことが好ましい。特に、回転方向は、上側における内歯の面取り時と下側における内歯の面取り時との両方で、機械加工が手前側から内歯の方向(奥側)に行われるように選択される。又は、回転方向は、内歯縁部の機械加工が、内歯から手前側への切削方向で行われるように選択される。これには、面取中に残るバリが、手前側のみ、又は内歯内のみに残るという利点がある。各ワークピースホルダの回転方向は、面取ホブの回転方向に適合される。
【0048】
あるいは、同一の面取ホブを使用して、上側及び下側において内歯縁部を機械加工してもよい。第1の代替的態様では、同じ面取ホブを、ワークピースの同一の径領域において、上側における内歯縁部及び下側における内歯縁部と係合させることができる。しかし、これには、上側及び下側における内歯縁部の面取加工において、異なる切削方向が生じるという欠点がある。
【0049】
したがって、面取ホブを、ワークピースの回転軸に対する第1の径方向に、ワークピースの第1側の内歯縁部領域と係合させることが好ましい。そして、ワークピースを第2のワークピースホルダに移送した後、ワークピースの回転軸に対する第2の径方向に工具ホルダを移動させることによって、面取ホブをワークピースの第2側の内歯の径方向反対に位置する縁部領域と係合させるのが好ましい。これには、ワークピースの両側で同じ切削方向になるという利点がある。係合点の変更の際には、工具ホルダの回転方向を適合させなくてはならない。
【0050】
1つの工具軸に配置された1つ又は複数の面取ホブは、2つの側からアクセス可能であって、それぞれの側がワークピースの縁部と係合可能であることが好ましい。特に、上側と下側の両側からアクセス可能である。
【0051】
本発明の装置は、典型的には量産用に使用され、特に、大量生産用に使用される。ワークピースの機械加工、及び、よってこの場合には面取プロセスは、装置の制御部によって自動的に行われる。
【0052】
したがって、本発明の装置は、ワークピースの少なくとも一方の手前側、好ましくは両方の手前側の内歯縁部を面取りする目的で、装置の機械軸を自動制御する制御部を備えることが好ましい。
【0053】
好ましくは、本発明の装置がその作用及び/又は使用について上述した工程を自動的に行うように、本発明の装置の制御部はプログラムされている。
【0054】
特に、制御部は、マイクロプロセッサと、装置の制御プログラムが保存されるメモリとを備える。制御プログラムは、マイクロプロセッサにより実行される。
【0055】
本発明は、まず、面取ホブ、特に、面取切削ホブを工具ホルダに保持して、上記のアプリケーションを実行するのに適した、上記で詳述したような装置を提供する。
【0056】
ただし、本発明は、少なくとも1つの面取ホブが工具ホルダに保持される上述のような装置、又は、複数の工具ホルダにそれぞれ面取ホブが保持される装置も同様に包含する。複数の面取切削ホブは、特に、1つ又は複数の工具ホルダに保持される。
【0057】
本発明は、さらに、上述のような装置、歯切り盤、及びワークピース移送部等を備える歯車製造機械加工センターに関する。歯切り盤は、好ましくは、内歯を機械加工するための機械であり、特に、フライス盤、面取切削バリ取り装置、又は、スカイビング機であってよい。好ましくは、ワークピースの歯切り加工及び面取りは、歯車製造機械加工センターにおいて、同時に並行して行われる。歯切り盤によって歯切りされたワークピースは、特に、ワークピース移送部によって、本発に係る面取装置に移送されて、面取りされる。その間に、歯切り盤によって次のワークピースの歯切りがすでに行われている。ワークピースの面取りを、荒加工工程と仕上げ加工工程との間に行うことも想定される。この目的で、ワークピースは歯切り盤から本発明の装置に移送され、その後、歯切り盤に戻される。
【0058】
ワークピース移送部は、好ましくは、循環型自動制御機械であり、より好ましくは、本発明の面取装置と歯切り盤とが、循環型自動制御機械における異なる角度位置に配置されている。
【0059】
好ましくは、歯切り盤と本発明の装置とは、別々のワークピースホルダを有する。この場合、ワークピース移送部は、歯切り盤による歯切り加工の後、歯切り盤のワークピースホルダから本発明の面取装置のワークピースホルダに、ワークピースを移送する。
【0060】
ただし、代替的実施形態では、歯車製造機械加工センターは、複数のワークピースホルダを有していてもよく、これらのワークピースホルダに保持したままの状態でワークピースを歯切り加工及び面取加工してもよい。この場合、ワークピースホルダは、歯切り盤から本発明の装置へ、及び/又は、その逆に移動することが好ましい。
【0061】
好ましくは、ワークピース移送部を使用して、外部運搬経路又は他の機械加工ユニットから、1つ又は複数のワークピースホルダにワークピースを配置し、及び、1つ又は複数のワークピースホルダからワークピースを取り除く。
【0062】
本発明のさらなる態様によれば、本発明の装置は独立した機械として設計されてもよい。この機械は、運搬経路及び/又は自動制御装置から歯切り済みのワークピースを受け取って、面取加工を行う。このようにして機械加工されたワークピースは、好ましくは、再度、運搬経路及び/又は自動制御装置に移送される。
【0063】
本発明は、本発明の装置に加え、これに対応する方法を包含する。特に、本発明はまた、本発明の装置に関連して上述した方法を包含する。
【0064】
これとは別に、第1の態様の展開によると、本発明は、内歯を有するワークピースの内歯の少なくとも一方の手前側縁部を、回転可能に支持された工具ホルダに保持された面取ホブ、特に、面取切削ホブで面取りする方法を包含する。本発明の方法は、工具ホルダをワークピースホルダに保持されたワークピースに隣接させて配置し、工具ホルダに保持された面取ホブを、工具軸によって、前記内歯が形成する前記ワークピースの中央開口部の領域内に配置し、前記ワークピースの上側及び/又は下側において前記内歯の縁部と係合させる、ことを特徴とする。
【0065】
本発明の方法は、本発明の第1の態様に係る装置に関連して詳述したように実施されるのが好ましい。本発明の方法は、特に、上記のような装置を使用して実施してもよい。
【0066】
第2の態様によると、本発明は、内歯を有するワークピースの内歯の少なくとも一方の手前側縁部を、回転可能に支持された工具ホルダに保持された面取ホブ、特に、面取切削ホブで面取りする方法を包含する。第2の態様によれば、ワークピースを第1のワークピースホルダに保持した状態では、ワークピースの第1の手前側の内歯縁部が面取加工され、ワークピースを第2のワークピースホルダに保持した状態では、ワークピースの第2の手前側の内歯縁部が面取加工され得る。
【0067】
また、この方法は、第2の態様に係る本発明の装置に関連して上記で詳述したように実施されるのが好ましい。特に好ましくは、この方法はこのような装置を使用して実施されるのが好ましい。
【0068】
本発明の第1及び第2の態様に係る方法は、組み合わせて使用することが特に好ましい。
【0069】
本発明は、さらに、上記のような本発明に係る方法の1つを実施するための、面取ホブの使用、特に、面取切削ホブの使用を包含する。
【0070】
本発明は、さらに、上記のような本発明に係る装置の1つにおける、面取ホブの使用、特に、面取切削ホブの使用を包含する。
【0071】
本発明の方法及び装置は、スプールギヤの縁部を面取りするために使用されることが好ましい。
【0072】
好ましくは、本発明に係るワークピースは、歯車、特に、内歯を有する歯車である。内歯を有するこのような歯車は、環形状を有し、内周面に内歯が配置されている。
【0073】
好ましくは、本発明によれば、面取は、面取切削ホブを使用して行われる。面取切削ホブは、特に、独国特許出願公開第10330474号明細書に記載のバリ取り工具のように設計されていてもよい。さらに好ましくは、面取は、独国特許出願公開第10330474号明細書がバリ取りプロセス用として記載しているような、面取切削ホブによって行われる。
【0074】
独国特許出願公開第10330474号明細書に記載のものとは異なり、本発明では、面取切削ホブは歯切りのために使用される工具が設けられた同じ工具軸に把持されるのではなく、面取切削ホブ用の工具ホルダに、好ましくは、面取切削ホブ用の工具ホルダにおける唯一の工具として把持される。