【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記非特許文献1の規格によれば、対象となる試験片の幅が15.0±0.1mmと規定されており、少なくとも15.0mmをセンターとして僅かな誤差を有する幅の試験片を用いるのが好ましいとされている。
【0006】
この規格に基づく強度試験を行うにあたり、一般的にはフィルムに定規を当てて、カッターナイフで切り出す方法が行われている。この方法で試験片を作成した場合、試験片の幅には不可避的にばらつきが発生する。これまでは、この程度のばらつきは許容範囲内であると考えられていた。その理由は以下の2点にある。
【0007】
通常、正しく熱融着された包材は、当該規格で参考値として挙げられている各ケースで必要とされるヒートシール強さに対し、十分に高い値(例えば2倍を超える)を示す。シール強さの値は試験片の幅にほぼ比例すると考えられる。従って、実務的には、僅かな幅のバラツキは許容できる。
【0008】
しかし、上記の事情は、要求強度と試験結果の差が十分に大きい場合に限って考慮されるべきものである。つまり、試験結果が要求される強度に近い場合には、実際の強度が要求される強度を下回ってしまうおそれがある。すなわち、シール強度を正しく評価する観点からは、なるべく要求される幅の試験片を作成し、その試験片を用いて強度測定をするのが好ましい。
【0009】
また、定規とカッターを用いてフィルムを切断するのは、作業的には煩わしい。他方、一般のハサミを使ってフィルムを切断しようとした場合、切断時にフィルムが容易に変形するため、正しい幅で切断することが困難である。つまり、フィルムにハサミを入れたときの、ハサミの先端部に位置するフィルムの幅と、ハサミの根元部分に位置するフィルムの幅が異なってしまうことがある。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑み、高い精度で所定の幅を切断することのできるハサミを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るハサミは、
それぞれの端部に刃が形成された、第一刃体、第二刃体、第三刃体、及び第四刃体と、
前記第一刃体と前記第二刃体とを相対的に回転可能に連結する第一連結部と、
前記第三刃体と前記第四刃体とを相対的に回転可能に連結する第二連結部と、
前記第二刃体及び前記第三刃体に対し、刃が形成されている側とは反対側の端部で連結された第一把持部と、
前記第一刃体及び前記第四刃体に対し、刃が形成されている側とは反対側の端部で連結された第二把持部と、
前記第一連結部及び前記第二連結部と前記第一把持部との間の位置に配置されており、前記第二刃体及び前記第三刃体に対して相互に対向する方向に連結するように形成された第一スペーサ部と、
前記第一連結部及び前記第二連結部と前記第二把持部との間の位置に配置されており、前記第一刃体及び前記第四刃体に対して相互に対向する方向に連結するように形成された第二スペーサ部と、
前記第一連結部及び前記第二連結部を基準として前記第一把持部とは反対側に配置されており、前記第二刃体及び前記第三刃体に対して相互に対向する方向に連結するように形成された第三スペーサ部とを備え、
前記第二刃体及び前記第三刃体は、前記第一刃体及び前記第四刃体の内側に配置されており、
前記第二刃体に刃が形成されている領域と、前記第三刃体に刃が形成されている領域とが相互に対向しており、
前記第一刃体に刃が形成されている領域と、前記第四刃体に刃が形成されている領域は、共に外側に位置していることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るハサミは、
それぞれの端部に刃が形成された、第一刃体、第二刃体、第三刃体、及び第四刃体と、
前記第一刃体と前記第二刃体とを相対的に回転可能に連結する第一連結部と、
前記第三刃体と前記第四刃体とを相対的に回転可能に連結する第二連結部と、
前記第二刃体及び前記第三刃体に対し、刃が形成されている側とは反対側の端部で連結された第一把持部と、
前記第一刃体及び前記第四刃体に対し、刃が形成されている側とは反対側の端部で連結された第二把持部と、
前記第一連結部及び前記第二連結部と前記第一把持部との間の位置に配置されており、前記第二刃体及び前記第三刃体に対して相互に対向する方向に連結するように形成された第一スペーサ部と、
前記第一連結部及び前記第二連結部と前記第二把持部との間の位置に配置されており、前記第一刃体及び前記第四刃体に対して相互に対向する方向に連結するように形成された第二スペーサ部と、
前記第一連結部及び前記第二連結部を基準として前記第二把持部とは反対側に配置されており、前記第一刃体及び前記第四刃体に対して相互に対向する方向に連結するように形成された第三スペーサ部とを備え、
前記第二刃体及び前記第三刃体は、前記第一刃体及び前記第四刃体の内側に配置されており、
前記第二刃体に刃が形成されている領域と、前記第三刃体に刃が形成されている領域とが相互に対向しており、
前記第一刃体に刃が形成されている領域と、前記第四刃体に刃が形成されている領域は、共に外側に位置していることを特徴とする。
【0013】
前記第三スペーサ部が前記第二刃体及び前記第三刃体に対して相互に対向する方向に連結するように形成されている場合、当該第三スペーサ部は、前記第一連結部及び前記第二連結部の位置から、前記第二刃体及び前記第三刃体の先端に向かう方向に離間して、複数の箇所に設けられているものとしても構わない。同様に、前記第三スペーサ部が前記第一刃体及び前記第四刃体に対して相互に対向する方向に連結するように形成されている場合、当該第三スペーサ部は、前記第一連結部及び前記第二連結部の位置から、前記第一刃体及び前記第四刃体の先端に向かう方向に離間して、複数の箇所に設けられているものとしても構わない。
【0014】
前記第二スペーサ部は、前記第一連結部及び前記第二連結部の位置における前記第一刃体と前記第四刃体との間の間隔よりも、当該第二スペーサ部が配置されている位置における前記第一刃体と前記第四刃体との間の間隔が拡がるように長さが設定されている