特許第6810462号(P6810462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6810462
(24)【登録日】2020年12月15日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】レール削正装置
(51)【国際特許分類】
   E01B 31/17 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   E01B31/17
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-6866(P2018-6866)
(22)【出願日】2018年1月19日
(65)【公開番号】特開2019-124086(P2019-124086A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2019年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】391030125
【氏名又は名称】保線機器整備株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】細川 誠二
(72)【発明者】
【氏名】小黒 教示
【審査官】 山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−089001(JP,U)
【文献】 特開2016−044485(JP,A)
【文献】 特開2004−332299(JP,A)
【文献】 特開昭52−017296(JP,A)
【文献】 特公昭44−002957(JP,B1)
【文献】 特開平08−284102(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第109778615(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 31/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール削正装置本体に装着したディスクグラインダーの砥石ディスクによってレールの頭部を削正するレール削正装置であって、
前記レール削正装置本体には、
前記ディスクグラインダーのグラインダー本体を支持するグラインダー本体支持部と、
前記レールの長手方向における前記ディスクグラインダーの両側それぞれに前記砥石ディスクのディスク面とほぼ平行に設けられ、レール頭部の踏面や側面等に当接する水平車輪と、
前記レールの長手方向における前記ディスクグラインダーの両側それぞれに前記砥石ディスクのディスク面とほぼ垂直に設けられ、前記水平車輪の車軸方向とは直交した状態でレール頭部の側面や踏面に当接する垂直車輪とを有し、
前記レール削正装置本体の長手方向の少なくとも一方側には、さらに、それぞれ、基部が回動可能に設けられ、回動することによって先端部が前記垂直車輪とは反対側のレール頭部下側のレール上首部に係合する回動式レール頭部係合部を有することを特徴とするレール削正装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレール削正装置において、
前記回動式レール頭部係合部の先端部の内側には、雌ネジ部が形成されており、その雌ネジ部には雄ネジ部が螺合して螺合する長さを調整して、当該雄ネジ部上端の当接部をレール頭部下側のレール上首部に当接可能な当接用調整ネジが設けられていることを特徴とするレール削正装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のレール削正装置において、
前記グラインダー本体支持部は、
前記グラインダー本体の長手方向の少なくとも2点の高さを調整する一対の高さ調整ネジを有し、一対の高さ調整ネジはそれぞれ回転して当該グラインダー本体支持部に対する前記ディスクグラインダーの砥石ディスクの高さおよび角度を調整することを特徴とするレール削正装置。
【請求項4】
請求項3に記載のレール削正装置において、
前記グラインダー本体支持部には、さらに、前記一対の高さ調整ネジによってそれぞれ調整された前記グラインダー本体の長手方向の少なくとも2点の高さをそれぞれ示す高さ表示用目盛りおよび高さ表示用矢印が前記グラインダー本体の長手方向の少なくとも2箇所に設けられていることを特徴とするレール削正装置。
【請求項5】
請求項4に記載のレール削正装置において、
前記グラインダー本体の長手方向の少なくとも2箇所に設けられた各高さ表示用目盛りおよび高さ表示用矢印は、当該ディスクグラインダーの砥石ディスク側の同一方向を向き、かつ、当該ディスクグラインダーの砥石ディスク側から見て重ならないよう上下方向に高さを変えて設置されていることを特徴とするレール削正装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一の請求項に記載のレール削正装置において、
さらに、前記グラインダー本体支持部とは反対側に基部が取り付けられ、その基部から上方に向かって延び、ほぼ90度に曲げられた後、前記グラインダー本体支持部の上でさらに前記ディスクグラインダー側に向かって斜めに曲げられた操作ハンドルを有することを特徴とするレール削正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール削正装置本体に装着したディスクグラインダーの砥石ディスクによってレールの頭部を削正するレール削正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、レール削正装置として、ベルト式のもの(例えば、特許文献1〜3参照。)や、ロータリーバーを使用したもの(例えば、特許文献4〜6参照。)等を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−204980号公報
【特許文献2】特開2015−092062号公報
【特許文献3】特開2014−37744号公報
【特許文献4】特開2017−133211号公報
【特許文献5】特開2016−156241号公報
【特許文献6】特開2016−044485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1〜3に記載されたレール削正装置は、研削ベルトを使用した大型の装置であるため、長いレール区間を削正する場合には有効であるが、レールの特定箇所をスポット的に削正する場合には不便である、という問題があった。
【0005】
また、上述の特許文献4〜6に記載されたレール削正装置は、ロータリーバーを使用して削正する比較的小型のレール削正装置であるが、レールの頭部だけでなく底面まで研削できるようリンク機構を備えているため、リンク機構の分だけ構造が複雑である。
【0006】
尚、作業者がディスクグラインダーを使用してレール頭部の継目部分等の溶接余盛り等の削正することは行われるが、作業者の熟練度が低いと、確実に削正することは困難である。
【0007】
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、作業者の熟練度が低い場合でも、ディスクグラインダーを使用して小型かつ単純な構造でレールの頭部を確実に削正することができるレール削正装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係るレール削正装置は、レール削正装置本体に装着したディスクグラインダーの砥石ディスクによってレールの頭部を削正するレール削正装置であって、前記レール削正装置本体には、前記ディスクグラインダーのグラインダー本体を支持するグラインダー本体支持部と、前記レールの長手方向における前記ディスクグラインダーの両側それぞれに前記砥石ディスクのディスク面とほぼ平行に設けられ、レール頭部の踏面や側面等に当接する水平車輪と、前記レールの長手方向における前記ディスクグラインダーの両側それぞれに前記砥石ディスクのディスク面とほぼ垂直に設けられ、前記水平車輪の車軸方向とは直交した状態でレール頭部の側面や踏面に当接する垂直車輪とを有することを特徴とする。
また、本発明に係るレール削正装置は、前記レール削正装置本体の長手方向の少なくとも一方側には、さらに、それぞれ、基部が回動可能に設けられ、回動することによって先端部が前記垂直車輪とは反対側のレール頭部下側のレール上首部に係合する回動式レール頭部係合部を有することも特徴とする。
また、本発明に係るレール削正装置は、前記回動式レール頭部係合部の先端部の内側には、雌ネジ部が形成されており、その雌ネジ部には雄ネジ部が螺合して螺合する長さを調整して、当該雄ネジ部上端の当接部をレール頭部下側のレール上首部に当接可能な当接用調整ネジが設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係るレール削正装置は、前記グラインダー本体支持部は、前記グラインダー本体の長手方向の少なくとも2点の高さを調整する一対の高さ調整ネジを有し、一対の高さ調整ネジはそれぞれ回転して当該グラインダー本体支持部に対する前記ディスクグラインダーの砥石ディスクの高さおよび角度を調整することも特徴とする。
また、本発明に係るレール削正装置は、前記グラインダー本体支持部には、さらに、前記一対の高さ調整ネジによってそれぞれ調整された前記グラインダー本体の長手方向の少なくとも2点の高さをそれぞれ示す高さ表示用目盛りおよび高さ表示用矢印が前記グラインダー本体の長手方向の少なくとも2箇所に設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係るレール削正装置は、前記グラインダー本体の長手方向の少なくとも2箇所に設けられた各高さ表示用目盛りおよび高さ表示用矢印は、当該ディスクグラインダーの砥石ディスク側の同一方向を向き、かつ、当該ディスクグラインダーの砥石ディスク側から見て重ならないよう上下方向に高さを変えて設置されていることも特徴とする。
また、本発明に係るレール削正装置は、さらに、前記グラインダー本体支持部とは反対側に基部が取り付けられ、その基部から上方に向かって延び、ほぼ90度に曲げられた後、前記グラインダー本体支持部の上でさらに前記ディスクグラインダー側に向かって斜めに曲げられた操作ハンドルを有することも特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るレール削正装置は、レール削正装置本体に、ディスクグラインダーのグラインダー本体を支持するグラインダー本体支持部と、レールの長手方向におけるディスクグラインダーの両側にそれぞれ設けられ、砥石ディスクのディスク面とほぼ平行に設けられ、レール頭部の踏面や側面等に当接する水平車輪と、レールの長手方向におけるディスクグラインダーの両側にそれぞれ設けられ、砥石ディスクのディスク面とほぼ垂直に設けられ、水平車輪の車軸方向とは直交するようにレール頭部の側面や踏面に当接する垂直車輪と、グラインダー本体支持部とは反対側に基部が取り付けられ、その基部から上方に向かって延びると共に、先端部がグラインダー本体支持部側に向けて曲げられた操作ハンドルとを備える。
そのため、作業者の熟練度が低い場合でも、レールの頭部を削正するディスクグラインダーを使用した小型かつ単純な構造でレールの頭部を確実に削正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る実施の形態のレール削正装置の平面図である。
図2】本発明に係る実施の形態のレール削正装置の正面図である。
図3図2における要部拡大正面図である。
図4】本発明に係る実施の形態のレール削正装置の背面図である。
図5図4における要部拡大背面図である。
図6】本発明に係る実施の形態のレール削正装置の右側面図である。
図7】本発明に係る実施の形態のレール削正装置の左側面図である。
図8】本発明に係る実施の形態のレール削正装置を構成する水平車輪や垂直車輪、回動式レール頭部係合部等の要部の構成を拡大して示す部分断面拡大側面図である。
図9図7における一対の高さ調整ネジ等の要部の構成を拡大して示す部分断面拡大側面図である。
図10】本発明に係る実施の形態のレール削正装置を構成するグラインダー本体支持部等の要部を拡大して示す部分断面拡大平面図である。
図11】本発明に係る実施の形態のレール削正装置を使用してレールの頭部側面を削正している使用状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るレール削正装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、下記に説明する実施の形態は、あくまで、本発明の一例であり、本発明は、下記に説明する実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
実施形態のレール削正装置1は、レール削正装置本体11にハンディー式のディスクグラインダー12を装着し、そのディスクグラインダー12の砥石ディスク12aによってレールRの頭部を削正するように構成されている。
【0013】
<レール削正装置本体11>
レール削正装置本体11は、図1図4等に示すように、チャネル材やアングル材等の1枚の長尺鋼板11a1と、2枚の中尺鋼板11a2,11a2とをレールRの幅程度の間隔を空けて設け、その長尺鋼板11a1および中尺鋼板11a2,11a2間に4枚の短尺鋼板11b〜11bを所定間隔で接合することによって天板および底板無しで且つ梯子状で、レールRの長手方向に延びる平面視、ほぼ長方形の直方体または長尺箱形状に構成されており、グラインダー本体支持部11cと、水平車輪11d,11dと、垂直車輪11e,11eと、回動式レール頭部係合部11fと、操作ハンドル11g等を備えて構成される。
【0014】
(グラインダー本体支持部11c)
グラインダー本体支持部11cは、レール削正装置本体11の長手方向の中間で一方の長尺鋼板11a1にボルトおよびナットによる締結や溶接等して設けられ、ディスクグラインダー12のグラインダー本体12bを支持するもので、グラインダー本体12bの横幅より大きい間隔を空けて下方へ延び、かつ、下端部が水平に連結された正面視U字形状の本体支持下側U字形状部11c1と、その本体支持下側U字形状部11c1の上端部にボルトおよびナットによって締結された正面視逆U字形状の本体支持上側逆U字形状部11c2と、その本体支持上側逆U字形状部11c2の一対の側板間の前側に設けられた本体前側支持用中継板11c3と、本体前側支持用中継板11c3の下面側からほぼグラインダー本体12bの幅で下方へ延び、グラインダー本体12b前側の左右両側面にそれぞれ本体前側固定ボルト11c41,11c41で螺合してグラインダー本体12bの前側を支持する本体前側支持用垂下板11c4,11c4と、本体支持上側逆U字形状部11c2の一対の側板間の後側に設けられた本体後側支持用中継板11c5と、本体後側支持用中継板11c5にほぼグラインダー本体12bの幅で設けられた2箇所の挿通孔にそれぞれ雄ネジ部11c61,11c61が通されナット11c62,11c62により締結され、本体後側支持用中継板11c5との間でグラインダー本体12bの中間(後側)を挟持して支持するU字形状の本体後側支持U字部材11c6と、前側高さ調整ネジ11c7と、後側高さ調整ネジ11c8と、前側高さ表示用目盛り11c91および前側高さ表示用矢印11c92と、後側高さ表示用目盛り11c93および後側高さ表示用矢印11c94等を有する。
【0015】
また、本体支持下側U字形状部11c1には、図4図7等に示すように、実施形態のレール削正装置1をレールRに使用する前や保管時等にディスクグラインダー12のグラインダー本体12bの底面が地面等に触れないよう、垂直車輪11e,11eとほぼ同程度の長さだけ下方へ延びる本体後側ガード板11c11が取り付けられており、本体後側ガード板11c11の上部には、図4図5等に示すようにグラインダー本体12bが前側高さ調整ネジ11c7および後側高さ調整ネジ11c8によってグラインダー本体支持部11cに対し昇降した場合でも干渉しないようU字形状の凹部が設けられている。
【0016】
ここで、本体前側支持用中継板11c3と本体後側支持用中継板11c5の上面には、それぞれ、前側高さ調整ネジ11c7と後側高さ調整ネジ11c8それぞれ下端部の雄ネジ部11c61,11c71が螺合する雌ネジ部が形成された高さ調整用前側ナット筒部11c31と高さ調整用後側ナット筒部11c51とが設けられている。
【0017】
(前側高さ調整ネジ11c7および後側高さ調整ネジ11c8)
前側高さ調整ネジ11c7は、図6図7等に示すように、グラインダー本体支持部11cの本体支持上側U字形状部11c2の前側、すなわちグラインダー本体12bの前側の挿通孔に回転可能に設けられ、本体前側支持用中継板11c3上面の高さ調整用前側ナット筒部11c31に螺合してグラインダー本体12bの前側の高さを調整する下端部の雄ネジ部11c61と、前側高さ調整ネジ11c7が通され、高さ調整用前側ナット筒部11c31と本体前側支持用中継板11c3下面との間に設けられたスプリング11c62と、前側高さ調整ネジ11c7の上端部に設けられたツマミ部11c63等を有する。
【0018】
同様に、後側高さ調整ネジ11c8は、図6図7等に示すように、グラインダー本体支持部11cの本体支持上側U字形状部11c2の後側、すなわちグラインダー本体12bの中間の挿通孔に回転可能に設けられ、本体後側支持用中継板11c5上面の高さ調整用後側ナット筒部11c51に螺合してグラインダー本体12b中間の高さを調整する下端部の雄ネジ部11a71と、後側高さ調整ネジ11c8が通され、高さ調整用後側ナット筒部11c51と本体前側支持用中継板11c3下面との間に設けられたスプリング11a72と、後側高さ調整ネジ11c8の上端部に設けられたツマミ部11a73等を有する。
【0019】
そのため、本発明に係る実施形態のレール削正装置1では、前側高さ調整ネジ11c7と後側高さ調整ネジ11c8とをそれぞれ回転させることによってグラインダー本体支持部11cの前側と中間の高さを個別に調整して、ディスクグラインダー12の砥石ディスク12aの高さおよび角度を調整することができるので、レール削正装置本体11に装着したディスクグラインダー12によって正確にレールRの頭部を削正することができる。
【0020】
(前側高さ表示用目盛り11c91および前側高さ表示用矢印11c92)
前側高さ表示用目盛り11c91は、図3等に示すように数字が刻まれた面および矢印の表示がグラインダー本体12bの前側、すなわちディスクグラインダー12の砥石ディスク12a側を向いた状態で、その下端部が本体前側支持用中継板11c3に固定される一方、前側高さ表示用矢印11c92は、本体支持上側逆U字形状部11c2の上側面に固定され、前側高さ表示用目盛り11c91と前側高さ表示用矢印11c92とによってグラインダー本体支持部11cに対するグラインダー本体12b前側の高さやその調整量等を表示できるように構成されている。
【0021】
(後側高さ表示用目盛り11c93および後側高さ表示用矢印11c94)
一方、後側高さ表示用目盛り11c93は、図3等に示すように数字が刻まれた面および矢印の表示がグラインダー本体12bの前側、すなわちディスクグラインダー12の砥石ディスク12a側を向いた状態で、その上端部が本体支持上側逆U字形状部11c2の上側面に固定される一方、後側高さ表示用矢印11c94は、本体後側支持用中継板11c5に固定され、後側高さ表示用目盛り11c93と後側高さ表示用矢印11c94とによってグラインダー本体支持部11cに対するグラインダー本体12b後側(中間)の高さやその調整量等を表示できるように構成されている。
【0022】
(水平車輪11d,11d)
水平車輪11d,11dは、図1等に示すようにレール削正装置本体11の長手方向の両端にそれぞれ砥石ディスク12aのディスク面とほぼ平行に設けられ、レールR頭部の踏面や側面等に当接するもので、図8等に示すように、外径が小さくレールRの頭部に接する踏面部11d1と、踏面部11d1の一方側に設けられ踏面部11d1よりも外径が大きいフランジ部11d2とを有する。
【0023】
(垂直車輪11e,11e)
垂直車輪11e,11eは、図1等に示すようにレール削正装置本体11の長手方向の両端であって水平車輪11d,11dよりも内側(中心側)に、砥石ディスク12aのディスク面に対しほぼ垂直に設けられ、水平車輪11d,11dの車軸方向とは直交するようにレールR頭部の側面や踏面に当接するもので、図8等に示すように、水平車輪11d,11dと同様、外径が小さくレールRの頭部に接する踏面部11e1と、踏面部11e1の一方側に設けられ踏面部11e1よりも外径が大きいフランジ部11e2とを有する。
【0024】
(回動式レール頭部係合部11f)
回動式レール頭部係合部11fは、図1等に示すようにレール削正装置本体11の長手方向の少なくとも一方の端側の短尺鋼板11bの外側に基部11f1が回動軸部11f11等によって回転可能に支持されるもので、ほぼL字形状ないしは釣針形状に形成されており、使用時は、図8等に示すように、回動することによって先端部11f2が垂直車輪11e,11eとは反対側のレールR頭部下側の上首部に係合するように構成されている。
【0025】
そのため、実施形態のレール削正装置1によれば、レールRの頭部踏面を削正する場合、レールRの頭部に対し水平車輪11d,11dと、垂直車輪11e,11eと、回動式レール頭部係合部11f先端部とによって少なくとも3点で固定することができるので、レール削正装置本体11に装着したディスクグラインダー12によって安定した状態でレールRの頭部を削正することができる。
回動式レール頭部係合部11fの先端部11f2には、図8等に示すように、雌ネジ部11f21が形成されており、その雌ネジ部11f21には雄ネジ部11f31が螺合して螺合長さを調整することによって、当該雄ネジ部11f31上端の当接部11f32をレール頭部下側のレール上首部に当接可能な当接用調整ネジ11f3が設けられている。
【0026】
(操作ハンドル11g)
操作ハンドル11gは、図1図6図7等に示すように、グラインダー本体支持部11cとは反対側の長尺鋼板11a1に所定間隔を空けた一対の基部11g1,11g1が取り付けられ、その一対の基部11g1,11g1それぞれから上方に向かって延びる一対の縦棒部11g2,11g2と、一対の縦棒部11g2,11g2の上端部それぞれからほぼ90度折れ曲がって水平方向に延びる一対の水平棒部11g3,11g3と、水平棒部11g3,11g3の先端部であってグラインダー本体支持部11cの中間、すなわち前側高さ調整ネジ11c7および後側高さ調整ネジ11c8のほぼ間の位置からほぼ30度の角度で折れ曲がり斜め下方に延びてディスクグラインダー12に向かう傾斜棒部11g4,11g4と、傾斜棒部11g4,11g4先端部を連結するレールRと並行な連結棒部11g5とを有する。
【0027】
<ディスクグラインダー12>
ディスクグラインダー12は、ハンディー式の周知かつ市販のグラインダーで、レール削正装置本体11に装着して使用するもので、グラインダー本体12bにモーター(図示せず。)等が内蔵されており、砥石ディスク12aを回転させることによってレールRの頭部や溶接余盛等を削正するもので、後端部には電源コード12cが設けられている。
【0028】
尚、ディスクグラインダー12は、周知かつ市販のグラインダーであるため、レール削正装置本体11から取外して使用することもできる。
【0029】
<実施形態のレール削正装置1の動作>
次に以上のように構成された実施形態のレール削正装置1の動作について説明する。尚、まずはレール削正装置1によってレールR頭部の踏面を削正し、その後にレールR頭部の側面を削正する。
【0030】
<レールR頭部の踏面を削正>
(レール削正装置1をレールRの上に載せる)
まず、レールR頭部の踏面を削正する場合、以上のように構成された実施形態のレール削正装置1を図1図10に示すようにレールRの上に載せる。すると、レール削正装置本体11の長手方向の両端の水平車輪11d,11dそれぞれの踏面部11d1,11d1はそれぞれレールR頭部の踏面に接する一方、垂直車輪11e,11eそれぞれの踏面部11e1,11e1はそれぞれレールR頭部の側面とに接する。
【0031】
次に、レール削正装置本体11の長手方向の少なくとも一方の端側の短尺鋼板11bの外側に基部11f1が回転可能に設けられた回動式レール頭部係合部11fを、図8に示すように回動させて垂直車輪11e,11eの反対側からレールRの頭部側面を挟むようにする。
【0032】
そして、必要あれば、回動式レール頭部係合部11fの先端部11f2の当接用調整ネジ11f3を回転させて螺合長さを調整して、当接用調整ネジ11f3上端の当接部11f32をレール頭部下側のレール上首部に当接させる。
【0033】
これにより、レールRの頭部に対し水平車輪11d,11dと、垂直車輪11e,11eと、回動式レール頭部係合部11fの当接用調整ネジ11f3とによって少なくとも3点で固定することができるので、レール削正装置本体11に装着したディスクグラインダー12によって安定した状態でレールRの頭部を削正することができる。
【0034】
(砥石ディスク12aの高さ調整)
次に、必要あれば、前側高さ調整ネジ11c7および後側高さ調整ネジ11c8を適宜回転させて砥石ディスク12aの高さおよび角度の調整を行う。
【0035】
その際、上述したように前側高さ調整ネジ11c7および後側高さ調整ネジ11c8によってグラインダー本体12bの中間の高さを個別に調整できるので、レールR頭部の継目部分等の溶接余盛やレールR頭部の角部等を確実に削正することができる。
【0036】
また、図3から明らかなように、グラインダー本体12bの前側の高さおよびその変化を示す前側高さ表示用目盛り11c91および前側高さ表示用矢印11c92と、グラインダー本体12bの中間の高さおよびその変化を示す後側高さ表示用目盛り11c93および後側高さ表示用矢印11c94とは、共に、後側高さ表示用目盛り11c93は、図3等に示すように数字が刻まれた面および矢印の表示がグラインダー本体12bの前側、すなわちディスクグラインダー12の砥石ディスク12a側を向いた状態で取り付けられているので、作業者は削正作業を行う前にグラインダー本体12bの前側から前側高さ表示用目盛り11c91および前側高さ表示用矢印11c92と、後側高さ表示用目盛り11c93および後側高さ表示用矢印11c94とを見比べながら前側高さ調整ネジ11c7および後側高さ調整ネジ11c8を適宜回転させて砥石ディスク12aの高さおよび角度の調整を行うことができるので、砥石ディスク12aの高さおよび角度の調整をより正確に行うことができる。
【0037】
(ディスクグラインダー12によるレールRの頭部踏面の削正)
その後は、作業者はディスクグラインダー12の電源をオンして砥石ディスク12aを回転させ、レールRの頭部踏面の削正を行う。
【0038】
その際、ディスクグラインダー12の電源をオンして砥石ディスク12aの前方には、図1図2等に示すように長尺鋼板11a1が設けられており、砥石ディスク12aがレールRを削正した際に前方に飛び散る金属粉等を長尺鋼板11a1がガードするので、レールRの削正作業を効率良く行うことができる。
【0039】
<レールRの頭部側面の削正>
そして、ディスクグラインダー12によってレールRの頭部側面を削正する場合、作業者は実施形態のレール削正装置1の前側に回って操作ハンドル11gを掴みながら図11に示すように、レール削正装置本体11の長手方向の両端の水平車輪11d,11dそれぞれの踏面部11d1,11d1はそれぞれレールR頭部の側面に接し、かつ、垂直車輪11e,11eそれぞれの踏面部11e1,11e1がそれぞれレールR頭部の踏面レールR頭部の側面とに接するようにレール削正装置1を90度前後回動させる。
【0040】
その後は、レールRの頭部踏面の削正の場合と同様に、必要あれば回動式レール頭部係合部11fによってレールRの頭部側面に係合させると共に、前側高さ調整ネジ11c7および後側高さ調整ネジ11c8を適宜回転させて砥石ディスク12aの高さおよび角度の調整を行った後、ディスクグラインダー12の電源をオンして砥石ディスク12aを回転させ、レールRの頭部側面の削正を行う。
【0041】
<実施形態のレール削正装置1の主たる効果>
以上説明したように、本発明に係る実施形態のレール削正装置1では、レール削正装置本体11に、ディスクグラインダー12のグラインダー本体12bを支持するグラインダー本体支持部11cと、レールRの長手方向におけるディスクグラインダー12の両側にそれぞれ設けられ、砥石ディスク12aのディスク面とほぼ平行に設けられ、レールR頭部の踏面や側面等に当接する水平車輪11d,11dと、レールRの長手方向におけるディスクグラインダー12の両側にそれぞれ設けられ、砥石ディスク12aのディスク面とほぼ垂直に設けられ、水平車輪11d,11dの車軸方向とは直交するようにレールR頭部の側面や踏面に当接する垂直車輪11e,11eと、グラインダー本体支持部11cとは反対側に基部が取り付けられ、その基部から上方に向かって延びると共に、先端部がグラインダー本体支持部11c側に向けて曲げられた操作ハンドル11gとを備える。
【0042】
その結果、実施形態のレール削正装置1によれば、以上のように構成されたレール削正装置本体11に、砥石ディスク12aによってレールRの頭部を作製するハンディータイプのディスクグラインダー12を装着してレールRの頭部を削正することが可能となるので、作業者の熟練度が低い場合であっても、小型かつ単純な構造でレールRの頭部やレールR頭部の継目部分の溶接余盛等を確実に削正することができる。
【0043】
特に、実施形態のレール削正装置1では、レール削正装置本体11の長手方向の少なくとも一方の端側の短尺鋼板11bの外側には、基部11f1がボルトおよびナット等によって回転可能に支持され、回動することによって先端部が垂直車輪11e,11eとは反対側のレールR頭部下側のレールR上首部に係合する回動式レール頭部係合部11fを有する。
【0044】
そのため、実施形態のレール削正装置1によれば、レールRの頭部踏面を削正する場合、レールRの頭部に対し水平車輪11d,11dと、垂直車輪11e,11eと、回動式レール頭部係合部11f先端部とによって少なくとも3点で固定することができるので、レール削正装置本体11に装着したディスクグラインダー12によって安定した状態でレールRの頭部を削正することができる。
【0045】
また、実施形態のレール削正装置1では、回動式レール頭部係合部11fの先端部の内側には、雌ネジ部11f21が形成されており、その雌ネジ部11f21には雄ネジ部11f31が螺合して螺合する長さを調整して、当該雄ネジ部11f31上端の当接部11f32をレール頭部下側のレール上首部に当接可能な当接用調整ネジ11f3が設けられているため、回動式レール頭部係合部11fの先端部がレールR頭部下側のレールR上首部に係合しない場合には、当接用調整ネジ11f3の螺合長さを調整することによって当接部11f32をレール頭部下側のレール上首部に当接させて、レール削正装置1をレールRの頭部に確実かつ安定状態で固定することができる。
【0046】
また、実施形態のレール削正装置1では、グラインダー本体支持部11cは、グラインダー本体12b上面の長手方向の2箇所に下端部が当接する一対の高さ調整ネジである前側高さ調整ネジ11c7および後側高さ調整ネジ11c8を設けたため、前側高さ調整ネジ11c7と後側高さ調整ネジ11c8とをそれぞれ回転させることによってグラインダー本体支持部11cの前側と中間の高さを個別に調整して、ディスクグラインダー12の砥石ディスク12aの高さおよび角度を調整することができるので、レール削正装置本体11に装着したディスクグラインダー12によって正確にレールRの頭部を削正することができる。
【0047】
また、実施形態のレール削正装置1では、グラインダー本体支持部11cには、さらに、前側高さ調整ネジ11c7および後側高さ調整ネジ11c8によってそれぞれ調整されたグラインダー本体12bの前側の高さおよびその変化を示す前側高さ表示用目盛り11c91および前側高さ表示用矢印11c92と、グラインダー本体12bの中間の高さおよびその変化を示す後側高さ表示用目盛り11c93および後側高さ表示用矢印11c94とを設けており、これらは共に、図3等に示すように数字が刻まれた面および矢印の表示がグラインダー本体12bの前側である砥石ディスク12a側である同一方向を向いた状態で取り付けられているので、作業者は削正作業を行う前にグラインダー本体12bの前側から砥石ディスク12aや、前側高さ表示用目盛り11c91および前側高さ表示用矢印11c92、後側高さ表示用目盛り11c93および後側高さ表示用矢印11c94を見比べながら前側高さ調整ネジ11c7および後側高さ調整ネジ11c8を適宜回転させて砥石ディスク12aの高さおよび角度の調整を行うことができるので、砥石ディスク12aの高さおよび角度の調整をより正確に行うことができる。
【0048】
また、前側高さ表示用目盛り11c91および前側高さ表示用矢印11c92と、後側高さ表示用目盛り11c93および後側高さ表示用矢印11c94とは、グラインダー本体12bの長手方向に対しグラインダー本体12bの前側の同一方向を向いて設置されているだけでなく、さらに、図3等に示すようにグラインダー本体12bの短手方向の砥石ディスク12a側であって、かつ、図3上、右側で重ならないよう上下方向に高さを変えて設置されているため、作業者はグラインダー本体12bの前側から前側高さ表示用目盛り11c91および前側高さ表示用矢印11c92と、後側高さ表示用目盛り11c93および後側高さ表示用矢印11c94とを容易に見比べながら前側高さ調整ネジ11c7および後側高さ調整ネジ11c8を適宜回転させて砥石ディスク12aの高さおよび角度の調整を行うことができ、レールRの頭部の削正作業の作業効率を向上させることができる。
【0049】
また、実施形態のレール削正装置1は、グラインダー本体支持部11cが設けられた中尺鋼板11a2とは反対側の長尺鋼板11a1に所定間隔を空けた一対の基部11g1,11g1が取り付けられた操作ハンドル11gを備えるため、作業者は操作ハンドル11gを持ちながら、図1図10に示すようにレールRの頭部踏面や、図11に示すようにレールRの頭部側面、図示しないがレールRの頭部の角部等を、重量バランス良く削正することが可能となり、レールR頭部の削正作業の作業性を向上させることが可能となる。
【0050】
特に、その操作ハンドル11gは、一対の基部11g1,11g1それぞれから上方に向かって延びる一対の縦棒部11g2,11g2と、一対の縦棒部11g2,11g2の上端部それぞれからほぼ90度折れ曲がって水平方向に延びる一対の水平棒部11g3,11g3と、水平棒部11g3,11g3の先端部それぞれからほぼ30度の角度で折れ曲がって斜め下方に延びる傾斜棒部11g4,11g4と、傾斜棒部11g4,11g4先端部を連結するレールRと並行な連結棒部11g5とを有する操作ハンドル11gを備えるため、図1図10に示すようにレールRの頭部踏面や、図11に示すようにレールRの頭部側面、図示しないがレールRの頭部の角部等を削正する場合でも、作業者はレール削正装置1の前側に回って操作ハンドル11gの一対の縦棒部11g2,11g2や、水平棒部11g3,11g3、傾斜棒部11g4,11g4、連結棒部11g5等を任意に掴んで作業することが可能となり、この点でもレールR頭部の削正作業の作業性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0051】
1 レール削正装置
11 レール削正装置本体
11a1 長尺鋼板
11a2,11a2 中尺鋼板
11b〜11b 短尺鋼板
11c グラインダー本体支持部
11c1 本体支持下側U字形状部
11c11 本体後側ガード板
11c2 本体支持上側逆U字形状部
11c3 本体前側支持用中継板
11c4,11c4 本体前側支持用垂下板
11c41,11c41 本体前側固定ボルト
11c5 本体後側支持用中継板
11c6 本体後側支持U字部材
11c7 前側高さ調整ネジ
11c71 雄ネジ部
11c72 スプリング
11c73 ツマミ部
11c8 後側高さ調整ネジ
11c81 雄ネジ部
11c82 スプリング
11c83 ツマミ部
11c91 前側高さ表示用目盛り
11c92 前側高さ表示用矢印
11c93 後側高さ表示用目盛り
11c94 後側高さ表示用矢印
11d,11d 水平車輪
11e,11e 垂直車輪
11f 回動式レール頭部係合部
11g 操作ハンドル
12 ディスクグラインダー
12a 砥石ディスク
12b グラインダー本体
12c 電源コード
R レール
図1
図2
図3
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図5
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図11