特許第6810499号(P6810499)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ネットアプリの特許一覧

<>
  • 特許6810499-飲料用演出グラス 図000002
  • 特許6810499-飲料用演出グラス 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6810499
(24)【登録日】2020年12月15日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】飲料用演出グラス
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/00 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   A47G19/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-154156(P2020-154156)
(22)【出願日】2020年8月27日
【審査請求日】2020年10月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510286433
【氏名又は名称】株式会社ネットアプリ
(74)【代理人】
【識別番号】100154966
【弁理士】
【氏名又は名称】海野 徹
(72)【発明者】
【氏名】西田 誠
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2020/122138(WO,A1)
【文献】 特許第6727593(JP,B1)
【文献】 特開2000−270990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/00−19/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、
映像表示装置を前記グラス本体の側面に固定する固定機構と、
前記グラス本体の側面に位置する平坦面と、
反射鏡と
を備え、
前記グラス本体は透明な材料から成り、
前記反射鏡は前記平坦面で且つ前記グラス本体の外側の面に密着固定されており、
前記平坦面は前記グラス本体の底面に対して傾斜しており、
前記反射鏡は金属から成る層を少なくとも一つは備え、
前記映像表示装置の映像が前記反射鏡により前記上部開口方向に反射することを特徴とする飲料用演出グラス。
【請求項2】
前記グラス本体が柔軟性又は可撓性を備える材料から成り、
前記反射鏡が前記グラス本体の外側の面に張られたフィルムミラーであることを特徴とする請求項1に記載の飲料用演出グラス。
【請求項3】
前記上部開口を塞ぐための蓋を備えることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の飲料用演出グラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用演出グラスに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を入れる機能以外に様々な機能を持ったグラスが開発されている。
例えば特許文献1には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス側面に固定された映像表示装置と、グラス本体内部に配置された反射鏡とを備えてりおり、映像表示装置の映像を疑似的にグラス内部に投影する演出が可能なグラスである。
特許文献2には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス側面に固定された映像表示装置と、グラス本体内部に配置されたビームスプリッターとを備えてりおり、映像表示装置の映像を疑似的にグラス内部に投影する演出が可能なグラスである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6488049号
【特許文献2】特許第6528162号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1〜2はユーザーがグラス内部の飲料に手を入れること無しにグラス本体の内部の反射鏡の着脱を行う事は出来ないという問題を有する。更に反射鏡がグラス本体の内部に有る構成のため反射鏡が金属の場合には飲料に溶け出した僅かな金属成分が飲料の味を阻害してしまうという問題を有する。
【0005】
本発明は上記問題を鑑み、反射鏡をグラス内部に配置しない構成の飲料用演出グラスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の飲料用演出グラスは、上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、映像表示装置を前記グラス本体の側面に固定する固定機構と、前記グラス本体の側面に位置する平坦面と、反射鏡とを備え、前記グラス本体は透明な材料から成り、前記反射鏡は前記平坦面で且つ前記グラス本体の外側の面に密着固定されており、前記平坦面は前記グラス本体の底面に対して傾斜しており、前記反射鏡は金属から成る層を少なくとも一つは備え、前記映像表示装置の映像が前記反射鏡により前記上部開口方向に反射することを特徴とする。
また、前記グラス本体が柔軟性又は可撓性を備える材料から成り、前記反射鏡が前記グラス本体の外側の面に張られたフィルムミラーであることを特徴とする。
また、前記上部開口を塞ぐための蓋を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の飲料用演出グラスは、反射鏡がグラス本体の外側に面に密着固定されている構成のため、反射鏡着脱時にユーザーが飲料用グラス本体内部の飲料により手が濡れる事は無い。また、反射鏡の僅かな金属成分がグラス内部の飲料に溶け出すことにより飲料の味を阻害してしまうという問題が発生しない。
本発明の飲料用演出グラスは、グラス本体の側面に反射鏡を張り付ける(又は密着させる)ための平坦な平坦面を備えるため、反射鏡を容易にグラスに張り付けられる。
本発明の飲料用演出グラスは反射鏡としてフィルムミラーを備え、グラス本体は可撓性又は柔軟性を有する材料から成る為、ユーザーはグラス本体の任意の位置に平坦面をユーザー自身の手で作成できる。その為、ユーザーはユーザーの好みに応じて任意の位置に反射鏡を張り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態の飲料用演出グラスを示す斜視図(a)及び断面図(b)
図2】蓋を備える例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[飲料用演出グラスの第1の実施の形態]
以下、本発明の飲料用演出グラスの第1の実施の形態を図面を用いて示す。
図1(a)に示すように、本実施の形態の飲料用演出グラス1はグラス本体10と映像表示装置80を固定するための固定機構12と平坦面13と反射鏡20から概略構成される。
グラス本体10は上部開口11を有する有底の筒状体であり、その内部に飲料を充填する事が出来る飲料用容器である。グラス本体10はガラスやアクリル樹脂等の透明な材料から成る。グラス本体10の形状としては図1のような通常のコップ型の形状の他に、図2のように上部開口11を塞ぐための蓋15を備えるボトル型の形状等が挙げられる。グラス本体10の形状は取っ手部分を備えるビールジョッキ型でも良い。
固定機構12はスマートフォンや小型のディスプレイデバイス等の映像表示装置80をグラス本体10の側面(又は側面近傍)に固定するための固定機構である。図1の例では固定機構12としてポケット機構を用いて映像表示装置80をグラス本体10の側面に固定している。固定機構12としてポケット機構以外にマグネット機構やネジ機構を用いても良い。
平坦面13はグラス本体10の側面に位置している反射鏡20を張り付けるための平坦な面である。図1(b)のように平坦面13はグラス本体10の底面に対して傾斜している(これは映像表示装置80の映像82を平坦面13に張り付けた反射鏡20により上部開口11方向に反射させるための工夫である)。平坦面13はグラス本体10の底面が傾斜しているため、ユーザーUは上部開口11より映像表示装置80の映像82の反射像を視認する事が可能である。なお、平坦面13とグラス本体10の理想のなす角Aは45度であり、なす角Aを45度にする事によってユーザーUは歪みの少ない映像82の反射像を上部開口11より視認出来る。なお図1(b)中の矢印は説明のために映像表示装置80の映像表示面81から投影される映像82の光路Wのイメージを表現した物である。
反射鏡20は映像表示装置80の映像82を上部開口11の方向に反射するために用いられる。反射鏡20は平坦面13で且つグラス本体10の外側の面に張り付けられる(又は密着固定される)。反射鏡20は金属から成る層を少なくとも一つは備える。反射鏡20としてはステンレスやアルミを用いた通常の鏡だけでなくステンレス層やアルミ層等を備えたフィルムミラー等が挙げられる。反射鏡20はグラス本体10の外側の面に張り付けるので反射鏡20のグラス本体10の着脱が容易である。反射鏡20はグラス本体10の外側の面に張り付けるので反射鏡20の金属成分がグラス本体10の内部の飲料に溶け出す事が無く、更に反射鏡20が破損した場合もグラス本体10内部の飲料にその破損した反射鏡20が混入する危険性が無い。反射鏡20の平坦面13への固定方法は接着剤による接着や図1(b)のように反射鏡支持機構21を用いて反射鏡20を平坦面13に密着した状態で固定する方法が考えられる。
【0010】
反射鏡20としてフィルムミラーを用いる場合、グラス本体10が柔軟性又は可撓性を備える材料にすればユーザーUはユーザーU自身の手を以ってグラス本体10を変形させる事により任意の位置に平坦面13(つまり映像表示装置80の映像82を反射する反射面)を作る事が出来る。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は、反射鏡をグラス内部に配置しない構成の飲料用演出グラスであり、ユーザーは反射鏡着脱時に飲料用グラスの内部の飲料に手を濡らす必要は無い。またユーザーはグラス本体の任意の位置に映像表示装置の映像を反射するための反射面をユーザー自身の手で作り出す事が出来る。以上より本発明は産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0012】
U ユーザー
A なす角
W 光路
1 飲料用演出グラス
10 グラス本体
11 上部開口
12 固定機構(ポケット機構)
13 平坦面
15 蓋
20 反射鏡
21 反射鏡支持機構
80 映像表示装置
81 映像表示面
82 映像
【要約】
【課題】 本発明は反射鏡をグラス内部に配置しない構成の飲料用演出グラスを提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の飲料用演出グラスは、上部開口を有する有底の筒状体であるグラス本体と、映像表示装置を前記グラス本体の側面に固定する固定機構と、前記グラス本体の側面に位置する平坦面と、反射鏡とを備え、前記グラス本体は透明な材料から成り、前記反射鏡は前記平坦面で且つ前記グラス本体の外側の面に密着固定されており、前記平坦面は前記グラス本体の底面に対して傾斜しており、前記反射鏡は金属から成る層を少なくとも一つは備え、前記映像表示装置の映像が前記反射鏡により前記上部開口方向に反射することを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2