(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6810513
(24)【登録日】2020年12月15日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】スパークプラグ電極ギャップ設定工具
(51)【国際特許分類】
H01T 21/06 20060101AFI20201221BHJP
H01T 13/20 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
H01T21/06
H01T13/20 E
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-196349(P2015-196349)
(22)【出願日】2015年10月2日
(65)【公開番号】特開2016-76486(P2016-76486A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2018年9月13日
(31)【優先権主張番号】14/509,727
(32)【優先日】2014年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319005659
【氏名又は名称】エーアイ アルパイン ユーエス ビドゥコ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091568
【弁理士】
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】ピータ・ジョン・デサルヴォ
【審査官】
太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04070898(US,A)
【文献】
実開昭49−049597(JP,U)
【文献】
実開昭51−023026(JP,U)
【文献】
米国特許第02670643(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 13/00−21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパークプラグ電極ギャップ設定プライヤーであって、
第1のシムに結合された第1の顎部と、
第2のシムに結合された第2の顎部と、
を備え、前記プライヤーの作動時に、前記第1及び第2の顎部が並行して閉鎖して、電極ペアのそれぞれの電極支持体を曲げて又は前記電極ペアを曲げて、前記電極ペア間に平行のギャップを設けるようにする、プライヤー。
【請求項2】
前記第1及び第2の顎部が各々、異なる厚さのシムに互換的に結合して、前記プライヤーの作動時に前記電極ペア間に異なる平行ギャップ距離を提供するように構成されている、請求項1に記載のプライヤー。
【請求項3】
第1のファスナー及び第2のファスナーを更に備え、前記第1の顎部が、該第1の顎部の第1の長手方向長さに対して横方向の第1の方向で前記第1の顎部を通って延びる第1のボアを有し、前記第1のファスナーが、前記第1のボア内に配置されて、前記第1のシムを通って延びて該第1のシムを前記第1の顎部に結合し、第2の顎部が、該第2の顎部の第2の長手方向長さに対して横方向の第2の方向で前記第2の顎部を通って延びる第2のボアを有し、前記第2のファスナーが、前記第2のボア内に配置されて、前記第2のシムを通って延びて該第2のシムを前記第2の顎部に結合する、請求項1に記載のプライヤー。
【請求項4】
前記第1のボアの第1の面、前記第1のファスナー、前記第2のボアの第2の面、及び前記第2のファスナーがネジ付きである、請求項3に記載のプライヤー。
【請求項5】
前記第1の顎部が第1の凹部を含み、前記第1のシムの第1の部分が、前記第1の凹部内に配置され、前記第2の顎部が第2の凹部を含み、前記第2のシムの第2の部分が、前記第2の凹部内に配置される、請求項1に記載のプライヤー。
【請求項6】
前記第1の顎部が、第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分が、第1の長手方向長さを有し、前記第2の部分が、前記第1の長手方向長さよりも短い第2の長手方向長さを有し、前記第2の顎部が、第3の部分及び第4の部分を含み、前記第3の部分が、第3の長手方向長さを有し、前記第4の部分が、前記第3の長手方向長さよりも短い第4の長手方向長さを有しており、
前記第1のシムの一方の端部が前記第1の顎部の第1の部分に結合されるとともに、他方の端部は前記第2の部分の末端部分を越えて軸方向に延びており、
前記第2のシムの一方の端部が前記第2の顎部の第3の部分に結合されるとともに、他方の端部は前記第4の部分の末端部分を越えて軸方向に延びている、請求項1に記載のプライヤー。
【請求項7】
前記第1の顎部の第1の部分に結合された第1のハンドル部と、前記第2の顎部の第3の部分に結合された第2のハンドル部とを更に備える、請求項1に記載のプライヤー。
【請求項8】
システムであって、
スパークプラグの電極ペア間にスパークプラグ電極ギャップを設定するよう構成された工具を備え、
前記工具が、
第1の長手方向長さを有する第1の部分及び該第1の長手方向長さよりも短い第2の長手方向長さを有する第2の部分を含む第1の顎部と、
第3の長手方向長さを有する第3の部分及び該第3の長手方向長さよりも短い第4の長手方向長さを有する第4の部分を含み、該第3及び第4の部分が前記第1の顎部の第1及び第2の部分に向かい合って配置されている、第2の顎部と、
前記第1の顎部の第1の部分に結合された第1のハンドル部と、
前記第2の顎部の第3の部分に結合された第2のハンドル部と、
を備え、
前記第1及び第2のハンドル部が支点において結合され、前記第1及び第2の顎部が、前記第1及び第2のハンドル部の作動時に前記第1、第2、第3、及び第4の長手方向長さに沿って互いに対して並行して閉鎖するよう構成され、
前記システムが更に、
前記第1の顎部に接触する第1のシムと、
前記第2の顎部に接触する第2のシムと、
を備え、前記第1の顎部の第2の部分の第2の長手方向長さ及び前記第2の顎部の第4の部分の第4の長手方向長さが、前記第1及び第2のハンドルの作動時に、前記第1及び第2のシムそれぞれを介して曲げモーメントを提供することにより、前記電極ペアのそれぞれの電極支持体を曲げ、又は前記電極ペアを曲げて、前記電極ペア間に平行なギャップを提供するようにする、システム。
【請求項9】
前記第1のシムが、前記第1の顎部の第1の部分に結合され、前記第2のシムが、前記第2の顎部の第3の部分に結合される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の顎部の第2の部分が、前記第1の部分に隣接する第1の端部と、該第1の端部の反対側の第2の端部とを含み、前記第2の顎部の第4の部分が、前記第3の部分に隣接する第3の端部と、該第3の端部の反対側の第4の端部とを含み、前記第1及び第2のシムが、前記第2及び第4の長手方向長さに沿った方向で前記第2及び第4の端部それぞれを超えて延びる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の顎部の第1の部分が第1の凹部を含み、前記第2の顎部の第3の部分が第2の凹部を含み、前記第1のシムの第1の部分が前記第1の凹部内に配置され、前記第2のシムの第2の部分が前記第2の凹部内に配置される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
第1のファスナーが、前記第1の顎部の第1の部分、前記第1の凹部、及び前記第1のシムを通って延びて、前記第1のシムを前記第1の顎部の第1の部分に結合し、第2のファスナーが、前記第2の顎部の第3の部分、前記第2の凹部、及び前記第2のシムを通って延びて、前記第2のシムを前記第2の顎部の第3の部分に結合する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の顎部の第1の部分及び前記第2の顎部の第3の部分が各々、異なる厚さのシムに互換的に結合して、前記第1及び第2のハンドル部の作動時に、前記電極ペア間に異なる平行ギャップ距離を提供するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の部分に隣接する前記第1の顎部の第1の部分の第1の端部が、前記第1の長手方向長さに垂直な第1の方向で第1の厚さを有し、前記第1の顎部の第2の部分が、前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さを前記第1の方向で有し、前記第3の部分に隣接する前記第2の顎部の第3の部分の第2の端部が、前記第3の長手方向長さに垂直な第2の方向で第3の厚さを有し、前記第2の顎部の第4の部分が、前記第3の厚さよりも小さい第4の厚さを第2の方向で有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の顎部と前記第1のハンドル部が別個の要素であり、前記第2の顎部と前記第2のハンドル部が別個の要素である、請求項8に記載のシステム。
【請求項16】
前記スパークプラグ電極ギャップが、前記電極ペア間で前記スパークプラグの長手方向に対して半径方向ギャップを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項17】
スパークプラグ電極ギャップ設定プライヤーであって、
第1のシムに結合された第1の顎部と、
第2のシムに結合された第2の顎部と、
を備え、前記プライヤーの作動時に、前記第1及び第2の顎部が閉鎖して、対向する電極ペアのそれぞれの電極支持体を曲げて又は前記対向する電極ペアを曲げて、前記対向する電極ペア間にスパークプラグの長手方向長さに対して半径方向ギャップを設定し、前記第1及び第2の顎部が、異なる厚さのシムに互換的に結合して、前記プライヤーの作動時に前記対向する電極ペア間に異なる半径方向ギャップ距離を提供するように構成されている、プライヤー。
【請求項18】
前記プライヤーの作動時に、前記第1及び第2の顎部が並行して閉鎖して、前記対向する電極ペアのそれぞれの電極支持体を曲げて又は前記対向する電極ペアを曲げて、前記対向する電極ペア間に平行のギャップを設けるようにする、請求項17に記載のプライヤー。
【請求項19】
第1のファスナー及び第2のファスナーを更に備え、前記第1の顎部が、該第1の顎部の第1の長手方向長さに対して横方向の第1の方向で前記第1の顎部を通って延びる第1のボアを有し、前記第1のファスナーが、前記第1のボア内に配置されて、前記第1のシムを通って延びて該第1のシムを前記第1の顎部に結合し、第2の顎部が、該第2の顎部の第2の長手方向長さに対して横方向の第2の方向で前記第2の顎部を通って延びる第2のボアを有し、前記第2のファスナーが、前記第2のボア内に配置されて、前記第2のシムを通って延びて該第2のシムを前記第2の顎部に結合する、請求項17に記載のプライヤー。
【請求項20】
前記第1及び第2のファスナーが、前記プライヤーから前記第1及び第2のシムの取り外しを可能にするように前記第1及び第2のボア内に調整されたそれぞれの位置を有するように構成される、請求項19に記載のプライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、スパーク(火花)プラグの電極ギャップを設定するための工具に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのレシプロエンジン(例えば、スパーク点火液又はガス燃料エンジンなどの内燃エンジン)は、燃焼室内で燃料と酸化物との混合気を点火させるためにスパークプラグを利用している。典型的には、適切なエンジン運転を確保するために電極間に特定の電極ギャップを維持することが望ましい。電極ギャップが不適切に調整又は設定されると、スパークプラグの寿命が短くなり(例えば、電極の不均一な消耗に起因して)、及び/又はエンジン内での点火不良をもたらす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8,485,857号明細書
【発明の概要】
【0004】
最初に請求項に記載された本発明の範囲内にある特定の実施形態について以下で要約する。これらの実施形態は、特許請求した本発明の技術的範囲を限定することを意図するものではなく、むしろそれらの実施形態は、本発明の実施可能な形態の簡潔な概要を示すことのみを意図している。当然のことながら、本発明は、下記に説明した実施形態と同様のもの又は該実施形態と異なるものとすることができる様々な形態を含むことができる。
【0005】
第1の実施形態によれば、スパークプラグ電極ギャップ設定プライヤーが提供される。プライヤーは、第1のシムに結合された第1の顎部と、第2のシムに結合された第2の顎部とを含む。プライヤーの作動時に、第1及び第2の顎部が並行して閉鎖して、電極ペアのそれぞれの電極支持体を曲げて又は電極ペアを曲げて、電極ペア間に平行のギャップを設けるようにする。
【0006】
第2の実施形態によれば、システムは、スパークプラグの電極ペア間にスパークプラグ電極ギャップを設定するよう構成された工具を含む。工具は、第1の長手方向長さを有する第1の部分と該第1の長手方向長さよりも短い第2の長手方向長さを有する第2の部分とを含む第1の顎部を備える。第3の長手方向長さを有する第3の部分及び該第3の長手方向長さよりも短い第4の長手方向長さを有する第4の部分を含み、該第3及び第4の部分が第1の顎部の第1及び第2の部分に向かい合って配置されている、第2の顎部を備える。工具は更に、第1の顎部の第1の部分に結合された第1のハンドル部を含む。工具は更にまた、第2の顎部の第3の部分に結合された第2のハンドル部を含み、第1及び第2のハンドル部が支点において結合され、第1及び第2の顎部が、第1及び第2のハンドル部の作動時に、第1、第2、第3、及び第4の長手方向長さに沿って互いに対して並行して閉鎖する。本システムはまた、第1の顎部に接触する第1のシムと、第2の顎部に接触する第2のシムと、を備える。第1の顎部の第2の部分の第2の長手方向長さ及び第2の顎部の第4の部分の第4の長手方向長さが、第1及び第2のハンドルの作動時に、第1及び第2のシムそれぞれに曲げモーメントを提供して、電極ペアのそれぞれの電極支持体を曲げ又は電極ペアを曲げて、電極ペア間に平行なギャップを提供するようにする。
【0007】
第3の実施形態によれば、スパークプラグ電極ギャップ設定プライヤーが提供される。プライヤーは、第1のシムに結合された第1の顎部と、第2のシムに結合された第2の顎部とを含む。プライヤーの作動時に、第1及び第2の顎部が閉鎖して、対向する電極ペアのそれぞれの電極支持体を曲げて又は対向する電極ペアを曲げて、対向する電極ペア間にスパークプラグの長手方向長さに対して半径方向ギャップを設定する。第1及び第2の顎部が、異なる厚さのシムに互換的に結合して、プライヤーの作動時に対向する電極ペア間に異なる半径方向ギャップ距離を提供するように構成されている。
【0008】
本発明のこれらの及びその他の特徴、態様並びに利点は、図面全体を通して同じ参照符号が同様の部分を表す添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むと、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】スパークプラグ電極ギャップを設定するための工具(例えば、プライヤー)の1つの実施形態の斜視図。
【
図3】
図1のプライヤーの顎部の1つの実施形態の軸方向側面図。
【
図5】顎部にシムを固定するファスナーの1つの実施形態の部分軸方向側断面図。
【
図6】複数のスパークプラグ電極ギャップを設定する
図1のプライヤーの1つの実施形態の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つ又はそれ以上の特定の実施形態について、以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、本明細書では、実際の実施態様の全ての特徴については説明しないことにする。何れかの技術プロジェクトと同様に、このような何らかの実際の実施構成の開発において、システム及びビジネスに関連した制約への準拠など、実施構成毎に異なる可能性のある開発者の特定の目標を達成するために、多数の実施時固有の決定を行う必要がある点は理解されたい。その上、このような開発の取り組みは複雑で多大な時間を必要とする場合があるが、本開示の利点を有する当業者にとっては製作及び製造の日常的な業務である点を理解されたい。
【0011】
本発明の種々の実施形態の要素を導入する際に、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、要素の1つ又はそれ以上が存在することを意味するものとする。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的なものであり、記載した要素以外の付加的な要素が存在し得ることを意味する。
【0012】
本開示は、スパークプラグ電極ギャップを設定するための工具(例えば、プライヤー)に関する。詳細には、本開示の実施形態は、シムに結合された顎部を備えたプライヤー(例えば、スパークプラグ電極ギャップ設定プライヤー)を含み、プライヤーの作動(例えば、プライヤーのハンドル部の作動)時に、顎部が並行して閉鎖して、電極ペア(例えば、対向する電極)のそれぞれの電極支持体を曲げて、又は前記電極ペアを曲げて、電極ペア間に平行のギャップを設けるようにする。特定の実施形態において、顎部は各々、異なるサイズのシムに互換的に結合して、プライヤーの作動時に電極ペア間に異なる平行ギャップ距離を提供するように構成することができる。例えば、プライヤーは、それぞれの顎部にシムを固定するファスナーを含むことができる。これらのファスナーは、顎部へのシムの固定又は取り外しを可能にするよう調整することができる。特定の実施形態において、顎部は各々、一方の部分が他方の部分よりも長手方向長さが短い、2つ一組の部分を含むことができる。短い方の顎部の長手方向長さは、シムに対して曲げモーメントを提供し、電極支持体又は電極の曲げを可能にすることができる。開示したプライヤーの実施形態は、電極間により正確でより平行なギャップを設定可能にすることができる。加えて、より正確でより平行なギャップを設定することにより、電極に対してより均一に消耗を生じさせ、スパークプラグの寿命を延ばすことができる。
【0013】
次に図面に移り、最初に
図1を参照すると、スパークプラグ電極ギャップを設定する工具又はプライヤー10(例えば、スパークプラグ電極ギャップ設定プライヤー)の1つの実施形態の斜視図が示されている。以下の考察においては、プライヤー10の長手方向軸線又は軸方向12、半径方向軸線又は半径方向14、及び/又は円周軸線又は円周方向16について参照する場合がある。以下で詳細に説明するように、開示のプライヤー10は、スパークプラグの対向する電極間により正確でより平行なギャップ(すなわち、スパークプラグギャップ)を設定できるようにする。より正確でより平行なギャップを設定することにより、電極に対してより均一に消耗を生じさせ、スパークプラグの寿命を延ばすことができる。開示のプライヤー10は、ギャップ(例えば、スパークプラグの長手方向軸線に対する半径方向ギャップ)を有するスパークプラグの何れかの対向する電極ペアに対して利用することができる。プライヤー10はまた、単一の電極ギャップに又は複数の電極ギャップに同時に利用することができる。
【0014】
図1に示すように、プライヤー10は、互いに実質的に鏡像である顎部18,20を含む。各顎部18,20は、内向き面22(すなわち、他の顎部18,20に向いた)と外向き面23とを含む。顎部18,20の内向き面22は、顎部18,20の長手方向長さ24に沿って互いに接する。顎部18は、部分30の軸方向端部28から軸方向12に延びる部分26を含む。顎部20は、部分36の軸方向端部34から軸方向12に延びる部分32を含む。部分26,30は、部分20,32に向かい合って配置される。顎部18の部分26,30は、長手方向長さ(
図3を参照)が異なっている。顎部20の部分32,36もまた、長手方向長さ(
図3を参照)が異なっている。例えば、部分26,32の長手方向長さは、部分30,36の長手方向長さよりも短い。部分26,32は、顎部18,20(
図3を参照)の最小高さ(例えば、半径方向14で)よりも小さい最大高さ(例えば、半径方向14で)を含む。特定の実施形態において、部分30,36の高さは、これらの長手方向長さに沿ってそれぞれの軸方向端部28,34(
図3を参照)に向けて漸次的に減少する。特定の実施形態において、部分26,32の高さはまた、それぞれの軸方向端部28,34に結合された末端部分38から末端部分40(例えば、自由端部分)まで長手方向長さに沿って減少する。一部の実施形態において、部分26,32の長さは、長手方向長さに沿って一定とすることができる。図示のように、部分26,32は、プライヤー10の軸方向12と該軸方向12に垂直な方向44の両方に延びる壁部42(例えば、弓形壁部)を含む。特定の実施形態において、各壁部42は平坦とすることができる。図示のように、各壁部42は、壁部42から半径方向14に延びる壁部46(例えば、平行な側壁部)が両側に配置される。特定の実施形態において、壁部46が壁部42から延びることはない。
【0015】
プライヤー10はまた、顎部18,20に結合されたハンドル部48,50を含む。互いに向けた(参照符号52で示されるような)ハンドル部48,50の作動(例えば、締付け)により、顎部18,20が長手方向長さ24に沿って互いに対して平行して閉鎖することができる。ハンドル部50は、末端部分54,56を含む。ハンドル部50内に末端部分56に隣接して凹部58が位置付けられ、これにより末端部分56を顎部18,20の一部分の周りに配置(例えば、側面に配置)できるようになる。ハンドル部48は、末端部分60,62を含む。ハンドル部48内に末端部分62に隣接して凹部64が位置付けられ、これにより末端部分62をハンドル部50の末端部分56及び顎部18,20の一部分の周りに配置(例えば、側面に配置)できるようになる。従って、凹部64は、ハンドル部48の末端部分62がハンドル部50の末端部分56の側面に配置される場所に隣接した幅66で増大している。ハンドル部50は、顎部20を貫通して延びて回転ジョイントを形成するファスナー68(例えば、ピン、リベット、その他)を介して顎部20の軸方向端部66(例えば、軸方向端部34の反対側)に隣接して顎部20に結合される。ハンドル部48は、顎部18を貫通して延びて回転ジョイントを形成するファスナー72(例えば、ピン、リベット、その他)を介して顎部18の軸方向端部70(例えば、軸方向端部28の反対側)に隣接して顎部18に結合される。ハンドル部50はまた、顎部18を貫通して延びて回転ジョイントを形成するファスナー74(例えば、ピン、リベット、スクリュー&ナット、その他)を介して、軸方向端部28と軸方向端部70に隣接するハンドル部48の結合部との間の位置にて顎部18に結合される。ハンドル部48はまた、顎部20を貫通して延びて回転ジョイントを形成するファスナー76(例えば、ピン、リベット、スクリュー&ナット、その他)を介して、軸方向端部34と軸方向端部66に隣接するハンドル部50の結合部との間の位置にて顎部20に結合される。ハンドル部48,50の両方は、ファスナー68,72,74,76を介して顎部18,20に結合される箇所の間の位置にて顎部18,20の両方を貫通する共通のファスナー78(ピン、リベット、その他)を介して顎部18,20の両方に結合される。顎部の両方を貫通する共通のファスナー78はまた、ハンドル部48,50が顎部18,20に結合される支点79(例えば、回転ジョイント)を形成する。
【0016】
図示のように、ハンドル部50は、ハンドル部48,50を開放位置に付勢する付勢要素80(例えば、バネ)を内向き面82(すなわち、ハンドル部48に対向する)上に含む。付勢要素80は、末端部分54に隣接したハンドル部50に、及び顎部20の軸方向端部66に結合される。特定の実施形態において、顎部20はまた、追加の付勢要素を含むことができる。或いは、ハンドル部48だけに付勢要素を含むことができる。
【0017】
図示のように、プライヤー10は更にシム84を含む。プライヤー10(例えば、ハンドル部48,50)の作動52により、顎部18,20が並行して閉鎖し、スパークプラグの電極ペアのそれぞれの電極支持体を曲げて、又は電極ペアを曲げて、電極ペア間に平行のギャップ(例えば、ギャップ長に沿って等しい距離のギャップ)を設けることができる。顎部18,20の部分26,32の長手方向長さは、電極ペアのそれぞれの電極支持体を曲げて又は電極ペアを曲げて、電極ペア間に平行のギャップを設けるよう第1及び第2のシムに曲げモーメントを提供するような長さのものである。各顎部18,20は、部分30,36の軸方向端部28,34それぞれに隣接する単一のシム84に結合される。シム84の端部86は、部分30,36に結合され、端部88は、顎部18,20それぞれの部分26,32の末端部分40を越えて軸方向12に延びる。シム84は、ファスナー142(例えば、スクリュー、六角スクリュー、スナップ嵌め、ラッチ、つまみネジ、摩擦嵌め又は締まり嵌め、その他)(
図5を参照)を介して顎部18,20に結合(例えば、固定)することができる。特定の実施形態において、シム84は、顎部18,20に結合又は固定されず、顎部18,20に単に接触することができる。顎部18,20は各々、それぞれのシム84の端部86を受ける凹部90を含む。各顎部18,20はまた、軸方向端部28,34に隣接して位置するボア92を含む。各ボア92は、部分30,36を貫通して面23から面22まで顎部18,20の長手方向長さ24又は軸方向12に垂直に(例えば、横方向に)半径方向14に延びる。以下で詳細に説明するように、ファスナー142は、ボア92内に配置されて、シム84を顎部18,20(
図5を参照)に固定する。加えて、ファスナー142は、シム84の取り外し及び別のシム(例えば、異なるサイズのもの)との交換を可能にするよう調整することができる。従って、ファスナー142は、顎部18,20を異なる厚さのシムに互換的に結合して、プライヤー10の作動時に電極ギャップ間に異なる平行ギャップ距離を提供するようにすることができる。例えば、各々が同じサイズであるシムの第1のペアは、第1のギャップ距離を提供することができ、各々が同じサイズであるシムの第2のペアは、第1のギャップ距離とは異なる第2のギャップ距離を提供することができる。プライヤー10は、異なるギャップ距離を提供するよう互いに異なるものである、複数のシムセット(例えば、2,3,4,5,6,7,8,9,10又はそれ以上のシムセット)に結合することができる。部分30,36の軸方向端部28,34における壁部94は、半径方向14に延びて、それぞれのシム84の内向き面96(すなわち、他のシム84に面し、電極又は電極支持体に接する面)とほぼ面一になり又は内向き面96を越えて延びて、シム84の方向44での移動を阻止することができる。
【0018】
図2は、
図1のプライヤー10の軸方向側面図である。プライヤー10は、構造的及び機能的に
図1において説明したものと同様である。プライヤー10(例えば、ハンドル部48,50)の作動52により、顎部18,20が並行して閉鎖し(例えば、顎部18,20の長手方向長さ24に沿って)、スパークプラグの電極ペアのそれぞれの電極支持体を曲げて、又は電極ペアを曲げて、電極ペア間に平行のギャップ(例えば、ギャップ長に沿って等しい距離のギャップ)を設けることができる。また、並行した顎部18,20の閉鎖は、シム84の並行した閉鎖をもたらすことになる。従って、軸方向12において長手方向長さ100に沿ったシム84の面96間の距離又はギャップ98は一定である。
【0019】
それぞれの顎部18,20の部分26,32の長手方向長さ102は、電極ペア(例えば、対向する電極)のそれぞれの電極支持体を曲げて又は前記電極ペアを曲げて、電極ペア間に平行のギャップを設けるよう第1及び第2のシムに曲げモーメントを提供するような長さのものである。部分26,32の長手方向長さ102は、それぞれの顎部18,20の各部分30,36の長手方向長さ104よりも短い。長手方向長さ102は、顎部18,20の長手方向長さ24の0パーセント以上でおよそ50パーセント未満とすることができる。長手方向長さ102は、顎部18,20の長手方向長さ24のおよそ0よりも大きく25パーセントまで、0より大きく15パーセントまで、15〜25パーセントまで、25〜50パーセント未満、35〜50パーセント未満、及びこれら全ての部分範囲にわたることができる。例えば、長手方向長さ102は、長手方向長さ24のおよそ5,10,15,20,25,30,35,40、又は45パーセントとすることができる。部分30,36の長手方向長さ104と部分26,32の長手方向長さ102の比は、およそ10:1〜1.25:1、10:1〜5:1、1.25:1 〜5:1、及びこれら全ての部分範囲にわたることができる。部分30,36の長手方向長さ104と部分26,32の長手方向長さ102の比は、およそ10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1.5:1、1.25:1、及びこれらの間の全ての比とすることができる。
【0020】
また、上述のように、顎部18,20の部分30,36の高さ106(例えば、半径方向14で面23から面22)は、長手方向長さ104に沿って変わることができる。例えば、高さ106は、軸方向端部66,70から軸方向端部28,34まで漸次的に減少(例えば、最小高さ106が軸方向端部28,34に隣接して位置する)することができる(線形又は非線形的に)。長手方向長さ104に沿った特定の部分において、高さ106は一定とすることができる。また、高さ108(例えば、半径方向14で面23から面22)は、長手方向長さ102に沿って変わることができる。例えば、高さ108は、軸方向端部38から軸方向端部40まで漸次的に減少(例えば、最小高さ108が軸方向端部40に隣接して位置する)することができる(線形又は非線形的に)。長手方向長さ102に沿った特定の部分において、高さ108は一定とすることができる。特定の実施形態において、高さ108は、軸方向端部38から軸方向端部40まで段階的に減少することができる。部分26,32の最大高さ108は、顎部18,20の部分30,36の最小高さ106よりも小さい。高さ108は、高さ106のおよそ0よりも大きく90パーセントまで、10〜50パーセント、10〜25パーセント、25〜50パーセント、50〜90パーセント、50〜75パーセント、75〜90パーセント、及び全ての部分範囲にわたることができる。例えば、高さ108は、高さ106の10、20、30、40、50、60、70、80、又は90パーセントとすることができる。高さ106と高さ108の比は、およそ10:1〜1.25:1、10:1〜5:1、1.25:1〜5:1、及び全ての部分範囲にわたることができる。特定の実施形態において、高さ106と高さ108の比は、およそ10:1,9:1,8:1,7:1,6:1,5:1,4:1,3:1,2:1,1.5:1,1.25、及びこれらの間の全ての比とすることができる。
【0021】
図3は、
図1のプライヤー10の顎部18,20の1つの実施形態の軸方向側面図である。顎部18,20は、
図1及び2において説明したものと同様である。
図3に示すように、顎部18,20は、上述のファスナーのための凹部及び/又は開口を含む。例えば、顎部18の部分30の軸方向端部70は、ファスナー72(例えば、リベット又はピン)を受けるための凹部110(例えば、長手方向長さ104に垂直に部分30を貫通して延びる細長凹部又はスロット)を含む。部分30の軸方向端部70はまた、付勢要素80を顎部18に結合可能にする開口112(例えば、面22と23の間で長手方向長さ104に対して横方向に延びる)を含む。凹部110と軸方向端部28との間で、部分30は、ファスナー74(例えば、リベット、ピン、スクリュー&ナット、その他)を受けるため長手方向長さ104に垂直に部分30を貫通して延びる開口114(例えば、円筒開口)を含む。特定の実施形態において、開口114は、軸方向端部70よりも軸方向端部28により近接して位置付けることができる。顎部20の部分36の軸方向端部66は、ファスナー68(例えば、リベット又はピン)を受けるための凹部116(例えば、長手方向長さ104に垂直に部分36を貫通して延びる細長凹部又はスロット)を含む。凹部110,116は、長手方向長さ104に沿って互いに対して平行に軸方向12に延びる。部分36の軸方向端部66はまた、付勢要素80を顎部20に結合可能にする開口118(例えば、面22と23の間で長手方向長さ104に対して横方向に延びる)を含む。凹部116と軸方向端部34との間で、部分36は、ファスナー76(例えば、リベット、ピン、スクリュー&ナット、その他)を受けるため長手方向長さ104に垂直に部分36を貫通して延びる開口120(例えば、円筒開口)を含む。特定の実施形態において、開口120は、軸方向端部66よりも軸方向端部34により近接して位置付けることができる。顎部18,20の部分30,36は、キャビティ又は凹部122,124をそれぞれ含み、これらキャビティ又は凹部122,124が全体として、ファスナー74(例えば、リベット、ピン、その他)を受けるため部分30,36を貫通して延びる開口126を定める。
【0022】
図4は、
図3におけるプライヤー10の顎部20の斜視図である。顎部18は、顎部20と構造的及び機能的に同じである。また、顎部18,20は、上記で説明したものと構造的及び機能的に同じである。上述のように、シム84は、軸方向端部34に隣接した顎部20の部分36に結合される。具体的には、シム84の端部86は、凹部90内に固定される。凹部90は、第1の凹部128及び第2の凹部130を含む。第1の凹部128は、顎部20の部分36の主本体部132及び突出部134により定められる。突出部134は、ギャップ136(例えば、半径方向ギャップ)を間に設けて、主本体132に平行に軸方向12に延びる。シム84の端部86は、以下で詳細に説明するように、凹部128内に固定される(
図5を参照)。例えば、ボア92内に配置されたファスナー142は、シム84を顎部20に固定又は結合することができる。ボア92は、主本体部132及び突出部134の両方を貫通して延びる。主本体132は、突出部134の軸方向端部138(例えば、自由端)を越えて軸方向12に延びる。上述のように、部分36の軸方向端部34における壁部94は、半径方向14に延びて、シム84(
図1を参照)の内向き面96とほぼ面一になり又は内向き面96を越えて延びる。壁部94は、面140と共に凹部90の第2の凹部130を定める。
【0023】
図5は、シム84を顎部20に固定又は結合するファスナー142の1つの実施形態の部分側断面図である。顎部18は、顎部20と構造的及び機能的に同じである。また、顎部18,20は、構造的及び機能的に上述したものと同じである。顎部20は、軸方向端部34(
図1を参照)に隣接した位置付けられたボア92を含む。ボア92は、顎部20の長手方向長さ24又は軸線12に垂直に主本体部132を通って面23から面22に部分36の突出部134内に部分的に延びる。ボア92は、主本体部132の内面146間の第1の直径144と、突出部134の内面150間の第2の直径148とを含む。第1の直径144は、第2の直径148よりも大きい。特定の実施形態において、主本体部132のボア92の内側面146は、ネジ付きにすることができる(例えば、ファスナー142をネジ止めするため)。シム84の端部86は、ファスナー142を受けてシム84を顎部20に固定するための開口152を含む。凹部90内に適切に配置されたときに、開口152の中心は、ボア92を通る中心軸153と整列する。
【0024】
ファスナー142は、ネジ付きファスナー又はスクリュー(例えば、六角スクリュー)、或いはボア92内で位置が変わることができる他のタイプのファスナーを含むことができる。特定の実施形態において、ファスナー142は、工具(例えば、六角レンチ又は他のタイプのレンチ、その他)を受けてファスナー142を回転させる凹部155を含むことができる。特定の実施形態において、面154は、ボア92のネジと係合するネジ付き面を含むことができる。特定の実施形態において、ファスナー142は、偶発的又は振動による緩みに起因したファスナー142の緩みを阻止する防振特徴要素を含むことができる。ファスナー142は、主本体部156及び先端部158を含む。主本体部156は、第1の直径160を含み、先端部158は、第2の直径162を含む。第1の直径160は、第2の直径162よりも大きい。主本体部156は、部分36の主本体部132のボア92内に配置される。特定の実施形態において、シム84における開口152の直径162に応じて、ファスナー142の主本体部156の一部は、開口152内に延びることができる。シム84を顎部20に固定するためには、ファスナー142は、半径方向14で軸線に沿って(例えば、回転に応答して)突出部138に向かって直線的に移動する。シム84の取り外しを可能にするためには、ファスナー142は、ファスナー142の一部がシム84の開口152内に配置されなくなるまで、半径方向14で軸線に沿って(例えば、回転に応答して)突出部138から離れて移動する。ファスナー142の調整により、シム84の取り外し及び異なるシム84(例えば、サイズの異なるもの)との交換が可能となる。従って、ファスナー142は、顎部18,20を異なる厚さのシムに互換的に結合して、プライヤー10の作動時に電極ペア間に平行なギャップ距離をもたらすことができる。例えば、各々が同じサイズの第1のシムペアが第1のギャップ距離を提供することができ、各々が同じサイズ(但し、第1のシムペアとは異なるサイズのもの)の第2のシムペアが、第1のギャップ距離とは異なる第2のギャップ距離を提供することができる。
【0025】
上述のように、プライヤー10は、ギャップ(例えば、スパークプラグの長手方向軸線に対する半径方向ギャップ)を有するスパークプラグの対向する何らかの電極ペアに対して利用することができる。
図6は、スパークプラグ166の複数のスパークプラグ電極ギャップ164を同時に設定する、
図1のプライヤー10の1つの実施形態の概略図である。特定の実施形態において、プライヤー10はまた、単一の電極ギャップに対しても利用することができる。
図6には、プライヤー10及びスパークプラグ166の一部だけが示されている。プライヤー10は、上述のものと同様である。図示のように、スパークプラグ166は、スパークプラグ166から軸方向12に延びる構造体168,170,172を含む。構造体168,170,172は、これらの間にギャップ164(例えば、スパークプラグ166の長手方向軸線174に対する半径方向ギャップ)を含む。特定の実施形態において、構造体168は、中心電極168を表し、構造体170,172は、サイド電極170,172を表す。特定の実施形態において、構造体168,170,172は、電極支持体を意味することができ、電極は、支持体168,170,172の自由端176に配置することができる。プライヤー10の作動52(例えば、ハンドル部48,50)により、顎部18,20が並行して閉鎖して、スパークプラグ166の構造体168及び172(例えば、電極支持体及び/又は電極)を曲げて、構造体168及び170(例えば、電極支持体及び/又は電極)間並びに構造体168及び172(例えば、電極支持体及び/又は電極)間に平行のギャップを設けるようにすることができる。単一の対向する電極ペア168及び170又は168及び172間にギャップ164を設定するためこれらの電極ペア用のプライヤー10に対して同じプロセスを実施することができる。上述のように、シム84は、顎部18,20に結合及び/又は固定される。特定の実施形態において、シム84は、顎部18,20に結合されず、顎部18,20に接触する。この場合、シム84は、最初に構造体170,172の周りに配置され、次いで、プライヤー10が、シム84に平行ギャップ164を設けるように利用される。
【0026】
本開示の実施形態の技術的効果は、スパークプラグ電極ギャップ164を設定するためのプライヤー10を提供することを含む。プライヤー10は、シム84に結合された顎部18,20を含むことができ、ここでプライヤー10の作動時に、顎部18,20が平行して閉鎖して、電極ペア(例えば、対向電極ペア)のそれぞれの電極支持体は前記電極ペアを曲げて、電極ペア間に平行のギャップを設けるようにする。特定の実施形態において、顎部18,20は各々、異なるサイズのシム84に互換的に結合して、プライヤー10の作動時に電極ペア間に異なる平行ギャップ距離を提供するように構成することができる。プライヤー10は、電極間により正確でより平行なギャップ164を設定可能にすることができる。加えて、より正確でより平行なギャップを設定することにより、電極に対してより均一に消耗を生じさせ、スパークプラグ166の寿命を延ばすことができる。
【0027】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、また、あらゆる当業者が、あらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる組み込み方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0028】
10 スパークプラグ電極ギャップ設定プライヤー(工具)
18,20 顎部
48,50 ハンドル部
84 シム
142 ファスナー
166 スパークプラグ