(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6810519
(24)【登録日】2020年12月15日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】フレキシブルRFIDアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 7/00 20060101AFI20201221BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20201221BHJP
H01Q 1/40 20060101ALI20201221BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
H01Q7/00
H01Q1/38
H01Q1/40
G06K7/10 232
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-255689(P2015-255689)
(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公開番号】特開2016-127601(P2016-127601A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2018年10月29日
(31)【優先権主張番号】201410855007.1
(32)【優先日】2014年12月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ユ フア ウェイ
【審査官】
鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−341023(JP,A)
【文献】
特開平08−204432(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/039400(WO,A1)
【文献】
特開2009−089299(JP,A)
【文献】
特開2005−109603(JP,A)
【文献】
特開2005−026865(JP,A)
【文献】
特開2005−302891(JP,A)
【文献】
実公昭40−011304(JP,Y1)
【文献】
特開2003−332714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−25/04
G06K 7/00− 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルRFIDアンテナであって、
第1の端部と、第2の端部と、引き出し端子とを含むフレキシブルな片面の基板と、
前記基板上に配置されて、前記基板の前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる複数の導体と、
を備え、前記複数の導体のうちの1つの導体は、前記引き出し端子において分断され、前記引き出し端子の端部に延びて接続端子を形成し、前記フレキシブルRFIDアンテナは、
前記複数の導体を前記基板と被覆層との間に挟み込むように前記基板に施された前記被覆層をさらに備え、
前記基板の前記第1の端部と前記第2の端部は互い重なり合い、これにより前記基板の前記第1の端部における前記複数の導体の端部は、前記基板の前記第2の端部における前記複数の導体の端部に千鳥配置でそれぞれ接続されて螺旋RFIDコイルを形成すし、
前記基板の前記第1の端部における前記複数の導体の端部は第1の接続端部であり、前記基板の前記第2の端部における前記複数の導体の端部は第2の接続端部であり、前記複数の導体は、上部導体、下部導体、そしてこれらの間にある少なくとも中間導体を含み、前記基板は曲げられて閉じた形状を形成し、前記上部導体の前記第1の接続端部と少なくとも1つの前記中間導体の前記第1の接続端部は、隣接の対応する導体の前記第2の接続端部にそれぞれ接続され、前記下部導体の前記第1の接続端部は、前記上部導体の前記第2の接続端部に接続され、
前記下部導体の前記第1の接続端部は、他の導体の前記第1の接続端部の外側から前記上部導体の前記第1の接続端部の上側へ延びて前記上部導体の前記第1の接続端部と分離された拡張部を形成し、これにより前記基板が閉じた形状にあるときに前記拡張部は前記上部導体の前記第2の接続端部と整列する、
ことを特徴とするフレキシブルRFIDアンテナ。
【請求項2】
前記第1の端部における前記複数の導体の前記端部は、前記第2の端部における前記複数の導体のそれぞれの前記端部にリベットによって電気的に接続される、
請求項1に記載のフレキシブルRFIDアンテナ。
【請求項3】
前記基板及び前記被覆層は、いずれも細長い形状であり、前記複数の導体の1つは引き出し端子において分断されて分離された2つの部分を形成し、前記分離された2つの部分のそれぞれは前記引き出し端子の端部に延びて2つの接続端子を形成する、
請求項1又は2に記載のフレキシブルRFIDアンテナ。
【請求項4】
前記基板は、12μm〜125μmの厚みを有するポリエステル(PET)フィルム又はポリイミド(PI)フィルムの第1の絶縁層を含む、
請求項1、2又は3に記載のフレキシブルRFIDアンテナ。
【請求項5】
前記基板は、前記複数の導体を前記基板に取り付ける第1の接着層をさらに含む、
請求項1から4のいずれかに記載のフレキシブルRFIDアンテナ。
【請求項6】
前記被覆層は、フレキシブルであり、12μm〜50μmの厚みを有するポリエステル(PET)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム又は絶縁インク層の第2の絶縁層を含む、
請求項1から5のいずれかに記載のフレキシブルRFIDアンテナ。
【請求項7】
前記被覆層は、前記第2の絶縁層を前記基板に取り付ける第2の接着層をさらに含む、請求項6に記載のフレキシブルRFIDアンテナ。
【請求項8】
前記基板は、前記フレキシブルRFIDアンテナを固定する固定部を有する、
請求項1から7のいずれかに記載のフレキシブルRFIDアンテナ。
【請求項9】
電子装置であって、
本体と、
回路基板と、
請求項1から8のいずれか1項に記載のフレキシブルRFIDアンテナと、
を備え、前記RFIDアンテナは、前記本体の周囲に配置され、前記フレキシブルRFIDアンテナの前記引き出し端子の前記接続端子は、POS装置に電気的に接続される、
ことを特徴とする電子装置。
【請求項10】
前記フレキシブルRFIDアンテナは、前記POS装置の前記本体に接着剤を介して固定される、
請求項9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記電子装置は、POS装置である、
請求項9又は10に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数識別(RFID)装置に関し、具体的には、このような装置のためのフレキシブルRFIDアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
通信産業の発展とともに、ますます多くの分野においてRFID技術が幅広く応用されている。無線周波数識別技術は、識別システムと特定の物体との間に機械的接触又は光学的接触を確立することなく、無線信号に基づいて特定の物体の識別、並びに関連データの読み取り及び書き込みを行うことができる無線通信技術である。
【0003】
RFID技術は、多くの産業で応用されている。例えば、生産中の自動車にタグを取り付けて、工場関係者が、生産ライン上の自動車の進捗を追跡することができる。倉庫内で薬の位置を追跡することもできる。家畜及びペットに、これらの確実な識別を可能にする無線周波数タグを取り付けることもできる(「確実な識別」とは、複数の動物による同じ識別の使用を避けることを意味する」)。例えば、RFID技術に基づく識別カードは、従業員が鍵の掛かったビルに入ることを可能にし、自動車内の無線周波数トランスポンダを用いて、有料道路及び駐車場に関連する料金を支払うこともできる。
【0004】
POS装置などのポータブル電子装置では、時に安全保護装置を樹脂で覆ったり、或いは包装したりする必要があり、この結果、安全保護装置の構造が重くて厚いものになる。従って、POS装置の分野では、内部空間を広げてより多くのコンポーネントを収容するためにRFIDアンテナが広く用いられ、これによってPOS装置の小型化及び軽量化を実現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に、従来技術を用いたRFIDアンテナの製造工程を示す。基材1は、250mm×320mmのフレキシブル基材であり、ここから8つのRFIDアンテナ基板2が切り取られる。アンテナ基板2上の層を形成する導体の螺旋コイルを印刷法又はエッチング法によって形成して螺旋アンテナを形成する。導体は、銅トレース又はその他の導電性トレースとすることができる。導体の端部は、内周及び外周に現れる。アンテナの内周の端部は、2つの端部が共に他のポートに接続されるように外周に導かれる必要があるので、基板上には、内周を外周に伝導的に接続する貫通穴が配置される。従って、フレキシブル基材は両面基材でなければならず、すなわち基材の両面に導電線が配置されることがあり、これによってコストが上昇し、生産工程が複雑化する。また、このアンテナ作製法では、廃棄材料率が高いことに起因して材料が効率的に使用されない。これにより、POS装置のコストがさらに上昇する。
【0006】
従って、材料利用率の高いアンテナが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明は、その1つの態様では、フレキシブルRFIDアンテナであって、第1の端部と、第2の端部と、引き出し端子とを含むフレキシブル片面基板と、基板上に配置されて、基板の第1の端部と第2の端部との間に延びる複数の導体とを備え、複数の導体のうちの1つの導体は、引き出し端子において分断され、引き出し端子の端部に延びて接続端子を形成し、フレキシブルRFIDアンテナは、複数の導体を基板と被覆層との間に挟み込むように基板に施されたフレキシブル被覆層をさらに備え、基板の第1の端部における複数の導体の端部は、基板の第2の端部における複数の導体の端部に千鳥配置でそれぞれ接続されて螺旋RFIDコイルを形成するフレキシブルRFIDアンテナを提供する。
【0008】
基板及び被覆層は、いずれも細長い形状であることが好ましい。
【0009】
基板は、12μm〜125μmの厚みを有するポリエステル(PET)フィルム又はポリイミド(PI)フィルムの第1の絶縁層を含むことが好ましい。
【0010】
基板は、複数の導体を基板に取り付ける第1の接着層をさらに含むことが好ましい。
【0011】
被覆層は、12μm〜50μmの厚みを有するポリエステル(PET)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム又は絶縁インク層の第2の絶縁層を含むことが好ましい。
【0012】
被覆層は、第2の絶縁層を基板に取り付ける第2の接着層をさらに含むことが好ましい。
【0013】
被覆層は、絶縁インク層を含むことが好ましい。
【0014】
アンテナの基板は、アンテナを固定する固定部を有することが好ましい。
【0015】
アンテナの第1の端部及び第2の端部は互いに重なり合い、第1の端部における複数の導体の端部は、第2の端部における複数の導体のそれぞれの端部にリベットによって電気的に接続されることが好ましい。
【0016】
第2の態様によれば、本発明は、本体と、回路基板と、フレキシブルRFIDアンテナとを備えた電子装置であって、フレキシブルRFIDアンテナは、第1の端部と、第2の端部と、引き出し端子とを含むフレキシブル片面基板と、基板上に配置されて、基板の第1の端部と第2の端部との間に延びる複数の平行導体とを含み、複数の導体のうちの1つの導体は、引き出し端子において分断され、引き出し端子の端部に延びて接続端子を形成し、フレキシブルRFIDアンテナは、複数の導体を基板と被覆層との間に挟み込むように基板に施されたフレキシブル被覆層をさらに含み、基板の第1の端部における複数の導体の端部は、基板の第2の端部における複数の導体の端部に千鳥配置でそれぞれ接続されて螺旋RFIDコイルを形成し、螺旋アンテナは、本体の周囲に配置され、アンテナの引き出し端子の接続端子は、POS装置に電気的に接続された電子装置を提供する。
【0017】
任意に、アンテナの基板は固定部を有し、アンテナは、この固定部を介してPOS装置の本体に固定される。
【0018】
アンテナは、POS装置の本体に接着剤を介して固定されることが好ましい。
【0019】
電子装置は、POS装置であることが好ましい。
【0020】
このようなアンテナを使用すると、材料利用率が高く、またアンテナ基板の片面のみに回路を印刷すればよいので、生産工程が単純化されてコストが大幅に削減される。
【0021】
以下、添付図面の図を参照しながら、本発明の好ましい実施形態をほんの一例として説明する。図では、複数の図に出現する同一の構造、要素又は部品には、一般にこれらが出現する全ての図において同じ参照番号を付している。一般に、図に示す構成要素及び特徴部の寸法は、表現の便宜上明瞭にするために選択したものであり、必ずしも縮尺通りではない。以下、各図を列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】先行技術のRFIDアンテナ基材を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるRFIDアンテナ基材を示す図である。
【
図3】
図2に示すアンテナのうちの1つのアンテナの平面図である。
【
図4】
図3のアンテナのA−Aに沿った概略的断面図である。
【
図5】5a−5cは本発明の一実施形態によるRFIDアンテナの、アンテナ本体の被覆層を省いた概略的接続図である。
【
図6】
図5のRFIDアンテナのリベット部品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2に、本発明の好ましい実施形態によるRFIDアンテナ基材の例示的な構造を示す。この実施形態では、基材10全体が、矩形の片面フレキシブル基材であり、すなわち基材10の片面のみに回路を印刷又はエッチングすることができる。アンテナ20は、基本的に引き延ばした矩形などの細長い形状になるように設計され、回路を印刷又はエッチングできる基材10の表面上に順に配置される。個々のアンテナ20は、基材10から切り取られる。各アンテナ20上には、印刷法又はエッチング法によって複数の平行導体224が配置される(
図5を参照)。このような工程を通じ、609mm×320mmの基材10上に24個のアンテナを形成することができる。従って、より良好な材料利用率によって生産効率が大幅に向上する。
【0024】
通常、導体トレース224は銅材料で作製されるが、アルミニウム、銀、炭素、銀と炭素の混合物、透明な導電性ポリマー、又はその他の導電性インクで作製することもできる。これらの材料の各々は、RFIDアンテナの動作及び機能に適した特定の特性を有する。導体トレース224の材料は、RFIDアンテナの機能に応じて選択される。
【0025】
図3に、
図2の基材から切り取った例示的な1つのアンテナを示す。アンテナ20は、2つの端部26及び28と、引き出し端子29とを有する細長い本体22を含む。
図5に示すように、導体224のうちの1つは分断されて引き出し端子に延び、アンテナをPOS装置などの電子装置に接続する引き出し接続部を形成する。基板上には、導体を覆う被覆層228が設けられる(
図4を参照)。コネクタ30(
図6を参照)への接続を可能にするように、端部26及び28からは被覆層228を除去して導体を露出させる。アンテナ本体22は、2つの端部から離れた位置に固定部24を有する。固定部24には、アンテナを電子装置に固定するための固定穴が設けられる。当業者であれば、アンテナ本体は接着剤によって電子装置に取り付けることもでき、従って固定部は必須ではないと理解することができる。
【0026】
図4は、
図3のアンテナのA−Aに沿った概略的断面図である。1つの実施形態では、アンテナが、片面絶縁基板222、接着層223、導電性トレースによって形成された複数の平行導体224、接着層226及び絶縁被覆層228を含む。接着層223及び接着層226は、いずれも絶縁材料で作製される。生産工程では、最初に接着層223を含む基板222上に印刷法又はエッチング法によって導体224を配置し、その後に接着層226を含む被覆層228を基板上に取り付け、従って基板222と被覆層228の間に平行導体224を挟み込む。複数の平行導体224は、互いに電気的に絶縁される。
【0027】
別の実施形態では、接着層223を省略し、導電性インクを用いてトレースを印刷することなどにより、基板222上に導体224を直接固定することができる。
【0028】
別の実施形態では、被覆層228及び接着層226を単一の絶縁インクの層に置き換え、これによってアンテナの厚みをさらに減少させることができる。
【0029】
1つの実施形態では、基板222がポリマーフィルムであり、好ましくはポリエチレンテレフタレート(一般にDacron(ダクロン)として知られているPET)フィルムである。或いは、基板222は、12μm〜125μmの厚みを有するフレキシブルフィルムである。当然ながら、基板222は、必要に応じて厚くすることもできる。基板222は、以下に限定されるわけではないが、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド及びポリ塩化ビニル(PVC)を含む他のポリマーフィルムの変種であってもよいと理解することができる。基板222は、透明とすることも、或いは不透明な黒色又は白色などの有色とすることもできる。
【0030】
接着層223及び226は、感熱接着層であることが好ましい。接着層223は、導体224を基板222に取り付けるように構成される。或いは、接着層は、エポキシ樹脂又は湿気硬化ポリウレタンなどの液状接着剤とすることもできる。最初に片面基板222と導体224との間に液状接着剤を配置又は印刷し、その後に湿潤エネルギー、熱エネルギー又は紫外線エネルギーによって液状接着剤を硬化させ、従って片面基板222と導体224との間に永久接合部を形成する。これらのタイプの接着剤は加圧接着剤ではないが、同じ原理に従って機能することができる。基板222の材料に応じて、特定の付着性を有する異なる加圧接着剤を使用することができ、例えば特定の接着要件のために専用の加圧接着剤を特別に開発することもできる。
【0031】
図5a〜
図5cは、本発明の一実施形態による、説明を明確にするためにアンテナ本体の被覆層228を省略したRFIDアンテナの概略図である。導体224は、細長い基板上に平行に配置される。基板222の一端は、導体の導体端部「A」、「B」及び「C」を有し、他端は、導体の導体端部「a」、「b」及び「c」を有する。アンテナ本体22は、空間的に渦を巻き、すなわちアンテナ本体22は、電子装置(図示せず)に巻き回される。基板222の端部は、導体端部「A」、「B」及び「C」が導体端部「a」、「b」及び「c」に重なるようにして重なり合う。各導体端部の対は、
図6に示すようなリベット30によって互いに電気的に接続される。このように、リベットが導体のそれぞれの端部を互いに接合すると、導体は完全な螺旋コイルを形成する一方で、引き出し端子によってアンテナと電子装置の容易な接続が可能になる。この結果、貫通穴によって導体をブリッジングした両面基板を使用する必要性が排除される。
【0032】
POS装置40は、クレジットカード44を挿入できるスロットを含む。POS装置のディスプレイ画面は、柱状の本体42を備える。この柱状の本体42にアンテナ20巻き回し、POS装置の内部に回路基板(図示せず)を配置し、回路基板上にコネクタを設け、コネクタに引き出し端子29を挿入してアンテナを電子回路に接続する。POS装置の使用時には、ユーザのクレジットカードを、スロットによってPOS装置と接触通信させることも、或いはクレジットカードをアンテナの近くに配置し、アンテナ20を介してPOS装置と非接触通信させることもできる。
【0033】
図6に、
図5のRFIDアンテナに適用される例示的なリベット30を示す。リベット30は、本体32と、その上に配置された複数のスパイク34とを含む金属導体で形成される。使用時には、アンテナの端部26及び端部28が互いに重なり合う。導体は、基板222によって分離されるので互いに絶縁される。アンテナの端部26の導体の端部「A」は、アンテナの端部28の導体の端部「b」に接続され、アンテナの端部26の導体の端部「B」は、アンテナの端部28の導体の端部「c」に接続され、アンテナの端部26の導体の端部「C」は、アンテナの端部28の導体の端部「a」に接続される。導体224のうちの1つの導体の端部26と端部28とが互いに重なり合う部分に複数のスパイク24のうちの1つのスパイクを侵入させ、上層内の平行導体のうちの1つの平行導体の前端を下層内の平行導体のうちの1つの平行導体の後端にスパイク34を介して接続し、これによって導体間の電気的接続を実現する。
【0034】
本発明は、空間的に配置されたアンテナを提供することによってアンテナのコイルのブリッジングを避け、従って材料利用率を高め、生産コストを抑え、生産効率を向上させる。
【0035】
POS装置は、電子装置の好ましい応用にすぎず、本開示によるアンテナは、コイルアンテナを使用する必要がある他の電子装置においても使用できると理解することができる。
【0036】
本出願の明細書及び特許請求の範囲では、記述する項目又は特徴の存在を明示する一方でさらなる項目又は特徴の存在を排除しないように、「備える、含む、有する(comprise、include、contain及びhave)」という動詞、並びにその派生形の各々を包括的な意味で使用している。
【0037】
明確化のために別個の実施形態の文脈で説明した本発明のいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできると理解されたい。これとは逆に、簡潔さを期すために単一の実施形態の文脈で説明した本発明の様々な特徴を別個に、又はいずれかの好適な下位の組み合わせで提供することもできる。
【0038】
上述した実施形態はほんの一例にすぎず、当業者には、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、他の様々な修正が明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0039】
222 基板
224 導体
26 端部
28 端部
29 引き出し端子
30 コネクタ
40 POS装置
42 本体
44 クレジットカード