(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6810801
(24)【登録日】2020年12月15日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】フォーカシング・レベリング装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20201221BHJP
G01B 11/26 20060101ALI20201221BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
G01B11/00 A
G01B11/26 Z
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-528720(P2019-528720)
(86)(22)【出願日】2017年11月27日
(65)【公表番号】特表2020-501135(P2020-501135A)
(43)【公表日】2020年1月16日
(86)【国際出願番号】CN2017113118
(87)【国際公開番号】WO2018099348
(87)【国際公開日】20180607
【審査請求日】2019年7月26日
(31)【優先権主張番号】201611089618.5
(32)【優先日】2016年11月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】309012351
【氏名又は名称】シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ラン クー
(72)【発明者】
【氏名】ワン シーフア
【審査官】
仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開平6−188172(JP,A)
【文献】
特開平10−154659(JP,A)
【文献】
特開平8−88170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
G03F 7/20−7/24
9/00−9/02
H01L 21/30
21/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射ユニットと、
投影側スリットマークを有する投影側マークプレートと、
投影側イメージング群と、
偏向プリズムと、
ビームスプリッタと、
検出ユニットと、
信号処理ユニットと、を備え、
前記照射ユニットは、光ビームを出射し、前記投影側マークプレートを通過させて、トリミングさせ、プローブビームを形成するように設けられており、
前記投影側イメージング群は、前記プローブビームを基板の表面へ指向させ、
前記偏向プリズムは、前記基板の表面によって反射された前記プローブビームを偏向させ、再び前記基板の表面へ入射させ、さらに、再び前記基板の表面によって前記投影側イメージング群へ反射するように設けられており、
前記ビームスプリッタは、再び前記基板の表面によって反射された前記プローブビームを直接前記検出ユニットへ指向させ、
前記信号処理ユニットは、前記検出ユニットから検出された測定スポットに基づいて、デフォーカス量、及び前記基板の表面の傾きの少なくとも1つを計算するように設けられており、
前記偏向プリズムは、断面直角二等辺三角形状を有し、傾斜面と2つの直角面とを有し、
前記投影側イメージング群の光軸と前記基板の表面とのなす角度は、前記傾斜面の垂線と前記基板の表面とのなす角度と同じである、
前記デフォーカス量、及び前記基板の傾きの少なくとも1つを計算するためのフォーカシング・レベリング装置。
【請求項2】
前記偏向プリズムの前記傾斜面は、最初に前記基板の表面によって反射したプローブビームの光軸に対して垂直であり、
前記2つの直角面の交線は、最初に前記基板の表面によって反射したプローブビームの光軸と交差する、
請求項1に記載のフォーカシング・レベリング装置。
【請求項3】
前記投影側イメージング群は、フロントレンズ群と、リヤレンズ群と、前記投影側マークプレートと前記フロントレンズ群との間に配置された前記ビームスプリッタとを備え、
前記ビームスプリッタを出たプローブビームは、前記フロントレンズ群、及び前記リヤレンズ群を順次通過して伝播した後、前記基板の表面へ入射し、
前記基板の表面を再び反射したプローブビームは、前記リヤレンズ群、及び前記フロントレンズ群を順次通過して伝播した後、前記ビームスプリッタによって、前記検出ユニットへ反射される、
請求項1に記載のフォーカシング・レベリング装置。
【請求項4】
前記投影側イメージング群は、フロントレンズ群と、一組のミラーと、リヤレンズ群と、前記一組のミラーと前記リヤレンズ群との間に配置された前記ビームスプリッタとを備え、
前記ビームスプリッタを出たプローブビームは、前記フロントレンズ群、前記一組のミラー、前記ビームスプリッタ、及び前記リヤレンズ群を順次通過して伝播した後、前記基板の表面へ入射し、
前記基板の表面を再び反射したプローブビームは、前記リヤレンズ群を順次通過して伝播した後、前記ビームスプリッタによって、前記検出ユニットへ反射される、
請求項1に記載のフォーカシング・レベリング装置。
【請求項5】
光ビームの伝播方向に沿って前記検出ユニットの上流に配置された検出側レンズ群を含む、
請求項1、3、又は4のいずれか1項に記載のフォーカシング・レベリング装置。
【請求項6】
前記検出ユニットは、検出側スリットマークを有する検出側マークプレートと、光エネルギー検出器と、を備え、
前記光エネルギー検出器は、前記検出側スリットマークを通過して伝播する光エネルギーの変化を計測するように設けられており、
前記光エネルギーの変化は、前記デフォーカス量、及び前記基板の表面の傾きの少なくとも1つを計算するための基礎となる、
請求項1に記載のフォーカシング・レベリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーカシング・レベリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、一般に広く利用される従来のフォーカシング・レベリング装置を示す。このフォーカシング・レベリング装置は、光路に沿って連なって配置された、投影側マークプレート1、投影側フロントレンズ群2、投影側リヤレンズ群3、ウェハ4、検出側フロントレンズ群5、検出側リヤレンズ群6、及び検出側マークプレート7を備える。投影側マークプレート1、投影側フロントレンズ群2、投影側リヤレンズ群3、及びウェハ4は、4F光学系を構成する。ウェハ4、検出側フロントレンズ群5、検出側リヤレンズ群6、及び検出側マークプレート7は、異なる4F光学系を構成する。照射ユニットから出射した出射光は、投影側マークプレート1におけるマークを通過して、投影側フロントレンズ群2、投影側リヤレンズ群3を透過し、ウェハ4上にスポットを形成する。ウェハ4におけるスポットから反射した光は、検出側フロントレンズ群5、検出側リヤレンズ群6を通過して、検出側マークプレート7に結像する。
【0003】
図1及び
図2に示すように、投影側マークプレート1、及び検出側マークプレート7は、光の通過を許容するスリットを定める。ウェハ4は、(
図2において破線で示される)理想的な零位面(起動開始面)に位置する場合、検出側マークプレート7上において形成された投影側スリットのイメージは、検出側マークプレート7におけるスリット中央を中心とします。しかしながら、ウェハ4は、デフォーカスされ、又は傾けられている場合、検出側マークプレート7における投影側スリットのイメージ中心は、離隔移動する。
図2に示すように、ウェハ4により引き起こされるデフォーカス量hから、検出側光軸のオフセット量Δは、幾何学的に計算することができる。
【数1】
【数2】
αは、光とウェハ4の表面との成す角度を示す。
【0004】
ウェハ4をデフォーカスした結果、検出側のスリットを通って伝播する光エネルギーの減少は、ウェハ4のデフォーカス又は傾きをモニタリングするための基礎として提供することができる。
【0005】
従来の装置は、投影側と検出側とにそれぞれウェハの反対側には配置した2つの4F光学系を含み、構造が複雑であり、大きくスペースを取り、コストが高く、容易に組み立て調整することができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記した従来装置の問題、すなわち、新規なフォーカシング・レベリング装置の創作によって、複雑な構造、大きいスペースを占有すること、高コスト、組み立て調整の困難性を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成させるため、本願発明の主題は、以下に記載される。
デフォーカス量、及び基板の傾きの少なくとも1つを計算するためのフォーカシング・レベリング装置照射ユニットであって、
照射ユニットと、
投影側スリットマークを有する投影側マークプレートと、
投影側イメージング群と、
偏向プリズムと、
ビームスプリッタと、
検出ユニットと、
信号処理ユニットと、を備え、
前記照射ユニットは、光ビームを出射し、前記投影側マークプレートを通過させて、トリミングさせ、プローブビームを形成するように設けられており、
前記投影側イメージング群は、前記プローブビームを前記検出ユニットへ指向させ、
前記偏向プリズムは、前記基板の表面によって反射された前記プローブビームを偏向させ、再び基板の表面へ入射させ、さらに、再び前記基板の表面によって前記投影側イメージング群へ反射するように設けられており、
前記ビームスプリッタは、前記再び前記基板の表面によって前記反射された前記プローブビームを前記検出ユニットへ指向させ、
前記信号処理ユニットは、前記検出ユニットから検出された測定スポットに基づいて、前記デフォーカス量、及び前記基板の表面の傾きの少なくとも1つを計算するように設けられている。
【0008】
また、前記偏向プリズムは、断面直角二等辺三角形状を有してもよい。
【0009】
また、前記偏向プリズムの傾斜面は、最初に基板の表面によって反射したプローブビームの光軸に対して垂直であり、
2つの直角面の交線は、最初に基板の表面によって反射したプローブビームの光軸と交差するとしてもよい。
【0010】
また、前記投影側イメージング群は、フロントレンズ群と、リヤレンズ群と、前記投影側マークプレートと前記フロントレンズ群との間に配置された前記ビームスプリッタとを備え、
前記ビームスプリッタを出たプローブビームは、前記フロントレンズ群、及び前記リヤレンズ群を順次通過して伝播した後、前記基板の表面へ入射し、
前記基板の表面を再び反射したプローブビームは、前記リヤレンズ群、及び前記フロントレンズ群を順次通過して伝播した後、前記ビームスプリッタによって、前記検出ユニットへ反射されるとしてもよい。
【0011】
また、前記投影側イメージング群は、フロントレンズ群と、一組のミラーと、リヤレンズ群と、前記一組のミラーと前記リヤレンズ群との間に配置された前記ビームスプリッタとを備え、
前記ビームスプリッタを出たプローブビームは、前記フロントレンズ群、前記一組のミラー、前記ビームスプリッタ、及び前記リヤレンズ群を順次通過して伝播した後、前記基板の表面へ入射し、
前記基板の表面を再び反射したプローブビームは、前記リヤレンズ群を順次通過して伝播した後、前記ビームスプリッタによって、前記検出ユニットへ反射されるとしてもよい。
【0012】
また、光ビームの伝播方向に沿って前記検出ユニットの上流に配置された検出側レンズ群を含むとしてもよい。
【0013】
また、前記検出ユニットは、検出側スリットマークを有する検出側マークプレートと、光エネルギー検出器と、を備え、
前記光エネルギー検出器は、前記検出側スリットマークを通過して伝播する光エネルギーの変化を計測するように設けられており、
前記光エネルギーの変化は、前記デフォーカス量、及び前記基板の表面の傾きの少なくとも1つを計算するための基礎となってもよい。
【0014】
当該装置において、基板の片側に配置された、偏向プリズムと、投影側、及び検出側4F光学系を用いて、当該装置のスペースを縮小し、それらのコンパクト性を高める。さらに、投影側4F光学系は、複合化されて、分離した検出側4F光学系を省略することによって、シンプルな構造、容易な組み立て・調整、及び、製造コストの低減を可能とする。さらに、プローブビームは、基板表面で2回反射し、デフォーカス量、及びスポットの形成された位置における傾きへのインパクト(影響、効果、感化)が2倍である、すなわち、同じ検出能であっても、計測精度が2倍である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、従来のフォーカシング・レベリング装置の概略図である。
【
図2】
図2は、ウェハの表面がデフォーカスされた、従来のフォーカシング・レベリング装置の光路を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態1に係るフォーカシング・レベリング装置の概略構成図である。
【
図4】
図4は、基板がデフォーカスされた、本発明の実施の形態1に係るフォーカシング・レベリング装置の図である。
【
図5】
図5は、移動が偏向プリズムのポジショニングにより生じた、本発明の実施の形態1に係るフォーカシング・レベリング装置の光路を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態2のフォーカシング・レベリング装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記した本発明の目的、特徴、効果は、添付された図面に関連して読まれる、以下の発明の詳細な説明のいくつかの実施の形態から、さらに明確になり、よりよく理解されるであろう。なお、各図面は、より簡略化されていることと、スケールに準じて描かれていないことに留意すべきである。これらの唯一の目的は、以下の実施の形態の説明の容易化、明確化、を促進することである。
【0017】
実施の形態1.
図3に示すように、フォーカシング・レベリング装置は、光ビームの移動経路に沿って連続した配置された照明ユニット(図示略)、投影側スリットマークを定める投影側マークプレート10、投影側イメージング群20、偏向プリズム30、ビームスプリッタ40、検出ユニット、及び信号処理ユニット(図示略)を備える。照明ユニットから出射され、投影側マークプレート10を通過した光ビームは、トリミング(除去)され、プローブビームに成る。そして、プローブビームはビームスプリッタ40を通過して伝播し、投影側イメージング群20によって基板60の表面へ照射される。偏向プリズム30は、再び基板60の表面へ入射するように、基板60の表面によって反射されたプローブビームを偏向するように設けられている。基板60の表面によって2回反射されたプローブビームは、投影側イメージング群20を通過し、その後、ビームスプリッタ40によって検出ユニットへ反射され、さらにその上にスポットを形成する(結像する)。信号処理ユニットは、スポット上に実行された検出ユニットの計測に基づいて、デフォーカス量、又は基板60の表面の傾きを計算する。ここで、単語「偏向」は、プローブビームの伝播方向の交互(alternation)を示す。この実施の形態では、「偏向」は、プローブビームの伝播方向における180°変化を特に示す。基板60は、シリコンウェハ、又はガラス基板であってもよい。
【0018】
偏向プリズム30は、直角二等辺三角形と推測される断面を備えてもよく、その直角二等辺三角形の頂角の角度が、45°、90°、45°である。偏向プリズム30の斜面31は、最初に基板60の表面によって反射したプローブビームの光軸に対して垂直である。2つの直角面32の交線(又は、交差端)は、最初に基板60の表面によって反射したプローブビームの光軸と交差する。
【0019】
投影側イメージング群20は、フロントレンズ群21と、リヤレンズ群22を備えてもよい。投影側マークプレート10を出たプローブビームは、ビームスプリッタ40、フロントレンズ群21、及びリヤレンズ群22を通過して伝播し、その後、基板60の表面へ入射する。投影側マークプレート10、フロントレンズ群21、リヤレンズ群22、及び基板60は、投影4F光学系を構成する。さらに、基板60の表面によって反射されたプローブビームは、リヤレンズ群22、フロントレンズ群21を2回通過して、その後、検出ユニットにおける検出側マークプレート50へビームスプリッタ40によって反射される。基板60、リヤレンズ群22、フロントレンズ群21、及び検出側マークプレート50は、検出側4F光学系を構成する。複数のレンズ群は、検出側4F光学系を不要にして、シンプルな構成、容易な組み立て・調整、及び製造コストの低減を可能とする。
【0020】
検出側スリットマークを定める検出側マークプレート50に加えて、検出ユニットは、他に、検出側スリットマークを通過して伝播した光エネルギーの変化を測定するための光エネルギー検出器をさらに備えてもよい。
【0021】
以下の説明によって、フォーカシング・レベリング装置の組立調整のプロセスが可能である。
【0022】
最初に、偏向プリズム30の方向を決定する。
具体的には、内焦式望遠鏡(図示略)は、内焦式望遠鏡から発せられた平行ビームの光軸が内焦式望遠鏡に向かって対向するビームスプリッタ40の直角面に対して垂直であるように、ビームスプリッタ40の上流に配置してもよい。偏向プリズム30の向きは、偏向プリズム30の傾斜面から反射したプローブビームの光軸が、内焦式望遠鏡からの平行ビームの光軸と一致するように、回転するとよい。
【0023】
続いて、偏向プリズム30の位置を決定する。
偏向プリズム30の斜面が延びる方向に沿って、偏向プリズム30を並進移動させるとよい。具体的には、この並進移動は、偏向プリズム30に入射する光線の偏向プリズム30上の光強度分布が、偏向プリズム30の斜面(この点では、当該プリズムの2つの直角面の交線(又は交差端)は、投影側光軸と交差する。)の垂直二等分線(例えば、
図4中のBF)に関して対称になるまで、行う。
【0024】
図5を参照すると、斜面31が延び、かつ、偏向プリズム30が移動した方向に沿う偏向プリズム30の移動量Δ(この図では、実線は、偏向プリズム30の実際の位置を表し、破線は、偏向プリズム30の望ましい位置を示し、それらは、その実際の位置から移動量Δで離隔(オフセット)している。)、基板60の表面における偏差h(
図3及び
図4において、実線は、基板60の実際の位置を示し、破線は、基板60の望ましい位置を示す。)、出射されたプローブビームの経路長は、EF= 2×EA'= 2×(CB'-Δ)= 2×CB'- 2Δ (破線, FH)から、CD = 2×CB'まで変化する。よって、偏向プリズム30の移動量Δは、2Δと等しい移動量で、プローブビームの変位を引き起こす。
図3に示されるように、この出射プローブビームの移動は、検出側マークプレート50に形成されたスポット(結像)の位置的な変位(OからO'まで)を引き起こす。この出射プローブビームの移動量は、検出側に形成されたスポット(結像)の位置的な変化量に定比例する。
【0025】
図4を参照すると、基板60は、望ましい場所(実線)に位置する場合、入射プローブビームは、基板により反射され、偏向プリズム30に偏向(回折)され、それから、基板60上に全く同じ経路を辿って戻る。基板60によって2回反射されたプローブビームは、投影側イメージング群20、及びビームスプリッタ40を通って伝播し、検出側マークプレート50上のスポットを形成(結像)する。しかし、入射プローブビームが偏向プリズム30によって反射・偏向された後、基板60は、量h(実線)で、デフォーカスされる場合、入射プローブビームは、基板60によって復路を戻る。望ましいシナリオにおいて、HI = CG = 2×CF = 4h×cosαとして表現される量によって、側方にオフセットされる。αは、基板60におけるプローブビームの入射角度を示す。それゆえ、
図3におけるプローブビームの実際の位置O’と望ましい位置Oとの偏差は、4h×cosα×β(ここで、βは、基板60から検出側マークプレート50までの倍率を表示する)として得ることができる。距離O’Oは、上記式によって計算可能な、基板60のデフォーカス量hから測定することができる。
【0026】
上記デフォーカス量(h)の計算は、基板60の表面の1つ、又は複数のポイントにおいて行ってもよい。そのポイントが1つよりも大きい場合、その基板60が傾いているかどうかを決定するため、その計算の結果に合う面を、水平面と比較してもよい。それゆえ、この実施の形態に係るフォーカシング・レベリング装置は、デフォーカス量、及び基板の傾きの少なくとも1つを計算することに適合している。
【0027】
上記したように、一方、フォーカシング・レベリング装置は、投影側4F光学系の複合化(セパレートした検出側4F光学系の省略)による構成の簡略化、及び小型化を可能にする。他方、プローブビームは、その基板60の表面において2回反射されるため、デフォーカス量、または、形成された結像(スポット)の位置の傾きへのインパクト(影響、効果、感化)が2倍となる。上記した数式から理解することができるように、これは、計測の正確性を2倍とする。
【0028】
実施の形態2.
図6を参照すると、実施の形態2は、検出側マークプレート50の2回目の反射から基板60の表面までプローブビームの伝播路において、実施の形態1と本質的に異なる。具体的に、投影側イメージング群20は、フロントレンズ群21と、一組のミラー23と、リヤレンズ群22とを備える。投影側マークプレート10からのプローブビームは、フロントレンズ群21と、一組のミラー23と、ビームスプリッタ40と、リヤレンズ群22とを連続して通過した後、基板60の表面へ入射する。さらに、その後、基板60の表面の2回目の反射まで、プローブビームは、リヤレンズ群22を通過して再び伝播し、その後、ビームスプリッタ40によって検出側マークプレート50へ反射する。この実施の形態2に係る一組のミラー23は、プローブビームの出る方向を変化することができる可動ミラーと固定ミラーとを含む。
【0029】
この実施の形態に係るフォーカシング・レベリング装置は、さらに検出側レンズ群70を含む。検出側レンズ群70は、ビームスプリッタ40と検出ユニット50との間に配置される。
【0030】
同様に、この実施の形態に係るフォーカシング・レベリング装置も、デフォーカス量、及び基板の傾きの少なくとも1つを、2倍の計測精度で計算することに適合している。
【0031】
上記の説明は、本発明の少数の好ましい形態を示すものにすぎず、様々な変化や改良が、本発明の精神やスコープから離れることなく、その技術の通常の知識を有する技術者によってなされる。よって、本発明は、それらが添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内にある場合、そのようなすべての変更および修正を含むことを意図している。
【符号の説明】
【0032】
図1−
図2:1 投影側マークプレート;2 投影側フロントレンズ群;3 投影側リヤレンズ群;4 ウェハ;5 検出側フロントレンズ群;6 検出側リヤレンズ群;7 検出側マークプレート
図3−
図6:10 投影側マークプレート;20 投影側イメージング群;21 フロントレンズ群;22 リヤレンズ群;23 一組のミラー;30 偏向プリズム;31 斜面;32 直角面;40 ビームスプリッタ;50 検出側マークプレート;60 基板;70 検出側レンズ群;