(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
患者の意思に基づく操作によって医療従事者を呼び出すためのナースコール子機と、上記患者の状態に応じて上記医療従事者を呼び出すための患者状態検出機器とを備え、上記ナースコール子機からの呼び出しが行われた際に、呼び出しが行われていることを上記患者が確認できるようにするための呼出確認動作を行うようになされたナースコールシステムであって、
上記医療従事者に対する上記呼び出しの実行に関しては上記ナースコール子機よりも上記患者状態検出機器の優先度を高く設定する一方、上記呼出確認動作の実行の有無に関しては、上記患者状態検出機器からの呼び出しに対して上記呼出確認動作を行わないことよりも、上記ナースコール子機からの呼び出しに基づき上記呼出確認動作を行うことの優先度を高く設定する優先度設定部と、
上記ナースコール子機からの呼び出しが発生して上記患者状態検出機器からの呼び出しが発生していないときには上記呼出確認動作を行い、上記患者状態検出機器からの呼び出しが発生して上記ナースコール子機からの呼び出しが発生していないときには上記呼出確認動作を行わず、上記ナースコール子機からの呼び出しと上記患者状態検出機器からの呼び出しとが重複して発生した場合、上記優先度設定部により設定された優先度に従って、上記ナースコール子機からの呼び出しに基づき上記呼出確認動作を行うように制御する呼出確認動作制御部とを備えた
ことを特徴とするナースコールシステム。
上記呼出確認動作制御部は、上記ナースコール子機からの呼び出しが発生したときに、呼出確認灯の点灯または点滅を行うように制御することを特徴とする請求項1に記載のナースコールシステム。
上記呼出確認動作制御部は、上記ナースコール子機からの呼び出しが発生したときに、呼出確認音の出力を行うように制御することを特徴とする請求項1に記載のナースコールシステム。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院などで用いられているナースコールシステムでは、患者がナースコール子機の呼出ボタンを押下することによって医療従事者を呼び出したときに、呼び出しが確かに行われていることを患者が確認できるように、ベッドサイドの壁面等に設置された呼出確認灯(呼出表示器ともいう)を点灯または点滅(以下、単に点灯という)させることが行われている。
【0003】
なお、ナースコール子機の中には、患者の意思で医療従事者を呼び出すためのものとは異なり、患者の状態に応じて医療従事者を呼び出すためのもの(以下、患者状態検出機器という)が存在する。その一例として、患者の離床や徘徊などを検出するためのマットセンサがある。このような患者状態検出機器を用いる場合、呼び出しが行われたときに、呼出確認灯を点灯させるのは好ましくない。患者が呼び出しを行ってしまったと萎縮したり、それ以降は患者がマットセンサを避けるような行動を取ったりするケースが生じてしまうからである。
【0004】
このような事態を解消するために、患者状態検出機器から呼び出しが行われたときに、呼出確認灯を点灯させないようにする技術が考案されている(例えば、特許文献1の段落[0011]参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、優先度の低い呼び出しが行われているときに、それよりも優先度の高い呼び出しが行われた場合に、優先度の高い呼び出しを優先して実行するようにしたナースコールシステムが知られている(例えば、特許文献2の段落[0053]参照)。
【0007】
しかしながら、患者状態検出機器を用いたナースコールシステムに対して特許文献1,2に記載の技術を適用し、患者状態検出機器からの呼び出しの優先度を通常のナースコール子機(患者の意思で医療従事者を呼び出すためのもの)からの呼び出しの優先度よりも高く設定すると、以下のような問題を生じることがあった。
【0008】
すなわち、患者状態検出機器からの呼び出しが行われている際に、通常のナースコール子機からの呼び出しが行われると、通常のナースコール子機の優先度が低いため、患者状態検出機器からの呼び出しが継続し、呼出確認灯が消灯したままとなってしまう。このため、患者が通常のナースコール子機を操作して呼び出しを行っても、呼び出しが行われているか否かを確認することができなくなってしまうという問題があった。
【0009】
一方、通常のナースコール子機からの呼び出しが行われている際に、患者状態検出機器からの呼び出しが行われると、通常のナースコール子機の優先度が低いため、患者状態検出機器からの呼び出しが優先されて、呼出確認灯が消灯してしまう。このため、患者が通常のナースコール子機を操作して行った呼び出しが完了したと患者に思わせてしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、通常のナースコール子機からの呼び出しと、それよりも優先度が高く設定されている患者状態検出機器からの呼び出しとが重複して発生した場合においても、通常のナースコール子機からの呼び出しの状態を患者が確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明では、ナースコール子機からの呼び出しが発生したときには呼出確認動作を行う一方、患者状態検出機器からの呼び出しが発生したときには呼出確認動作を行わないようにするとともに、医療従事者に対する呼び出しの実行に関して、ナースコール子機よりも患者状態検出機器の優先度を高く設定する。さらに、呼出確認動作の実行に関しては患者状態検出機器よりもナースコール子機の優先度を高く設定し、ナースコール子機からの呼び出しと患者状態検出機器からの呼び出しとが重複して発生した場合に、呼出確認動作の実行に関して設定された優先度に従って呼出確認動作を行うようにしている。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した本発明によれば、呼出確認動作を行うようになされたナースコール子機からの呼び出しと、呼出確認動作を行わないようになされた患者状態検出機器からの呼び出しとが重複して発生し、医療従事者に対する呼び出しの実行に関する優先度に従ってナースコール子機からの呼び出しの実行が待機状態になった場合であっても、呼出確認動作は実行されるようになる。これにより、ナースコール子機からの呼び出しと患者状態検出機器からの呼び出しとが重複して発生した場合であっても、ナースコール子機からの呼び出しの状態を確認することができるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態によるナースコールシステムの全体構成例を示す図である。なお、ここでは病院に設置されるナースコールシステムを例にとって説明するが、本実施形態のナースコールシステムは、病院に設置されるものに限定されない。例えば、介護施設等に設置される場合にも適用可能である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態のナースコールシステムは、ナースコール親機1、制御機2、廊下灯3、壁埋込形子機4、ナースコール子機5およびマットセンサ6を備えて構成されている。
【0016】
ナースコール親機1は、ナースコール子機5およびマットセンサ6からの呼び出しを医療従事者に報知し、医療従事者がその呼び出しに対する応答の操作を行うためのものであり、例えばナースセンタに設置される。制御機2は、ナースコール親機1と廊下灯3との間に接続され、通話やデータの送受信に関する制御を行う。
【0017】
廊下灯3は、病院の各病室の入口付近外部に設置される。この廊下灯3は、表示装置を備え、病室内の患者名が表示されるとともに、病室内の患者がナースコール子機5を用いて医療従事者の呼び出しを行うと、呼び出しが行われたことが表示されるようになっている。また、患者の所定の状態がマットセンサ6により検出されて呼び出しが行われた場合も、呼び出しが行われたことが表示されるようになっている。
【0018】
壁埋込形子機4は、病室の各ベッドサイドの壁に埋め込み設置される。この壁埋込形子機4は、廊下灯3に接続されている。また、壁埋込形子機4は、ナースコール子機5を接続するための第1接続端子4aと、マットセンサ6を接続するための第2接続端子4bと、ナースコール子機5からの呼び出しが行われた際に、呼び出しが行われていることを患者が確認できるようにするための呼出確認灯4cとを備えている。
【0019】
ナースコール子機5は、壁埋込形子機4の第1接続端子4aに接続される。ナースコール子機5は、患者の意思に基づく操作によって医療従事者を呼び出すためのものであり、患者が医療従事者を呼び出すための呼出ボタンと、患者が医療従事者と会話を行う際に使用するマイクおよびスピーカとを備えている。なお、マイクおよびスピーカは、壁埋込形子機4が備えるようにしてもよい。
【0020】
患者がナースコール子機5の呼出ボタンを押下すると、医療従事者に対する呼び出しが発生し、その呼出信号が壁埋込形子機4、廊下灯3および制御機2を介してナースコール親機1に送信される。この呼出信号の中には、呼び出しを行ったナースコール子機5の子機IDと、当該ナースコール子機5が接続されている壁埋込形子機4の子機IDとが含まれている。そして、医療従事者がナースコール親機1において応答の操作を行うと、ナースコール親機1とナースコール子機5との間で通話を行うことが可能となる。
【0021】
マットセンサ6は、壁埋込形子機4の第2接続端子4bに接続される。マットセンサ6は、患者の意思とは関係なく、患者の状態に応じて医療従事者を呼び出すための患者状態検出機器の一例である。例えば、マットセンサ6は、重量センサを備えて構成され、患者が使用するベッドの下に敷いて使用される。そして、患者がマットセンサ6に乗ったことを検知すると、患者の徘徊またはベッドからの落下を知らせるための呼び出しが発生し、その呼出信号が壁埋込形子機4、廊下灯3および制御機2を介してナースコール親機1に送信される。この呼出信号の中には、呼び出しを行ったマットセンサ6の子機IDと、当該マットセンサ6が接続されている壁埋込形子機4の子機IDとが含まれている。
【0022】
また、マットセンサ6は、患者が使用するベッドに敷いて使用されることもある。この場合、患者が起き上がったことをマットセンサ6により検知すると、患者の離床を知らせるための呼び出しが発生し、その呼出信号が壁埋込形子機4、廊下灯3および制御機2を介してナースコール親機1に送信される。この呼出信号の中には、呼び出しを行ったマットセンサ6の子機IDと、当該マットセンサ6が接続されている壁埋込形子機4の子機IDとが含まれている。
【0023】
壁埋込形子機4の呼出確認灯4cは、ナースコール子機5からの呼び出しが行われた際に、呼び出しが行われていることを患者が確認できるようにするために点灯または点滅(以下、単に点灯という)する。一方、マットセンサ6からの呼び出しが行われたときは、呼び出しが行われていることを患者に悟られないようにするために、呼出確認灯4cは消灯したままである。この呼出確認灯4cの表示は、ナースコール親機1からの指令によって制御される。
【0024】
図2は、本実施形態によるナースコール親機1の機能構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態によるナースコール親機1は、呼出受付部11、呼出実行部12、呼出確認動作制御部13、応答受付部14および優先度設定部15を備えている。
【0025】
上記各機能ブロック11〜15は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11〜15は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。なお、当該プログラムは、ハードディスクや半導体メモリ等の他の記録媒体に記憶されていてもよい。
【0026】
呼出受付部11は、ナースコール子機5およびマットセンサ6からの呼び出しを受け付ける。すなわち、呼出受付部11は、ナースコール子機5およびマットセンサ6から壁埋込形子機4、廊下灯3および制御機2を介して送られてくる呼出信号を受信する。そして、受信した呼出信号によって伝えられる子機情報(呼び出しを行ったナースコール子機5またはマットセンサ6を特定するための子機IDなど)に基づいて、患者情報記憶部(図示せず)を参照することにより、呼び出しが行われたナースコール子機5またはマットセンサ6に対応する患者を特定し、患者情報を呼出実行部12に通知する。
【0027】
呼出実行部12は、呼出受付部11がナースコール子機5またはマットセンサ6からの呼び出しを受け付けたときに、所定の呼出動作を実行する。すなわち、呼出実行部12は、呼出受付部11から通知される患者情報をナースコール親機1のディスプレイに表示させるとともに、呼出音をスピーカから出力する。なお、医療従事者が所持する携帯端末を携帯型ナースコール親機として用いるようになされたナースコールシステムの場合、呼出実行部12は、携帯端末に対する呼び出しも実行する。
【0028】
呼出確認動作制御部13は、ナースコール子機5からの呼び出しが発生したときには呼出確認動作を行う一方、マットセンサ6からの呼び出しが発生したときには呼出確認動作を行わないように、呼出確認灯4cを制御する。すなわち、呼出確認動作制御部13は、呼出受付部11がナースコール子機5からの呼び出しを受け付けたときは、点灯指令信号を壁埋込形子機4に送信することにより、呼出確認灯4cを点灯させる。一方、呼出受付部11がマットセンサ6からの呼び出しを受け付けたときは、消灯指令信号を壁埋込形子機4に送信することにより、呼出確認灯4cを消灯させる
。
【0029】
応答受付部14は、ナースコール親機1からの応答を受け付けて、所定の応答動作を実行する。例えば、医療従事者が呼び出しに応答するためにナースコール親機1のハンドセット(図示せず)をオフフックすると、オフフックされたことを応答受付部14が受け付けて、上述した呼出実行部12による呼出動作および呼出確認動作制御部13による呼出確認動作を停止させる。なお、携帯端末を携帯型ナースコール親機として用いている場合、応答受付部14は、携帯型ナースコール親機からの応答も受け付けて、上述した応答動作を実行する。
【0030】
優先度設定部15は、呼出実行部12による医療従事者に対する呼出動作の実行に関して、ナースコール子機5よりもマットセンサ6の優先度を高く設定する。一方、優先度設定部15は、呼出確認動作制御部13による呼出確認動作の実行に関しては、マットセンサ6よりもナースコール子機5の優先度を高く設定する。これらの設定は、あらかじめ決められたものである。ただし、呼出実行部12による医療従事者に対する呼出動作の実行の優先度に関しては、ユーザが可変設定できるようにしてもよい。
【0031】
呼出実行部12は、ナースコール子機5からの呼び出しとマットセンサ6からの呼び出しとが重複して発生した場合、優先度設定部15により設定された優先度に従って呼出動作を行う。同様に、呼出確認動作制御部13は、ナースコール子機5からの呼び出しとマットセンサ6からの呼び出しとが重複して発生した場合、優先度設定部15により設定された優先度に従って呼出確認動作を行う。
【0032】
すなわち、呼出実行部12は、ナースコール子機5からの呼び出しとマットセンサ6からの呼び出しとが重複して発生した場合、ナースコール子機5からの呼び出しに関する呼出動作を待機させ、マットセンサ6からの呼び出しに関する呼出動作を優先して実行する。そして、マットセンサ6からの呼び出しに対して医療従事者による応答が行われた後、待機状態としていたナースコール子機5からの呼び出しに関する呼出動作を実行する。
【0033】
また、呼出確認動作制御部13は、ナースコール子機5からの呼び出しとマットセンサ6からの呼び出しとが重複して発生した場合、ナースコール子機5からの呼び出しに対して医療従事者による応答が行われるまでの間、呼出確認灯4cの点灯状態を維持するように制御する。そして、ナースコール子機5からの呼び出しに対して医療従事者による応答が行われたときに、呼出確認灯4cを消灯させる。
【0034】
図3および
図4は、本実施形態によるナースコールシステムの動作例を示す図である。
図3は、最初にナースコール子機5からの呼び出しが発生し、その後にマットセンサ6からの呼び出しが発生した場合の動作例を示している。一方、
図4は、最初にマットセンサ6からの呼び出しが発生し、その後にナースコール子機5からの呼び出しが発生した場合の動作例を示している。
【0035】
図3に示すように、時刻T1においてナースコール子機5からの呼び出しが発生すると、呼出実行部12は、そのナースコール子機5からの呼び出しに関する呼出動作を直ちに実行する。また、呼出確認動作制御部13は、点灯指令信号を壁埋込形子機4に送信することにより、呼出確認灯4cを点灯させる。
【0036】
その後、時刻T2においてマットセンサ6からの呼び出しが発生すると、呼出実行部12は、ナースコール子機5からの呼び出しに関する呼出動作を待機状態に移行し、マットセンサ6からの呼び出しに関する呼出動作を直ちに実行する。このとき、呼出確認動作制御部13は、壁埋込形子機4に消灯指令信号は送信せず、呼出確認灯4cの点灯状態を維持する。
【0037】
その後、時刻T3において、マットセンサ6からの呼び出しに対して医療従事者による応答が行われると、呼出実行部12は、マットセンサ6からの呼び出しに関する呼出動作を直ちに停止し、待機状態としていたナースコール子機5からの呼び出しに関する呼出動作を再開する。このときも、呼出確認動作制御部13は、壁埋込形子機4に消灯指令信号は送信せず、呼出確認灯4cの点灯状態を維持する。
【0038】
その後、時刻T4において、再開されたナースコール子機5からの呼び出しに対して医療従事者による応答が行われると、呼出実行部12は、ナースコール子機5からの呼び出しに関する呼出動作を直ちに停止する。また、呼出確認動作制御部13は、壁埋込形子機4に消灯指令信号を送信して、呼出確認灯4cを消灯させる。
【0039】
図4に示すように、時刻T1においてマットセンサ6からの呼び出しが発生すると、呼出実行部12は、そのマットセンサ6からの呼び出しに関する呼出動作を直ちに実行する。また、呼出確認動作制御部13は、消灯指令信号を壁埋込形子機4に送信することにより(または、何ら指令信号を壁埋込形子機4に送信しないことにより)、呼出確認灯4cを消灯したままとしておく。
【0040】
その後、時刻T2においてナースコール子機5からの呼び出しが発生すると、呼出実行部12は、ナースコール子機5からの呼び出しに関する呼出動作を待機状態とし、マットセンサ6からの呼び出しに関する呼出動作を続行する。このとき、呼出確認動作制御部13は、点灯指令信号を壁埋込形子機4に送信することにより、呼出確認灯4cを点灯させる。
【0041】
その後、時刻T3において、マットセンサ6からの呼び出しに対して医療従事者による応答が行われると、呼出実行部12は、マットセンサ6からの呼び出しに関する呼出動作を直ちに停止し、待機状態としていたナースコール子機5からの呼び出しに関する呼出動作を開始する。このとき、呼出確認動作制御部13は、壁埋込形子機4に消灯指令信号は送信せず、呼出確認灯4cの点灯状態を維持する。
【0042】
その後、時刻T4において、ナースコール子機5からの呼び出しに対して医療従事者による応答が行われると、呼出実行部12は、ナースコール子機5からの呼び出しに関する呼出動作を直ちに停止する。また、呼出確認動作制御部13は、壁埋込形子機4に消灯指令信号を送信して、呼出確認灯4cを消灯させる。
【0043】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、ナースコール子機5からの呼び出しが発生したときには呼出確認灯4cを点灯させる一方、マットセンサ6からの呼び出しが発生したときには呼出確認灯4cを点灯させないようになされたナースコールシステムにおいて、医療従事者に対する呼出動作の実行に関して、ナースコール子機5よりもマットセンサ6の優先度を高く設定する一方、呼出確認灯4cを用いた呼出確認動作の実行に関しては、マットセンサ6よりもナースコール子機5の優先度を高く設定している。そして、呼出確認動作制御部13は、ナースコール子機5からの呼び出しとマットセンサ6からの呼び出しとが重複して発生した場合に、呼出確認動作の実行に関して設定された優先度に従って呼出確認灯4cの表示制御を行うようにしている。
【0044】
このように構成した本実施形態のナースコールシステムによれば、呼出確認灯4cの点灯を行うようになされたナースコール子機5からの呼び出しと、呼出確認灯4cの点灯を行わないようになされたマットセンサ6からの呼び出しとが重複して発生し、医療従事者に対する呼出動作の実行に関する優先度に従ってナースコール子機5からの呼び出しの実行が待機状態になった場合であっても、呼出確認灯4cの点灯は実行されるようになる。これにより、ナースコール子機5からの呼び出しとマットセンサ6からの呼び出しとが重複して発生した場合であっても、ナースコール子機5からの呼び出しを行った患者は、呼び出しが行われていることを呼出確認灯4cの点灯によって確認することができる。
【0045】
なお、上記実施形態では、ナースコール子機5からの呼び出しが発生したときに、呼出確認動作制御部13が呼出確認灯4cの点灯を行うように制御する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、呼出確認灯4cに変えてスピーカを壁埋込形子機4に設け、呼出確認動作制御部13は、ナースコール子機5からの呼び出しが発生したときに、呼出確認音の出力を行うように壁埋込形子機4を制御するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、呼出確認動作制御部13および優先度設定部15の機能をナースコール親機1が備える例について説明したが、制御機2が備えるようにしてもよい。この場合、優先度設定部15の機能のうち、呼出動作の優先度を設定する機能はナースコール親機1が備え、呼出確認動作の優先度を設定する機能は制御機2が備えるようにしてもよい。また、呼出確認動作の優先度を設定する機能と呼出確認動作制御部13の機能とを壁埋込形子機4が備えるようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、患者状態検出機器としてマットセンサ6を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、患者の離床や徘徊などを検出するための赤外線センサを用いることも可能である。その他、患者の意思による操作によって呼び出しを行うものではなく、患者の状態に応じて呼び出し行うものであれば、何れもマットセンサ6に代えて適用することが可能である。
【0048】
また、上記実施形態では、壁埋込形子機4に呼出確認灯4cを設ける構成例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ナースコール子機5に小型の呼出確認灯を設け、ナースコール子機5からの呼び出しが行われたときにこれを点灯させるようにしてもよい。あるいは、ナースコール子機5が備えるスピーカに対して、呼出確認音を出力するようにしてもよい。
【0049】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。