特許第6811105号(P6811105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6811105制御装置、中継装置、制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6811105
(24)【登録日】2020年12月16日
(45)【発行日】2021年1月13日
(54)【発明の名称】制御装置、中継装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20201228BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20201228BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20201228BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20201228BHJP
【FI】
   H04W72/12 150
   H04W88/04
   H04W28/04 110
   H04W92/18
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-10576(P2017-10576)
(22)【出願日】2017年1月24日
(65)【公開番号】特開2018-121172(P2018-121172A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2019年3月6日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)(出願人による申告)平成28年度総務省「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発〜複数移動通信網の最適利用を実現する制御基盤技術に関する研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】599108264
【氏名又は名称】株式会社KDDI総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】北川 幸一郎
(72)【発明者】
【氏名】本間 寛明
(72)【発明者】
【氏名】末柄 恭宏
【審査官】 横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−300573(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0233454(US,A1)
【文献】 特開2011−239076(JP,A)
【文献】 特開2014−225859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置から端末装置に信号が送信され、当該信号への確認応答が当該端末装置から中継装置を介して前記制御装置へ送信されるシステムにおける前記制御装置であって、
前記中継装置から、前記中継装置と前記端末装置との間の通信に要する時間に関する情報を取得する取得手段と、
前記情報に基づいて、前記中継装置から前記制御装置へ前記確認応答が送信されるべきタイミングであって、前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とする前記タイミングを決定する決定手段と
決定した前記タイミングに関する情報を前記中継装置へと通知する通知手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記時間と、前記端末装置および前記中継装置における処理遅延とに基づいて、前記中継装置から前記制御装置へ前記確認応答が送信されるために要する時間を算出して、当該算出した時間に基づいて前記タイミングを決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記決定手段は、複数の前記端末装置のための前記時間が算出された場合、当該算出された前記時間に基づいて、その複数の前記端末装置の少なくとも一部に共通の前記タイミングを決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記中継装置と前記端末装置との間の通信に要する時間に関する情報として、前記中継装置と前記端末装置との間の通信で用いられる無線アクセス技術を示す情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記取得手段は、さらに、前記中継装置から前記タイミングを変更する要求を取得し、
前記決定手段は、前記要求にさらに従って、前記タイミングを更新する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記要求を受信した場合に前記タイミングを遅くし、前記要求を受信しない期間が所定期間に達した場合に前記タイミングをより早くする、
ことを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
制御装置から端末装置に信号が送信され、当該信号への確認応答が当該端末装置から中継装置を介して前記制御装置へ送信されるシステムにおける前記中継装置であって、
前記制御装置に対して、前記中継装置と前記端末装置との間の通信に要する時間に関する情報を通知する通知手段と、
前記情報に基づいて決定された前記確認応答が送信されるべきタイミングの情報であって、前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とする前記タイミングの情報を前記制御装置から取得する取得手段と、
前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とした前記タイミングにおいて、前記制御装置から前記端末装置へ送信された信号に関する前記確認応答を前記制御装置へと送信する送信手段と、
を有することを特徴とする中継装置。
【請求項8】
前記通知手段は、前記中継装置と前記端末装置との間の通信に要する時間に関する情報として、前記中継装置と前記端末装置との間の通信で用いられる無線アクセス技術を示す情報を前記制御装置へと通知する、
ことを特徴とする請求項7に記載の中継装置。
【請求項9】
前記送信手段は、前記タイミングに基づく時間内に前記端末装置から確認応答を受信しなかった場合、前記制御装置へ否定的な確認応答を送信する、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の中継装置。
【請求項10】
前記通知手段は、さらに、前記中継装置と前記端末装置との間の通信の状態に応じて、前記タイミングを変更する要求を前記制御装置へ通知する、
ことを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項11】
前記通知手段は、所定期間内に前記端末装置から確認応答を正常に受信しなかった回数が所定回数以上である場合に前記タイミングをより遅く変更する前記要求を前記制御装置へ通知する、
ことを特徴とする請求項10に記載の中継装置。
【請求項12】
制御装置から端末装置に信号が送信され、当該信号への確認応答が当該端末装置から中継装置を介して前記制御装置へ送信されるシステムにおける前記制御装置によって実行される制御方法であって、
記中継装置から、前記中継装置と前記端末装置との間の通信に要する時間に関する情報を取得する取得工程と、
記情報に基づいて、前記中継装置から前記制御装置へ前記確認応答が送信されるべきタイミングであって、前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とする前記タイミングを決定する決定工程と、
定した前記タイミングに関する情報を前記中継装置へと通知する通知工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項13】
制御装置から端末装置に信号が送信され、当該信号への確認応答が当該端末装置から中継装置を介して前記制御装置へ送信されるシステムにおける前記中継装置によって実行される制御方法であって、
記制御装置に対して、前記中継装置と前記端末装置との間の通信に要する時間に関する情報を通知する通知工程と、
記情報に基づいて決定された前記確認応答が送信されるべきタイミングの情報であって、前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とする前記タイミングの情報を前記制御装置から取得する取得工程と、
前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とした前記タイミングにおいて、前記制御装置から前記端末装置へ送信された信号に関する前記確認応答を前記制御装置へと送信する送信工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
制御装置から端末装置に信号が送信され、当該信号への確認応答が当該端末装置から中継装置を介して前記制御装置へ送信されるシステムにおける前記制御装置に備えられたコンピュータに、
前記中継装置から、前記中継装置と前記端末装置との間の通信に要する時間に関する情報を取得させ、
前記情報に基づいて、前記中継装置から前記制御装置へ前記確認応答が送信されるべきタイミングであって、前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とする前記タイミングを決定させ、
決定した前記タイミングに関する情報を前記中継装置へと通知させる、
ためのプログラム。
【請求項15】
制御装置から端末装置に信号が送信され、当該信号への確認応答が当該端末装置から中継装置を介して前記制御装置へ送信されるシステムにおける前記中継装置に備えられたコンピュータに、
前記制御装置に対して、前記中継装置と前記端末装置との間の通信に要する時間に関する情報を通知させ、
前記情報に基づいて決定された前記確認応答が送信されるべきタイミングの情報であって、前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とする前記タイミングの情報を前記制御装置から取得させ、
前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とした前記タイミングにおいて、前記制御装置から前記端末装置へ送信された信号に関する前記確認応答を前記制御装置へと送信させる、
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継通信が行われる場合の確認応答の送受信に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)では、基地局装置が割り当てたリソースを用いた端末間通信(Device to Device(D2D)通信)が規定されている。D2D通信は、例えば、基地局装置と所定の端末装置との間の通信を中継する際に用いることもできる。すなわち、基地局装置は、第1の端末装置との間で確立した無線リンクを用いて信号を送信し又は信号を受信し、第1の端末装置は、第2の端末装置との間でD2D通信によって、基地局装置からの信号を第2の端末装置へ転送し、又は第2の端末装置からの信号を基地局装置へ転送する。
【0003】
中継装置を介して基地局装置との間の通信を行う端末装置は、必ずしも信号の送信と受信との両方を、中継装置を介して行うことができるわけではない場合がある。例えば、中継装置は、基地局装置から下りリンクの周波数で受信した信号を、上りリンクの周波数で転送する場合がある。この場合、端末装置は、上りリンクの周波数での信号を受信する能力を有しない場合、その転送された信号を受信することができない。したがって、例えば、端末装置は、下りリンクに関する通信については基地局装置との間で直接行い、上りリンクに関する通信のみを中継装置を介して行うことが考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、上述のように、上りリンクの通信経路と下りリンクの通信経路とが非対称である場合、受信側の装置における信号の受信状況を確認するための確認応答がどのように取り扱われるかが課題となる。例えば、端末装置は、下りリンクで伝送された信号を受信した場合に、中継装置を介して確認応答を送信することとなる。しかしながら、中継装置と端末装置との間の通信は必ずしも一定時間内に完了するとは限らず、基地局装置が安定して確認応答を受信することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、信号の送信と受信とにおいて非対称な通信経路が用いられる場合の確認応答の送受信を安定して行う技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様による制御装置は、制御装置から端末装置に信号が送信され、当該信号への確認応答が当該端末装置から中継装置を介して前記制御装置へ送信されるシステムにおける前記制御装置であって、前記中継装置から、前記中継装置と前記端末装置との間の通信に要する時間に関する情報を取得する取得手段と、前記情報に基づいて、前記中継装置から前記制御装置へ前記確認応答が送信されるべきタイミングであって、前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とする前記タイミングを決定する決定手段と、決定した前記タイミングに関する情報を前記中継装置へと通知する通知手段と、を有する。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本発明の別の一態様による中継装置は、制御装置から端末装置に信号が送信され、当該信号への確認応答が当該端末装置から中継装置を介して前記制御装置へ送信されるシステムにおける前記中継装置であって、前記制御装置に対して、前記中継装置と前記端末装置との間の通信に要する時間に関する情報を通知する通知手段と、前記情報に基づいて決定された前記確認応答が送信されるべきタイミングの情報であって、前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とする前記タイミングの情報を前記制御装置から取得する取得手段と、前記制御装置から前記端末装置へ信号が送信された時点を基準とした前記タイミングにおいて、前記制御装置から前記端末装置へ送信された信号に関する前記確認応答を前記制御装置へと送信する送信手段と、を有する。


【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、信号の送信と受信とにおいて非対称な通信経路が用いられる場合の確認応答の送受信を安定して行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】無線通信システムの構成例を示す図。
図2】制御装置及び端末装置のハードウェア構成例を示す図。
図3】制御装置の機能構成例を示すブロック図。
図4】端末装置の機能構成例を示すブロック図。
図5】無線通信システムで実行される処理の流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0011】
(ネットワーク構成)
図1に、本実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す。本無線通信システムは、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)で規格化されたセルラ通信規格に従って動作する、基地局装置(制御装置)101と端末装置102及び103とを含んで構成される。端末装置102及び103は、それぞれ、制御装置101と通信することができると共に、例えば制御装置101によって割り当てられた(例えば時間及び周波数によって指定される)無線リソースを用いて、端末間通信を行うことができる。端末装置102及び103は、このような制御装置101との間の第1の通信と端末間の第2の通信とを用いて、制御装置101と他の端末装置との間の通信を中継する中継装置として機能することができる。
【0012】
このような無線通信システムでは、一部の端末装置は、必ずしも信号の送信と受信との両方を、中継装置を介して行うことができるわけではない場合がある。例えば、端末装置は、一般に基地局装置からの下りリンクの信号を受信することができるように構成されるが、(例えば下りリンクと異なる周波数帯が用いられる)上りリンクでの無線信号を受信できる必要は必ずしもない。このため、このような端末装置は、中継装置として動作する端末装置が端末間通信において下りリンクの信号を送信することができない限りは、端末間通信の信号を受信できないこととなる。この場合、基地局装置は、このような端末装置に対して下りリンクの信号は直接送信しながら、上りリンクの信号については中継装置を介して間接的に受信するような構成をとることができる。このような構成は、基地局装置は送信電力を比較的大きくすることができる一方で、端末装置は使用可能な送信電力に(例えば低消費電力化等の要請により)厳しい制限がありうる点でも、合理的でありうる。すなわち、端末装置によっては、基地局装置からの信号を十分な品質で受信できても、自装置が送信した信号が基地局装置に十分な品質で届かない場合がありうる。このため、上りリンクの通信のみが中継で行われるだけでも、基地局装置と端末装置とが通信可能となる確率を向上させることができるようになる。
【0013】
さらに、一部の端末装置は、セルラ通信による端末間通信機能を有しない場合がある。このような端末装置は、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)やIEEE802.11規格に従う無線LAN等、他の無線アクセス技術(RAT)を用いて、端末間通信を行うことがありうる。このようなRATを用いた信号は、セルラ通信と比して使用可能な送信電力が低い場合が多く、また、セルラの基地局装置がこのようなRATに対応していないことも想定されうる。このため、端末間通信において異なるRATが用いられる場合にも、上りリンクでの通信において中継装置を使用することが有益でありうる。
【0014】
図1は、このような非対称な通信経路が用いられる状態を示している。すなわち、端末装置102が、端末装置103からの上りリンクの信号を受信して、その信号を制御装置101に転送することで、端末装置103と制御装置101との間の上りリンクの通信は、端末装置102を介して間接的に行われている。一方で、端末装置103は、制御装置101からの下りリンクの信号を、端末装置102を介さずに直接受信することができる。なお、中継装置として動作可能な端末装置102は、端末装置103からの上りリンクの信号を受信することができ、その信号を上りリンクの信号として制御装置101へ送信することができる端末装置の中から選択されうる。
【0015】
ここで、本実施形態では、このような上りリンクと下りリンクで非対称な通信経路が用いられる場合に、端末装置103が、下りリンクの信号に対して、受信状況を確認するための確認応答を制御装置101へ送信する手法について検討する。端末装置103は、下りリンクで伝送された信号を受信した場合に、中継装置(端末装置102)を介して確認応答を送信することとなる。しかしながら、端末装置102と端末装置103との間の通信は必ずしも一定時間内に完了するとは限らないため、制御装置101が安定して確認応答を受信できない場合がありうる。このため、制御装置101が、例えば確認応答が送信されうるリソースを、その確認応答が受信されるまで他の通信に割り当てることができないことや、確認応答を受信しない間は次のデータを送信できないこと等の問題が生じうる。
【0016】
これに対して、本実施形態の中継装置として動作する端末装置102は、端末装置103との間の通信に要する時間に関する情報を取得して、制御装置101へと通知する。このとき、端末装置102は、例えば、端末装置103との間で制御信号等の信号を送受信した際のラウンドトリップタイム(RTT)を測定して、端末装置103との間の通信に要する時間を推定しうる。また、端末装置102は、このような測定を複数回実行して、ジッタを推定し、そのジッタに関する情報を、端末装置103との間の通信に要する時間に関する情報として特定しうる。なお、端末装置102は、1つ以上の端末装置について同様の処理を実行し、それらについてのジッタ(すなわち、端末装置102が端末間通信を行う場合のジッタ)や、平均値等の統計値を、端末間通信に要する時間として特定してもよい。また、端末装置102は、例えばセルラ通信に係る端末間通信、BLE、無線LAN等の複数のRATを使用可能な場合、RATごとに端末間通信に要する時間を特定してもよい。この場合、端末装置102は、使用しているRATに対応する時間の情報を、端末間通信に要する時間を示す情報として、制御装置101へ通知しうる。また、制御装置101は、例えば実際に中継を介した通信を行う前に、中継装置として動作可能な端末装置から、端末間通信に要する時間を示す情報を収集しておいてもよい。この場合、制御装置101は、収集した情報が示す時間について、ジッタや統計値を特定してもよい。また、制御装置101は、端末間通信で使用されるRATごとに、このような情報を特定して保持しておいてもよい。この場合、端末装置102は、中継通信を行う際に、端末間通信で用いられるRATの情報を、端末間通信に要する時間に関する情報として、制御装置101へ通知してもよい。制御装置101は、通知されたRATの情報から、その中継通信における端末間通信に要する時間のジッタや統計値を特定することができる。
【0017】
なお、端末間通信に要する時間は、端末装置103が、受信したデータに対する確認応答を生成して変調して送信し、その送信された確認応答が端末装置102に到来し、端末装置102がその確認応答を復調するまでの時間でありうる。ただし、これに限られず、端末間通信に要する時間を推定可能な任意の値が用いられうる。なお、端末装置102は、自装置が通信の中継を行う場合の処理遅延(例えば、端末装置103からの確認応答を復調後に、その確認応答を制御装置101へ転送するための信号を生成する処理に要する時間)に関する情報を制御装置101へと通知しうる。また、端末装置102は、端末間通信における端末装置103での処理遅延(例えば、端末装置103がデータを受信して、その受信が正常に受信されたか否かの判定等の処理に要する時間)に関する情報を、制御装置101へと通知してもよい。端末装置102は、端末装置103での処理遅延の情報を、端末装置103から送信された情報を転送することによって制御装置101へと通知しうる。なお、制御装置101は、これらの処理遅延の少なくともいずれかに関して、一定の所定値を用いるものとして、端末装置102からの通知を受けなくてもよい。
【0018】
制御装置101は、端末装置102から取得した情報から、端末装置103へ信号を送信した際に、端末装置102が、端末装置103から受信した確認応答を転送可能な状態となるタイミングを推定する。例えば、制御装置101は、端末装置102から端末間通信で用いられるRATの情報を取得し、そのRATに対応する端末間通信に要する時間を特定する。なお、制御装置101は、ここでのRATに対応する端末間通信に要する時間として、例えば、その時間内にそのRATでの端末間通信が完了する確率が統計的に所定確率(例えば90%等)以上となるような値を特定する。そして、制御装置101は、この時間に、端末装置102及び端末装置103における処理遅延の値(例えば端末装置102から取得された値又は所定値)を加算して、上述のタイミングを特定する。そして、制御装置101は、この特定したタイミングを、端末装置102(中継装置)が確認応答を送信すべきタイミングとして、端末装置102へと通知しうる。
【0019】
なお、制御装置101は、端末装置103へ信号が送信されたタイミングの後に端末装置103からの確認応答を転送するまでに待機する期間を示す情報を、端末装置102(中継装置)が確認応答を送信すべきタイミングとして、端末装置102へ通知しうる。制御装置101は、この場合、さらに、端末装置103へ信号が送信されるタイミングを示す情報を、端末装置102へと通知しうる。なお、端末装置102が、待機期間と、その待機を開始する基準のタイミングとを認識できる限りにおいて、端末装置103へ信号が送信されるタイミングに関する情報が端末装置102へ通知される必要はない。例えば、基準のタイミングとして一定周期で送信される所定の信号の送受信タイミングが用いられる場合、この基準のタイミングに関する情報は、端末装置102へ通知されなくてもよい。また、制御装置101は、端末装置102が確認応答を転送することができる一定周期のタイミングを示す情報を端末装置102へと送信してもよい。このように、制御装置101は、端末装置103からの確認応答を端末装置102が転送するタイミングを端末装置102が特定することができる任意の形式で、そのタイミングに関する情報の通知を行いうる。
【0020】
また、制御装置101は、例えば、複数の端末装置について上述のタイミングを特定した場合、これらの複数の端末装置の少なくとも一部に共通のタイミングを、これらの端末装置が確認応答を転送するタイミングとして決定しうる。例えば、制御装置101は、2つ以上の端末装置を含む端末装置のグループに対して、そのグループ内の端末装置について特定されたタイミングのうち最も遅いものや平均値(又はこれに1以上の所定の係数を乗じた値)等を、共通のタイミングとして決定しうる。
【0021】
端末装置102は、制御装置101によって決定された、確認応答が送信されるべきタイミングの情報を取得すると、そのタイミングにおいて、制御装置101から端末装置103へ送信された信号に関する確認応答を制御装置101へと送信する。なお、端末装置102は、取得したタイミングに基づく所定の時間内に端末装置103から確認応答を受信しなかった場合、否定的な確認応答(NACK)を送信しうる。また、端末装置102は、自装置が制御装置101から受信した信号に関する確認応答を送信する必要がある場合、端末装置103に関する確認応答と併せて、制御装置101へと送信しうる。
【0022】
また、端末装置102は、端末装置102と端末装置103との通信の状態に応じて、端末装置103からの確認応答を転送すべきタイミングを制御装置101に変更させるための要求を、制御装置101へと送信しうる。例えば、端末装置102は、端末装置103からの確認応答を正常に受信しなかった場合(例えば所定期間内に確認応答を正常に受信しなかった回数が所定回数以上の場合)に、確認応答を転送すべきタイミングを遅くする要求を制御装置101へと送信しうる。なお、端末装置102は、確認応答を転送すべきタイミングと、端末装置103から実際に確認応答を受信した時間との差に関する情報を、上述の要求に含めて又はそれとは別個に、制御装置101へと通知してもよい。
【0023】
制御装置101は、この要求を受信すると、これに応じて、端末装置102が、端末装置103からの確認応答を転送すべきタイミングをより遅く更新する。また、制御装置101は、この要求を受信しない期間が所定期間に達した場合に、このタイミングをより早いタイミングへと変更する。なお、制御装置101は、端末装置102が確認応答を転送すべきタイミングと端末装置102が端末装置103から実際に確認応答を受信した時間との差の通知を受信した場合、この差に応じた長さに応じて、この確認応答を転送すべきタイミングを遅くする。すなわち、制御装置101は、この差が大きいほど、より大幅にタイミングを遅くする。そして、制御装置101は、この変更したタイミングを端末装置102へと通知し、端末装置102は、変更されたタイミングで、端末装置103からの確認応答を転送する。
【0024】
これにより、端末装置102が制御装置101から通知されたタイミングで端末装置103からの確認応答を転送するため、制御装置101は、不必要に確認応答用のリソースを確保することがなくなり、また、不必要に確認応答を待ち続ける必要がなくなる。また、端末装置102と端末装置103との間での端末間通信及び所定の処理に一定の時間を要する場合であっても、確認応答を送信すべきタイミングがその一定の時間に応じて決定される。このため、端末装置102及び端末装置103が処理を完了するのに十分な時間を確保することができ、端末装置102及び端末装置103の処理負荷やハードウェア等に対する要求を軽減することができる。
【0025】
なお、制御装置101は、所定期間内に、端末装置103からの肯定的な確認応答を端末装置102から受信しなかった場合に、端末装置103に対して同じデータを含んだ信号(又は同じデータの異なる冗長バージョンの信号)を送信してもよい。端末装置102は、例えば端末装置103から否定的な確認応答を受信した場合や、確認応答を受信しなかった場合、制御装置101に対して確認応答を転送しないようにしうる。これにより、端末装置102の処理負荷を軽減することが可能となる。また、この場合、制御装置101は、所定期間を待ったことに応じて信号の再送を行うことができるため、不必要に確認応答用のリソースを確保することがなくなり、また、不必要に確認応答を待ち続ける必要がなくなる。
【0026】
(装置構成)
続いて、上述のような処理を行う制御装置101及び端末装置102の構成について説明する。
【0027】
図2に、制御装置101及び端末装置102のハードウェア構成例を示す。制御装置101及び端末装置102は、一例において、図2に示すようなハードウェア構成を有し、例えば、CPU201、ROM202、RAM203、外部記憶装置204、及び通信装置205を有する。制御装置101及び端末装置102では、例えばROM202、RAM203及び外部記憶装置204のいずれかに記録された、上述のような制御装置101及び端末装置102の各機能を実現するプログラムがCPU201により実行される。なお、CPU201は、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)等の1つ以上のプロセッサによって置き換えられてもよい。
【0028】
そして、制御装置101及び端末装置102は、例えばCPU201により通信装置205を制御して、制御装置101及び端末装置102との間の通信又は端末装置102間の端末間通信を行う。なお、図2では、制御装置101及び端末装置102は、1つの通信装置205を有するような概略図を示しているが、これに限られない。例えば、制御装置101は、制御装置(基地局装置)間の通信用の通信装置及び端末装置との間の通信装置を有してもよい。また、端末装置102は、例えば制御装置との間のセルラ通信用の通信装置と、端末装置103との通信用のBLE等のセルラ通信と異なる通信用の通信装置とを有してもよい。
【0029】
なお、制御装置101及び端末装置102は、各機能を実行する専用のハードウェアを備えてもよいし、一部をハードウェアで実行し、プログラムを動作させるコンピュータでその他の部分を実行してもよい。また、全機能がコンピュータとプログラムにより実行されてもよい。
【0030】
図3は、制御装置101の機能構成例を示す図である。制御装置101は、その機能として、無線通信部301、情報取得部302、タイミング決定部303、及び通信制御部304を有する。また、制御装置101は、必要に応じて様々な情報を記憶する記憶部305を有しうる。無線通信部301は、少なくとも端末装置102及び103との間で、3GPPによって規定されたセルラ通信によって、無線信号を送信し、受信することができる。
【0031】
情報取得部302は、例えば、端末装置102から、無線通信部301を介して、端末装置102と端末装置103との間の通信に要する時間に関する情報を取得する。この情報は、上述のように、例えば端末装置102と端末装置103との間の端末間通信で用いられるRATを示す情報でありうる。この場合、情報取得部302は、記憶部305に記憶された、RATごとの、端末間通信に要する時間の情報の中から、端末装置102から取得した情報が示すRATに対応する時間の情報を取得しうる。この場合、情報取得部302は、例えば事前に端末装置102(及び必要に応じて他の端末装置)から、RATごとの、端末間通信に要する時間の情報を収集する。そして、情報取得部302は、収集した値から、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送すべきタイミングの決定のために用いる値を特定し、その値を記憶部305に記憶させうる。また、情報取得部302は、端末装置102と端末装置103との間の通信に要する時間の、端末装置102又は端末装置103による計測値の情報を取得してもよい。また、情報取得部302は、端末装置102と端末装置103との少なくともいずれかに関する処理遅延の大きさを取得しうる。なお、この処理遅延の大きさは、例えば、事前に定められ、記憶部305に記憶された所定値であってもよい。また、情報取得部302は、端末装置102と端末装置103との少なくともいずれかから取得した処理遅延の大きさに関する値を、例えばRATごとに、記憶部305に記憶させてもよい。また、情報取得部302は、端末装置102と端末装置103との少なくともいずれかから取得した処理遅延の大きさに関する値によって、記憶部305に記憶されている値を更新してもよい。
【0032】
タイミング決定部303は、情報取得部302が取得した情報に基づいて、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送すべきタイミングを決定する。例えば、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送すべきタイミングは、端末間通信に要する時間と、端末装置102及び端末装置103の処理遅延の値を加算することによって算出されうる。また、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送すべきタイミングは、この加算結果に所定の正の定数を加算した値、又は、例えば端末間通信に要する時間(又は端末装置102及び端末装置103の処理遅延の値)に所定の正の定数を乗じて上述の加算を行った結果の値として決定されてもよい。
【0033】
なお、タイミング決定部303は、端末装置102から、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送すべきタイミングを遅くすることの要求を受信すると、それに応じてより遅くなるようにタイミングを更新しうる。例えば、タイミング決定部303は、上述の所定の正の定数をより大きい値とすることにより、タイミングの更新を行うことができる。また、タイミング決定部303は上述の要求を所定期間にわたって受信しなかった場合には、より早くなるようにタイミングを更新しうる。また、タイミング決定部303は、端末装置102から、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送すべきタイミングと端末装置102が端末装置103から確認応答を実際に受信した時間との差に関する情報の通知を受信しうる。タイミング決定部303は、例えば、この差の情報を受信すると、この差が大きいほど、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送すべきタイミングを大きく遅らせるように、更新を行いうる。
【0034】
タイミング決定部303が決定したタイミングは、端末装置102へと通知される。
【0035】
通信制御部304は、端末装置との間での通信を制御する。通信制御部304は、例えば、データを端末装置103へ送信し、それに関する確認応答が端末装置102から受信された場合に、その確認応答が肯定的なものか否定的なものかに応じて、データの再送又は次のデータの送信を行う。このように、通信制御部304は、一般的な再送制御を含む通信制御を行う。
【0036】
図4は、端末装置102の機能構成例を示す図である。端末装置102は、無線通信部401、情報通知部402、タイミング取得部403、及び確認応答送信制御部404を含んで構成される。
【0037】
無線通信部401は、少なくとも制御装置101との間で、3GPPによって規定されたセルラ通信によって、無線信号を送信し、受信することができる。また、無線通信部401は、制御装置101によって割り当てられたリソースを用いてセルラ通信プロトコルに従って又は例えばセルラ通信と異なる通信プロトコルに従って、端末装置103との間での端末間通信を行うことができる。無線通信部401は、例えば、端末間通信を行うべきことを不図示の判定部によって判定した場合に制御装置101に対して端末間通信の要求を送信しうる。
【0038】
情報通知部402は、端末装置103との間の通信に要する時間に関する情報を、無線通信部401を介して制御装置101へと送信する。この情報は、例えば端末装置102と端末装置103との間の端末間通信において使用されるRATの情報でありうる。また、この情報は、端末装置102と端末装置103との間の端末間通信において、例えば所定の信号が送受信された際のラウンドトリップタイム等によって計測されうる。情報通知部402は、さらに、端末装置102の処理遅延に関する情報を制御装置101へと通知しうる。また、情報通知部402は、さらに、端末装置103の処理遅延に関する情報を端末装置103から取得して、その情報を制御装置101へと通知しうる。
【0039】
タイミング取得部403は、情報通知部402が通知した情報に基づいて制御装置101が決定した、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送するタイミングに関する情報を、制御装置101から取得する。この情報は、例えば、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送することができる周期を示す情報を含みうる。また、この情報は、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送する際に、基準のタイミングから待機すべき時間を示す情報を含んでもよい。さらに、この情報は、基準のタイミングを示す情報が含められてもよい。なお、基準のタイミングは、例えば、制御装置101が端末装置103へ信号を送信するタイミングでありうる。このため、制御装置101は、例えば端末装置103へ信号を送信するスケジュールに関する情報を端末装置102へ通知してもよい。
【0040】
確認応答送信制御部404は、タイミング取得部403で取得されたタイミングにおいて、制御装置101から送信された信号に対する端末装置103からの確認応答を転送する。ここで、確認応答送信制御部404は、例えば端末装置102が制御装置101からのデータを受信している場合は、端末装置103からの確認応答と併せて、その受信したデータに関する確認応答を送信するようにしうる。また、確認応答送信制御部404は、タイミング取得部403で取得されたタイミングに基づく時間内に端末装置103から確認応答を受信できなかった場合には、実際に端末装置103においてデータの受信に成功したか否かによらず、否定的な確認応答を制御装置101へ送信しうる。ここで、タイミング取得部403で取得されたタイミングに基づく時間は、その時間までに確認応答を受信できない場合に、確認応答送信制御部404がそのタイミングで端末装置103からの確認応答を送信できなくなる時間でありうる。
【0041】
確認応答送信制御部404は、さらに、端末装置103からの確認応答の受信に成功しなかった回数が所定期間内に所定回数以上となったことに応じて、端末装置103からの確認応答を送信すべきタイミングをより遅くすることを要求する信号を制御装置101へと送信しうる。なお、確認応答送信制御部404は、タイミング取得部403で取得されたタイミングに基づく時間内に端末装置103から確認応答を受信できなかった場合も、端末装置103からの確認応答の受信に失敗したと判定しうる。この場合、確認応答送信制御部404は、タイミング取得部403で取得されたタイミング(又はこのタイミングに基づく上述の時間)と、端末装置103からの確認応答が実際に受信されたタイミングとの差に関する情報を、制御装置101へと通知しうる。これにより、より実環境に適した確認応答の送信タイミングの制御を制御装置101が行うことが可能となる。
【0042】
(処理の流れ)
続いて、図5を用いて、無線通信システムにおいて実行される処理の流れについて説明する。
【0043】
本処理では、例えば、中継装置として動作する端末装置102は、制御装置101からの指示に応じて、端末装置103との間で端末間通信を行って、端末装置103からの信号を制御装置101へと転送する役割で動作するものとする。そして、端末装置102は、端末装置103との間の端末間通信に要する時間に関する情報を制御装置101へと通知する。例えば、端末装置102は、端末装置103との間の通信で用いるRATを決定すると、そのRATに関する情報を制御装置101へと通知しうる。また、端末装置102は、例えば端末装置103から受信した端末装置103の処理遅延に関する情報や、端末装置102における処理遅延に関する情報を制御装置101へと通知してもよい。このとき、端末装置102は、端末装置102と端末装置103との遅延の大きさの値をそれぞれ区別可能な方法で通知してもよいし、これらの値を合算した値を通知してもよい。
【0044】
なお、このときの通知は、任意の方法で行われうる。例えば、所定の信号形式のメッセージ内の所定のフィールドにおけるビット列によって、情報が明示的に通知されうる。また、端末装置102から制御装置101に対して端末間通信が完了したこと等を通知する信号形式(フォーマット)によって黙示的な通知が行われてもよい。例えば、セルラ通信に関するRATが用いられる場合は第1の信号形式のメッセージが制御装置101に送信され、BLE等の他のRATが用いられる場合は第2の信号形式のメッセージが制御装置101に送信されてもよい。また、通信に要する時間の大きさに応じた信号形式が選択されてもよい。また、例えば端末間通信に要する時間についての情報と、端末装置102又は端末装置103の処理遅延の情報とのうちの一方を黙示的に通知して、他方を明示的に通知するようにしてもよい。
【0045】
制御装置101は、端末装置102と端末装置103との間の端末間通信に要する時間に関する情報を受信すると、端末装置102が端末装置103に関する確認応答を送信すべきタイミングを決定する(S502)。例えば、制御装置101は、端末装置103へデータを送信した時点から、端末装置102が確認応答を送信するまでの待機時間を、
(待機時間)=(所定の係数)×(端末間通信に要する時間)+(端末装置の処理遅延)
のように算出しうる。ここでの所定の係数は正の係数であり、例えば初期的には1に設定されうる。また、制御装置101は、この待機時間を、
(待機時間)=(端末間通信に要する時間)+(端末装置の処理遅延)+(所定の係数)
のように算出してもよい。ここでの所定の係数は、正又は負の係数であり、例えば初期的には0に設定されうる。制御装置101は、決定したタイミングに関する情報を端末装置102へと通知する(S503)。ここでの通知についても、信号の形式等は限定されない。
【0046】
その後、制御装置101は、端末装置103に対してデータを送信する(S504)。なお、制御装置101は、この端末装置103へのデータの送信時に、データが送信されることを端末装置102へと通知してもよいし、例えば端末装置103へのデータ送信に関するスケジュール情報を端末装置102へと通知してもよい。また、端末装置102は、制御装置101が送信した信号を受信し、その中に端末装置103に宛てられたデータが含まれているか否かを独自に判定してもよい。端末装置102は、端末装置103にデータが送信されたタイミングから、S503で通知された情報に基づく一定の期間、端末装置103からの確認応答が受信されるのを待機する(S505)。なお、端末装置102は、所定周期ごとの確認応答を送信可能なタイミングまでの間、端末装置103からの確認応答を待機してもよい。この場合、端末装置102は、例えば端末装置103からの確認応答を受信しなかった場合には確認応答を送信せず、次の確認応答を送信可能なタイミングまでの間、端末装置103からの確認応答を待ち受けてもよい。
【0047】
端末装置103は、制御装置101から送信されたデータを正常に受信できたか否かを判定し、その判定結果に応じた確認応答を送信する(S506)。すなわち、端末装置103は、データを正常に受信できた場合は肯定的な確認応答(ACK)を送信し、データの受信に失敗した場合は否定的な確認応答(NACK)を送信する。端末装置102は、待機期間内に端末装置103から確認応答を受信すると、その確認応答を制御装置101へと転送する(S507)。なお、端末装置102は、自装置宛てのデータを制御装置101から受信した場合は、それに関する確認応答を、端末装置103からの確認応答を送信すべきタイミングにおいて、端末装置103に関する確認応答と共に送信しうる。
【0048】
その後、例えば端末装置102と端末装置103との少なくともいずれかが移動するなど、通信環境が変わり、制御装置101が端末装置103へデータを送信した後(S508)、端末装置103が待機期間(S509)内に確認応答(S510)を送信できなくなったものとする。この場合、端末装置102は、待機期間内に端末装置103からの確認応答を受信できなかったため、否定的な確認応答(NACK)を、制御装置101へと送信する(S511)。
【0049】
このとき、端末装置102は、例えば端末装置103からの確認応答の受信に失敗した回数が所定期間内に所定回数以上となった場合、端末装置103の確認応答を送信すべきタイミングを変更することを制御装置101へと要求する(S512)。なお、このとき、端末装置102は、待機期間(S509)の終了タイミングと、端末装置103からの確認応答(S510)を受信したタイミングとの差を、制御装置101へと通知してもよい。制御装置101は、この要求を受信すると、例えば正の所定値又は通知された差の情報に基づく値を上述の所定の係数に加算して、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送すべきタイミングを更新する(S513)。そして、制御装置101は、更新したタイミングに関する情報を端末装置102へと通知する(S514)。端末装置102は、この通知に応じて、待機期間の長さを変更する。これにより、端末装置102は、その後の制御装置101から端末装置103へのデータ送信(S515)に対する端末装置103からの確認応答(S517)を、待機期間(S516)内に受信することができ、これを転送する(S518)ことができる。
【0050】
なお、制御装置101は、この後、端末装置102からのタイミングの変更要求を一定期間に渡って受信しなかった場合は、端末装置102が端末装置103からの確認応答を転送するタイミングを早めるように、タイミングの更新を行いうる。この更新は、例えば負の所定値を上述の所定の係数に加算することにより、行われうる。なお、更新は、例えば、S502で定めたタイミング初期値に対して、所定値を加減算し、又は所定値を乗算することにより、行われてもよい。
【0051】
このように、端末装置102が制御装置101から通知されたタイミングで端末装置103からの確認応答を転送するため、制御装置101は、不必要に確認応答用のリソースを確保することがなくなり、また、不必要に確認応答を待ち続ける必要がなくなる。また、端末装置102と端末装置103との間での端末間通信及び所定の処理に一定の時間を要する場合であっても、確認応答を送信すべきタイミングがその一定の時間に応じて決定される。このため、端末装置102及び端末装置103が処理を完了するのに十分な時間を確保することができ、端末装置102及び端末装置103の処理負荷やハードウェア等に対する要求を軽減することができる。
【0052】
以上、本実施形態に係る代表的な構成及び処理の流れについて説明したが、これらは一例にすぎず、特許請求の範囲に記載された範囲での、本明細書に記載された実施形態に対する様々な変形及び変更も、本発明の権利範囲内に当然に含まれるものである。
図1
図2
図3
図4
図5